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【庭のある暮らし】ハーブを育てて使い、心と身体を整え健やかに暮らす
脳神経を活性化させるローズマリー ローズマリーは常緑の低木で、一年中香りのよい葉を提供してくれます。木立ち性や、這うように育つほふく性、半ほふく性のものがあり、この庭では木立ち性のものをフェンスに沿わせて育てています。非常に丈夫で乾燥や真夏の日差しにも強く、これといった病害虫の心配もないので、育てている人もたくさんいるのではないかと思います。 ローズマリーやセージなど、庭から摘んだハーブを束ねたハーブスワッグ。 よく皆さんに聞かれるのが、モサモサとよく生い茂るローズマリーの使い道です。生育旺盛なローズマリーは収穫を兼ねてこまめに剪定し、利用するのが株姿をきれいに保つ一番の方法です。切らずにいると2mくらいの高さになり、内側が蒸れて枯れてきたりするので、適宜切って使うのがおすすめです。さて、その使い方ですが、一番簡単なのは、枝を束ねて室内に飾るスワッグを作ることです。 ローズマリーは葉に触れると、力強く爽快感のある香りを放ち、元気がないときでも気持ちをリフレッシュさせてくれます。これは単なる私の気の持ちようではなく、近年の研究で、ローズマリーの香りは脳を活性化させ、気持ちを前向きにしたり、集中力や記憶力を高める効果に優れることが分かっています。ですから、例えば勉強部屋や仕事部屋に、ローズマリーの剪定した枝葉をぶら下げておくと、よくはかどるかもしれません。キッチンに吊しておけば、そのままドライになっても料理に使えます。 ローズマリーと相性のいいポテトフライ。Kolpakova Svetlana/Shutterstock.com 我が家では、よく子どもたちや大人のビールのおつまみに、友人から教えてもらった「トスカーナフライドポテト」を作ります。ローズマリーなどのハーブとニンニクで香り付けしたフライドポテトですが、とても簡単に作れてとってもおいしいので、ぜひお試しください。 ローズマリー香るトスカーナフライドポテトの作り方 【材料】 ローズマリー 15cmほどを2枝 タイム 2〜3枝 セージの葉 5〜6枚(ハーブ類は全部揃わなくてもあるものでOK) ニンニク 1〜2片 ジャガイモ 4〜5個 ベーコンお好みの量 小麦粉少々 塩・胡椒適量 揚げ油適量 【作り方】 ① ジャガイモもニンニクも皮付きのままでOK。ジャガイモをくし切りにして小麦粉をまぶします。ニンニクは先端をカットしておきます。切らないと高温の油の中でニンニクが弾けて危険なので、忘れないように! ② 油にハーブとニンニクを入れてから火をつけ、油が170℃に温まったらジャガイモを入れて、こんがりキツネ色になるまで5〜6分揚げます。このとき、ハーブが黒くなっても大丈夫です。 ③ ベーコンを適当な大きさに切って、別のフライパンで炒めます。揚げたジャガイモとベーコンを絡めて、塩・胡椒をふり完成。 女性ホルモンを整え幸福感をもたらすバラ バラは香水の香料に使われる代表的な植物ですが、花屋さんがブーケに使うバラは、じつは香りのあるものが少ないのです。そのわけは、香りの成分は精油に含まれており、精油分の豊富なバラの花びらは傷みやすく、流通に向かないためです。ですから、逆にいえば精油成分をたっぷり含んだ香り高いバラは、庭で育てている人だけの特権です。 さまざまなメゾンの香水に使われるバラの精油。Anuta23/Shutterstock.com バラの精油はアロマテラピーでも使われます。バラの香りには女性ホルモンの乱れを整えたり、ストレスを緩和し幸福感を得られる作用があるとされ、医療の現場で用いられることもあります。ところで、バラの精油がいくらするかご存じですか? 1mlで1万円以上。小さじ1杯が5mlですから、ほんの数滴でもとても価値があるのです。 庭で摘んだバラやハーブを水に浮かべて。 庭でバラを育てていれば、その高貴な香りに包まれて暮らすことができます。朝、つぼみが開き始める頃のバラの香りは格別です。花に顔を近づけ息を深く吸い込むと、思わずうっとりため息がこぼれます。 古くから薬用に用いられるロサ・ガリカ・オフィキナリス。 この庭ではいくつかのバラを育てていますが、その一つがロサ・ガリカ・オフィキナリス。オフィキナリスという学名は「薬用の」という意味で、古くから薬として用いられてきたバラです。オフィキナリスは一季咲きなので、春は存分に香りを堪能した後、花弁を摘んでドライにし、花の季節が過ぎた後もお茶などにして一年中楽しめるように保存しています。 バラの花びらで作るローズペタルティー ローズペタルとはバラの花びらのことです。バラの花びらを煮出してお茶にしますが、飲用する場合には無農薬で育てていることが条件です。香りが揮発しない朝のうちに花を摘み、ガクを外して花びらだけにします。ザルで洗ってから鍋に入れ、沸騰させたら火を止め、色が出てきたら完成です。 ドライのものはティーカップ1杯(約180ml)に対し、ティースプーン1〜1.5杯のローズペタルを用います。フレッシュの場合は、その2〜3倍の量を。レモン汁やはちみつを加えるのもおすすめです。 使い道豊富な日本在来の実力派和ハーブ、ドクダミ 日陰で湿り気の多い場所に群生し、独特の臭気がすることで知られるドクダミ。生育旺盛で庭中にはびこってしまい、除草しようとすると臭いが手につくので嫌われ者になりがちですが、非常に薬効が多く、強い抗菌作用のある和のハーブです。開花期に採取したものを乾燥させ、煎じて服用したり、生葉を揉んで汗疹や水虫などの湿布治療に用いたりと、古くから薬として利用されてきました。 虫刺されなどに重宝するドクダミチンキ 私はこの季節、5月下旬〜7月の開花期に、庭に生えているドクダミを収穫し、チンキを作ります。ドクダミの花や葉っぱで作るドクダミチンキは、虫刺されや汗疹、かぶれなどに重宝します。収穫した花と葉を一度水洗いして乾かした後、広口瓶の1/3ほどドクダミを入れ、ホワイトリカーや焼酎などのアルコールを瓶いっぱいに注いで3週間放置します。その後、フキンなどを使ってこし、スプレー容器に移し替えれば、ドクダミチンキとして利用できます。 500種以上のハーブや草花が育つ鈴木ハーブ研究所の庭 ご紹介したハーブに加え、鈴木ハーブ研究所の庭では、樹木や草花類を含め500種類以上のハーブを育てています。私は小さい頃から畑仕事をする祖母と一緒に暮らしてきたので、植物を育てて、収穫して、食べたり飲んだり、お風呂に入れたり、飾ったり、香りを利用したり、暮らしの中にはいつも植物があり、その移り変わりがカレンダーのように身に染み込んでいました。そのカレンダーの中に、大人になってからハーブが加わり、さらに私の植物の世界は広がりました。 ハーブは植物の中でも丈夫で育てやすい種類が多いので、地植えや鉢で育てておけば、いつでもすぐ手に取ることができます。そういう身近なものを利用して自分で自分をケアする術(すべ)を知っていれば、むやみに不安になったり、不安から体調を崩すのは防ぐことができます。予想外の事態というのは、どんな時代にも誰の人生にも起きると思いますが、そういうときに動揺するだけでなく、じゃあどうしたらいいのか、と次の一歩を考えることが大切。そのヒントを、母親として娘たちにきちんと残しておきたいなと思ったことをきっかけに、私のハーブのある暮らしを、4冊のミニブックにまとめました。 よく使うハーブの育て方、使い方をまとめた「私のハーバル手帳」 例えば、本の中でご紹介したカモミールは、娘たちが小さい頃から眠る前にミルクティーにして飲んでいます。カモミールの安眠作用はよく知られていますが、それだけではなく、喉がちょっと痛いなという、いわゆる風邪の初期症状のときにも有効です。その段階でカモミールティーを飲んでおくと、たいがい本格的な風邪に発展せずに済んでいます。こういうふうに、はっきりと「病気」とまではいかないけれど、ちょっとあれ? っていう違和感を覚えることって、日常的にありますよね。身体の不調もそうですし、なんとなく不安感が強くなったり、眠れなくなったりすることは、誰にでもあるものです。そういうときに、身近な庭や鉢植えの植物を使って対処できる知恵を持っているのは、心強いですよね。 ちょっと話はそれますが、私の地元でもあり、今も暮らす茨城県は水戸黄門で有名ですが、黄門様の命によって水戸藩医がまとめた『救民妙薬集』という書物があります。これは医者に診てもらうことができない貧しい民のために、身近な植物を用いて病を癒やせるようにと書かれたものです。お腹の痛いときはこの草を使ってこうするよ、とか、ケガをして出血したときはこうだよ、というように、自分自身で不調に対処する術が書かれているんです。私はこれを読んで、この知識がどんなにか人々を救ったことだろうし、心強かったことだろうなと思って感動しました。私は西洋からもたらされたハーブを庭で育てて、暮らしに役立ててきましたが、私自身も何度もハーブに救われてきました。自社のスキンケア商品にもそういう経験が生かされています。そして、もっと多くの人に自分がこれまで培ってきたハーブの知識を伝えたいと思い、「本」という形を選択しました。そのヒントを与えてくれたのが、『救民妙薬集』です。 「私のハーバル手帳」も、現代を忙しく生きる人々に、健やかで幸せな暮らしを送るために役立ててもらえたらという気持ちで作りました。育てやすく使いやすいハーブや、道端に生えているような身近な草花をピックアップしました。ハンドバッグに入れて移動中などに眺めてもらえるように、A5版であえて薄い作りにしました。忙しい日常の合間で、ふと本を開いたときに癒やされ、いつも健やかでいられるためのお守りになれたらうれしいです。 【私のハーバル手帳】 Vol1. カモミール、ミント、ラベンダー、セージ Vol2. ローズマリー、タイム、オレガノ、バジル Vol3. バラ、バタフライピー、ラバンジン、オータムベリーズ、コキア、クロモジ Vol4. フキ、ヨモギ、スギナ、カラスノエンドウ、セイヨウタンポポ、ドクダミ、サンショウ、シソ、クスノキ、ビワ 【Information】 鈴木ハーブ研究所 オープンガーデン開催中5月24日(金)〜26日(日)10時〜16時(最終日15時まで)入園無料 ■場所鈴木ハーブ研究所/〒319-1112茨城県那珂郡東海村村松2461 ■内容500種以上を育てるガーデンの無料開放/ワークショップ/出店販売他 https://feelherb.s-herb.com
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪9 茨城「フェアリーガーデン」
自然体な庭をつくりたい人必見 広々としたサンプルガーデン 幹線道路から少し入った住宅街の中に突如広がるガーデンショップ、「フェアリーガーデン」。つる植物が絡むウッドフェンスと雑木で囲まれた、ナチュラルでまるで秘密の花園のようなお店です。 大きな木々や宿根草が茂る人気のサンプルガーデンは、オーナーの柴田しず江さんが25年前からコツコツとつくり上げてきたもの。約250坪もある敷地は、植物をゆっくり愛でながら回遊できるように枕木や自然石が敷かれ、花木、バラ、宿根草、球根などさまざまな植物が植栽されています。今ではこんなにも成熟した庭ですが、ここに至るまでには相当な時間と労力を費やしてきました。 今から25年以上前、自宅を洋風に建て替えた際にガーデニングを始めた柴田さん。建物の雰囲気に合った美しい庭づくりを目標に掲げました。しかし当時はおしゃれな庭づくりの情報が少なかったため、都内の洋書専門店まで何度か出向き、ガーデン関連の洋書を購入。神楽坂にあったスクールでガーデンデザインを学び、庭づくりの知識を身に付けていきました。 洋書には、見たことのない素敵な宿根草やオールドローズがたくさんありました。その当時、それらの植物もまた日本では出回っていなかったため、海外から種子を取り寄せて自身で育苗をスタート。オールドローズは都内の販売店にまで足を運び、少しずつ数を揃えていきました。 しかし、自邸で本格的な庭づくりをするには限界を感じた柴田さんは、苗づくりはプロの農家に依頼し、それを販売するショップをオープンしようと決意。自身だけでなく園芸好きの人たちにも楽しんでもらえるような、サンプルガーデンを併設することで、自身が思い描く庭づくりを実現させました。 サンプルガーデンをつくるにはある程度の広さが必要なので、使われなくなった田んぼを借用して、まずは洋風の建物を建設。その後、ガーデン部分となる場所には業者に客土をお願いし、へこんでいた敷地を平らにしてもらいました。けれど、入れてもらった土には礫やガラが非常に多かったので、最初しばらくは、それらを取り除いて、有機的な資材で土壌改良をすることに注力。整地しながらデザインを考え、花壇となる部分はレイズドベッドにして新しい良い土を入れ、水はけを確保しました。 見ごたえたっぷり、魅力あふれる植栽シーン 柴田さんが、庭をデザインする上で心がけたことは、奇をてらわない自然体な風景であること。縦長で奥行きのある敷地を有意義に使うために、園路を2本縦に通して奥でつなげ、回遊できるようにデザインしました。枕木や自然石を用いてラフに敷いたことで、雑草までもが愛らしく見えます。 ざっくりと石を敷いた園路の両側には、昔から親しまれている植物から最新の植物まで、さまざまな種類が植わっています。「この庭では消毒で薬剤を使用しないので、とにかく性質が強い品種を入れています」と柴田さん。強健な植物を選ぶことでメンテナンスに追われるストレスを極力減らし、それぞれの植物が持つ野趣を生かして自然な風景を演出しています。 庭演出で注目の植物「オールドローズ」 バラは、うどんこ病や黒点病にかかりにくい品種をセレクト。あまり主張が強くない品種であることもポイントで、旺盛に育ちながらロマンテチックなシーンを実現しています。東屋に誘引したバラは‘コーネリア’。 庭演出で注目の植物「クレマチス」 やわらかさをシーンに加えるのに活躍するのがクレマチス。フェンスに絡むのは、軽やかな花形と淡い花色が美しい‘チャッツワース’。 庭にさりげないアクセントをつける細いオベリスクには、ベル形のクレマチス‘雫’を絡ませて。 庭演出で注目の植物「リーフ類×灌木」 樹木の下はしっとりとしたシーンをつくるのに最適な場所。春に白い花穂を下げるコバノズイナと黒い葉のリグラリアでシックにまとめて。 庭演出で注目の植物「リーフ×宿根草×球根」 灌木の株元をにぎやかに彩るブルーベルと黄花のイカリソウ。覆輪のギボウシ‘寒河江’を背景に、反対色の組み合わせが効いています。ほかの場所では、柴田さんのお兄様から譲り受けた3倍体の大きなイカリソウが見られます。 庭演出で注目の植物「リーフ×球根植物」 アスチルベやキミキフガの花が上がる前の緑一色の頃は、ブルーがかった白い星形の花を咲かせるオーニソガラム・ヌタンスが清楚な彩りを添えて。 庭演出で注目の植物「宿根草×一年草」 こぼれ種で広がるヒメフウロと、青いヤグルマギクの、ブーケのような可憐な組み合わせ。 庭演出で注目の植物「宿根草」 園路の傍らで愛らしい彩りを添えるフロックス‘シアウッドパープル’。この花が咲き終わる頃に、ニゲラ‘グリーンマジック’にバトンタッチします。 庭演出で注目の植物「山野草」 庭の奥には、木陰でエビネなどの山野草の花が咲き、野趣あふれる風景が広がっています。 本格派アイテムを添景に用いて メリハリのあるシーンを演出 宿根草が咲き乱れる植栽に変化をつけるため、柴田さんは大きなオーナメントやコンテナをポイントで配し、インパクトのあるシーンを演出しています。アイテムは、英国のウィッチフォード社やドラゴンストーン社などの本格的で大ぶりなものを多用。「中途半端なものをあちこちに飾るよりも、経年変化で味わいが出る本物を数点置くほうが絵になると思うんです」と柴田さん。洋書をから学んだテクニックが、ここにも生かされています。 どっしりとしたドラゴンストーン社のコーンのオーナメント。ここでは、ジャーマンアイリスやギリアなど、草花のフォルムの引き立て役として活用。 日陰のコーナーに配したガーゴイルの置物。シダの陰にひっそりと佇む姿が魅力的です。 ギボウシの奥で存在感を放つ、テラコッタのルバーブポット。 広い花壇をひと区切りしたいときは、アイアンフェンスがぴったり。 冬~早春の間も楽しめる サンプルガーデン 「フェアリーガーデン」のサンプルガーデンは、冬の間もオープンしています。ひっそり静まり返ったような庭にも、よく見てみると発見がたくさん。冬の庭で生きる植物の状態を学べるだけでなく、冬枯れしたその姿を愛でる楽しみもあります。 2~3月になると、たくさんのクリスマスローズがあちこちに咲き群れます。ぜひ寒い時期も訪れてみて。 クリスマスローズは、新潟から仕入れたというシックな花色のものが多数。時期になると店頭で販売されます。 落ち葉の中から、スノードロップやプシュキニア、チオノドクサなどの愛らしい小球根類があちこち顔を出します。 ショップのマスコット的な存在に。 大人気の猫たち フェアリーガーデンでは、数匹の猫たちが店番をしながら遊んでいる様子を見かけます。彼らは柴田さんが保護したという近所の猫たち。近所でどうしても増えてしまって処分されてしまう恐れのある野良猫たちを、自己負担で病院に連れて行き、去勢・避妊の処置してもらっています。生まれたばかりの子猫の場合は、飼ってくれる里親を探し、今まで約80匹を里子に出しました。柴田さんに目をかけてもらった猫たちは、自由に庭を出入りし、恩返しをするかのように? 来訪者に愛嬌を振りまいています。 オーナメントに勝るとも劣らず、存在感を放っている猫たち。みんなに可愛がられているせいか、野良猫のわりにはのんびりとしています。 柴田さんが飼っているオッドアイ(左右の目の虹彩の色が異なる)の白猫の‘小春’。一代目の看板猫‘福’の後継猫として活躍中。お客様との程よい距離感を保ちながら、散歩したり、昼寝をしたりとマイペース。 育てる楽しさを感じてもらいたいという思いで セレクトした花苗 ショップを始めた当初は、農家に作ってもらった苗と市場の苗を同時に発売していましたが、25年経った今では、全国のこだわりの生産者から苗を取り寄せています。実際の庭づくりで品質を確かめている柴田さんが納得のいく、選ばれし植物たちです。「小さな苗から育てて、翌年また花を咲かせてくれる植物の健気さと愛らしさ。育てることの楽しさ、庭づくりの本当の魅力を知ってほしい。そんな思いを込めて販売しています」と柴田さん。 斑入りや銅葉、シルバーリーフなど、葉も楽しめる丈夫で美しい宿根草が充実。 一年草をはじめとする華やかな草花もズラリ。 庭の雰囲気を高めてくれる、本格派資材も並ぶ 柴田さんが洋書で学んだ、経年変化で味わいが生まれる本格的なアイテムを多く扱っています。「ちょっと値段は張りますが、何年も買い替える必要がないので、元が取れてしまいますよ」。これは柴田さんのこだわりの一つです。 ブーケのようなアレンジが人気! 好評の寄せ植え講習会 「フェアリーガーデン」では、「ギャザリング」という手法の寄せ植えづくりに力を入れています。この手法は、ブーケのような美しい仕上がりが特徴です。 ギャザリングづくりと講師担当は、柴田さんの娘である育美さん。講習会は、「月1回・全6回の半年コースと全12回の1年コース、1回のみの体験コース」があります。大人気なので、気になる方は早めに問い合わせを。 ギャザリングのリース。花材はいずれ庭に地植えしても楽しむことができる、丈夫な種類を多く使っています。 柴田さんイチオシの花苗はコレ! シックでおしゃれなパイナップルリリー 柴田さんがオススメするのは、赤黒い葉のシックな佇まいが魅力のパイナップルリリー‘スパークリングバーガンディー’。6月下旬~7月頃にニュアンスのあるピンクがかったクリームイエローの花を咲かせます。花期以外にも美しい葉が楽しめ、植栽にアクセントをもたらしてくれます。丈夫で育てやすいので、ぜひお試しを。 庭の植栽が美しいというだけでなく、植物や動物、命あるすべてを心から愛おしむ柴田さんの温かさがあふれるショップ、フェアリーガーデン。「この庭にいるだけで癒されて、塞ぎ気味だった気分が明るくなった」など、わざわざお礼を伝えてくださるお客様も多く、介護とショップ運営で疲れきっていた柴田さん自身も、結局は庭の植物に救われたという一人。自然体が生みだす、美しく心地よい庭を、ぜひ訪れてみてください。アクセスは、常磐自動車道那珂ICより車で約10分。JR水郡線・上菅谷駅下車徒歩5分。 【GARDEN DATA】 Fairy Garden(フェアリーガーデン) 茨城県那珂市菅谷3023−6 TEL:029−270−7177 https://ameblo.jp/fairyfairygarden/(ブログ) 営業時間:10:00~17:00(施設に準ずる場合あり) 定休日:木曜日(正月) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪8 神奈川「Buriki no Zyoro湘南T-SITE」 ・「私の庭・私の暮らし」バラ初心者が育んだ5年目の小さな庭 神奈川・Y邸 ・暑さに負けず、たくさん可愛い花が咲く夏のイチオシ一年草10種 Credit 文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/フェアリーガーデン
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花の庭巡りならここ! 広大な敷地でダイナミックに花が咲く「国営ひたち海浜公園」
広大な敷地を誇る都市公園「国営ひたち海浜公園」 1991年にオープンした「国営ひたち海浜公園」は、総面積が約350ha、開園面積が約200haにも及ぶ、広大な都市公園です。園内では四季を通してさまざまな花々が咲くほか、林間アスレチック広場やバーベキュー広場(要予約)、乗り物やアトラクションが充実しているプレジャーガーデン(遊園地)、サイクリングコース、自然観察ができる場所などがあります。一日いても全ては回りきれない広さなので、訪れたい場所はどのエリアか、園内マップを参照し、ターゲットを絞ってから出かけるのがオススメです。 敷地の広さを生かして季節の草花を群稙し、ダイナミックに面で魅せるのがこの公園の特徴。特に春のネモフィラと夏〜秋のコキアは、もはや誰もが知る人気スポットになっていますね。2017年度は約227万人が訪れたという実績があり、花好きさんにとっては何度でも見に行きたい花の名所になっています。 春はネモフィラが有名ですが約25万本のチューリップも見逃さないで! 「国営ひたち海浜公園」では、なんと真冬の1月からチューリップが開花します。これらは「アイスチューリップ」と呼ばれる、特殊な方法で冷蔵処理した球根を植え付けたものです。アイスチューリップは真冬に開花し、開花期間が大変長いのが特徴で、「グラスハウス」前の池のほとりに約1万5000本が咲き競います。ガーデナーにとって、花が咲く姿に飢えている冬。ぜひアイスチューリップに癒されに出かけ、春の訪れを楽しみに待ちましょう。 「国営ひたち海浜公園」の春の見どころは、なんといってもチューリップ。見頃は4月中旬〜下旬です。「たまごの森フラワーガーデン」では、約240品種25万本のチューリップが開花。毎年さまざまな品種を楽しめ、リピーターも多いとか。早咲きと遅咲きの品種を組み合わせて植栽し、時間の経過とともに変化するよう工夫されています。 「国営ひたち海浜公園といえば、ネモフィラ」。そんなイメージが定着してきましたね。見頃は4月中旬〜5月上旬。園内の「みはらしの丘」に、ネモフィラ‘インシグニスブルー’が約450万本植栽され、一面がブルーで彩られます。空と海、そしてネモフィラのブルーに囲まれたすがすがしい景色を、ぜひ一度は味わいたいものです。 「国営ひたち海浜公園」内にある「常陸ローズガーデン」では、約120品種3,400本のバラが植栽されています。見頃は春が5月中旬〜6月上旬、秋が10月下旬〜11月上旬です。写真の「ローズレリーフガーデン」は、園路によって一輪の大きなバラを表現。大観覧車から眺めると、目を引くデザインポイントになります。また、バラの原種の一つのハマナスは、茨城県が太平洋側の自生地の南限ということもあり、約1,600本が植栽されています。 バラが見頃を迎える期間は「茨城バラまつり」を開催。ガイドスタッフによる解説が聞ける「常陸ローズガーデンツアー」が行われるほか、フォトレッスンやコンサート、バラにまつわるクラフト体験など、さまざまなイベントに参加できます。 また、バラと同時期に「BMXコース周辺」のカリフォルニアポピー、「大草原フラワーガーデン」のリナリア、シャーレーポピーが楽しめるので、これらのエリアへもぜひ足を運びましょう。 夏はヒマワリ&もこもこコキアを満喫!秋は紅葉して真っ赤に染まるコキアの丘が大人気 8月中旬には、ヒマワリが見どころに。「みはらしの里」では約4,700㎡の敷地に咲く約3万本のヒマワリが楽しめます。「ヒマワリの迷路」がつくられているので、ゴールを目指してヒマワリ畑の散策を楽しみましょう。一方、「泉の広場フラワーガーデン」では、40品種ものヒマワリを植栽。色、形、大きさなど、育ててみたいヒマワリを見つけに足を運ぶのもオススメです。 7月上旬頃は、「国営ひたち海浜公園」の「みはらしの丘」に約3万2,000本が植栽された、グリーンのコキアが見られます。このモコモコっぷり、なんだかカワイイと思っちゃいませんか? 青空をバックに、たくさんのグリーンのモコモコと一緒にぜひ写真を撮りましょう。インスタ映えすること間違いありません! 8月中旬から約1週間の期間限定で、コキアが見られる「みはらしの丘」エリアのみ夜間開園が行われます。楽しいBGMが流れる中、LEDによるカラフルなライトアップが見どころ。毎年テーマを設けて繰り広げられる、光と音楽の演出を堪能しましょう。さまざまな屋台が現れる、グルメブースの特設会場にもぜひ寄り道を。 そして、コキアが本領を発揮するのが10月中旬から。グリーンから、なんと真っ赤に紅葉するんです。なだらかな丘一面が真っ赤に染まる景色は一見の価値あり。ぜひ秋のコキアを見に出かけましょう。同時期に、赤、白、ピンクのコスモス、ススキ、オギなど、楚々とした秋の花も見頃になります。 広すぎる園内では、周遊する「シーサイドトレイン」の活用を!オシャレなレストランやカジュアルなカフェも充実 「国営ひたち海浜公園」では、園内10カ所の停留所を周遊する「シーサイドトレイン」が運行しています。3歳以上が有料で一人500円の一日周遊券を購入すれば、乗り降り自由で乗り放題。敷地が大変広いので、普段あまり歩き慣れていない方にはオススメ。1周約40分かけて回るので、まずは「シーサイドトレイン」で園内をぐるりと巡って、見たい場所の目星をつけるのもいいですね。ただし、ペットの同伴は不可となっています。 「国営ひたち海浜公園」内には、レストラン1店舗、軽食店(飲食スタンド・カフェ)が6店舗入っています。写真は、海が見えるガラス張りのカフェテラス「Sea Side Café」。営業時間は9:30〜閉園1時間前まで(季節によって異なる)、ラストオーダーは閉園1時間15分前まで。軽食はドライカレー570円、ナポリタン620円など。 「Sea Side Café」のスイーツは、写真のカボチャのチーズケーキのほかに、メープルチーズケーキ、クルミのタルト、リンゴとサツマイモのパイがあり、いずれも390円。常陸野ハニードーナッツ、ソフトアイス(バニラ、抹茶、チョコレート、ストロベリー)いずれも300円。ドリンクはオレンジジュース、紅茶、コーヒー(ホット、アイスともに)310円。カジュアルな値段設定が嬉しいところです。 ちなみに、園内では飲食店が充実していますが、飲食物の持ち込みもOK。青空の下でお弁当やおやつを広げて、休憩するのもいいですね。 Information 国営ひたち海浜公園 所在地:茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4TEL:公園029-265-9001 バーベキュー広場予約029-265-9002 プレジャーガーデン(遊園地) 029-265-8185http://www.hitachikaihin.jp 英語サイト/http://en.hitachikaihin.jp アクセス:公共交通機関/JR常磐線「勝田駅」東口より、バスロータリー2番乗り場茨城交通バス「海浜公園行き」にて約15分(タクシー15分)、「海浜公園西口」または「南口」下車すぐひたちなか海浜鉄道湊線「阿字ヶ浦駅」下車、徒歩約20分(海浜公園南口)車/東京方面:常磐自動車道~(友部JCT)~北関東自動車道経由、常陸那珂有料道路「ひたち海浜公園IC」より県道247号線 約1㎞いわき方面:常磐自動車道「日立南太田IC」より約15㎞ 休園日:月曜(祝日にあたる場合は翌日の火曜)、12月31日、1月1日、2月の第1火曜日からその週の金曜日まで ※但し、3月26日~5月31日、7月21日~8月31日、10月1日~10月31日、12月25日~30日は無休 営業時間:9:30~17:00 ※但し、夏期7月21日~8月31日は18:00まで、冬期11月1日~2月末日は16:30まで 料金:大人(高校生歳以上)450円、シルバー(65歳以上)210円、小人(小中学生)無料 ※のりもの券は別途料金 駐車場:4,350台(普通車510円/1日)
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茨城県
カメラマンが訪ねた感動の花の庭。茨城「つくばローズガーデン」
今から10年ほど前に雑誌の企画で「オープンガーデンつくば」さんに取材に伺った際、何人かの方から「オープンガーデンのグループではないですけど、元市長の藤澤さんがつくった、なかなか立派なバラ園がありますよ」と教えていただいたことがありました。その時はそのまま忘れてしまっていましたが、オープンガーデンの取材も終わり、お世話になった方にお礼の電話をしている時に「来年は藤澤さんのお庭にぜひ行かれたらいいですよ」と改めて薦めていただいたことがお付き合いの始まりでした。 とはいっても、元市長さんに電話をするのは気後れして、大きな白いお屋敷にハイブリッドティーだらけのバラ園という勝手なイメージも邪魔をして、なかなか電話をできずにいました。しばらくどうしたものかと考えた末、やっと電話をかけてみると、藤澤さんはとてもていねいな優しい口調の方で、「写真に撮っていただけるような庭かどうか分かりませんが、それでもよかったらお越しください」と言ってくださいました。 最初の電話から半年が過ぎ、いよいよ再びバラのシーズンが始まり、藤沢さんのバラ園の撮影当日、どんな庭だろうと思いながら伺ってみると、目の前に現れたその庭は無数のバラが咲き乱れる、僕の勝手な想像とはまったく違う夢のような庭でした。 中央の緑の芝生のスペースを囲むように、左側にはツゲのヘッジに囲まれたオールドローズのエリア、その向こう側には大小さまざまなパーゴラが立ち並ぶイングリッシュローズのエリア。さらに奥には、フレンチブルーに塗られたトンネルに、フレンチローズが咲き乱れています。またまた奥のフェンスには、満開のつるバラ。右側のヘッジの中はミニバラのスタンダードとイングリッシュローズが咲き乱れ、見渡す限りすべてのバラが今が盛りと5月の優しい光の中で美しく咲いています。 バラ園の入り口で藤澤さんに挨拶をすませ、早速中へ。午後3時半の少し傾きかけた太陽の位置を確認して、撮影ポイントを探しながら歩き回ると、つるバラのアーチの下をくぐるときも、イングリッシュローズのパーゴラの脇を通るときも、さまざまな心地よいバラの香りに包まれます。きれいに咲いた花を見つけては、まず顔を近づけて香りを嗅いでから数枚のシャッターを切り、心の中で「ありがとう」とつぶやいてから次の花へ。そんな幸せな気分で過ごした日暮れまでの3時間でした。 藤澤さんは市長を務めている頃、つくば市にバラ園があるといいなと考えていたそうですが実現することはなく、ならば自宅の前の畑をバラ園に変えようと行動したそうです。バラ園をつくると決めた藤澤さんは、毎日のようにガーデニング誌『BISES』やDVDの『オードリー・ヘプバーンの庭園紀行』を見ながら構想を練り、馬ふん堆肥やウッドチップを使った土づくりから、パーゴラやアーチの製作、2,500株に及ぶバラの植え付けまで、1人ですべてをやってしまったというから驚きます。 バラの選定は千葉県のバラ園「草ぶえの丘」に通って、すっかり気に入ったオールドローズでと決めていましたが、知り合いからの意見もあり、ちょうどその頃流行りだしたイングリッシュローズを主流にしたそうです。それから13年間、毎年毎年4トンの馬ふん堆肥を入れ、米ぬかやカニ殻を自分流にブレンドした有機肥料を使いながらバラ園を育ててきた藤澤さん。 「バラを育てるのは難しいです。剪定も毎年悩みながらやっています。うまくいった年もあるし、うまくいかなかった年もあります。だからうまくいったら嬉しいし、うまくいかなかったら悔しいです。だからまた頑張れる。何といっても、きれいに咲いた時にお客様が喜んでくれるのが一番嬉しいです」と、いつもの笑顔で教えてくれました。 このバラ園での一番の思い出は、2014年に藤澤さんの発案で、福島県にあった「双葉ばら園」の写真展を開催できたことです。きっかけは、3.11の東日本大震災で被災された「双葉ばら園」の園主、岡田勝秀さんの仮住まいがご近所だったこと。岡田さんがときどき藤澤さんのバラ園にも来てくださることもあって、岡田さんへのエールの気持ちも込めた写真展企画でした。2013年発行の『BISES』No.87で双葉ばら園の特集を掲載していただいた八木編集長にも写真展への協力をお願いしたところ、快く引き受けていただき、「一瞬で幻となった双葉ばら園の43年間の記憶」という特集タイトルを写真展でも使わせていただきました。また、心のこもった挨拶文までいただいたのは、僕だけでなく藤澤さんにも岡田さんにも、本当に忘れられない思い出です。 先日、この記事を執筆することをお伝えするために藤澤さんを訪ねました。「原稿は今井さんにお任せしますよ。今年はつぼみがたくさんつきましたから楽しみです」と、いつもと変わらない笑顔で迎えてくれました。
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茨城県
花の庭巡りならここ! 実はエンタメ空間!「水戸市植物公園」
植物を身近に親しんでもらうための植物公園 「都会の人こそ、週末くらいはこういう所へ来て癒されたほうがいいですよ〜。ほら、いい香りでしょ」と、ローズマリーの葉をもんで、香りをかがせてくれたのは西川綾子園長。NHK「趣味の園芸」の講師を務め、ハーブの栽培と利用方法に精通する園芸研究家でもあります。園内の随所にローズマリーやセージ、タイム、バジルなどが植えられており、葉にそっと触れただけで少しスパイシーな香りや甘い香りがフワッと立ち上ります。これらのハーブは鑑賞するだけでなく、収穫してイベントなどで利用されています。 「栽培したハーブでポプリやリース、ハーブティーをつくって楽しむハーブ友の会や、薬草で草木染めをする草木染織同好会など、同好会活動や一般の方が参加できるイベントも多数開催しています。こうやって植物に触れて味わって、植物をもっと身近に親しんでもらい、多面的な価値を知ってもらうのがこの植物園の役目の一つです」。 水戸市の歴史と深い関係にある薬草たち 水戸市植物公園がこうした活動に力を入れているのは、水戸市の歴史的背景にその理由があります。水戸黄門として有名な水戸藩第2代藩主、徳川光圀は、民衆のために数々の偉業をなしたことが知られていますが、その一つに『救民妙薬(きゅうみんみょうやく)』という本があります。これは病気になっても医者にかかることのできない貧しい人々が、身近に生えている植物を使って病の苦しみを癒せるようにと、光圀が藩医の鈴木宗与(穂積甫庵)に命じてまとめさせたもので、藩内で採取できる薬草を材料にした処方箋が397種類紹介されています。また、後代の水戸藩主、9代徳川斉昭は弘道館(こうどうかん*人材育成のための当時の学校)を創設。館内に医学館とともに薬園を設置して薬草栽培を行い、製薬をしました。 2017年4月には、園内の薬草園を拡張整備した「水戸 養命酒薬用ハーブ園」がオープンしました。ここでは江戸時代の水戸藩にまつわる薬草や現代親しまれているハーブを、散策しながら楽しめます。 水戸市植物公園では自然美と人工美の調和した景観を大きな特徴としており、テラスガーデンをはじめとして、季節ごとに異なる景観が楽しめます。美しい花景色を楽しみつつ、植物への知識と親しみを深めに訪れてみませんか。季節ごとの美味しい薬膳料理(土日・数量限定)を提供している園内の喫茶にもぜひお立ち寄りください。 <水戸市植物公園パンフレットより> 白いウメの花をお酒に浮かべて香りを楽しみましょう ウメの白い花が咲いたら、半分開きかけた花を集めましょう。梅干しの種子を除いた梅肉を、蓋が付いた真空保存ができる容器の底に敷きます。採集した花をその上に並べて保存します。暑い季節に取り出して、お酒やお湯にその花を浮かべれば、梅肉の香りと花の美しさを楽しめます。クチナシの花も同様につけても見事です。(弘道館本草局長 佐藤中陵の『中陵漫録』の意訳) 写真提供/水戸市植物公園 information 水戸市植物公園 茨城県水戸市小吹町504 Tel. 029-243-9311 http://www.mito-botanical-park.com 開園時間:9〜17時(入園は16時まで) 休園日:月曜日(祝日または振替休日のときは翌日)、年末年始12月29日〜1月3日 入園料:一般300円、小・中学生と市内及び近隣市町村(笠間市・ひたちなか市・那珂市・小美玉市・茨城町・城里町・大洗町・東海村)居住の60歳以上150円 Credit 取材&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。