花の庭巡りならここ! 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」
「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」は、市民の憩いの場。屋外には一年草が中心の前庭・ナチュラルガーデンの中庭・ローズガーデンの後庭があり、屋内には温室、アトリウム、レストランなどがあります。年間を通して各種イベントやフラワーカレッジ(講習会)が開催され、何度でも訪れたいフラワーミュージアムです。
目次
3つのガーデンと屋内花壇、温室の熱帯植物が楽しめる
1996年に開館した「三陽メディアフラワーミュージアム(開館時の名称: 千葉市花の美術館)」は、敷地面積、約3ヘクタールで、ゆっくり歩いて1時間くらいで一巡りできる広さです。屋外の前庭・中庭・後庭、アトリウムガーデン(屋内花壇)や熱帯温室で構成され、年間約1,600種4万8000株の植物が育っています。温室の熱帯・亜熱帯植物、展示棟のアトリウムガーデンなど、天候に左右されない展示構成も魅力です。屋上庭園にはキッチンガーデンがあり、子ども連れの家族からは「スーパーに並んでいる姿しか知らない野菜が実際に実っている姿を、初めて見た」「野菜の花もきれい」といった声も聞こえてきます。
手入れが行き届いたガーデンは、年に数回の植え替えがなされ、いつ訪れても華やぐ景色に心浮き立ち、足どりも軽くなります。春は河津桜からスタートし、ポピー、初夏のバラ、アジサイ、ラベンダー、夏はヒマワリ、秋はダリア、コスモス、冬は寒咲きのナノハナ、クリスマスローズ、スイセンなどへと開花リレーがつながります。温室では、3月頃から咲くヒスイカズラが人気。季節の花が見頃を迎える時期に合わせて、「フラワーイースター」「ローズフェア」「ハーブウィーク」「ハロウィンパーティー」「フローラルクリスマス」など年9回のイベントを開催しており、足繁く通うリピーターも多く見られます。
前庭・中庭・後庭とゾーニングされ、
それぞれに異なるガーデンスタイルで魅了
「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のエントランスには、ウェルカムフラワーが飾られているので、これを目印に、どうぞお入りください! 植え替えは年に4回実施しており、2色以上の花色を組み合わせた、華やかな寄せ植えがゲストを迎えます。上写真は初夏のエントランスの様子で、フラワーボックスを鮮やかに彩っているのは黄色とオレンジのナスタチウムです。
なお、屋外の庭はペット同伴で散策できます。館内へは、ペットをキャリーバッグに入れてファスナーを閉じていればOKです。
レストラン、アトリウム、温室に囲まれた中庭のナチュラルガーデンは、四方から眺めることができます。アトリウムから中庭に出られるので、車椅子でも散策が可能です。宿根草をメインに、一年草を添えて華やぎをプラスした植栽で、季節の移ろいを感じることができます。ところどころにガーデンテーブルと椅子が置かれており、屋内以外は飲食物の持ち込みOKなので、おやつを広げて一休みするのもいいですね。
後庭のローズガーデンでは、約200種300株のバラが楽しめます。ゲートには、3本のアーチに仕立てられた3種の‘ピエール・ドゥ・ロンサール’がお出迎え。フェンスやコテージにもさまざまなつるバラが彩りを添えます。「バラの海」と名づけられた花壇はバラと宿根草、一年草が奏でるハーモニーが見どころ。白、ピンク、赤、オレンジ、黄色、紫の6つの色別に、カラーコーディネートされています。
上写真のバラは‘ルノアール’。‘レオナルド・ダ・ビンチ’‘レンブラント’‘モネ’など芸術家にちなんだ名前のバラが植栽されている「バラの美術館」コーナーで見られます。
温室は熱帯植物に囲まれて、まるでジャングルのよう!
冬は、高さ23m、直径33mもの規模を誇る温室を、ゆっくりと見学してはいかがでしょう。温室内の滝の周りに生い茂るヤシやヘゴ、色鮮やかなハイビスカス、コチョウランのほか、パイナップルやバナナ、グァバなどの果樹も含む熱帯・亜熱帯の植物が約300種、3,000株植栽されています。
写真のように、ヒカゲヘゴやヤシなどは高さ10m以上にも達し(ダイオウヤシはなんと20m!)、まるでジャングルに入り込んだかのよう。ふだんはなかなか触れることのできない植物の姿を、観察してみましょう。
室内のアトリウムガーデン。写真の季節は冬で、一足早く春の花々を植栽。冬でも草花が爛漫と咲く景色は、花を愛するガーデナーはもちろん、訪れるすべての人々にとって何よりのサプリメントですね。
アトリウムガーデンは年6回、テーマを設けて模様替えしています。春は「イースターガーデン」、夏は「アドベンチャーガーデン」、秋は「ハロウィンパーティー」、冬は「フローラルクリスマス」など、季節によってガラリと雰囲気が変わりますよ!
「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のアトリウムガーデンの中でも人気が高いのが、多肉植物を使った箱庭の展示です。この展示はミュージアムのスタッフがデザインから作成。小さな家なども手づくりし、多肉植物を約100種類ほど使って美しい箱庭の景色をつくりだしています。写真は秋のハロウィンの季節に展示したもので、それぞれの季節に合わせて細かく模様替えされているんです! 夏は麦わら帽子をかぶった釣りをしているおじさんがいたり、冬には家の玄関扉に小さなクリスマスリースが飾られ、毛糸の帽子をかぶったおじいさんやおばあさんがクリスマスを楽しんでいたりと、ほっこりと心なごむ演出が見られます。
年間約40講座が開催されるカレッジは大人気
雑貨ショップやレストランも忘れずにのぞこう!
「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内にある「花工房」では、さまざまなフラワーカレッジ(寄せ植えやクラフト教室など)を年間約40講座設けています。写真は、夏に開かれた子どもカレッジの陶芸教室。好きな葉を粘土に押しつけて型を取り、葉っぱのお皿などをつくっています。特に夏休みの子どもカレッジは大人気で、キャンセル待ちになることもしばしばです。
お土産ものを扱う売店もあるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。お花をモチーフにした雑貨が多数揃うセレクトショップでは、素敵な品々に目移りしそう。ハンカチや布巾、ホームフレグランスサシェなど500〜1,000円くらいの雑貨が人気で、手土産にちょうどいいですね。店頭では、鉢花も販売していますよ。
「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内の休憩棟には、併設でイタリアンレストランもあるので、ちょっと一息を入れるのもいいですね。中庭に面した大きな窓から自然光が入る明るい店内で、ガーデンの花や緑を眺めながら食事を楽しめます。また、テラス席ではワンちゃん同伴OK。ワンちゃん用のメニューもありますよ!
Information
三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館
所在地:千葉市美浜区高浜7-2-4
TEL:043-277-8776
https://sunsetbeachpark.jp/facilities/flower.html
アクセス:公共交通機関/JR稲毛駅西口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園プール」行で「花の美術館」下車。または「高浜車庫」行で終点下車徒歩5分
JR稲毛海岸駅南口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園入口」行で終点下車徒歩5分
オープン期間:通年
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日〜1月3日
営業時間:9:30~17:00
料金:大人300円 小・中学生150円(30名以上利用で団体割引有)
駐車場:550台
普通車:300円(3時間まで)、以降1時間経過ごとに100円、1日最大600円 ※プール開催中のみ1日600円
大型車:1日1回2000円
併せて読みたい
・花の庭巡りならここ! エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」
・神秘の色のヒスイカズラ、その魅力とは
・花好きさんの旅案内、シンガポール「ナショナル・オーキッド・ガーデン」
Credit
取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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