トップへ戻る

花の庭巡りならここ! 22のガーデンスタイルが楽しめる「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」

花の庭巡りならここ! 22のガーデンスタイルが楽しめる「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」

四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されているガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。

Print Friendly, PDF & Email

丘一面に広がるワイルドフラワーが魅力

「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」は中部電力創立50周年の節目に、新名古屋火力発電所の緑地の一部を地域共生施設として提供するために整備され、2002年にオープンしました。

広さは約2万2000㎡で、ゆっくり歩いて1時間程度で園内を散策できます。敷地の外周は緑地で周囲の環境との遮断を図っているため、名古屋港の海と植物のみに囲まれた園内は、都会の喧騒から離れた癒しの空間。自然風庭園がコンセプトで、趣向を凝らした22のガーデンを楽しめます。中でも世界で活躍するトップガーデナーが手がけたモデルガーデンが見どころ。ジョン・ブルックス氏の「クール・ブリタニア」、ダレル・モリソン氏の「日本・テキサス友好の庭」、ロビン・ウィリアムズ氏の「ファミリーガーデン」は必見です。

趣向を凝らした22のガーデンスタイルに
心ときめき、歩みを進めるのが楽しい!

ブルーボネットのガーデン

この庭園の愛称、「ブルーボネット」は、ルピナスの一種、「テキサス・ブルーボネット」から名づけられました。1980年代、広大な土地の緑化に「ワイルドフラワー緑化手法」の先鞭をつけたアメリカ・テキサス州の州花です。小さな花の一つひとつが、アメリカ西部開拓時代に女性がかぶっていた日よけの帽子「ボネット」に似ていることから、この名がついたとされています。この「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」のシンボルフラワーは、4〜5月頃に園内各所で開花します。

名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット” 花の谷

写真は4月上旬頃の「花の谷」のエリア。チューリップ、ブルーボネット、 リナリア、クリサンセマム・ムルチコーレなどが、まるで自然の中で咲いているように規則性を配して植栽されています。ここは「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の中央に位置し、一年を通して見せ場となるエリアです。花色はビビッドカラーをあまり使わず、優しい雰囲気のパステルカラーで統一されています。

ワイルドフラワーの里

写真は「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の名前の由来となっている「ワイルドフラワーの里」で、1,820㎡という園内で一番広いエリア。「ワイルドフラワー」とは、野生の草花のこと。自然のままに草花が咲き乱れているようにつくられた庭園を「ワイルドフラワーガーデン」といい、ここでは冬と夏にそれぞれ20種以上のタネをブレンドして播き、春と秋に見頃を迎えます。写真は4月頃に咲くブルーのネモフィラ‘メンジェシー’と黄色のラステニアのミックス。小高い丘の上のガゼボから一望すると、ワイルドフラワーが織りなす壮大な景色を楽しめます。

ブルーボネット サンクンガーデン

写真はエントランス近くに位置し、ウェルカムガーデンの役割を果たす5月頃の「サンクンガーデン」。サンクンガーデンとは、地表面より掘り下げて造成した庭や花壇、テラスのことで、「沈床式庭園」とも呼ばれています。掘り下げて一段低くすることで、立体感を出すとともに、視界を遮らず敷地を広く見せる効果があります。また遠くからでは全体が分からないため、近寄って花壇を見つけた時には驚きがあり、近づくにつれ姿を現す美しい花々に惹きつけられるという、人を誘導する効果のあるガーデンです。この花壇ではコクチナシやラベンダー、ローズマリーなど香りのよい植物と四季折々の草花を植栽し、きっちり区分けした幾何学模様のデザインで対比調和させています。年に7回の植え替えを行っているので、出かけるたびに違った景色を楽しめます。

ブルーボネット フラワーリング

写真の「フラワーリング」は開けた海の景色を背景に、華やかな写真を撮影できるフォトスポット。中央にしつらえてある鐘を鳴らして、幸せを呼んでみましょう! 「フラワーリング」の植え替えも、年に7回行われているので、どの季節に訪れても旬の花が出迎えてくれます。テーマカラーは赤が多く、遠くからでも目を引く植栽にしています。

ブルーボネット コスモス

「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」は日本植物園協会にも加盟しており、一年を通して約600種5万株もの植物が見られます。

写真は「花の谷」の秋の景色。約3,000株のコスモス‘イエローキャンパス’は10月中旬〜11月上旬に見頃になります。この時期はキバナコスモス、レモンマリーゴールド、シュウメイギク、コバノランタナなどが咲き、園内をオータムカラーで染め上げます。

日本・テキサス友好の庭

「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の22のガーデンは、それぞれにコンセプトが与えられ、野趣あふれるエリアがあれば、つくり込まれたモデルガーデンもあり、場所ごとにメリハリのきいた多様な庭のスタイルを楽しめます。自庭のヒントになりそうなアイデアが満載なので、アーチやパーゴラ、トレリスの使い方、ハンギングバスケットやコンテナの見せ方などをチェックしておきたいですね。

写真は、有名ガーデンデザイナーのダレル・モリソン氏が手がけた「日本・テキサス友好の庭」です。後ろの建物は「アラモの砦」をイメージしたもので、これを背景にテキサス州の景色を表現。季節は秋で、日本のススキに似たパンパスグラスやパープルファウンテングラスを植栽して、友好を表しています。

年間を通して魅力的なイベントが目白押し!
「花文化館」では多様なガーデニング情報を得よう

ブルーボネット ハロウィン

毎年10月は、ハロウィンの楽しいイベントを開催。写真は春と秋にしつらえられるインスタ映えするフォトスポットで、秋はジャック・オ・ランタンなどハロウィン一色の飾りつけをバックに記念撮影ができます。園内の各所にハロウィンのディスプレイが見られ、園内に流れるBGMもハロウィンらしいメロディで雰囲気をアップ。イベント期間中に仮装して入園すると、オリジナル缶バッジがプレゼントされますよ。プレゼントが当たる園内クイズラリーも開催されるので、この時期ならではのイベントを楽しみましょう!

ハロウィン期間に限らず、ガーデンコンサートやガーデンガイドツアー、ガーデニング講座、クラフト教室など、年間を通してイベントが開催されているので、公式ホームページをのぞいてチェックをしてから出かけるのもオススメです。

ブルーボネット レストラン

「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」には、クラシックなビクトリア調の建物があり、ここで入園券を購入します。1Fにはオシャレなレストランとガーデンショップがあるので、ぜひお立ち寄りを。2Fは「花文化館」で、庭づくりのシミュレーションコーナーやオープンシアターなどがあり、パソコンや映像を使ってガーデンや草花に関する情報発信をしています。不定期でボタニカルアートなどの展示会も開催。

充実の品揃えにワクワクするガーデンショップと
多彩なメニューが嬉しいレストランも楽しんで

ガーデンショップ ボネット

「センターハウス」1Fのガーデンショップ「ボネット」には、季節の花苗やガーデニング用品、ハンドメイドのイギリス製「ウィッチフォード」の鉢、雑貨類などが並びます。センスのいいガーデングッズが充実しているので、ガーデナーなら、ついお財布の紐がゆるんでしまうかも。お菓子などのお土産品やオリジナルグッズも揃っていますよ。

ここでしか買えないオリジナル商品のオススメは、無添加ジャム(ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー)各564円、100%天然ハチミツ漬けのローズハニー564円、ハニーナッツ1,000円、キッチンソルト(サラダソルト、ハーブソルト)各361円、「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」内で咲くワイルドフラワーの種をミックスした種袋430円(いずれも税抜き)など。

レストラン アウラ

「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の有料エリアへの飲食の持ち込みは不可となっています。おなかがすいたら「センターハウス」1Fのレストラン「アウラ」で休憩を。テラスで花の景色を愛でながら、ゆったりとしたひとときを過ごせます。

営業時間は9:00〜17:00(ラストオーダー16:30)。ミックスフライセットや、カレー、パスタ、ピザなどの洋風メニュー、海鮮丼やみそカツ、きしめんなどの和風メニュー、フライドチキンなどのサイドメニュー、ケーキやアイスクリームなどのデザートが揃う、充実のラインナップです。ランチの価格帯は750〜1,600円。特に人気があるのは、焼きたて自家製アップルパイ(バニラアイス添え)単品700円、ドリンクセット1,000円(いずれも税込み)。

Information

名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”

所在地:愛知県名古屋市港区潮見町42番地
TEL:052-613-1187
http://www.wfg-bluebonnet.com/

アクセス:公共交通機関/市バス新瑞橋発14系統、金山発19系統、神宮東門発19系統「ワイルドフラワーガーデン」行き
車/国道1号線「星崎1」交差点を西進、潮見橋を越えて最初の信号を左折
伊勢湾岸自動車道「名港潮見」ICを降りて約5分、名古屋高速4号東海線、船見ICを降りて約5分

オープン期間:3月1日~12月25日

休園日:月曜(祝日の場合は翌日)、名古屋みなと祭開催日、12月24日、冬季(12月26日~翌2月末日)

営業時間:9:30~17:00(3月1日~11月30日)、9:30~16:00(12月1日~12月25日)

料金:大人300円、65歳以上200円、小中学生150円、6歳未満無料、障がい者・付添人(1人)200円、小中学生障がい者100円

駐車場:有り、200台(無料)

併せて読みたい

カメラマンが訪ねた感動の花の庭。芝とハーブとバラがコラボする庭 愛知・寺田邸
天野麻里絵さんの「やってみよう!初めてのガーデニング」小さな花壇で育てる冬~春の花5選
花の庭巡りならここ! インスタ映えする景色の宝庫「淡路島国営明石海峡公園」

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
Print Friendly, PDF & Email

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO