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千葉「佐倉草ぶえの丘バラ園」5月の散策
復活したバラ園 今年5月、数年ぶりに千葉県佐倉市の「佐倉草ぶえの丘バラ園」を訪れた。アーチやパーゴラ、スクリーンなどの立体的なつるバラの設えが充実し、バラの香りに包まれながらの散策は、以前にもまして、至福の時間をもたらしてくれた。 2019年9月、台風15号で壊滅的な被害を受けたバラ園が、クラウドファンディングなどの復旧支援プロジェクトを経て、見事に復活した様子は聞き及んでいたが、その後もコロナ禍ですっかりご無沙汰してしまった。今回、あらためて野生のバラやオールドローズを中心とするバラ園の景観に魅せられた。また、このバラ園の前身ともいえる「ローズガーデン・アルバ」を訪ねた時のことを思い起こしていた。 ローズガーデン・アルバ 友人に誘われて、佐倉市の「ローズガーデン・アルバ」を訪ねたのは、2003年頃だった。畑の中に忽然と現れたバラ園のユニークな佇まいと、初めて見るバラの種類が多かったことが記憶に残っている。園内の道具小屋の手前のアーチに咲くつるバラ‘シティ・オブ・ヨーク’に惹かれ、帰ってから早速苗を求めた。以来、わが家では鉢植えながら、このバラが7mほど枝を伸ばしている。 「ローズガーデン・アルバ」はNPO法人バラ文化研究所により、野生バラやオールドローズの収集・保存・研究を目的としてつくられた。わが国の「バラの父」と称される育種家・研究者の鈴木省三(1913-2000)のコレクションが母体となっている。 「佐倉草ぶえの丘バラ園」開園 「ローズガーデン・アルバ」は2004年に閉じられ、その後、現在の場所で新たに「佐倉草ぶえの丘バラ園」として開園された。佐倉市の公共施設の中にあり、バラ園の管理、運営はNPO法人バラ文化研究所に委託されている。面積は13,000㎡と広く、現在1,250種、2,500株のバラを見ることができる。 園内は15のエリアに分けられ、鈴木省三コーナー、植物画家ルドゥーテが描いたバラを集めたルドゥーテコーナー、歴史コーナー、ヨーロッパ、中国、日本それぞれの野生バラコーナー、香りのコーナーなど、テーマ別に植栽されている。 「とどろきばらえん」のこと 鈴木省三コーナーでは、彼が生み出した「天の川」「万葉」「乾杯」「ひなまつり」など、日本語の名前がつけられたバラを見ることができる。「とどろき」というバラを見つけ、鈴木省三が1937年に24歳で開いたという「とどろきばらえん」に思いを馳せた。 かつて私の父がバラの話になると、いつもなつかしそうに語ったのが、「とどろきばらえん」のことだった。第二次世界大戦後すぐのことで、若かった父がバラを育てるようになったきっかけの場所だという。父の語り口が鮮やかだったので、私は自分が訪れたことのあるバラ園のような気がしている。 ルドゥーテコーナー ルドゥーテは、ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌの命を受け、彼女の居城マルメゾンのバラを描いたほか、当時のバラのほとんどを網羅した『バラ図譜』3巻を出版したことで知られる。このコーナーには、ロサ・ガリカ・オフィキナーリスや‘スレイターズ・クリムズン・チャイナ’など、『バラ図譜』に登場する野生バラやオールドローズが植えられている。 中国のバラ 中国のバラが東インド会社を経由してヨーロッパに渡り、四季咲きのバラや、真紅色のバラを生み出すもととなったことは、バラの歴史の中でも特筆すべきことだろう。中国のバラコーナーでひときわ目についたのが、‘オールド・ブラッシュ’。18世紀、最初にヨーロッパにもたらされた4種類のバラのうちの一つで、それまでヨーロッパに無かった四季咲きのバラの誕生に貢献している。 日本のバラ 日本にはハマナスやノイバラなど、十数種の野生のバラが自生している。2012年に『日本のバラ』(淡交社刊)を出版した時、「佐倉草ぶえの丘バラ園」でいくつかのバラを撮影させてもらった。熊本県の球磨川河岸などに自生するツクシイバラ、本州や北海道の高山でしか見られないカラフトイバラなど、稀少なバラを見ることができる。 NPO法人バラ文化研究所の協力で、江戸時代に作られた植物図鑑『本草図譜』から、当時描かれたバラの図を写真に収めたことも忘れがたい。 ホワイト&ピンクコーナー オールドローズにもっとも多く見られるのが、白色とローズ色のバラ。同じ白やローズでも、色は微妙に異なるので、この2色のグラデーションが幻想的な情景を生み出している。東屋を覆うように咲く‘ホワイト・ミセス・フライト’がとりわけ見事だ。 「インドの夢」と「サンタ・マリアの谷」 比較的新しくできた2つのエリア。「インドの夢」では、インドの亜熱帯地域に自生するロサ・クリノフィラを使い、亜熱帯地方でも丈夫に育つようにと改良された苗が植栽されている。世界的に温暖化が進む中で、これから暑さに強いバラは、より必要とされるだろう。 「サンタ・マリアの谷」は、北イタリア、サンタ・マリアのバラ研究家、ヘルガ・ブリッシェから贈られたバラが植栽されている。バラ園の入り口付近から、谷を下りる形で散策できるエリア。 つるバラとコンパニオンプランツの設え バラの歴史や分類を辿る楽しみもさることながら、回廊式の小道を歩くと、さまざまに展開するバラの設えが眼福で、次第に気持ちが弾んでくる。‘ボビー・ジェームス’ ‘トレジャー・トロープ’などのバラが巨大な姿を見せるオールドローズガーデンや、いたるところのパーゴラやスクリーンに見られるつるバラが特に秀逸。‘ニューポート・フェアリー’のようにパーゴラの屋根とスクリーンに連なり、こぼれんばかりに咲く花もある。 景観を際立たせているのが、宿根草をはじめとする、一年草や球根植物など、さまざまなコンパニオンプランツ。ジギタリス、デルフィニウム、オルレア、カモミールなど、淡い色の花や葉がバラの株元にそよぐさまは、風薫る野原を連想させ、心地よい空間を生み出している。
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カメラマンが訪ねた感動の花の庭。千葉県八千代市のレストラン「貝殻亭」
38年ガーデナーによって守られてきたバラ 今回ご紹介する庭は、毎年4月の後半になると、ナニワイバラが屋根一面を真っ白に覆い尽くすことで有名な、千葉県八千代市勝田台のレストラン「貝殻亭」です。この「貝殻亭リゾート」を運営する株式会社ジー・ピー・アイの代表取締役社長の岩﨑肇氏は、地元の佐倉バラ会の理事長。つまり、このレストランとバラは、深い絆で結ばれているのです。 有名な屋根のナニワイバラのほか、ケーキショップの壁にかかるモッコウバラ、2階のカフェの入り口に繋がる橋にはサクライバラと、「佐倉ミステリーローズ」ガーデン内には、ノバラや原種系のバラがいろいろ植えられています。 今月のストーリーの主役、屋根一面を覆うナニワイバラは、1984年に先代のオーナーが植えたもので、それ以来38年間、その時々のガーデナーさんたちによって大切に育てられてきました。 バラ仲間と会食や写真講座などで幾度も通う 僕がこのナニワイバラで有名なレストランを初めて知ったのは、多分25年くらい前のことだと思います。当時はすでに雑誌などでバラの撮影を始めていた頃。家内が、どなたからか、バラで有名なレストラン「貝殻亭」のことを聞いてきてくれて、「今度行ってみようか」なんて話をしたんだと思います。その時すぐに伺ったかどうかは覚えていませんが、その後、プライベートやオールドローズ関係の友人との食事会などで、数回伺ったことがあります。 また、一番思い出に残っているのは、2012年に2階のカフェスペースで「ガーデンサロントーク写真講座」をさせていただいたことです。当日はたくさんの知り合いやお客様に来ていただいて、スライドを使っての講座でした。その後はオシャレなランチを食べながらの質問タイムなど、楽しい時間を過ごしたことを覚えています。 その後も何回か雑誌やバラ図鑑用の写真の撮影などで伺って、ナニワイバラやサクライバラなどを撮らせていただいています。 最近では、3年前に河合伸志さんの著書『美しく育てやすいバラ銘花図鑑』の仕事で、夕方まで屋根一面に咲くナニワイバラの撮影をさせていただきました。 2021年の開花最盛期に早朝撮影 今回の撮影は、4月23日の早朝に行いました。千葉市内の自宅から勝田台の「貝殻亭」までは約10km、午前4時半に家を出て5時前には到着しました。静まり返った駐車場に車を止めて、外に出て空を見上げると、青い空には雲一つなく、東側はもう明るくなり始めています。まずは、ナニワイバラの咲く屋根の正面に行ってみると、南東の方角を向いた屋根にはまだ朝陽が当たっておらず、ボンヤリとした光に包まれています。撮影を始めるまでにはまだ少し時間がありそうなので、もう一度駐車場側に戻って、別の撮影場所の確認をしました。 ケーキショップの壁際のモッコウバラ、ガーデンに向かう階段を上って2階カフェに向かう橋の佐倉ミステリーローズ、そしてサクライバラの咲き具合をチェックして、再びナニワイバラが咲く側に戻りました。屋根のそばまで近寄ってみると、どの花もちょうど咲き出したところのようです。屋根全体のどこを見渡しても、咲き終わった花は一つもありません。今日は最高のコンディションの花を最高の朝の光で撮影できるぞと、思わず気合いが入りました。 日射しが強くなる前にアングルを決めて、光がよくなるのを待つことに。三脚を担いで右に行ってはファインダーを覗き、もう少し左かなぁとまた歩き……などしていると、画面の右側(東側)の屋根の先端に朝陽が差し、輝き始めました。こうなると、もう時間の問題。朝はあっという間に太陽が昇り、強い光が上から差し込んできます。花は反射板を使ったように真っ白になって質感も何もなくなってしまうし、花の影は真っ黒になって、とても撮影ができる状態ではなってしまいます。 朝日に輝くバラの美しい瞬間を撮る シャッターを押すタイミングは、太陽が屋根を越えた瞬間に現れる魔法の光に包まれたほんの5~10分の間です。右は夜間用のライトのポールがギリギリ入らないようにアングルに注意して、左はナニワイバラの枝の先端までと決めました。あとは、朝の光が東側から屋根を越えてナニワイバラに沿って優しく差し込んでくるのを待つだけです。 まだ少し肌寒い中で待つこと5分くらいだったか……。朝日が屋根を越えた瞬間、あたり一面がふぁーっと明るくなって、ファインダーの中に見えるナニワイバラも輝き出しました。魔法の時間の優しい光に包まれた、カメラマンにとってとても幸せな時間の始まりです。あとは2、3分おきにシャッターを切って、光が強くなりすぎたところで撮影は終了。 ナニワイバラを撮り終えたら、急いで駐車場側に移動して、モッコウバラを。サクライバラは終わりかけていたので、佐倉ミステリーローズを撮って、7時過ぎに撮影はすべて終了しました。 取材協力/貝殻亭
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カメラマンが訪ねた感動の花の庭。「京成バラ園」の早春花見散策
冬から春に撮影モードも切り替えの時 今年は例年より少し早い3月中旬、各地でサクラの開花の声が聞こえ出しました。この知らせが届くと、僕の仕事もようやく冬モードから春モードに切り替わります。冬の間は生産者さんを訪ねて、ハウスの中でビオラやクリスマスローズの花の写真を撮らせてもらうことが多いのですが、当然ハウスという限られたスペースで、さまざまな制約もある中での撮影になります。それはそれで嫌いではないのですが、季節が変わって早春の庭に出て屋外の撮影になると、新緑の優しい緑に包まれた庭にいるだけで気持ちがいいものです。 撮影を始めると、足元には草花や小球根が咲いていたり、上を見上げれば花木が無数の花を咲かせていたりします。それらの花たちを自由に自分のスタイルで撮影ができるこの季節が来ると、毎日のように翌日の天気予報を確認し、どこに行って何を撮るか、予定を立てるのですが、想像するだけで嬉しくてワクワクしながら過ごしています。 通い慣れたバラ園の早春の風景とは 例年、春の庭の撮影は、まず2月後半、群馬県太田市の「アンディ&ウィリアムスボタニックガーデン」のスノードロップから始めていました。しかし、皆さんもご存じのように、残念ながらガーデンは昨年11月に閉園してしまいました。そのため、今年の撮影は叶わなかったのですが、Facebookを見ていると友人が投稿していた春の草花や花木が綺麗に咲いている京成バラ園の写真に目がとまりました。このバラ園は、5月のバラの時期は毎週のように通っていることもあり、奥にある池のエリアにいろいろな花木があるのも知っていたし、それらの木々が花をつけている景色も想像できたので、今年は早春の京成バラ園をカメラに収めてみることにしました 記憶を辿って早春の花たちに会いに行く 3月19日午後2時。その日は快晴でとても暖かく、園内には数人のお客さんもいて、芝生のエリアでは子ども連れの家族が遊んだりしていました。そんなのどかな雰囲気の中、カメラを担いでバラ園の入り口から向かって右奥にある‘フランソワ・ジュランビル’の大きなアーチをくぐり、池のほうに歩いていくと、右手に満開のヒュウガミズキ、後ろにはマンサクも咲いています。さらに園路を進むと、右側の原種のバラのエリアでは、バラの周りにクリスマスローズが植栽されていたり、左側のアジサイのエリアには、小球根やさまざまな草花がプラスされたりしていました。 狙い以上のシチュエーションをカメラに収める その日は黄花のスイセンがちょうど見頃を迎えていて、池の周りのサクラもいい咲き具合。どちらを向いても早春の草花がとても綺麗でした。そのまま歩を進めた先にある斜面のさらに奥が、今日のお目当てだったクリスマスローズの群落のエリアです。もう随分前に植えられた株なので、どれも皆、大株に育っていて、なかなかの迫力です。背景には濃いピンクのモクレンも満開。その足元には黄色いスイセンまで咲いて、まさに狙い以上のシチュエーションでした。 撮影に適した光になるまで花風景を探す 到着した時間はまだ少し日射しが強かったので、別カットが撮れそうな場所を探しながら、もう少し池の周りを歩くことにしました。クリスマスローズの群落+モクレンの撮影は、光が柔らかくなるまで待つことにして、ひとまず坂を下りました。バラ園のほうに戻ってみると、そこではユキヤナギの大株が花を無数に咲かせ、後ろには柳の新緑、さらにその奥にはサクラが咲いていて、これも100点満点のカットが撮れそうで大満足。 光が柔らかくなるまで、まだ時間がありそうなので、オールドローズのエリアで新芽をチェックしたり、京成バラ園のヘッドガーデナーである村上敏さんが作っている花壇に行ったりしながら、午後3時半頃からクリスマスローズの撮影を開始しました。最高に綺麗な太陽の光の中でカメラを構え、白い花をセンターにして後ろのピンクのモクレンの入れ方を考えながら何枚かシャッターを切ったら、急いでユキヤナギの場所へ。 ここも柔らかい逆光になっていて、ユキヤナギの白×柳の明るい新緑×桜のピンクのコンビネーションがため息が出るほど綺麗でした。ゆっくりファインダーの中でアングルを確認してシャッターを切った後、他の場所の桜や早春の花木の撮影をして5時少し前に撮影を終了。心ゆくまで納得の撮影ができた、幸せな一日でした。
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バラ園は甦る「佐倉草ぶえの丘バラ園」14年目の春の輝き
開園から14年「佐倉草ぶえの丘バラ園」の大事な役割 佐倉草ぶえの丘バラ園は14年前の春、2006年4月29日に開園しました。子どもも大人も楽しめる憩いの空間として、また、散策しながらバラの歴史や文化を学ぶことができる場所としてつくられました。そしてもう一つ、ほかとは違う草ぶえの丘バラ園独自の大切な目的が「品種の保存」です。 貴重な遺伝資源としてのバラを後世に伝える バラの歴史上、重要な役割を果たした原種やオールドローズ、育種にまだ用いられたことはないけれど無限の可能性を秘めている野生種のバラ、日本人の育種家が作り出したバラなど、誰かが守らなければ後世に伝わらなくなってしまう貴重なバラが、ここには数多く植栽されています。遺伝資源としての植物を保存するこのような取り組みは、海外では「リビング・コレクション」と呼ばれます。日々の繊細な管理と個々のバラについての深い知識を必要とするため、維持し続けるのはたいへんな事業ですが、開園以来14年、さまざまな苦労を重ねて、ようやく、草ぶえの丘バラ園には確かな基礎が築かれたところです。現在、佐倉市民の森に囲まれた13,000㎡の敷地に、1,250種類、2,500株のバラを栽培・保存しています。 日本のバラ文化を世界に伝える 草ぶえの丘バラ園は、2008年に世界バラ会連合に準会員として加盟し、2012年に国際へリテージローズ会議をアジアの加盟諸国の中で初めて開催しました。2014年にはアメリカのThe Great Rosarians of the World Programから殿堂入りバラ園として表彰を受け、2015年には世界バラ会連合の優秀庭園賞を受賞しました。バラ園を管理するNPOバラ文化研究所の理事長、前原克彦さんが世界各国のバラのエキスパートと細やかな交流を続けていることに加え、成田空港に近いという地の利もあります。落ち着いた風情を持つ独創的なデザインのバラ園として、ほかにはない珍しいバラが見られる保存園として、また日本のバラ事情の発信の拠点として、海外のバラ関係者にはよく知られた存在となっています。 地域に根付いたバラ園 草ぶえの丘バラ園は、NPOバラ文化研究所に所属する地元のボランティアにより運営されています。50名ほどの登録ボランティアが週1回、それぞれ曜日を決めて園内の作業にあたります。さまざまな構築物、アーチ、スクリーン、パーゴラ、ゲートや園路まで、すべてがボランティアの手作りです。暑い夏も寒い冬も、草取り、花がら摘み、剪定、誘引、施肥など、季節によってはかなり辛い重労働もありますが、楽しみ、学びながらバラ園を支えています。春の花のシーズンには毎年、「佐倉フラワーフェスタ」の一環として「ローズフェスティバル」を開催し、来園者の皆様にガーデンコンサートなども楽しんでいただいてきました。 台風による壊滅的な被害 その草ぶえの丘バラ園が、昨年(2019年)9月9日の台風15号で、壊滅的な被害を受けました。バタバタと倒れたスクリーンやパーゴラ、それらの構造物に引っ張られて根が地上にむき出しになってしまったつるばらや、倒れた木材で押しつぶされたたくさんのバラを見たときには、さすがにこれは立ち直れないかもしれないと、その場に立ち尽くしてしまいました。被害の詳細は、当サイトに2019年9月19日に公開された『千葉県佐倉市「佐倉草ぶえの丘バラ園」復興を願って緊急レポート』で、今井秀治さんが伝えてくださった通りです。 クラウドファンディングによる募金活動 私自身はそう頻繁にバラ園に通うことはできないので、何かできることはないかと思い悩んでいたところに、カリフォルニアのバラ園のグレッグ・ラウアリーさんから、クラウドファンディングを勧められました。「Yuki, I know the world community of rose lovers will step up to donate to a fund to repair the damage. Sakura belongs to all of us who know it and want to visit it.」訳しにくいのですが「ユキ、バラへの愛で結ばれた世界中の人々は、バラ園復旧のために喜んで寄付すると思うよ。佐倉草ぶえの丘バラ園は、それを知る人と、いつか訪れたいと思っている人すべてのものなんだから」。 クラウドファンディングの経験はなかったので、いろいろ調べることになりましたが、よいサイトが見つかり、募金活動<佐倉草ぶえの丘バラ園を台風15号の被害から立ち直らせよう!>を、10月4日に立ち上げることができました。 台風ふたたび 募金期間が始まってすぐの10月12日、台風19号が再びバラ園を襲いました。15号より軽傷でしたが、せっかく修理した巨大なウィーピング仕立てのロサ・バンクシアエ・ノルマーリスの支柱や、前回は無事だった佐倉堀田邸ミステリーローズのフェンスが倒れました。直すならもっと頑丈な作りにしなさい、と言われたような感じでしたが、さすがにがっくりです。 もう台風は来ないで、と思っていたところにさらに10月25日、台風くずれの暴風雨が吹き荒れました。このときは構造物に被害はありませんでしたが、サンタ・マリアの谷は大きく土がえぐられました。 何度もくじけそうになる災害の連続でしたが、その頃すでにたくさんの皆様からご寄付が寄せられていて、本当に心強く励みになりました。 国内外の皆様からの支援 2019年10月4日から11月24日までの募金期間に、131名の方々が1,286,500円ものご寄付をくださいました。国内だけでなく、アメリカ、オーストラリア、インドなど海外の方からも温かいメッセージとともにご寄付をいただきました。クラウドファンディング以外に直接寄付をお届けくださった方もあり、台風被害の復旧に十分な資金が集まりました。 考えた結果、必要な資材や工具を買って、さらに専門的な技術を持つ3人の方を雇い、倒れたスクリーンやゲートを再建していただくことができました。ボランティアの方々には、傷めつけられたバラを助けるために、いつも以上に気を配って冬のバラ園の作業を進めていただき、貴重なコレクションが守られました。 バラ園復旧!…しかし 台風直後から片付けや一部の構築物の復旧を始め、資金を得て本格的な復旧作業にとりかかったのが12月。それから3月まで、合わせて半年以上の月日をかけて、ようやくバラ園はもとの姿を取り戻しました。大きなつるバラのいくつかは枝が折れ、短くまとめられて残念な姿になりましたが、木立ち性のバラはたっぷりと肥料をもらい、草取りもばっちり。すべての棚が倒れてつぶされたシェードコーナーのバラも、何事もなかったかのように春を待っていました。 しかし残念なことに、新型コロナウイルスという予期せぬ敵が現れて、感染拡大防止のため、2020年4月7日からの休園が決まりました。5月の連休明けには再開できるかと淡い期待を抱きながら、草ぶえの丘バラ園は春を迎えました。 さらに事件が そこへまた大事件。4月14日、バラ園にいつもとは逆の、北からの強風が吹きました。今までなんともなかったモッコウバラの東屋で、その半分を覆っていた巨大なキモッコウが丸ごと滑り落ちました。あまりの大きさに人力ではどうにもならず重機で引き上げましたが、絡まった枝をかなり切ることになり、咲き始めたキモッコウが哀れな姿に…。ホワイト&ピンクコーナーの‘フォーチュニアーナ’のアーチなど、小型のアーチやポールもいくつか倒れ、ボランティア総出での復旧作業となりました。 そして5月 今年の草ぶえの丘バラ園の花は見事でした。台風で折れた桜の木を切ったおかげで、鈴木省三コーナーの日当たりがよくなり、花付きも花の大きさも見違えるようになりました。比較的被害が少なかった歴史コーナーは、ランブラーの誘引がうまくいって葉がよく茂り、全体を覆うように花が咲きました。ジギタリス、デルフィニウム、オルレア、カモミール、ガウラ、クラウンベッチなどのコンパニオンプランツも元気いっぱい。サンタ・マリアの谷は、株がどれも大きくなって、まるで花の絨毯のようでした。オールドローズガーデンはバラもよく咲きましたが、芝生が美しく、夕暮れ時にはバラの葉がきらめき、緑の芝生に長い影が伸び、甘い香りに包まれて、うっとりと夢見るような別世界でした。 それなのに開園できないまま、5月が過ぎていきました。皆様のお力添えで復旧できたバラ園の姿をぜひともご覧いただきたかったのですが、まさかこのようなことになるとは…。 やっと開園 緊急事態宣言が解除され、6月1日にバラ園がやっと再開されました。4月の咲き始めが早かった割には、まだまだきれいなバラ園を皆様に見ていただくことができて、ほっとしました。遅咲きのランブラーはよく咲いていましたし、カカヤンバラやロサ・クリノフィラなど南方系の野生種は、ちょうど花盛り。お客様を迎えるバラ園のスタッフやボランティアの皆さんも嬉しそうでした。 このまま新型コロナウイルスが落ち着いて、平和な日常が続いてくれれば、秋にはまたローズヒップと秋咲きのバラの競演が見られます。もうすっかり頑丈なバラ園になったので、今年は少しくらい大きな台風が来ても大丈夫でしょう。そして来年の春には、今度こそ完全復活した佐倉草ぶえの丘バラ園を、たっぷりご覧いただきたいと思います。 今回の被災で、たくさんの方々がいつも遠くからバラ園を見守っていてくださるのだと気づきました。そして皆様の温かいご支援で、バラ園は救われました。甚大な被害を受けてもバラ園は、愛情と努力と体力で甦ることができると知りました。心からの感謝と共に、皆様のご来園をお待ちしております。
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花の庭巡りならここ! 歩むほどに癒やしを誘う花の名所「清水公園 花ファンタジア」
「清水公園」の一角に設けられた 花の名所「花ファンタジア」 「清水公園」は明治27年に開園した、歴史の古い公園です。全体の広さは約28万㎡で、フィールドアスレチックやキャンプ・バーベキュー場、ポニー牧場などもありますが、ここではその一角にある「花ファンタジア」エリアについてご紹介します。 「花ファンタジア」は平成14(2002)年にオープンした花の名所で、市民の憩いの場として整備されました。敷地面積は約6万㎡で、ゆっくり観賞しながら歩いて、大人の足で平均1時間弱くらいで周遊できる広さです。 「花ファンタジア」内は、年3回模様替えされる「四季の花壇」、「ローズガーデン」、「イングリッシュガーデン」、「水生植物エリア」、「亜熱帯(温室)エリア」などにエリア分けされ、変化に富んだ景観を楽しめます。 園内には約700種の植物を植栽。春の部はウメ、モモ、ミモザ、サクラ、ボタン、フジ、バラ、スイレンが。秋の部は、秋バラ、オミナエシ、フジバカマ、ススキ、モミジが見どころに。季節を感じることのできる植栽となっています(春と秋の2季営業)。 「癒やしを感じられるよう、空間演出にも配慮しました。空間と樹木との間合い、草花との高低差や遠近感に工夫し、借景を取り入れたみずみずしい空間にしています」とは、管理スタッフの言葉。そのかいもあってか「広々として気持ちがいい」「手入れが行き届いている」という来場者の声が寄せられ、年間約4万人が憩いに訪れています。 群植花壇にフジ棚、ローズガーデン…… 開花リレーを楽しみに何度でも通いたい! 4月中旬〜下旬には、約5,400ポットが植栽される、ネモフィラの群植が見頃になります。「瑠璃唐草(るりからくさ)」の別名を持つ通り、冴えたブルーの花色が魅力です。這うように茎葉を広げて密に花をつけるので、ブルーのカーペットが広がるような景色を楽しめます。 ネモフィラが咲くのとほぼ同じ時期の4月下旬〜5月上旬には、ボタンが見頃になっているので、こちらにも足を運びましょう。「花ファンタジア」の一角にあるボタン園には、約80品種、約1,000株を植栽。花弁を多数重ねる花姿はゴージャスで、赤やピンク、白などの花色が楽しめます。 5月上旬には、フジが見頃になります。樹齢10〜20年のノダフジが約30本植栽されており、つるの長さは4〜6mにも及びます。藤棚に仕立てられ、滝のように豪華に咲く姿は、見る人に感動を与えること間違いなし。池の近くに植えられているため、紫色の花が水面に映り込んで、いっそう華やかに見えます。 5月中旬〜6月中旬はバラの季節。「ローズガーデン」では約200種、1,300株のバラが爛漫と咲き誇ります。幅3m、高さ2.6mのアーチをつないで10mほど続くバラのトンネルは見どころ。花色に濃淡をつけた素晴らしいグラデーションが楽しめます。芳香を強く放つ品種を集めたエリアや、「ベルサイユのバラ」シリーズの品種を集めたエリアなど、変化に富んだ植栽にも注目を。バラの季節には音楽やダンスのショーなども楽しめる「ローズフェスタ」が開催されます。 初夏の一年草花壇やスイレンを見に行こう! 秋以降はコキアの紅葉やセージ類に注目を 5月上旬〜8月下旬には、スイレンが見頃に(7〜8月は休園)。約3,000㎡の池に3品種のスイレンが花を咲かせます。年々自然に株数や開花数が増えて、見応えのある景色をつくるようになりました。夕方になると花を閉じる性質があるので、スイレンを目当てに出かけるなら午前中がおすすめです。 ネモフィラに埋め尽くされていた花壇は模様替えされ、5月頃に夏の花々で彩られて再登場します。5品種、約4,600株の一年草をボーダー状に植栽。花色にグラデーションをつけるなどして奥行き感を強調し、広く見えるように工夫しています。 「花ファンタジア」内には、温室もありますよ! 面積は約150㎡で、多様なトロピカルプランツが植栽され、ボダイジュ、サラソウジュ、ムコウジュという仏教三大聖樹も見られます。写真は花穂を30〜60㎝下垂させて、鮮やかなエメラルドグリーンの花を咲かせるヒスイカズラ。熱帯雨林に自生し、日本の気候では屋外で育てることができず、温室でしか見られない人気の植物です。 夏に開花する一年草が植えられていたボーダー状の花壇は、再び模様替えをして秋に向けてコキアが群植されます。10月中旬〜下旬には、グリーンのモコモコ姿から紅葉して輝くような赤色へと変化。晴れた日の青空とのコントラストも美しいものです。同じ頃にはバラ園の秋バラも楽しめますよ! 10月中旬〜11月中旬には、メキシカンブッシュセージが見頃になります。約100㎡に約300株が植栽されており、紫色の花穂をいくつもスラリと伸ばして咲く姿がダイナミック。メキシカンブッシュセージを背景に、訪れた記念の写真撮影をしましょう! ガーデン雑貨や地元名産品のショッピングを楽しもう カジュアルなレストランも人気のスポット 園内には土産物売り場もあるので、ぜひ立ち寄りを。地元名産品やローズグッズ、鉢花、園芸グッズなどが揃います。人気アイテムは、おせんべい324円〜、ローズ柄のクリアファイル275円〜など。 温室の2階にはレストランがあるので、ランチや休憩にどうぞ。営業時間は11:00〜16:00(ラストオーダー15:30、11月〜2月11日は30分閉店時間繰り上げ)、ランチタイムは11:00〜14:00。人気メニューはオムライス880円、季節のカレー880円、海老フライ1050円。ドリンクはハーブティー400円、ドリンクバー350円です。
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千葉県佐倉市「佐倉草ぶえの丘バラ園」復興を願って緊急レポート
異常気象でもバラの最盛期は見事に咲いていた 2019年、今年の春は珍しく4月に寒い日が続いたので、バラの開花はどこも遅れるのだろうかと思っていたところ、5月に入ってからは一転、気温が高い日が続いたため、結局、開花は例年通りでした。ただ、今年はどこのバラ園へ行っても花がとてもきれいで、バラの専門家に聞いてみると、4月の気温が低かったことから、つぼみから開花までがゆっくりだったのがよかったのではないかということでした。 2019年5月26日ファインダー越しの美しい花々 5月26日、今日はオールドローズの聖地「佐倉草ぶえの丘バラ園」で撮影です。天気は晴天。しばらく雨も降っていないし、気温はちょっと高めだけど空は真っ青で、これならきれいなオールドローズが見られるはずと、気分は上々で一路佐倉へ向かいました。バラ園に到着したのは午後3時。まだ日差しは少し強いのですが、バラ園の入り口のアーチをくぐって、すぐ正面の「サンタ・マリアの谷」は西側が高い傾斜地になっているので、もうゆっくりと西側から影が伸び始めています。 僕が花を撮る時の基本は、「日向と日陰の境目の花を狙う」こと。早速「サンタ・マリアの谷」へ下りて行き、まずはじめはティーローズ、その次はチャイナローズという順序で撮影を進めました。一番下はノワゼットと可愛い花ばかりが揃っていて、気分は早くもうっとり。きれいな光が当たっている花を見つけては、「可愛いな〜」とつぶやきながらシャッターを切っていきます。 コンディションのよい花たちに出合える喜び たとえ可愛く咲いていても、日差しが強すぎる花はひとまず後に回して、次はバラ園の一番西側、奥の林の高木の陰になっているエリアへ向かい、日本の野バラの辺りから影ができている場所に沿ってオールドローズのエリアを一回り。すると、まだ強すぎる光の中で、何輪も美しい花が咲いています。もう少し光が柔らかくなったらまた来るからねと心の中でつぶやいていると、顔見知りのボランティアさんに会ったり、バラ園の理事長である前原さんとすれ違ったりしました。 花のコンディションが素晴らしいからでしょう、「今日が一番きれいですよ」「いい日に来ましたね」なんて皆さんが笑顔で声をかけてくれます。僕の好きなエリアの一つ「歴史コーナー」では、ガリカローズからダマスクローズ、ケンティフォリアローズ,アルバローズ…。オールドローズの名花にため息をついて、また「サンタ・マリアの谷」へ戻ります。先程は日差しの具合がよくなくて撮れなかった、可愛いノワゼットを撮ったり、ガーデンの中を光の美しい場所を探しながら、最後はオールドローズガーデンの入り口にあるアイアンのアーチ越しの宿根草のカットです。 アーチの写真はこのバラ園ができた12年前から必ず撮る、いわばお決まりのカットで、この日はつるバラも左奥の宿根草のボーダーも、5時過ぎのきれいな逆光に美しく輝いていました。今までの撮影の中でも一番、まさにベストタイミングです。西側の林に少しずつ隠れて行く太陽を見ながら、5分おきくらいに何回も何回もカメラのシャッターを切って、午後6時過ぎに林の向こうに太陽が隠れたのを確認して撮影を終了しました。 オールドローズを教えてくれたバラ園 このバラ園の前身は「ローズガーデン・アルバ」という名称で、佐倉の隣の志津地区にありました。畑に囲まれた小さな、でも手作り感いっぱいの可愛いバラ園で、僕が初めて行ったのは、もう二十数年も前のこと。ガーデニング誌『BISES』の八木編集長から「ローズガーデン・アルバ」でオールドローズの写真を撮ってほしいと頼まれたのがきっかけでした。当時の僕は、オールドローズのことは何も知りませんでしたが、「オールドローズ」という名前からして魅力的な、未知のバラの世界の入り口に立たせてもらったようで、少しワクワクしながらそのバラ園に通ったことを覚えています。 シーズンに入り、いざ撮影を開始すると、初めて見るオールドローズはどの花も小さくて可愛く、上品できれいなものばかり。すっかり魅了されてしまい、そのシーズンは何日通ったか分からないほどで、僕のオールドローズ愛は、その時に芽生えて今日に至るといっても過言ではありません。 「ローズガーデン・アルバ」の写真は、2019年の春亡くなられた故野村和子先生、前原克彦理事長の執筆で『憧れのローズガーデン』(主婦の友社)として平成18年に出版されました。 台風15号による「佐倉草ぶえの丘バラ園」被害緊急告知 2019年9月9日深夜のこと。みなさんもニュースなどでご存じの通り、強烈な台風15号が千葉県を直撃しました。千葉県各地で停電などの被害が出たことはテレビなどの報道でご存じだと思います。停電で水もない、電気もつかない。屋外は35℃だというのにエアコンも使えない。コンビニの棚には食べ物が何もないし、ガソリンスタンドも閉まっている。こんな不便な生活を続けていて、あと何日したら復旧するのかも分からない。そんな苦労の只中にあるたくさんの人が千葉県各地にいると思うと、ただただ一日も早い復旧を願わずにはいられません。 そんな中、9月12日朝、千葉県立中央博物館研究員の御巫由紀さんが、「佐倉草ぶえの丘バラ園」の被害状況をフェイスブックに写真付きで投稿してくれました。「佐倉草ぶえの丘バラ園」を主会場として平成24年(2012年)には「国際ヘリテージローズ会議2012佐倉」が開催され、平成26年にアメリカのグレート ロザリアンズ オブ ザ ワールド プログラムより殿堂入りバラ園として表彰。平成27年には世界バラ連合から優秀庭園賞を受賞した、オールドローズを中心に1,300品種のコレクションを誇る、日本を代表するバラ園です。 そのバラ園で今、台風でラティスフェンスが倒れ、大きく育った原種のバラが根こそぎ倒れてしまっています。ボランティアさんたちが暑い中、必死で復旧作業に取り組んでいますが、まだまだ長い作業になりそうです。御巫さんも寄付を募る方法などを考えてくださっているようです。 バラが好きな方、「佐倉草ぶえの丘バラ園」が好きな方、どうかご協力をお願いします。幸いにブッシュローズの被害は少なかったため、10月にはまたこのバラ園でしか見ることのできない、きれいなティーローズや可愛いチャイナローズ、ノワゼットローズがたくさん咲いてくれるはずです。 今年の秋は「佐倉草ぶえの丘バラ園」の秋バラを、ぜひ皆さんで見に行ってください。そして募金箱がありましたら、募金も宜しくお願いいたします。 <クラウドファンディングを開始しました> 佐倉草ぶえの丘バラ園を台風15号の被害から立ち直らせよう! <公開URL> https://camp-fire.jp/projects/view/200167 <開始日> 2019年10月4日(金) <終了期限> 2019年11月24日(日)
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪10 千葉「Calmeカルム」
絵本の世界のような空間が広がる こだわりの自宅ショップ 新設の大学やマンションが建ち並ぶ明るい駅前を通り抜け、静かな住宅地の中に佇む園芸店「Calmeカルム」。背後に広がる緑からにぎやかな鳥のさえずりが聞こえる、まるでサンクチュアリのような千葉県のショップです。 ここ「Calmeカルム」は、今からちょうど10年前に、中村さんが自宅の庭先につくったショップ。とても小さいスペースですが、中村さん厳選の苗やアイテムが集められた、こだわりの品揃えです。 売り場に並ぶ植物は、シックでありながらあでやかさも併せ持つ大人っぽい表情のものがメイン。こぢんまりと営む自宅ショップなので大量仕入れはできませんが、多品種を少しずつ仕入れることで、常に新しい苗が用意されています。「近くに大きなホームセンターがあるのですが、量では勝てないから、私のショップでは新鮮さとセンス、知識でカバーしています」。そのこだわりを求めて、近隣だけでなく遠くからもファンが集まってきます。 店を持つ以前は、海外の航空会社の空港勤務をしていたという中村さん。同居するお母さまの体調がすぐれないため、激務だった会社を辞め、介護をしながらガーデニングを開始。花を触ることは自身にとって大きな癒しとなり、どんどんのめり込んでいきました。次第にガーデニングの魅力をもっと周りに伝えたいという思いが強くなり、自分で貯めた資金で庭を店舗用に改修し、園芸の猛勉強をして、自宅でガーデニングショップを開業しました。 こだわりをあきらめずに追い求め、 手に入れた、理想のシェッド 店をオープンするにあたり、何よりもこだわったのが、庭先に作る店舗の建物の雰囲気。ウッドデッキだった場所を改修し、イギリスの片田舎風なシェッドを建てたかった中村さんは、いろいろな工務店に相談しましたが、なかなか思うようなデザインの提案が上がってきませんでした。けれど中村さんはあきらめず、数カ月間探し続けた結果、ようやく同じ世界が共有できるデザイナーに出会います。まだ経験が浅い若い勉強中のデザイナーでしたが、二人三脚で理想の空間を形にしていきました。 アンティークのアイテムをシェッドのパーツとして活用し、植物と絡めて。憧れの世界づくりに、妥協はありませんでした。 建てた当初に植えた1ポットのフィカス・プミラが、10年経った今、ここまで育ちシェッドをカバー。飾り棚やニッチにあしらったポットとともに、表情豊かなシーンを演出しています。 多肉のポットを配した飾り棚。窓には、アンティークのアイアンフェンスを取りつけ、本格的な風景に仕上げて。 シェッド前面に設けたトンネル型のニッチには多肉の寄せ植えをレイアウト。背面の窓には、厚みにむらがあるガラスを用いて味わいをプラス。写真左は外側、右は中側(店内)。 店舗の雰囲気をアップ! 周りを彩る植栽も必見 シェッドの周囲にはほんの小さなスペースしかありませんが、カラーリーフ類をメインに植栽。春から秋まで、次々に表情が変わっていきます。リピーターの方々は、この小さな植栽が見せる移ろいを見逃すまいと、たびたびショップを訪れています。 左/シェッド脇の細い園路。斑入りドクダミが明るさを添えて。 右/シェッドの屋根を覆うのはクリーピングタイム(2018年の写真)。「昨年の猛暑で枯れてしまいましたが、今年また新たな苗を植える予定です」と中村さん。 つややかなグリーンの中で、シックな彩りを添える、シキミアとペルシカリア。 フィカス・プミラの株元には、古びた道具類を転がしたディスプレイ。人気を感じさせる無造作加減が素敵。 シェッドに設置した雨どいを伝って落ちた雨水。メダカを泳がせて蚊対策をしています。 シェッドの雰囲気を盛り立てる 多肉植物のあしらい シェッドの周りにはたくさんの多肉植物の寄せ植えがコーディネートされています。ニュアンスのある色と造形がこの建物によく合って、古びた雰囲気を演出するのにぴったり。器にもこだわっているのがポイントです。 アンティーク感たっぷりのアレンジ。落ち着いた色調が、ビターなシーンを演出しています。 エイジング加工されたカップに、渋い色合いの多肉を寄せ植え。小さくても雰囲気たっぷり。 壁や柱にも多肉のアレンジをハンギング。あちこちで訪れた人の目を引いています。 シックな花と雑貨の 取り合わせも参考に 「Calmeカルム」では、現行品・アンティークを問わず、あでやかでシックな草花に合う雑貨を多数取り扱っています。決して目立つものではないけれど、存在感のあるアイテムをセレクトするのが成功のカギ。 アンティークの二連の洗面器台には、渋い色調のペチュニアとカリブラコアの苗を入れて、古びた雰囲気を強調しています。 シェッドを彩る、シルバーリーフのガザニアとカルセオラリアの苗を寄せたアンティークのベビーバス。白い器に赤×黄の花が美しく映えています。 店頭を飾る中村さん好みのシックな花々。「主張が強くないので、互いに合わせやすいところが魅力ですね」(左上/ビオラは見元園芸の極小輪ビオラ、右上/ユーフォルビア ‘ブラックパール’、下/アークトチス ‘バーガンディー’)。 絵本の世界のような 愛らしいシェッド内 中村さんこだわりのシェッド内は、生活に潤いを与えてくれるこだわりのアイテムがずらり。ガーデニングアイテムはもちろんのこと、作家によるクラフトや器、洋服までもが揃っています。「ちょっとしたプレゼントが欲しい時、都内まで行かなくても、ここに来れば素敵なものが見つかる――そんな品揃えを考えています」と中村さん。シェッド内は愛らしいものでいっぱいです。 ガーデニングを楽しくしてくれるハンギングバスケットやグローブなどが充実。インテリアとして飾っても素敵。 アンティークの柵が設けられた窓辺。透けるフィカス・プミラの葉がつややかな潤いをもたらしています。 おもてなしに活躍してくれそうな益子焼の器なども並んでいます。プレゼントにも最適。 中村さんが作った、ピンクのバラがメインのプリザーブドフラワーのアレンジ。制作の注文も受けており、ワークショップも行っています。 中村さん作のリースとプリザーブドフラワーのコサージュ。こちらも販売されており、ワークショップも開催。ぜひお問い合わせを。 オープンガーデンの時などにオススメの、花柄などナチュラルな雰囲気の洋服や帽子も並んでいます。 個性あふれるクラフト作家による小物類。同じ作家でも一点一点、色や大きさなどが異なるので、作品とは一期一会の出合いです。 2018年オープンしたカフェは ゆったりくつろげる隠れ家風 介護が終わり、2018年秋にカフェをオープンさせるという、新たなチャレンジに挑んだ中村さん。構想を練る段階で、一度コンサルタントの先生に相談したところ、「場所柄、運営は厳しい」という回答を受けました。けれど、そんな逆境に直面するほど情熱に火がつくのが中村さんのど根性気質。10年前にシェッド作成を依頼したデザイナーに再度連絡を取り、シェッドとは異なる‘ちょっと男前’な雰囲気の建物を建ててもらいました。 カフェは玄関まわりを改修して設置。10年でお互いに経験を積んだデザイナーとの合作はとてもスムーズで楽しいものだったそう。カフェの入り口には、たくさんの寄せ植えでおもてなしの気持ちを表して。 ヨーロッパの路地にでも迷い込んだような雰囲気のエントランス。オープン後訪れた弁理士に「なるほど、これなら大丈夫かな。勉強になりました」と言わしめたほどの、本格的で魅力的な仕上がりです。 エントランスの階段脇には、さまざまな季節の草花の彩りが。カフェに入る前からテンションが上がります。 店内からの眺めも考えて、ウィンドウプランターには長く楽しめる草花を植栽。夕方店内に明かりがつくと、とても雰囲気のある風景に。 ほんの数㎡の室内は落ち着いた内装で、囲まれ感たっぷり。居心地抜群なので、一人で訪れる人も多いのだとか。 中村さんイチオシのグッズはコレ! 樹脂製の軽いコンテナ 中村さんがオススメするのは、樹脂製のプランター。落ち着いた色味で使い込んだような質感は、さながら本物の焼きものプランター。色・形はさまざまで、白やブラックもあります。軽くて移動が楽なので、扱いやすいのが嬉しい。 逆境をバネにして生まれたガーデニングショップ&カフェ「Calmeカルム」。店名はフランス語の「穏やかな」で、お客様が穏やかな気持ちで過ごせるようにという思いが込められています。自分を信じ、こつこつと積み上げた努力が結実したショップ内には、ガーデニング好きの人はもちろん、それまで興味がなかったという人までが花好きになってしまうほどの穏やかで心地よい空間が広がっています。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、京成本線・公津の杜駅下車 徒歩約5分。駐車スペース有。 【GARDEN DATA】 Calmeカルム 千葉県成田市公津の杜1-1-16 TEL:0476-28-7659 https://calmekouzunomori.wixsite.com/calme 営業時間:11:00~19:00 定休日:木曜日(正月) Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/カルム
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カメラマンが訪ねた感動の花の庭。千葉県「京成バラ園」
これまでの人生で一番通ったバラ園 今月、ご紹介する「京成バラ園」は、僕の自宅からは車で約30分。原種のバラからオールドローズ、フロリバンダにハイブリッドティー、イングリッシュローズまで、あらゆるバラを見ることができる、僕が一番お世話になっているホームグラウンド的なバラ園です。そう、ちょうどこの記事が公開される頃は、春バラが見頃を迎えていることでしょう。 僕が初めて京成バラ園に行ったのは、今から26年前。結婚して千葉に引っ越して最初の春のことでした。東京で一人暮らしをしている時は、特にバラに興味を持ったことはなかったのですが、千葉に住んでみると、近隣ではバラを植えている住宅が何軒もあって、春のシーズンになると一斉に咲き出すバラがとてもきれいに見えたものでした。 初めてバラ苗を購入した頃の思い出 中でも、どの家でも咲いている赤い一重の、当時の僕にはとてもバラには見えなかった‘カクテル’という名前のバラに一目惚れ。週末に家内と連れ立ってバラを買いに行ったのが京成バラ園の初訪問でした。よくたとえで「バラといえば高島屋の包装紙」なんていいますが、当時の僕はまさにその程度の知識でしたから、初めて見るバラ園の色とりどりのバラにすっかり魅了されてしまいました。 そして、その場でバラを育てよう! と決心。早速、売り場に直行して、まずは‘カクテル’、次に、ピンクでコロっとした咲き方が可愛い‘アンジェラ’、さらには、家内が気に入った‘ローゼンドルフ・シュパリスホープ’を。他にも、とてもきれいな‘アビゲイル’という名の小さめのバラと、もう名前を忘れてしまった1株。合計5株を買って帰り、マンションの1階の小さなベランダでバラ栽培を始めることになりました。 思い出のバラは今も自宅で開花 とはいうものの、バラどころか植物をまともに育てたこともない、つるバラもハイブリッドティーも分からない人間による“見よう見まねの園芸”。今振り返ると、よく枯らさなかったもんだと自分でも感心します。その時購入した‘カクテル’とフロリバンダの2株は友人に譲りましたが、‘アンジェラ’と‘ローゼンドルフ・シュパリスホープ’は、何度かのテッポウムシの攻撃にもめげず、今でも我が家で無事に咲いています。 書籍化のために数々の撮影を担当 その後、何年かしてNHK『趣味の園芸』テキストの仕事をするようになってから、京成バラ園にはよく行ったのですが、バラ園の関係者に顔と名前を覚えてもらえたのは、2006年春に出版された『バラ大百科』(河合伸志・上田善弘著/NHK出版刊)の撮影以降のことでした。あの時は、河合さんにいただいた何ページもあるリストを抱え、何日もバラ園の中を歩き回ったものです。リストのバラを探し、時には栽培用のハウスの中にも入れてもらいました。バラを見つけてはシャッターを切る大変な撮影でしたが、そのお陰で顔と名前は覚えていただけたのだと思います。 その翌年、2007年秋には鈴木満男先生の『バラを美しく咲かせる とっておきの栽培テクニック』(鈴木満男著/NHK出版刊)という本でも撮影を担当させていただきました。その本は、タイトル通り栽培を解説する内容だったので、ライターのUさんと一緒に、実際にいろいろな栽培のテクニックを見せていただきながらの撮影が基本でした。また同時に、鈴木先生から「今井さん、ちょうど○○が咲いているから」と直接電話をもらって、急いでかけつけて撮影したり、栽培用のハウスのバラまで撮影許可をいただいたりしていました。あの本の撮影の時は、まるで京成バラ園のスタッフカメラマンのように自由に出入りさせてもらいました。 今、活躍するバラ専門家との出会い テレビ放送のNHK『趣味の園芸』や他のTV番組にも近年出演されている、京成バラ園芸所属の村上敏さんに初めてお会いしたのも、もう何年前か分からないくらい昔のことになります。ある園芸の先生から京成バラ園の職員さんを紹介していただいて、販売用のパンフレットか何かの打ち合わせにバラの写真を持参した時に、その担当者の上司だったのが村上さんでした。当時、写真はまだポジフィルムで20枚ずつ透明なシートに入れてお見せしましたが、村上さんは一枚ずつ丁寧に見てくださり「ミニバラの写真がとてもよいですね〜」と褒めてくれたのを今も覚えています。最近では写真展をさせていただいたり、著名な先生方とご一緒してガイドツアーまでさせていただいたりと、村上さんには本当にお世話になっています。 最後に登場するのは、今、僕たちオールドローズファンの仲間たちから絶大な人気の入谷伸一郎さんです。初めてお会いしたのは、鈴木先生の本を撮影している時でしたが、あの時は鈴木先生の部下として、真面目な口数の少ない男性……という印象でした。が、鈴木先生が「入谷は変わったバラのことが詳しくて、なかなか面白い奴なんです」とご紹介くださったように、今では僕たちの間ではオールドローズの「神」と呼ばれています。 バラの最盛期には、早朝のバラ園のオールドローズエリアでよくお会いします。たいてい僕はガリカローズやモスローズを、そして、入谷さんは反対側にあるブルボンローズやティーローズを。お互い背を向け合って一生懸命撮影しているため、挨拶はいつも「咲きましたね〜」くらいです。特にバラの最盛期は入谷さんはとても忙しいでしょうから、僕も一通り撮影を済ませると「今日は○○に行きますので」と言って、慌ただしく帰ります。シーズンオフにお会いする機会があると、珍しいバラや入谷さんのお気に入りのバラの前で、ものすごーくマニアックなお話を聞かせてくれるのですが……。僕の好きなガリカやダマスクといった古いタイプのオールドローズは「ややこしいバラだから」と答える様子を見ると、入谷さんは、あまりお好きじゃないのかな? そこだけが残念でなりません。 余談ですが、京阪園芸の小山内健さんが「TVチャンピオン」でバラ園を走り回っていたあの日も僕は撮影に行っていましたが、よもやあの日のチャンピオンに、まさか10年後、こんなにお世話になるとは思ってもいませんでした。 今、こうしてバラを撮影するカメラマンをしていられるのも、京成バラ園とバラ園でお会いした先生方のお陰だとつくづく思います。今日、この原稿を書き終えたら「京成バラ園」のきれいなバラたちに会いに行こうと思います。 併せて読みたい ・国内にバラを広めた先駆者 日本・京成バラ園芸 KEISEI ROSE ・数々の殿堂入りバラを生み出すバラ栽培の名家 フランス・メイアン社 MEILLAND ・「私の庭・私の暮らし」バラ初心者が育んだ5年目の小さな庭 神奈川・Y邸
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花の庭巡りならここ! 花々で彩られるレジャー施設「東京ドイツ村」
花に特化したレジャースポット 斜面を彩る壮大な花畑を見に出かけよう! 2001年にオープンした「東京ドイツ村」は、広さ91万㎡ (東京ドーム19個分)の敷地を持つ観光施設。四季を通して美しい花々で彩られる、花の名所としても知られています。春は菜の花、シバザクラに始まり、晩春にはキンギョソウ、ジギタリス、バラが見頃に。夏はヒマワリ、ペチュニア、バーベナ、もこもこのコキアで彩られ、秋はコスモスと真っ赤に紅葉したコキアが見どころになります。冬は壮大なイルミネーションが登場し、まばゆいばかりの光の演出は感動的です。 広い園内には、フラワースポット以外にも、さまざまなアトラクションやこども動物園、わんちゃんランド、パターゴルフ場などがあります。広くて移動に時間がかかるので、車に乗ったまま入園でき、目的地ごとに駐車場が整備されているのもユニークです。 「東京ドイツ村」はSNSでその魅力が拡散され、外国から訪れる人々は年間100万人にも上ります。飲食店は10店舗が入っており、和食、洋食、パン屋さんなど、食べ歩きも楽しい充実度。ショップではソーセージ、ドイツビール、バウムクーヘンなどドイツ由来の品々のほか、千葉県物産品も多数揃えています。 四季を通して花の絨毯が登場! 壮大な景色を背景に、ぜひ写真に収めよう 「芝桜の丘」では、5万㎡に25万株のシバザクラが植栽されています。見頃は3月下旬〜4月上旬。這うように茎葉を伸ばし、小さな花を株いっぱいにびっしりと咲かせて地面を覆い尽くします。傾斜のある広い敷地を生かした演出は壮観! 春色の絨毯を背景に、ぜひ写真に収めましょう。同じ頃に、菜の花の満開も楽しめます。 5月は、約1万㎡の敷地に3万5000株で彩るキンギョソウが見頃を迎える季節。写真は、パステルピンク、白、黄色の3色を組み合わせてドーム状に仕立て、一面をカラフルに彩った風景。毎年配色を変え、趣向を凝らした花のパレットが登場するので、リピーターも楽しみにしています。同じ時期にジギタリス、バラ、ギガンチウムも見頃に。さらにその先は、ユリへと咲き継がれます。 写真は「東京ドイツ村」の夏の景色。背景の建築スタイルもあいまって、異国情緒たっぷりですね。手入れの行き届いたグリーンの芝生がみずみずしく、縁取るようにヒマワリやバーベナ、ベゴニアなどが彩ります。もこもことしたフォルムが愛らしい、グリーンのコキアの群稙も必見です。芝生の中に入ってくつろぐこともできるので、お弁当やおやつを広げて休憩するのもいいですね(レストランへの飲食物の持ち込みはNG)。 グリーンのコキアが真っ赤に紅葉するのは、9月下旬〜10月中旬。2万株が植栽されており、コキアを目当てにやって来た多くの人々で賑わいます。斜面を生かして植栽され、面を彩る見せ方をしているので、とても写真映えがしますよ! 同じ時期に、ガーデンマムも見頃を迎えます。 「四季の丘」では、5,680㎡に300万本のコスモスが植栽されています。「秋桜」の別名の通り、秋を彩る代表的な花です。草丈1mほどのたおやかな花が秋風にゆらゆらと揺れる様子は、大変優美。花畑の中に整備された小道をゆっくり散策して、ピンクや白、赤紫、オレンジや黄色に彩られた景色を楽しみましょう! 冬はイルミネーションで幻想的に演出! 収穫体験は子どもと一緒に参加すると楽しい 11月〜3月は、ウィンターイルミネーションのイベントが開催されます。音楽に合わせてイルミネーションが変化する「光と音のショー」、全長70mにも及ぶ「虹のトンネル」、壮大なスケールの「3Dイルミネーション」は圧巻の一言。関東最大級の規模で、外国から訪れる人々からの人気も高いイベントです。 「東京ドイツ村」では、ここで育った野菜や果物の収穫体験も行っています。春はタケノコ、初夏はジャガイモ、秋はラッカセイ、サツマイモ、秋から冬にかけてはミカン狩りが楽しめて、料金はそれぞれに異なります。写真は、7〜8月以外ならいつでも楽しめるしいたけ狩り。子ども向けの食育に利用してもよさそうですね。 ドッグランのある「わんちゃんらんど」で犬と遊ぼう! 動物と触れ合える「こども動物園」も人気 写真は、敷地内にある「わんちゃんランド」。全面芝生の広大なドッグランがあり、夏期限定で「ドッグプール」が開放されます。利用料は1日800円、当日に限り再入場可能です。「わんちゃんランド」以外でのペット連れは不可となっているため、ほかのアトラクションを楽しみたい方に向けて、一時預かり(500円)も行っています。また「わんちゃんランド」には14匹がいて、ふれあい(500円)&レンタル(15分500円)も。都会でペットを飼えない方々の利用が多く、散歩体験が大好評です。 園内には「こども動物園」があり、動物との触れ合いや餌やり体験ができるので、子ども連れで訪れる方に人気です。モルモット、ヤギ、ヒツジ、リス、マーラなどが待っています。写真は、「東京ドイツ村」のマスコットキャラクター、マイクロミニブタです。スマイルが愛らしいですね! 「東京ドイツ村」内には、飲食店が10店舗入っているので、リピートして全制覇するのもアリ。写真は「レストラン・カフェテリア」の店舗で、バーベキューが楽しめるのがセールスポイントです。ドイツのソーセージ、「ミュンヘナーヴァイスヴルスト」1,290円、「オーバークライナー」1,290円は、ぜひ味わっておきたいもの。もちろんドイツ産生ビールや瓶ビールも充実していますよ! Information 東京ドイツ村 所在地:千葉県袖ケ浦市永吉419 TEL:0438-60-5511 http://t-doitsumura.co.jp/ アクセス:館山自動車道「姉崎袖ヶ浦IC」より約3km(約5分) オープン期間:通年 休園日:なし 営業時間:9:30~17:00(最終入園16:00) ※季節により変動あり 料金:大人800円、小人(4歳~小学生)400円 駐車場:約3,000台(1台1,000円) ※季節により変動あり 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 体験教室のプラン充実の観光ガーデン「田沢湖ハーブガーデン『ハートハーブ』」 ・花の庭巡りならここ! 世界一の藤棚が見られると海外からの呼び声が高い「あしかがフラワーパーク」 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。イギリス以上にイギリスを感じる庭 山梨・神谷邸 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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花の庭巡りならここ! 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館…
3つのガーデンと屋内花壇、温室の熱帯植物が楽しめる 1996年に開館した「三陽メディアフラワーミュージアム(開館時の名称: 千葉市花の美術館)」は、敷地面積、約3ヘクタールで、ゆっくり歩いて1時間くらいで一巡りできる広さです。屋外の前庭・中庭・後庭、アトリウムガーデン(屋内花壇)や熱帯温室で構成され、年間約1,600種4万8000株の植物が育っています。温室の熱帯・亜熱帯植物、展示棟のアトリウムガーデンなど、天候に左右されない展示構成も魅力です。屋上庭園にはキッチンガーデンがあり、子ども連れの家族からは「スーパーに並んでいる姿しか知らない野菜が実際に実っている姿を、初めて見た」「野菜の花もきれい」といった声も聞こえてきます。 手入れが行き届いたガーデンは、年に数回の植え替えがなされ、いつ訪れても華やぐ景色に心浮き立ち、足どりも軽くなります。春は河津桜からスタートし、ポピー、初夏のバラ、アジサイ、ラベンダー、夏はヒマワリ、秋はダリア、コスモス、冬は寒咲きのナノハナ、クリスマスローズ、スイセンなどへと開花リレーがつながります。温室では、3月頃から咲くヒスイカズラが人気。季節の花が見頃を迎える時期に合わせて、「フラワーイースター」「ローズフェア」「ハーブウィーク」「ハロウィンパーティー」「フローラルクリスマス」など年9回のイベントを開催しており、足繁く通うリピーターも多く見られます。 前庭・中庭・後庭とゾーニングされ、 それぞれに異なるガーデンスタイルで魅了 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のエントランスには、ウェルカムフラワーが飾られているので、これを目印に、どうぞお入りください! 植え替えは年に4回実施しており、2色以上の花色を組み合わせた、華やかな寄せ植えがゲストを迎えます。上写真は初夏のエントランスの様子で、フラワーボックスを鮮やかに彩っているのは黄色とオレンジのナスタチウムです。 なお、屋外の庭はペット同伴で散策できます。館内へは、ペットをキャリーバッグに入れてファスナーを閉じていればOKです。 レストラン、アトリウム、温室に囲まれた中庭のナチュラルガーデンは、四方から眺めることができます。アトリウムから中庭に出られるので、車椅子でも散策が可能です。宿根草をメインに、一年草を添えて華やぎをプラスした植栽で、季節の移ろいを感じることができます。ところどころにガーデンテーブルと椅子が置かれており、屋内以外は飲食物の持ち込みOKなので、おやつを広げて一休みするのもいいですね。 後庭のローズガーデンでは、約200種300株のバラが楽しめます。ゲートには、3本のアーチに仕立てられた3種の‘ピエール・ドゥ・ロンサール’がお出迎え。フェンスやコテージにもさまざまなつるバラが彩りを添えます。「バラの海」と名づけられた花壇はバラと宿根草、一年草が奏でるハーモニーが見どころ。白、ピンク、赤、オレンジ、黄色、紫の6つの色別に、カラーコーディネートされています。 上写真のバラは‘ルノアール’。‘レオナルド・ダ・ビンチ’‘レンブラント’‘モネ’など芸術家にちなんだ名前のバラが植栽されている「バラの美術館」コーナーで見られます。 温室は熱帯植物に囲まれて、まるでジャングルのよう! 冬は、高さ23m、直径33mもの規模を誇る温室を、ゆっくりと見学してはいかがでしょう。温室内の滝の周りに生い茂るヤシやヘゴ、色鮮やかなハイビスカス、コチョウランのほか、パイナップルやバナナ、グァバなどの果樹も含む熱帯・亜熱帯の植物が約300種、3,000株植栽されています。 写真のように、ヒカゲヘゴやヤシなどは高さ10m以上にも達し(ダイオウヤシはなんと20m!)、まるでジャングルに入り込んだかのよう。ふだんはなかなか触れることのできない植物の姿を、観察してみましょう。 室内のアトリウムガーデン。写真の季節は冬で、一足早く春の花々を植栽。冬でも草花が爛漫と咲く景色は、花を愛するガーデナーはもちろん、訪れるすべての人々にとって何よりのサプリメントですね。 アトリウムガーデンは年6回、テーマを設けて模様替えしています。春は「イースターガーデン」、夏は「アドベンチャーガーデン」、秋は「ハロウィンパーティー」、冬は「フローラルクリスマス」など、季節によってガラリと雰囲気が変わりますよ! 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のアトリウムガーデンの中でも人気が高いのが、多肉植物を使った箱庭の展示です。この展示はミュージアムのスタッフがデザインから作成。小さな家なども手づくりし、多肉植物を約100種類ほど使って美しい箱庭の景色をつくりだしています。写真は秋のハロウィンの季節に展示したもので、それぞれの季節に合わせて細かく模様替えされているんです! 夏は麦わら帽子をかぶった釣りをしているおじさんがいたり、冬には家の玄関扉に小さなクリスマスリースが飾られ、毛糸の帽子をかぶったおじいさんやおばあさんがクリスマスを楽しんでいたりと、ほっこりと心なごむ演出が見られます。 年間約40講座が開催されるカレッジは大人気 雑貨ショップやレストランも忘れずにのぞこう! 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内にある「花工房」では、さまざまなフラワーカレッジ(寄せ植えやクラフト教室など)を年間約40講座設けています。写真は、夏に開かれた子どもカレッジの陶芸教室。好きな葉を粘土に押しつけて型を取り、葉っぱのお皿などをつくっています。特に夏休みの子どもカレッジは大人気で、キャンセル待ちになることもしばしばです。 お土産ものを扱う売店もあるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。お花をモチーフにした雑貨が多数揃うセレクトショップでは、素敵な品々に目移りしそう。ハンカチや布巾、ホームフレグランスサシェなど500〜1,000円くらいの雑貨が人気で、手土産にちょうどいいですね。店頭では、鉢花も販売していますよ。 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内の休憩棟には、併設でイタリアンレストランもあるので、ちょっと一息を入れるのもいいですね。中庭に面した大きな窓から自然光が入る明るい店内で、ガーデンの花や緑を眺めながら食事を楽しめます。また、テラス席ではワンちゃん同伴OK。ワンちゃん用のメニューもありますよ! Information 三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館 所在地:千葉市美浜区高浜7-2-4 TEL:043-277-8776 https://sunsetbeachpark.jp/facilities/flower.html アクセス:公共交通機関/JR稲毛駅西口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園プール」行で「花の美術館」下車。または「高浜車庫」行で終点下車徒歩5分 JR稲毛海岸駅南口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園入口」行で終点下車徒歩5分 オープン期間:通年 休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日〜1月3日 営業時間:9:30~17:00 料金:大人300円 小・中学生150円(30名以上利用で団体割引有) 駐車場:550台 普通車:300円(3時間まで)、以降1時間経過ごとに100円、1日最大600円 ※プール開催中のみ1日600円 大型車:1日1回2000円 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」 ・神秘の色のヒスイカズラ、その魅力とは ・花好きさんの旅案内、シンガポール「ナショナル・オーキッド・ガーデン」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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花の庭巡り 千葉「京成バラ園」
下総台地の豊かな自然を残した市街地を擁する千葉県八千代市。その住宅街のほど近くに、国内有数のバラ園「京成バラ園」はあります。八千代市では、バラは市民投票により市の花に決定されるほど、多くの市民に親しまれています。敷地面積約3万㎡の京成バラ園のメインとなるのは、何といってもバラ。ゲートを抜けた先に現れる整形式のローズガーデンには、1,600品種1万株のバラが咲き誇り、満開のシーズンには色とりどりのバラが視界いっぱいに広がる景色が楽しめます。ローズガーデンの奥にはナチュラルな自然風庭園があり、敷地内には大温室も。バラを中心としながらも、四季折々の花々が楽しめるガーデン構成になっています。 京成バラ園のメインであるローズガーデン。左右対称につくられた約3万㎡のガーデンは、まるでフランスの城に広がる庭園のようなクラシックな雰囲気を持ち、歩を進めるたびに、さまざまな品種のバラと出合えます。京成バラ園芸のオリジナルブランドのバラはもちろん、原種バラやオールドローズから最新品種まで植えられているので、園内を巡ることで気になるバラをチェックしたり、バラの歴史の奥深さに触れることができるガーデンです。 ‘フランソワ・ジュランビル’の大アーチ つるバラ‘フランソワ・ジュランビル’の大きなアーチ。このガーデンの経営母体である、日本最大のバラメーカー、京成バラ園芸株式会社の創立時から植えられていて、ローズガーデンのリニューアル時に移植されたものです。樹齢約60年を数えますが、満開時には毎年ピンク色の花がアーチ全体を覆う見事な景色に。アーチの下をくぐれば、ティー系の上品な香りも漂います。 愛のガゼボ ローズガーデンの奥には、数多くのバラに囲まれた大理石のガゼボが。ブライダルファッションデザイナーの桂由美さんより寄贈されたこのガゼボの中には、プロポーズにふさわしい場所「恋人の聖地」として認証されたシンボルである「エデンの鐘」が設置され、挙式の際には2人を祝福するような音色が響きます。バラが咲き乱れる中、恋人と過ごす時間は大切な思い出となることでしょう。バラのシーズン中には「カップル割」で入園できる期間限定イベントも。受付で「愛しあってます」と大きな声で申告すると、お得に入園できるそうです(2017年現在)。ガゼボの前はイベントスペースになっていて、コンサートやトークショウなどのイベントも行われています。 ベルばらのテラス フランス革命の頃のベルサイユ宮殿を舞台にした人気少女漫画『ベルサイユのばら』をモチーフに、メイアン社(仏)が作出した美しいバラ全6種を集めたテラスです。純白のバラ‘オスカル・フランソワ’や、あでやかな大輪花‘王妃アントワネット’など、漫画に登場する人物それぞれのイメージに合わせた姿や香りを持つバラとともに、記念写真を撮れるスポットです。白いテラスに立てば、あなたも‘ベルばら’の気分を味わえるかも。 つるバラの‘羽衣’と‘新雪’が絡むアーチ越しに、涼しげな音を立てる噴水「エデンの泉」を望む景色。その先は、イングリッシュローズが数多く咲く「バラの丘」へと続きます。ローズガーデンのほぼ中央に位置する噴水の周囲にはベンチが置かれ、美しいバラの花と涼やかな水の流れを見ながら一息入れることができます。 ローズガーデンの一角。オールドローズが系統別に植栽されていて、バラの進化の歴史に触れることができるエリアです。白やピンクなどのかぐわしいバラに囲まれ、柔らかい光を浴びて佇むスタチューは、まるで一枚の絵のようです。京成バラ園では、バラのシーズン時には早朝入園ができる日もあるので、朝の透明な光の中で写真を撮影することもできます。 ローズガーデンを抜けた先には、整形式のバラ園とは対照的な自然風庭園が続いています。緩やかに流れる小川と池にはスイレンやハナショウブが、通路の横にはアジサイや四季折々の花木が花をつけ、秋には草木がしっとりとした紅葉に染まります。自然風庭園のエリアには、野性味のある原種バラ約80品種が植栽され、春に咲く素朴なバラの花の表情、秋にはたわわな赤い実など、季節の風情を楽しむことができます。 京成バラ園の歴史は1971年、すでにバラの育種や販売を始めていた京成バラ園芸が、品種ごとに実際の花色や香り、樹形、花つきなどを五感で知ってもらうために開園した見本園までさかのぼります。その後、1999年の大規模な工事を経て、現在楽しめるような本格的な整形式庭園としてリニューアルオープンしました。2015年には、世界バラ会議にて優秀庭園賞を受賞し、世界的にも美しく価値の高いガーデンであることが認められています。バラを中心としたガーデンですが、バラの特徴に合うように宿根草を植栽したエリアもあり、庭づくりの参考として訪れるのもオススメです。 京成バラ園を訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのがガーデンセンターです。ガーデンセンターの広い敷地には、京成バラ園芸で扱っているさまざまなブランドの苗がずらりと並びます。バラ以外の植物やガーデニング資材なども豊富に手に入るので、ガーデナーなら楽しめること間違いなし。セール時は、お得に元気なバラ苗を購入する大きなチャンスです。ガーデンセンターのほか、約2,000種類のバラアイテムを取り揃えたローズショップやバラのソフトクリームが楽しめるカフェ、レストランも併設されています。 Information 「京成バラ園」 所在地:千葉県八千代市大和田新田755 ☎047-459-0106 http://www.keiseirose.co.jp/ アクセス:東葉高速鉄道 八千代緑が丘駅から徒歩15分 Open:1月2日〜12月30日(7月・8月、12月~3月15日は水曜定休) 入園料: 通常時(1~4月、9月、12月)大人300円・小・中学生100円 春バラシーズン(5・6月) 大人1,200円・小・中学生200円 夏バラシーズン(7・8月) 大人500円・小・中学生100円 秋バラシーズン(10・11月) 大人1,000円・小・中学生200円 開園時間(入園は閉園30分前まで): 1~3月上旬 10:00~16:00 3月下旬~4月 10:00~17:00 5・6月 9:00~18:00 7~9月 10:00~17:00 10・11月 9:00~17:00 12月 10:00~16:00 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 記事協力:京成バラ園芸 http://www.keiseirose.co.jp/