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花の庭巡り 長野「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」
冬は国内屈指の天然100%のパウダースノーで知られる長野県の北部に位置する白馬。恵まれた自然環境に惹かれて近年、海外からの移住者も多いこの地域に、2013年に本格的なイングリッシュガーデンがオープンしました。起伏のある約6,000㎡の敷地には約900種、18,000株もの植物が育つ「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」。北アルプスの麓にあり、雪深い厳しい冬を越え、鮮やかな花々に彩られる美しいシーズンは7月に最盛期を迎えます。 真っ赤な屋根が目印の「ホテルグリーンプラザ白馬」の目前に生まれたガーデンは、15のコーナーで訪れる人を魅了します。自然林を背景に100種、500株のバラをはじめ、次々とバトンタッチして開花する数々の宿根草と自生する植物が美しい調和を見せます。 「コニファーガーデン&ロックガーデン」 冷涼な場所だからこそ本来の色彩で葉を広げるシルバーグリーンや、這って広がる種類や、こんもり形よく茂る種類など、バラエティー豊かなコニファーが集められたコーナー。ブルーのガゼボには、殿堂入りした人気のバラ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’が絡み、7月中旬には満開を迎えて、ロマンチックな風景をつくります。 このガーデンを手がけているのは、マーク・チャップマンさん。イギリス東部のリンカンシャーに生まれ、英国内の4つのカレッジでデザインと園芸を学んでイングリッシュガーデンに精通した、ガーデンデザイナーかつガーデナーです。オープンの2年前から、この庭へ東京から何度も通い、庭をつくり続けています。このガーデンのすべてに自ら手を入れ、工夫を重ねています。 デザイナーのマーク・チャップマンさんは、山の地形を生かして可能な限り多くの既存の樹木を残しながら、トラディショナルなイングリッシュガーデンを融合した庭づくりを目指しました。多くのイングリッシュガーデンに見られる広々とした芝生のエリアや宿根草が咲き継ぐボーダー、壁で囲まれたウォールドガーデンなどを各エリアに設けながら、この土地だからこそ生まれる風景づくりを追求し続けています。 鮮やかな彩りのある「ローズガーデン」や「サマーメドウガーデン」を抜け、2つに分かれた道を右へ進むと、カーブの奥にどんな景色が待っているか散策が楽しい「ウッドランドウォーク」のエリアへ。自然の小川の流れを生かしているのも、このガーデンの魅力です。石橋を渡ったり、横を歩いたりしていると、水を受けて生き生きと輝く数々のギボウシやハクロニシキ、ツワブキや水辺の植物に癒されます。 ガーデンのあちこちで出合う石のオーナメントも大事なアクセントです。ウォールドガーデンの中で、その場所を守るように立つ騎士や、まるで草むらに姿をひそめているようなシカの姿に心がほぐれます。オープン時は真新しかった石のオーナメントも、雨風にあたり少し味が出てきました。これから先も、毎年植物は成長し、よりよく変化していく庭を見守っていくことでしょう。 ガーデンの中には、眺めのいい場所にいくつもベンチが置かれています。散策をしながら、時には腰をおろして庭を眺めると、デザイナーがなぜその場所にベンチを置いたのか、意図が伝わってきます。ガーデン散策では、足元の繊細な花も見逃したくないですが、少し視線を上げて風にそよぐ緑と空を仰ぐのも忘れないでください。黄金葉や枝垂れる葉など、普段街中では見かけない美しい樹木が育っていることに気がつくでしょう。 英国では、蜂蜜色のコッツウォルズストーンが石垣などに用いられていますが、ここでは厳しい寒さによって石が割れてしまうことから、地元産の石が使われました。イギリスでは見られない、この土地に自生する植物とイングリッシュガーデンの要素の融合がある「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」。時には花がらを摘まずに残し、実を結ぶのを待つこともあるそうです。こぼれ落ちたタネが雪の下で越冬して春に芽吹く。自然に任せた管理も取り入れながら年々、成長を続けている庭です。 Information 「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」所在地:長野県北安曇郡小谷村千国乙12860-1☎0570-097-489 http://hakubacortina.jp/englishgarden/アクセス:上信越自動車道「長野I.C.」よりR19、長野白馬有料道路、R148経由で約90分。Open:8:00〜17:00(5月20日〜10月31日)入園料:大人 300〜800円/小学生 100〜300円 季節により変動あり 併せて読みた
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長野県
花好きさんの旅案内 【国内】長野・白馬のオススメガーデン3選
17年育まれてきたナチュラルな庭 長野・須坂市の「ガーデンソイル」 リンゴやブドウ畑に囲まれたのどかな田園地帯に、2000年からガーデンライフを提案するセレクトショップとしてスタートして17年。シラカバやアカシア、スモークツリーなどの木々が生える4,000㎡の敷地に、大小いくつものモデルガーデンがつくられ、ガーデニングファンが足しげく通う場所です。 長年かけて大きく育った木々の間に、ぽっかり丸く空いた芝生の周りには、オルラヤやスカビオサ、エリンジウムなどが背丈を競うように伸びやかに育つコーナー。毎年少しずつ、つくり変えられる部分があり、ガーデンデザインのヒントをあちこちで見ることができます。6月下旬には、ガゼボやアーチにナチュラルに絡み咲くバラ、7月上旬にはカラフルに花穂を伸ばすホリホックなど、訪れるたびに花色が変わるガーデンです。 親しみのある花から珍しい花型など、次々現れる愛らしい花たちに時間を忘れてしまいます。これまでカタログでしか見たことがなかった植物の実際の株姿を見ることができると評判です。ガーデンで気に入った品種やほかではあまり見かけない植物の苗も購入できるのも嬉しいですね。ショップには、テーブルやベンチなどのガーデン家具からアンティークのバスケット、帽子などセンスある商品がズラリと並んでいます。お買い物もぜひお楽しみに。 Information 「ガーデンソイル」 所在地:長野県須坂市野辺581-1 ☎026-215-2080 http://soilgarden.exblog.jp アクセス:上信越自動車道「須坂長野東I.C.」より車で5分。 Open:10:00〜18:00(4〜7月、9月、10月は無休。その他の月は月曜定休) 長野に新しいガーデンが仲間入り 「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」 冬はスキー客で人気が高い「ホテルグリーンプラザ白馬」の敷地内に、2013年にオープンした本格的なイングリッシュガーデン。もともとの起伏のある地形を生かした約6,000㎡の敷地には「ウォールドガーデン」や「ローズガーデン」、「サマーメドウガーデン」など15のコーナーがあり、植物はなんと約900種、18,000株も育っています。 北アルプスの麓に位置し、冬は一面雪に覆われる場所ですが、その厳しい冬を越えるからこそ展開する初夏の緑の豊かさと、発色豊かな花々のカラーハーモニーは、この土地ならではの風景です。園内に流れる小川のせせらぎと野鳥の声を聞きながらの散策は、まるでイギリスの庭に来たかのような錯覚に。 ブルーグリーンが美しいコニファーやギボウシ、銅葉やライムグリーンの灌木など、巧みな植物使いも見所です。この庭をデザインし手がけているのは、イギリスでデザインと園芸を学んだマーク・チャップマンさん。庭の最盛期には、植物知識も豊富なマークさんによる講習会やトークショーが行われています。プロが語る庭づくりへの思いや手入れ法は、貴重な参考になります。 Information 「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」 所在地:長野県北安曇郡小谷村千国乙12860-1 ☎0570-097-489 http://hakubacortina.jp/englishgarden/ アクセス:上信越自動車道「長野I.C.」よりR19、長野白馬有料道路、R148経由で約90分。 Open:8:00〜17:00(5月20日〜10月31日) 入園料:大人 300〜800円/小学生 100〜300円 季節により変動あり ブランドコンセプトを生かした美と癒しの庭園 「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」 オーガニック植物を生かしたナチュラル化粧品のメーカー「アルペンローゼ」の工場内につくられた予約制の庭園です。「植物が持つ生命力と癒し」をコンセプトにした庭園では、製品にも配合されているロサ・アルバなどのバラをはじめ、効能がある植物や季節の草花が生き生きと育ついくつものガーデンシーンを見学することができます。製品に使用する水には地下100mの水脈を流れる天然水だけを使用していることから、園内の中心には清らかな流れと池が作られて、目にも涼しいコーナーです。池を縁取る花々は水面に引き立ち、とても鮮やか。 木々に囲まれた秘密の花園のようなコーナー。7月は‘アナベル’やオルラヤなど白花だけが咲くホワイトガーデン。2006年の開園から木々も大きく育ち、初夏は木陰が気持ちいい。 アジサイが色づき始め、ギボウシやヒューケラが葉を広げるカラフルなシェードのコーナー。この緩やかな坂を登ると、石橋の先に地下から組み上げられた天然水が流れる場所へ。木々に遮られ、その先にどんなガーデンが待っているのか期待が高まる小道がたくさん。夢中で歩いていると、ここが工場の敷地内だということを忘れてしまいます。ガーデン内の建物2階では、バラの潤い成分などを配合した「ラ・カスタ」の製品などをお土産に購入できるほか、エッセンシャルオイルの調合体験も。庭に咲く花々の生の香りに触れることもできます。 Information 「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」 *予約制 所在地:長野県大町市常盤9729-2 ☎0261-23-3911 http://www.alpenrose.co.jp/garden/ アクセス:長野自動車道「安曇野I.C.」を降り、重柳交差点を右折、北アルプスパノラマロードを直進して車で25分。 Open:4月下旬〜11月上旬10:00〜17:00(4・10・11月は16:00まで)毎週水曜日定休(水曜が祝日の場合は翌日) 入園料:大人・高校生1,000円(税込)/小・中学生500円(税込)/年間パスポート3,000円(税込) 併せて読みたい 『カメラマンが訪ねた感動の花の庭。魔法の光に包まれる山梨・塚原邸』 『カメラマンが訪ねた感動の花の庭。フォトジェニックな庭 長野・熊井邸』 『花の庭巡り 長野「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」』 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。