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富山県

花の庭巡りならここ! 大人の社会科見学スポット「富山県中央植物園」
研究植物園らしい植物収集数を誇り 市民に憩いの場を提供 1996年に全面オープンした「富山県中央植物園」は、研究植物園として植物の収集・展示を行うとともに、市民の憩いの場としても提供。24ヘクタール、外周2kmに及ぶ園内は、大人の足で1〜2時間の散策を楽しめます。 研究の成果を披露するという側面があるため、珍しい植物のコレクション数も多く、分類学、生態学などに基づいた展示が特徴です。植物のもともとの生育地である草原、森、海岸、水辺などの環境を再現した適材適所の植栽は、ショーガーデンとは対照的。より自然に近い自生する姿に親しむ「大人の社会科見学会」を満喫できそうですね。 園内は、「世界の植物ゾーン」「日本の植物ゾーン」に分かれています。「世界の植物ゾーン」では、温冷室が充実するほか、日本の植生と類似性のある「雲南省の植物エリア」「北米の植物エリア」があり、世界はつながっている、と実感できます。また、繊維を採って加工できるものや、香料やスパイスの材料となるものなど生活に役立つ植物も見られます。一方「日本の植物ゾーン」では、植生を再現してより自然な姿で育てながらも、春から秋まで開花リレーをつないで、いつ訪れても野趣あふれる花姿を楽しめるようにしています。 年間を通して約10万人が訪れる「富山県中央植物園」は、リピーターも多い癒しの場。「北アルプスの借景もいい」「芝生がきれい」「自然な景観ながらも、それぞれの植物が繁茂しすぎずに調和した、手入れの行き届いた管理が心地いい」といった声が届いています。季節によって企画展などさまざまなイベントも開催されているので、まめにホームページをチェックして出かけるのがオススメです。 雪に閉ざされる冬に元気をもらえる! 5棟が立ち並ぶ充実の温冷室 「世界の植物ゾーン」内には、5棟の温冷室が建っています。冬も緑の楽園「熱帯雨林植物室」「熱帯果樹室」「ラン温室」「雲南温室」の温室4棟と、冷室の「高山・絶滅危惧植物室」です。いずれも大変充実した展示となっているので、温冷室を目当てに訪れてはいかがでしょうか。月下美人を中心に夜に咲く花が多くなる季節など、年に数回は夜間開園する時期もあるので、甘い香り漂う夜の温室を堪能するのもいいですね。 写真の「熱帯雨林植物室」では、400種もの熱帯性植物を展示しています。冬に一歩足を踏み入れると、外の雪に閉ざされた景色から一変。むっと湿度のある草いきれが漂う、生命力に満ちた眺めに元気をもらえそうです。棟の高さは22mにも及び、巨竹やヤシの木が自由に枝を広げています。特に花がきれいなのは、春に咲く鮮やかなエメラルドブルーのヒスイカズラや、フォルムが美しいサガリバナ。香料として珍重されているビャクダンが生育する姿も見学できます。 「ラン温室」では、ランが好む湿潤な空調のなか、一年を通して華麗に咲く姿を楽しめます。コチョウランやシンビジューム、デンドロビュームなど、華やかな咲き姿を見せる洋ランを多数展示。ほかにも、楚々とした味わいを見せる野生系のランや、小笠原諸島で見られる亜熱帯性の植物など、コレクションは多岐にわたっています。 こちらは、中国の雲南省に生息する多様な植物を集めた「雲南温室」。写真は中国で親しまれているトウツバキの開花の様子で、2〜3月が見頃です。花径約15cmの大きな花が派手やかに咲く様子は、圧巻。侘び寂び感をまとった日本のツバキとは、また違った魅力がありますね。「雲南温室」では、ほかにもモクレンの仲間で香りが素晴らしい、キンコウボクやギンコウボクの観賞もオススメです。 植生を再現するアカデミックな展示のほか 植物園の研究成果も披露 「日本の植物ゾーン」では、日本各地の植物が見られます。春は写真のフクジュソウから始まり、カタクリ、サクラ、カキツバタ、ハナショウブへ。夏はオミナエシ、秋はフジバカマ、落葉樹の紅葉や、ドングリなど実をつけた木々の姿も観賞できます。ここでもう気づいた方がいらっしゃるかもしれませんね。この園内では華やかに改良された園芸植物ではなく、日本に古くから自生し愛でられてきた花々で開花リレーが構成されているのです。楚々とした花々の姿に、森歩きを楽しんでいるような気分を味わえますよ! 「富山県中央植物園」では、サクラのコレクションも見どころの一つです。野生では絶滅の危機にあるホシザクラや、北陸地方ならではの花弁が数百枚にも及ぶ菊咲き性品種など、その品種保有数は、なんと約120種類! サクラはこんなにも表情豊かな花木だったのかと、感嘆すること間違いありません。300mも続くソメイヨシノの花のトンネルは、開花期間中はライトアップが行われ、水面にもその花姿が映し出されて幻想的な景色を楽しめます。園内への飲食持ち込みはOKなので、花見を楽しむのもいいですね。ただし飲酒は不可、ゴミの持ち帰りは忘れずに、マナーを守りましょう。 夏は、屋外の広大な池の一角で、南米原産の巨大な水草として有名なオオオニバス(パラグアイオニバス)の群生が見られます。写真のように、直径1m近い葉が池の岸辺を埋め尽くす景色は圧巻です。ここで一つ疑問が浮かびませんか? 「熱帯植物のオオオニバスが、雪国の富山でどうやって越冬するの?」って。 それは「富山県中央植物園」が研究機関でもあることに由来します。一年草のオオオニバスのタネの採取から、タネ播き・育苗後の定植まで、雪国での育成に成功した研究成果が披露されているのです。もちろん北国では「富山県中央植物園」でしか見られない珍しい景色ですから、必見ですね。毎年8月中・下旬の3日間、子どもを対象に、オオオニバスに乗った姿を記念写真に収めるイベントも開催されています。 高山気候から熱帯性気候まで内包し、世界の植物の宝庫として知られる中国の雲南省。ランやトウツバキ、サクラソウ類の原産地としても知られています。「富山県中央植物園」では、現地機関と共同研究を行っている縁もあり、「雲南エリア」の展示が充実しているのも、特色の一つです。現在では持ち出すことができなくなった雲南省の貴重な石林の石を配置して、現地の風景を再現。甘い香りを持つウンナンザクラや、黄色い花を咲かせるチヨウキンレンをはじめ、珍しい雲南省の植物コレクションの数々を観賞できます。 北アルプスが借景のイギリス風景式庭園 景色を愛でられる喫茶室にも立ち寄りを 屋外は緑の美しい芝生や木立、広大な水面、曲線的な園路で構成され、自然への賛美を表現する「イギリス風景式庭園」となっています。手入れの行き届いた植物園ながらも、北アルプスの雄大な山々を借景に、野山を散策するような心地よさがあります。 冬はカモ類を中心に、多種多様な水鳥が飛来して越冬するため、白銀に化粧した北アルプスを背景にバードウォッチングを楽しめます。自然保護のためにも、餌やりはご遠慮くださいね。 「富山県中央植物園」には、喫茶「ココナッツアイランド」があり、紅茶やコーヒー、軽食などを楽しめます。営業時間は11:00〜16:00、木曜定休、テーブル席5席。大きく取られた窓の向こうには、広い池や野鳥の姿も見え、見晴らしがいいのが嬉しいですね。ランチは500〜1,000円くらいの価格帯で、サンドイッチ、蕎麦、カレーなどがあります。特に生のフルーツを使ったジュースやジェラートがオススメ。 Information 富山県中央植物園 所在地:富山県富山市婦中町上轡田42 TEL:076-466-4187 http://www.bgtym.org/ アクセス:バス/JR富山駅前(6番乗場)発→ファボーレ経由 萩の島循環線「中央植物園口」バス停下車、徒歩約15分 車/北陸自動車道 富山ICより婦中大橋経由約15分 オープン期間:通年 休園日:木曜日(ただし木曜日が祝日の場合、および4月の第1・2木曜日、ゴールデンウィーク、お盆の期間は開園)、年末年始(12月28日~1月4日) 営業時間:9:00~17:00(2〜10月、最終入園は16:30まで)、9:00~16:30(11〜1月、最終入園は16:00まで) 料金:大人500円(3〜11月、団体20名以上は400円) 大人300円(12〜2月、団体20名以上は240円) 高校生以下、70歳以上は無料 駐車場:普通乗用車332台、大型バス専用駐車場6台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 牧野富太郎コレクションを堪能「高知県立牧野植物園」 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。北海道 イコロの森 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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和歌山県

花の庭巡りならここ! 貴重な絶滅危惧種も見られる「和歌山県植物公園 緑花センター」
子ども連れのファミリー層を中心に 県民に愛される憩いの植物公園 1979年にオープンした「和歌山県植物公園 緑花センター」は、11.17ヘクタールもの規模を持ち、大人の足でゆっくり歩いて2時間ほどの散策を楽しめます。和歌山県民の憩いの場として愛され、年間の来園者数は約19万人。自然の地形、木々を生かした公園では、樹木が約500種5,000本、草花は約1,000種、約2万株が見られます。 園内は、四季折々の草花で魅了する「パノラマ花壇」、ハーブ類や香りのよい植物を集めた「香りの森」のほか、梅園、バラ園、アジサイ園、ハス池、温室、芝生広場などにゾーニングされ、いつ訪れても見頃を迎えた花々が出迎えてくれます。特に、絶滅危惧種に指定されているハナガガシ、紀伊半島特産で絶滅が危惧されているキイジョウロウホトトギスは、この公園以外ではあまり見かけないので、必見です。 園内ではお弁当を広げる家族連れも多く、ベンチや屋根つきの休憩所、スロープなどが整備され、幅広い世代が安心してのんびり過ごせます。「わんぱく広場」では遊具が大変充実しており、子ども連れの家庭では花見も遊びも楽しめ、一日過ごしても飽きない、人気のレジャースポットです。 四季を通して花々で彩られ いつ訪れても旬の開花を楽しめる 「和歌山県植物公園 緑花センター」には広い梅園があり、45品種、69本のウメが植栽されています。まだ寒さの厳しい1月下旬から開花し始め、見頃を迎えるのは2月中旬〜3月中旬。ひと足早く春の訪れを感じさせてくれます。同じ頃に、園内ではクリスマスローズ、ツバキ、サザンカ、ロウバイ、スイセン、シクラメン、ビオラなどが開花。「古典植物と山野草展」のイベントも開催しています。 「和歌山県植物公園 緑花センター」では、14品種、340本の桜が各所に植栽されています。見頃は3月下旬〜4月上旬で、2019年は3月26日(火)と4月2日(火)に桜臨時開園が行われます。自由にレジャーシートを敷いてお花見でき、桜の下、数カ所には桟敷が設置されるので、そちらも利用できます。飲食物の持ち込みOK、飲酒も可能ですが、公共施設なので節度をもって楽しみたいですね。カラオケセットの持ち込みや、バーベキューなど火気の使用は禁止となっています。 「和歌山県植物公園 緑花センター」のメインスポットといえる「パノラマ花壇」は約3,500㎡の広さを誇り、約2万株の草花で彩られます。一年草を中心に季節ごとに模様替えされるので、季節感あふれる花や新しい品種の花々で、いつ訪れても爛漫たる景色。写真は、4月下旬にオレンジや黄色、白などのポピーが咲き広がる様子です。 「和歌山県植物公園 緑花センター」には、75品種、350株ものバラ園があります。見頃は春が5月中旬〜下旬、秋は10月中旬〜12月下旬。写真のような満開時には、漂う芳香にも癒やされます。バラ園を利用して、実践的に学べる「バラの手入れ教室」も開催。冬季剪定を中心に、植え付けや誘引方法、病害虫の種類と駆除、肥料の施し方など、年間の手入れ方法を解説しています。 「和歌山県植物公園 緑花センター」には50品種、約1,000株が植栽された「あじさい園」があります。見頃は6月上旬〜7月中旬。ブルー、紫、ピンク、白など多彩な花色と、ガクアジサイや西洋アジサイなど、さまざまな花姿を楽しめます。また、充実した「あじさい園」を利用して、アジサイの剪定方法をはじめ、特徴や種類、年間の管理方法や増やし方を、講習と実習を通して学べる「アジサイの剪定教室」が開催されています。 熱帯植物が多数お目見えする温室のほか、 土産物ショップも充実! 花が少なくなる冬の寒い時期には、ぜひ暖かい温室を訪ねてはいかが? サボテン、多肉植物、食虫植物、果樹類、ベゴニア類、ラン類など熱帯・亜熱帯の植物が見られます。特にフィリピン諸島のごく限られた熱帯雨林にしか自生していない、ヒスイカズラは見もの。花色が宝石の翡翠に似ていることから名づけられた、エメラルドグリーンの大きな花穂を下げて咲く姿は、一見の価値ありです。 「和歌山県植物公園 緑花センター」の本館には、和歌山県特産の優良土産品を扱う「紀州ふるさとの店」があります。雑貨、ガーデニング用品、お菓子、お寿司、ハチミツ、アイスクリームやジュースなど品揃えも多彩。主な価格帯は300〜700円でリーズナブルな設定です。ここでアイスクリームやパン、お饅頭、お寿司などを購入して、園内の花見を楽しみながら、もぐもぐタイムを満喫するのもいいですね。 人気の寄せ植え教室は早めの予約を! 週末を中心に多様なイベントが楽しめる 「和歌山県植物公園 緑花センター」では、月に1度開催される寄せ植え教室が大人気。約1時間半かけて、季節の草花と花木のアレンジのテクニックなどを学びます。材料や道具は揃っているので、手ぶらでOK、気軽に参加できますね(汚れが気になる方はエプロンや手袋を持参するのがオススメ)。チケット制なので、事前に寄せ植え参加チケットの購入が必要です。 寄せ植え教室のほかにも、週末を中心にクラフト教室、フリーマーケット、ハンドメイド作品展示即売会、郷土食カフェ、コンサートなどの各種イベントが開催されています。スケジュールは公式ホームページで随時更新されるので、事前にチェックして出かけるのもいいですね。写真は、クラフト教室「松ぼっくりでクリスマスツリーを作ろう」のひとコマです。 Information 和歌山県植物公園 緑花センター 所在地:和歌山県岩出市東坂本672 TEL:0736-62-4029 http://www.w-botanicalgarden.jp/ アクセス:公共交通機関/JR和歌山線 岩出駅より岩出市内巡回バス利用(東巡回コース)、バス停「緑花センター・根来公園墓地前」下車、約100m JR阪和線 和泉砂川駅より和歌山バス那賀利用(近畿大学経由 岩出駅前行)、バス停「緑花センター」下車、約100m 南海本線 樽井駅より和歌山バス那賀利用(近畿大学経由 岩出駅前行)、バス停「緑花センター前」下車、約100m オープン期間:通年 休園日:火曜日(ただし火曜日が祝日の場合は、翌平日) 営業時間:9:00~17:00(入園は16:30まで) 料金:無料 駐車場:約500台・無料 併せて読みたい ・「私の庭・私の暮らし」インスタで人気! 雑木や宿根草、バラに囲まれた大人庭 千葉県・田中邸 ・日本の春を彩る美しい花 桜の名所に出かけよう ・知っておきたい! 流行中のバラトレンドと、オススメ品種10選 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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北海道

カメラマンが訪ねた感動の花の庭。北海道 上野ファーム
僕にとって特別なガーデンの一つ「上野ファーム」 2016年に撮影した「サークルボーダー」。 2019年最初にご紹介するお庭は、北海道旭川の有名なガーデン「上野ファーム」です。この庭は、いつかしっかりと撮影させていただきたいと思っていた、僕にとっても特別なガーデンです。というのは、遡ること1996〜1997年。2年連続で6月に2〜3週間かけて巡ったイギリス取材でのこと。イギリスで知り合った「B&B for Garden Lovers」のまとめ役の女性、スー・コルクフーン婦人の案内で、毎日素敵なお庭に辿り着けるという夢のような毎日を過ごしていました。 2017年に撮影した「ミラーボーダー」。 そんな中で出合ったお庭の一つが、「上野ファーム」のガーデナーである上野砂由紀さんが当時ホームステイしていた「ブラムディン・ハウス」だったのです。 2017年に撮影した「ノームの庭」の一角。 「ブラムディン・ハウス」に伺った時はあいにく、上野砂由紀さんは留守でお会いできなかったのですが、とってもきれいなミラーボーダーや、ボーダーの中に白いクレマチスのインテグリフォリアを使っているのを初めて見るなど、とても印象深かったことを思い出します。その庭で働いていた日本人女性である上野さんのことは、頭の片隅にずっと残っていました。その時の取材については、単行本『イギリス家庭のガーデニングアイデア200』(編集/ビズ出版)として1998年に出版され、僕と家内との共著で夫婦デビュー作となりました。 白樺からの木漏れ日が美しい「上野ファーム」の小道。2016年撮影。 それから何年経ったか定かではありませんが、ある日、雑誌『BISES』後半の情報ページに「イギリス帰りの女性ガーデナーが、北海道で庭づくりをする実家に戻り、本格的なイングリッシュガーデンづくりをスタートさせる」という内容の記事が出ていました。家内に見せると「きっと、あの時にお会いできなかった女性よ」と教えてくれたのです。 「ノームの庭」では、多数の宿根草がコラボレーションする新鮮な風景が僕を驚かせた。 当時は憧れの雑誌からイギリス関連の本も出版したばかりだし、あちこちのきれいなお庭の撮影にも忙しく通っていたので、イギリス帰りの上野さんのイングリッシュガーデンは、イギリス通のカメラマンと自負していた僕が撮影をさせていただきたいと真剣に思っていました。 何人かの編集者に、そのことを話していたのですが、当時は北海道の取材は各出版社ともなかなかハードルが高かったのか、どこからもお声もかかりませんでした。そのうちに上野さんご自身が写真も撮りながら、『BISES』や『園芸ガイド』で連載をスタートしていて、「上野ファーム」の撮影の機会が巡ってこないかなと願っていました。 逆光が植物を浮き立たせる、夕暮れの美しい瞬間。 その後、北海道のオープンガーデングループ「OPEN GARDEN of HOKKAIDO」も人気になり、2010年からは毎年北海道へ撮影に行きましたが、個人のお庭のレベルが高くて個人邸をメインに撮影をしていました。2016年の6月末、この日も旭川の素敵な個人邸の撮影をして終了後に、お茶をいただきながら庭談義をしていたら「昨日、静岡でバラの庭づくりをしている素敵なご夫婦がお見えになりましたよ」と言うのです。「それはもしや大須賀さんじゃないですか?」と聞くと、僕も撮影に伺ったことのある大須賀さんだというので早速電話してみることに。 2017年6月末に撮影した「ノームの庭」。 大須賀さんは電話口で、「昨日訪ねた『上野ファーム』が素晴らしかったわ! 『ノーム』の庭は絶対に見るべきよ」と強く薦めてくれました。僕もいろいろな雑誌やFacebookなどで「上野ファーム」にできた新しいエリア、「ノームの庭」にも興味があったし、大須賀さんの強い薦めもあったので、急遽、午後の撮影は「上野ファーム」と決めました。 宿根草が伸び伸びとダイナミックに育つ景色も上野ファームの魅力。 そうして、午後3時過ぎに「上野ファーム」に到着。駐車場は車がいっぱいだし、お客さんもたくさんお越しになっているようなので、「これはすぐには撮影ができないな」と思いました。取りあえず入場券を買って中に入ってみると、思った通り、庭もたくさんのお客さんで賑わっていました。まずは上野さんに挨拶をしようと、庭を歩いていると目の前でリヤカーに荷物をいっぱい積んで通り過ぎる砂由紀さんの姿がありました。後を追ってご挨拶をし、閉園後も撮影をさせていただけないかとお願いをすると、「スタッフが残っているので、どうぞ」と了解を得て、まずは一安心。天気もよくて、夕方はきれいになりそうなので、ゆっくり撮影ポイントを探しながら、陰って光の状態がよくなったら本格的に撮影を開始することにしました。 宿根草とバラが美しいカラーコーディネートを見せる「サークルボーダー」。2016年撮影。 「ノームの庭」は太陽の光を遮るものがなく、夕方になってもまだ強い光が差しているので、まずは「マザーズガーデン」、「サークルボーダー」のエリアから撮影を開始。雑誌などで見て知っているつもりでいましたが、実際にガーデンに立ってみると、一つひとつの植物が伸び伸びと大きく育っていて、花色も鮮やか。やっぱり素晴らしいなぁと感心しながら、シャッターを切っているうちに、あっという間に時間が過ぎていきました。 2016年にグランドオープンした「ノームの庭」。とんがり屋根の建物が目印。2017年撮影。 17時近くなると、ガーデンを囲む白樺の林を抜けてきた優しい光が、細い小径を挟んだボーダーを照らして輝き出し、撮影は最高潮。太陽の位置を見ながら、サイド光や半逆光になるようにポイントを決めて、撮影は順調に進みました。太陽が沈みかけてきた頃に、いよいよノームの庭の撮影に移りました。 圧倒的な花数で迫力の庭風景がつくられていた。2017年撮影。 ノームの庭に行くと、もう何十年もイングリッシュガーデンを撮ってきて、分かっていたつもりでいた僕に、一瞬どう向き合ったら上手く撮れるのか分からないというとまどいが起こりました。それまで、僕が好んで撮っていたのはイングリッシュガーデンのほんの一部で、例えば、レンガの塀にピンクのつるバラが咲いていて、手前にはデルフィニウムやジギタリスのような宿根草のボーダー花壇みたいなものでしたが、「ノームの庭」では、半逆光に輝く植物は、名前すら分からないのに、とても魅力的です。こんなに試行錯誤しながら撮影したのは本当に久しぶりでした。結局、日が沈みかけて撮影ができなくなるまで何周も何周も「ノームの庭」を歩き回りながら、最後は上手く撮れた実感もあり、とても幸せな撮影でした。 2017年に日没直前まで撮影した「ノームの庭」の小道。 2017年の7月中旬。2016年より半月ほど遅く伺ってみると、「マザーズガーデン」も「サークルボーダー」も、さらには「ノームの庭」も咲いている花の量が増えたのか、花の色数が増えて、ボリュームも雰囲気も全然違っていました。 庭づくりを助ける守り神、ノーム(小人の姿をした妖精)が「上野ファーム」の植物の中でくつろいでいた! 宿根草が主体の上野ファームのようなお庭は、訪れる時期が少しでもずれると、まったく違う表情を見せてくれることを改めて知りました。次回は8月、その次は9月の秋の庭の撮影に伺いたい。マイフェイバリットのお庭が、また一つ増えてしまいました。 併せて読みたい
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イギリス

イングランド式庭園の初期の最高傑作「ローシャム・パーク」【世界のガーデンを探る旅17】
地上の楽園とは、美しい自然の中にある ヨークシャー州の丘陵地帯。Photo/Barnes Ian/Shutterstock.com 16~17世紀のイタリア・ルネッサンスやフランス式庭園のような、直線的で幾何学的な整形式庭園が、かつてはイギリスでも主流でしたが、緩やかな丘陵の自然風景に親しんできたイギリス人にとって、それはどこか、しっくりこなかったのではないでしょうか。 そこで、より自然な風景を創り出すことで、フォーマルなエデンの園から、インフォーマルなユートピア(理想郷)へと庭の形が変わっていきます。18世紀になると、ジョン・ミルトン作の叙情詩『パラダイス・ロスト(失楽園)』に記された、“地上の楽園とは、美しい自然の中にある”という考え方がイギリスに広がっていきました。 ウィリアム・ケントがつくり出した“ピクチャレスク”な庭園 ローシャム・パークの敷地内には、草を食む牛ののんびりした姿もある。Photo/3and garden また、“芸術は自然の模倣であり、庭園は自然に従う”という考えからも、イギリスらしい風景式庭園がつくられるようになっていきました。その代表作の一つとして今回取り上げるのが「ローシャム・パーク(Rousham Park House & Garden)」です。 この庭は、イギリスの造園家であり画家である、かの有名なウィリアム・ケント(William Kent、1685〜1748)によって、1738年からつくられ始めました。ケントは、庭園とはピクチャレスク(絵画的)であるべきだという考えから、イギリス人が理想とする美しい自然な風景を大地につくり出そうとしました。そしてこの地に彼の理想とする庭園が完成しました。幸運なことに現在の「ローシャム・パーク」では、ケントがつくった当時のままに近い形が残っています。 屋敷の前にはよく手入れされた芝生が広がり、今もイギリスで人気のスポーツ、ローンボウルズ(現代のテンピンボウリングの元となった)の競技場にもなっています。 ずっしりとした重厚なジャコビアン様式の屋敷は、1635年に建てられましたが、1738年にケントが改築し、建物の内部や絵画にまで手を加え、さらにその周りには、ピクチャレスク(絵のよう)な風景式庭園がつくられました。 ローシャム・パークは、平らな敷地があまりなく、不規則に蛇行しながら、ゆったりと流れるチャーウェル川を見下ろす丘の上にあります。今も当初の姿をほぼそのまま残すこの庭は、イングランド式庭園の初期の最高傑作といわれています。 イタリアルネッサンスへの憧れとイングリッシュ・ランドスケープが見事に融合した、ウピクチャレスクな空間。 植物がのびのびと生育し、花が彩る自然風な庭 重厚な庭門をくぐると、そこには草花がのびのびと生育する宿根草ボーダーが目の前に無限の繋がりのように城壁に沿って現れます(ウォールドガーデン)。 このデザインは、初期のボーダー花壇のスタイルをよく残しています。右側の白い花は、日本では見たことがない背が高くなるスカビオサ。ピンクの花はシュラブローズ、黄花は、リシマキアとバーバスカム。足元には少し、赤いジギタリスが頑張って咲いていました。左の白花はムスクマロウ(日本の土壌ではうまく育ちません)、足元にはアルケミラ・モリス。そして、手前にはヘメロカリスのつぼみが見えます。 ウォールドガーデン横のエリアは、「ピジョン・ハウスガーデン」。ノットガーデン風なローズガーデン で、バラの花の赤と白との単純な組み合わせが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。 2018年6月の「ピジョン・ハウスガーデン」。Photo/3and garden 別の年に訪れた時のノットガーデンの花壇では、バラの背丈より高く咲くジギタリスが一面に。濃い色を避け、優しい色合いでまとめているのも、ウィリアム・ケントの作庭当時からの伝承なのでしょうか。ガーデンの中心を引き締めているのはサンダイアル(日時計)。 フォーマルな印象のノットガーデンには、自然風なアルケミラ・モリスとシレネが咲き、ベンチを包み込むように咲き乱れるイングリッシュラベンダーが……。6月上旬のこの季節、イギリスの村々には、むせかえるようなラベンダーの香りが満ち溢れます。僕の一番好きな季節です。 ピジョン・ハウス(鳩小屋)の壁面に放射状に這わせている植物は、なんと日本でもよく見かけるきれいな赤い実をつける西洋ザイフリボクです。足元には赤いケシが植えられていました。左奥の花は、ユッカの白花。 キッチンガーデンへの入り口のウォールドガーデンでは、左側の壁面にはシリンガ(ライラック)、つるバラ、クレマチスなどを這わせてあります。皆さんが思い浮かべるパッチワーク状のボーダー花壇の花の植え方は、ウィリアム・ケントからさらに時を経て現れる三巨頭のひとり、ガートルード・ジーキル女史まで待たなくてはいけません。この庭は、あくまでケントが意図した自然風な要素で構成されているので、より素朴な雰囲気が随所に見て取れます。 キッチンガーデンは現在も使われています。左の白い花はサルビア、手前にはシレネ、奥には白いモナルダ。右側の畑にはアーティチョークのザラザラした感触のシルバーリーフが茂り、足元にはナスタチウムが植えられていました。 自然との調和を示す池のあるガーデン Photo/3and garden 随所に花とベンチと人工的な池があります。自然との調和を目指していたウィリアム・ケントの意向が強く感じられます。宿根草のボーダー花壇の奥へ行くと、頭上をつるバラが囲み、中央に丸い池が配され、噴水から水音も響きます。足元の白い花は、シシリンチウム・ストリアツム、淡いピンクのジギタリスが優しい色を添えています。 八角形の池。photo/3and garden 細い水路「リル」。photo/3and garden これまでご紹介した花のエリアとは反対側にある森を思わせるエリアには、細い水路「リル」と八角形の池があります。ウィリアム・ケントの溢れ出る庭づくりのアイデアを反映したこのデザインは、200年を経た今も斬新さを感じることでしょう。 Photo/3and garden 起伏に富んだ地形を楽しむかのようにつくられた「ヴィーナスの谷」。見事なまでに自然と調和したピクチャレスクな空間づくりです。ハーハー(牧草地に設けられる段差)を思わす2段の石橋の中はカスケード(連なった滝)、上にはビーナスの像があります。優しい起伏の斜面と周りの森が、あたかも一幅の絵のようです。 屋敷にはコンサバトリー風な温室も備えられています。この頃になると、オランジェリーではなく、板ガラスの温室が作られるようになりました。入り口の右手には、優しい色のバラが咲き、左手には白いガクアジサイ。イギリスには珍しいトウジュロも植えられています。 ウィリアム・ケントが目指したピクチャレスクなイングリッシュランドスケープには、心安らぐ理想郷が表現され、今もここ、ローシャム・パークには当時の様子そのままに維持されています。こんなベンチに座って、自然と一体となる贅沢な時間。庭を散策してその景色を楽しむだけでなく、自然と一体になる時間を提供するという新しい過ごし方を創造したのではないでしょうか。
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高知県

花の庭巡りならここ! 牧野富太郎コレクションを堪能「高知県立牧野植物園」
日本の植物分類学の父 牧野富太郎博士の業績を辿る植物園 「高知県立牧野植物園」は、高知県が生んだ「日本の植物分類学の父」、牧野富太郎博士の業績を顕彰するため、博士没後、翌1958年に高知市の五台山にて開園しました。「高知に植物園をつくるなら五台山がよい」という生前の博士の言葉からこの地が選ばれたといいます。 園内の広さは約8ヘクタール、大人の足でゆっくり歩いて1時間半〜2時間ほどかかります。広大な敷地内は「土佐の植物生態園」「50周年記念庭園」「温室」「さくら・つつじ園」「薬用植物区」などテーマを設けて展示。また「牧野富太郎記念館 展示館」があり、博士の功績をたどれるほか、年に数回の企画展を楽しむことができます。 園内では牧野博士と関わりの深い植物や土佐の植物をはじめ、四季折々約3,000種類の植物がみられます。3〜5月のツツジ類、5月末〜6月下旬のアジサイ類、7月のユリ類、11月上旬〜12月上旬のキク類など、そのコレクションの数々は必見。また薬用植物や貴重な絶滅危惧種なども見ることができます。植栽された植物の多くは来歴が明らかで、観察や観賞の対象のみならず「生きた標本」として、植物学の研究をする上で重要な情報をもたらしています。 植物を学ぶ人々にとっての聖地であり 四季の花が咲く憩いの場としても愛される 「高知県立牧野植物園」の春の遠景です。東洋の野生植物やそれらの園芸品種を中心に植栽している「50周年記念庭園」では、春になるとサクラ属の園芸品種‘仙台屋’やサトザクラ‘菊桜’などのサクラ類、ハナモモの園芸品種が咲き乱れ、足元をサクラソウの仲間が彩ります。園内では野生種・園芸品種を含め40種類ものサクラ類を植栽。これは、牧野博士が大の桜好きであったことにちなんでいます。 園内への飲食物の持ち込みは可能ですが、所定の場所に限られています。ゴミは持ち帰るマナーを守りましょう(館内への飲食物の持ち込みは禁止)。 「高知県立牧野植物園」では、温室も見どころの一つです。広い温室内は7つのテーマ「みどりの塔と回廊」「乾燥地の植物」「熱帯の暮らしと植物」「資源植物ゾーン」「ウォーターガーデン」「展望デッキ」「ジャングルゾーン」に分けられ、充実した展示が見られます。日本ではあまり馴染みのない熱帯植物の数々に魅せられ、時間を忘れての見学になりそう。特に周りに緑が少なくなる冬には、暖かい温室内で植物たちが健やかに茂る姿に、元気をもらえそうです。 温室入口にある「みどりの塔」は高さ9m、壁面には窓を設けてアコウを植栽。アコウはほかの木や岩などに張りつくように成長し、やがては張りついた木を覆い尽くして元の木は締めつけられ、朽ちていきます。みどりの塔はアコウの力強い根がこの塔の壁を網状に覆い、枝葉を広げていく姿をイメージしてつくられました。植物の生命力と勇壮な姿には、訪れる人を感嘆させるパワーがあります。 毎年テーマを決めて開催されているラン展は、人気の催事。ラン科は約2万5000種もある大きな科で、南極大陸を除くすべての大陸に分布。自生する環境も樹上、林床、草原、岩肌とさまざまです。原種だけでも大きさ、色、形が多様で、香りを放つ種類もあります。奥深いランの世界を堪能しましょう。 博士の業績を貴重な資料とともに展示 「牧野富太郎記念館 展示館」 「高知県立牧野植物園」内の「牧野富太郎記念館 展示館」では、常設展示のほか企画展示も行っています。常設展示の「牧野富太郎の生涯」コーナーでは、博士の人物像や業績、植物図、遺品など多類資料を展示しています。 企画展示は年に数回、さまざまな企画展を開催。あらかじめホームページをチェックして出かけるのもいいですね。 「牧野富太郎記念館 展示館」の中庭には、博士ゆかりの植物が植栽されています。博士が命名した植物をはじめ、植物図に描いた植物、こよなく愛した植物、交友のあった人物にまつわる植物など、約250種類にのぼるこれらの植物や展示を通して、博士をより身近に感じることができそうです。 季節の植物展示会や植物教室、ガーデンツアーなど 一年を通して多様なイベントを開催 「高知県立牧野植物園」では、「桜の宵」や「夜の植物園」など季節に応じて夜間開園も行っています。実施日はホームページで公開されているので、チェックして出かけてみましょう! 「高知県立牧野植物園」では、年間を通してさまざまなイベントや植物教室を開催しています。コンサートやクラフト教室、マーケットなど、そのラインナップは多彩です。写真は春と秋に開催されるガーデンツアーの様子。植物園のスタッフとともに園内を1時間ほどかけて散策し、さまざまな植物に関する目から鱗の解説を受けられます。詳細や日程はホームページで公表されるので、チェックを! フレンチスタイルのレストランやカフェ グッズ充実のミュージアムショップも併設 「高知県立牧野植物園」内には、「レストラン アルブル」と「カフェ アルブル」があります。「アルブル」はフランス語で「木」を意味します。園内の美しい植物の数々を借景に、口福のひとときを過ごしましょう。 「レストラン アルブル」は、地元の素材を使ったフレンチテイストの料理が楽しめます。営業時間は9:00〜17:00(ラストオーダー16:30)。ランチメニューの主な価格帯は、シェフのきまぐれランチ1,300円、鶏ひき肉と野菜のカレー1,100円など。 「カフェ アルブル」の営業時間は11:00〜17:00(ラストオーダー16:30)。スイーツやドリンクなど、こちらもメニュー充実です。 また、園内には、牧野植物園オリジナルグッズや、高知のアーティストなどの作品を販売するボタニカルショップ「nonoca(野の花)」があります。 牧野富太郎関連書籍やポストカード、クリアファイルなど、2,000円前後の価格帯で、「文具女子」をトリコにするセンスのいい小物を取り扱っていますよ! Information 高知県立牧野植物園 所在地:高知県高知市五台山4200-6 TEL:088-882-2601 www.makino.or.jp ●アクセス:公共交通機関/JR高知駅から車で20分。JR高知駅から牧野植物園正門前までの周遊観光バス「MY遊バス」の運行あり。 車/高知自動車道「高知IC」から五台山方面へ約20分 高知龍馬空港からは高知東部自動車道経由で約25分 ●オープン期間:通年 ●休園日: 12月27日〜1月1日 ※メンテナンス休園日あり(ホームページでご確認ください) ●営業時間:9:00~17:00(最終入園16:30) 料金:一般730円 (高校生以下無料)、 団体630円 (20名以上)、年間入園券2,930円 ※高知市・高知県長寿手帳所持者は本人のみ無料 ※身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者1名は無料 駐車場:無料 併せて読みたい ・小さな庭と花暮らし「Madeleine Floydの絵に魅せられて」 ・乙庭Styleの植物6 「冬の庭でも活躍する技アリ素材、和を感じるカラーリーフ常緑樹 10選」 ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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兵庫県

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪5 兵庫「みどりの雑貨屋」
雑貨好きにはたまらないショップ「みどりの雑貨屋」 生活提案型の大型ショッピングモール・西宮ガーデンズ内にある「みどりの雑貨屋」。このショップではモールのコンセプトにふさわしく、グリーンと雑貨でつくる潤いある生活を提案しています。商品はマニアックというよりも、「ガーデニングの初心者も手軽に始めてもらいたい」という思いでスタッフが選んだものばかり。‘育てやすいグリーン×雑貨’に特化した、ありそうでなかなかないショップです。 ‘かわいい’がぎっしり詰まった宝箱のようなショップ ショップに一歩足を踏み入れると、たくさんのグリーンと愛らしい雑貨の森に入り込んだような、ファンタジーな世界にワープした感覚を覚える「みどりの雑貨屋」。100㎡ほどの空間には細い通路がめぐらされ、小さいながらもさまざまなシーンに出合えます。商品数はとても多いのですが、センス良く整然と並べられているので、気持ちよく売り場を見て回れます。 グリーンはすべて、鉢や雑貨と一緒に並べられています。コーディネートに不慣れなビギナーでもイメージしやすいよう、こまやかな提案がなされています。 ショップの中央に設けられたパーゴラが、売り場のシーンの切り替えに大活躍。いろいろなものを置いたり吊ったりと、楽しく飾った見どころの多い空間です。 マクラメやワイヤーバスケットなど、ハンギングアイテムもたくさん。 愛らしい寄せ植えも参考にしたいものの一つ。ベランダガーデンにオススメのオリーブの木も、実付きを考えて2品種以上選べるよう、いろいろな品種が用意されています。 悪条件の場所にオススメのフェイクのグリーンも充実 店内にはたくさんのグリーンがありますが、販売の回転が速いこともあり、どれも瑞々しい状態を維持。スタッフ全員で万全な管理を行っています。しかし、「玄関やトイレなど光が入らない空間にもグリーンを飾りたい」という声が多く寄せられたことから、フェイクのグリーンも多数扱っています。 「最近のフェイクはとてもよくできているので、植物と同じぐらい瑞々しさを感じさせてくれます。特に室内や、日当たりや風通しの悪いスペースなどにオススメですね」と、ショップのコーディネーターであるRIKAさん。悪条件になる場所では、こういったもので対応すればストレスなく過ごせますね。 室内での管理が難しい多肉植物。うまくいかない時は、本物のように瑞々しいフェイクを使ってみませんか? アートフラワーも充実。上品な色合わせで、アンティーク調の雑貨と親和性が抜群。ブーケ状になっているので、おもてなし時のコーナーづくりにぴったりです。 コンテナも什器も要チェック売り場にあるものすべてが商品 おしゃれなコンテナも充実。大きさ・色・形などバリエーション豊かに並びます。いずれもグリーンや雑貨に合わせやすいデザインのものが選ばれているので、ビギナーさんでも考え込まずに購入することができます。 大きなコンテナは土が入るとずっしりと重くなってしまうので、女性でも扱いやすい軽い素材のものも取り扱っています。色は植物や雑貨となじみやすいアイボリーやグレーのものが中心。使う側の目線に合わせた商品選びが感じられます。 また、コンテナを飾っている什器も販売されており、商品の雰囲気を引き立てるように黒や木製のもので統一されています。「ナチュラルなものやメンズライクなテイストは、グリーンが美しく映えるし、雑貨とも合わせやすいんです」とRIKAさん。 キャベツボックスは、オランダの農家で使われていたものを忠実に再現した、ショップのオリジナル商品。細部までこだわり、材を釘だけでなくカスガイでもとめて、底面をメッシュにした本格的な仕上がり。強度も抜群です。 おしゃれなコーナーづくりに欠かせないアイテムも 植栽に忍ばせたり、コンテナに添えたりと、シーンの雰囲気を高めてくれるアイテムもバラエティー豊富に揃っています。たくさんある中から、お気に入りの一点を探すのも楽しい時間です。 洋書の世界のようなお手本にしたいディスプレイ 小さなスペースを巧みに生かし、さまざまなテイストで提案している見ごたえのある‘グリーン×雑貨’の楽しみ方。ディスプレイは月に2~3回と頻繁に変えているので、行くたびに新たなシーンが楽しめます。眺めているだけでもセンスアップにつながること請け合い。 緑色の花瓶とボタニカルアート、ボックスなどを盛り込んだ、つややかなコーナー。 異なるテイストのコーナーが、スムーズに、そして自然に移り変わる見事なディスプレイ。小さなスペースでいろいろ楽しみたい人に、とても参考になる技です。 ガラスのケースに並ぶ、乙女チックな趣のアイテム。やさしい花色のバラと一緒に飾っても素敵。 クラフトのリースも大人気。リースひとつでシーンの雰囲気がガラリと変わるので、ぜひ季節ごとに替えてみて。 RIKAさんイチオシのグッズはコレ!ウッディボックスキャリー みどりの雑貨屋がオススメするのは、「グリーンを部屋に飾る時は鉢カバーにもこだわってほしい」という思いで作ったオリジナルの木製カバー。色は落ち着いたブラウンで、空間のスタイルやテイストを問わずに使えます。作りはキャベツボックスと同様で非常に丈夫。底部にキャスターをつけることができるのも、オススメポイントの一つです。 サイズはLとSの2つ。8号サイズが入るL(W29.5 × D29.5 × H31 cm)と、6号サイズが入るS (W23 × D23.5 × H24.5 cm)。 グリーンと雑貨で見せる‘かわいい’空間づくりにこだわった「みどりの雑貨屋」。‘おもちゃ箱をひっくり返したよう’をイメージして展開された店内には、植物から広がる楽しさのアイデアがたっぷり詰まっています。ぜひ、お気に入りのアイテムを見つけに訪れてみてください。アクセスは、阪急電鉄神戸線「西宮北口駅」から直結する阪急西宮ガーデンズ内。 【GARDEN DATA】 みどりの雑貨屋 所在地: 兵庫県西宮市高松町14-2 阪急西宮ガーデンズ 1階 東モールTEL: 0798-65-4187URL: http://midorinozakkaya.com/ 営業時間:10:00~21:00定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪1 岩手・雫石「花工房らら倶楽部」・ガーデンデザイナーが教える「寄せ植え上手」のコツ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア
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新潟県

花の庭巡りならここ! シャクナゲ&アザレアは日本一のコレクション「新潟県立植物園」
花卉生産が盛んな地域ならではの 品種コレクションが多彩な植物園 「新潟県立植物園」は、1998年8〜10月に開催された「全国都市緑化フェア にいがた緑のものがたり」の新津会場跡地に再整備されてオープンした、総合植物園です。新潟市秋葉区は、国内でも有数の花卉生産地で、また新潟県は約3,000種類の植物が自生する豊かな自然を誇る土地。「新潟県立植物園」ではそれらの特徴を生かした展示を行っています。 敷地面積は19.8ヘクタールで、大人の足で巡って1.5時間くらい。園内全体で約4,000種11万株もの植物が息づいています。3棟の観賞温室を持つほか、「シャクナゲ園」「ツツジ園」「さくらの山」「宿根草花壇」「ハーブ園」「にいがた植物園」「シーボルト園」など、エリアによってテーマをもたせた植栽が見られます。特にシャクナゲとアザレアは日本一のコレクションを誇っており、開花期には多くの人が訪れます。 四季を通して開花リレーがつながれ、いつ訪れても何かしらの花見が楽しめる「新潟県立植物園」は、2018年12月1日に開園20周年という節目を迎えました。メモリアル記念として、イベントが目白押し。「にいがたの花展」と題し、新潟県が誇る植物を紹介する3部作シリーズ企画展の「アザレア展」「チューリップ展」「シャクナゲ・ツツジ展」のほか、3月にはラストを飾る「サンクスフェスタ」を開催。この春は、ハタチになった「新潟県立植物園」のお祝いに、ぜひ駆けつけてはいかがでしょうか。 4,000種11万株の植物が集められた植物園 開花リレーによって、いつ訪れても爛漫の景色 「新潟県立植物園」では、毎年春先に温室内企画展「にいがたの花 チューリップ展」を開催しています。2019年は2月27日〜3月24日の日程です。期間合計30品種、1万5000本のチューリップが開花。開花時期を調整し、毎週展示を入れ替えているので、何度訪れても異なる品種や色合いを観賞できますよ! 一方、屋外チューリップ花壇の見頃は4月下旬で、4,000本が彩り豊かに咲き誇ります。 「新潟県立植物園」内の「さくらの山」の遠景です。見頃は4月下旬〜5月上旬、このエリアを含む植物園全体で、約40種320本のサクラが見られます。平均樹齢約30年というサクラが、樹冠いっぱいに開花する姿は壮観。園内への飲食物の持ち込みはOKなので、お弁当やおやつを広げて、お花見を楽しむのもいいですね。ただしゴミの持ち帰りなど、マナーは守りましょう(温室内は一部を除き、飲食物の持ち込みは禁止)。 ここで最新情報をご紹介しましょう! 「新潟県立植物園」では2018年春、屋外緑地に日本一の規模を誇る「シャクナゲ園」がオープンしました。高さ4〜6m級の大株約30品種150本が、4月下旬から5月中旬にかけて次々と咲き乱れます。写真の品種は‘サー・ロバート・ヒル’。珍しい品種の‘マリー・フォート’、‘マイケル・ウォータラー’、‘サッフォー’も見られますよ! 5月上旬〜中旬には、ボタンが見頃を迎えます。日本におけるボタン栽培、品種鑑定の第一人者だった故江川一栄氏のボタンコレクション、150品種1,000株を引き継いだ「ボタン保存園」は、一見の価値ありです。 日本一のアザレアコレクションを誇る「新潟県立植物園」では、毎年温室内企画展「にいがたの花 アザレア展」を開催しています。2019年は1月30日〜2月24日に開催。総コレクション数約250品種1,300鉢の中から、選りすぐりのアザレア120品種、約1,000株を展示する予定です。 国内最大級のドーム型の観賞温室 年2回のナイトタイムを見逃さずに! 「新潟県立植物園」内には、約550種4,000株の植物が息づく、国内最大級のドーム型の観賞温室があります。温室内には滝や洞窟、池があり、その間を縫うように整備された園路を進んで、ガジュマルやココヤシ、タイワンバナナ、ブーゲンビレアなどの熱帯植物を見学。香りのよい植物も集められているので、クリナム・ギガス、サンユウカ、ヘディキウム、パラグアイオニバス、デュランタなどの香り比べも楽しんでみましょう。 平日は、ガイドツアーを2回(10:40〜、14:40〜)、各30〜40分かけて行っています。希望者は入館券売場で申し込みを。土・日・祝日はスポットガイドを2回(10:40〜、14:40〜) 、各20分程度行っており、こちらは申し込み不要なので時間内に案内表示場所へ直接出向いてください(いずれも無料、但し入館料は必要)。 「新潟県立植物園」では年に2回のみ、夜間開園を実施しています。8月中旬の「夏の夜間開園」は観賞温室開館時間を20:30まで延長し、夜に甘い香りで満たされる温室内のガイドやトロピカルフルーツの試食会を実施。12月下旬の「クリスマス夜間開園」では、19:30まで延長し、クリスマスイルミネーションやコンサートなどを開催します。ロマンティックな夜の植物園観賞会にぜひ出かけてみませんか? 「にいがたコーヒープロジェクト」プロデュース 週末限定カフェで絶品コーヒーを味わおう 温室内には、週末限定カフェ「にいがたコーヒーラボ」があります。植物園と新潟県内のバリスタによる共同企画「にいがたコーヒープロジェクト」がプロデュース。県内のコーヒー専門店から毎週届く、新鮮なコーヒーをバリスタが丁寧にハンドドリップします。コーヒーの価格は400〜500円。県内有名カフェ店のクッキー、タルトなど手づくり焼き菓子を週替わりで提供するサイドメニューの価格帯は、300〜500円です(1〜2月は休業)。 Information 新潟県立植物園 所在地:新潟県新潟市秋葉区金津186 TEL:0250-24-6465 https://botanical.greenery-niigata.or.jp/ アクセス:公共交通機関/JR信越線古津駅から徒歩約25分 区バス/新津駅東口から「新津駅西口」行き「美術館・植物園前」下車徒歩約1分 ※区バスについて路線・時刻表は新潟市秋葉区のホームページをご覧ください。 新潟交通/新津駅東口から「矢代田経由白根・潟東営業所」行き「新津美術館入口」下車徒歩約10分 車/高速道路 磐越自動車道新津I.Cから国道403号三条・加茂方面へ約15分 一般道路 新潟方面から…国道49号茅野山I.Cから国道403号経由約20分 オープン期間:通年 休園日:なし 温室開館時間:9:30~16:30(入館受付は16:00まで) 料金:【温室】大人600円、65歳以上500円、高校生・学生300円、小中学生100円 ※小中学生は土日祝日無料 【屋外園地】入園無料 駐車場:300台、無料 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! ロザリアンの聖地「国営越後丘陵公園 香りのばら園」 ・花の庭巡りならここ! 広大な敷地でダイナミックに花が咲く「国営ひたち海浜公園」 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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イギリス

イングリッシュガーデン旅案内【英国】男爵夫人のデザインした庭 ヘルミンガム・ホール・ガーデンズ
赤レンガの屋敷を背景に広がる庭 名園として人気の高いヘルミンガム・ホールの庭。駐車場からガーデンに向かうと、濠に囲まれた赤レンガづくりの屋敷が見えてきます。 トルマッシュ家は大変古い家柄で、1066年のノルマン征服以前からサフォーク州に住んでいたといわれます。ジョン・トルマッシュがハーフティンバー様式の屋敷を建て始めたのは1480年。それから何度も改修が重ねられ、1760年頃に現在のような赤レンガとタイルを使ったつくりになりました。 幅18mの濠にかかる跳ね橋は、1510年以来、毎晩引き上げられて、朝になると下げられるとか。屋敷は夜間は濠に守られた「島」となるそうです。中世の習慣が脈々と続いているとは、驚きますね。 濠の脇を通る芝生の道には、セイヨウイチイの丸いトピアリーが並びます。モコモコと、森の妖精のようなユーモラスなトピアリーです。 きれいに刈り込まれたトピアリーに、メドウのような下草を合わせているのがおしゃれ。ナチュラルな雰囲気を醸し出しています。先を行く老夫婦の姿が、素敵でした。 さて、屋敷の西側に広がるメインのウォールド・ガーデンへと向かいます。 パーテアとハイブリッド・ムスク・ガーデン 屋敷の西側は、レンガ塀にぐるりと囲まれた、大きな長方形のウォールド・ガーデンになっていて、その中は、パーテア部分とキッチン・ガーデン部分に分かれています。 私たちをまず出迎えるのは、ツゲの低い生け垣が幾何学模様を描くパーテア。間には、サントリナが植わります。ツゲの生け垣自体は古くから残るものですが、現在の男爵夫人によって1978年に再設計され、今のような形になりました。 屋敷に伝わる資料によれば、15世紀末に屋敷ができる以前から、ここには家畜を守る場として、柵に囲まれた庭があったそう。ウォールド・ガーデンのレンガ塀は1745年にできたといわれ、長い歴史が感じられます。つるバラの絡んだアーバー(あずまや)がいい雰囲気。 レンガ塀に沿った花壇には、ラベンダー‘ヒドコート’に縁どられて、ハイブリッド・ムスク種のバラが植わっています。この花壇はハイブリッド・ムスク・ガーデンと呼ばれ、1965年につくられました。男爵夫人は、このような古い部分を守りつつも、より美しい庭となるよう、長い年月をかけて新しい要素を加えてきたといいます。 ユニークなトピアリーがいっぱい さて、パーテアとキッチンガーデンを分けるアイアン製のガーデンゲートをくぐり、キッチンガーデンの区画に入ります。まずは右へ進むと……カタツムリ発見! 面白いトピアリーが並ぶ、トピアリー・ボーダーです。 イヌツゲやセイヨウイチイのトピアリーを、ガーデナーが熱心に刈り込んでいます。トピアリーの間には、ラベンダーやデルフィニウム、アイリスなどが植わります。 ミツバチのトピアリーも! 羽根の立体感が見事です。かなり複雑に刈り込まれていますね。 花にあふれたウォールド・キッチンガーデン ガーデンゲートからの景色。ウォールド・キッチンガーデンの中心を芝生の小径が貫いていて、その両側に宿根草花壇がずっと伸びています。 小径を少し進んで、振り返ると、こちらには、ガーデンゲートと屋敷が背景となる、美しい庭景色がありました。宿根草花壇では、‘アルベルティーヌ’や‘ニュー・ドーン’、‘フェリシテ・エ・ペルペチュ’などのバラが、ワイヤーに誘引されて目の高さに咲いています。 そして、足元には、ポピーやアリウム、ゲラニウムなど、さまざまな宿根草や球根花が、優しい色合いで混ざり咲いています。 私たちが訪れた6月の花壇は、ピンク系のオールドローズに合わせて、ピンクやブルー、紫やクリーム色などの、柔らかな色合いでまとめられていました。ですが、盛夏に向かうにつれて、真っ赤や黄色、銅色など、インパクトのあるカラースキームに変わっていくとのこと。 中央の小径から脇に伸びる、スイートピーの長いトンネル。いろんな色のスイートピーが咲いていて、楽しさ満点です。他に、サヤインゲンとヒョウタンのトンネルもあります。ウォールド・キッチン・ガーデンは、芝生の小径とトンネルによって、8つのブロックに区切られています。 トンネルの先の壁際には、きっちりと刈り込まれたツゲの生け垣に囲まれて、優美なベンチが置かれていました。整形式庭園の要素とキッチンガーデンのナチュラルな要素が、うまく混ざり合っているのがこの庭の面白いところです。 この辺りは、野菜や果物を育てている区画です。たくさんの実をつけたスグリの木を発見。 こちらは、サラダによさそうな葉物。しっかりと葉を茂らせています。 園内には、来園者にも花の名前が分かるように、こんな看板が掲げてあります。気になった植物はこの看板でチェック。 そしてこちらは、花壇にどんな植物が植わっているかが分かる、デザイン図。各所に掲げられていました。 さて、キッチンガーデンを抜けて塀の外に出ると、小さな橋がありました。じつは、屋敷と同じように、ウォールド・ガーデン全体も濠でぐるりと囲まれています。この橋は、その濠にかかっているのです。 橋を渡った先には、男爵家の人々が楽しむのであろうテニスコートがあって、その周りは、グラスが軽やかに揺れるワイルドフラワー・メドウになっています。風を感じる、優しい花景色です。ここからは見えませんが、ヘルミンガムの庭園の外にはアカシカの棲む広大な草地が広がっていて、メドウとともに、野生生物の生態系を守るのに一役買っています。 華やかさ満点のスプリング・ボーダー 今度は、屋敷に戻る方向へ。ウォールド・ガーデンの外側を、南側のレンガ塀に沿って歩いてみます。すると、塀にはたくさんのつるバラが絡まり、その株元にはピオニーの見事なコレクションが! スプリング・ボーダーと呼ばれるこの花壇では、じつに豪華なバラとピオニーの競演が見られました。 ピンク、白、赤と、華やかなピオニー! 花心が盛り上がった大輪など、珍しい形もあります。重い花首が垂れないように、しっかり支柱がしてありました。5月から6月にかけてのピオニーの見頃に来られたのは、とてもラッキーでした。 クラシカルなノットガーデン 次は、屋敷の反対に回って、東側の庭に行きます。屋敷の正面、濠の脇道から階段を数段降りたところに、1982年につくられたという、ツゲのノットガーデンがあります。 手前の4つの正方形では、三角形の模様を埋めるように、ミントやタイムなどのハーブが低く茂っています。奥の4つの正方形には、トルマッシュ家にまつわる模様やイニシャルがデザインされています。 緑のツゲと赤レンガの屋敷が、美しいコントラストを見せています。歴史ある屋敷にふさわしい、クラシカルな雰囲気のノットガーデンは、屋敷の窓からも眺められるそうです。 甘い香りに満ちたローズガーデン ノットガーデンの先、紫のキャットミントが群れ咲く奥には、女神像を中心に、サークル状にバラが植わるローズガーデンが待っていました。 花と春の女神、フローラの像に見守られる、エレガントな雰囲気のローズガーデン。外側の大きな花壇には、さまざまな古い品種の、香りのよいシュラブローズが植わり、円を構成する内側の花壇には、たくさんの花をつけるデビッド・オースチン社作出のイングリッシュローズが植わっています。 セイヨウイチイの高い生け垣に囲まれている場所なので、バラの香りがとどまっているように感じます。辺りが甘い香りに満たされていました。 屋敷を背にした花景色。ヘルミンガム・ホールの庭は、やはりこの屋敷がポイントですね。赤レンガの美しい建物は、ヘルミンガム・ホールの庭を最も特徴づける要素といってよいでしょう。 さて、ガーデン散策を楽しんだ後は、ステイブル・ショップという小さなショップでハーブコーディアルのジュースを買って、ちょっと休憩。ショップでは、地元産の食べ物やクラフト、ガーデン用品などを扱っています。また、キッチンガーデンで採れた野菜なども販売。オーガニックとして登録されてはいませんが、伝統的な栽培方法で、化学肥料はほとんど使っていないそうです。 時間の都合で、一番外側にあるウッドランド・ガーデンなどは回れませんでしたが、ぐるりと巡って1時間半、充実の庭散歩でした。とてもよく手入れの行き届いた、花の風景が満喫できるガーデンでした。 〈ヘルミンガム・ホール・ガーデンズ〉 庭園情報 ロンドンから車で北東に約3時間。電車では、ロンドン、リバプール・ストリート駅からイプスウィッチ駅(Ipswich)まで約1時間。イプスウィッチ駅からタクシーで30分(約10マイル)。タクシーを使う場合はかなり距離があるので、往復を頼めるかなど、ご確認を。 イプスウィッチ駅から路線バスを使う場合は、駅近くのバス停(Railway Station)から、町中のオールド・カトル・マーケット・バス・ステーション(Old Cattle Market Bus Station)までバスで約8分移動。フラムリンガム(Framlingham)行きに乗り換えて、シェルター(Shelter)、もしくは、ホール(Hall)で下車、所要時間は約25分。庭園までは、徒歩約6~8分。乗り換えが複雑で、また路線バスのルートが変わることもあるので、事前によくお調べになってお出かけください。 2018年の開園期間は、5月1日~9月16日。火、水、木、日、祝(バンクホリデー)の11:00~16:30。料金は大人£7。 2019年は、5月1日から再び開園します。屋敷は非公開。 *2018年12月現在の情報です。 併せて読みたい ・玄関を花でコーディネート! 海外のおしゃれな玄関先8選 ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア ・世界のガーデンを探る旅15 イングリッシュガーデン以前の17世紀の庭デザイン
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イギリス

イングリッシュガーデン旅案内【英国】王侯気分でアフタヌーンティーを! ハートウェル・ハウス
ロンドンから小1時間の別世界 ロンドンの喧騒から離れ、小1時間。オックスフォードに近いハートウェル・ハウスは、都会からのアクセスがよい場所にありますが、ひとたび敷地内に入ると、緑豊かで静かな別世界が待っています。 ハートウェル・ハウスの始まりは1,000年ほど昔に遡り、その長い歴史の中で、さまざまな王侯貴族がここで暮らしてきました。19世紀の初めには、亡命生活を送っていたフランス王、ルイ18世が5年間滞在したといいます。 20世紀に入ると、屋敷は億万長者のアーネスト・クックの手に渡り、第二次世界大戦中は軍の宿舎として使われました。その後、火災に見舞われるなどしましたが、1980年代に、寂れてしまった大邸宅をホテルとしてよみがえらせ経営する「ヒストリック・ハウス・ホテルズ」によって大規模な修復が行われ、ハートウェル・ハウスは美しいホテルに生まれ変わりました。 2008年、ホテルとしてよみがえったハートウェル・ハウスは、この先の未来も、屋敷と庭の美しい姿が維持され、開発の手から守られるようにと、英国ナショナル・トラストに寄贈されました。現在、ホテル経営による利益はすべて、ナショナル・トラストに寄付されています。 屋敷の周りには、広大な緑のスペースが広がっています。18世紀の初めに設計された、テンプルやオベリスクなどのモニュメントを配置した整形式庭園は、18世紀半ばになると、ケイパビリティ・ブラウンの系統を継ぐリチャード・ウッズによって再設計され、ランドスケープガーデン(風景式庭園)となりました。 敷地内には、静かに水をたたえる湖もあります。果樹園とベジタブルガーデンでは、古い品種のリンゴやアンズといった果物や野菜が栽培され、ホテルのレストランで提供されています。 よみがえった壮麗な屋敷 さて、17世紀のジャコビアン時代と18世紀のジョージアン時代の様式が混じる屋敷に入ってみましょう。ファサードの精巧な彫刻に思わず見入ってしまいます。 入り口にナショナル・トラストのマークがありました。ハートウェル・ハウスはトラストの他の庭園と違って、観光庭園として公開されているわけではありませんが、ホテルのお客さんは自由に庭園を散策することができます。 ローズピンクの壁紙と緑の絨毯、白いしっくい飾りが印象的な階段です。欄干にいくつもの彫像が立っています。 彫像は17世紀のジャコビアン時代のものと、現代のものが混じっているそうですが、素人目には見分けがつきません。その姿は、なんだかユーモラス! よく見ると、欄干を支える「手すり子」もすべて彫像になっています。この中に、英国の首相だったウィンストン・チャーチルに似せた彫像があるとのことですが、どれがそうでしょうか……。 豪華なライブラリーでアフタヌーンティーを 私たちが通されたのは、ロココ調の装飾が施され、大きな窓のある素敵なライブラリーでした。 窓の外には、ランドスケープガーデンの緑が広がっています。 窓から外を覗いてみると、木々の間に大きなトピアリーを発見。チェスの駒のようです。 トピアリーの前には、クローケー(クロッケー)ができる芝生が広がっていました。『不思議の国のアリス』にも出てくる遊びですね。日本のゲートボールは、クローケーを参考に考えられたものなのだとか。 ライブラリーの外はテラス席になっていて、ここでもお茶を楽しむことができます。右側の出窓の部分がライブラリーです。 再び、室内へ。大理石のマントルピースや、曲線を描くしっくい飾りが優雅です。ロココ調の装飾とはこういうものなのか、と実感。 本棚には、円をつないだデザインの、金箔を被せた真ちゅう製の針金細工が施されています。1760年頃に作られたもので、英国内でも貴重な古い針金細工です。 そして、待望のアフタヌーンティー! 3段トレイの上から、チョコレートケーキ、焼き菓子、スコーン。見ているだけで幸せになります。 小花柄の愛らしい食器や銀器を使ったテーブルセッティングに、気分も浮き立ちます。 キュウリ、トマト、サーモンなどのサンドイッチと、焼き立てスコーン。かなりボリュームのある内容で、紅茶をポットにたっぷり(コーヒーを選ぶこともできます)。これはどんな味、次はどれをいただこうと目移りしながら、時折外の風景を眺めつつ、優雅な気分で本場のアフタヌーンティーを満喫することができました。 こちらは違う年に訪ねた時の写真。この時はマカロンがあって、スコーンの形もちょっと違います。訪ねる時によって、トレイの内容が変わるのですね。クリスマス時期には、スパイスが効いたスコーンなど、クリスマス仕様のアフタヌーンティーをいただけるそう。 英国式の豪華な田園暮らしを体験 ホテルには、かつてのオランジェリー(温室)が改装されたスパやジムが完備されていて、テニスや釣りを楽しむこともできます。滞在すれば、都会を離れてのんびりと、しかし、優雅に自然の中でリフレッシュするという、英国貴族のような田園暮らしを体験できます。写真は、朝食、昼食、本格ディナーがいただける、本館のレストラン。 こちらは、イギリス・バロック様式の傑作、天井飾りが見事なグレートホール。1740年頃の完成以来、床を除いて変わらない姿を保っています。アフタヌーンティーをいただくのに、こちらの部屋に通されることもあるそう。どちらの部屋でも、優雅な気分が味わえますね。 本館には48部屋あり、それぞれ美しい調度品で設えられています。18世紀に馬小屋として使われていた所は、より豪華なスイートルーム専用の建物となっています。クラシカルな天蓋付きベッドのある部屋もありますよ。 併せて読みたい ・英国「シシングハースト・カースル・ガーデン」色彩豊かなローズガーデン&サウスコテージガーデン ・イギリス流の見せ方いろいろ! みんな大好き、チューリップで春を楽しもう ・花好きさんの旅案内【英国】 ベス・チャトー・ガーデン(1)乾燥に強い庭を実現
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北海道

カメラマンが訪ねた感動の花の庭。北海道 イコロの森
青空を願った早朝の撮影 2017年7月15日、午前4時30分。前日、前々日と2日続けて早朝のイコロの森は真っ白な霧に包まれて、ローズガーデンの撮影ができずにいました。今日こそ晴れてくれないか、と願いながらカーテンをあけて窓の外を見ると、森はまだぼんやりとした光の中。霧は出ていないようです。 「晴れたかな?」と思いながら急いで着替えをすませ、機材を持ってガーデンへと走りました。今回は早朝のローズガーデン撮影にそなえて入園許可をもらい、イコロの森のセミナーハウスに宿泊していたため、走ってたった1分でガーデンに到着。 まだ薄暗い森を抜けてガーデンの入り口に着くと、いつものようによく手入れがされた緑の芝生と、少し明るくなってきた青空が出迎えてくれました。「晴れた!」ウキウキとした足取りで入り口のロープをまたぎ、高い針葉樹の塀をくぐり抜けてローズガーデンに入ると、そこはまさに満開。撮影にはベストタイミングでした。 美しい庭を一人占めした時間 まだ少し冷たい空気を感じながら、静まり返ったローズガーデンを、一人ゆっくりと撮影ポイントへ向かいます。途中園路を歩いていると、両側のすべてのバラが「ようこそ」と語りかけてくれている気がしてきて、最高の気分で撮影を始めました。時間とともに東側の木々の間から差し込んでくる朝陽を浴びてローズガーデンはどんどん彩りを増していきます。僕もハイテンションでシャッターを切り続けました。ふだん見慣れているバラたちと比べると、イコロの森のバラに派手さはなく、仕立て方もナチュラル。どの花も本当に可愛く咲いていて、大満足の撮影でした。 初めての北海道の庭撮影 僕が最初にバラや庭の撮影で北海道に来たのは、2010年の8月。『趣味の園芸』の取材でした。その時にガイド&コーディネイターをしてくれたのが、現在はイラストレーターとして有名な藤川志朗さんです。この年は2泊2日の短い取材でしたが、バラと宿根草のきれいな庭を何軒も紹介していただいて、僕はすっかり北海道の魅力に取り付かれてしまい、翌年の取材のガイド&コーディネイトも藤川さんにお願いして帰りました。 翌年は個人の庭数軒と岩見沢のバラ園でオールドローズが撮りたいと思い、藤川さんに連絡して7月のはじめに北海道に向かいました。まずは岩見沢のバラの素敵な個人邸の撮影を済ませ、夕方には岩見沢バラ園で心ゆくまでオールドローズを堪能。すると「明日も素敵なガーデンに行きましょう。多分今井さんお好きだと思います」と、藤川さんが勧めてくれたのが、このイコロの森でした。 イコロの森に初めて行った日 翌日は北海道の雄大な風景を見ながらドライブをしてイコロの森へ向かいました。広いバイパス道路から森の中の細い道に曲がると、そこは突然、別世界へと変わりました。今まで走ったことのない、まるでコマーシャルにでも出てきそうなほど美しい森の中の一本道を走ること10分。センスのよいイコロの森の看板が見えてきました。駐車場に車を止めてガーデンの入り口に向かう小径から、もうすでによい雰囲気を醸し出しています。 入り口でガーデナーの北村さん、高林さんに挨拶をして中へ入ると、正面には緑の芝が美しいレストランガーデン。右手にはコニファーガーデン、針葉樹の塀の中は、整形式のローズガーデンと宿根草のガーデン。宿根草のガーデンを抜けると、信じられないほど美しい芝と宿根草のボーダーガーデン。そのすべてが森の静寂の中にあり、「ここは本当に日本なのかな?」と疑いたくなるほど、センスのよいガーデンで、僕は完全に一目惚れ。藤川さんの予想は正に的中でした。 やっと叶ったバラの最盛期の撮影 2011年以降も、ほぼ毎年のように雑誌の取材などで北海道には来ていますが、千歳空港に近いということもあって、イコロの森には必ずといっていいほど毎回寄らせてもらっていました。しかし、なかなかバラが最盛期のタイミングに合いません。 イコロの森の代表である工藤敏博さんは、北海道の気候に合った耐寒性と耐病性のあるバラを収集していて、ローズガーデンにはハイブリッド・ルゴサをはじめとした、僕たちにはあまり馴染みがないバラが多種植えられていると聞いていました。これは一度しっかり見せていただきたいと思っていたのですが、岩見沢地域に比べると、開花は半月くらい遅いため、なかなかベストタイミングとはいきませんでした。 どうにかしてイコロの森のバラを撮りたいと思っていた時、偶然知り合いの編集者さんが僕のイコロの森の写真が見たいと言ってくれたのを機に、2017年はイコロの森のバラの開花時期にスケジュールを合わせることに。ガーデナーの高林さんにバラの開花状況を随時聞きながら、7月半ばにやっと念願が叶ってローズガーデンの撮影ができました。 こうしてベストな条件とタイミングでローズガーデンが撮れたので、次回は紅葉のイコロの森ですね。木々やグラス類の紅葉の写真を狙ってみたいですが、バラ以上にタイミングが難しそうです。来年、10月半ばから後半に、寒そうだけれどチャレンジしてみたいと思っています。
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イギリス

プラントハンターの時代の庭【世界のガーデンを探る旅16】
世界の植物を発見するまでの ヨーロッパの歴史を、まずはおさらい バビロンの空中庭園から始まった「世界のガーデンを探る旅」は、イタリアやフランスからドーバー海峡を渡り、中世以降のイギリスに移ってきました。イギリスの庭文化は、プラントハンターによって大きな変革期を迎えるのですが、その前に、少しヨーロッパの歴史をおさらいしておきましょう。 ヨーロッパでは十字軍の遠征(11〜13世紀)以降、中近東からの情報が多くもたらされました。そして歴史的な交易路であるシルクロードによって、アジアの物品や香辛料が運ばれ、植物にも人々の関心が高まりました。ただ、途中にトルコのようなイスラム国家があり、キリスト教徒の西ヨーロッパには西アジアに行く安全なルートがなく、地中海ルートもイスラム教の国に支配されていたため、新しく安全なルートが求められている時代でした。15世紀の後半になると、大西洋に面したスペインとポルトガルが積極的にアフリカ西海岸を南に下ったことで、さまざまな品物が母国にもたらされました。 大西洋に面したポルトガルやスペインは、多くの冒険家や宣教師を航海へ送り出しました。1498年にはバスコ・ダ・ガマがインド航路を発見、多くの物品や香辛料をポルトガルに持ち帰り莫大な利益を得ました。スペインが送り出したクリストファー・コロンブスは、1492年にアメリカ大陸を発見しました。また、1519年にスペインを出発したフェルディナンド・マゼランは、世界一周航路を切り開き、地球が丸いことを実証しました。 各地の植物が世界に渡る時代 17世紀の中頃には、地球上のほぼ全ての地域にヨーロッパ人が訪れ、大航海時代は終わりを告げると、植民地時代が始まります。第二次世界大戦までにはヨーロッパと日本を除く、ほぼ全ての地域がヨーロッパ列強の植民地、あるいは支配下になり、本国に莫大な利益をもたらしました。 新しく発見された地域には冒険家、宣教師とともに植物採集のためのプラントハンターが多く訪れ、いろいろな香辛料をはじめ、食料や薬草などを持ち帰りました。また、その中には珍しい花や木も含まれていました。 日本はその当時鎖国をしていましたので、自由に植物を持ち出すことはできませんでしたが、かの有名な通称シーボルト(ドイツ人医師で博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト)とその前任者で植物分類の基礎を作ったカール・フォン・リンネ(スウェーデン人の植物学者)の弟子のカール・ツンベルク(スウェーデン人の植物学者、博物学者、医学者)などによって、多くの植物がヨーロッパに紹介されました。その後鎖国は解かれ、園芸品種も含む日本のさまざまな植物がヨーロッパに送られると、その園芸文化の高さに触れた当時の人々は驚いたようです。 プラントハンターが持ち帰った膨大な植物 さてそんな中、世界中に送られたプラントハンターがイギリスに持ち帰った植物は膨大な量となり、整理し分類する必要に迫られていました。そして1804年、ロンドンの植物好きが集まって、園芸文化の普及や奨励を目的とする慈善団体「ロンドン園芸協会」が設立されました。その協会が1861年に王室の許可を得て現在の名称となった「王立園芸協会」であり、当時世界中からもたらされた植物を一カ所に集めた植物園が「キュー・ガーデン(Royal Botanic Gardens, Kew)」です。 王立園芸協会は、庭文化の普及も目的の一つとして、ウィズレー(The Royal Horticultural Society's garden at Wisley)に最初の作庭の見本となる庭をつくりました。手がけたのは、実業家で王立園芸協会の会員であったジョージ・ファーガソン・ウィルソン(George Ferguson Wilson)氏で、1878年に約25ヘクタールの敷地に庭がつくられ、その後、拡張されて現在は約100ヘクタールになっています。 現代も世界中から多くの来園者が訪れる ウィズレーの植物園 ウィズレーへの来園者は、1905年には年間約5,000人ほどでしたが、近年は年間100万人以上の人が訪れています。イギリスで最も人気のあるキューガーデンには及びませんが、見本庭園に限らず、蔵書や植物のコレクションでも有名な場所です。 よく手入れされたキャナルガーデンは、長方形の池を中心に左右対称にデザインされ、水中のスイレンまでも左右対称に整っています。 エントランスから庭へ降りて行く途中にある正方形の庭は、なんとサニーレタスで彩られていました。野菜を使って図形を浮かび上がらせるとは、微笑ましいアイデア。 1910年に造園家のJames Pulham and Sonによって、ロックガーデンが築かれました。斜面地を巧みに利用して水はけをよくし、高山植物や球根植物が多く植えられています。また矮性の樹木や球根類も多く、スコットランドのエジンバラ植物園のロックガーデンとともに、世界中のロックガーデンの手本になっています。 なだらかな丘になっているので、高台から庭全体が見渡せます。園内の植物には全てネームプレートがつけられ、まるで生きた植物図鑑の。来園者が熱心に興味のある植物をチェックしていました。 2006年に新たにつくられた温室へ続く初秋の宿根草ボーダーには、いろいろな草花がパッチワーク状に植えられていました。 造園家のトム・スチュワート=スミス氏が関与した新しい温室は、白いフレームと曲面が多用されたデザイン。 家庭菜園サイズに区切られたベジタブルガーデンは、そのまま自宅につくれそうな見本となっています。こんなところにも、ウィズレーガーデンの本来の趣旨である、「来園者にとって参考になる庭」の展示が見られます。 きれいに刈り込まれたツゲに囲まれた空間では、低く茂る鮮やかなペチュニアと立ち上がる白いダリアが左右対称に。とてもシンプルですが、広い空間で花を引き立てるこのテクニックは、日本の街中の花壇植栽の参考になりそうです。 和を思わせるフェンスを設けて視線を遮り、盆栽が並んでいます。なかなか考えられた演出です。近年、海外の盆栽レベルもかなり向上し、イギリスでも多くの盆栽愛好家グループが活発に活動しています。 幾何学模様にきれいに刈り込まれた芝生がとてもフォーマルな雰囲気。残念ながら花の時期ではありませんが、落ち葉ひとつなく、すべての株が剪定されて清々しい景色になっていました。 花が少なく、落葉した木々に囲まれた冬でも多くの人たちが訪れて、散策を楽しんでいました。 毎年発表される多種の新品種などを比較する栽培場もありました。イギリスの園芸文化の奥の深さを感じさせます。 イギリスの庭園文化を支える植物園 プラントハンターによって多くの植物がイギリスに持ち込まれ、もともと自生の植物が少なかったイギリスに園芸文化が深く根付いた理由の一つが、王立園芸協会の存在です。植物分類はキューガーデン、植物の庭での使い方はここウィズレーガーデンと、2つの庭はイギリスの園芸文化を底辺で支える両輪となっています。ロンドンから車でもさほど遠くないので、ぜひ訪れてほしいガーデニングの聖地です。 併せて読みたい ・花好きさんの旅案内【英国】ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー ・イギリス発祥の庭デザイン「ノットガーデン」【世界のガーデンを探る旅14】 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。イギリス以上にイギリスを感じる庭 山梨・神谷邸
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岡山県

備前焼の魅力を伝える新プロジェクト「Bizen×Whichford」コラボイベント報告
若い陶芸家が中心となり開催された初のイベント 全国的に秋晴れとなった2018年10月20・21日に岡山・備前市にある「特別史跡 旧閑谷(しずたに)学校」にて開催された「セラミック・アート・ビゼン閑谷(Ceramic Art Bizen in Shizutani)」。備前焼作家として国内外で活躍する新進気鋭の若手陶芸家、石田和也さん(32歳)が中心となり、備前焼を盛り上げたいと1年の準備期間を経て開催され、話題となったイベントです。 プロジェクトの中心となった石田さんは、備前焼人間国宝の伊勢崎淳氏に師事後、2011年に渡英し、デヴォンのKigbeare Studioで制作活動に従事。2012年には英国オックスフォード郊外のWhichford Potteryに就職し研鑽を積むという、国内にとどまらず垣根を超えて備前焼の魅力の可能性を探り続けている若き陶芸家です。 そんな彼が備前市と協力して、“どのように備前や備前焼を盛り上げていくか”を模索している過程で、ある試みを行ったことがこのイベント開催のきっかけになったといいます。それは、毎年秋に全国から多くの人が訪れる「備前まつり」についてロンドン芸術大学の生徒達と実施したリサーチでした。彼らに客観的に「備前」を捉えてもらったことで、備前焼を販売をすること以上に、その伝統や技、他にはない価値をあらゆる角度から“伝える”ことが大切であると石田さんは自覚したのです。 そこから、石田さんの思いに地域の方々をはじめ、旧閑谷学校関係者や、備前焼の現代作家、備前焼を応援するあらゆる分野の方々が協力し、「セラミック・アート・ビゼン閑谷」が開催された2日間、予想を超える約2,000人の来場者がありました。また、陶芸や寄せ植えのワークショップには約120人が参加。見て、触れて、体験して備前の魅力を再発見してもらえる機会となりました。 備前焼に触れる英国スタイルのティータイム 開催両日、完売の人気となったのが「備前焼×英国スタイルティータイム」。使う器はすべてプロジェクトリーダーである石田さんが焼いたもので、備前焼のトレーに8種の焼き菓子の中から気に入ったものを1つ選び、Bizen×Whichfordのマグカップで英国紅茶をいただくという、このアートイベント限定のティーコーナーが旧閑谷学校前の広場に出現。 雲ひとつない晴天の屋外には、日差しを遮る大きな白いパラソルも備えられ、自然の鳥のさえずりをBGMに、手作りのスコーンと香り高い紅茶をいただく。実際に備前の器を手に取り、使うことで肌触りや日常での使い方を知り、備前焼を身近に感じることができるおもてなしでした。 英国のアフタヌーンティーに欠かせないスコーンなどの焼き菓子は、全部で8種。写真左上は、オーソドックスなJersey Milk Scone、右上はサンギリスコーン、右下、ジンジャーケーキ、左下は、黒豆きな粉にドライイチジクの丸い模様をあしらったボタモチスコーン。 左上は一番人気だった、プロジェクトリーダーである石田さんの作品をイメージしたイシダスペシャルスコーン、右上は、英国のティータイムで定番の菓子ヴィクトリアサンドイッチ、右下はオーツケーキ、左下は、チェダーチーズでたすき模様を描いたヒダスキスコーン。 この手作りスコーンにも、実は備前焼を思わせる要素が隠されているのです。例えば、穴窯で焼かれるゆえに現れる備前焼の焼き色の特徴「ヒダスキ(緋襷)」や、黒~灰青の景色の変化「サンギリ(桟切)」、丸い模様が浮かぶ「ボタモチ(牡丹餅)」など。スコーンをいただきながら、備前焼の模様に興味を持ち、お茶の後、実物を見て「なるほどー」と理解できる仕掛けに、来場者もびっくり。 「備前焼×英国スタイルティータイム」は、兵庫県在住のフラワー&ティーコーディネーターの内田恭子さんを中心とした5名で開催。内田さんは、お花を飾りお茶をいただく英国スタイルの楽しさと、くつろぎを広める活動をしています。これまでイギリスでスコーン作りやお茶を学んだ経験を、備前でも伝えたいと、今回参加しました。写真左から、ロールケーキのお店「F.T.E」店長の木村正彦さん、田淵さん、牧野さん、橋本さん、COZY STYLE主宰の内田恭子さん、イギリス文化を日本に伝える新会社を立ち上げたブリティッシュ・プライドの新宅久起さん。 日英文化の融合Bizen×Whichford 今回、ガーデニングファンが特に注目したのが、英国の伝統園芸鉢工房「ウィッチフォードポタリー」と備前焼のコラボレーション企画です。まず1つめは、オリジナル作品の販売コーナー。ガーデニングの本場イギリスで、伝統的な技術とデザインのフラワーポットを作り続けている「ウィッチフォードポタリー」の鉢は、日本でも広く流通し、ガーデニングファンに愛用されていますが、ここでは、イギリスの素焼き製ではなく、備前焼で作られたオリジナルの鉢が購入できるとあり、他県からも多くの方が訪れました。 こうして英国と備前がつながるきっかけの一つが、2002年にウィッチフォードポタリーの代表、ジム・キーリングさんが備前へ足を運び、素朴で味わいのある備前焼に惹かれたことにあります。備前焼と園芸鉢は全く異なるジャンルでありながら、「無釉焼締め陶(むゆうやきしめとう)」の共通点から、2017年に初のBizen×Whichfordフラワーポットが誕生しました。 その後、ジムさん自らも備前での作品制作やワークショップに参加し、市民や地元アーティストとの交流も進み、2018年1月にはイギリスからウィッチフォードポタリーの職人たちが来日して、他県からも参加者が集まる初のワークショップも開催されています。 ガーデニングファンが駆けつけた陶芸体験 ウィッチフォードポタリーの石膏型などを使って、オリジナルの備前焼フラワーポットづくりができる「陶芸ワークショップ」5講座と「Bizen×Whichford を使った多肉植物の寄せ植え」1講座は、2カ月前から事前にSNSなどで参加者を募集しました。すると、北海道から宮崎まで約120人が応募、その8割以上が県外からの参加者で、2日間で計6回のワークショップは大盛況となりました。 ウィッチフォードポタリーの代表、ジム・キーリングさんと陶芸家の石田和也さんをはじめとする、陶芸のプロたちが直接指導をする約2時間の「陶芸ワークショップ」では、実際にウィッチフォードポタリーでも使われているモールド(模様の型)を使いながら、オリジナルの鉢を完成させていきます。中でも人気だったのは、ビオラやニワトリ模様。植物模様のスタンプや、転がして模様をつけるルーレット、細かな仕上げをする棒状の道具も用意されていました。 ワークショップの冒頭に、ジムさんは「備前焼と私たち工房の作品には、釉薬をかけないという共通点があります。それは、デコレーションのディテールが薄い膜で覆われず、はっきり模様が見えるという特性があります。備前焼もイングリッシュガーデンも、どちらも伝統がありますが、今回はその2つの伝統が土という素材を通してコラボレーションします。備前にはなかった、このような装飾道具を使うこともコラボレーションの一つで、新しいものが生まれることでしょう。この時間を通して、皆さんの備前の見え方もまた違ってくることでしょう。作品づくりを楽しんでください」と挨拶し、ワークショップはスタートしました。 ウィッチフォードポタリーでは、ろくろ成形後一日乾かしてちょうどよい固さになった作品にデコレーションをしていきます。このワークショップでも、同様の手順が踏めるようにと、参加者は事前にS、M、L、LL、3Lの中から作りたいサイズと数を申請。人数分の鉢を、ジムさんなど職人の手によってろくろを使い、3日間かけて用意されていました。 説明を30分聞いた後、まず、鉢のどの位置へどの模様をいくつつけるかを決め、思い思いに仕上げていきます。ポターさんによるお手本の作業工程を見て覚えたつもりでも、実際に自分の手を動かし、模様の型に土を詰め、鉢に押し付け、模様の縁をきれいにならしていく工程は、思ったようには進みません。 参加者はそれぞれに迷いながらも、集中して手を動かしていきます。ジムさんと石田さん、ポターさんは慌ただしく参加者一人ずつに気を配り、作業につまずいている人を手伝い、アドバイスしながら、アッという間の1時間半。鉢の仕上げにBizen×Whichfordのスタンプを押して、作業は終了時間を迎えました。 ウィッチフォードの鉢で特徴的な縁取りの装飾は、プロの手にゆだねて仕上げてもらうことができました。写真は、ウイッチフォードポタリーで大型鉢の責任者を任されている職人の、サイモン・ガーンさん。 1月に参加して「世界に一つしかないオリジナルのポットが作れるという貴重な体験をまたぜひ!」にと、再び参加した千葉在住の橋本景子さん。「前回と違うモールドを使ってみたかったことや、ポッターさんに再びお会いするのが楽しみでやって来ました。今回を振り返ってみると、時間的に余裕がなく、焦ったり失敗もありましたが、サイモンさんが手助けをしてくれたり、ジムさんが絵を描いてくれたりという幸せな時間もありました。仕上がりが本当に待ち遠しいです」。 2日間で作られた約140点もの作品は、その後、乾かされて2019年の早春に穴窯による焼成が行われます。穴窯は、なんと10日間火を絶やすことなく焼き続け、備前焼ならではの自然釉の景色や炎の表情が生まれるとのこと。参加者は、自分の作品の仕上がりを首を長くして待っているところです。 2日間に渡り行われた6つものワークショップを支えた皆さん。左から、Bizen×Whichfordを担当したガーデナーの田中美紀さん、ジム・キーリングさん、「セラミック・アート・ビゼンin閑谷」プロジェクトリーダーの石田和也さん、サイモン・ガーンさん、去年までWhichfordで2年間陶芸を学んだ経験がある鈴木麻莉さん、陶芸センター事務員の滝川美由紀さん。 日本の伝統と英国の伝統がコラボするという、ガーデニング界にも新しい風となったプロジェクト「セラミック・アート・ビゼン閑谷」。今後の展開が期待されます。 今後の活動やニュースは、以下で発信されます。要チェックです。 【フェイスブック】Bizen×Whichford https://www.facebook.com/bizenwhichford/ 【ブログ】ウィッチフォードに恋をして https://wfpottery.exblog.jp 併せて読みたい ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。滋賀「English Gardenローザンベリー多和田」のパンジービオラフェスティバル ・クリスマスやお正月にもぴったり! 冬こそ楽しめるおしゃれなリース型の寄せ植え ・絶対かぶらない! 女性にも男性にも喜ばれるおしゃれなプレゼント「ワインと花の冬の寄せ植え」 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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大阪府

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪4 大阪「Kanekyu金久」
寄せ植え好きにはたまらないショップ「Kanekyu金久」 店頭にずらりと並ぶたくさんの花々が、広い通りで目を引くショップ「Kanekyu金久」。春には外壁を覆うつるバラ‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’の美しい花が、華やかに出迎えてくれます。この店の開店時間は、園芸店には早い午前9時。オープンと同時に次々とお客様が訪れています。 お客様を飽きさせない 工夫を凝らしたショップづくり 「Kanekyu金久」は、かつて主に盆栽や山野草を扱う店でしたが、オーナーである父から経営を任された神藤直行さんが、草花や雑貨まで幅広く扱うガーデニングショップとして、今から20年ほど前にリニューアル。以前からあった売り場にショップの建物を加え、それをぐるりと囲むように回遊式の売り場を設けました。 何台もある花苗台の中央には、オススメの草花を植えた大鉢や寄せ植えをディスプレイ。その下にはポット苗がきれいに並んでいます。また、ハンギングバスケットや雑貨類を飾ったアーチやウォールで空間を区切り、小部屋が次々に現れるような構成に。決して広くはないスペースですが、パーゴラやアーチ、花台を巧みに使った立体感のある演出が、ショップ奥への見通しを阻み、新たに広がる売り場への期待感をいっそう高めています。そのめくるめく展開は、まるでアミューズメントパークのようです。 最近人気のさまざまなビカクシダやカラーリーフに囲まれたコーナーは、植物園の温室にいるような気分になります。 常に植物にとってベストな場所を選んでディスプレイ。パーゴラの桟にかけたスパニッシュモスが、奥のエリアを隠すスクリーンの役目を担っています。 苗の状態はピカいち! スタッフ全員で行う徹底した管理 売り場に所狭しと並ぶ花苗は、どれも非常に状態がよい印象。「植物は元気なものをもちろん仕入れていますが、入荷後の管理も徹底しています」とオーナーの神藤さん。蒸れやすい植物は、トレイにひとマスずつ飛ばして並べて風通しを確保するほか、少しでも状態が悪くなれば店の奥で養生するなど、常に苗の状態に目を光らせて、こまめなチェックを行っています。また、販売後にお客様のところで100点満点になるよう、生産者と出荷のタイミングを図ったり、鉢やポットに土増しや施肥をして苗のクオリティを上げる努力も。仕入れ数も徹底管理し、最良の状態の植物を提供することに力を注いでいるのです。 日本中の生産者を回って仕入れた こだわりの植物がずらりと並ぶ 注目している植物が旬を迎える少し前になると、全国どこでも生産者の所に直接足を運び、市場からはもちろんのこと、育種家や生産者からも苗を仕入れている神藤さん。ほかでは見られないような花も並びます。展示会などにも頻繁に顔を出すよう努め、信頼関係を築いていることで、生産者が特別自信を持って勧める希少な株を入手できるのです。 特に神藤さんが力を入れている植物の一つがクリスマスローズ。年内から全国を駆け回り、国内で屈指の育種家に良質な株を注文。1~2月には店中、クリスマスローズでいっぱいになります。売り場は育種家ごとに分けて株を陳列。花や葉の個性は育種家によって少しずつ異なるので、見比べながら自分の好みを見つけられます。期間中は、この店特有の「ドラフト会議」というくじ引き大会のイベントが開かれ、大いに盛り上がるのだそう。また、旬の育種家によるトークイベントなども毎年開催されています。 植物だけじゃない! 店の最大の‘売り’は寄せ植え提案 「良質で豊富な品揃え」に加えて力を入れているのは、寄せ植えづくりの提案です。‘Kanekyu金久スタイル’と称するこの店の寄せ植えのメソッドは、いろいろな種類を盛り込みすぎずにシンプルに仕上げ、ワンシーズンずっと楽しめることを大切にしたアレンジづくり。美しいデザインであることはもちろん、健やかな状態を維持できる組み合わせであることにも重点を置いています。「花だけでなくカラーリーフを積極的に使うと、きれいが長もちするだけでなく、表情がぐっと深まりますよ」と、スタッフで寄せ植え担当の植田英子さん。 多肉植物コーナーに瑞々しい彩りを添えている寄せ植え。アレンジの提案だけでなく、売り場の盛り上げ役としても。 寄せ植えにオススメのカラーリーフも充実。花よりもリーフを多めに盛り込むのが‘Kanekyu金久スタイル’。 大小さまざまなコンテナもたくさん取り揃えています。グリーンが頭上を覆う売り場の中でのショッピングもなかなかオツなもの。 Kanekyu金久スタイルの寄せ植え かわいらしい・華やか・シックなど、さまざまな雰囲気の寄せ植えが揃っています。どれもシンプルで育てやすいものばかり。ぜひ参考にしてみて。 ◆あでやかでいてナチュラルな寄せ植え 【使った花】 ペンタス、クレロデンドロム、ヒポエステス(白斑)、のミスカンサス、ワイヤープランツなど ◆カップ型の鉢でフォーマルな寄せ植え 【使った花】 左/コルディリネ‘ピンクパッション’、斑入りサザンクロス‘フィオリーナクイーン’、ペルネッティア、ヒューケラ 右/コルディリネ‘ピンクパッション、’ヘミジギア‘ピンクサファイア’、ハツユキカズラ ◆色味を抑えたシックな寄せ植え 【使った花】 ビオラ、コクリュウ、エリカ‘バレリーグリフィス’、プリムローズジャスミン ◆繊細で淡雪のような寄せ植え 【使った花】 左/エリカ‘エアリーホワイト’、コロキア、ヒサカキ‘ミスティホワイト’ 右/カルーナ、ヒサカキ‘ミスティホワイト’ ◆カラーリーフのみのしっとりとした寄せ植え 【使った花】 左/ヒューケラ、アスパラ、コクリュウ、ヘミグラフィス 右/ヒューケラ、シダ、アイビー インドアグリーンも充実 ギフトにも最適 建物の中は、インドアグリーン売り場です。毎年、沖縄に仕入れに行き、定番品種から変わった種類まで豊富なバリエーション。どれもおしゃれなコンテナに丁寧に植え込みがされているので、ギフトにも最適です。希望があれば植え替えや取り寄せも可能なので、ぜひ相談してみて。 神藤さんイチオシの植物はコレ! 砂糖菓子のように愛らしいミニシクラメン 冬に注目なのが、最近変わった種類が多く出回っているミニシクラメン。「お気に入りの鉢に、ひと株ポンと入れるだけで、シーンがぐっとおしゃれになりますよ」と神藤さん。一般的なシクラメンより丈夫で育てやすく、冬は霜や寒風の当たらない明るい場所で、夏は水を切りながら涼しい場所で管理すれば、翌年また楽しめます。 【フリルがかるシクラメン】 【コロンと咲くシクラメン】 【つぼみがユニークなシクラメン】 【ツートンカラーの品種】 【葉が変わっている品種】 【そのほかの愛らしいシクラメン】 育種家がこだわって生み出した植物を求めて日本各地を回り、自分の目で確かめながら入荷するスタイルにこだわり続ける店「Kanekyu金久」。植物の管理にも一切妥協をしないといった姿勢が生み出した、信頼と珠玉の逸品が詰まったショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、JR阪和線日根野駅から徒歩15分。 阪神高速4号湾岸線「泉佐野南」IC、または 阪和自動車道「泉佐野・上之郷IC」から約10分。 【GARDEN SHOP DATA】 Kanekyu金久 〒598-0021 大阪府泉佐野市日根野2545 TEL: 072-467-2413 URL: http://kanekyu.sblo.jp/ 営業時間:9:00~18:00 定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪3 神奈川「苔丸」 ・まだまだ買い時! パンジー・ビオラでつくる バスケットの花かごとリースの寄せ植え ・ガーデンデザイナーが教える「寄せ植え上手」のコツ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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岐阜県

花の庭巡りならここ! 3県にわたって敷地が広がる日本一大きな公園「国営木曽三川公園」内「木曽三川公園…
敷地の広さを生かした、面で魅せる植栽 「国営木曽三川公園」は、愛知県、岐阜県、三重県の3県にわたって敷地が広がる、日本一大きな公園です。木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)下流域の広大な土地を生かし、東海地方の人々のためのレクリエーション施設として整備されました。13の公園を含んでいるため、とても一日では回りきれない規模ですが、今回は四季を通して花見を楽しめる「木曽三川公園センター」に絞った情報をお届けします。 「木曽三川公園センター」は、「南ゾーン」と「北ゾーン」に区分されています。季節の草花で花壇を彩っているのは、主に「北ゾーン」で、中央に位置する高さ65mの展望タワー(有料)の見学も含めて、大人の足で約60分ほどで回れる規模です。開花リレーは、春のチューリップ、桜、ネモフィラ、夏のキバナコスモス、ヒマワリ、秋のコスモス、冬のパンジー、ビオラ、アイスチューリップと、季節によって見どころが移っていくので、いつ訪れても花見を楽しめます。一年を通して週末にイベントを開催しており、マルシェやハンドメイド市が立つ日もあるので、花見のついでに買い物を楽しむのもいいですね。 春から冬まで開花リレーでつなぐ、花の絶えない公園 「木曽三川公園センター」の北ゾーン大花壇西のエリアでは、4月上旬に約50本で織りなす桜並木の景色が楽しめます。約30年前に公園がオープンした際に植栽された桜が、それぞれに大きく育ち、枝葉を存分に伸ばした見事な樹形です。園内への飲食物の持ち込みは認められているので、青空の下でお弁当やおやつを広げて、春の到来を実感するのもいいですね。 ※建物内への飲食物の持ち込みは不可となっています。 4月上旬〜中旬、「北ゾーン」の大花壇では、約3,800㎡の敷地に植栽された約21万5000株のチューリップ、約10万5000株のムスカリが見頃を迎えます。「木曽三川の流れ」のイメージをデザインに込めた壮大な景色を、一度は見ておきたいもの。毎年色彩を変えて植栽されるので、この季節を楽しみに多くのリピーターが訪れ、熱心に写真に収める姿が見られます。 「木曽三川公園センター」の「北ゾーン」では、6月頃に約200株のアジサイが絵になる風景をつくりだします。日本原産のアジサイや西洋アジサイ、近年人気が高まっている‘アナベル’など、さまざまな品種が見られるので「我が家のガーデンに取り入れるならどれがいいかな?」と見比べるのも楽しいものです。古民家を背景に、ノスタルジックな雰囲気の写真を撮影できるスポットもあります。 8月になると「北ゾーン」にある「花絵花壇」「園路脇花壇」に植栽されたヒマワリが見頃になります。‘マティス’‘ゴッホ’‘モネ’など5品種、約3万7000本のヒマワリが開花。「花絵花壇」では草丈の高さを生かして「迷路花壇」がつくられ、ヒマワリ畑の中に入っての散策も楽しめますよ! 「木曽三川公園センター」の「北ゾーン」の大花壇では、9月下旬〜10月中旬にコスモスが見頃に。。‘ダブルクリック’や‘ハッピーリング’などさまざまな品種、約30万株のコスモスが一斉に開花し、風に揺らいで華やかな景色をつくりだします。毎年9月中旬〜11月上旬に「秋の花物語」と題したイベントが開催され、週末にマルシェやハンドメイド市、ジャズコンサートなどが楽しめます。園内には、秋の草花で彩られたインスタ映えする撮影スポットも登場しますよ! 展望タワーから360度に広がる景色を堪能!冬はイルミネーションの夜景を楽しんで 「木曽三川公園センター」内には、「水と緑の館・展望タワー」があり、大人630円、小中学生300円で入館できます(団体・障がい者割引あり)。高さ56m(展望タワーは65mですが、展望室は56mです)の展望室まで上がると、眼下に木曽川、長良川、揖斐川の「木曽三川」を一望でき、水郷の景観を360°見渡すことができますよ! また、治水の歴史や風土、この地域で見られる植物、動物、魚などの展示コーナーを常設。プリザーブドフラワー、万華鏡、立体カードなどのクラフト体験教室も開かれています。 「木曽三川公園センター」では、11月下旬〜12月31日まで、「冬の光物語」と題した、ウインター・イルミネーションが灯されます。点灯時間は16:30〜21:00。毎年テーマを変えて、50万球の電飾で色彩豊かに彩られます。イルミネーション期間中は、コンサートや花火の打ち上げ、クリスマスマーケットなど、さまざまなイベントが開催されるので、ぜひ夜の散策を楽しみましょう! 地元名物のなまず料理やみそかつ定食のほかデザートも充実の「レストラン ままずカフェ」 ※令和6年1月31日(水)を持ちまして、閉店いたしました。「木曽三川公園センター」内にある「レストラン ままずカフェ」は、客席数約60席で、大きなガラス窓から公園の眺望を楽しめます。営業時間は10:30〜17:00(3〜11月)、11:30〜16:00(12〜2月)※イベントにより変更あり。定休日は第2月曜(祭日の場合は翌日)、4・8・12月は無休。メニューは和食、洋食ともに充実しており、ランチの価格帯は700〜800円。人気メニューは 「ヒレみそかつ定食」1,100円。デザートの「ままずカフェの気まぐれデザードプレート」580円(ドリンクバーつき750円)もオススメです。 写真は名物の「あんかけままず定食」950円。淡白な白身の食用なまずと、甘辛いたれとの相性が抜群の一品です。ほかに「ままずフライ丼」850円、「ままずバーガー」680円(土日限定!)もあります。ぜひご当地メニューを味わってみましょう! Information 国営木曽三川公園 木曽三川公園センター 所在地:岐阜県海津市海津町油島255-3TEL:0584-54-5531kisosansenkoen.jp アクセス:養老鉄道石津駅から海津市コミュニティバス「木曽三川公園」下車すぐ(夜間はありません) オープン期間:通年 休園日:第2月曜(祭日の場合は翌日)、4・8・12月は無休 営業時間:9:30~17:00(3~6月、9〜11月)、9:30~18:00(7~8月)、9:30~16: 30(12月~2月)※イベントにより、変更あり。 料金:無料(水と緑の館・展望タワーは有料 大人620円、小中学生300円) 駐車場:1,231台(無料)
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千葉県

花の庭巡りならここ! 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館…
3つのガーデンと屋内花壇、温室の熱帯植物が楽しめる 1996年に開館した「三陽メディアフラワーミュージアム(開館時の名称: 千葉市花の美術館)」は、敷地面積、約3ヘクタールで、ゆっくり歩いて1時間くらいで一巡りできる広さです。屋外の前庭・中庭・後庭、アトリウムガーデン(屋内花壇)や熱帯温室で構成され、年間約1,600種4万8000株の植物が育っています。温室の熱帯・亜熱帯植物、展示棟のアトリウムガーデンなど、天候に左右されない展示構成も魅力です。屋上庭園にはキッチンガーデンがあり、子ども連れの家族からは「スーパーに並んでいる姿しか知らない野菜が実際に実っている姿を、初めて見た」「野菜の花もきれい」といった声も聞こえてきます。 手入れが行き届いたガーデンは、年に数回の植え替えがなされ、いつ訪れても華やぐ景色に心浮き立ち、足どりも軽くなります。春は河津桜からスタートし、ポピー、初夏のバラ、アジサイ、ラベンダー、夏はヒマワリ、秋はダリア、コスモス、冬は寒咲きのナノハナ、クリスマスローズ、スイセンなどへと開花リレーがつながります。温室では、3月頃から咲くヒスイカズラが人気。季節の花が見頃を迎える時期に合わせて、「フラワーイースター」「ローズフェア」「ハーブウィーク」「ハロウィンパーティー」「フローラルクリスマス」など年9回のイベントを開催しており、足繁く通うリピーターも多く見られます。 前庭・中庭・後庭とゾーニングされ、 それぞれに異なるガーデンスタイルで魅了 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のエントランスには、ウェルカムフラワーが飾られているので、これを目印に、どうぞお入りください! 植え替えは年に4回実施しており、2色以上の花色を組み合わせた、華やかな寄せ植えがゲストを迎えます。上写真は初夏のエントランスの様子で、フラワーボックスを鮮やかに彩っているのは黄色とオレンジのナスタチウムです。 なお、屋外の庭はペット同伴で散策できます。館内へは、ペットをキャリーバッグに入れてファスナーを閉じていればOKです。 レストラン、アトリウム、温室に囲まれた中庭のナチュラルガーデンは、四方から眺めることができます。アトリウムから中庭に出られるので、車椅子でも散策が可能です。宿根草をメインに、一年草を添えて華やぎをプラスした植栽で、季節の移ろいを感じることができます。ところどころにガーデンテーブルと椅子が置かれており、屋内以外は飲食物の持ち込みOKなので、おやつを広げて一休みするのもいいですね。 後庭のローズガーデンでは、約200種300株のバラが楽しめます。ゲートには、3本のアーチに仕立てられた3種の‘ピエール・ドゥ・ロンサール’がお出迎え。フェンスやコテージにもさまざまなつるバラが彩りを添えます。「バラの海」と名づけられた花壇はバラと宿根草、一年草が奏でるハーモニーが見どころ。白、ピンク、赤、オレンジ、黄色、紫の6つの色別に、カラーコーディネートされています。 上写真のバラは‘ルノアール’。‘レオナルド・ダ・ビンチ’‘レンブラント’‘モネ’など芸術家にちなんだ名前のバラが植栽されている「バラの美術館」コーナーで見られます。 温室は熱帯植物に囲まれて、まるでジャングルのよう! 冬は、高さ23m、直径33mもの規模を誇る温室を、ゆっくりと見学してはいかがでしょう。温室内の滝の周りに生い茂るヤシやヘゴ、色鮮やかなハイビスカス、コチョウランのほか、パイナップルやバナナ、グァバなどの果樹も含む熱帯・亜熱帯の植物が約300種、3,000株植栽されています。 写真のように、ヒカゲヘゴやヤシなどは高さ10m以上にも達し(ダイオウヤシはなんと20m!)、まるでジャングルに入り込んだかのよう。ふだんはなかなか触れることのできない植物の姿を、観察してみましょう。 室内のアトリウムガーデン。写真の季節は冬で、一足早く春の花々を植栽。冬でも草花が爛漫と咲く景色は、花を愛するガーデナーはもちろん、訪れるすべての人々にとって何よりのサプリメントですね。 アトリウムガーデンは年6回、テーマを設けて模様替えしています。春は「イースターガーデン」、夏は「アドベンチャーガーデン」、秋は「ハロウィンパーティー」、冬は「フローラルクリスマス」など、季節によってガラリと雰囲気が変わりますよ! 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のアトリウムガーデンの中でも人気が高いのが、多肉植物を使った箱庭の展示です。この展示はミュージアムのスタッフがデザインから作成。小さな家なども手づくりし、多肉植物を約100種類ほど使って美しい箱庭の景色をつくりだしています。写真は秋のハロウィンの季節に展示したもので、それぞれの季節に合わせて細かく模様替えされているんです! 夏は麦わら帽子をかぶった釣りをしているおじさんがいたり、冬には家の玄関扉に小さなクリスマスリースが飾られ、毛糸の帽子をかぶったおじいさんやおばあさんがクリスマスを楽しんでいたりと、ほっこりと心なごむ演出が見られます。 年間約40講座が開催されるカレッジは大人気 雑貨ショップやレストランも忘れずにのぞこう! 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内にある「花工房」では、さまざまなフラワーカレッジ(寄せ植えやクラフト教室など)を年間約40講座設けています。写真は、夏に開かれた子どもカレッジの陶芸教室。好きな葉を粘土に押しつけて型を取り、葉っぱのお皿などをつくっています。特に夏休みの子どもカレッジは大人気で、キャンセル待ちになることもしばしばです。 お土産ものを扱う売店もあるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。お花をモチーフにした雑貨が多数揃うセレクトショップでは、素敵な品々に目移りしそう。ハンカチや布巾、ホームフレグランスサシェなど500〜1,000円くらいの雑貨が人気で、手土産にちょうどいいですね。店頭では、鉢花も販売していますよ。 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内の休憩棟には、併設でイタリアンレストランもあるので、ちょっと一息を入れるのもいいですね。中庭に面した大きな窓から自然光が入る明るい店内で、ガーデンの花や緑を眺めながら食事を楽しめます。また、テラス席ではワンちゃん同伴OK。ワンちゃん用のメニューもありますよ! Information 三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館 所在地:千葉市美浜区高浜7-2-4 TEL:043-277-8776 https://sunsetbeachpark.jp/facilities/flower.html アクセス:公共交通機関/JR稲毛駅西口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園プール」行で「花の美術館」下車。または「高浜車庫」行で終点下車徒歩5分 JR稲毛海岸駅南口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園入口」行で終点下車徒歩5分 オープン期間:通年 休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日〜1月3日 営業時間:9:30~17:00 料金:大人300円 小・中学生150円(30名以上利用で団体割引有) 駐車場:550台 普通車:300円(3時間まで)、以降1時間経過ごとに100円、1日最大600円 ※プール開催中のみ1日600円 大型車:1日1回2000円 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」 ・神秘の色のヒスイカズラ、その魅力とは ・花好きさんの旅案内、シンガポール「ナショナル・オーキッド・ガーデン」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/




















