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捨てないで! おいしく食べたアボカドのタネから、アボカドを育ててみよう

捨てないで! おいしく食べたアボカドのタネから、アボカドを育ててみよう

Followtheflow/shutterstock.com

柔らかくて濃厚な味わいのアボカド。美容によい成分もたっぷり含まれていて、女性からの人気も高く、スーパーでもよく見かける果実です。さて、アボカドは、じつはタネからお家で育てて観葉植物として楽しむこともできます。普段は捨てるだけのタネから、お得に楽しく、アボカドを育ててみませんか? 今回は、タネからアボカドを育てて観葉植物として楽しむ方法をご紹介。さらに、観葉植物をより生き生きと美しい姿で楽しむためのコツをご紹介します。

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森のバターとも呼ばれる栄養豊富なアボカド

アボカド断面
Krasula/Shutterstock.com

栄養価が高く、おいしくて人気の高いアボカド。「森のバター」とも呼ばれるように、脂肪分を多く含んだアボカドは、トロリと柔らかくてクリーミーです。スーパーにも並ぶ一般的な果実ですが、アボカドがどのような植物なのか知っている人は意外に少ないかもしれません。アボカドは中央アメリカを原産とする常緑性の高木の果実で、世界に3,000品種以上あるとされています。

木に実るアボカド
MNStudio/Shutterstock.com

「森のバター」という名がある通り、アボカドの果実には脂肪分が多く含まれていてカロリーは高めですが、その脂肪分の多くは健康によいとされる不飽和脂肪酸。また、美容や健康に欠かせない各種ビタミンや、女性に欠乏しやすいミネラルを豊富に含み、葉酸や食物繊維も含まれている、特に女性にとってはとても嬉しい食材。そのため、「食べる美容液」なんていう名前で呼ばれることもあるほどです。

アボカドトースト
トーストにスライスしたアボカドと目玉焼きをのせて。Anna Shepulova/Shutterstock.com

さて、そんなアボカドをおいしく食べた後に残るのが、実の真ん中にある、丸くて大きなタネ。いつもは捨ててしまうこのタネを使って、アボカドを育ててみませんか? アボカドは耐寒性がやや弱いものの、意外にも日本の気候でも栽培が可能です。関東南部以西であれば、戸外での越冬も可能。もっとも、食品として販売されているタネから栽培した場合、結実までに長い時間がかかるので、アボカドを自宅で収穫するのは難しいかもしれません。タネから育てた実生苗は、実の収穫には適していませんが、アボカドの葉は涼しげで濃い緑色が美しく、実を収穫できなくても観葉植物として楽しむことができます。成長させれば、初夏に咲く黄色い小花も楽しめますよ。本来は高木になるアボカドですが、鉢植えでコンパクトに育てれば、室内でも栽培できます。

アボカドの鉢植え
観葉植物として育てたアボカドは、大きな濃い緑の葉が素敵。Madlen/Shutterstock.com

アボカドのタネの発芽方法

アボカドを食べたら、タネは捨てずにとっておきましょう。その際、包丁の刃などで多少傷がついていたとしても、問題なく発芽します。アボカドは低温に弱く、長く冷蔵庫に入っていた場合などは発芽しにくくなっている場合があります。アボカドを食べる機会があればいつでも挑戦できますし、失敗してもともと、という気持ちで、あまり気負わずにチャレンジしてみましょう。

アボカドの発芽は、気温の高い5~8月頃に行うのがオススメ。20℃ほどの気温を保つことで、発芽率が高まります。気温が高い状態で発芽すれば、その後の生育の際にも防寒対策が必要ありません。ここでは室内のちょっとしたスペースで管理でき、誰でも挑戦しやすい水耕栽培と、発芽後も育てやすい鉢植えでの発芽の手順をご紹介します。

水耕栽培でのアボカドの発芽方法

用意するもの

アボカドの水耕栽培準備
  • アボカドのタネ
  • 水耕栽培用の容器
  • つまようじ

水耕栽培用の容器はグラスなどなんでも構いませんが、根を伸ばせるようにある程度深さがあり、タネを固定できるよう口の部分がタネよりも一~二回りくらい大きいものがオススメです。

発芽の手順

  1. 取り出したタネをよく洗う
    タネを洗う
    アボカドからタネを取り出したら、タネについているぬめりを取り除くようによく洗います。アボカドの果肉には発芽抑制成分が含まれているため、しっかり洗っておかないと発芽しにくくなります。アボカドは乾燥に弱いので、食べた後は早めに発芽作業をするとよいでしょう。
  2. タネにつまようじを刺す
    タネにつまようじを刺す
    よく洗ったタネのとがったほうが上、丸いほうが下になるように、つまようじを3本ほど刺します。このつまようじを容器の縁にかけてタネを固定します。タネに傷がついても、中心部の胚が傷つかなければ問題なく発芽するため、あまり深くなければ気にせずに刺してしまってOKです。やや下向きに刺すと、タネを深く容器に沈めることができます。
  3. 容器にタネをセットする
    タネをセット
    水耕栽培の容器に水を入れ、つまようじを刺したアボカドのタネをセットします。水の量は、タネの下1/3~半分ほどが水に浸かるようにするとよいでしょう。タネをセットしてから、30~40日程度で発芽します。時々水を替えながら、発芽まで待ちましょう。

水耕栽培での発芽後の管理

アボカドの発芽
Olya Detry/Shutterstock.com

発芽した後のアボカドは、しばらくは水耕栽培で育てることができます。日当たりがよく、気温の下がらない窓辺などに置きましょう。水中に白い根を伸ばし、次第に成長する姿が見られるのは水耕栽培ならではの楽しみ。環境さえ整えば、根と茎を伸ばして大きくなりますが、ある程度の大きさを超えたら倒れやすく、生育も悪くなります。半年ほど栽培して、根がいっぱいになったり、葉が数枚出たタイミングで培養土を入れた植木鉢に植え込むとよいでしょう。

アボカドの水耕栽培
地上部が成長し、根がいっぱいになってきたら植え替えのタイミング。Olya Detry/Shutterstock.com

鉢植えでのアボカドの発芽方法

アボカドの発芽
GlebGus/Shutterstock.com

土に植えて発芽させる場合は、はじめから地植えにするよりも、植木鉢で栽培するほうが管理もしやすくオススメです。植木鉢で栽培する場合、土は園芸用培養土で大丈夫。アボカドは弱酸性の土壌を好みますが、さほど気にしなくてもよいでしょう。

アボカドの幼木
Lizmyosotis/Shutterstock.com

アボカドのタネは、水耕栽培の場合と同様に、よく洗ってぬめりを取っておきます。タネは乾燥に弱いので、実から取り出したらなるべく早めに植えましょう。植木鉢の底に鉢底石を入れ、水やりの際に水がたまるウォータースペースを考慮しながら培養土を入れたら、とがったほうが上になるようにしてタネを植え込みます。その際、タネの下半分ほどだけが土に埋まるように注意しましょう。タネを植えたら水をたっぷりやり、タネ播きは完了。アボカドは水切れに弱いため、植えた後は土が乾かないように水やりを忘れずに行います。発芽に適した温度は20℃前後で、植え込み後、1カ月程度で発芽します。

アボカドの育て方

アボカドの鉢植え
ShooShoo/ Shutterstock.com

発芽したアボカドは、北風が直接当たらない、日当たりがよい場所で管理します。水切れに弱いので、用土が乾燥しないよう水やりを忘れずに行いましょう。特に、夏場は乾燥しやすいので注意します。また、春~秋にかけての気温が高い成長期には、必要に応じて規定量の肥料を施すとよく育ちます。幼木の頃は茎が折れやすいため、支柱を立てて育てると安心。茎が伸びてきたら、鉢の大きさや必要に応じて剪定します。

アボカドは耐寒性がやや弱いため、冬は防寒対策が必要です。特に若木のうちは寒さに弱いので、室内に取り込んで育てたほうが無難。成長すれば、地域によっては戸外でも越冬できます。寒風が直接当たらない、日当たりのよい場所で管理するとよいでしょう。

アボカドは本来であれば高木に成長するため、鉢植えの場合は大きめの鉢で栽培するとよいでしょう。根詰まりすると生育が悪くなるので、生育に合わせて数年に一度植え替えをします。植え替えの適期は5~6月頃。根が強くないので、植え替えの際はあまり根をいじらないように注意します。根がある程度大きく育ったら、花壇などに植え付けるのも方法です。

味のよいアボカドを結実させて実を収穫したい場合には、このようにタネから育てた実生苗は適しません。実生苗は花も咲きにくいので、園芸店で接木苗などを購入しましょう。結実までの年数は、接木苗で3~4年ほどとされています。また、アボカドの花は、一つの花の中でも雄しべと雌しべの成熟期が異なるため、自家受粉せず、1本だけ植えても結実しにくいのが特徴。実を収穫したい場合は、異なる品種と混植するとよいでしょう。

アボカド以外にも! インテリアにぴったりな葉を愛でる観葉植物3選

アボカド栽培は、芽吹きの様子から根や小さな芽が育ち、成長していく過程をすべて楽しむことができます。食べた後の種子から育てるので、実質原価0円で手軽に挑戦できるのも嬉しいですね。とはいえ、芽出しから観葉植物として楽しめるまで大きく成長するには少し時間もかかります。もっと簡単にインテリアでグリーンを楽しみたいなら、鉢植えの観葉植物を購入するのもおすすめ。ここでは美しい葉が楽しめる観葉植物を3つご紹介します。

カラジウム

カラジウム
Firn/Shutterstock.com

バリエーション豊富なカラフルな葉が、トロピカルな印象のカラジウム。サトイモ科の球根植物で、冬は休眠するので、秋に葉が黄色くなっても処分しないようにしましょう。休眠前から水やりを少しずつ控え、休眠中は球根を掘り上げるか鉢土を乾かして、室内の暖かい場所に置いておきます。5℃以下になると球根が腐ってしまうので注意しましょう。翌春に植え直せば、また新芽を出して成長してくれます。

ガジュマル

ガジュマル
Olga Miltsova/Shutterstock.com

独特の樹形を持つガジュマルは、観葉植物としてとても人気が高いクワ科の樹木です。樹形に加え、ゴムノキの仲間らしい常緑で艶のある葉も魅力的。日本でも沖縄や屋久島に自生し、現地では大木になりますが、観葉植物としてはコンパクトなサイズの鉢植えが広く流通しています。暖かい環境であれば丈夫で育てやすく、初心者にもおすすめ。生育旺盛なので、植え替えや剪定をして大きさをコントロールするとよいでしょう。

セローム

セローム
Tran Trung Designer/Shutterstock.com

切れ込みの入った葉にエキゾチックな雰囲気の漂うセロームは、サトイモ科の観葉植物。観葉植物として人気の高い、同じくサトイモ科のモンステラにも似ていますが、成長は少しゆっくりで、茎や気根が木質化するなどの違いがあります。比較的耐陰性や耐寒性があるので、室内であれば冬越しもしやすく、初心者にも育てやすい観葉植物です。根の生育が旺盛なので、必要に応じて植え替えながら育てましょう。

観葉植物をもっと美しく楽しむためのコツ

観葉植物、という漢字からも分かる通り、観葉植物は生き生きとした葉が最大の魅力です。特に、面の広い葉を持つアボカドやセロームなどは、油断すると葉色がくすんだりホコリがたまったりして、なんだか暗い印象になってしまうことも。ここでは、葉を美しく保つための手入れ方法をご紹介します。

定期的な葉水で乾燥を防ぐ

葉水
DimaBerlin/Shutterstock.com

室内で育てている観葉植物は、雨が当たらないので葉が乾燥しがちです。そこで定期的に行いたいのが葉水。特に空中湿度が高い熱帯雨林などの地域が原産の植物は、葉からも水分を吸収するので、霧吹きなどで葉に水をスプレーしてあげるとよいでしょう。裏側も忘れずにスプレーを。葉水は、葉が乾燥すると発生しやすいハダニの予防にもなります。葉水のついでに葉に虫がついていないか、枯れた葉や傷んだ葉が無いかも合わせて確認し、気づいたら取り除きましょう。ホコリがたまっている場合は、濡らした布やキッチンペーパーなどで拭き取るか、専用の葉面洗浄剤を使いましょう。

専用の葉面洗浄剤で艶やかな葉に

MY PLANTS 葉をきれいにするミスト

観葉植物の葉の手入れに一番手軽、かつ効果抜群なのが、専用の葉面洗浄剤を使うこと。積もったホコリや水では落ちにくい葉の汚れを落として、印象がすっきり明るくなりますよ。

そして、生き生きとした観葉植物の姿を楽しむには、植物を健康に育ててあげることが一番大切です。日々の水やりや肥料、病害虫対策などを通して、植物を元気に育てましょう。

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