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満開のペチュニア、梅雨前に切っていい? ハンギングを夏まで楽しむ切り戻しのコツ

満開のペチュニア、梅雨前に切っていい? ハンギングを夏まで楽しむ切り戻しのコツ

梅雨前のハンギングバスケットは、花がよく咲いて一見とてもきれい。けれど、ペチュニアはこの時期に一度、「切り戻し」をしておくのが「キレイ」を長持ちさせるコツです。満開の花を切るのは少し勇気がいりますが、株を若返らせ、梅雨以降も再び花を楽しむために、切り戻しは大切な作業です。今回は、実際のハンギングバスケットを例に、ペチュニアの切り戻しのタイミングと方法、その後の管理、さらに梅雨以降も楽しみやすいハンギングの種類を武島由美子さんに教わります。

切り戻しとは、次の花のための“仕立て直し”

ペチュニアのハンギングバスケット
5月初旬(左)に比べて、6月初旬(右)には花数も株の広がりも増し、花の存在感は2倍近くに感じられるほど。

ペチュニアは春から初夏にかけて旺盛に咲きますが、枝が伸びるほど株の内側が蒸れやすくなります。梅雨に入ると雨や湿気で花が傷み、枯れた花が株の中に残ることで病気や蒸れの原因にもなります。

伸びたペチュニア
切り戻さないと、伸びた茎先にまばらに咲くように。MAR007/Shutterstock.com

また、茎が伸びすぎると中央に花が咲きにくくなり、バランスよく全体に花が咲きません。そこで、花が一通り咲き揃い、株の形が少しゆるみ始めたタイミングで一度切り戻し、株元から新しい芽を出させ、夏に向けてコンパクトで健やかな姿に整えます。

切り戻しのタイミングはいつ?

ペチュニアの切り戻しタイミング
ふわふわよく咲いてキレイに見えますが、枝先が伸びて花の位置が上がり、株の内側も混み合ってきている。この頃が切り戻しのタイミング。

切り戻しは、株姿が完全に乱れてから行うよりも、“少し形がゆるんできた頃”が理想です。ハンギングバスケットはまん丸が理想形なので、それが崩れてきたらと考えるとわかりやすいです。

まだ葉が元気で、株に勢いがあるうちに切ることで、その後の芽吹きもスムーズ。花がきれいに残っている時期に切るのは惜しく感じますが、次の満開をつくるためには、この「一歩手前」のタイミングが大切です。

写真のハンギングは、一見するとまだ花いっぱいで、切るには惜しいほど美しく見えます。けれど、よく見ると枝先が伸び、花の位置が少し上がり、全体の重心も上がってみえます。また、花と葉が表面を覆うことで、株の内側は蒸れやすい状態に。ペチュニアは咲き進むほど枝先に花が偏り、梅雨の長雨で一気に株が傷むことがあります。だからこそ、完全に乱れてからではなく、まだ元気できれいに咲いているこの段階で切り戻すのがポイントです。

作業は梅雨入り前、または梅雨の晴れ間に行うのが理想です。ただし、雨が続く直前や、株が濡れている状態での作業は避けます。切り口が乾きにくく、蒸れや病気につながりやすいためです。作業は晴れた日の午前中に行い、切り戻し後に風通しよく管理できると安心です。

【切り戻しに向くタイミング】

  • 花数は多いが、枝が伸びて形が崩れてきた
  • 株の中心が混み合っている
  • 花がらや傷んだ葉が増えてきた
  • 梅雨入り前、または晴れ間が続く日

【避けたいタイミング】

  • 雨の日
  • 株が濡れているとき
  • 真夏の猛暑日
  • 株が極端に弱っているとき

ペチュニアの切り戻しの方法

STEP 1 全体の形を見る

切り戻し方法

まず、少し離れてハンギング全体の形を確認します。どの枝が長く伸びているか、どこが混み合っているかを見てから、まん丸をイメージして切る場所を大まかに定め、作業を始めます。

STEP 2 花が終わった枝・伸びた枝を切る

切り戻し

枝先の花が咲き終わったもの、間延びして垂れ下がったものを中心にカットします。目安は株元から2節目の上。丸坊主にせず、必ず葉が残る位置で切ることで、その下から分枝して再び花数が増えやすくなります。

STEP 3 株の中心の蒸れた葉や花がらを取る

傷んだ葉や花を取る

ハンギングの内側に枯れ葉や花がらが残っていると、梅雨時に蒸れの原因になります。手で軽くかき分け、茶色くなった葉や花がらも取り除きます。

STEP 4 全体を丸く整える

ペチュニアの切り戻し後

切り戻し後は花が少なくなりますが、株元に葉が残っていれば大丈夫。全体が丸く、風が通る姿になっていれば成功です。

切り戻し後は「水」と「肥料」で回復を助ける

液体肥料と活力剤

切り戻し後、私は活力剤と液体肥料を薄めたものを水やり代わりに与えます。切り戻しによって花や枝の量が減ると、株はそこから新しい芽を伸ばし、再び花を咲かせる準備に入ります。そのタイミングで、根の働きを助ける活力剤と、芽や葉、花を育てるための栄養となる液体肥料を与えることで、株の立ち上がりをサポートします。

活力剤は、いわば切り戻し後の株のコンディションを整えるためのもの。一方、液体肥料は、これから伸びる新芽や次の花を育てるための栄養補給です。切り戻し後は株姿が寂しくなりますが、ここで適切に水と栄養を補っておくことで、新しい芽が動きやすくなり、再びこんもりとした姿へ回復しやすくなります。

肥料や活力剤は濃くすればよいわけではありません。併用する場合も必ず表示の倍率を守り、株が極端に弱っている場合や、土がすでに湿っている場合は無理に与えず、株の様子を見ながら行います。

ハンギングバスケットの施肥
株の上部からゆっくり水を注ぎ、下から流れ出るまで与える。

切り戻し後、どのくらいでまた咲く?

ペチュニアのハンギングバスケット

気温や日当たり、品種によって差はありますが、切り戻し後早ければ1〜2週間で新芽が伸び、再び花が上がってきます。梅雨時は回復がゆっくりになることもありますが、風通しよく管理しておくことが大切です。満開時の華やかさはいったんお休みになりますが、夏に向けて株を立て直すための準備期間と考えましょう。

ペチュニア以外にも! 梅雨以降も楽しめるハンギング

ペチュニア以外にも、梅雨以降の庭に彩りをもたらしてくれる植物はいくつもあります。夏におすすめのハンギング向き植物を紹介します。

半日陰を明るくする、白花ベゴニアのハンギング

ベゴニアのハンギング

ベゴニアは、半日陰でも咲きやすく、葉にも厚みがあるため、梅雨から夏のハンギングに取り入れやすい花です。白花なら、緑の多い庭やシェードガーデンにも明るさを添えてくれます。直射日光が強すぎる場所より、午前中だけ日が当たる場所や明るい半日陰に向きます。花がらをこまめに取り、株元を蒸らさないように管理すると長く楽しめます。

白花ベゴニア

ベゴニアは真夏の高温期に花数が一時的に減ることがありますが、暑さが少し落ち着くと再び花を増やし、晩秋まで長く楽しめる植物です。真夏は“咲かせ続ける”というより、株を傷めずに夏越しさせる意識で、風通しのよい明るい半日陰で管理すると安心です。

涼しげなカラーリーフ、ハツユキソウのハンギング

ハツユキソウのハンギング

ハツユキソウ(初雪草)という名前から冬の植物のように思われがちですが、じつは夏の暑さにとても強く日光にも強いユーフォルビアの仲間です。葉の縁が白く彩られ、夏の庭に清涼感を与えてくれます。

ハツユキソウとヒポエステスのハンギング
ハツユキソウとヒポエステスのハンギングを並べて。

写真奥のヒポエステスも、葉色で楽しめるカラーリーフ。ピンクや白の斑が入る葉は、花が少ない時期のハンギングにも表情を添えてくれます。強い直射日光では葉焼けすることがあるため、明るい半日陰で管理すると美しい葉色を保ちやすくなります。カラーリーフのハンギングは、花が少ない時期にも彩りを添えてくれるうえに、花がら摘みにも追われにくいので、庭から足が遠のきがちな夏に向けておすすめです。

カラーリーフガーデン
カラーリーフのハンギングの下も、ギボウシやユーフォルビア、黒葉のカラーなどのカラーリーフでコーディネート。

ペチュニア、ユーフォルビア、リーフを合わせた華やかなハンギング

寄せ植えのハンギング

ペチュニアに加え、ユーフォルビアやアルテミシア・バリエガータなどのカラーリーフ類を合わせた寄せ植えのハンギングなら、花が切り戻しで一時的に減ったときも寂しく見えにくくなります。

梅雨以降のハンギングでは、「花だけで埋める」よりも、細かな葉、斑入り葉、白い小花を組み合わせておくと、株が少し休んだ時期にも雰囲気を保てます。

梅雨以降のハンギング管理のコツ

梅雨のハンギング管理

ポイント1 雨に当てっぱなしにしない

ペチュニアの中でも八重咲きの花は雨で花が傷みやすいため、長雨のときは軒下などに移動すると安心です。移動できない場合も、花がらや傷んだ葉をこまめに取り除きます。

ポイント2 株元の風通しを確保する

ハンギングは表面が花で覆われると、内側が蒸れやすくなります。混み合った部分は軽くすき、枯れ葉をためないようにします。

ポイント3 水切れと過湿の両方に注意

梅雨時は水やりを控えめにしがちですが、ハンギングは意外に乾くことがあります。水苔が乾いていたら水を与えます。

ポイント4 肥料は回復に合わせて

切り戻し後は、規定倍率に薄めた活力剤や液体肥料を使って株の回復をサポートします。その後も新芽の動きや株の状態を見ながら、濃くしすぎず、表示の倍率を守って与えます。

まとめ|切り戻して長く楽しもう

ハンギングバスケット

半円形のスリット式ハンギングは、最初に10株以上たっぷり花を使います。ですから、できる限り長く美しく楽しみたいものです。タイミングよく切り戻しを繰り返せば、ペチュニアは秋まで花を咲かせてくれます。満開の姿が美しいぶん、切り戻すのに勇気がいるものですが、梅雨前に一度整えておくことで、株の蒸れを防ぎ、夏に向けて再び花を咲かせる準備ができます。

また、梅雨以降のハンギングは、ペチュニアだけでなく、ベゴニアやカラーリーフなどを取り入れることで、花が少ない時期も涼やかに楽しめます。

切る、整える、休ませる。そしてまた咲かせる。

そんなリズムを知ると、ハンギングバスケットは春だけでなく、梅雨から夏の庭でも頼もしい存在になりますよ。

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