愛知県Anne’s Garden主宰。一般社団法人日本ハンギングバスケット協会理事。日本フラワーデザイナー協会(NFD)1級フラワーデザイナー。個人邸や店舗、ショーガーデンなどのガーデンプランニングや植栽管理のほか、コンテナガーデンスクールや日本ハンギングバスケット協会認定試験スクール、フラワーアレンジメントスクールなど複数の教室を主催。地植えの庭からコンテナ、ハンギング、フラワーアレンジメントまで、屋内外あらゆるシーンを花で彩る美しい暮らしを提案。美しい花合わせが学べる全38作品の花レシピを収録した著書『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行:KADOKAWA)好評発売中。
武島由美子
愛知県Anne’s Garden主宰。一般社団法人日本ハンギングバスケット協会理事。日本フラワーデザイナー協会(NFD)1級フラワーデザイナー。個人邸や店舗、ショーガーデンなどのガーデンプランニングや植栽管理のほか、コンテナガーデンスクールや日本ハンギングバスケット協会認定試験スクール、フラワーアレンジメントスクールなど複数の教室を主催。地植えの庭からコンテナ、ハンギング、フラワーアレンジメントまで、屋内外あらゆるシーンを花で彩る美しい暮らしを提案。美しい花合わせが学べる全38作品の花レシピを収録した著書『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行:KADOKAWA)好評発売中。
武島由美子の記事
-
イベント・ニュース

【好評発売中】玄関・ベランダが花いっぱいに! 動画でも学べる新刊『立体ガーデニング』
狭くても、花景色はここまで広がる! 玄関先やベランダ、奥行きのない花壇、小さなコーナーなど、植物を楽しみたくても「場所が足りない」と感じることはありませんか? そんな限られた場所こそ生かしたいのが、空間を上下にも使う「立体ガーデニング」です。 本書では、ハンギングバスケットを中心に、寄せ植えや花壇、つるバラなどを組み合わせ、小さな空間から庭全体までを立体的に彩るアイデアを紹介しています。 登場するのは、園芸家であり、ハンギングバスケット講師としても活躍する武島由美子さんの庭と作品。花を目線の高さに飾るハンギング、足元を彩る寄せ植え、壁面を花景色に変えるつるバラ——。地面の広さだけにとらわれず、空間全体を使って花を楽しむ方法が分かる一冊です。 写真+動画で分かる! 初めてのハンギングも安心 「ハンギングバスケットは難しそう」と思っている人にも、ぜひ見てほしいのが本書の作り方ページです。 基本となるスリットバスケットは、花苗を縦に重ねるように植えていくことで、花のボールが空中に浮かぶような華やかな景色をつくることができます。 本書では、1種類の植物でつくるシンプルな作品から、複数の花やカラーリーフを組み合わせた華やかな作品まで、植え込みの手順を写真で分かりやすく紹介しています。 さらに、誌面に掲載されたQRコードをスマートフォンで読み込むと、ハンギングバスケットの寄せ植えレッスン動画を見ることができます。苗をどの向きで入れるのか、どの順番で植えるのか、最後に全体をどう整えるのかなど、写真では伝わりにくいポイントを実演で確認できます。 さらに、掲載する全38作品には、使用した植物名と株数がひと目で分かる「花レシピ」付き。 「この雰囲気を自宅でも再現してみたい」と思ったとき、植物選びの参考にできるのも大きな特徴です。 寄せ植えの基本や器選び、リース型の寄せ植え、根つきのクリスマスリースなど、季節ごとに楽しめるアイデアも掲載しています。 ハンギングから庭づくりまで。小さな空間で覚えた技術が庭全体に広がる 本書で紹介しているのは、鉢植えやハンギングだけではありません。 花を目線の高さに据えるハンギング、足元を彩る寄せ植え、壁面を彩るつるバラ。こうした小さな空間での工夫は、そのまま庭全体のデザインにも応用できます。 アーチや小径で視線を導いたり、庭の各所に見せ場をつくったり、くつろげる居場所を設けたり。 「植物を植える」だけではなく、花のある景色をどうつくるかという視点から、庭を魅力的に見せる方法を紹介します。 奥行きのない花壇の見せ方や、日陰にも見せ場をつくる工夫、花の少ない端境期の彩り方など、すでに庭づくりを楽しんでいる人にも役立つヒントが詰まっています。 「いつ、何をする?」が分かる植物のお手入れも きれいに植えた後、その景色を長く保つためには日々のお手入れも大切です。 本書では、水やり、花がら摘み、切り戻し、植え付け、植え替えなど、植物を美しく保つための基本作業を解説。 さらに、季節ごとの作業時期がひと目で分かる円形の作業図も掲載しています。 巻末には、ハンギングや寄せ植えにおすすめの植物91種を掲載。植物選びから植え込み、その後の管理まで、一冊を通して楽しめる構成になっています。 武島さん流、花のあるライフスタイルも掲載 本書の魅力は、ガーデニングのテクニックだけではありません。 武島さんが日々どのように花と向き合い、暮らしの中に取り入れているのかも紹介しています。 季節のしつらえや、動きやすく気分も上がるガーデンファッション、機能的で美しいガーデンツールなど、花を育てる時間そのものを楽しむためのヒントも収録。 さらに巻末にはハンギングや寄せ植えに活躍する植物91種を掲載。 小さな一鉢から庭全体まで。 花景色を「つくる」「育てる」「暮らしの中で楽しむ」ための実例と知恵を詰め込んだ一冊です。 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』 著者:ガーデンストーリー定価:2,200円(本体2,000円+税)発売:2026年10月5日判型:B5判 ページ数:160ページ発行:KADOKAWAISBN-10:4049027313ISBN-13:978-4049027310 「Amazon」や「楽天」でご予約いただくと、素敵な特典がそれぞれ届きます! Amazon特典「ハンギング設計シート」 作る前に花苗の種類や色、植える位置を整理できる「ハンギング設計シート」。バスケットの図に花の配置を書き込みながら、完成イメージを組み立てられます。必要な苗や資材を記入できる買い物リスト付きで、園芸店での苗選びから植え込みまでをサポート。自分だけのハンギングづくりに役立つ、実用的な購入者限定特典です。 Rakuten特典「初めてでも作れるハンギング動画」 購入者限定の動画レッスンでは、ハンギングバスケットづくりのポイントを実演します。花苗の組み合わせ方、植え込む順番、全体を丸く美しく仕上げるコツなど、本の写真だけでは伝わりにくい手の動きや苗の扱い方を分かりやすく解説。難しそうに見えるハンギングバスケットを、初めての方にも気軽に楽しんでいただける特別レッスンです。 本書のもくじ Chapter1 「小さな空間を華やかに彩るハンギング」 地面がなくても、花を咲かせられる「ハンギング」基礎知識ハンギングの魅力 ①〜⑤壁に、フェンスに、椅子の背に。飾り方いろいろハンギングバスケットの基本の作り方数種類を組み合わせて作るハンギング〈動画つき〉ハンギング作りに役立つツール Chapter2「ハンギングと寄せ植えを重ねて景色を作る」 地面がなくても、花景色を作れる「寄せ植え」武島さんの寄せ植えセオリー寄せ植えの作り方初心者でもうまくいくリースの寄せ植え Chapter3「小さな花壇を生かして景色をより立体的に」 奥行きのない花壇を立体的に見せる5つの工夫つるバラの誘引と剪定春夏秋冬の玄関の花風景 Chapter4「小さなコーナーも見違える季節のしつらえ」 春 小さな芽吹きを集めて夏 涼やかな花のコーナー秋 ハロウィンの演出冬 小さなクリスマスのしつらえ Chapter5「小さな工夫を重ねて広がる庭景色」 広い庭景色を作る6つの視点アーチと小径 / 小径と花壇 / 色や植栽で場面を分けるくつろぐ居場所を作る / 小径の先へ視線を導く日陰にも見せ場を作る / 端境期を彩る STORY いつも花のあるほうへ心を戻してSTYLE 動きやすくて、気分が上がるガーデンファッションTOOLS 機能的でおしゃれなガーデンツール Chapter6「覚えておきたい植物の基本の手入れ」 様子を見る / 掃除 / 花がら摘み / 水やり / 切り戻し / 植えどき・抜きどきハンギング・寄せ植えにおすすめの花図鑑91種WORKS 花のある暮らしを育てる場所 武島由美子さんと Anne's Garden 新刊を10名様にプレゼント! ※締め切りました 玄関先やベランダの一角からでも始められる「立体ガーデニング」。 「もっと花を飾りたいけれど場所がない」という人はもちろん、寄せ植えやハンギングをもっと素敵に見せたい人、庭全体の景色づくりを学びたい人にもおすすめの一冊です。 発売を記念して、『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』を10名様にプレゼントします。当選された方には、発行元のKADOKAWAより書籍を直接お贈りいたします(10月下旬発送予定)。
-
寄せ植え・花壇

玄関先は、こんなに変わる。小さな空間を一年中花で彩る5つの工夫
春|花壇とハンギングを「同じ色」でつなぐ 春、パンジーやビオラが満開の武島さんの玄関前。花壇に連なる花のラインの中から、まん丸いハンギングバスケットが浮かび上がるような景色が目を引きます。 ここで注目したいのは、単にたくさんの花が咲いていることではありません。同じ花色を、花壇や寄せ植え、ハンギングバスケットに繰り返し登場させることで、玄関全体を一つの景色としているのがポイント。 「ハンギングはハンギング」「花壇は花壇」と別々に考えるのではなく、同じ色や同じ花を異なるスタイルの植栽に繰り返して使うことで、離れている植物同士に関係が生まれ、一枚の景色としてまとまりと奥行きを出しています。 夏|アジサイもハンギングにして、景色の一部に 夏はバラと宿根草が咲き誇り、甘やかな香りが辺りに漂います。春と同じように、やはり同じ色を手前から奥まで繰り返し使うことで、自然に視線が誘導され、奥行きのない場所でも見応えのある景色を作っています。バラが終わればアジサイが主役を引き継ぎ、季節をつないでいきます。地植えや鉢植えでは見慣れているアジサイですが、ハンギングにすることで新鮮な花姿に。 床に鉢を並べるだけでは、花で彩ることのできる面積には限界がありますが、武島さんのようにハンギングバスケットを取り入れ「縦の空間」を使えば、花を飾れる場所は意外とあるもの。フェンスや壁だけでなく、椅子の背もハンギングバスケットを飾ることのできる身近なガーデンツール。目線の高さに花が上がるだけで、パッと目を引く風景が作れるのもハンギングバスケットの魅力です。 花が少ない時期こそ、リーフを主役に 暑さが厳しくなる夏や、季節と季節の変わり目には、使える花の種類が少なくなることもあります。そんなときに武島さんが活用しているのが、葉色や模様を楽しむカラーリーフです。 白とグリーンなら涼やかに。ピンクを加えれば花がなくても華やかに。花がなくても葉の色、模様、形を組み合わせれば、リーフだけでも十分に見応えのあるハンギングバスケットになります。花の端境期に、次の季節の花が揃うまで、リーフを中心としたハンギングに差し替えれば、玄関の景色を途切れさせずに済みます。 ハンギングは「今きれいな花」だけで選ばない ハンギングバスケットを作るときは、基本的に3〜4カ月楽しむことを前提に植物を選びます。作ったときの完成形だけを考えるのではなく、その先の季節まで元気に育つか、どのくらいの期間見頃を保てるかも大事。だからこそ、一つのハンギングを長く楽しむことができ、次の季節へと無理なくバトンタッチできます。 「今、園芸店できれいに咲いているから」という理由だけで植物を選ばず、この先どう育つかまで考えて選ぶのが、一年中玄関を美しく保つための、大切なポイントです。 秋|花数が減っても「色」で季節をつくる 秋は夏の明るいピンクやブルーから、紫やボルドーなど少し深みのある色へ。夏から咲いているペチュニアなどは、切り戻せば秋にも再び見頃を迎えます。全部を植え替えず、秋らしい植物をハンギングバスケットでフォーカルポイントにすると、秋らしい雰囲気に。植物は違っても、「色を繰り返して景色をつなぐ」という考え方は同じです。 冬|花の少ない季節こそ「立体」が効く 植物が休む冬は、庭が最も寂しくなりやすい季節。でも、武島さんの玄関には色があります。パンジーやビオラ、ハボタンなど冬に強い植物を使いながら、ハンギングバスケットを壁面に配置。足元の花壇にも花を植えることで、上下に花のある景色を作っています。 さらにクリスマスシーズンには、常緑樹の枝やリースなどを取り入れれば、花が少なくても季節感のある玄関に。冬は「花をたくさん咲かせる」ことだけを目標にしなくてもいいのです。常緑の葉、枝、実、リース、鉢など、植物以外の要素も含めて景色をつくれば、冬ならではのガーデニングを楽しめます。 一年中きれいな玄関をつくる5つのコツ 四季を通して見てみると、武島さんの玄関づくりには、いくつか共通するルールがあります。 ハンギングは3〜4カ月先まで考えて植物を選ぶ 花が少ない時期はカラーリーフを活用する 玄関全体で同じ色を繰り返す 同じ植物を花壇・鉢・ハンギングに使って景色をつなぐ 床だけでなく壁面まで使い、立体的に飾る 大切なのは、1つひとつの鉢を独立した作品として考えるのではなく、「玄関から見えるもの全部で、ひとつの景色を作る」。 この考え方なら、広い庭がなくても応用できます。玄関脇に1つの鉢を置くところからでもいいし、小さな花壇とハンギングの花色を揃えるところからでもOK。使える面積が小さいからこそ、工夫の効果がはっきり現れます。 30年以上、小さな空間に花を飾り続けて こうした玄関の景色を作っているのが、ハンギングバスケットの講師として30年以上活動してきた武島由美子さんです。武島さんの庭を見ていると、「庭が広くなければガーデニングは楽しめない」という考えが、少し違って見えてきます。壁があれば、花を飾れる。鉢1つを置ける場所があれば、季節を迎えられる。そして花壇、寄せ植え、ハンギングをつなげれば、数㎡の玄関先にも奥行きのある庭の景色を作ることができます。 長年の実践から生まれたその工夫を、ハンギングバスケットだけでなく、寄せ植え、奥行きのない花壇、つる植物、季節の演出までまとめたのが、武島さんの著書『玄関から始める 花のある暮らし』です。 小さな場所から始める、花のある暮らし 本書で紹介しているのは、完成した美しい庭だけではありません。 「どんな植物を選べばいい?」「どう組み合わせればまとまって見える?」「狭い場所をどう使えばいい?」「季節が変わったらどうすればいい?」 そんな、実際に植物を育て始めると出てくる疑問に、武島さんが長年の経験から答えます。ハンギングバスケット、寄せ植え、つる植物、花壇。それぞれの技法を学びながら、目指すのは1つひとつの作品を上手につくることだけではありません。 目標は玄関から始まる、小さな庭の景色を作ること。 広い庭がなくても大丈夫。まずは玄関先の1鉢から。季節の花を1つ迎えることから、「花のある暮らし」を始めてみませんか。 購入者限定の動画レッスン付き!初めてでも迷わず作れる『ハンギング&寄せ植え』バイブルが予約開始 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』 著者:ガーデンストーリー定価:2,200円(本体2,000円+税)発売:2026年10月5日判型:B5判 ページ数:160ページ発行:KADOKAWAISBN-10:4049027313ISBN-13:978-4049027310 Amazon特典「ハンギング設計シート」 作る前に花苗の種類や色、植える位置を整理できる「ハンギング設計シート」。バスケットの図に花の配置を書き込みながら、完成イメージを組み立てられます。必要な苗や資材を記入できる買い物リスト付きで、園芸店での苗選びから植え込みまでをサポート。自分だけのハンギング作りに役立つ、実用的な購入者限定特典です。 Rakuten特典「初めてでも作れるハンギング動画」 購入者限定の動画レッスンでは、ハンギングバスケットづくりのポイントを実演します。花苗を選ぶときの見方や植え込む順番、全体を丸く美しく仕上げるコツなど、本の写真だけでは伝わりにくい手の動きや苗の扱い方を分かりやすく解説。難しそうに見えるハンギングバスケットを、初めての方にも気軽に楽しんでいただける特別レッスンです。 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』もくじ Chapter1 「小さな空間を華やかに彩るハンギング」 地面がなくても、花を咲かせられる「ハンギング」基礎知識ハンギングの魅力 ①〜⑤壁に、フェンスに、椅子の背に。飾り方いろいろハンギングバスケットの基本の作り方数種類を組み合わせて作るハンギング〈動画つき〉ハンギング作りに役立つツール Chapter2「ハンギングと寄せ植えを重ねて景色を作る」 地面がなくても、花景色を作れる「寄せ植え」武島さんの寄せ植えセオリー寄せ植えの作り方初心者でもうまくいくリースの寄せ植え Chapter3「小さな花壇を生かして景色をより立体的に」 奥行きのない花壇を立体的に見せる5つの工夫つるバラの誘引と剪定春夏秋冬の玄関の花風景 Chapter4「小さなコーナーも見違える季節のしつらえ」 春 小さな芽吹きを集めて夏 涼やかな花のコーナー秋 ハロウィンの演出冬 小さなクリスマスのしつらえ Chapter5「小さな工夫を重ねて広がる庭景色」 広い庭景色を作る6つの視点アーチと小径 / 小径と花壇 / 色や植栽で場面を分けるくつろぐ居場所を作る / 小径の先へ視線を導く日陰にも見せ場を作る / 端境期を彩る STORY いつも花のあるほうへ心を戻してSTYLE 動きやすくて、気分が上がるガーデンファッションTOOLS 機能的でおしゃれなガーデンツール Chapter6「覚えておきたい植物の基本の手入れ」 様子を見る / 掃除 / 花がら摘み / 水やり / 切り戻し / 植えどき・抜きどきハンギング・寄せ植えにおすすめの花図鑑91種WORKS 花のある暮らしを育てる場所 武島由美子さんと Anne’s Garden
-
寄せ植え・花壇

8月下旬はまだ全部植え替えなくてOK! 晩夏から秋へ、玄関先を素敵に整える4つのコツ
この一枚に、晩夏から秋へつなぐヒントがいっぱい! まずは、冒頭の写真の武島さんの玄関まわりを少し離れたところから眺めてみましょう。玄関へ続くアプローチには、まだ元気に咲く夏の花。その奥には寄せ植えがあり、壁面やフェンスには秋の訪れを感じさせるリンドウのハンギングも加わっています。そして、写真の手前、花壇の縁をふんわりと彩っているピンクの花は、ペチュニア‘さくらさくら’です。 ここにある植物は、夏から育ててきた植物を生かしながら、手を入れるところには手を入れ、秋の気配を少しずつ加えて育てています。じつはこの一枚の中に、晩夏から秋へ庭をきれいにつなぐヒントがいくつも隠れています。1つずつ見ていきましょう。 コツ1 元気な夏の花は抜かない。まだまだ秋まで楽しめる 夏の間たっぷり花を咲かせた植物は、8月下旬になると枝が長く伸びたり、株姿が乱れたりすることがあります。 武島さんの庭で花壇の縁をやわらかなピンク色に彩っているペチュニア‘さくらさくら’も、夏から秋へつないで楽しめる花の一つ。株が元気なら、長く伸びた枝や花数が減った部分を軽く切り戻し、枯れ葉や傷んだ枝を取り除いて株姿を整えます。気温が落ち着いて新芽が伸びれば、秋に再び美しい見頃を迎えることが期待できます。 晩夏から初秋は秋雨や台風も増える時期。枝葉が混み合った株は風通しが悪くなりやすいため、不要な枝葉を整理しておくことは蒸れを防ぐうえでも役立ちます。ただし、厳しい暑さが続いているときや株が弱っている場合は、強い切り戻しは避けましょう。植物の状態を見ながら整えることが大切です。 切り戻した後は、活力剤や液肥を与えて生育をサポートしてあげましょう。 コツ2 秋らしさを「少しだけ」先取りする 夏の花を生かしながら季節感を変えたいなら、秋を感じさせる植物を一鉢だけ加えてみましょう。武島さんが選んだのは、リンドウ‘アシロブーケ アクア’。淡い青紫色の花がこんもりと咲く姿は、夏の鮮やかな花々とは少し違った、涼やかで落ち着いた雰囲気です。ここでは、いくつもの植物を組み合わせるのではなく、リンドウだけでハンギングを仕立てています。 一種類の植物でも、まとまりのあるボリュームで見せれば十分な存在感。複雑な寄せ植えをつくらなくても、季節の植物を一つ選ぶだけで取り入れられるアイデアです。 しかも玄関のように毎日目にする場所なら、その効果は大きなもの。夏の花々の中に青紫色のリンドウが加わるだけで、景色の中にひと足早く秋がやってきます。庭全体を変えなくても、一鉢から季節は変えられるのです。 スティック式のハンギングスタンドを使って、花壇の上部を華やかなハンギングバスケットで彩って。 こちらは庭に向かう扉の前の小さな花壇。白、淡いピンク、濃いピンクの花色を混ぜたニチニチソウのハンギングバスケットが華やかです。ニチニチソウは暑さに強く、長く花を楽しめる夏の草花。まだ株が元気なら、「秋になったから」という理由だけで抜いてしまう必要はありません。花がらや黄変した葉を取り除くだけでも、夏を越した植物はすっきりと見違えます。 ニチニチソウのハンギングバスケットの下には、ピンクベージュのセロシア(ケイトウ)でほんのり秋らしさをプラス。このセロシア ‘スマートルック ロマンティカ’は、夏の気温が高い時期は色が淡く、晩秋にかけて気温が低くなると色が濃く、葉色も赤味を帯びてシックな雰囲気になっていきます。夏から秋は、そんなふうに色変わりしていく植物たちの表情の変化も楽しめる季節です。 小さな花壇もハンギングをプラスするとこんなに華やか。 コツ3 花だけに頼らない。「葉」を主役にする 晩夏から初秋の玄関まわりで、もう一つ活用したいのがリーフ類です。武島さんの小さなコーナーでは、花をたくさん咲かせるのではなく、シダ類をはじめ、明るいグリーンや斑入りの葉、赤みを帯びた葉など、さまざまな観葉植物のリーフを組み合わせています。 花がなくても寂しく見えないのは、単に「緑を集めている」わけではないから。葉の色だけでなく、大きさ、形、質感、葉の向きや枝垂れ方まで異なる植物を重ねることで、花に負けないほど豊かな表情が生まれます。 長雨や台風などで花が傷みやすい季節にも、葉そのものを観賞する観葉植物を上手に取り入れると、景色を保ちやすくなります。 また、花が少なくなってくる季節ほど、リーフの存在感は大きくなります。夏から秋へ移る端境期こそ、葉を「脇役」ではなく「主役」として考えてみましょう。 玄関前で、ニチニチソウとともに強い存在感を放っているのが、大きなイモの葉のコロカシア‘ブラックマジック’。小さなニチニチソウの花に対して、まったくスケールの違う大きな葉を合わせることで、景色にメリハリが生まれています。さらに、高さのある葉が加わることで視線が上下に動き、限られた玄関前にも奥行きが感じられるようになります。 そしてもう一つ注目したいのが、鉢を一つずつ独立して考えていないこと。左右のハンギング、大きな葉の寄せ植え、そして背景となる玄関扉まで含めて眺めると、すべてが1つのコーディネートになっています。 「この鉢をどう植えるか」だけでなく、ちょっと視点を引いて「ここから見える景色をどうつくるか」。それが小さなスペースを豊かに見せるための大切な視点です。 コツ4 置く場所がなくなったら「壁」を庭にする 玄関周りのような小さなスペースでは、植物を増やしたくても、鉢を置ける場所には限界があります。そんなとき、武島さんが活用しているのが壁やフェンスなどの垂直面です。 ハンギングバスケットなら、床面積をほとんど使わずに植物を飾ることができます。しかも目線の高さに花や葉が加わることで、植物が足元だけに並んでいる場合とはまったく違う立体感が生まれます。 「何平方メートルあるか」という床の広さだけで考えず、上・中・下まで1つの空間として考えると、もう鉢を置くところがない」と思っていた場所にも、新しいガーデニングスペースが見つかります。 「狭いからできない」を、「ここにも飾れる」に変える 玄関前に1鉢。壁面に1つのハンギング。奥行きのない小さな花壇。家の脇に残った、ほんのわずかなスペース。武島さんの庭を見ていると、ガーデニングに必要なのは必ずしも広い庭ではないことに気づきます。むしろ、家のまわりにある小さな空間を見つけて、「ここなら何ができるだろう」と考える。その積み重ねが、家全体を花のある景色へと変えていきます。 ハンギングバスケットや寄せ植え、玄関まわり、奥行きのない花壇、壁面、つる植物——。武島由美子さんが長年培ってきた、限られたスペースを生かして花のある暮らしを楽しむアイデアは、今秋刊行予定の書籍でも豊富な実例とともに詳しくご紹介します。 広い庭がなくても、花のある暮らしは作れる。 この秋はまず、毎日通る玄関先を眺めて、「ここにも何かできるかな?」と考えるところから始めてみませんか。 購入者限定の動画レッスン付き! 初めてでも迷わず作れる『ハンギング&寄せ植え』バイブルが予約開始 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』 著者:ガーデンストーリー定価:2,200円(本体2,000円+税)発売:2026年10月5日判型:B5判 ページ数:160ページ発行:KADOKAWAISBN-10:4049027313ISBN-13:978-4049027310 Amazon特典「ハンギング設計シート」 作る前に花苗の種類や色、植える位置を整理できる「ハンギング設計シート」。バスケットの図に花の配置を書き込みながら、完成イメージを組み立てられます。必要な苗や資材を記入できる買い物リスト付きで、園芸店での苗選びから植え込みまでをサポート。自分だけのハンギング作りに役立つ、実用的な購入者限定特典です。 Rakuten特典「初めてでも作れるハンギング動画」 購入者限定の動画レッスンでは、ハンギングバスケット作りのポイントを実演します。花苗を選ぶときの見方や植え込む順番、全体を丸く美しく仕上げるコツなど、本の写真だけでは伝わりにくい手の動きや苗の扱い方を分かりやすく解説。難しそうに見えるハンギングバスケットを、初めての方にも気軽に楽しんでいただける特別レッスンです。 『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』もくじ Chapter1 「小さな空間を華やかに彩るハンギング」 地面がなくても、花を咲かせられる「ハンギング」基礎知識ハンギングの魅力 ①〜⑤壁に、フェンスに、椅子の背に。飾り方いろいろハンギングバスケットの基本の作り方数種類を組み合わせて作るハンギング〈動画つき〉ハンギング作りに役立つツール Chapter2「ハンギングと寄せ植えを重ねて景色を作る」 地面がなくても、花景色を作れる「寄せ植え」武島さんの寄せ植えセオリー寄せ植えの作り方初心者でもうまくいくリースの寄せ植え Chapter3「小さな花壇を生かして景色をより立体的に」 奥行きのない花壇を立体的に見せる5つの工夫つるバラの誘引と剪定春夏秋冬の玄関の花風景 Chapter4「小さなコーナーも見違える季節のしつらえ」 春 小さな芽吹きを集めて夏 涼やかな花のコーナー秋 ハロウィンの演出冬 小さなクリスマスのしつらえ Chapter5「小さな工夫を重ねて広がる庭景色」 広い庭景色を作る6つの視点アーチと小径 / 小径と花壇 / 色や植栽で場面を分けるくつろぐ居場所を作る / 小径の先へ視線を導く日陰にも見せ場を作る / 端境期を彩る STORY いつも花のあるほうへ心を戻してSTYLE 動きやすくて、気分が上がるガーデンファッションTOOLS 機能的でおしゃれなガーデンツール Chapter6「覚えておきたい植物の基本の手入れ」 様子を見る / 掃除 / 花がら摘み / 水やり / 切り戻し / 植えどき・抜きどきハンギング・寄せ植えにおすすめの花図鑑91種WORKS 花のある暮らしを育てる場所 武島由美子さんと Anne’s Garden
-
育て方

満開のペチュニア、梅雨前に切っていい? ハンギングを夏まで楽しむ切り戻しのコツ
切り戻しとは、次の花のための“仕立て直し” 5月初旬(左)に比べて、6月初旬(右)には花数も株の広がりも増し、花の存在感は2倍近くに感じられるほど。 ペチュニアは春から初夏にかけて旺盛に咲きますが、枝が伸びるほど株の内側が蒸れやすくなります。梅雨に入ると雨や湿気で花が傷み、枯れた花が株の中に残ることで病気や蒸れの原因にもなります。 切り戻さないと、伸びた茎先にまばらに咲くように。MAR007/Shutterstock.com また、茎が伸びすぎると中央に花が咲きにくくなり、バランスよく全体に花が咲きません。そこで、花が一通り咲き揃い、株の形が少しゆるみ始めたタイミングで一度切り戻し、株元から新しい芽を出させ、夏に向けてコンパクトで健やかな姿に整えます。 切り戻しのタイミングはいつ? ふわふわよく咲いてキレイに見えますが、枝先が伸びて花の位置が上がり、株の内側も混み合ってきている。この頃が切り戻しのタイミング。 切り戻しは、株姿が完全に乱れてから行うよりも、“少し形がゆるんできた頃”が理想です。ハンギングバスケットはまん丸が理想形なので、それが崩れてきたらと考えると分かりやすいです。 まだ葉が元気で、株に勢いがあるうちに切ることで、その後の芽吹きもスムーズ。花がきれいに残っている時期に切るのは惜しく感じますが、次の満開をつくるためには、この「一歩手前」のタイミングが大切です。 写真のハンギングは、一見するとまだ花いっぱいで、切るには惜しいほど美しく見えます。けれど、よく見ると枝先が伸び、花の位置が少し上がり、全体の重心も上がってみえます。また、花と葉が表面を覆うことで、株の内側は蒸れやすい状態に。ペチュニアは咲き進むほど枝先に花が偏り、梅雨の長雨で一気に株が傷むことがあります。だからこそ、完全に乱れてからではなく、まだ元気できれいに咲いているこの段階で切り戻すのがポイントです。 作業は梅雨入り前、または梅雨の晴れ間に行うのが理想です。ただし、雨が続く直前や、株が濡れている状態での作業は避けます。切り口が乾きにくく、蒸れや病気につながりやすいためです。作業は晴れた日の午前中に行い、切り戻し後に風通しよく管理できると安心です。 【切り戻しに向くタイミング】 花数は多いが、枝が伸びて形が崩れてきた 株の中心が混み合っている 花がらや傷んだ葉が増えてきた 梅雨入り前、または晴れ間が続く日 【避けたいタイミング】 雨の日 株が濡れているとき 真夏の猛暑日 株が極端に弱っているとき ペチュニアの切り戻しの方法 STEP 1 全体の形を見る まず、少し離れてハンギング全体の形を確認します。どの枝が長く伸びているか、どこが混み合っているかを見てから、まん丸をイメージして切る場所を大まかに定め、作業を始めます。 STEP 2 花が終わった枝・伸びた枝を切る 枝先の花が咲き終わったもの、間のびして垂れ下がったものを中心にカットします。目安は、株元から2節目の上。丸坊主にせず、必ず葉が残る位置で切ることで、その下から分枝して再び花数が増えやすくなります。 STEP 3 株の中心の蒸れた葉や花がらを取る ハンギングの内側に枯れ葉や花がらが残っていると、梅雨時に蒸れの原因になります。手で軽くかき分け、茶色くなった葉や花がらも取り除きます。 STEP 4 全体を丸く整える 切り戻し後は花が少なくなりますが、株元に葉が残っていれば大丈夫。全体が丸く、風が通る姿になっていれば成功です。 切り戻し後は「水」と「肥料」で回復を助ける 切り戻し後、私は活力剤と液体肥料を薄めたものを水やり代わりに与えます。切り戻しによって花や枝の量が減ると、株はそこから新しい芽を伸ばし、再び花を咲かせる準備に入ります。そのタイミングで、根の働きを助ける活力剤と、芽や葉、花を育てるための栄養となる液体肥料を与えることで、株の立ち上がりをサポートします。 活力剤は、いわば切り戻し後の株のコンディションを整えるためのもの。一方、液体肥料は、これから伸びる新芽や次の花を育てるための栄養補給です。切り戻し後は株姿が寂しくなりますが、ここで適切に水と栄養を補っておくことで、新しい芽が動きやすくなり、再びこんもりとした姿へ回復しやすくなります。 肥料や活力剤は、濃くすればよいわけではありません。併用する場合も必ず表示の倍率を守り、株が極端に弱っている場合や、土がすでに湿っている場合は無理に与えず、株の様子を見ながら行います。 株の上部からゆっくり水を注ぎ、下から流れ出るまで与える。 切り戻し後、どのくらいでまた咲く? 気温や日当たり、品種によって差はありますが、切り戻し後、早ければ1〜2週間で新芽が伸び、再び花が上がってきます。梅雨時は回復がゆっくりになることもありますが、風通しよく管理しておくことが大切です。満開時の華やかさはいったんお休みになりますが、夏に向けて株を立て直すための準備期間と考えましょう。 ペチュニア以外にも! 梅雨以降も楽しめるハンギング ペチュニア以外にも、梅雨以降の庭に彩りをもたらしてくれる植物はいくつもあります。夏におすすめのハンギング向き植物をご紹介します。 半日陰を明るくする、白花ベゴニアのハンギング ベゴニアは半日陰でも咲きやすく、葉にも厚みがあるため、梅雨から夏のハンギングに取り入れやすい花です。白花なら、緑の多い庭やシェードガーデンにも明るさを添えてくれます。直射日光が強すぎる場所より、午前中だけ日が当たる場所や明るい半日陰に向きます。花がらをこまめに取り、株元を蒸らさないように管理すると長く楽しめます。 ベゴニアは真夏の高温期に花数が一時的に減ることがありますが、暑さが少し落ち着くと再び花を増やし、晩秋まで長く楽しめる植物です。真夏は“咲かせ続ける”というより、株を傷めずに夏越しさせる意識で、風通しのよい明るい半日陰で管理すると安心です。 涼しげなカラーリーフ、ハツユキソウのハンギング ハツユキソウ(初雪草)という名前から冬の植物のように思われがちですが、じつは夏の暑さにとても強く、日光にも強いユーフォルビアの仲間です。葉の縁が白く彩られ、夏の庭に清涼感を与えてくれます。 ハツユキソウとヒポエステスのハンギングを並べて。 写真奥のヒポエステスも、葉色で楽しめるカラーリーフ。ピンクや白の斑が入る葉は、花が少ない時期のハンギングにも表情を添えてくれます。強い直射日光では葉焼けすることがあるため、明るい半日陰で管理すると美しい葉色を保ちやすくなります。カラーリーフのハンギングは、花が少ない時期にも彩りを添えてくれるうえに、花がら摘みにも追われにくいので、庭から足が遠のきがちな夏に向けておすすめです。 カラーリーフのハンギングの下も、ギボウシやユーフォルビア、黒葉のカラーなどのカラーリーフでコーディネート。 ペチュニア、ユーフォルビア、リーフを合わせた華やかなハンギング ペチュニアに加え、ユーフォルビアやアルテミシア・バリエガータなどのカラーリーフ類を合わせた寄せ植えのハンギングなら、花が切り戻しで一時的に減ったときも寂しく見えにくくなります。 梅雨以降のハンギングでは、「花だけで埋める」よりも、細かな葉、斑入り葉、白い小花を組み合わせておくと、株が少し休んだ時期にも雰囲気を保てます。 梅雨以降のハンギング管理のコツ ポイント1 雨に当てっぱなしにしない ペチュニアの中でも八重咲きの花は雨で傷みやすいため、長雨のときは軒下などに移動すると安心です。移動できない場合も、花がらや傷んだ葉をこまめに取り除きます。 ポイント2 株元の風通しを確保する ハンギングは表面が花で覆われると、内側が蒸れやすくなります。混み合った部分は軽くすき、枯れ葉をためないようにします。 ポイント3 水切れと過湿の両方に注意 梅雨時は水やりを控えめにしがちですが、ハンギングは意外に乾くことがあります。水苔が乾いていたら水を与えます。 ポイント4 肥料は回復に合わせて 切り戻し後は、規定倍率に薄めた活力剤や液体肥料を使って株の回復をサポートします。その後も新芽の動きや株の状態を見ながら、濃くしすぎず、表示の倍率を守って与えます。 まとめ|切り戻して長く楽しもう 半円形のスリット式ハンギングは、最初に10株以上たっぷり花を使います。ですから、できる限り長く美しく楽しみたいものです。タイミングよく切り戻しを繰り返せば、ペチュニアは秋まで花を咲かせてくれます。満開の姿が美しいぶん、切り戻すのに勇気がいるものですが、梅雨前に一度整えておくことで、株の蒸れを防ぎ、夏に向けて再び花を咲かせる準備ができます。 また、梅雨以降のハンギングは、ペチュニアだけでなく、ベゴニアやカラーリーフなどを取り入れることで、花が少ない時期も涼やかに楽しめます。 切る、整える、休ませる。そしてまた咲かせる。 そんなリズムを知ると、ハンギングバスケットは春だけでなく、梅雨から夏の庭でも頼もしい存在になりますよ。
-
ガーデンデザイン

1種類だけで、庭が見違える! 初心者にもできる“まんまるハンギング”の楽しみ方
1種類だけのハンギングが初心者向きな理由 1種類植えのよさは、なんといっても植え方も管理もシンプルなことです。白なら清楚に、ピンクなら可愛らしく、ブルーや紫なら涼やかに、リーフだけなら大人っぽく。1種類でも、選ぶ植物によって印象は大きく変わります。さらに、同じ植物を丸く咲かせることで、遠目にも形がはっきり見えます。小さな庭や玄関前、細い通路、花壇の一角など、限られたスペースでも「ここに見せ場がある」と伝わりやすくなります。 ハンギングは“高さ”があるから、庭の景色が変わる ハンギングバスケットの魅力は、花を空中に持ち上げられること。地面の花壇だけでは平面的になりがちな庭に、高低差が生まれます。 たとえば、つるバラの壁面の前に丸いハンギングを置くと、枝の上で咲くバラと、目の高さで咲くハンギングの花がつながり、立体的な花景色になります。通路沿いに並べれば、歩くたびに花のボールが視界に入り、庭にリズムが生まれます。壁面やフェンスの前に置けば、ハンギングの丸い形がより際立ちます。 ハンギングは風通しのよさがポイント 梅雨から夏にかけては、蒸れや病気が気になる季節です。とくに株元が混み合う植物は、湿気がこもると傷みやすくなります。その点、ハンギングは地面から離して飾れるため、風が通りやすいのがメリット。雨のあとも株まわりが乾きやすく、花壇に直接植えるより管理しやすい場合があります。 ただし、ここで気をつけたいのが水切れです。ハンギングは風通しがよい分、乾くのも早くなります。特に梅雨明け後の晴天や、気温の高い日、風の強い日は、朝に水やりをしても夕方には乾いていることがあります。水切れにだけ気をつければ、管理はそれほど難しくありません。 初心者におすすめの植物1:ジプソフィラ‘ジプシー’ ジプソフィラ‘ジプシー’は、四季咲きで開花期の長い一年草のカスミソウです。草丈は15cmほどで、花の密度が高く、株がふんわり広がるように育つため、丸いシルエットを作りやすく、初心者でも“ハンギングらしい形”になりやすい植物です。 細かな花が株全体を覆うように咲き、満開時には丸い花の雲のような姿になります。 初心者におすすめの植物2:ニチニチソウ 白い花がこんもり咲くハンギングは、ニチニチソウ。初夏から秋まで長く咲く一年草で、草丈は15cmほど。ニチニチソウは日当たりを好み真夏の暑さにも強い頼もしい植物です。 特に白花は、緑の濃い夏の庭の中でよく映えます。写真のように、白いハンギングを高さ違いで飾ると、庭の一角に光が差したような清潔感が生まれます。 梅雨から夏にかけては、風通しのよい場所で管理し、花がらや傷んだ葉をこまめに取り除くのがきれいに保つコツ。水切れには弱いので、ハンギングでは乾きすぎないよう注意します。 初心者におすすめの植物3:ジニア‘プロフュージョン’ アプリコット色の小花が咲くジニアのハンギングは、夏らしい明るさが魅力です。ジニアは暑さに強く、和名は百日草と呼ばれる開花期の長い一年草です。‘プロフュージョン’は花色も豊富で、黄、オレンジ、ピンク、白、赤など、選ぶ色によって印象が変わります。私の庭ではヒューケラ‘キャラメル’やユーフォルビア‘ゴールデンレインボー’などが彩るイエローエリアに合わせて、オレンジ色の花をチョイス。 ジニアはとても暑さに強いので、太陽がよく当たる場所におすすめです。よく分枝して自然にこんもり丸くきれいな形になってくれます。 初心者におすすめの植物4:アゲラタム 青紫の小さな花がふんわりと集まって咲くアゲラタムも、1種類植えのハンギングにおすすめの植物です。初夏から秋までと開花期が長く、次々に花を咲かせます。耐寒性は弱いので、一般的には一年草扱いですが、暖かな地域では翌年も開花することがあります。咲き進んでもふんわりした雰囲気が続きやすいため、ハンギングにすると見応えがあります。 アゲラタムの花は、細い糸のような花びらが集まった、やわらかなポンポン状。一つひとつの花は小さいですが、株いっぱいに咲くと、写真のようにハンギング全体が青紫の花で覆われ、丸い花のボールのような姿になります。 花色は青紫、紫、白、ピンク系などがありますが、庭で特に映えるのは青紫系。ピンクのバラや白花の宿根草が多い庭に加えると、甘くなりすぎず、涼しげな差し色になります。梅雨から初夏の庭では、青紫の花色が入るだけで、景色に少し透明感が生まれます。高温多湿に注意し、真夏は涼しい半日陰に置くと安心です。 初心者におすすめの植物5:リーフだけのハンギング 花だけでなく、リーフプランツだけで作るハンギングも庭におしゃれな雰囲気をもたらしてくれます。白いバラに合わせて選んだのは、ワインカラーと斑入り葉のヒポエステス。熱帯地域を原産とし、一般には観葉植物として楽しまれる植物ですが、花が少なくなる真夏の庭でも活躍してくれます。 葉もののよさは、花がら摘みがいらず、観賞期間が長いこと。花のように咲き終わりを気にしなくてよいので、忙しい人にも向いています。 ピンクや白の斑入り葉は、花色とも相性がよく、庭にアクセントを加えてくれます。花のハンギングに比べて落ち着いた印象になるため、甘くなりすぎないのも魅力。 ただし、観葉植物は品種によって強い直射日光で葉焼けするものもあるので、夏は半日陰や明るい日陰で楽しむと安心です。ヒポエステスは、強い直射日光よりも、夏は明るい半日陰を好みます。寒さには弱いので、冬には室内に取り込みます。 1種類ハンギングを成功させる植物選びのコツ ペチュニア‘ステファニー’のハンギング。 1種類だけで見栄えよく作るには、植物選びが大切です。選びたいのは、次のような性質をもつ植物です。 観賞期間が3カ月以上。上げ下ろしに力がいるハンギングは、しょっちゅう植え替えずに済むように、最低でも3カ月以上は見頃が続くものを選びましょう。ここでご紹介した植物は、どれも見頃が長いのが特徴です。 こんもり育つこと。上にも横にも広がり、丸い形になりやすい植物を選ぶと、ハンギングらしいシルエットが作れます。 花つきがよいこと。1種類だけで見せるため、花数が多い植物のほうが華やかになります。 切り戻しで復活しやすいこと。梅雨や夏に一度乱れても、切り戻して再び咲く植物なら長く楽しめます。 置き場所に合っていること。日なた向きの植物を日陰に置くと花つきが悪くなり、日陰向きの植物を強い日差しの下に置くと傷みやすくなります。 初心者はまず、花色や雰囲気よりも、置き場所に合う植物を選ぶのが失敗しにくいポイントです。 1種類ハンギングの植え方 基本の植え方は、前回の記事でご紹介した方法と同じです。 バスケットに用土を入れ、苗を側面や上部に配置しながら、全体が丸く育つように植え込みます。 1種類だけで作る場合は、難しい色合わせは不要です。ただし、苗の向きは意識します。中心だけでなく、側面にも花が出るように植えることで、上から見ても横から見ても美しい形になります。 植え込み直後は、少しすき間があっても大丈夫。生育とともに株が広がり、自然にバスケットを覆っていきます。 詳しい植え込み手順は、こちらの記事でご紹介しています。 水やりは“乾きやすい”前提で考える ハンギングで一番気をつけたいのは水やりです。 地植えに比べて土の量が限られ、風に当たりやすいため、思った以上に乾きます。特に晴れて気温が上がる日、風の強い日、梅雨明け後は水切れに注意しましょう。 水を与えるときは、花にかけるのではなく、バスケットの奥の土にやさしい水流で染み渡らせ、底から水が流れ出るくらいまで与えます。 夏場は朝の水やりを基本にし、夕方にしおれていないか確認します。葉がぐったりしている、鉢が軽い、花がうつむいているなどの場合は水切れのサインです。 梅雨時の管理は“蒸れさせない”こと ハンギングは風通しがよいとはいえ、花や葉が密に茂ると、内側に湿気がこもることがあります。傷んだ花、黄ばんだ葉、茶色くなった葉は早めに取り除きましょう。株の内側に枯れ葉が残っていると、そこから蒸れや病気につながることがあります。 花が咲き終わって姿が乱れてきたら、思い切って軽く切り戻すのもおすすめです。一時的に花が少なくなりますが、株の風通しがよくなり、新しい芽が動きやすくなります。 庭で映える飾り方のコツ 1種類だけのハンギングを素敵に見せるには、飾る場所も大切です。おすすめは、背景に緑や壁面がある場所。ハンギングの丸い形がくっきり見え、写真映えもします。バラや宿根草の近くに置くなら、花色をどこかでリンクさせると自然です。 一方で、あえて反対色を使ってアクセントにする方法もあります。複数置く場合は、同じ植物、同じ色で繰り返すと失敗しにくくなります。写真のジプソフィラのように、同じ丸いハンギングが並ぶだけで、庭にリズムと統一感が生まれます。 小さな場所こそ、ハンギングが効く ハンギングは、広い庭だけのものではありません。むしろ、小さな庭や玄関前、細いアプローチでこそ力を発揮します。 地面に植えるスペースが少なくても、ハンギングなら空間を立体的に使えます。花壇の奥行きが浅い場所でも、スタンドを使って高さを出せば、花のボリュームを楽しめます。 1つ置くだけで、そこが小さなフォーカルポイントになります。玄関前ならお迎えの花に、庭の奥なら視線を誘うポイントに、通路沿いなら歩く楽しみに。 まずは1種類から。お気に入りの花を丸く咲かせて、庭に小さな“浮かぶ花景色”を作ってみませんか。
-
寄せ植え・花壇

奥行き30cmでも、ここまで華やか! ペチュニアのハンギングバスケットの作り方
ハンギングバスケットで、狭い花壇に“高さ”をプラス ハンギングバスケットの魅力は、地面を使わずに花のボリュームを足せること。奥行きの浅い花壇や玄関脇、壁際、フェンスまわりなど、植えるスペースが限られた場所でも、壁面やスタンドを利用すれば花を立体的に楽しめます。 特に、壁沿いの細長い花壇では、足元の草花だけではどうしても景色が低い位置にまとまりがちです。そこにハンギングをひとつ加えると、目の高さに花のかたまりが生まれ、空間全体がぐっと華やかに。足元の花壇と、壁面のバラやつる植物との間をつなぐ“中段の花”としても活躍します。 花壇が狭いからこそ、ハンギングが効く。これは、小さな庭や玄関まわりでも取り入れやすい、立体的な花の演出です。 ペチュニアがハンギングに向く理由 バラのような華やかな八重咲きのペチュニア‘パニエ・ライトブルー’。壁に誘引したつるバラ‘レイニーブルー’と色を合わせて。 ペチュニアは、ハンギングバスケットにとても向いている草花です。茎を広げながら次々に花を咲かせ、株全体がこんもりと育つため、丸くあふれるような姿に仕立てやすいのが特徴です。 花色のバリエーションが豊富なのも魅力。明るいピンクや紫、白、シックなアンティークカラー、複色のニュアンスカラーなど、庭の雰囲気に合わせて選ぶことができます。単植ならまとまりやすく、複数の草花と組み合わせれば、より表情豊かな寄せ植えハンギングに仕上がります。 また、切り戻しをしながら管理すれば、初夏から秋まで長く咲いてくれるのも嬉しいところ。5月末から作るハンギングとしても、十分に楽しめます。 まるで花のボール! 1種類で作るペチュニアハンギング 初めてペチュニアのハンギングを作るなら、まずは1種類のペチュニアだけで仕立てるのがおすすめです。同じ品種を使うことで花色や草姿がそろい、自然にまとまりのある姿になります。 写真はクリーム色にブラウンの目が入るニュアンスカラーのペチュニア‘ステファニー’。淡いイエローやピンクを含んだ花弁に、中心のブラウンがアクセントになり、ひとつの品種だけでも表情豊かなハンギングになります。 【基本の植え方】 今回作るハンギングバスケットは、壁に掛けるタイプの半円形のバスケットです。スリット式バスケットは、スリット上部から苗を通して植えるので、初心者でも作りやすいタイプ。プラスチック製で軽く、保水性や耐久性に優れており、繰り返し使用できます。 【用意するもの】 ① ハンギングバスケット(プラスチック製スリットバスケット幅30cm)、植え込み補助用スポンジ、S字フック2つ ② ペチュニアの開花株18ポット ③ 草花用培養土 ④ 活力剤(*)入りの水(バケツに) ⑤ 水苔(水で濡らしてぎゅっと絞っておく) ⑥ 元肥(元肥入りの培養土の場合は不要) 植え込み時に使う「活力剤」とは? 「活力剤」とは、「肥料」や「液肥」とは役割が違います。肥料は、植物が育つための栄養分を補うもの。人でいえば「ごはん」にあたります。花をたくさん咲かせたり、葉を茂らせたりする役割があります。 一方、活力剤は植物の根や株の状態を整え、植え替え後のストレスをやわらげたり、新しい根が動き出すのを助ける役割があります。 ハンギングを作るときは、ポットから苗を抜き、根鉢をほぐします。ポットの中で長く育った苗は、根が鉢の形に沿ってぐるぐる回っていたり、根鉢の外側が固く締まっていたりします。この状態のまま植えると、根が新しい土に伸び出しにくく、水を吸いにくい状態が続くことがあります。ですから、新しい土に素早く根をなじませ、植え込み後にしっかり水や養分を吸えるようにするために根をほぐすのですが、この作業は植物にとってはストレスにもなります。そのストレスダメージから素早く回復させ、植え込み後の立ち上がりをサポートしてくれるのが活力剤の役割です。 特に春から初夏へ向かうこの時期は、気温が上がり始め、苗が水切れや蒸れのダメージを受けやすくなるので、植え込み時に活力剤入りの水で根を整えておくことをおすすめします。さまざまな商品があり、希釈率なども異なるので製品ラベルをよく読んで使いましょう。 ハンギングバスケットの基本の作り方 ① バスケットのスリット部分に、植え込み補助用スポンジをセットします。シール状になっているので、まず下部だけ紙を少しめくってバスケットに貼り付け、紙を引き上げながら徐々に上部を密着させていくと、きれいに貼り付けられます。このスポンジがあると、土こぼれを防ぐことができ、早くきれいに植えられます。保水力も高まるので、植え込んだ後のお手入れもしやすくなります。 スリットの内側全部にスポンジを貼った状態。 ② スポンジの表面を土で覆って植物が貼り付かないようにしておきます。 ③ スリットの下まで土を入れます。 ④ ハンギングスタンドや椅子の背などに引っ掛け、視線の高さに容器を置くと、作業しやすく、きれいに仕上がります。 ⑤ 苗をよく見て、花がら(しおれた花)や傷んだ葉、黄色くなった葉は、病気の原因になるのであらかじめ取り除いておきます。片手で植物をそっと支えて持ち、もう一方の手でビニールポットを引き抜きます。根をほぐして、根の周りの土を1/3ほど落とし、活力剤入りの水に根の部分を浸します。 ⑥ 苗を地面と水平にして持ち、中央のスリットに苗を上から下へスライドさせるように植え付けます。 ⑦ 5つ全てのスリットに苗を植え込んだら、薄く土をかぶせます。3段同様に繰り返し、15ポットを植え込みます。 ⑧ 3段目まで植え込んだ後、中央の空洞に土を入れます。 ⑨ 最上部は3株、株をやや斜め上に向けて植え込み、土をかぶせます。土の表面に湿らせた水苔を密着させて完成。水苔は保湿性を高め、水やりの際に土が流出するのを防ぎます。 1種類で楽しめる、ハンギングバスケット向きの植物の種類は、こちら↓の記事でも紹介しています。 寄せ植えハンギングは、植物を“役割”で選ぶ 複数の植物を組み合わせたハンギングを作る場合は、まず苗を平置きの状態でデザインを考えます。構成を考えるときに上の写真のようなポットトレーを使うと便利です。3段目までは5つのスリットに5つずつ苗が入り、最後に3段目の奥に3つの苗が入ります。 壁掛けタイプの半円形のハンギングバスケットの場合、最も目立つのは2段目・3段目の中央です。ですから、まずこの最も目立つ部分を中心に植物を選んでいきます。植物を選ぶときは、好きな花をただ集めるのではなく、主役、つなぎ役、形を整えるリーフ、動きを出す植物というように、植物の「役割」で考えると、複数の植物を使ってもまとまりやすくなります。 このバスケットを例に、植物の役割を見ていきましょう。一見、複雑に見えますが、使ったのは次の4種の植物です。 ペチュニア‘ステファニー’/主役。花径の大きなもの、ボリュームのある花は主役になりやすいです。 八重咲きペチュニア(白)、イベリス/明るさ・抜け感。白花は全体に光を散らして明るさを出す役割があります。ペチュニアの大きな花の間に小花が入ることで、全体の表情に抜け感とリズムも生まれます。 カラミンサ・グランディフローラ/つなぎ役。リーフは、花の間を美しくつなぎながら、主役を引き立てます。すべてを花で埋めるよりも、リーフ類が入ることで軽やかでナチュラルな雰囲気が生まれます。今回のような斑入り葉は、初夏にふさわしい爽やかさの演出にもぴったりです。 寄せ植えハンギングを再現するときは、同じ植物をすべて揃えようとしなくても大丈夫です。大切なのは、主役と、その他の植物の役割を考えながら選ぶこと。色数を絞り、花の大きさや葉の質感で変化をつけると、まとまりのある仕上がりになります。 ハンギングの配置のコツは主役で流れを作り、小花とリーフでつなぐ 植物と配置が決まったら、先ほどと同様に1段目から順に植え込んでいきます。苗の角度を変えてみながら、一番綺麗に見える方向を探して植え込みます。 ハンギングバスケットは、正面だけでなく、斜めや横からも見えるもの。主役のペチュニアを1カ所に集めず、上、左右、下へ分散させて流れを作ると、どの角度から見てもきれいです。 配置の基本は、まず主役の位置を決めること。大きな花をバランスよく散らし、その間を白花や小花でつなぎます。リーフ類は外周や隙間に入れると、全体の輪郭がやわらかくなり、自然な流れが生まれます。 どこから見ても主役が目に入り見応えたっぷり。 コンテナとハンギングの色をリンクさせた小さな花コーナー ハンギングは、単独で飾るだけでなく、周囲の花や庭の景色とつなげることで、さらに美しく見えます。 たとえば、先ほどの単植のペチュニアハンギングと寄せ植えのハンギングに、コンテナを合わせると、広いスペースがなくても素敵な花のコーナーが生まれます。このとき、ハンギングとコンテナの植物を同系色にしたり、またその逆に補色で合わせたりと、コーディネートして、全体の景色として色を響かせるのがコツです。 ペチュニアハンギングのバリエーション|紫系でシックに 紫のグラデーションがアンティークっぽい雰囲気のペチュニア‘モンローウォーク・ペールモーブシルバー’を主役にしたハンギングバスケットです。濃い紫の小花のバーベナ、観賞用トウガラシ‘パープルフラッシュ’で色を合わせた濃厚な組み合わせの中に、斑入りのアメリカナツヅタを入れて軽やかさと光の陰影を演出しました。濃い花色を使うときは、明るい葉色や白花を少し加えると、全体が重たくなりすぎません。 アジサイのコンテナと合わせて、バラの花が一段落した梅雨前の庭をシックに彩ります。遠目にも存在感があり、庭のフォーカルポイントとしても効果的。 見頃を長くするハンギングのお手入れのポイント 水やり ハンギングは地面より風が通りやすい分、乾きやすいです。雨が降らないときは、毎日水やりしましょう。水やりは、上部からゆっくり、下から水が滴り落ちるまでたっぷりやります。真夏は日中を避け、朝晩の涼しい時間帯にします。 花がら摘み 咲き終わった花や傷んだ葉は、こまめに取り除きましょう。花がらをそのままにしておくと、見た目が悪くなるだけでなく、病気や蒸れの原因にもなります。 切り戻し 開花期の長いペチュニアは、伸びてきた茎先を1/3ほど切り詰めると、分枝して再びきれいに咲き上がってきます。 追肥 頻繁に水やりをするハンギングでは、植え付け時に与えた元肥は流出しがちです。追肥を適切に与えることで、少なくとも3カ月は見頃が続きます。水やりと同時に与える液肥か、土の表面に置く固形、または粒状の肥料などを与えましょう。 小さな花壇に挿せる便利なハンギングスティック 小さな花壇にハンギングを飾るには、土に差し込んで使うことができる「ハンギングスティック」を用いると便利です。アイアン製でしっかり固定でき、1本の棒状なので目立ちにくく、まるで花が浮いている様に見えます。 花壇の中や庭の植栽エリア、コンテナなど土に差し込んで使うことができるハンギングスティック。 ハンギングバスケットは、花を植える場所が限られている庭でも、空中に花のボリュームを加えられる頼もしいアイテムです。奥行きの浅い花壇や玄関まわり、壁際の小さなスペースも、目線の高さに花が加わるだけで印象が大きく変わります。 まずは、ペチュニア1種類で丸く仕立てるところから。慣れてきたら、白花やリーフを合わせて、庭の雰囲気に合う寄せ植えハンギングに挑戦してみましょう。限られたスペースでも、花を楽しむ方法はたくさんあります。奥行き30cmの花壇でも、壁面と空中を生かせば、景色はここまで華やかに変わりますよ。
-
寄せ植え・花壇

広い庭がなくても、春はこんなに可愛い。3つのリースで描く、早春の庭
庭を“1周”で描くという発想 リースの器には、始まりも終わりもありません。視線は自然に円を巡り、花の表情を1周しながら味わいます。 その構図は、どこか庭や花壇を上から眺めたときの景色に似ています。円の中に季節を閉じ込めることで、小さな空間でも“ひとつの庭”が完成するのです。 今回ご紹介するのは、ハンギングバスケットの第一人者である武島由美子さんの作品。リースを単なる飾りではなく、「庭を描く器」として捉える視点が印象的。 「円というかたちは、それだけで物語をつくる力を持っています。小さくても、立体的で、視線が自然とぐるりと巡るのがポイント」と武島さん。 リースの器が、初心者でもうまくいく3つの理由 ① 360度均等に植える=考えすぎなくていい 通常の寄せ植えや花壇は、横や奥行きに広がりがあります。正面を決め、高低差を考え、前後左右のバランスをとる――意外と頭を使うものです。 バランスを配慮する寄せ植え。 一方、リースの器は面積が限られているので、基本は1列ぐるっと均等に、同じ調子で回していけばOK。それだけで視線が自然に1周するので、構図で悩むことがありません。 「ぐるっと均等に」が基本のリースの寄せ植え。 ② 円形は「まとまり」を自動で作る 円のフレームが、柔らかさや安定感、まとまりを自動的に生み出してくれます。多少花の向きがバラついても、問題なし。形そのものがデザインを助けてくれるので、初心者でも安心して楽しく作れます。 ③ 早春の花と相性がいい 早春の花は草丈が低く、丸みのあるものが多いので、リースの形と相性がよく、“ちゃんと可愛い”仕上がりになりやすいのです。 3つのリースが描く、3つの「早春の庭」 武島さんに3つの「早春の庭リース」を解説していただきます。 ① 花束のように、ぎゅっと咲く「春の入り口」のリース 春が来たことが一瞬で伝わる、やわらかな花色をセレクトしました。玄関先やベランダで、椅子に立てかけておけば、目線の高さで花束のような華やかな春が迎えられますよ。 主役はプリムラ‘エムズセレクション マビリア’。淡いピンクとイエローのグラデーションと、バラのような花形が花束のような存在感を放ちます。同系色のフリル咲きビオラ‘アイクルール’を傍に添えて、やさしい変化を加えました。 花を引き立てるのは、ピンクパープルの斑入り葉のキンギョソウ、クリーム色の斑入り葉のタイム、そしてワイヤープランツ。小葉のリーフの色と質感を重ねることで、甘さの中に奥行きを生み出しています。 <植え方のポイント> 同じ草丈のものを揃えて、規則的に配置するのがリースの寄せ植えの基本です。 まず主役のプリムラを3株、リースの中で三角形を描くように配置。その間をビオラ、タイム、キンギョソウの順にリズムよくつないでいきます。 小さく株分けしたワイヤープランツを鉢縁に植え込み、ふんわりと動きをプラス。タイムはやや内側寄りに、ワイヤープランツは外側寄りに配置すると、器の輪郭がやわらぎ、ナチュラルでやさしい雰囲気になります。 ② いろいろな春を重ねる「ガーデンリース」 こちらは、ほぼ1株ずつ異なる草花を組み合わせたリース。花壇の一角をそのまま切り取ったような、にぎやかで自然な春の景色を目指しました。 主役をひとつに絞らず、プリムラ・マラコイデス、パンジー、ハナカンザシ、イベリス、プリムラ・ジュリアン、クリスマスローズ、オキナグサ、ムスカリ、黄花アリッサムと、咲き方も高さも異なる花を重ねています。 規則的に並べる①とは違い、ここでは“庭のリズム”を取り入れます。リースはどこから見ても楽しめますが、ほんの少しだけ高さのリズムを意識すると、より庭らしい奥行きが生まれます。 背の高いプリムラ・マラコイデスやクリスマスローズは奥寄りに。ボリュームのあるハナカンザシやイベリスはサイドへ。ムスカリやオキナグサは手前に。 こうして高低差をつくることで、小さな器の中に奥行きが生まれます。 これは壁に掛けるリースではなく、置き型を前提にした構成。上からの視線と横からの視線、どちらも楽しめるよう、高さの違いをあえて生かしています。 <植え方のポイント> リースは器がデザインを助けてくれますが、庭のルールを少し取り入れてみると、グッと洗練されます。このリースのように異なる草花を使う場合は、「高さ」と「株の密度」を意識して、三角形の立体感が出るようにすると、どの花の顔もきれいに見えます。 また、このリースでの配置は、「均等」ではなく「リズム」がポイント。 密な部分(プリムラ・マラコイデスやハナカンザシのボリュームゾーン) 少し抜ける部分(ムスカリやオキナグサのスッキリゾーン) これがあると、庭の一角を凝縮したような自然な景色が生まれます。 ③ 余白が春を語る、森の林床のリース 早春の森の林床をイメージしたリースです。 春が訪れたばかりの森は、まだ地面が見えていて、花は“点”で咲いている景色です。 だから、このリースではぎゅっと咲かせるのでもなく、多彩な花を重ねるのでもなく、苔の緑をベースに、ムスカリやスノードロップ、ヒナソウをぽつり、ぽつりと配置。すべてを埋め尽くさず、あえて余白を残すことで、静かな春の空気感をつくっています。 中央に置いた鳥の巣は、実際に庭に落ちていたヒヨドリの巣。自然の中にあった素材を合わせてみたら、より森っぽい雰囲気になりました。小枝などでも同じ雰囲気が再現できそうです。 <植え方のポイント> このリースで大切なのは、「詰めない勇気」。 花は均等に散らすのではなく、少し偏りをつくる 苔や土の面をあえて見せる 草丈は低めを基本にする 春の林床は、まだ隙間の多い世界。その“未完成さ”が美しさ。 ぐるりと1周すべてを華やかにしなくてもいい。ぽつぽつと咲く花の間に、空気が流れるように配置するのがコツです。 リースの器での基本の作り方ポイント ① まずは「土台づくり」が8割 ワイヤーの場合は、麻布を敷き詰めた上にビニールを敷くとナチュラル。 リースの器はバスケットやワイヤー素材のものが多く、あらかじめ土こぼれしないようにビニールがセットされているものも多いです。もしビニールがセットされてない場合は、ご自身でビニールを器に敷き詰めて、土こぼれしないようにしましょう。ビニールには水抜け用の穴をあけるのも忘れずに。 花苗用の培養土を器の1/3〜半分の高さまで入れ、苗を植え込んだらしっかり間に土を詰めていきます。その上から水苔をしっかり敷くと、土こぼれがしにくくなります。リースは縦に使うこともあるので、土がゆるいと崩れやすくなります。 ②水やりは“たっぷり・しっかり” リースは土量が少ないので乾きやすいです。 表面が乾いたら 底から水が流れるまで 全体に行き渡らせる のが基本。壁掛けにする場合は、水やり後すぐにではなく、水が染み渡ってしばらく経ってから掛けます。 リースの器の失敗しないコツQ&A Q1. 色は何色まで? A. 3色程度にまとめると失敗しにくいです。同系色+差し色1色が基本。 Q2. 壁掛けと置き型、初心者はどちらがいい? A. まずは置き型がおすすめ。水やりや管理がしやすく、失敗しにくいです。 Q3. 水やりは難しい? A. 土量が少ないので乾きやすいのがリースの特徴。表面が乾いたら、全体にしっかり水を行き渡らせましょう。ハス口のあるジョウロで柔らかく水やりをすると、土こぼれがしにくいです。 Q4. 肥料はどうする? A. 植え込む際に、土に元肥を規定量混ぜておきます。暖かくなってくると、株が生育してくるので、定期的に液肥を与えると花が長もちします。 Q5. うまくまとまらなかったら? A. 大丈夫です。円の形が自然にまとめてくれます。少し引いて全体を見ると、意外と“ちゃんと可愛い”はずですよ。 庭は、広さではなく“描き方” 庭というと、広いスペースや立派な花壇を思い浮かべがちです。でも本当は、庭は広さで決まるものではありません。 円という小さな器の中にも、規則的に咲く春も、にぎやかな春も、静かな林床の春も描くことができます。 リースは、花を飾るものではなく、“庭を描くキャンバス”なのかもしれません。 広い庭がなくても大丈夫。今年は、リースという円の中に、あなたの春を描いてみませんか。
-
寄せ植え・花壇

新年の入り口を、美しく。ハボタンの寄せ植えで玄関やベランダに静かな華やぎを
1月の入り口を、美しく整えるということ ハボタンやスキミアなどで彩られた華やかなハンギングバスケットが出迎えてくれる武島邸。 玄関とベランダは、家の中と外をつなぐ暮らしの境目。そこに造形の美しいハボタンを飾れば、暮らしの流れが美しく整い、お正月後の時間も、少し前向きに感じられるはず。丸く重なるロゼット状のハボタンは、「円満」「調和」「重なり合う福」といった意味合いもあり、1月にぴったりです。 ハボタンの「量感」と彫刻のような「造形力」で華やかさを ブルーグレーのハボタンとパンジー‘横浜セレクション フレアブルー’、ネメシア、シルバーリーフを組み合わせ、同系色でまとめたシックなハンギング。 ハボタンは1株でしっかりボリュームの出る冬の素材。花弁のように重なり合い、中心へ向かって巻き込むバラのようなロゼット形のフォルムは、葉ものでありながら豪華なインパクトを与えることができます。 ハボタンは造形美とともに、繊細なカラーも大きな魅力。淡いピンクやクリーム、シックな黒葉やブルーグレーなど多彩な色幅があるので、パンジーやビオラ、ネメシア、シクラメンなどさまざまな冬の花と組み合わせて楽しめます。もちろん、ハボタンだけでも素敵な1鉢が作れますよ。 初心者でも失敗しない「ハボタンリース」 クリーム色のハボタンをメインに、ワイヤープランツを添えたリース形の寄せ植え。 ハボタンの最大の特徴は、株のシルエットがほぼ円形のまま保たれること。ですからリース形の容器との相性は抜群です。 葉が横に広がりすぎない 茎が伸びて飛び出さない 色が面で効く これらのハボタンの特徴により、リースの輪郭を乱すことなく、美しい円形を保つことができます。花のように「点」で色が配置されるのではなく、しっかりとした「面」で色が効くため、他の植物よりも圧倒的に美しく仕上がります。だから、初めてリース形の寄せ植えに挑戦する際にも、ハボタンは最適。ギュッと隙間なく植え込んで、土の表面を水ゴケで覆えば、立てかけても土こぼれの心配はありません。 ハンギングは難しそう? じつは「吊す場所」は自分で作れます スタンドを使えば、壁に穴をあけずにハンギングが飾れる。スリムで場所も取らないので玄関に最適。 玄関先やベランダなど、地面がない場所では、吊して飾るハンギングバスケットが活躍します。ハンギングバスケットと聞くと、「掛ける場所がない」「難しそう」と思われがちですが、吊す場所がないという悩みも、スタンド1つでほとんど解消します。また、ガーデンチェアの背もたれも、ハンギングやリース植えを飾る場所として活躍してくれますよ。 ハンギングバスケットの一番の利点は、花の彩りを“目線の高さ”に持ってこられることです。鉢植えはどうしても足元に置くことになりますが、ハンギングなら、自然と視線の先に花が入ります。だから玄関のような場所に、とても向いているんです。玄関は家に入るときも、外に出るときも、必ず目線が前を向く場所。その高さに花があるだけで、空間の印象はぐっと明るくなり、「迎える」「送り出す」という玄関本来の役割も、やさしく引き立ててくれます。 ベランダにはガーデンチェアもおすすめ ガーデンチェアにハンギングを飾って。足元にコンテナもプラスすると、よりフォーマルな雰囲気。 ガーデンチェアはベランダでも取り入れやすいアイテムです。背もたれはハンギングを掛けるのにちょうどいい高さで、室内からでも花の彩りがよく目に入ります。また、床に置くより日照が確保しやすく、風通しもいいので植物にとっても好環境です。 ハボタンとパンジー、アイビーの3種を組み合わせたリースの寄せ植えをガーデンチェアに。 ハンギングバスケットにハボタンを使うときのコツ ハンギングバスケットは、ハンギング専用のスリットのある鉢を用います。苗を横にして、5つのスリットにスライドさせるように植え込んでいき、最上部の3段目はスリットだけでなく奥にもやや直立させて2〜3株を植え込み、こんもり丸い半円形を目指します。美しい丸い形を作るには、円の中心部となる2〜3段目中央を意識して高くするのがポイント。円の中心部は最も目が留まる箇所なので、主役となる植物を配置します。 ハボタンを主役にする場合には、大きめのものや、茎が長く仕立てられたものを選ぶと立体感を出しやすくなります。ハボタンはサイズや仕立て方もさまざまなものがあり、ハンギングバスケットでも使い勝手がよい素材です。 茎が長く仕立てられたハボタンの苗。 季節の花で、暮らしを穏やかに整えよう 玄関やベランダは、毎日必ず通る場所。だからこそ、そこにある景色は、暮らしのリズムに静かに影響します。ハボタンの寄せ植えは、派手に主張するのではなく、造形と量感で空間を整えてくれる存在。新年の飾りを外したあとの、少し静かな1月にこそ、その美しさがいっそう引き立ちます。 特別な庭がなくても、暮らしの入り口を美しく整えることは意外と簡単で、楽しい仕事です。目線の高さに花の彩りを迎え入れ、新しい1年の始まりを、穏やかな気持ちで過ごしてみませんか。
-
寄せ植え・花壇

育種家パンジー&ビオラの“にじむ色”を美しく見せる寄せ植え術―シルバーリーフという引き算
育種家パンジー&ビオラの色は、なぜ“にじんで見える”のか フリル咲き小輪パンジー‘ペルクレア’。花日和作出。 花の色、模様、咲き方、草姿までを意図して掛け合わせ、時間をかけて選び抜かれた育種家のパンジー&ビオラ。1輪ごとの色の重なりや光の当たり方で変わる表情など、その魅力は近くで見てこそ分かる繊細さにあります。 ビオラ‘万葉菫 おぼろ月’。桂風園作出。 色と色の境界がはっきり区切られていないため、視線を向けたときに「ぱっと目に飛び込んでくる」というより、じわっと染み込むように印象的。この繊細な色合いは、寄せ植えで他の色や質感を重ねすぎると、簡単に埋もれてしまいます。だからこそ、花そのものを“主役”として扱う構成が求められます。 シルバーリーフは花色を濁らせない“名脇役” ビオラ‘アイクルール’の透き通るような花色が際立つ小さな寄せ植え。オレアリア‘リトルスモーキー’、コクリュウを合わせて。 そんな育種家パンジー&ビオラに武島さんが合わせるのは、シルバーリーフ。そこには「おしゃれだから」というだけでなく、きちんとした理由があります。 シルバーリーフは 無彩色に近い 明度が高く、光をやわらかく反射する だからこそ繊細な花の色を濁らせず、静かに引き立ててくれるのです。白やグレーに近い葉が背景になることで、パンジー&ビオラのにじむような紫、ブルー、ピンク、イエローは、より澄んで見えます。 「シルバーリーフは主役にはなりませんが、工芸品のような繊細な花色を持つ主役の花を一段引き上げるために、寄せ植えには欠かせない名脇役です」(武島さん) 初心者でもすぐ真似できる2種の寄せ植え 育種家パンジー&ビオラの繊細な色を楽しむなら、植物はあえて2種類だけという選択も、とても有効です。この寄せ植えで組み合わせているのは、主役のビオラ‘パスフリ ブルー’と、引き立て役のオレアリア‘リトルスモーキー’のみ。 主役の花を手前中央に配置し、後方にも2株、鉢の中で三角形になるように配置します。その三角形の間を埋めるように、シルバーリーフを逆三角形に配置すると、ナチュラルに仕上がります。植物の数を増やさないことで、ビオラの紫や青みがより澄んで、育種家ビオラの魅惑の色合いが際立ちます。 4種のシルバーリーフがつくる、静かな奥行き この寄せ植えでは、シルバーリーフを4種類、組み合わせています。それでも雑多な印象にならず、むしろ静かで上品に見えるのは、それぞれのシルバーリーフが「色」ではなく「質感の違い」として使われているからです。 中心的な存在になっているのが、この冬、武島さんお気に入りのシルバーリーフのカルーナ。葉の美しさとともに、ごく淡いピンクの八重咲きの花が連なる姿は、花木と草花の中間のような、落ち着いた佇まいを見せてくれます。 そこに合わせているほかのシルバーリーフは、 葉が細かいもの 線的に立ち上がるもの ふわっと広がるもの と、形や動きがそれぞれ異なります。4種使っているのに「多い」と感じさせないのは、色数を増やさず、質感だけで変化をつけているからです。 花をたくさん咲かせなくても、色を重ねなくても、静かに整えられた寄せ植えは、冬の光の中でこそ、その品格をあらわにします。 ビオラ、カルーナ、クッションブッシュの3種でつくったリース寄せ植え。 武島さんの寄せ植えに学ぶ「色を引き立てる配置」 育種家パンジー&ビオラを引き立たせるには、色だけでなく配置にもコツがあります。 パンジー‘シエルブリエ’を中心に据え、エレモフィラやシロタエギクなどのシルバーリーフで囲んだコンテナ。 パンジー&ビオラは、視線が集まる中央やや前方に シルバーリーフは、縁や背景、流れを作る位置に 立体感は、葉の高さや細さで表現する シルバーリーフは、こんもりまとめるのではなく、流す・揺らす・抜けをつくるように配置することで、主役の花が浮かび上がるように見えます。色数を抑えながらも、単調にならない理由は、葉の形と質感の違いにあります。 シルバーリーフ、何を選ぶ? オレアリア‘リトルスモーキー’。 今回の寄せ植えで選ばれているシルバーリーフには、いくつかの共通点があります。 葉が細かい、または線的である 白すぎず、ややグレーがかる 冬の低温でも傷みにくい 左/エレモフィラ‘ホイップクリーム’ 中/ディコンドラ‘シルバーサーファー’ 右/クッションブッシュ‘プラチーナ’ いずれも「色で主張しないけれど、存在感はある」植物です。大切なのは、花より前に出ないこと。あくまで背景、あくまで土台として選びます。 ご紹介したシルバーリーフはいずれも常緑性の低木・半低木で、次のシーズンの寄せ植えにも再利用することができます。ただし日本の夏の高温多湿は苦手なものも多いので、春以降は置き場所を見直すことで、状態よく育てやすくなります。 冬の寄せ植えは「色数を減らす」と美しくなる 育種家パンジー&ビオラを主役にするなら、寄せ植え全体の色数は思い切って減らすと成功しやすいでしょう。足し算をやめることで、繊細な花の一色一色がきちんと“見える”ようになります。 色を盛らない。飾りすぎない。シルバーリーフという静かな存在だけで、花はいっそう澄み、深く、心に残ります。 冬の光の下で、色を引き算した寄せ植えを、ぜひ楽しんでみてください。
-
一・二年草

お正月を迎える“祝いの寄せ植え”。福を呼ぶハボタンを玄関や窓辺に
なぜハボタンは「縁起植物」と呼ばれるのか クリームホワイトの葉にパープルピンクのベインが美しいハボタン‘太鼓’。 ハボタンはキャベツの仲間。丸く葉が重なるロゼット状の姿には、「円満」「調和」「重なり合う福」といった意味が重ねられてきました。 また、寒さにあたることで色づき、冬に最も美しくなるという性質も、新年の始まりと相性のよい理由の1つです。花が少ない季節にあって、葉そのものの造形で存在感を放つ――その静かな強さが、ハボタンならではの魅力といえます。 左/ハボタン‘モカショコラ’。中/ハボタン‘パープルステン’。右/ハボタン‘萌花®︎ショコラ’。 さらに、ハボタンにはさまざまな品種があり、驚くほど多彩な表情を持っています。フリルのように波打つ葉。重なり合うロゼットの形。葉脈がくっきり浮かび上がるものもあれば、淡くにじむように色が変わるものも。また、苗の仕立て方もユニークで、コンパクトにロゼットを保つタイプもあれば、茎を立ち上げ、縦のラインを作る品種もあります。 茎を立ち上げて仕立てた苗。立体的に寄せ植えを形作ることができ、ハンギングバスケットなどでも重宝する。 この違いがあるからこそ、寄せ植えでは「主役」にも「リズム」にも、「背景」にもなることができます。ハボタンは、役割を選べる植物でもあるのです。 迎える場所に置く、正月のハボタン寄せ植え 玄関先や窓辺など、「人を迎える場所」に置かれたハボタンの寄せ植えは、正月飾りに代わる存在にもなります。しめ縄や門松のように期間限定で役目を終えるのではなく、冬から春へと季節をつなぎながら、長く楽しめるのも植物ならでは。 武島さんの寄せ植えは、あくまで自然体。祝う気持ちを込めながらも、主張しすぎず、暮らしの風景に溶け込むようにデザインされています。 寄せ植えで作る“ハレの日”の色合わせ ハボタンとイベリス、カルーナ、パンジーなどを合わせたリースの寄せ植え。 紫、白、淡い黄色――。今回の寄せ植えで印象的なのは、落ち着いた色の組み合わせです。紫は古くから高貴さや品格を象徴する色。白は清めや始まりを連想させ、淡い黄色は光や希望を感じさせます。 強いコントラストではなく、トーンを揃えた色合わせにすることで、「派手ではないけれど、きちんと祝っている」佇まいが生まれます。お正月の寄せ植えだからこそ、静かな華やかさが生きてきます。 花ではなく「葉」で魅せる、冬のデザイン 数種類のハボタンとハツユキカズラ、キンギョソウ、ビオラなどを合わせたリースの寄せ植え。 冬の庭は、光も色も限られがち。だからこそ、フリル状の葉、繊細な葉脈、重なりのリズムといった“葉の造形”が、デザインの主役になります。 ハボタンは、まるで彫刻のように形を変えながら、見る角度によって表情を変える植物。花に頼らずとも、美しさを成立させる力があります。 武島さんの寄せ植えからは、「咲かせること」よりも「佇まわせること」を大切にする冬ならではの庭づくりの視点が伝わってきます。 ハボタンを「花」として見せる構成 中心に据えられたハボタンは、まるで大輪の花のよう。葉の重なりや色のグラデーションを生かし、「葉物」であることを忘れさせるほどの存在感を放っています。そのまわりには、スキミアやパンジー、ストックなどを組み合わせ、ハボタンの造形美がより際立つ構成です。 この寄せ植えで、静かにお正月らしさを演出しているのが、ふわりと立ち上がるスキミアです。細かなツボミが、和の祝い事に通じる凛とした印象を添えています。 松や南天のような“定番の縁起木”を使わなくても、植物の形や線を生かすことで、十分に正月の空気感は作れる――そんなことを教えてくれる使い方です。 正月のあとも、庭に残るもの ハボタンの寄せ植えは、1日限りの飾りではありません。寒さの中で色を深め、春に向かって少しずつ姿を変えていく――その時間ごと、新しい年の始まりを見守ってくれます。 ハボタンと小型のストックの列植。 武島さんは鉢やバスケットだけでなく、通りに面した場所にもコンテナを並べ、ハボタンを列植しています。ある年はパンジーと、ある年はストックと組み合わせ、同じリズムで鉢を連ねることで、冬の通り道に、やわらかな連続性が生まれます。 春になると、ハボタンはとう立ちを始めます。中心からすっと茎が伸び、小さな黄色い花を咲かせる――多くの人が「役目を終えた」と感じるタイミングかもしれません。けれど武島さんは、そこで終わらせません。 「あの菜の花みたいな黄色の小さな花も、素朴で春らしくって、大好きなんです」と武島さん。そこでコンテナの向きを変え、手前のとう立ちしたハボタンを“背景”として生かします。 春先、コンテナのとう立ちしたハボタンを奥に。ビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’とともに。 手前には春の草花、奥には伸びやかなハボタン。主役だった植物を、脇役として使い直すことで、同じ株がまったく違う表情を見せてくれます。 とう立ちした姿も、どこか可愛らしい――ハボタンは、最後まで「使い切れる」植物なのです。 ハボタンは、どう姿を変えていく植物なのか ハボタンの魅力は、時間とともに形を変えていくことにあります。 冬(12〜2月) ロゼット状に葉を重ねる 色づきが最も美しい時期 寄せ植え・正月の主役 早春(3月) 株が少しずつ横に広がる 葉が厚みを増し、存在感が増す 「太ってきた」と感じやすい時期 春(4〜5月) とう立ちが始まる 黄色い花が咲く フォルムは縦方向へ変化 この変化を「乱れ」と見るか、「成長」と見るかで、ハボタンとの付き合い方は大きく変わります。 手入れのまとめ(ミニQ&A風・記事末向け) Q. ハボタンは横に太ってきますか?→ はい。春に向かって葉が充実し、横に広がります。それも自然な姿です。 Q. 太ってきたら切ったほうがいい?→ 無理に切らなくてOK。配置や役割を変えて楽しみましょう。 Q. とう立ちは抜くべき?→ 抜かずに背景として使うのもおすすめ。花も楽しめます。 Q. いつまで楽しめる?→ 花が終わる初夏まで。最後まで“表情の変化”が魅力です。 ハボタンの寄せ植えが教えてくれること ハボタンは、咲かずとも美しく、散らずに役割を変え、最後は春の素朴な風景の一部になっていく植物です。正月のためだけに使い切るのではなく、冬から初夏へ、時間ごと楽しめるのがハボタンの魅力。武島由美子さんの寄せ植えは、植物を「使い捨てない」庭の楽しみ方を、教えてくれます。



















