- TOP
- ガーデン&ショップ
-
愛知県

花の庭巡りならここ! 花々に彩られたテーマパーク「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア…
複合型リゾート施設の最新コンテンツ 季節の花々に彩られた楽園へ出かけよう 複合型リゾート施設「ラグーナテンボス」内にオープンしたのが、「ガーデン」をテーマにあふれんばかりの花々で彩られる「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア」です。園内の面積は9,000㎡で、「フラワーフォール」「フラワーバレー」「フラワービーチ」「フラワーアーチ」「フラワースカイ」「フラワーオーバル」の6つのエリアにゾーニングされ、1時間ほどで巡ることができます。 コンセプトは「花と水とアートが融合したエンターテインメントガーデン」で、見せ方にこだわった芸術的な花々の競演には、舌を巻くばかり。「草花にはこれほどの演出力があったのか」と、想像を超えたエンターテインメントあふれる空間に圧倒されます。空中散歩ができる花の園路など、テーマパークならではの展示構成を、ぜひ楽しみましょう。 季節によって、ミニバラ詰め放題やサシェづくり体験、オリジナルハーバリウム体験、チューリップの球根詰め放題など、さまざまなイベントも開催されているので、要チェックです! 手入れの行き届いたフラワーテーマパーク 一面を彩る花々からパワーをもらえそう ゲートから一歩入ると、まず目に飛び込んでくるのが「フラワーフォール」。インパクト大の高さ4mの壁が30mに渡って続き、花々で鮮やかに彩られています。この壁と足元のフラワーベッドとをつなぐ、大型の寄せ植えコンテナも見どころです。せせらぎの音が心地よい小さな滝も流れ、自然に奥へと歩みが導かれます。 まるで花畑の上を空中散歩している気分になれる「フラワーバレー」の一角。小道が谷となり、両脇にはなだらかな丘が設けられ、芸術的な花々の植栽には拍手を送りたくなるほどです。丘によって周囲への視界を遮ることで、「小道のカーブの先には、どんな景色が広がるのかしら?」と、より期待感が高まります。 「フラワーバレー」で空中散歩をしている気分になれる理由が、これ。歩道はガラス張りで整備されており、その下にも季節の花々があふれんばかりに咲いているのです! ガラスを透かして見るので、発色のいい草花を選び、上向きに咲く花を厳選しています。上から足元の花を覗き込む体験なんてなかなかありませんから、空中散歩の贅沢を存分に楽しみましょう。 高さ4mの花の壁が圧巻の「フラワーオーバル」。楕円形のプールを中心に360°すべてを花の壁で筒形に囲っています。色のコーディネート・デザインは季節によって変えているので、何度でも訪れてみたいものです。プールの水面には周囲の花々が映り込んで、いっそう華やぎをもたらします。ベンチが設けられているので、座ってゆっくり眺めるのもいいですね。訪れる人々からは「写真映えしました」「孫とまた一緒に来たいです」「流れてくる音楽ともマッチしていて癒されました」といった声が聞かれます。 最後に視界がパッと開けた先に登場するのは、「フラワービーチ」。真っ青なビーチの上に浮かぶ花の島をイメージしています。夏は南国らしい花が植栽され、雰囲気を盛り上げます。季節に応じたフォトブースが設けられているので、ぜひ記念にインスタ映えする写真を撮影しましょう。夜のライトアップの際には、水中イルミネーションが光り輝き、色が幾度も変化して花々の魅力を引き出します。 「フラワービーチ」横、「フラワーアーチ」のエリア。季節の花で埋め尽くされた、ダイナミックなアーチが10基つながるコーナーです。季節によって植栽を変えて色合わせを考慮し、アートとして表現。色とりどりの花のアーチをくぐって、先へと続く散策路を進みましょう。 ナイトタイムのライトアップは幻想的! 冬期はイルミネーション「ジュエルガーデン」を開催 「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア」はラグナシア閉園まで楽しめます。日没後はライトアップされ、夜ならではの花と光のコラボレーションを演出。昼間とは違った幻想的な空間を楽しみましょう。冬のイルミネーション期間は、まるで宝石をちりばめたような「ジュエルガーデン」が披露されます。 絵本の中から飛び出してきたかのような キュートなカフェレストランでひと休み 「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア」敷地奥に登場する、カフェレストラン「ラグーナの森」。まるで絵本から飛び出したかのようなメルヘンチックな外観が目印です。客席は店内が36席、テラス席が18席あり、花景色を眺めながら、ゆったりくつろげます。 インテリアも可愛らしい「ラグーナの森」は、フレンチスタイルのカフェレストラン。ランチの価格帯は1,000〜1,600円で、ここでしか味わえないオリジナルメニューが揃い、お皿の中に花を散らすなど、目でも楽しませてくれます。人気メニューは炙りサーモンアボカド丼1,500円、ストウブ鍋1,600円など。 大人気メニューのローストビーフ丼1,600円。ジューシーなビーフのトップには、卵黄が載っていますよ! 西洋わさびソースとの相性も抜群、感動の一皿です。 デザートメニューも充実しています。モンブランやベイクドチーズケーキなど、各種ケーキにジェラートが添えられた一皿が680円。写真の「森のチョコレートパフェ」は1,250円です。 Information ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア 所在地:愛知県蒲郡市海陽町2-3 TEL:0570-097117 https://www.lagunatenbosch.co.jp/event/rg/flower/ アクセス:公共交通機関/JR東海道線・名鉄蒲郡線「蒲郡駅」より無料シャトルバス15分 車/東名高速道路「音羽蒲郡IC」よりオレンジロード経由で20分 オープン期間:通年 ※不定休 休園日:なし 営業時間:10:00~21:00 ※期間・日によって異なる 料金:大人2,250円 小学生1,300円 幼児800円 駐車場:1,000台 800円(1日)※期間・日によって変動あり 併せて読みたい ・花好きさんの旅案内 シンガポール「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」 ・オージーガーデニングのすすめ「オーストラリアの木生羊歯」 ・花の庭巡りならここ! 22のガーデンスタイルが楽しめる「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
-
イギリス

英国「シシングハースト・カースル・ガーデン」色彩豊かなローズガーデン&サウスコテージガーデン
120年前のこと、英国の慈善団体ナショナル・トラストは、開発で失われていく自然や、歴史ある建物や庭といった文化的遺産を守り、後世に残そうと、活動を始めました。多くのボランティアの力によって守り継がれる、その素晴らしい屋敷と庭を訪ねます 時とまどろみに埋もれた庭 シシングハーストの庭園は、詩人、作家として活躍した妻のヴィタ・サックヴィル=ウェストと、外交官で作家でもあった夫のハロルド・ニコルソンによって、1930年からつくられました。 庭園の設計は、夫ハロルドの担当。彼は、もともとあった古いレンガ塀を生かしつつ、セイヨウイチイの生け垣を間仕切りとして効果的に設計するなどして、個性の異なる庭がつながっていくようにデザインしました。そして、感性豊かな妻のヴィタは、夫のデザインした古典的でエレガントな枠組みの中に、色彩豊かでロマンチックな植栽を施しました。 1930年、ヴィタは300年間打ち捨てられていたシシングハースト・カースルに出合うと、一目で恋に落ちました。彼女の目には、廃墟と化していたエリザベス朝時代の建物が「眠りの森の城」のように映り、芸術家としてのイマジネーションをかきたてられたのです。「時とまどろみに埋もれた」場所。ヴィタはのちに『シシングハースト』と題した自らの詩の中でも、そう表現しています。彼女がつくり上げたのは、時の中に埋もれるような、秘密の花園でした。 色彩躍るローズガーデン 庭園のシンボルである塔(タワー)の下に広がる芝生から、脇にある小さなゲートをくぐると、その先にローズガーデンが広がっています。この庭が最も美しいのは、6月下旬から7月上旬。ヴィタが愛した数々のオールドローズが咲き誇る季節です。 ヴィタとハロルドが庭園をつくり始めた当初、バラは現在のホワイトガーデンに植えられていました。しかし、バラが増えて手狭になったために、1937年、キッチンガーデンとして使われていたこの区画に移され、新たにローズガーデンがつくられました。 ローズガーデンの構造の中心となるのは、長方形の庭のほぼ中央にある、「ロンデル」と呼ばれる円形の生け垣です。長い年月を経て厚い壁のようになったセイヨウイチイの生け垣は、小さな苗木から育てたとは想像もできないほど立派です。このロンデルからは四方に小径が出ていて、その一つは西の端にある、弧を描く石塀を背にした芝生のステージに行き当たります。ハロルドの設計した生け垣や芝生のステージには、どこか舞台装置のような趣があって、古典的なデザインながらも、ちょっとした驚きが隠されています。 ヴィタが庭づくりを始めた頃に心に描いていたのは、「バラやハニーサックル、イチジク、ブドウが揺れる」花景色でした。赤味がかった古いレンガ塀には、それらのつる性植物が絡まって、風に葉を揺らし、時とまどろみに埋もれる花園の雰囲気を生み出しています。 花壇では、こんもりと茂るように仕立てられた数々のバラの合間に、ピオニーやアリウム、アイリス、シュウメイギク、エレムルスといった宿根草や球根花が、ヴィタいわく「泡立つように」茂って、バラの美しさをさらに引き出しています。 20世紀のジャーナリスト、アン・スコット=ジェームズによると、ヴィタは「オールドローズの美しさや香りだけでなく、そのロマンに惹きつけられた」といいます。彼女は「長い歴史を持つバラ、例えば、17世紀にアラブ人によってペルシャからもたらされたであろう、暗い赤色をしたガリカ種のバラ」や、「‘カーディナル・ドゥ・リシュリュー’のような、過去の記憶を呼び起こすような名を持ったバラ」を好みました。ヴィタにとって、バラは美しいだけでなく、歴史を偲ばせ、詩作のイマジネーションを誘うものだったのかもしれません。 ヴィタは園芸の正式な教育を受けたわけではありませんでしたが、試行錯誤の中で自ら多くを学んだ、才能あるガーデナーでした。彼女が英国の新聞、オブザーバー紙に毎週書いていたガーデンコラムは人気で、亡くなる前年まで14年余りに渡って掲載されました。 ヴィタはむきだしの土が見えているのがとにかく嫌いで、その植栽スタイルは「どんな隙間にもどんどん詰め込む」というものでした。草花があふれるように茂って、きらめくような色彩と香りを放つ花景色を好んだヴィタは、完璧さを求めず、直感の告げるままに庭と向き合って、美しい植栽を生み出しました。 夕暮れ色のサウスコテージガーデン ピンクを基調としたロマンチックな雰囲気のローズガーデンとは対照的に、サウスコテージガーデンでは、黄色やオレンジの花々がハッとするようなまぶしさを放っています。 かつてこの庭は、単にコテージガーデンと呼ばれていましたが、ヴィクトリア朝時代に流行った、いわゆるコテージガーデン(田舎家の庭)のスタイルではありません。シシングハーストの他の庭と同様に、この庭にもヴィタとハロルドの洗練された美意識が感じられます。 庭の中央で目を引くのは、たっぷりとして丸みのある、やや不安定なフォルムをした、4本のセイヨウイチイのトピアリーです。そして、レンガや石を敷いたまっすぐな小径が、長方形の花壇を囲むように縦横に伸びています。 植栽のカラースキームは、黄、オレンジ、赤を中心としたもので、「サンセット」がテーマ。日本の夕暮れは茜色のイメージですが、ヴィタがイメージしたのはおそらく、温かみのある、黄金色に輝く光が降り注ぐような、イギリスの華やかな夕暮れだったのでしょう。 ヴィタの時代には、この庭の見頃は晩夏から初秋にかけてでしたが、現在は、春から夏をピークに、庭の楽しみが長く続くような植栽になっています。夏の花壇は本当にまばゆいばかりで、黄やオレンジの花色の魅力を再発見できます。 夏、色鮮やかに咲き誇るのは、インパクトのある花姿のトリトマやカンナ、それから、華やかなダリアです。バーバスカムが長い花穂を上に伸ばす一方で、クロコスミアはオレンジ色の花穂をゆらゆらと揺らします。 そしてそこに、スイートピーや赤いヒマワリ、ヒナゲシといった一年草が加わって、可愛らしさを添えています。 一方、春の庭は、夏と比べると、より温かみのあるトーンの花で満たされます。チューリップ、エリシムム、オダマキ、アークトチス(ハゴロモギク)が、穏やかに春の歓びを告げています。 ヴィタとハロルドは、地所内に点在する、エリザベス朝時代の4つの建物を住居として使っていました。庭園の入り口付近の建物には図書室と兼用の居間が、塔(タワー)にはヴィタの書斎がありました。ホワイトガーデン脇の家は子どもたちが暮らし、家族で食事をする場所で、このサウスコテージには、ハロルドの書斎と、2人の寝室や浴室がありました。それぞれの建物は、距離はあるものの庭によってつながれ、ヴィタとハロルドは生活の場が分散していても、気にすることはなかったといいます。 サウスコテージにあるハロルドの書斎やヴィタの寝室の窓辺からは、この明るい庭を見渡すことができます。ハロルドは、庭に置いてある石のくぼみで、夜の間に降った雨の量を調べるのを毎朝の日課にしていました。この庭は2人にとって、すぐそこにあった庭。最も身近で、日々の暮らしに深く結びついた庭でした。 併せて読みたい ・ガーデナー憧れの地「シシングハースト・カースル・ガーデン」誕生の物語 ・ナショナル・トラスト2018秋冬コレクション 英国有数の保養地 イングランド南西部を訪ねる ・英国の名園巡り、ビアトリクス・ポターの愛した暮らし「ヒル・トップ」
-

「庭道具屋toolbox」店長に教わる! 剪定バサミのスペシャルメンテナンス
「切れる」を「維持できる」のが魅力 FELCOの剪定バサミ 樹木類の手入れのなかで最も重要な「剪定作業」。この作業次第で、以降の植物の成長や見た目が左右されます。きちんと、そして気持ちよく作業ができるように、「切れるハサミ」を使いたいものです。理想は「切れる」と同時に「切れるのを維持できる」こと。その両方を兼ね備えているのが、皆さんご存知の「FELCOの剪定バサミ」です。 FELCOは精密機器を得意とするスイスの刃物メーカーの製品。ここのハサミは「切れ味がよい」ことはもちろんですが、それにプラスして「すべてのパーツに分解して手入れができ、壊れたパーツを交換できること」が、大きなポイントです。 ヨーロッパの庭文化は、庭の管理を職人に任せる日本の庭文化とは異なり、自身で作業しながら楽しむという歴史があります。一般家庭でもガーデンツールは自分で手入れして大切に長く使う習慣が根付いているので、FELCOは各家庭できちんと手入れができるように設計されているのです。 レッツ トライ! 年に1回は行いたいスペシャルケア 剪定バサミを使う頻度にもよりますが、バラなど剪定作業が多い植物を多く育てているガーデナーは、年に1回を目安にスペシャルケアを行いましょう。 通常は使用後、毎回布で水分と植物のヤニをふき取るだけで大丈夫。ヤニは粘りがあるなどしてこびりつきやすいので、ヤニクリーナー(下写真参照)を吹きかけて取り除くといいでしょう。でも、数年するとネジ周りの油が劣化して固まってしまったり、併せてヤニも混ざっていたりするので、ハサミを分解して、通常のケアでは取り切れない汚れを除くようにします。これがスペシャルケアです。 【まず道具を準備しましょう】 作業に必要なもの/①ボックスレンチ、②モンキーレンチ、③真鍮のワイヤーブラシ、④ヤニクリーナー、⑤刃物手入れ用オイル、⑥シャープナー(砥石)、⑦千枚通し、⑧メッシュサンドペーパー(100番) 【黒田さんにスペシャルケアをしてもらう、古びたハサミ】 このハサミは20年以上前に使われていて、長年放置されていたもの。当時こまめな手入れがなされていなかったため、刃の部分に植物のヤニが分厚くつき、やや開きにくくなってしまいました。しかし、サビはほとんど見られません。このハサミ、よみがえるのでしょうか? ※ここでお手入れするハサミは現在ほとんど出回っていないモデルFELCO4。現在のモデルとネジ周りの仕様は若干異なりますが、手入れ法は同じです 一つひとつ丁寧に分解して お手入れスタート! 【分解・手入れ】 まずスプリングを外す。引っ張ると簡単に外すことができる。 ハサミの表裏のナットをレンチで外す。 ナットが外れると、これらのパーツに分解できる。ネジとナットが入る向きを覚えておこう。 購入当初からつけられていたグリースとヤニなどの汚れが、刃以外の部分にもこびりついているのが分かる。 刃の平らな面をサンドペーパーに軽く押さえつけるようにしてこすり、汚れやサビを落とす。汚れだけを削るような感覚で力を入れる。 カーブが効いた刃面や側面などは、サンドペーパーを当ててこする。 ワイヤーブラシで、軽い汚れやサンドペーパーでこすって剥げた汚れを落とす。 サンドペーパーで落とせない凹凸部分などは、千枚通しで丁寧にこすって落とす。 ワイヤーブラシで汚れを払い落として、全体をチェックする。 スプリング部分の汚れやサビも、ワイヤーブラシでこすって落とす。 【組み立て】 組み立てる前に、ナットが入る中心部分にオイルをさす。 合わせる側の穴にも油をさす。 ボルトを元の穴に通す。 ハサミをひっくり返してナットをはめ、レンチで締める。固く締めすぎないように注意。 ハンドルの開き具合を確かめる。開いた上側のハンドルが、ゆっくり落ちるぐらいの締め加減が◎。 スプリングを取り付け、仕上げに砥石で刃を研ぐ。フェルコの切り刃は刃先部分の幅が2~3mmとなっている。 刃の裏面は水平に砥石で研ぐ。 研ぎが終わったら終了! 見違えるようにきれいな姿になり、古びていたのではなく汚れていただけで、見事によみがえった。 販売されている FELCO専用のお手入れアイテム&パーツ FELCOは、スペシャルケアに必要な専用の道具を揃えています。アイテムは、砥石とグリース、破損やひどいサビが発生してしまった刃やスプリングのための交換パーツの4つ。ホームセンターに行けばいろいろな道具類がありますが、砥石とグリースは専用のアイテムを使うと安心です。 左からハサミ用砥石、グリース、替え刃、スプリング。砥石はダイヤモンドコーティングの鋼鉄製で、コンパクトで使いやすいのがGood。グリースはハサミの潤滑な動きを安定的に維持してくれます。 【グリースを注入する部分】 現在出回っている剪定バサミは、レクチャーで使ったFELCO4と異なり、ネジ部分で2段構造になっており、締める強さの微調整が簡単にできます。グリースをここの内側に注入することで、潤滑性が高まります。 ハサミを分解したら、ネジの穴周りのくぼみにグリースを注入します。購入当初から塗られているグリースは、ヤニと混ざって劣化していることもあるので拭き取ります。 toolboxでオススメする FELCOのハサミはこの6本! ショップオススメの、現在販売されているハサミ6種です。よく見ると少しずつハンドルや刃の大きさ、形態が異なります。 ◆FELCO6 軽量・コンパクトで使い勝手がよく、特に女性など手の小さい人に向いている。ホームユースタイプ。 (全長:19.5㎝/重さ:210g) ◆FELCO8 標準的なサイズ。ハンドルから切刃に力を伝えやすいフォルムに、フィット感抜群のハンドルと、機能性が非常に高い。 (全長:21cm 重さ:245g) ◆FELCO100 切刃には、切断した茎や枝を落とさずつかむことができるプレートが付いており、バラの剪定や果樹の収穫に向く。 (全長:21cm 重さ:255g) ◆FELCO12 コンパクトで軽量なハンドルが回転式のタイプ。力が刃に効率よく伝わるので疲れにくく、相当数剪定する人に向く。 (全長:20cm 重量:265g) ◆FELCO31 両刃仕上げの切刃と枝の滑りを抑えるアンビル(受台)を採用しており、枝を切断した時の衝撃を軽減。 両手兼用。 (全長:21cm 重量:225g) ◆FELCO13 全長が長く、両手で握って力を入れて作業できるロングハンドル。太い枝の剪定などの時に活用する。両手兼用。 (全長:27cm 重量:310g) 大切なのは日々の手入れ 念願かなって手に入れた高価なハサミも、そのつどの手入れをしなければ、次第に仕事の精度も低下してしまいます。使い終わったらすぐにヤニクリーナーでヤニを取り除き、水分もふき取った状態で保存をするようにしましょう。普段からきちんと手入れをしておけば、スペシャルケアも楽にできます。 「庭道具屋toolbox」でFELCOの剪定バサミを購入された方は、黒田さんがショップにてメンテナンスをしてくれます。その他の場合は、FELCO剪定バサミの輸入代理店による「FELCOメンテナンス工房」があるので、以下にご相談ください。 昭和貿易株式会社「FELCOメンテナンス工房」 http://www.showa-boeki.co.jp/felco/ 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪2 「庭道具屋 toolbox」 ・バラが似合うおしゃれなガーデングッズ5つ ・イギリスのガーデンデザイナーもオススメするデザイン・機能性に優れた5アイテム 【GARDEN SHOP DATA】 庭道具屋 toolbox 世界のこだわりのガーデンツールやアイテムを扱う、園芸ショップ。逸品がずらりと並ぶ品ぞろえに、本格派ガーデナーの熱い支持を得ている。2019年1月、世田谷・用賀から移転して、埼玉県越谷市にオープン予定。 住所:埼玉県越谷市恩間413-10 TEL: 048-971-7814/FAX: 048-971-7815 URL: https://www.rakuten.co.jp/toolbox/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
-
ドイツ

オーガニックコスメ「ヴェレダ」社のハーブガーデン・レポート! ヴェレダの商品を使った至福のトリートメ…
ドイツにあるヴェレダ社の広大なハーブガーデン ナチュラル・オーガニックコスメブランドのヴェレダ。「人と自然との調和」をモットーに、植物一つひとつがそれぞれ持つ力を引き出し、人の美しさや健康へと生かす商品を販売しています。ヴェレダの数々の商品に使われている原材料の一部は、世界各地にある自社農園で栽培・収穫された植物も含まれています。中でも最大の農園が、ドイツのシュヴェービッシュ・グミュント北方の高原にあるハーブガーデン。20ヘクタールの敷地にさまざまな植物が育つ、広大な薬用植物苑です。前回は、植物や虫など、そこに住まう生物たちが調和を保つこの美しい庭についてお話ししました。今回は、ハーブガーデンのガイドツアーを終えてから受けた、至福の体験についてご紹介します。 ガーデンの隣に建つヴェレダの工場 さて、ヴェレダ社の広大なハーブガーデンは、もちろん、ただ目で見て美しいだけの庭ではありません。ヴェレダの製品に使われている植物原料は、可能な限り、認証を受けたオーガニック栽培かバイオダイナミック有機栽培で収穫されたもの、または管理された野生採集のものが使用されています。このハーブガーデンも、そんな薬用植物の収穫の場の一つです。ハーブガーデンでは、多くの薬効あるメディカルプランツやハーブが育ち、その中から180種の植物が実際に収穫されてヴェレダの医薬品や化粧品の原料として利用されています。 収穫された薬用植物が、製品となるまでの工程の一部が行われているのが、ガーデン入り口のすぐ近くに立つ、鮮やかな赤色の工場の中。収穫されたさまざまな植物から、薬効成分を抽出するなどして、製品に使用できる形にしています。ちなみに、ヴェレダのボディオイルやバス用品は、すべてここ、シュヴェービッシュ・グミュントにて製造されているそうですよ。 見学では、工場内に足を踏み入れることはできませんが、収穫から製品に使用されるまでの工程の解説を見たり、サンプルを見学したりできます。植物の持つ力が引き出され、スキンケアやボディケアなどさまざまな製品に役立っている過程は興味深く、面白いものです。 至福のトリートメント体験 この日は広大なハーブガーデンを巡り、今まで知らなかった新しい知識の数々を得ることができました。ガーデンを巡る間はずっとワクワクしていましたし、とても充実した一日を過ごせたのも確かですが、ここを訪れるまでの長時間のドライブの疲れもあり、一通り見て回った後にはちょっとグッタリ。ちょうどそんなタイミングで、疲れが吹き飛ぶようなオーガニックなヴェレダ製品を使った至福のトリートメントを体験することができました。 場所はヴェレダのショップの2階。開放的なショップがある1階から2階に上がると、25人ほどが入れる大きな部屋がありました。ラッキーなことに、私たちが体験した時には貸し切りの状態。部屋に足を踏み入れると、ほのかにハーブのよい香りが鼻をかすめ、それだけでも疲れが軽くなるのを感じます。窓が大きくて光がたっぷり入る、暖かそうな部屋の中心には数組の椅子があり、壁沿いには、パイル地のタオルとバケツとともに、ヴェレダ製品が並んでいました。 これから何が始まるのか、ドキドキしながら椅子に座ると、感じのいい素敵な女性スタッフが、数種類のハーブオイルを見せてくれて、どんな香りが好みなのかを質問してきました。ヴェレダの製品には、それぞれシンボルとなる、効能や個性豊かなキープラントがあります。その中から、今回、私が選んだのはラベンダー。好みの香りを選ぶと、靴と靴下を脱ぐように促され、容器にお湯を張って、ヴェレダの「ラベンダー バスミルク」を入れた足湯に浸かることになりました。 足湯の温度は38~39℃ほど。もちろん、個人の習慣によっても異なりますが、10~20分くらい、あまり熱すぎないお湯を使うとよいとされています。爽やかな香りが漂う足湯は極楽気分で、しばらくすると疲れ切った足もすっかりリフレッシュ。 この足湯と同時に、首周りに蒸しタオルを巻いてもらうのもとても気持ちがよく、ドライブや取材で疲れていた体や首がほぐれ、頭痛が引いていくのを感じました。タオルからは、心身の調和を整えるというバラの香りが。座っていた椅子から一面に大きく開いた窓を見やると、緑の木々越しに輝く太陽と青い空が見え、鳥たちの歌声も聞こえます。ゆったりとリラックスできる、まるで天国のような素晴らしい時間でした。 足湯を終えると、最後にリラックスオイルを使ったハンドマッサージまで受けることができました。ヴェレダの製品体験の時間は、合わせて30~40分ほど。トリートメントを終え、すっかりリフレッシュした気持ちで帰途につきました。 ヴェレダのキープラント ヴェレダの製品にはどれも、シンボルとなる固有の薬用植物があり、それらはキープラントと呼ばれています。キープラントは、それぞれ私たちの健康や美容に生かすことのできるパワーを持っています。 例えば、今回の体験で私が選んだラベンダー。濃厚で爽やかな香りは、リラックスや鎮静効果があるとして、古代より親しまれてきた有名なハーブです。ラベンダーの花から採れる精油には、中枢神経系を鎮める働きや身体をリラックスさせてくれる効果があり、神経興奮や不眠症、けいれん、心血管疾患や消化不良にもいいとされています。ラベンダーは、疲れた心身のケアにぴったり。不眠気味の人は、お風呂にバスミルクを入れたり、眠る前にボディオイルでマッサージしたりすると効果が期待できます。 ローズマリーも一般的なハーブの一つ。すっきりとした強い香りは、リフレッシュや疲労解消に効果があるとされています。その精油は消化促進や循環機能、神経細胞の活性化などの効能を持ち、冷えの改善や、リューマチや偏頭痛の緩和に効果的だそう。また、殺菌作用にも優れていて、入浴剤にすれば、治りにくい傷に治癒効果があります。ハーブティーなどで口にしても、オイルを肌に塗ってスキンケアとしてもいい高性能なハーブです。 もう一つ、入浴時のバスミルクとして、ぜひオススメしたいのが、モミ(サパン)。一般的にクリスマスツリーとして使われる、モミの木から抽出した精油を用いています。常緑樹のモミの木は、冬でも葉が落ちることなくみずみずしい姿を保つことから、永遠の生命の象徴として、ローマ時代に欧州各地で行われていた冬至祭で崇拝されていました。また、ヴェレダの思想として重要な、アントロポゾフィー(人智学)的な視点からは、寒い北の国で内部に熱や力を蓄え、外界の刺激から身を守り、均衡を保ちながら育つ植物とされています。ちなみに、ヴェレダのモミの精油は、極寒の地シベリアに育つモミから採れたもの。そのバスミルクは、まるで森林浴をしているかのような心地よい香りで、しっかり体を温めてくれます。 ヴェレダのガーデンガイドツアーとトリートメント体験 今回私が訪れた、ドイツのシュヴェービッシュ・グミュント北方の高原にあるハーブガーデンでは、申し込みをすれば、誰でもガーデンガイドツアーやトリートメント体験に参加できます。体験できる主なトリートメントは、バスミルクを使った足湯や蒸しタオルなどのリラクゼーション、ボディオイルを使ったマッサージなど。手や脚、首のように、体の一部短い時間のみのマッサージでも、びっくりするほどリラックスできますよ。ボディオイルは季節により異なり、好きな香りを選ぶことができます。夏には、蒸しタオルの代わりに、レモンの香りがする冷たいタオルでリフレッシュするのもオススメ。ドイツを訪れた際には、ぜひ一度体験してみてくださいね。 日本ヴェレダHP https://www.weleda.jp/ 併せて読みたい ・オーガニックコスメのパイオニア「ヴェレダ」社のハーブガーデン・レポート! ・ドイツの秋冬の食卓に欠かせないバラエティー豊かなリンゴの実 ・お風呂でできる「ガーデンセラピー」、しませんか? Credit ストーリー&写真/Elfriede Fuji-Zellner ガーデナー。南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子ども向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。 協力/WELEDA 取材/3and garden
-
神奈川県

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪3 神奈川「苔丸」
鎌倉の住宅街にある園芸ショップ「苔丸」を訪ねる 鎌倉駅からバスに乗り、長谷観音や大仏を通り越して揺られること約15分。緑豊かな住宅街の中のローカルなバス停で下車し、1~2分歩いたところに「苔丸」があります。ショップのシンボルツリーとなる大木のサクラが目印で、その奥に佇む古い平屋が店舗。どこか懐かしさ漂うノスタルジックな雰囲気が、訪れた人を奥へと誘います。 身近にあるものを使った 独創的なディスプレイが魅力 季節の草花が並ぶ店先の陰に隠れたショップのエントランスから、苔丸の世界が楽しめます。建屋の壁を利用して木を組んだ棚には、ノコギリやハサミなどの古びた道具類や、山に転がっているような木片や動物の骨などが、ディスプレイ。一見ガラクタに見えるようなものでも植物と巧みに合わせて、遊び心あふれる見ごたえのあるシーンをつくっています。丁寧なディスプレイからは、オーナーの細やかな人柄がうかがえます。 マニアも身震いする 珍奇植物がずらりと揃う 中庭の建物側に設置した手づくりのサンルーム内は、オセアニアやアフリカ、南米などのユニークな植物がずらり。マニアもうなるこの品揃えは、オーナーの赤地光太郎さんのこだわりの一つです。仲買い人を通すこともありますが、多くはプランツハンターである知人に依頼して入手したもので、一般的な園芸店には出回らないようなものばかり。珍奇植物を知らなかった人も十分楽しめる空間です。 冬の寒さが苦手な植物が多いので、2018年春にサンルームのような空間を製作。雨の日も、ゆっくり買い物ができます。 建屋の掃き出し窓を取り除き、木の素朴な扉を自身で設置。ちょっとした棚を付けて、盆栽のような仕立ての珍奇植物をかわいらしくディスプレイ。 ニュージーランドでの出合いを きっかけに、自身の世界が花開く 植物にまつわることなら大抵こなせるという器用な赤地さんは、もともと切り花業界の出身で、花の販売だけでなく室内装飾なども幅広くこなしていました。数年働いたのちに見聞を広めるべくニュージーランドに渡り、園芸店でアルバイト。そこのオーナーの独特なセンスと植物の世界の奥深さに触れた時間は、とても衝撃的で意義深いものだったといいます。その経験が赤地さんを大きく前進させ、‛苔丸’をオープンさせるきっかけとなりました。 今から約15年前に自宅から近い古い民家を借り、園芸植物や資材、切り花を扱う‘苔丸’をオープン。「好きに改装していい」という大家さんの好意で、さっそく知人の手も借りながら建物を大改造。ニュージーランドの体験をもとに、自由な発想でコツコツと自身の世界をつくり上げていきました。 もともとお母さまが自然な庭をつくっていたことから、植栽のセンスも備わっていた赤地さん。店の奥に広がる庭も見ごたえたっぷり、必見です。そよそよとした植物が多い植栽は、世界各地原産の植物が盛り込まれていているのに、とても自然な趣。茂みの中にさりげなく配した古道具などの雑貨類が庭におもしろみを与えていています。その気負いのない自然なスタイルが心地よさを生んでいるのか、ここ数年で庭づくりの依頼が急激に増加。「ここに植わっているものを使って、庭をつくってほしい」という依頼も多く、そのたびに植物が持ち出されるので、庭は頻繁につくり替えています。半年に1回のスパンで変わることが多いので、ショップを訪れるたびに新たな風景が楽しめます。 赤地さんの真骨頂! 創意工夫を凝らしたサンルーム 赤地さんがデザインを考え、知人に形にしてもらったというサンルーム。よく見てみると、大きさも雰囲気も違う窓枠が使われています。フランスの木製の窓やアイアンの窓、イギリスのステンドグラス、日本の古民家の扉など、どれも古くて味わいのあるものばかり。すりガラスも使われていましたが、見通しをよくするために透明のガラスに交換。また、レトロモダンなデザインのライトは、ノルウェーのプールサイドで使われていたものだそうです。雰囲気の異なるアイテムをしっくりと馴染ませながら味わいを出す空間づくりは、赤地さんだからこそなせる業といえるでしょう。 珍奇な植物だけでなく ナチュラルな草花も揃う 苔丸では、楚々とした山野草や草花も販売しています。これらは、赤地さんが自然な庭づくりをする際に、あるといいなと思うもの。花色は白や青、パープルが多く、ラインの細いものがメインです。古びた雑貨や構造物、野趣を感じさせる樹木などとナチュラルに調和する草花が選ばれています。 植物以外のアイテムも充実 ギャラリーのような陳列も魅力 雰囲気のある店内には、鉢や雑貨類が整然と陳列されています。アイテムはいずれも渋い雰囲気で、アイアン製のものは日本やインドなどの古い道具類がメイン。鉢はひとひねりしたデザインが多いので、個性的な植物と合わせれば、アートな世界が楽しめそう。 がらりと趣が異なる やさしく上品な雰囲気漂う切り花 生活全般を彩る提案をしている苔丸では、切り花も販売。花は白やライムグリーンをメインにした、シックでノーブルな印象のものが並びます。こちらは奥様がメインで担当。苔丸らしい渋い空間にマッチしつつ、女性的で上品なエッセンスも感じられる、ナチュラルなセレクトです。 より個性が際立つ ショップ兼作業場(アトリエ) サンルームに併設するやや薄暗い部屋は、アンティークや古道具が並ぶショップ兼クラフト用のアトリエ。古代の土器やインドの古い生活道具、ヨーロッパのアンティーク瓶などが個性的な植物に合わせて飾られ、不思議な世界を織りなしています。 かつて住居だったとは思えない空間。和風だった古い壁面には工事現場の足場で使っていたという長い木板を貼りつけ、山小屋のようにワイルドに仕上げました。庭側の掃き出し窓は取り外してアーチ状の出入り口を設け、スムーズな動線をおしゃれに確保。押し入れや天袋だった形跡が見受けられるものの、それがかえって面白みとして生かされています。思い切ったリノベーションを重ねた空間は赤地さんの感性が凝縮され、個性を表現するキャンバスになっています。 申し込みがやや困難 大人気のクラフト講座 アトリエでは、月の第1・3・4週目の木曜日、午前1回・午後2回の一日3回、クラフトの講習会が催されています。作るものはリースやスワッグなどが主で、その時の気分で選べます。花材はここにあるものから自由に選ぶことができ、でき上がりは人それぞれ。寄せ植えレッスンをお願いすることも可能です。少人数制で、すぐにいっぱいになってしまうそうなので、気になる人は事前に問い合わせを。 赤地さんイチ押しはコレ! 他ではまだ見られない植物 ベスト4 かなりマニアックで購入する人は限られてくるかもしれませんが、一見の価値ある植物4種をご紹介します。 見慣れない異国情緒漂う植物、昔ながらの素朴な草花、日常で使われていた味わいのある古い道具に、ひんやりとした質感の無機質な道具――古今東西、あらゆるものが混在し、独特な世界感が広がっている園芸ショップ「苔丸」。個性的だけどどこか懐かしさを感じる空間は、鎌倉山の立地と相まって、ここでしか感じられない居心地のよさがあります。ぜひ鎌倉観光を兼ねて訪れてみてください。アクセスは、鎌倉駅より鎌倉山行きバスで約15分、旭ヶ丘停留所下車徒歩約2分。 【GARDEN SHOP DATA】 苔丸 神奈川県鎌倉市鎌倉山2-15-9 TEL/FAX: 0467-31-5174 URL: http://www.kokemaru.net 営業時間:10:30~18:00 定休日:火曜日 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪2 東京・世田谷「toolbox世田谷」 ・小さな庭と花暮らし「苔の緑を楽しむ」 ・黒田健太郎さんに学ぶ 数株で素敵に! シンプル寄せ植え&コーディネートLesson1 Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
-
イギリス

イングリッシュガーデン以前の17世紀の庭デザイン【世界のガーデンを探る旅15】
イタリアやフランスへの憧れから イギリス独自の庭文化へ発展 ヨーロッパの中では、文化的にも経済的にも後発国であったイギリスは、イタリアルネッサンスやフランスの宮廷文化に憧れて、国内に多くのイタリア式庭園やフランス式庭園をつくっていきました。しかし、イギリスは緩やかな起伏の丘が続くつづく地形で、イタリアほど起伏も急流もなく、また、フランスのような広くて平らな土地にも恵まれていませんでした。そのためイギリスにおいては、両方の庭園様式が深く根付く事はありませんでした。 またその頃、“知識は力なり”の格言で有名な哲学者フランシス・ベーコンや文学“失楽園”の著者、ジョン・ミルトンなどが、自然なものへの憧憬、大陸文化からの脱却を提唱し始めます。 庭園も、今までの整形的なユートピアから、自然復帰こそが神が示してくれたものであるという英国的価値観へと移行していきます。 17世紀につくられた「ハンベリー・ホール」と庭 今回ご紹介する庭は、イギリス中西部、ウスターシャーにある「ハンベリー・ホール(Hanbury Hall)」です。この屋敷は、大地主のトーマス・ヴェルノンが1701年からつくり始めました。庭園のデザインは、その当時、イギリスで流行していたフランス式庭園で、設計はハンプトン・コートも設計した造園家、ジョージ・ロンドンとヘンリー・ワイズが担当。しかし、ここには広々としたフランス式庭園がつくれるような平地はなかったため、この土地に合った小規模な整形式庭園がつくられたのです。 まずは、屋敷前の車寄せから見ていきましょう。広々とした車寄せの向こうには、樹齢300年といわれる針葉樹、アトランティックシダーが高木となり、両側には落ち着いた雰囲気の、よく手入れがされたボーダー花壇が訪れた人を歓迎してくれます。 オレンジ色の石造りの建物や柱と対比する、きれいに刈り込まれた芝のエリアには、オレンジのヘメロカリスやライムグリーンの花が咲くアルケミラモリス、ピオニー、シュウメイギク、そして塀の向こう側にはスモークツリー(ケムリの木)など、現代の私たちがイングリッシュガーデンでよく名を聞く植物たちがボーダー花壇に使われています。手前には、経年変化で味が出た鉢から鋭い葉を広げているアガベが引き締め効果に。 2人の造園家が担当した整形式庭園 建物の向こう側には、ツゲで区切られたいくつかの庭が並んでいます。順番に、そのデザインを見ていきましょう。まずは、スタンダード仕立てのナシの木と鉢植えのリンゴを配した、オランダ風のフォーマルガーデンです。その向こうのエリアでは、ほかでは見たことのないような素敵な花壇が出迎えてくれます。 丸く刈り込まれたナシの木が並ぶエリアを、低いツゲで縁取られた四角い花壇が囲むなど、木々の組み合わせで、平坦な敷地に立体感のある景色をつくっています。 屋敷から見渡せる場所には、一段下がった土地にフォーマルな沈床花壇がつくられています。きれいに刈り込まれた緑のツゲの縁取りに、独特な花の組み合わせで明るい雰囲気を出しています。薄黄色の低い刈り込みはヒメツルマサキ、真ん中のボールは斑入りのヒイラギです。 四角や円錐、丸いトピアリーを複数組み合わせてたフォーマルな、整って見える庭デザインですが、花の数が少なく、手がかからない工夫を感じました。また、色合いがイギリスにしては、はっきりとした原色系の花が使われています。現代のコテージガーデン風な色合いに慣れてしまっている私たちには、新鮮な驚きをもってこのコンパクトな庭を楽しむことができます。植えられている植物も、驚くほど少量で小さなコニファーのトピアリーと緑や黄色のヘッジ、それらが土の色と相まってつくり出している不思議な雰囲気の庭です。このような植え方は他では見たことがありません。これはつくられた当時からのアイデアか、または、今のオーナーのアイデアかは分かりませんが、皆さまも一度ここを訪れて不思議な感覚を味わってみてはいかがでしょうか? 庭を見学していたら、ガーデナーが直線的なツゲのヘッジの刈り込みをしていました。水糸を引いて神経質に思えるほど緻密な作業でしたが、その向こう側では、別のガーデナーとオーナーらしき夫婦が何やら話し合い。秋の植栽計画でも相談しているのでしょうか? 富の象徴の一つ、オランジェリー 「ハンベリー・ホール」の敷地内には、オランジェリーも当時のまま残っていました。かなり緯度の高いイギリスでは、冬に吹く冷たい北風から寒さに弱い植物を守るために、大きなオランジェリーがつくられました。その頃、イタリアルネッサンスへの強い憧れを抱いていたイギリスの富裕層にとって、イタリアへ旅行することは一種のステータスでした。そして、寒さに弱いオレンジの木などを自宅に備えたオランジェリーで栽培することも、自慢の種になっていたようです。 植物が外へ持ち出されている夏の間のオランジェリーの中は、ガランとした空間。春から秋までは、コンサバトリーのようにも使われることもあります。現在のような温室が登場するのは19世紀に入ってからですので、それ以前の時代は、寒さに弱い植物の冬越しはオランジェリーの中で行っていました。 イギリスの地形に合わせた庭デザインを模索する時代へ 庭から広がる穏やかな起伏に富んだイングランドの丘陵地、最もイギリスらしい風景です。大きな木はアトランティックシダ―。複雑な樹形は、この土地の歴史を物語っているようです。 大陸文化の模倣から始まったイギリスの庭の歴史は、イタリア式庭園、フランス式庭園、オランダ式庭園などの要素を吸収し、咀嚼しながら、ソフトなイギリスのランドスケープにフィットするような独自の様式を少しずつつくり出していきます。16世紀後半から7つの海を支配したイギリスに世界中の富が集まり、世界の文化と経済の中心としてのイギリスの時代と相まって、世界中に送られたプラントハンターが持ち帰った植物を使った華やかなイングリッシュガーデンの時代が始まろうとしています。 併せて読みたい ・イギリス発祥の庭デザイン「ノットガーデン」【世界のガーデンを探る旅14】 ・【初めてのガーデニング講座】小さな花壇で育てる一年の花サイクル ・松本路子の庭をめぐる物語 フランス・パリの隠れ家「パレ・ロワイヤル」
-
三重県

花の庭巡りならここ! 地域住民の誇り、英国式庭園「松阪農業公園ベルファーム」
地域の人々が関わるイングリッシュガーデン 2004年にオープンした三重県の「松阪農業公園ベルファーム」は、伊勢自動車道の松阪ICから降りてすぐの立地にあり、松阪の豊かな自然環境や地域農業を生かし、「食育」・「緑育」の場を提供することを目的に設置されました。総敷地面積23万㎡の広大な園内には、地域の人々に愛される、緑に囲まれた癒しの場として整備された、敷地面積1万4,000㎡のイングリッシュガーデンがあり、ゆっくり歩いて30~40分ほどで見て回れます。 イングリッシュガーデンは、日本に英国式庭園の魅力を広めたケイ山田さんの設計。リニューアルを重ねつつ、現在は9つのエリア、チェルシーガーデン、ローズガーデン、ウォールガーデン、オーチャードガーデン、ハーブガーデン、ローディー(シャクナゲ)ガーデン、コニファーガーデン、インドアガーデン(グラスハウス内)、ストリームガーデン(改装中)を見学できます。 毎週火曜日には、地域のボランティアスタッフが訪れて、雑草抜きや植え替えなどの植物のケアに励み、植物を愛する人たちのコミュニケーションの場になっています。イングリッシュガーデンに不可欠な植物でも、松阪の温暖な気候では育たないケースもあり、代わりになる植物は何か試行錯誤しながら、年月をかけて松阪の気候風土に合うスタイルのイングリッシュガーデンに育ててきました。地域の気候に合った植物とは? 最新のトレンド品種とは? その答えが見つかるスポットとして、ガーデナーが情報を求めて訪ねる交流の場にもなっています。 灌木と草花が織りなすハーモニーは必見! 手入れの行き届いたガーデン 写真はウォールガーデンに対で植栽されたアメリカハナナシで、自然に樹形が三角形に整う花木です。3月下旬〜4月上旬が見頃で、花色は淡いピンクから白へと移ろいます。桜と同様に開花期は短く、1週間程度。樹高が7〜8mあるため、満開の時期は大変見応えがあり、アメリカハナナシの花見を目的に訪れるファンの姿も多く見られます。 チェルシーガーデンエリアの4月下旬〜5月上旬の景色です。直径4×高さ4mの六角形のコンサバトリーには、樹齢約15年の藤が覆うように仕立てられ、満開時は壮観。ガラス張りのコンサバトリーの中から見る藤の姿も素敵です。地植えのネモフィラやワスレナグサなど、ブルーの草花とも好相性ですね。 ローズガーデンのエリアでは、花つきがよく優美な花姿が魅力のイングリッシュローズを中心に植栽。オベリスクが5基あり、つるバラ‘ソンブレイユ’などを這わせてメリハリをつけています。本場のイングリッシュガーデンではピンクのバラと紫のラベンダーの組み合わせがよく見られますが、この地域ではラベンダーの育ちが悪いのが悩みでした。試行錯誤の結果、得られた解決策は、暑さに強いジャイアントキャットミントを代わりに植栽すること。ピンクとブルーの色の対比がとてもエレガントです。 バラの見頃は5月中旬〜下旬で、イングリッシュガーデンのトップシーズンでもあります。園内には約60品種500株のバラを植栽。写真はイングリッシュローズの‘ボスコベル’とジャイアントキャットミントの競演です。 イングリッシュガーデンに入ってすぐのボーダーガーデン。手前にはピンク、紫、白のペインテッドセージを植栽しています。同時期に咲くジギタリスやペンステモンと相性がよいうえに、草丈60〜80cmで花壇の中段を埋めるのにちょうどいい花材。花つきがよく枝葉がやわらかいので、風にそよいで混ざり咲く姿もたおやかです。 自然豊かな里山の借景が素晴らしい 毎月の体験教室やイベントも充実の松阪農業公園ベルファーム 松阪の里山の借景に恵まれているイングリッシュガーデン。広葉樹が里山の景色をつくっているので、四季の移ろいを感じることができます。特に、4月頃のヤマザクラがふもとから頂上へだんだんと上がっていく景色、萌えいづる季節の新緑のグラデーション、寒さが増すほどに深い緑から冬枯れへと移り変わる景色……園内のイングリッシュガーデンももちろん素敵ですが、美しい里山の景色も見どころの一つ。小鳥のさえずりがすぐ近くで聞こえて、時にはカワセミの姿も見られますよ! グラスハウス内のインドアガーデンは、雨の日でも楽しめるエリア。このプールには、睡蓮、パピルス、コロカシアなどの水生植物を植栽。初夏からは睡蓮の端正な花姿が見頃になります。15時を過ぎると花が閉じてしまうので、午前中に訪れるのがオススメです。 また、毎月多彩な体験講座が開催されており、フラワーアレンジやプリザーブドフラワー、草木染め、ハーブせっけん作り、料理教室など魅力的なコンテンツが目白押しなので、ぜひ参加してみましょう(予約が必要な講座が多いので、公式ホームページをチェックしてください)。 写真は秋の景色で、パンパスグラスが季節感を演出、センニチコウ、リコリス、黄色コスモス‘キャンパスイエロー’などの花々が彩りを添えます。10月末~11月上旬は、ハンギングバスケットやコンテナのコンテストも開催されるので、ぜひ作品群を見に出かけましょう。 温暖な気候のため冬もオープンしており、年に1度くらいしか積雪はありません。でも実のところ、雪化粧をしたコニファーガーデンはとてもロマンティックな雰囲気を堪能できるので、貴重なタイミングを逃さずに。またバラの植栽が多いため、この時期は剪定のコツをつかみに訪れる熱心なガーデナーの姿もちらほらと見られます。 カフェのパティシエ作ジェラートはリピートして全制覇したい! 2018年オープン、無添加生地のこだわりパン屋さんも大盛況 「松阪農業公園ベルファーム」内、イングリッシュガーデンのエントランスには、「ガーデンカフェ ルーベル」があります。営業時間は10:00〜16:00(平日)、10:00〜17:00(土日祝、11〜3月は16:00)、ランチタイムは11:00〜14:00。園内の直売所から届く朝採れ野菜など、地元の旬の食材を使った食事を楽しめます。写真は野菜ソムリエの手作りランチ。パティシエのミニデザートつきで平日1,050円。 「ガーデンカフェ ルーベル」のオススメは、パティシエが作る季節のジェラート 。ミディアムサイズ2種盛り340円、3種盛り440円。フレーバーは季節によって変わり、こく旨ミルク、最高級抹茶(プラス30円)、松阪牛肉みそ、チョコレート、ブルーベリー、カボチャ、イチジク、塩レモン、アンズヨーグルト、ブラムリー、巨峰シャーベット、はちみつばんかんなど、常時10種類以上の味が楽しめます。個性的なフレーバーがずらり、これはぜひリピートしたいデザートですね! 2018年春には、「松阪農業公園ベルファーム」の直売所(農家市場内)に「国産小麦のパンとスイーツのお店『やさい畑』」がオープンしました。営業時間は10:00〜16:00。 国産小麦を100%使用し、イーストフード、保存料などの合成添加物は使わない無添加生地にこだわっており、すべて店内で手づくりしています。イートインスペースもありますよ(イングリッシュガーデン内での飲食は不可)! 「国産小麦のパンとスイーツのお店『やさい畑』」のオススメは、写真の最高級伊勢抹茶さくさくメロンパン162円。ほかにパンドミ345円、阿波黒牛揚げカレーパン270円、季節のフルーツタルト400円も人気です。 掲載している商品および価格は、2018年11月現在(消費税込み)の内容です。今後変更になる場合もありますのでご了承ください。 Information 松阪農業公園ベルファーム 所在地:三重県松阪市伊勢寺町551-3 TEL:0598-63-0050 http://www.bellfarm.jp/ アクセス:公共交通機関/JR・近鉄松阪駅よりタクシーで約20分、バスで約30分 車/伊勢自動車道松阪インターより東に約500m オープン期間:周年 休園日:2019年4月より、5・8月を除く毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、12月31日、1月1日 ※臨時休園あり 営業時間:イングリッシュガーデン10:00〜17:00 (施設により異なる) 料金:無料 駐車場:普通車700台、大型バス10台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ!「かおり風景100選」に認定された「山形県村山市 東沢バラ公園」 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 ・花の庭巡りならここ! 色彩美を表現する印象派庭園を一度は見ておきたい「浜名湖ガーデンパーク」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
-
北海道

春をイメージして手が進む晩秋の庭仕事
私流の秋の庭作業スタイル 秋の森は静かです。にぎやかな虫の声も、鳴き交わす鳥の歌も、時の向こうに消え、耳にささやくのは風が草葉を抜ける音だけ。毎年、急にシンとした森に「ああ、秋が来た……」と思います。もうすぐ長い冬……花咲く庭が名残惜しくなりますが、寂しがってはいられません。本格的に冬を迎える前の「今」こそ、来年に向けた絶好の庭シーズンです。 この季節の朝晩は、関西の真冬並みに冷え込みます。太陽が照らす日中は温度も上がり心地よく感じますが、それはほんのいっとき。寒がりの私の体に冷えが伝わってこないよう守ってくれるのが、ナイロン製の農作業着「ヤッケ」です。さすがプロの農家さんの御用達だけあって、動きやすさも防寒も抜群! 一般的なピッタリサイズの上下の着こなしに、私はちょっと、ひと工夫。あえて特大サイズの上着に、黒いワンサイズ小さいズボンを履いて、チュニック風に見せています。農作業着のお店にはお手頃価格でサイズも色も豊富に揃っているんですよ。 軽作業の時は写真のようにゆったりしたワンピースを重ねます。庭用にザブザブ洗える薄手のデニムで作りました。何年も庭に出るたび羽織ってきたワンピースで庭にいると、庭に溶け込んでいける気がします。汗をかくほど動かない時は、なおさら冷えやすいのですが、一枚のワンピースがつくる空気層で心地よくポカポカです。 楽しみでする庭仕事。身も心も心地よくありたいと思っています。 秋恒例の庭作業はお買い物からスタート 庭仕事着を身にまとって庭に出る前に、まず向かうのはガーデンセンター! 狙いは球根とバーゲン苗です。荒地だった土地に森を育てようと手入れをしている木々が育ち、日陰が増えている私の庭。庭の主役をバラから日陰に強いアジサイに変えようと苗を買ってきました。お値段なんと250円! 小さな苗が主役に育つのは何年後でしょうね。 チューリップは‘ピンクダイヤモンド’を毎年買い足しています。帰ったら腕まくりもそこそこに、裏庭で植え込み準備を開始。まずは、一つひとつに巻かれた品種名のラベル剥がしです。長雨続きの庭は荒れてきていますが、そんなの目に入りません。お手入れは後回し。 ウキウキした私を見て、愛犬のユピーやノノもソワソワ。あらら、球根をオヤツと思い込んで「おすわり」しちゃった。 球根を狙う可愛い庭の訪問者 実は、球根を本当にごちそうと思い込んでいるエゾリスがいて困っています。ユリ根はともかく、チューリップなんて美味しいのかしら? と疑問に思うのですが、毎年食べているところを見ると……きっと美味しいのでしょうね。 「ああ〜食べられた」と歯ぎしりするくらいなら、エゾリスとも仲よく共存して大らかに見守りたいと、球根もお手頃価格を選んでいます。皮を剥いで見たらカビが! ということもありますが、そこもオーケー。できればリスにはカビの球根を一番に掘り当てて「今年は食べられないわ〜」と、ドングリを食べに行ってほしいなあ。 土を掘って球根を植えましょう 植えるテンポはゆっくり、ゆっくり。芝生のエッジを切ったり、雑草を抜いたりしながら、えっちらおっちら。ふと見上げた時に、もう枝先を止めたつもりだったバラが咲いていて、宝物を見つけたようにときめいたりしながら、春のために庭を整えていきます。 失敗から学んだ春咲き球根を植えるコツ 球根を植える時は、宿根草が目印です。ミヤマオダマキやゲラニウムの周りが遅咲きスイセンの‘サーウィンストンチャーチル(写真内白い花)’。その間がチューリップのスペースです。なんとなく範囲を決めておくだけで、前年までに植わっていた球根にスコップが刺さって真っ二つにしてしまう「事件」は激減しました。スイセンだけでも500球以上が眠っているので、以前は事件が多発。おかげで、今年はたった1個ですみました。 春を夢見て植え込みとタネ播き 枯れ草の目立ち始めた庭ですが、球根を植えている時の脳内は春らんまん。夢を見ながら手を動かす時間は、かけがえのない一時です。 また、秋はタネ播きの季節でもあります。私のタネ播きは、立ち枯れた花を切って庭のあちらこちらに挿していくだけ。 大自然の懐にある我が家は豊かな土地に見えますが、開発跡の荒地です。石混じりの赤土と粘土は耕運機の歯が立たないほど硬く、黒土を数十cm盛ったご近所さんも、元の土との間に水が溜まり、根腐れを起こすなど尽きぬ悩みを抱えていました。 大規模な土壌改良をする余裕もなく、植物を育てるのを諦めそうになった時に活躍してくれたのが、こぼれダネから育つ花。自らの力で根を下ろし、根張りに見合ったサイズの茎葉をつける花たちは、小さくても元気いっぱい。根が土を耕し、ミミズを呼んで豊かな土へと育ててくれました。 植物が大きく育つようになった今、改めて根っこの力に感動を覚えます。 はじめに紹介させていただいた春の写真のミヤマオダマキ(青い花)も、タネをつけて枯れた花茎を、そのまま葉陰に挿すことで、生え広がってくれました。カゴの写真に入っているのは淡いブルーのカンパニュラ。7月にいっぱい咲いてくれたら嬉しいなあ……とあちらこちらに挿して回りました。 こぼれ落ちるタネが、無理なく育つ場所でのみ育っていく。花にとっても、私にとっても無理のない空間で、お互い伸びやかに生きていきたいと思います。 今年のガーデンでもたくさんの幸せをもらいました。秋冬の庭仕事は来春の私へのプレゼント。北海道の長い冬を経て、また訪れる芽吹きの季節が楽しみです。
-
イギリス

イングリッシュガーデン旅案内【英国】ベス・チャトー・ガーデン(2)癒しの水の庭と森の庭
乾燥の地につくられたウォーター・ガーデン 『花好きさんの旅案内【英国】 ベス・チャトー・ガーデン(1)乾燥に強い庭を実現』では、乾燥に耐えられる植物を集めたグラベル・ガーデン(砂利の庭)をご紹介しましたが、そのグラベル・ガーデン脇の庭園入り口を抜けていくと、今度は、たっぷりと水をたたえ、青々と茂る水辺の植物に縁どられた池が現れます。 予期せぬダイナミックな水辺の景色に、思わず見とれてしまいます。じつは、この池は、泉から水を引いた水路をせき止めてつくった、人工の池です。エセックス州のこの辺りは、年間降雨量が少ないことで知られますが、ベスは、乾燥したこの地では育てるのが難しい、プリムラやホスタといった湿り気を好む植物を育ててみたいと思い、池をつくって、湿度を保った環境を整えることに挑んだのでした。 ウォーター・ガーデンには、ベスが厳選した、水辺を好む植物や、湿り気を好む植物が植えられています。彼女の庭づくりの合言葉は‘Right Plant, Right Place’(ふさわしい植物を、ふさわしい場所に)というものですが、グンネラやススキの仲間など、適切な環境に植えられた植物はよく茂って、夏には涼やかな空間をつくります。暑い夏場、水辺の気温は、庭園内の他の場所に比べて数度低くなるそうです。乾燥した土地にあって、この水の庭の豊かな景色は驚くべきものです。 ウォーター・ガーデンから緑の芝生を少し上っていくと、そこはもう、スクリー・ガーデン(がれ場の庭)です。ベス・チャトー・ガーデン(1)編でご紹介しましたが、こちらは水の庭とは対照的に、乾燥に強い植物を集めた庭。ベスが、正反対の性質を持つ植物をひとところで観賞できるガーデンをつくりだしたというのはすごいことだなぁと、歩きながら感心しました。 ふかふか芝生の小径 ウォーター・ガーデンの先には、ふかふかの芝生が続く、ロング・シェイディ・ウォーク(長い日陰の小径)があります。大きなオークの木々が葉を広げる下に、シダやホスタ、ティアレラ・コルディフォリア、ヴィオラ・リヴィニアナ‘プルプレア’など、日陰を好む植物が植えられています。 弾力のある芝生の小径は幅が広くゆったりしていて、庭を独り占めしているような感覚で散策を満喫できます。もし時間が許すなら、来た道を戻りながら違う角度から眺めるのもよいでしょう。新鮮な発見ができそうと感じました。 多彩な緑を楽しむウッドランド・ガーデン ウッドランド・ガーデンは、森の中の散策を楽しむ庭です。大きなオークの木々が葉を広げてつくる天蓋の下には、森の下草としてふさわしい、日陰を好む球根花や宿根草、灌木、シダなど、ベスが厳選した植物が植えられています。 森の中は、静けさに満ちた、安らぎのある空間です。他の庭に比べると、当然ながら花より葉の緑が多く、色彩はおとなしめですが、緑を背景に花々の清楚な姿が浮かび上がって、心引かれます。 足元に茂る植物に目をやると、さまざまな葉が美しいコンビネーションを見せています。緑色の濃淡の対比や、葉の形や模様の豊かさは、見ごたえ十分。フラワーアレンジメントに精通した、フローリストの目を持つベスならではの、繊細な植栽です。ここに派手な植物はありませんが、彼女らしい植栽の魔法が発揮されているように思いました。 受け継がれるチャレンジ精神 こちらは、オープンな日向のエリアが広がる、新しいリザーバー・ガーデン。デザインが一新されて、2017年に公開されました。ここには、あまり環境を選ばない植物が植えられていて、その一角は、ニュー・プランティングと呼ばれる、新しい品種の植物を試験的に育てる場所となっています。 2014年から2年近くかけて、ベスのチームはこの辺りの粘土質の土を改良しました。使われたのは、無農薬(オーガニック)のスペント(使用済み)・マッシュルーム・コンポストです。 英国では、商業的なマッシュルーム栽培で菌床として使われた、麦わらや馬ふんなどからなる堆肥(マッシュルーム・コンポスト)を、ガーデニングに再利用する動きがあります。ベス・チャトー・ガーデンによれば、使用済みのマッシュルーム・コンポストは、窒素の量は少ないものの、他の栄養素が多く含まれ、粘土質の土壌の改良や、栄養不足の土に使う腐葉土に加えるのに最適だそう(ここでは、蒸気殺菌された使用済みマッシュルーム・コンポストが使われています。コンポストはアルカリ性なので、酸性を好むツツジ科の植物には与えないことや、土のpHが偏りすぎないように使用に注意が必要です)。 コンポストを土に十分にすき込むためには、一度に薄くしか撒けません。ベスのチームは何度も何度も根気強く、大量のコンポストをすき込み、改良を続けました。 ニュー・プランティングのエリアでは、ベス・チャトー・ガーデンにとっても挑戦となる、新しい品種の植物を育てています。 1950年代後半からフラワーアレンジメントの活動に携わったベスは、海外から取り寄せた植物の種子を発芽させて、当時はまだ珍しかった、ナチュラルなテイストの植物を育て、紹介し続けていました。1977年から1987年にかけては、英国王立園芸協会のチェルシーフラワーショーで「珍しい植物」の展示を行い、連続で合計10個のゴールドメダルを受賞しています。 たしかに、ここで日本ではまだ耳にしたことのない、最新の植物に出合うことができました。みんなが喜ぶ新しい植物を紹介し続けた、ベスの精神が受け継がれているように感じました。 庭と連動したナーセリー ウォーター・ガーデンの脇と、ウッドランド・ガーデンの脇には、広いストックベッドがあります。ここは、ナーセリーで販売するための苗を育てる場所。毎年6万株を育てているそうで、庭に生えている植物と同レベルの、しっかりとした健やかな苗が育っています。 ナーセリーで売っている品種の数は、2,000を超えます。苗の多くは、この庭に生える植物から増やしたものなので、庭はいってみれば「商品カタログ」の役割を果たしています。例えば、樹木の下の日陰で育てるのによい植物は何かなど、実際の庭を見ながら目的にふさわしい植物を探し出して、その苗を持ち帰ることができるというわけです。 ナーセリーは、乾燥に強い植物、水を好む植物、日陰を好む植物など、植物の性質ごとに売り場の区画が分かれていて、どんな庭に植えるべき植物なのか、一目でわかります。庭園に植わっている植物には一つずつ名札がついているので、その品種名を頼りに苗を探すこともできますし、また、気になった植物の写真を撮ってナーセリーにいる園芸スタッフに見せれば、名前を教えてくれます。地元の人達にとっては、心強い味方に違いありません。とても活用されているガーデンなのだなぁと感じました。 庭園にはショップと小さなカフェレストランが併設され、窓の外に広がる庭を眺めながら、昼食を楽しむことができます。テーブルには庭の花が生けられていて、ほっこりした気持ちになります。 庭の植物が無農薬で育てられていると聞いたからか、庭の空気もなおさら気持ちよく感じられました。ベスは無農薬栽培を熱心に提唱した人でしたが、これだけの規模のガーデンを無農薬で管理するのは本当に志が高くないと継続できません。きっと彼女は芯が強くて、カリスマ性のある人物だったのだろうと、その庭に触れて実感しました。 併せて読みたい ・英国のオープンガーデン 秋まで美しい、オーナメンタル・グラスがおしゃれな庭 ・庭をつくろう! イギリスで見つけた、7つの小さな庭のアイデア ・玄関を花でコーディネート! 海外のおしゃれな玄関先8選
-
山口県

花の庭巡りならここ! 花苗生産が盛んな地域ならではの演出「やまぐちフラワーランド」
年に7回の植え替えにより、500品種45万本の花を植栽! 2006年にオープンした「やまぐちフラワーランド」は、35,000㎡の敷地を持ち、大人の足でゆっくり歩いて1時間半ほどで回れる広さです。山口県柳井市は温暖で日照時間の長い気候のため、花の生産が盛ん。そんな地域の振興をはかる目的で整備されたのが「やまぐちフラワーランド」で、地元で生産された花苗を植栽しています。年間を通して約500品種45万本もの花を植栽しており、毎年新品種も導入しているので、最新トレンドを知ることができるのも魅力です。 園内には大きく分けて21の区画があり、家庭でも実践できるような提案型のモデルガーデンや、園内に植栽されている花を集合させたコレクション花壇など、区画ごとにテーマが設けられています。それぞれに“インスタ映え”を意識した色彩豊かなシーンを演出しているので、訪れた記念にナイスビューを写真に収めましょう! 棚田だった地形を生かした 斜面を覆うように彩る花畑が特徴的 「歴史と自然に囲まれた、ちょっとおしゃれな花と緑の庭園」をコンセプトにしている「やまぐちフラワーランド」は、一年を通して季節の花々が咲き競います。 写真は2018年3月下旬の自由広場沿いのエリア。カーペットのように咲いている赤やピンクの花は、デージーです。土手の頂で白い小さな花を枝いっぱいに咲かせるユキヤナギは3月末〜4月上旬が見頃。約100mにわたって約500株が植栽されています。 写真は「やまぐちフラワーランド」の一角で、2018年春の景色です。約130㎡にわたって群植されている黄色い花は、クリサンセマム。約4,000本が咲き広がり、見頃は4月〜5月上旬です。ゆるやかにつながる階段を上り切ると、高低差が50mの迫力ある全景が一望できます。 「やまぐちフラワーランド」は、もともとあった棚田の地形を生かした花壇も特徴的です。写真は2018年4月のフラワーガーデンのエリア。左手の黄色やオレンジの花はエスコルチアで約6,000本を植栽、見頃は3月下旬〜5月上旬です。右手のピンクや白、クリームイエローをミックスさせたフラワーベッドは、リビングストーンデージー。約4,000本が植栽され、見頃は4月〜5月上旬です。 2018年5月のフラワーガーデンでは、オレンジ&黄色のナスタチウム、ピンク&白のダイアンサス、黄色のダールベルグデージーが競演。里山の借景が美しく、野鳥の楽しそうなさえずりも聞こえてきます。園内では飲食物の持ち込みが自由なので、好きな場所でお弁当やおやつを広げることができますよ。花景色を前に、心地よい風を感じながら好きな食べ物をほおばるのは、なんとも贅沢な時間です。園内にはゴミ箱を設置していないので、持ち帰りのマナーは守ってくださいね。 「やまぐちフラワーランド」の2018年夏の屋上庭園には、センニチコウが60㎡に約700本植栽されています。見頃は7〜9月上旬です。同時期にはアンゲロニアやルドベキアなども見頃になり、夏らしいトロピカルな雰囲気をもつ草花が主役に。また涼を呼ぶ演出として、白やブルー、紫の花色のクールカラーでまとめた花壇も見られます。 秋は楽しいハロウィンディスプレイが見どころ 冬でも寂しくない! パンジー&ビオラが花盛り 毎年10月には、園内の至るところにジカボチャやキュートなオバケ雑貨を使った装飾が施され、ハロウィン一色になります。2018年はハロウィンボディペインティングやジャック・オ・ランタン作り(要予約)などのオータムフェスタが開催されます。 ハロウィンの時期に限らず、毎月の週末を中心に、ガーデニングセミナーや寄せ植えコンテスト、クイズラリー、コンサートなど、興味津々なイベントが開催されているので、事前にホームページをチェックして参加してみましょう! パンジーが絨毯のように広がっている様子、これは春の風景? いいえ、実は2017年冬のフラワーガーデンなんです。このエリアでは、100㎡に3,500本のパンジー、ビオラを植栽しており、11月下旬〜3月頃が見頃。園内の花壇すべてを合わせれば、16種類約32,000本のパンジー、ビオラを植栽しています(2017冬〜2018春)。さすが温暖で、花苗生産が盛んな地域だからこその贅沢さですね。パンジーの色合わせの妙も参考になりそうです。 冬は、ほかにも白や紫のハボタンが11月下旬〜3月上旬まで見頃になり、パンジーやビオラ、ストックとともに彩りを添えます。花色に飢えているこの時期のガーデナーにとっては、冬も元気に咲き続ける花たちと出合える、心浮き立つスポットですね。 「やまぐちフラワーランド」にはおしゃれな「レストラン 大地の恵み HANAHANA」があり、お食事も楽しめます。木曜定休(祝日の場合はオープン)です。 寄せ植え体験もできる充実の花苗ショップ 土産物コーナーも地元の名産品がずらり 「やまぐちフラワーランド」内の温室売店では、寄せ植え体験教室を常設しているので、ぜひご参加を! 好きな花、鉢を選んで、料金はセレクトによって変動します。予算に合わせての相談にも乗ってくれますよ。 そして、温室売店では、土にこだわって育てられた地元産の一年草や宿根草の花苗を約100品種、バラ100〜200品種を販売。熱心なガーデナーにとっては、「本気買い」のスイッチが入るスポットですね。来園者からは「庭園で一目惚れした花苗を、ここで買えたのでうれしい!」という声も聞かれます。営業時間は9:30〜16:30。 「やまぐちフラワーランド」内の売店「コッコロ」では、調味料やお菓子、雑貨類など地元の名産品が多数揃っていています。なかでも、毎年8月開催の「柳井金魚ちょうちん祭り」でも知られる郷土民芸品「金魚ちょうちん」は、お土産に大人気。まん丸の瞳にパクパクのお口、愛らしい表情がほほえみを誘いますね。700〜1,500円で販売されています。 また、「やまぐちフラワーランド」内にて、定期教室も行われています。フラワーデザイン、プリザーブドフラワー、ドライフラワーアレンジメントのほか、料理やウクレレ、絵手紙と多彩なラインナップ。近くにお住まいの方は公式ホームページでチェックし、趣味を広げる目的でレッスンに通うのもオススメです。 Information やまぐちフラワーランド 所在地:山口県柳井市新庄500-1 TEL:0820-24-1187 https://flowerland.or.jp/ アクセス:公共交通機関/JR柳井駅からタクシーで5分(片道定額830円) 車/山陽自動車道玖珂ICから車で約15分、山陽自動車道熊毛ICから車で約20分 オープン期間:周年 休園日:木曜(祝日を除く)、12月27日〜1月1日 ※臨時休園あり 営業時間:9:00~17:00(最終入園16:30) 料金:高校生以上500円、小・中学生250円、70歳以上250 円、未就学児 無料 ※20名以上の団体20%割引 駐車場:300台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! インスタ映えする景色の宝庫「淡路島国営明石海峡公園」 ・花の庭巡りならここ! 四季を通して多様な植物で彩られる「はままつフラワーパーク」 ・花き生産高1位の地域に生まれた、旬の花と野菜が並ぶショップ「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
-

フランス・パリ「ロダン美術館の庭園」と秋バラ【松本路子の庭をめぐる物語】
ロココ様式の館の美術館 制作中のアートフィルムの撮影で、秋のパリを訪れた。撮影の合間に立ち寄ったのがロダン美術館。2015年に3年間の改装期間を経て、リニューアルオープンした美術館は、彫刻家オーギュスト・ロダンが住んでいた当時の館の様相を再現している。 かつての所有者である将軍の名前から「ビロン館」と呼ばれる邸宅は、パリ7区の閑静な住宅地にある。18世紀に建てられたロココ様式の建物と優美な庭園で知られる場所だ。 ロダンは1908年から亡くなるまでの10年間をこの館で過ごしている。この館は当時の所有者によって一時期若いアーティストたちに提供され、ロダンとともに詩人のリルケやジャン・コクトー、画家アンリ・マティス、舞踊家イサドラ・ダンカンなどが住んでいた時代もあった。 パリ市が館を所有することになった時、ロダンは自身の作品を市に寄贈することを条件に、ロダン美術館の設立を持ちかけたのだという。1919年、ロダンの死の2年後に開館された美術館には、6,600点の彫刻、7,000点のデッサン、ロダンの収集した美術品などが収蔵されている。 ロダンの弟子で愛人でもあったカミーユ・クローデルの作品を収めた部屋もあり、改めて彼女の才能とその生涯に思いを馳せた。 ローズガーデンと「考える人」 美術館の正門を入ると、館の前庭にローズガーデンが広がり、その庭の右手にロダンの作品の中で最も知られた「考える人」のブロンズ像が立っている。像は原型から何点か鋳造されているので、オリジナルといえるものがほかの場所にもあるが、ロダンの暮らしていた館の庭で見るのは、また格別だ。 10月の中旬だったので、春のバラの最盛期ほどではないが、秋バラに彩られた「考える人」には趣が感じられた。 前庭の彫刻たち 「考える人」の向かい側のローズガーデンには「三つの影」、そして奥にはこれも有名な「地獄の門」、ヴァレンヌ通りに面した場所には「カレーの市民」が。バラの花や端正に整形された木々の間に、ロダンの代表作が並んでいる。何とも贅沢な空間だ。 館の庭を散策 美術館の庭園は3万㎡の広さで、内庭にはイギリス式庭園と、木々に囲まれた彫刻の林が連なっている。秋の木漏れ日の中で見る彫刻は美しく、ロダンが自然の光の中で見てほしいと希望した展示方法であるという。 また庭園の奥の池のほとりから望む館と、水面に映ったその優美な姿も忘れがたい。庭園の一角にはカフェもあり、散策の途中にひと息入れることも。パリの中心地とは思えない静寂と豊かな緑を満喫できる。 ‘ロダン’という名前のバラ 館を取り囲むようにコの字形につくられた植え込みに咲くピンクのバラ。半八重のそのバラにはロダンの名前が冠されている。2005年にフランスの育種家メイアンによって作出され、ロダンに捧げられたものだという。バラの名前に関心があり、その名前のゆかりの地を訪ね歩いている私にとって、思いがけず嬉しい出合いだった。 庭園に秋バラは咲いていたが、6月に訪れたらローズガーデンはさらに華やいでいるのではないだろうか。いつかまたバラの季節に訪れたい、そんな風に思える場所だ。 併せて読みたい ・松本路子の庭をめぐる物語 フランス・パリの隠れ家「パレ・ロワイヤル」 ・写真家・松本路子のルーフバルコニー便り「秋バラの楽しみ」 ・最も歴史あるバラのナーセリー「フランス・ギヨー社 GUILLOT」
-
イギリス

イングリッシュガーデン旅案内【英国】 ベス・チャトー・ガーデン(1)乾燥に強い庭を実現
20世紀の偉大なガーデンデザイナー ベス・チャトー(1923-2018)は植物の特性をよく知るガーデンデザイナーとして、また、経験に基づく豊富な園芸知識を伝えた作家、講師として活躍しました。その功績により、2002年に大英帝国四等勲爵士を授与されています。 晩年も電動カートに乗って庭に出て、ガーデンスタッフとの会話を楽しんだというベス。2018年5月、94歳で亡くなると、英国の主要メディアで訃報が報じられ、その死が惜しまれました。現在、ベスがつくり上げた庭園は孫娘のジュリア・ボルトンに引き継がれ、ベスとともに働いた有能なガーデナーチームによって管理されています。 乾燥に挑戦するグラベル・ガーデン 来園者をまず迎えるのは、グラベル・ガーデン(砂利の庭)です。風になびく柔らかなグラス類の穂や、すっと伸びるリナリアのピンクやバーバスカムの黄色の花穂。リズムを与える、紫の丸いアリウム。砂利が敷かれた広々とした区画に、さまざまな植物が茂る、軽やかで美しい植栽です。 じつは、この庭には秘密があります。それは、1991年につくり始めてから27年間、一度も人工的な水やりがされていないということ。この辺りは年間降雨量が少ない、英国でも最も乾燥している地域で、実際、2018年の夏は50日間も雨が降りませんでした。この庭の土は水を保たない貧しい土で、水を引き込むこともされていません。にもかかわらず、この素晴らしい庭景色は存在し続けています。 ここは、庭づくりには到底向かない乾燥した荒れ地で、かつては駐車場として使われていました。しかし、1991年、ベスはあえてこの場所に、実験的に庭をつくります。英国では日照りが続いて水が不足すると、庭の水やりに制限がかかります。そんな乾燥した状況にも対応できる、最低限の湿り気で育つ植物は何なのか、彼女は庭を愛する人々のために、模索を始めたのです。 適材適所、ローメンテナンスな庭づくり ベスの夫、故アンドリュー・チャトーは、世界の植物の生態系について研究を続けた人物でした。20歳で結婚したベスは、夫の影響でガーデニングに興味を持つようになります。ベスが新しい植物を持ち帰ってくると、アンドリューは、それが地球上のどこから来た植物なのかを教えたといいます。 ベスの庭づくりの合言葉は‘Right Plant, Right Place’(ふさわしい植物を、ふさわしい場所に)というものでした。野生の姿において、その植物はどんな場所に育っているのか。それを教えてくれる夫の知識に絶対の信頼を置いていたベスは、植物の性質を見極め、その植物にふさわしい環境に植えることを、基本理念としました。 ベスは、英国ガーデンデザイン界の巨匠であった、故クリストファー・ロイドと親交が深かったことでも知られていますが、2人はグラベル・ガーデンの水やりを巡って激論を交わしたといいます。今にも干からびそうな植物に水やりをしないのは、ペットに餌をやらないようなもの、と非難するクリストファーに対し、ベスは決して妥協をしませんでした。しおれそうな草花を見て苦痛を感じても、乾燥に強い植物を突き止めたいという情熱のほうが勝っていたのです。 若い頃、フラワーアレンジメントで草花に親しんだベスがつくったのは、さまざまな形や質感の草や葉が、流れるような美しいハーモニーを見せる庭。けれどもそれは、ローメンテナンスを突き詰めた庭でもあったのです。 高山植物を集めたスクリー・ガーデン 同じく、乾燥に強い植物を集めているのが、グラベル・ガーデンより前につくられた、スクリー・ガーデンです。スクリーとは、斜面に岩や石が転がっている、がれ場のこと。この庭は日当たりのよい小高い場所にあって、水はけのよい砂利の多い土が敷かれています。その状況に似た、がれ場で育つような乾燥に強い植物や高山植物が、ここには植えられています。 高山植物は高い山々でしか育たないと思われるかもしれませんが、英国で高山植物と呼ばれるものには平地でも育てられるものがあり、ロックガーデンやドライガーデンによく用いられます。日照りによる渇水が増える昨今、水やり不要のローメンテナンスの植物として、注目を集める存在です。 日本で高山植物と聞くと、維持管理が難しい植物のイメージがありますが、この庭に植わる高山植物には、アネモネやゲラニウム、フロックス、オダマキ、ナデシコ、ソリダゴ、タイム、エリゲロンなど、ガーデニングでよく耳にする植物の仲間であるものが、多々あります。 セダムの中にも、育てやすい高山植物に数えられるものがあります。他にも、陽光が好きで乾燥に強い多肉植物の鉢が、ここには並べられています。 ベスの庭は、敷地全体が一つにつながって、無数の植物が、周囲と調和する美しい組み合わせを見せながら、それぞれ環境に適した場所に植えられています。生け垣などで仕切られた、小部屋が連なるスタイルの、いわゆるイングリッシュガーデンとはだいぶ趣が異なった、ナチュラルな庭です。ゆったりとした道幅の小径をのんびり進むと、砂利の庭から水辺に出たり、森の中にいたり。時間をたっぷりかけて行き来したい庭です。 併せて読みたい ・イングリッシュガーデン旅案内【英国】ベス・チャトー・ガーデン(2)癒しの水の庭と森の庭 ・英国の名園巡り、オールドローズの聖地「モティスフォント」 ・デッドスペースにも花緑が育つ「寄せ鉢」ガーデニング
-
長野県

カメラマンが訪ねた感動の花の庭。スタイリッシュな園芸店 長野・GARDEN SOIL
庭好き、花好きのオススメで向かったガーデンソイル 僕が初めてガーデンソイルさんにお邪魔したのは、2006年の春のことだったと記憶しています。その頃、僕と妻は雑誌のオープンガーデンを担当していたこともあって、あちこちのオープンガーデンを行っている方々と連絡を取っていました。この時も、「オープンガーデン信州」の清水恵子さん(飯綱高原の「ペンション フィールド・ノート」のオーナーで、日本のオープンガーデンの草分け的存在の方。いつもいろいろなことを教わりました)から「オープンガーデン信州の総会があるので、いらっしゃいませんか?」とお誘いを受け、雑誌の取材を兼ねてお邪魔しました。その時のオープンガーデン信州の事務局をしていたのが、ガーデン・ソイルの田口勇さんと片岡邦子さんでした。清水さんからも、「ガーデンソイルは素敵なお店だから行ってみてください」と言われていたので、総会の後にうかがいますと、お二人と約束しました。そして総会終了後、僕たちは清水さんや会長の稲葉典子さんにご挨拶をすませて、須坂市にあるガーデンソイルへ向かいました。 看板からも伝わってきたセンスのよさ 若い頃、志賀高原でスキー三昧の日々を送っていたことから、長野の道は得意で、須坂市にはすぐに到着。教わった住所をカーナビに入力して出発しました。町から離れて川を渡ると、辺りは一面の梨畑に。「こんな所にガーデンショップがあるのだろうか」と思いながら、ナビ通りに細い道を左に曲がると、道の脇にある小さな納屋に、「Garden Soil」と表示された明るいブルーグレイの看板を発見。センスのよい看板を見ただけで、これから伺う場所は僕が想像しているようなお店とは全然違うのだろうと、すぐに思いました。 イングリッシュガーデンとは違う庭の魅力に出合う 看板を過ぎると、お店はすぐに見つかりました。駐車場に車を止めると、目の前にはさっき見かけた看板と同じブルーグレイに塗られた木造の建物があり、その周辺には苗売り場や宿根草の植栽スペース、奥は広い庭になっていました。高木に囲まれた庭の中には、いくつものオリジナルデザインのパーゴラやガーデンシェッドが点在していて、それらを取り囲むように、草花がナチュラルに植栽されています。 当時の僕は、イングリッシュガーデンこそが美しい庭だと信じていて、イギリスを思わせるレンガの壁に、つるバラやクレマチスが絡んでいたり、ガーデンコテージの前ではシンメトリーにデザインされた花壇の中にジギタリスやデルフィニウムが咲いているようなシーンばかりを追いかけていました。そんな僕にとって「見たこともない」「イングリッシュガーデンじゃない」、でも「魅力が溢れている!」というのが、ガーデンソイルの第一印象でした。 センスのよさは、お店の中や植物選びにも 撮影の許可をもらって庭に立ってみると、どの方向にレンズを向けても絵になってしまうし、見たことがない植物だけれど、ファインダーの中ではフォルムが本当に美しく見える。でも、撮影はとても難しい……。すべてが僕にとって初めての撮影体験をさせてくれた庭。この庭をつくったお二人って、どんな方たちなんだろうと、つくづく思いました。 撮影を終えて建物に戻ると「コーヒーでもどうぞ」と声を掛けていただき、建物の奥に入りました。そこには、大きいテーブルにゆったりとした椅子、壁一面に洋書がびっしりと並ぶ本棚があり、まるでどこかのデザイン事務所の打ち合わせスペースのような空間。ガーデンソイルをつくった人はどんな人物なのだろうとますます思いを募らせながら、コーヒーを飲みました。 お話を伺ってみると、田口さんと片岡さんは、以前は東京・原宿の事務所でインテリア設計の仕事をしていたとのこと。看板がカッコいいのも、お店のインテリアが素敵なのも、庭にフォルムの美しい植物が選ばれていることも、すべてに合点がいきました。この日以来、ガーデンソイルは長野を訪れる際、時間が許す限り必ず立ち寄るマイフェイバリットのお店になりました。 ガーデンソイルの新たな魅力を発見 当時は、どのガーデニング関連の雑誌にも庭紹介のページがあって、盛んに撮影をしていましたから、僕もいつもよい庭を探すアンテナを張って、ガーデンソイルでも情報収集をしていました。この連載でご紹介した山中湖の塚原さんの庭も、田口さんが教えてくれた場所です。 昨年2017年6月のこと。長野でちょっとした撮影の後、天気もよいのでガーデンソイルで夕方の撮影をさせもらおうかなと思い伺ったら、撮影後のコーヒータイムに「この本見た?」と田口さんが手にしていたのはPiet Oudolf氏の美しい写真集でした。以前からガーデニング誌『BISES』の秋号などで見かけて、紅葉した庭がきれいなのは知っていましたが、このPiet Oudolf氏の写真は格別に美しく、思わずため息をつくと、「うちも11月の紅葉はきれいよ」と片岡さんが教えてくれました。そうと聞けば、俄然ガーデンソイルの紅葉の撮影をしたくなって「11月に必ず伺います!」と約束をし、その日は帰りました。 期待を裏切らない秋の美しい風景 夏も終わり秋風が吹き始めると、ガーデンソイルの紅葉の進み具合が気になりだしました。幸い、ガーデンソイルのガーデナーである粟野原さんがフェイスブックに庭の状況の写真をアップしてくれるので、その様子から撮影日の目安をつけつつ、天気予報をチェック。一日晴れの予報だった2017年11月3日に撮影に向かいました。午後3時に駐車場に着くと、周りの落葉樹は黄色く色づき、斜めに傾きかけた夕陽に、枯れた草花は茶色く輝き出していました。お二人にさっと挨拶をして、カメラを抱えて庭の奥まで行って振り向くと、逆光に透けて木々の葉は赤や黄色に。 グラス類は白く輝いて最高にきれいでした。真っ赤に紅葉したミナズキのボーダーにレンズを向けると、奥のカエデは黄色く輝いていました。こんなに素晴らしい光景があることを教えてくれたお二人に感謝しながら、いつものように日が沈むまでガーデンソイルの紅葉を一人で満喫した、とても幸せな一日でした。 Information 「ガーデンソイル」 所在地:長野県須坂市野辺581-1 ☎026-215-2080 http://soilgarden.exblog.jp アクセス:上信越自動車道「須坂長野東I.C.」より車で5分。 Open:10:00〜18:00(4〜7月、9月、10月は無休。その他の月は月曜定休)
-
広島県

花の庭巡りならここ! 四季を通して花のカーペットで彩られる「国営備北丘陵公園」
広大な花風景に癒されるスポット 1995年に開園した、34,000㎡もの面積をもつ「国営備北丘陵公園」。森と湖(国兼池)に囲まれた緑豊かな自然の環境に恵まれ、リフレッシュに訪れるのにうってつけの公園です。「ふるさと・遊び」をテーマにしたレクリエーション施設が多様に揃っていますが、花を愛でに訪れるなら「花の広場」「みのりの里」「ひばの里」エリアを園内マップでチェックを。敷地が大変広く、公園全体を歩けば2時間以上はかかるため、目的のエリアにターゲットを絞って最寄りの駐車場を利用するのがオススメです。 敷地の広さを生かして季節の花を群植し、面で魅せる風景が「国営備北丘陵公園」の魅力です。春はスイセン、チューリップ、ネモフィラ、初夏はアジサイ、夏はヒマワリ、秋はコスモスが満開になります。また、各季節の開花時期に合わせて「スイセンファンタジー」「備北花ピクニック」「備北夏まつり」「備北コスモスピクニック」などのイベントを開催。期間中の週末を中心に、ワークショップやコンサートが開かれます。 春は丘陵一面をスイセン、チューリップ、ネモフィラが覆い尽くすように咲く 写真は「国営備北丘陵公園」にて、3月下旬〜4月上旬に見頃を迎える「みのりの里 スイセンガーデン」。約15,000㎡の敷地に約700品種150万本のスイセンが咲き乱れ、丘一面を覆い尽くします。このエリアでは3月下旬にウメが、4月上旬にハナモモが見頃に。花木とスイセンとのコラボレーションによる、華やかな景色を楽しみましょう。 「花の広場」のエリアでは、4月中旬からチューリップが見頃を迎えます。15,000㎡の敷地に10品種、25万株のチューリップを群植。2018年春に「はなの展望台」がリニューアル。展望台から花のカーペットを一望できるので、ぜひ上からのフォトジェニックな写真を撮りましょう。チューリップの後はビオラ、アイスランドポピーへと咲き継がれます。 また、同時期に「みのりの里 ピクニック広場」のエリアでは、ネモフィラが丘一面に咲く景色を楽しめるので、こちらへもぜひ足を運んでください。 初夏は1万株のアジサイを夏は5万本のヒマワリを愛でよう 「ひばの里」エリアのアジサイは、6月下旬〜7月上旬が見頃。100品種1万株が植栽されています。明治から昭和初期の里山の風景を再現した「ひばの里」の風景と共に、風情のあるアジサイの姿を楽しみましょう。ちなみに園内は、リードをつけていればペットの同伴もOK。ワンちゃんと一緒に散歩を楽しむのもいいですね。 また、アジサイと同じ時期に見頃を迎えるのが、約50品種1,500株のハナショウブ。こちらは6月中旬頃が見頃です。 「みのりの里」エリア内にある「ピクニック広場」では、約5,000㎡に、約5万本のヒマワリが植栽されています。8月上旬〜中旬が見頃のピーク。ヒマワリ畑に入ることはできませんが、周辺に道があるので間近に見ることができます。一斉に同じ方向に顔を向けるヒマワリの姿は、壮観のひと言! 秋はコスモス畑の壮大な景色を楽しみ冬はイルミネーションのナイトガーデンを満喫 「花の広場」エリアでは、9月下旬〜10月上旬に180万本のコスモスが一面を埋めるように開花します。この付近ではケイトウ、ジニアも見頃に。園内は飲食の持ち込みが自由ですから、空が澄んで、渡る風がすがすがしい秋のレジャーシーズンに、ピクニック気分で出かけてはいかがでしょうか。 「国営備北丘陵公園」では、11月10日〜翌年1月14日(2018〜2019年秋冬)に、イルミネーションが点灯します。点灯時間は17:30〜21:00(入園は20時まで)。 特に11月下旬の紅葉の時期は、ライトアップと相まって幻想的な景色に包まれます。 「ILLUMI&花火のコラボ」は、満天の星空の下、打ち上がる花火とイルミネーションの光景をお楽しみいただける大人気イベント!(開催日は毎年異なります。詳細はHPでご確認ください)。 樹木や地形を生かした奥行きのある光景が楽しめ、敷地の広い公園ならではのバラエティーに富んだ景色が広がります。ウインターシーズンならではの、光の花咲くナイトガーデンを楽しみましょう! 「ひばの里」エリアでは、1月下旬〜2月中旬に「冬咲きぼたん展」を開催。白雪の舞う中、雪囲いに守られて凛と咲く、冬咲きぼたんの可憐な姿には心を打たれるものがあります。 ちなみに、「ひばの里」のすぐ隣のエリア「中の広場」には「お食事処 中の茶屋」があるので、歩き疲れた時には休憩にご利用を。ランチの価格帯は550〜1,000円。ソフトクリームやかき氷などもあります。また、売店「ランバス」では、地元銘菓や特産品などが多数揃うので、お土産をお探しなら、ぜひ足を運んでみてください。 Information 国営備北丘陵公園 所在地:広島県庄原市三日市町4-10TEL:0824-72-7000(備北公園管理センター)http://www.bihoku-park.go.jp/ アクセス:車/中国道庄原ICより、北入口:約5分、中入口:約10分中国横断道三次東JCT・ICより、中入口:約15分 オープン期間:周年 休園日:月曜(「備北花ピクニック」「備北夏まつり」「備北コスモスピクニック」「備北イルミ」期間中は毎日開園)、12月31日、1月1日 営業時間:9:30~17:00 (3~6月・9~10月)、9:30~18:00(7~8月)、9:30~16:30(11月~翌年2月) ※入園は閉園時間の1時間前まで 料金:大人/450円、中学生以下/無料、シルバー(65歳以上)/210円 駐車場:有り・普通車2,460台、大型車40台(普通車310円/大型車1030円/二輪100円)
-
東京都

秋バラが咲き誇る都会のバラ園「神代植物公園」の歴史と見どころ
昭和36年から数々のバラの名花を植栽 神代植物公園のバラ園は、1961年(昭和36年)につくられました。歴史あるバラ園には、約400品種、5,200株のバラが植栽され、本園の整形式沈床庭園では、主にモダンローズを数多く見ることができます。また、その横には、野生種が植栽されたオールドローズ園や国際ばらコンクール花壇があります。 世界バラ会連合より「優秀庭園賞」が贈られた庭 2009年(平成21年)には、世界41カ国のバラ会が加盟する「世界バラ会連合」より、バラの育成、維持管理、展示様式が高い水準であると評価されたバラ園に贈られる「優秀庭園賞」を受賞しています。 かつての「日米親善のバラ園」の面影を今に伝える「本園」 「本園」内をゆっくり見て回っていると、高芯剣弁咲きのバラが多いことと、作出国がアメリカのバラが多いことに気がつきます。その理由は、1959年(昭和34年)に、アメリカ・ロサンゼルスより、同地の中央公園のバラ園で採取した約80品種のバラの接ぎ穂が「日米親善のバラ」として東京都へ贈られたことから縁ができたためといわれています。 1959年当時の名花であったハイブリッドティーローズやフロリバンダローズが東京都へ贈られ、「日米親善のバラ園」として、ここ神代植物公園に植栽されたとのことです。当時の日米親善のバラは、現在13品種が残っていて、2018年10月に訪れた時、ちょうどそのバラたちの咲く姿を見ることができました。 ‘フロリック’(F)1953年作出 ‘ワイルド・ファイアー’(F)1955年作出 ‘ヘレン・トローベル’(HT)1951年作出 ‘ピース’(HT)1945年作出 ‘クイーン・エリザベス’(Gr)1954年作出 ‘レディ・ラック’(HT)1956年作出 ‘レッドキャップ’(F)1954年作出 ‘ファンファーレ’(F)1956年作出 ‘リリベット’(F)1953年作出 ‘ヒート・ウェイブ’(F)1958年作出 ‘ルビー・リップス’(F)1958年作出 ‘グリーン・ファイヤー’(F)1958年作出 ‘ムーン・スプライト’(F)1956年作出 また、本園内では、1961年に植栽され、57年が経った現在も花を咲かせる‘クイーン・エリザベス’の古木も見ることが出来ます。 バラの歴史と系譜をたどる「野生種・オールドローズ園」 「野生種・オールドローズ園」に向かうと、春の一季咲きのバラが多いせいか、本園に比べて秋はひっそりとした雰囲気です。その中でも花を咲かせているバラたちは、中国原産で18世紀から19世紀初めにかけてヨーロッパへ持ち込まれ、ヨーロッパのバラたちに四季咲き性をもたらしました。 現在、当たり前のように、秋に多くのバラの花を見ることができるようになったのは、このバラたちのおかげだと、しばし見入っていました。ふと周りを見渡せば、秋には花を咲かせない一季咲きのバラたちも、ローズヒップという美しく可愛らしい置き土産を残してくれています。 世界中の育種家の未発表の新品種が並ぶ「国際ばらコンクール花壇」 こちらは、「国際ばらコンクール花壇」です。このコンクールは、1963年から始まり、以来毎年、日本国内や世界中の育種家から未発表の新品種を公募し、2年間の試作を行う中で、「公益財団法人 日本ばら会」の審査員が審査を行い、入賞花を選出しています。 本園の温室寄りの花壇には、歴代のコンクール入賞花が植栽されています。この‘クイーン・オブ・神代’(HT)は、2009年度コンクールの四季咲き大輪金賞受賞花です。2011年の開園50周年を記念して、名前を公募し命名されました。 秋は春よりも気温が低くなるため、バラの開花時間が少し長くなり、さらに寒暖の差で生じる花色の深みが加わって、何ともいえない美しさを感じる時が多くあります。春より濃く感じられる香りと共に、じっくりと一輪の花と向き合って観賞するには、秋はベストシーズンかもしれません。 ぜひ、秋バラの咲くバラ園へ出かけてみてください。




















