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里帰りした宿根草「アスター‘ジンダイ’」が初めての開花! 東京パークガーデンアワード@神代植物公園で観…
日本から海外に渡り、再び戻ってきて愛される植物たち 都立神代植物公園(調布市深大寺)を舞台に一般公開されている「第2回 東京パークガーデンアワード」。そのコンテストガーデンで10月上旬、グラスの穂と共演するアスター‘ジンダイ’。撮影/松井映樹 今、私たちが季節の移り変わりを感じたり、眺めて癒やされたりする花や植物のなかには、日本から海外に渡って、新たな価値を見出されて世界各地で育てられているものが多く存在します。その代表的な植物には、アジサイやギボウシ、ツバキなどが挙げられますが、今年東京・神代で開花したアスター‘ジンダイ’(Aster tataricus 'Jindai')もその一つです。 海外で撮影されたアスター‘ジンダイ’。yakonstant/shutterstock.com アスター‘ジンダイ’は、ニューヨークのハイラインや、イギリスのハウザー&ワース・サマセットなど、昨今注目される「ナチュラリスティック」デザインのガーデンで広く栽培され、欧米では定番の美しいアスターとして愛されています。 「第2回 東京パークガーデンアワード」のコンテストガーデンで多数のつぼみをつけるアスター‘ジンダイ’。 宮城県で「はるはなファーム」というナーセリーを営み、ガーデナーでもある鈴木学さんも、「ナチュラリスティック」で活躍する植物に魅了され、苗を集めてきました。そのなかで、どうしても入手できなかった品種がアスター‘ジンダイ’でした。 「あきらかに日本のものと分かる名前でしたから、かつて日本から海外へ紹介された植物の1種だと思い、同業者や山野草関係の知人に聞いて回ったのですが、まったくといっていいほど手がかりがありませんでした」。 イギリスの新刊書籍で見つけたアスター‘ジンダイ’の由来 『Planting the Oudolf Gardens at Hauser & Wirth Somerset』by Rory Dusoir, Foreword by Piet Oudolf, Photographs by Jason Ingram 出版/Filbert Press その謎のアスター‘ジンダイ’の由来を解き明かす糸口を鈴木さんが見つけたのは、2020年に出版されたイギリスのガーデン「ハウザー&ワース・サマセット」の解説書『Planting the Oudolf Gardens at Hauser & Wirth Somerset』でした。 世界的に活躍するガーデン・デザイナー、ピート・アウドルフ氏が手がけた庭の新刊出版を心待ちにしていた鈴木さんが胸を躍らせページをめくっていると、アスター‘ジンダイ’の解説に目がとまりました。そこにはなんと「アメリカのプランツマン、リック・ダーク(Rick Darke)氏が神代植物公園で見つけた」と記されていたのです。 アスター‘ジンダイ’は神代植物公園で栽培されていた株が親株 それから数年が経った2023年。「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」の入賞ガーデナーの1人として鈴木さんが座談会に登壇した際、神代植物公園の松井映樹園長と面識ができたことがきっかけで、アスター‘ジンダイ’の謎解きが再び始まりました。 松井園長が、開園当時から現在までの目録をあたってくださり、アスター‘ジンダイ’の親株と考えられる植物を発見。ただし、いつ、どのような経緯でリック・ダーク氏がそれを入手したかは分からない、というところまで辿り着いたのです。 2023年に東京・代々木公園内で開催された「第1回 東京パークガーデンアワード」で準グランプリを受賞した鈴木学さんによるコンテストガーデン「Layered Beauty レイヤード・ビューティ」の6月。 それから少し後、鈴木さんが代々木公園でコンテストガーデンのメンテナンスをしているとき、北海道「十勝千年の森」のヘッドガーデナー新谷みどりさんと会う機会がありました。じつは新谷さんはナチュラリスティックガーデンの考えを日本に広めた第一人者でもあり、鈴木さんにアスター‘ジンダイ’を探してほしいと頼んでいたのです。そこで、これまでの調査の経緯を話したところ、なんと、新谷さんは書籍に記載されていたアメリカのプランツマン、リック・ダーク氏と知り合いであることが判明。リック氏本人にアスター‘ジンダイ’について聞けることになったのです。 ‘ジンダイ’の名付け親リック・ダーク氏は1985年に神代植物公園を訪問 当時、神代植物公園内でアスター‘ジンダイ’の親株が育っていたのではと想定されているのは「宿根草園」と呼ばれている場所で、2023年にリニューアルされた。写真は2024年7月の様子。 2023年暮れ、リック氏にアスター‘ジンダイ’のことを問い合わせていた新谷さんにメールの返信がきました。そこにはこう書かれていました。 「1985年、ペンシルヴァニア州のロングウッドガーデン(Longwood Gardens)に勤務していた当時、同園と米国国立樹木園(U.S. National Arboretum)の共同調査のため、樹木園のチーフ、シルベスター・マーチ(Sylvester March)氏と一緒に訪日しました。その目的は、日本の植物苗の生産者や植物園、在来植物の自然植生地を訪れて、北米を中心とした園芸業界に役立つ日本の植物を見いだすことにありました。 アスター‘ジンダイ’の親株と思われるもの。宿根草園にあった株をリニューアル時に掘り上げて鉢植えで栽培。今年は10月上旬に咲き始めました。撮影/松井映樹 その際に神代植物公園を訪れ、当時の園長に園内を案内していただいたとき、展示植栽地でひときわ草丈の低いシオン(Aster tataricus)系の植物が目に留まりました。それが特別な品種(交配種)なのかを聞いたところ、『いいえ、純粋に種から育てているものです』という答えが返ってきました。 神代植物公園で2024年10月上旬に開花したアスター‘ジンダイ’の親株。ヤマトシジミアやイチモンジセセリ、ツマグロヒョウモンが蜜を求めてやってきた。撮影/松井映樹 草丈が低く、コンパクトでありながらまっすぐに成長する姿を見て、アメリカでは草丈が高く育ちすぎて倒伏しやすい従来のシオンよりも、庭でずっと育てやすいと確信しました。神代植物公園の当時の園長はとても協力的で、寛大にその植物を分けてくださいました。 無事にアメリカにその株を連れて帰り、後に神代植物公園に敬意を表して、‘Jindai’の名前を付けて世の中に紹介しました。今や生産栽培分野においても、この種の持つ草丈の低さは安定しており、北米の環境に見事に適応して、非常に優秀で美しいアスターとしてたくさんの方々に愛されています」 現在開花中のアスター‘ジンダイ’の親株は、神代植物公園内の植物会館前で10月20日まで秋の七草とともに展示中。アスター‘ジンダイ’は花が咲いている期間、同場所でその様子をご覧いただけます。撮影/松井映樹 その後、アスター‘ジンダイ’の親株を渡した当時の園長が柴沼弘さんであったことが分かりました。1961年の開園当初の神代植物公園の植物目録には「しおん(だるま)」の記載があります。1991年の植物目録では「シオン Aster tataricus」と記載されており、現在も、「シオン Aster tataricus」のラベルの付いた矮性のシオンが神代植物公園で栽培されています。つまり、アスター‘ジンダイ’は、日本では「ダルマシオン」の名で長年親しまれていた草丈の低いシオンの1種と考えられ、アメリカのプランツマンによってその価値を高く評価され、固有品種名‘ジンダイ’の名を冠して世界中に広がったのです。 38年ぶりに里帰りしたアスター‘ジンダイ’ はるはなファームで植え付けを待つアスター‘ジンダイ’の苗。2月。写真/鈴木学 この由来の解明と並行して、鈴木さんが営むはるはなファームでは、2023年の9月にオランダからアスター‘ジンダイ’のプラグ苗を輸入し、育てた苗が12月に「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」のコンテストガーデンに植えられることになりました。1985年にリック・ダーク氏が‘ジンダイ’をアメリカに持ち帰ってから、38年ぶりに里帰りしたことになります。 2023年12月に植え付けたアスター‘ジンダイ’の場所を示すプレートが設置されたコンテストガーデンA 「Grasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜」。 そして、いよいよ迎えた10月上旬。コンテストガーデンで開花したアスター‘ジンダイ’は、草丈130〜160cmと従来のシオンと比べてコンパクトながら、分枝した先にたくさんの淡紫色の小花を次々と咲かせています。 里帰りして初めて開花したアスター‘ジンダイ’を見て、鈴木さんは「もう1つ興味深いのは、花色が濃い点」だと言います。「一般的なシオンは、もう少し花色が薄くて、写真を撮る際の条件によっては白に近く見えることもありますが、これはしっかり色を感じますね。海外で栽培されている‘ジンダイ’は花色が濃いと聞いていたので、期待どおりでした」。 ガーデンプランツとして期待されるアスター‘ジンダイ’の可能性 コンテストガーデンで10月上旬に開花したアスター‘ジンダイ’。 鈴木さんは、今年秋に日本の気候で約1年育てて開花したアスター‘ジンダイ’を確認して、これからのガーデンで活躍する植物であることを確信したと言います。 「まず一番の魅力は、日本の気候に合った宿根草だということです。特に秋、宿根草ガーデンの最後のシーズンを飾るものとして加えられるのはいいことだと思います。 シンフィオトリクム Alex Manders/Shutterstock.com 西洋のアスター(シンフィオトリクムとかユーリビアなど)は、基本的に日本の気候に合うものが多いものの、グンバイムシなどの害虫に弱かったり、酸性度の高い土壌では育ちにくい場合があります。例えば、ノコンギクやシオンなどの日本に自生していたアスターは、気候に合うのはもちろん、病害虫にも耐性があり、長い期間、持続可能で魅力的な植栽を計画するうえでは欠かせないと思います。 ノコンギク 一方、ノコンギクやその他のアスターの多くは、植栽の中で構造的に使えるか(長い期間、形としての植栽を維持できるかどうか)という点で劣るものも多く、その点からもシオンは、構造的な宿根草として使えるというメリットがあります。 コンテストガーデンで10月上旬に開花したアスター‘ジンダイ’。支柱をせずに自立するのも特徴。 しかし、従来のシオンは2m前後と草丈が高すぎるので、必ずしもすべての現場で重宝するというわけではありません。ですので、アスター‘ジンダイ’のような130〜160cmにとどまる草丈は、“ちょうどいい”と思います」 鈴木さんが、今ナチュラリスティックな植栽に関わるなかで、昨今よく外来種と在来種が話題になり、慎重に扱うべきテーマだとしたうえで、 「このアスター‘ジンダイ’は、人と人とのつながりがきっかけで海を渡り、世界中でガーデンプランツとして使われ、そして40年近く経て故郷に帰ってきました。今回、その環をつなぐ一助となれたことは、忘れがたい経験になりました」と語ります。 アメリカ合衆国イリノイ州にある「シカゴ・ボタニック・ガーデン(Chicago Botanic Garden)」で開花するアスター‘ジンダイ’。2019年10月25日撮影。撮影/新谷みどり また、海外で育つアスター‘ジンダイ’を実際に何度も見た経験があり、長年その由来と性質に関心を寄せてきた新谷さんは「Rickの言うとおり、シオンAster tataricusより倒れにくく育てやすいうえ、野の趣がいいなと感じた」と、その魅力を語ります。 「私が実際に見たシカゴ・ボタニック・ガーデンのアスター‘ジンダイ’(上写真)は、背景にあるカラマグロスティス‘カール・フォースター’より低い草丈(130〜140cm)であると分かります。草丈や花色は、気候の違いによっても差が出ますが、シカゴ・ボタニック・ガーデンで見たときは寒暖差のある秋で、湿度が高くない状態で、北海道の秋とも少し似ているような気候でした。 シカゴ・ボタニック・ガーデン内の「GARDENS OF THE GREAT BASIN」と呼ばれる6つの庭で構成された一大エリアに開花するAster tataricus 'Jindai'。 2019年10月25日撮影。撮影/新谷みどり 昼夜の寒暖差が大きくなると、それまでの季節より花色が濃くなっていくことは植物では珍しいことではないため、アスター‘ジンダイ’の本当の性質は、本州の高温多湿な温暖地と北海道の寒冷地の両方でテスト栽培をしてみなければ判断できないと考えています。 そして、Aster 'Jindai'の物語が判明した今、何よりも私が一番育てたいのは、日本のダルマシオンにほかなりません。アメリカのプランツマンを魅了した日本の植物が絶えることのないよう、植物への思いに満ちた園芸愛好家ならば誰もが手に入れることのできるようになることを願っています。それこそがアスター‘ジンダイ’に注目した当時のRickの使命であり、Aster tataricus 'Jindai'の故郷である日本として見習うべきことだと思います」 海外で撮影された、霜をまとうアスター‘ジンダイ’。Wiert nieuman/Shutterstock.com 今、里帰りして初めて開花したアスター‘ジンダイ’が、第2回 東京パークガーデンアワードのコンテスト会場である神代植物公園、正門手前のプロムナードで秋のガーデンに彩りを添えています。さらに咲き進み、冬が近づくと、綿毛をまとったタネの姿もオーナメンタルに活躍するのではと期待されています。ぜひ、ガーデナーが注目する宿根草、アスター‘ジンダイ’の様子をご覧に、お出かけください。 アスター‘ジンダイ’が育つコンテストガーデンを見に行こう! Information 都立神代植物公園(正門手前プロムナード[無料区域])所在地:東京都調布市深大寺元町5丁目31-10https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/電話: 042-483-2300(神代植物公園サービスセンター)開園時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌日が休園日、年末年始12/29~翌年1/1)アクセス:京王線調布駅、JR中央線三鷹駅・吉祥寺駅からバス「神代植物公園前」下車すぐ。車の場合は、中央自動車道調布ICから約10分弱。
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【秋の庭づくり】ハンギングバスケットで端境期の庭も華やかに演出
庭のフォーカルポイントに効果的なハンギングバスケット 夏から秋へと季節が変わるときには、庭の彩りがやや寂しくなる端境期があります。酷暑で植物のいくつかは夏バテ気味になるうえに、ヨトウムシなどガの幼虫が多く発生し、花や葉がボロボロになることも。そんな時期にも、庭に見所を作る方法がハンギングバスケットです。 ハンギングバスケットとは ハンギングバスケットとは、植物を立体的に楽しむガーデニング手法の1つ。球体や半円状の容器に植物を植え込み、チェーンやフックを使って壁や天井、または庭の構造物などに吊して飾ります。地面を使わず、玄関先やベランダなど狭い空間も華やかに彩ることができるのが魅力です。 立体演出に効果的なハンギングバスケット アーチに飾ったケイトウのハンギングバスケット。 また、高い位置に飾って視覚的なインパクトを効果的に与えることができるため、庭の中のフォーカルポイントとしても活躍してくれます。庭に立体的な彩りを演出できるつるバラやクレマチスなどのつる性植物は、開花期が春に限られる場合が多いので、ハンギングバスケットは寂しくなりがちな端境期に重宝します。 バラの花が途絶える時期も色鮮やかなケイトウがアーチを華やかに彩る。 この庭は一季咲きのつるバラが中心で、春はバラの連続アーチが華やかに彩ってくれますが、ほかの時期には寂しくなります。でも、ハンギングバスケットを飾ると、バラが咲かない季節も華やかさが演出できます。 下草とコーディネートした単植のハンギングバスケット アーチの下のアルテルナンテラやペンタスの花色とハンギングをコーディネート。 ハンギングバスケットを庭で上手に生かすポイントは、飾る場所の周囲の状況に合わせて花を選ぶこと。例えば、庭の中央にある連続アーチに飾るハンギングバスケットには、緑の中でパッと目立ち、下草の花色ともコーディネートした赤系のケイトウを選びました。 シンプルな背景に映える寄せ植えのハンギングバスケット 扉の両サイドに対にして飾ることで、玄関にフォーマルな雰囲気を演出できる。下に置いたボックス形の鉢とともにパープルの寄せ植えでコーディネート。 一方、玄関扉の両サイドには、数種類の淡いパープルの花を組み合わせた繊細なハンギングバスケットを飾りました。壁や扉などのシンプルな構造物が背景の場合には、淡い色合いやいくつかの寄せ植えを組み合わせた複雑な表情もよく映えます。 セイヨウニンジンボク‘パープレア’やカリブラコア、ペンタス ブルー、トウガラシ‘パープルフラッシュ’などを組み合わせたハンギング。 私は本来こういうやさしい色合いの花が好みなのですが、この淡いハンギングを庭の中のアーチに飾っても存在感が出ません。アーチの場合は遠景でもパッと目につく必要があるので、ケイトウ1種に絞った単植のハンギングのほうが効果的。このように、どこからどう見えるかを意識して、適材適所の花を選ぶのがポイントです。 3カ月はもつ花材を使うのがハンギングバスケットのコツ イエロー系でまとめたハンギングとパープル系のコンテナとのコーディネートがフォーカルポイントに。 ハンギングバスケットにはさまざまな容器がありますが、壁掛けでよく使われるのがスリット式バスケットです。上の写真では幅約30cmのスリット式バスケットを使っています。側面にもスリット状の植え穴があり、計18株植えているので、同じサイズの植木鉢と比べるととても華やかになります。 使った植物はジニア‘プロフュージョン アプリコット’、セイヨウイワナンテン‘レインボー’、トウガラシ‘パープルファントム’、ジュズサンゴ‘カスリ’の4種類。 ハンギングバスケットの植え方 このサイズのスリット式バスケットの場合、スリット部分に上から下へ差し込むように苗を植えていき、3段まで(3段部分は手前と奥)植えることができます。一度植えると基本的に抜き取って入れ替えることができないので、途中で枯れてしまうものがないように見頃が揃うものを選びます。また、たくさんの苗を使うのですから、できる限り長く楽しみたいもの。私は最低3カ月は楽しめることをルールに花を選んでいます。見頃を長くするには、水もちのよい土を選び、ゆっくり長く効くタイプの緩効性肥料や害虫忌避剤もあらかじめ土に混ぜ込んでおくのもコツです。 掛ける場所のないところで活躍するハンギンググッズ ハンギングバスケットを飾る際に、バスケットを引っ掛ける場所の強度はとても重要です。前述のように、壁掛けタイプでは1鉢に20株ほどの植物と用土が入り、さらに水やりをするとかなり重くなります。ハンギングバスケットを飾るにはしっかりした構造物が必要ですが、住宅の壁に無闇に穴をあけると水漏れなど深刻な被害をもたらす可能性があります。引っ掛ける場所がないけれど、ハンギングを飾りたいというときに便利なのがハンギングスタンドです。上の写真は公道に面した花壇で、1本足のハンギングスタンドを地面に挿してバスケットを飾っています。 ジニア‘プロフュージョン’のカラーミックス。花壇にさまざまな花が咲くのでハンギングバスケットは単植で印象的に。 これはハンギングスティック(取り扱い/ベルツモアジャパン)という、地面に挿すだけのハンギングスタンド。シンプルなデザインなので、花がよく映えます。深さがあればコンテナに挿し込んで使うこともでき、地植えができない場所でも活躍します。このようにバスケットはもちろん、ハンギング専用のさまざまな資材があるので、それらを上手に用いると飾る場所の幅が広がります。 ハンギングバスケットとコンテナのコーディネート ハンギングバスケットの大きな魅力は、地植えができないバルコニーやベランダなどでも花が育てられることです。コンテナを組み合わせると、空間を立体的に使えるので、狭い場所でも華やかな庭をつくることができます。秋は庭にもハロウィンの演出を凝らして季節を楽しみます。壁にはカボチャカラーのマムと本物のカボチャを組み合わせたハンギングを、コンテナは紫色のアスターが主役の寄せ植えにし、補色でコーディネートしました。 秋の陽に映えるオレンジの斑入りのニューサイランやケイトウ、観賞用のトウガラシの寄せ植え。 コンテナには草丈の高い植物も使えるので、ハンギングバスケットとはまた違った素材での寄せ植えが楽しめます。それぞれに特徴があるので、コンテナとハンギングバスケットを組み合わせることで、限られたスペースでも多様な植物が育てられ、ガーデンデザインの幅が広がります。小さな庭でも広い庭の中でも、ハンギングバスケットやコンテナを取り入れることで、いつも美しい演出が叶います。特に端境期の庭では、これらが大活躍してくれますよ。
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静岡県

豪雨対策から冷却効果まで!ローメンテナンスな庭で暮らしが変わる5つの方法
激烈化する気候、都市部の住宅地にも迫る危険 2024年7月から9月初頭までの間に発令された「記録的短時間大雨情報」は計47回。そのうち43回が1時間に100mmを超す豪雨でした。1時間に100mmの雨とは、ほとんどの排水システムでは処理できない量で、大規模な冠水が発生する雨量です。実際、この夏には台風でないにもかかわらず、豪雨により東京都内のあちこちで道路が冠水し、車が水没する事態となりました。都市部の排水システムは通常、1時間あたり数十ミリの降雨量を想定して設計されているため、下水管がすぐさま満杯になり、マンホールから水が噴き出したり、トイレや台所の排水口から水が逆流するなどの被害も発生。こうした都市型洪水は排水システムの限界のほかに、都市の地面のほとんどが透水性の低いアスファルトやコンクリートで覆われていることも原因の1つです。そのため、地中への水の浸透が間に合わず、短時間で大量の雨水が地表に流れ、冠水や洪水の原因となっています。 グリーンインフラとして世界に増える街中の庭 高架の廃線跡地を約2.3kmの公園にしたニューヨークのハイライン。Pit Stock/Shutterstock.com こうした気候変動がもたらす課題への解決策として、「グリーンインフラ」の整備が進んでいます。「グリーンインフラ」とは、自然のプロセスを利用して雨水管理や都市の温暖化対策などを行う仕組みのことで、世界ではグリーンインフラとして街中や住宅地に庭を増やす取り組みが始まっています。 雨水吸収&水質ろ過装置として機能するレイン・ガーデン 例えば、ニューヨークの観光名所にもなっている全長2.3kmに渡る廃線跡を公園にした「ハイライン」では、土の層、下層土、排水マットを組み込んだ高度な排水システムが採用されており、最大80%の雨水流出を削減し、都市型洪水を防止する役目を果たしています。植物にすぐに吸収されなかった水は排水マットに蓄えられ、乾燥時に利用できるようになっており、補助的な灌漑の必要性を減らし、ハイラインをより持続可能なものにしています。 かつて治安悪化の要因となっていた廃線跡地は「ハイライン」として生まれ変わり、周辺の不動産投資も活性化した。MisterStock/Shutterstock.com また、ニューヨーク市では、ハリケーンによる都市型洪水への対策として、ハリケーン・アイダから1年後の2022年頃、約2,000カ所のレインガーデンが新たに設置され、全体で11,000カ所を超える規模に拡大されました。レインガーデンとは、雨水を地中に吸収させることを目的に設けられた植栽スペースで、植物の根が水の通り道となって地下へと誘導し、同時に植物自身が水を吸い上げることで、下水への過剰な流入を防ぐ仕組みです。ニューヨーク市のレインガーデンは1基あたり約2,500ガロン(約9,400リットル)の雨水を吸収できるとされており、都市インフラにかかる負荷を大きく軽減しています。また、雨水は土壌を通過する過程で自然にろ過されるため、水質浄化の効果もあり、河川や運河の環境改善にも寄与しています。このような効果を期待し、日本でも東京都杉並区では善福寺川の水質向上を目的に、同様のレインガーデンの導入が進められています。 庭によるヒートアイランド現象の緩和効果 緑によるヒートアイランド対策を観光にもつなげているシンガポールの繁華街。Sergey Peterman/Shutterstock.com 庭は雨水を吸収するだけでなく、都市部の熱帯化を緩和するクーリング装置としても着目されています。コンクリートで覆われた地面は、真夏の日射で表面温度が60℃近くまで上がることも珍しくありません。さらに熱せられた地面は赤外放射という熱を発し、頭上からの日射にこの赤外放射が加わると、外気温が30℃の場合、体感温度は40℃にも上がってしまいます。こうした都市部特有の熱帯化をヒートアイランド現象と呼び、熱中症対策として近年、街中にミストを設置しているところがありますが、まさにガーデンはそのミスト装置と同様の働きをします。植物は根から水分を吸い上げ、余分な水分を葉の裏から水蒸気として放出する「蒸散」を行っており、ガーデンは水道代や電気代のかからない天然のミスト装置ともいえるのです。 「ホテル・イン・ア・ガーデン」をコンセプトにしたラグジュアリーホテル「パークロイヤル・オン・ピッカリング」。RuslanKphoto/Shutterstock.com 緑による先進的な取り組みが進むシンガポールのホテル「パークロイヤル・オン・ピッカリング」では、植物の蒸散作用を利用したエネルギー削減に成功しています。このホテルでは敷地面積のほぼ2倍にあたる15,000㎡を超える緑を有し、建物表面に受ける熱を遮断するとともに、植物の蒸散作用によって建物外壁の全体的な温度を下げ、エアコンのようなエネルギーを大量に消費する冷却方法の必要性を減らしています。同ホテルの環境に配慮した設計は数々の賞を受賞しており、サステナブル建築が都市の居住空間を向上させながら、ヒートアイランドの影響をいかに軽減できるかを示す好例となっています。 ガーデンプランツの炭素固定能力にも集まる注目 根が深く炭素固定に効果的で、バイオエネルギーとしての利用研究も進むパニカム・ウィルガツム。Molly Shannon/Shutterstock.com 植物は光合成を通じて大気中のCO2を取り込み、炭素を有機物として蓄積します。特に成長が早く盛んに光合成を行い、なおかつ根が深く長寿命の植物は、多くの炭素を土壌深くに固定し、長期的に安定した炭素ストックを形成するため、気候変動の緩和に重要な役割を果たすとして注目されています。樹木で構成された森林は重要なCO2吸収源とされていますが、環境省の発表によると2020年の日本の森林等によるCO2の吸収量は4,450万トン、それに対し排出量は11億5千万トン。今ある森林の吸収量では到底追いつかないため、CO2の削減とともに吸収源を増やす対策の1つとしてグリーンインフラが急がれているのです。ガーデンを彩る草花の中にも炭素固定能力に優れたものはいくつもピックアップすることができ、特に長寿命の宿根草類や低木類は有力候補となります。 都市公園は緑の機能性を市民に共有する知的共有スペース 浜名湖ガーデンパークのユニバーサルガーデン。 このように、ガーデンは気候変動の影響を緩和し、持続可能な社会を構築するためのインフラとして重要な役割を果たすことが期待されています。 「都市公園はこうしたインフラ機能を街に提供する役割があり、さらにガーデンの有用な機能を市民に知識として共有する役目も担っています」と話すのは、造園家の阿部容子さん。ガーデンの持つさまざまな機能を分かりやすくデザインした浜名湖ガーデンパークの「ユニバーサルガーデン」の設計者です。阿部さんはガーデンのインフラ機能として、人々の心身の健康を向上させる面にも注目し、五感に積極的に働きかけるようユニバーサルガーデンを設計しました。 五感に合わせてエリア分けされており、小道状のガーデンを通り抜けると心身が健やかになることをコンセプトとしている。 「ガーデンがインフラとして浸透するには、ガーデン自体の持続可能性がポイントです。植物はメンテナンスをしなければ、その機能を十分果たせないばかりか、倒木や予期せぬ繁茂などのリスクを招く場合もあります。また、メンテナンスに労力がかかりすぎても維持が難しくなります。ですから、メンテナンスは必要ですが、ローメンテナンスな庭であることが重要なのです」。 阿部さんは庭のメンテナンスの中でも最も労力が高い雑草管理を大幅に削減する工法を用い、さらにローメンテナンスな植物を200種以上組み合わせてユニバーサルガーデンを設計施工。持続可能でグリーンインフラとしても有効なガーデン設計について解説していただきました。 雑草管理を大幅に減らす「ノンストレスガーデン工法」 ユニバーサルガーデンの施工中。植え穴には専用のリングをはめて、防草シートをしっかり土に留めつける。 「ユニバーサルガーデン」は基本的に雑草管理の必要がないように、ノンストレスガーデン工法で施工しています。ノンストレスガーデン工法とは、簡単にいうと植栽帯全面に防草シートを敷き、植栽計画に沿って適切な植え穴をあけて植栽することで、ガーデン全体に雑草を生えさせない工法です。植栽後、防草シートの上にはバークチップや土壌資材のバイオマイスターを施すので、施工直後から防草シートは見えずに自然な雰囲気です。 マルチングに使用しているバイオマイスター。 バイオマイスターは根を生育させるための肥料成分や土壌中の有害な菌の発生を抑え、植物の生育を助ける善玉菌を多く含んだ土壌資材です。防草シートの上からもそれらの有効成分を土壌に浸透させることができるので、仕上げのマルチング材に使用すると、より効率的に植物を育てることができます。マルチングは自然に減っていくので、上から追加してまき直すことで植物の健全な生育が維持できます。地表は防草シートとマルチング材で覆われており、乾きにくいので、基本的に植え付け初年度以外は自然の降雨に任せ、水やりの手間も必要ありません。 ノンストレスガーデン工法のポイントは、排水機能を整えた土壌整備と防草シートの敷き方・留め方、植物ごとの適切なサイズの植え穴です。ノンストレスガーデン工法の詳細はこちらで解説しています。 グリーンインフラとして有効な植物 マット状に広がるクラピアは地熱を抑える役目を果たす。 ガーデンを持続可能なものとするか否かは、植物選びも重要なポイントです。環境に合った植物を選ぶことでメンテナンスの労力は大幅に減らすことができます。特に近年は、夏の暑さや豪雨に耐えられるものであることが大事な条件になってきています。ローメンテナンスの観点から見れば「丈夫で長寿命」な低木や宿根草が挙げられますし、暑さに耐えられるものは根が深く張るもの。つまりこれらの条件が揃う植物は、グリーンインフラに最適な「グリーンインフラプランツ」といえます。 クラピアの白い小花にはミツバチが集まり、生物多様性にも寄与する。 例えば、ユニバーサルガーデンでグラウンドカバーとして使っている宿根草のクラピアは、地上部の草丈は最大20cm程度ですが、地中の根はなんと150cmまで深く伸びます。一般に深さ1m以上になると炭素固定に有効とされており、クラピアは雨水の貯水や炭素固定能力に効果的であると考えられます。また、クラピアは生育が早く地表近くにも細根が密集し、植栽後2カ月で1株が約0.25㎡を覆い、地温を下げるのにも有効なので、優秀な「グリーンインフラプランツ」といえます。 探そう!グリーンインフラガーデンプランツ こんもり茂った日本の自生種アシズリノジギク。 クラピアの原種は海岸沿いで生育する在来種イワダレソウです。こうした海浜植物は砂地に生育するため、深く広く根を張る性質があり、クラピアのほかにもユニバーサルガーデンに取り入れているアシズリノジギクも同様の能力が期待できます。ほかにもイトススキやフウチソウなどのイネ科のグラス類は、根が深く炭素固定能力が高い植物として注目されており、イネ科が多い日本の在来種には有効なものがまだまだあると私は考えています。光合成を盛んにするという観点からは葉が大きいギボウシや常緑のノシランなども候補になるでしょう。このようにグリーンインフラという観点で植物を見直すと、目に見える美しさに加え、植物のすごい能力に改めて気付き、魅力を再発見することができます。公園の植物やご自身の庭にも、地球温暖化の危機的状況を救う「グリーンインフラプランツ」がたくさん見つけられるかもしれません。 病害虫対策を大幅削減する生物多様性ガーデン ユニバーサルガーデンは200種以上の植物が入っており、基本的に防除や予防の散布といったメンテナンスはしていません。多品種を入れることで益虫と害虫のバランスが自然に保たれ、予防や防除の労力を大幅にカットできます。また、病害虫がよく発生するのは風通しの悪い場所なので、植物が混み合わないよう注意します。植栽計画を立てる際、植える植物の最終的な株サイズを把握し、隣り合う植物の葉が触れ合う程度の間隔を保って植栽位置を決めると、風が通り抜け病害虫が発生しにくくなります。 また、五感に働きかけることをテーマにしたユニバーサルガーデンの「音のエリア」には、鳥を呼ぶエゴノキやジューンベリーなどの樹木があります。実際、木にかけた巣箱では春に子育てをする姿が見られたので、小鳥たちも害虫防除に大いに活躍してくれていることと思います。病害虫対策の観点からだけでなく、たくさんの生き物がいるガーデンは、人にとっても心地よいものです。気候変動の緩和だけでなく、人の心身の健康を向上させるという観点からもガーデンは重要なインフラ機能として評価されています。 未来を変える庭の力 このように、ガーデンはさまざまな問題を解決する力があり、環境面や経済面、健康福祉の観点からも多大な価値を持つグリーンインフラとして社会に広がり始めています。もしあなたが庭を持っているなら、もちろんその庭は重要なグリーンインフラの1つです。庭は私たちが楽しみながら日常生活に取り入れられる持続可能な解決策であり、地球規模での環境保護に寄与する重要な一歩となるのです。
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群馬県

花の庭巡りならここ! 数多のばらコレクションを誇る「敷島公園門倉テクノばら園」
懐かしくもあり、目新しくもある華やかな昭和レトロのばら園 利根川と広瀬川に挟まれたエリアにつくられた、群馬県のシンボリックな存在「敷島公園」。その一角に、「敷島公園門倉テクノばら園」があります。1971年に開園した歴史あるばら園で、2008年春に開催された「第25回全国都市緑化ぐんまフェア」の主会場の1つとして全面的に再整備され、リニューアルオープンしました。その広さは約4.5ヘクタールで、大人がゆっくり歩いて1時間ほどかかる規模です。 このばら園のコンセプトは、「昭和レトロのばら園」。周囲より低く掘り下げて造成されたサンクンガーデン(沈床式庭園)スタイルで、見下ろしたり見上げたりできる高低差を利用したダイナミックな景観を楽しめます。また、植栽は左右対称の整形式花壇を採用しており、こちらも昭和に流行したスタイルで、懐かしさを感じる方もいれば、目新しく感じる方もいるようです。 「敷島公園門倉テクノばら園」では、約600種7,000株のばらが植栽されています。それぞれにテーマを設けた植栽コーナーがあり、「オールドローズ」「フランス・その他欧米のばら」「日本・ドイツのばら」「イギリス・ニュージーランドのばら」「アメリカのばら」「モダンローズ」「イングリッシュローズ」「香りのガーデン」のエリアに分けられています。また、世界バラ会議で選出された「殿堂入りのバラ」を全種(モダンローズ18種、オールドローズ13種)植栽しているのも見どころ。これまで3〜10万以上もの品種が作出されている中から選ばれた、ハイエンドなばらの美しさを堪能しましょう。 「敷島公園門倉テクノばら園」の見頃は、春が5月中旬〜6月上旬、秋が10月中旬〜11月上旬です。それぞれ「春のばら園まつり」、「秋のバラフェスタ」が開催され、ばら苗やグッズの販売、園内のガイドツアー、夜のライトアップほか、さまざまなイベントで楽しく賑わいます。ぜひ足を運んではいかがでしょうか。 全方位から見て美しいシーンの連続約600本のスタンダード仕立ては圧巻 モダンローズコーナーで咲く深紅のばらは、フランス生まれの‘ラ・マルセイエーズ’。半剣弁高芯の端正な佇まいが目を引きます。奥に見えるガゼボは休憩スポットで、園内に3カ所設置されています。外観デザインが美しく、背景に入れると素敵な写真が撮れそうです。 園内には、スタンダード仕立てのばらが約600本列植され、立体感のある演出が楽しめます。要所ごとに、ばらのトンネルやアーチ、ポール仕立て、フェンス仕立てがしつらえてあり、メリハリの効いた景観を楽しめます。手前で咲いている白いばらは、第6回の世界バラ会議で殿堂入りした‘アイスバーグ’です。 ぜひ立ち寄って記念撮影を!写真映えするスポットが盛りだくさん 正面広場の芝生前に設置されているハート形のオブジェには、ピンクのつるばら‘マダム・ピエール・オジェ’を仕立てています。ベビーピンクでコロンとした丸みのある咲き姿が愛らしいばらで、芳醇な香りも魅力です。SNS映えするスポットとして、来園者の多くが記念撮影を楽しみます。 モダンローズコーナーに置かれている彫像は、分部順治氏制作の「ばらの精」。周囲には、アメリカで作出された品種が多数植栽されており、カラフルなばらの競演が見られます。 前橋市のオリジナルローズに注目!春と秋のイベント期間にはライトアップも 「敷島公園門倉テクノばら園」では、前橋市のオリジナル品種‘あかぎの輝き’を見ることができます。平成20年開催の「全国都市緑化ぐんまフェア」を記念して作出され、名称も公募によって決まりました。開花が進むにつれて、黄→オレンジ→赤へと移ろう花色が特徴です。 例年、「春のばら園まつり」と「秋のバラフェスタ」のイベント期間には、日没から20:30までライトアップをしています。黄昏時から夕闇に包まれるまで、刻々と光が変化していく中でのばらの表情も、また美しいもの。ライトアップ時の散策も、感動のひとときとなることでしょう。
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東京都

都立公園を花で彩るコンテスト「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」応募方法 ※締め切りました
開催3回目のコンテストの舞台は都立砧公園 上写真は、「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」のコンテストが開催される以前の様子。オリーブなど既存の樹木はそのままに、芝地が整地されてコンテストの花壇エリア(下写真)が作られました。コンテスト期間中、東京の最新ガーデンが見られるスポットとして多くの人々が訪れました。 2022年にスタートした「東京パークガーデンアワード」は、東京都にある公園の一角を花と緑の彩りがある新しい風景へと変えるガーデンコンテストで、2022年には代々木公園、2023年は神代植物公園を舞台に開催されています。東京都公園協会が主催し、12月の作庭から翌年11月のファイナル審査まで約1年かけて行われているプロジェクトです。 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」で開花した多数の宿根草。ロングライフ・ローメンテナンスをテーマに選ばれた植物は、3月から11月の間、バトンタッチをするように花壇を彩りました。なかには3〜4カ月もの期間咲き続けた種類も。 このコンテストの最大の特徴は、宿根草を活用した「持続可能なガーデン」をテーマにしていること。デザインに加え、植物や土壌に関する確かな知識やノウハウが求められる、今までのものとは一線を画すガーデンコンテストとして注目されています。 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」でグランプリを受賞した「Garden Sensuousガーデン・センシュアス」季節の変化。 審査は9月中旬の書類審査から始まり、審査を通過した5名の入賞者には、それぞれ約40m²のスペースにガーデンを制作していただきます。そして、植物が成長をスタートした4月中旬に「ショーアップ審査(春の見ごろを迎えた鑑賞性を審査)」を、7月中旬には「サステナブル審査(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と持久性を審査)」を、11月上旬には「ファイナル審査(秋の見ごろの鑑賞性と年間の管理状況を審査)」という、3回の審査を経てグランプリが決定します。 ガーデン製作費として最大300万円支給 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」2022年12月作庭時の様子。 書類審査を通過した5名の入賞者には、植物代などガーデン制作にかかった材料費として最大300万円が支給されるので、多数の植物を使ったガーデン作成にチャレンジできるのも魅力の一つです。 第3回のコンテストのテーマは「みんなのガーデン」 コンテストの舞台となる東京都世田谷区にある都立砧公園は、昭和32年に開園し、東京23区にある公園の中でも、芝生の広がりが際立っているのが特徴で、もとは都営のゴルフ場として使われていました。現在はその自然の地形を活かし、芝生の広場と樹林で構成されたファミリーパークのほか、運動施設や遊具等が設置された広場が整備され、家族ぐるみで楽しめる公園です。 年間200万人以上が利用する都民の憩いの場に新たに作っていただくガーデンのテーマは「みんなのガーデン」。宿根草をメインとして活用し、五感を刺激して、見ていて楽しいと感じる要素を取り入れたロングライフ・ローメンテナンスなガーデンの制作が求められます。 「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」審査の様子。審査委員/福岡孝則さん(東京農業大学地域環境科学部教授)、正木覚さん(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座講師)、吉谷桂子さん(ガーデンデザイナー)、佐々木珠さん(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子さん(公益財団法人東京都公園協会常務理事) 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者が美しいと感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること(ロングライフ) /メンテナンスがしやすいこと(ローメンテナンス)/デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」応募方法 【申込者について】 ・一般市民、企業・団体、学生などを含め、プロ・アマ、国籍を問わず応募できます。・グループでの応募の場合は、必ず代表デザイナー1名を決めてください。・応募は1名(1団体につき)1件までとします。・定められた期間にガーデン制作やメンテナンスを行なっていただきます。 【ガーデン制作について】 ・ガーデン制作エリアは、「みんなのひろば」に隣接した区画です。・エリア内には、ケヤキがあります。・重機の使用はできません。・植物代などガーデン制作にかかった材料費について300万円(税込)を上限に支給されます。・ガーデンの制作は2回。2024年12月中旬と2025年2月下旬です。 【応募に必要な書類】 ・申込書・平面設計図(スケール1/50・A3)・デザイン画(イメージスケッチ/色や形など庭のイメージが分かるもの。写真添付も可) 第2回入賞者による経験談も参考に!【オンライン座談会】 2024年8月6日(火)15:30〜オンラインで開催された「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」の入賞者5名による座談会では、自身の応募書類の紹介、植物の調達から造園、メンテナンス、コンテストに参加して得たことなどがたっぷり語られました。アーカイブ動画はYouTubeにて公開中。以下バナーよりご覧いただけます。 第1回&第2回のコンテストガーデンをチェック!
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フランス

パリのアーバン・ガーデンショー「ジャルダン・ジャルダン2024」
知られざる歴史遺産、ヴィラ・ウィンザー 19世紀に建築されたヴィラ・ウィンザーは、第二次大戦後、ド・ゴールが大統領になる前に住んでいた邸宅で、その後はウィンザー公爵夫妻が暮らしたことでも有名です。海外人気ドラマシリーズ「ザ・クラウン」で見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。邸宅と庭園ともにこれまで一度も一般公開されてこなかった場所ですが、来年からの一般公開に向けて、現在修復整備が進められています。 それに先駆けてのガーデンショー・イベントというのも興味深いところでしたが、最終日にようやく多少の晴れ間があったものの、設営期間から連日雨が続き、傘をさしつつガーデンショーエリアを見て歩くのがやっとという異例の事態でした。改めて青空の下で庭園と邸宅を散策できる日を楽しみに取っておくことにしています。 変わらぬテーマはアーバン・ガーデン 大都市パリという立地と特徴を生かした変わらぬテーマは、日々の暮らしを豊かに、街の緑化に貢献するサスティナブルでスタイリッシュなアーバン・ガーデンです。大手造園会社や著名庭園デザイナーの見応えたっぷりの緑の空間とともに、グランプリの審査対象となるショーガーデンのカテゴリーは3つ。小さな12㎡のミニ・アーバンガーデン、さらに小さい6㎡のアーバン・ポタジェ(菜園)、4㎡のアーバン・バルコニーがあり、決して広くはないことが多いパリのアパルトマンのバルコニーやテラス、中庭のガーデニングのアイデア探しにも楽しいショーです。 小さなポタジェと花咲くアーバン・バルコニー賞を受賞「カレモン」 「カレモン」のタイトルは、フランス語で正方形を表す「カレ」から。キューブ形の木製コンテナーをさまざまに組み合わせたポタジェのデザイン。カテゴリー別の受賞ガーデンには、トロフィーの代わりに、おしゃれなステンレス鋼のシャベルが贈られます。 景観デザイン・グランプリ受賞「感覚の庭・癒やしの庭」 設計:マティルド・ティルマン 「庭と健康」協会が出展したセラピー・ガーデン「感覚の庭・癒やしの庭」。木材などの自然素材を用いたナチュラルテイストの構造物と、感覚を呼び起こすような色彩や香りをもつ植物が、さまざまに異なる雰囲気のコーナーを作る豊かな植栽が魅力。ガーデンの設置工事は設計者とともに協会会員のボランティアが行ったのだそうで、ほのぼのとした雰囲気も魅力。 「読書のための庭、植物の図書館」 設計:ガリー設計事務所 カルチャーという言葉が栽培と文化の2つの意味を含むように、植物を栽培するガーデニングと、同様に精神を耕す読書のための、人に知恵を与え心を解放する小さな緑の空間がコンセプト。ロックな雰囲気が楽しい。 人気のシャネル・ガーデン、今年はアイリスの庭 ショーガーデンの中でも定番で人気を集めているのが、シャネルによる花の庭。メゾンのパルファンの原料となっている植物の1つにフォーカスしてデザインされます。その洗練されたスタイリッシュな佇まいの空間は、いつも注目の的。 今年のテーマのアイリスは、スミレを思わせるような、またそれだけではない重層的な香りが特徴で、シャネル5番や19番といった伝説的なパルファンや、近年大ヒットしているコメットなど多くのシャネルのパルファンに使われています。香り成分が含まれるのは花でも葉でもなく、地中の根茎部分。その栽培の歴史は古代エジプトに遡りますが、フランスでは18世紀にイタリア、トスカーナ地方から伝わったアイリス(IRIS PALLIDA)が、香水を構成する香料の中でも最も貴重なものの1つとなりました。 香料成分を得るためには、栽培に3年、香料抽出作業前の乾燥に3年の合わせて6年という長い年月がかかり、また3kgの香料を得るために1トンの乾燥させ粉状にした根茎が必要だといいます。非常に多くの時間と人手がかかるため、フランスでは1970年代には栽培農家が消滅し、イタリアでも2000年代には同様の状況になってしまいました。モロッコやトルコなどでは別の品種のアイリスの栽培と香料製造が続いていますが、シャネルでは、かつての香料のクオリティを担保するために、南仏の香水の街グラース近くの専属契約農家で自家栽培を行うようになったのだそうです。 シャネルの庭は、ガイドスタッフとともにグループで見学します。スタッフの女性たちの長靴姿も、シックかつ可愛い。 アウトドア・プロダクトの新アイデアも 会場ではガーデンまわりのアウトドア・ファニチャーを見たり、ガーデニング・グッズやウェア、樹木や草花、ハーブなどの苗のスタンドを見て回るのも楽しみの1つ。買い物だけでなく、特にアウトドア・ファニチャー類は、これから製品化されるプロトタイプの展示も多く、新たなアイデアに触れることができるのもショーのよいところです。 上写真は、カラーステンレス製のオブジェ。何かと思えば、なんと新しいお墓のモデルとのこと。箱形のオブジェの中の空間に小枝や木の葉を重ねれば、コンポストボックスも兼ねるのだとか。動植物の形などカットワークになった部分は、故人の想い出になるよう自宅に飾ることもできるのだそうです。 移動が楽な車輪付きのベンチなどもおしゃれなカタチ。 永遠の憧れ、バスケットのピクニック・セットのブース。 パリ近郊でオーガニック栽培されている旬の花、シャクヤクの販売ブース。長蛇の列ができていました。 初夏のガーデンショーでは、芳しい香りのなか、満開のバラの花々を直接見て選べるのも嬉しい。 全体を見回すと、環境への配慮を前提にした都会の小さな庭やテラスをスタイリッシュに楽しむためのアイデアやグッズが、さらにフォーカスされてきた様子のガーデンショー、ジャルダン・ジャルダン2024。個性的なショーガーデンを囲むガーデン業界の専門家たちの集いの場であるのと同時に、さまざまなセミナーやワークショップも開催されました。 自然な様相の池を中心にブランコなどを設えたワイルド感のあるデザインも人気でした。 パリの人々にとっても、バルコニーで育てるハーブ苗や新鮮な切り花を買うことができる、グリーンな週末のアミューズメントの場。蜜源植物を植えるとか、少ない水やりの工夫など、都会のグリーンで自然のためにできることを知り、ガーデニングへの関心を高める機会にもなっていました。 ホワイトとグリーンを基調に、アーチを使って立体感を出した緑の空間は、流行を超えた上品さが魅力。 過去のJARDINS JARDINの記事もチェック!
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東京都

早くも猛暑に突入!「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」の『サステナブル審査』を迎えた5…
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 5人のガーデナーが手掛ける日向と日陰の2つのガーデン。最終的な結果が決まるまでに4・7・11月の3回に渡り審査が行われますが、ガーデンの施工から8カ月ほどが経過した今回、第2回目となる『サステナブル審査』が行われました(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査します)。審査期間:2024年7月11日~17日。 審査員は以下の6名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、佐々木珠(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事)、松井映樹(神代植物公園園長) 事前に公表されているコンテスト審査基準 公園の景観と調和していること/公園利用者が美しいと感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること(ロングライフ) /メンテナンスがしやすいこと(ローメンテナンス)/デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 今回の評価のポイントは主にガーデンの持久性で、「梅雨を経て、猛暑に向けた植栽がなされ、秋まで庭が維持されるような持久性が考えられているか」。しかし、単に猛暑に耐える庭であることだけが重要ではなく、「植物個々の特性・魅力がしっかり見せられているか」、「葉や花の組み合わせがデザイン的に美しいか」、そして「今回のテーマ=武蔵野の“くさはら”、が表現されているか」などの項目も含めて評価されています。※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。※今回行われた審査結果の公表はありません。 7月の審査時期を迎えた5名のガーデンをご紹介 コンテストガーデンAGrasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜 【作品のテーマ・制作意図】 武蔵野のくさはらを表現するにあたり、オーナメンタルグラスとカラーリーフ、特徴的な葉を持つ植物をメインにしたガーデンをつくってみたいと思いました。「グラスガーデン」は馴染みが薄かったり、地味にとらえられたりすることもあるかと思いますが、宿根草に加え、球根植物も多用し華やかさをプラスすることで、多くの方に楽しんでいただけるガーデンを目指しています。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 バーベナ・ボナリエンシス、ミソハギ、ルドベキア‘タカオ’、ヒオウギ'ゴーンウィズザウインド'、ユーパトリウム‘ベイビージョー’、カノコユリ‘ブラックビューティー’ 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 アジサイ‘アナベル’、ノリウツギ'シルバーダラー'、ノリウツギ'バニラストロベリー'、カンパニュラ・ラプンクロイデス、ホスタ‘ハルシオン’、シュウメイギク‘桃一重’ コンテストガーデンB花鳥風月 命巡る草はら 【作品のテーマ・制作意図】 ガーデンの美しさは緑量や花の色目や形状だけで測れるものでなく、空や光や風や生きもの全ての関わり合い、生命の尊さを感じることでガーデンがより輝いて見えます。ガーデンに長く根付いて、地域に馴染む風景、生態系の一部になることを想定し、植えっ放しに耐えられる丈夫な品種を中心に、蜜源植物や、風や光の動きを反映しやすい植物を多く取り入れ、地味な在来種でも組合せや配置で奥行ある豊かな草はらの表現を目指します。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 ルドベキア‘ゴールドスターム’、ヒオウギ‘ゴーンウィズザウィンド’、オミナエシ、ルドベキア‘ブラックジャック・ゴールド’、コレオプシス‘レッドシフト’、バーベナ・ボナリエンシス、キキョウ、オトコエシ、ガウラ、ノリウツギ、ペニセタム・ビロサム‘ギンギツネ’、ペニセタム・マクロウルム、エラグロスティス・スペクタビリス 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 アジサイ‘アナベル’、ツルバキア、アガパンサス‘トルネード’、アガパンサス‘カーボネラ’、ヒヨドリバナ、ディスカンプシア‘ゴールドタウ’ コンテストガーデンC草原は、やがて森へ還る。 【作品のテーマ・制作意図】 森では、様々な木々が壮絶な生存競争を繰り広げています。しかしそれは草原もまた同じ。草原は生命力に溢れる草花たちの戦いの場です。そしてやがて、草原の中から樹木が芽生え、最終的には森へと遷移していきます。私は、草原から森へと還るこのはじまりの瞬間を、美しくもドラマティックに演出したいと思いました。ここは、森が好きなガーデンデザイナーが解釈し表現したペレニアルガーデンです。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 バーベナ・ボナリエンシス、ノコンギク‘夕映え’、フロックス(オイランソウ)‘フジヤマ’、フロックス‘ブルーパラダイス’、ガイラルディア‘グレープセンセーション’、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、ペルシカリア・ブラックフィールド、エキナセア・パープレア、エキナセア‘プレーリーブレイズグリーン’、オミナエシ、バーベナ‘バンプトン’、ゲラニウム‘タイニーモンスター’、アリウム‘ミレニアム’ 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 ノリウツギ、アンジェリカ‘エボニー’、アガスターシェ‘ブラックアダー’、エキノプス(ルリタマアザミ)、バーベナ‘バンプトン’、ホスタ、シャスタデージー コンテストガーデンDfeeling garden ~伝え感じる武蔵野の新しい風景づくり~ 【作品のテーマ・制作意図】 人々の心に残る武蔵野の情景を骨格に、新たな要素を組み足して、これからの愛される武蔵野の風景を植物の魅力や武蔵野の風景を「伝え」「感じる」ことを軸に提案しました。武蔵野の草原を連想させるグラスをベースに、季節の流れの中で、さまざまな色や形の草花がガーデンを彩っていくような配置を心がけました。自然との距離が遠くなった現代で、このガーデンが少しでも自然と人とが寄り添うきっかけになればと思っています。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 バーベナ・ボナリエンシス、ヘレニウム‘サヒンズ・アーリー・フラワラー’、ヘリオプシス'ブリーディング・ハーツ’、アガスターシェ‘クレイジーフォーチュン’、アガスターシェ‘ビーリシャスピンク’、オミナエシ、モナルダ、ルドベキア‘ブラックジャックゴールド’、オトコエシ、リアトリス 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 アジサイ‘アナベル’、ペルシカリア‘ファイヤーテール’、オトコエシ、オミナエシ コンテストガーデンE武蔵野の“これから”の原風景 【作品のテーマ・制作意図】 世界的に”Climate Change(気候変動)”が叫ばれ、日本でも夏の猛暑、雨不足による水ストレスが植物を苦しめました。農業技術である完熟した堆肥をはじめ有機資材を使い、微生物に富み団粒構造を持つ土壌を作ることからはじめ、これまで武蔵野の草原風景を担ってきた在来植物を中心にガーデンを構成します。都市の暮らしの中でこぼれ落ちてきた技術、植物でこれからの武蔵野の風景を模索していきます。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 シラヤマギク、フジアザミ、カワミドリ、キキョウ、タムラソウ、シキンカラマツ 【日陰のエリア】 開花期を迎えていた植物 オオバギボウシ、フシグロセンノウ、シキンカラマツ、スカビオサ‘ムーンダンス’ 今回の「サステナブル審査」では審査員の評価が同じ傾向にあった前回の「ショーアップ審査」とは異なり、評価が分かれる結果となりました。これから迎える盛夏を乗り越え、3回目の「最終審査」まであと4カ月。プロたちの技術力と植物の生命力に目が離せません。庭作りスタートから月々見頃の植物と5名のガーデンを紹介する記事もご覧ください。 園内に新たにお目見えした「JINDAIペレニアルガーデン」 『東京パークガーデンアワード』開催の関連事業として、神代植物公園の園内にある「宿根草園」のリニューアルを市民協働で進める計画、「JINDAIペレニアルガーデンプロジェクト」がスタートしています。 新しい宿根草園の基本計画をつくられたのはガーデンデザイナーで「第2回 東京パークガーデンアワード」の審査員も務める吉谷桂子さん。 その計画をベースに市民が話し合い、実際に植栽をするワークショップが2023年9月から6回にわたって、行われました。「人にも環境にも優しいガーデン」というテーマのもと、ワークショップに参加した市民たちが、「どんな人がどんな時間を過ごせたらいいのか」宿根草園のイメージを膨らませるとともに、植物の配置についても検討をしました。 サクラやアジサイの群生と、芝生のエリアに囲まれた「宿根草園」。瑞々しい緑に宿根草の彩りがつややかに映える7月。 グランドデザインは吉谷さんが手がけた都立代々木公園の「the cloud」と同様、メンテナンスがしやすく景観になじみやすいクラウド(雲)型。ここは花壇を設ける面積が代々木公園よりもずっと広いので、一つひとつのエリアもぐっと広くなっています。 花壇が緑で覆われ、花も咲き始めた6月。 植栽は2023年秋と2024年春の2回。秋は、ワークショップの参加者35人が植物の選定、宿根草や球根類を植え付けました。春は、ワークショップの参加者がホスト役となって、一般参加者を迎え入れ、総勢130人で植栽しました。市民協働によるガーデンづくりには、園内に新しいモデルガーデンを作るだけでなく、「宿根草による環境にも人にも優しいガーデニングの普及啓発」や「市民交流の場づくり」に繋げていくという目的もあります。生きもの観察をしたり、宿根草園をバッグにイベントを行ったり、宿根草園に市民が関わることで、多様な魅力が生まれてくることを期待しています。 春の植え付け当日。総勢130人の大所帯にもかかわらず、素晴らしいチームワークで、スムーズに作業が進んだ。 「神代植物公園は花好きの方が多く来るイメージですが、幅広いさまざまな市民の方々が関わる機会があることで、もっと園を身近な存在に感じてもらえるようになればと考えています。市民といかに連携し、市民がいかに活躍していただけるか。その結果、多様な魅力を作り出し、利用者の増加につながればいいなと思います。公園を使い切る感じですね」と、東京都公園協会 公園事業部 公益推進課の服部睦子さん。2024年は宿根草のガーデンのお手入れとその背景を学ぶ講座が開講中で、受講生が環境に配慮したお手入れを実践しています。 実際に見ていこう「人にも環境にも優しいサステナブルなペレニアルガーデン」 ローメンテナンスでありながら、自然な風景が心地よい宿根草ガーデン。たくさんの生き物の棲み処となっているため農薬などを使わずに、多様性を大切にしながらガーデンを管理しています。「この土地にあった植物を選んで植えています。四季の移ろいを通じて植物が持つ美しさを感じていただきたい」と、神代植物公園 管理係長の斎藤亜理沙さん。 ここからは、植え付け後、開花の最盛期を迎えた7月のガーデンのガーデンを紹介します。 幾重にも植物が重なり、美しい風景を描いているガーデン。この時期はブルーがかったピンクの花が多く、やさしい色彩でまとめられています。 7月に見られる植物は、バーベナ・ボナリエンシスやフロックス、エキナセアなど。紫やピンク、黄色の花々が生き生きと咲き誇っています。 季節感あふれるやさしい表情で訪れる人を迎えてくれる「JINDAIペレニアルガーデン」。現在まだ植栽されていないエリアも残っており、今までとは異なる方向性で植栽する予定です。どんどん表情に深みを増していく宿根草園。ぜひ、コンテストガーデンと併せて訪れてみてください。 コンテストガーデン&宿根草園を見に行こう! Information 都立神代植物公園所在地:東京都調布市深大寺元町5丁目31-10https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/電話: 042-483-2300(神代植物公園サービスセンター)開園時間:9:30〜17:00(入園は16:00まで)休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌日が休園日、年末年始12/29~翌年1/1)入園料:一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住・在学の場合は無料)、小学生以下無料アクセス:京王線調布駅、JR中央線三鷹駅・吉祥寺駅からバス「神代植物公園前」下車すぐ。車の場合は、中央自動車道調布ICから約10分弱。
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フランス

【パリ近郊の庭を訪ねて】ナチュラルに楽しむ小さな花束の庭
森の佇まいと選りすぐりの花々 お宅のリビング側から庭を見下ろす。春の球根花からダリアへと季節ごとに植え替える植栽のエリア。 フジの花が満開で、スイセンやチューリップの盛りが過ぎた晩春の週末。パリ近郊で素敵な庭づくりをしている英理子さんのお宅にお邪魔しました。 折り紙&ペーパーフラワー作家としても活躍する英理子さんが、フランス人のご主人と2人のお子さんと暮らす家は、パリから電車で30分ほどの長閑(のどか)な住宅地にあります。これまでも、季節を変えて何度も伺っている大好きな庭です。 ヘビイチゴやステラリア・パルストリスが混じるグラウンドカバーは、野原そのままのナチュラルな雰囲気を庭に運びます。 この地に引っ越してきて、自分で庭づくりを始めてから15年ほどが経つという英理子さん。この庭は、森の一角を思わせるナチュラルな佇まいのを背景に、季節ごとに彩りを変える彼女のこだわりの花々が、絶妙なハーモニーを織りなしているのが魅力です。 今回訪れた際にも、ちょうどイングリッシュ・ローズの名花‘ガードルード・ジーキル’の初花が咲いていました! 初めて伺ったのは、ちょうどバラの季節。フランスの個人庭には珍しく、イングリッシュ・ローズの数々が見事に咲いているのが印象的でした。 ジャルダン・ブクティエ(花束の庭) 春の花の植栽、選び抜かれたチューリップはそれぞれがビジュー(宝石)のよう。 さて今回は、曇りからにわか雨を経て時々晴れ、気温はひと桁台という花冷えの4月下旬の日曜日。球根花は終わりかけで、バラの盛りは3週間後くらいか、でもスズランはもう花盛りですよ、というタイミングでしたが、たくさん植え込まれたさまざまな種類のスイセンやチューリップは、好き好きに開き切った、その姿にも味わいを感じます。 スズランの群生の前に佇む後ろ姿は庭ネコのたまちゃん。 「そう、庭で見る分にはまだいいのだけれども、ブーケにするには咲き始めがいいの」と言う英理子さん。大好きだというスイセンは、いろいろな園芸種を毎年400球ほどは植え込むそうです。今年は雨が多かったせいか、庭づくりを続けてきて初めてというほどの激しいナメクジ被害があったそうで、花の部分をつぼみのうちに食べられたスイセンが多数出てしまったと、残念そうでした。ちなみにナメクジは捕獲処分。薬剤などは使わないナチュラルガーデニングが基本です。 チューリップは、庭の風景を保ちつつ、少々切り花にしてブーケにも使えるように、同じ種類を20、30球と植え込んでおくとのこと。そう、この庭の植物選びの原則の1つに、切り花として使える花々というのがあり、実際、いつも季節の花でささっと素敵なブーケを作ってくださるのです。庭の自然をそのまま運ぶようなブーケは、もちろんパリの友人の間でも評判です。 晴れ間の出てきた庭で恵理子さんにお茶をご馳走になりながらお話を伺いました。気持ちのよいひととき。 庭の奥でちょうど花盛りだったビバーナムは、やはり15年ほど経つ大株だそうですが、これもブーケにも使おうと思ってチョイスしたとのこと。切り花のための庭をカッティング・フラワー・ガーデンと呼んだりしますが、フランス語ではジャルダン・ブクティエ(花束の庭)やジャルダン・フローリスト(フローリストの庭)といいます。 森の佇まいを運ぶ野の花々 木々の足元を彩る黄色のドロニクムも森からやってきたワイルドフラワーです。 選りすぐりの栽培種のチューリップやスイセンが植え込まれたエリアは、カラフルな宝石箱のよう。それを引き立てるのが、フワフワとそこかしこに生えているヒナギクだったり、儚げなワスレナグサの群生。森の一角にいるように、よく林縁に生えている黄色のドロニクムも木陰に揺れています。野の花と園芸種の共演は、まさに庭空間ならではの技ではないでしょうか。 この時期、スズランも庭のあちこちで満開になってきていて、摘むのが追いつかないほどだとか。スズランは、もともと群生していた場所もあれば、義理のお母様からいただいたひと鉢が一面に広がった斜面もあり、いずれにしてもこの土地に合うようです。フランスでは5月1日にスズランを贈る習慣がありますが、ここでは毎年少し早く最盛期を迎えます。 スズランの群生に混じって、可愛らしい八重のオダマキがつぼみをつけていたり、庭の中には、ほっこりする風景がたくさんあって飽きません。種まきで増やしたもの、あるいは種が飛んで自然に増えたものなど、それぞれの様子をよく観察しつつ、そのままそっとしておいたり、場所を移動させたりと、丁寧にお手入れされているのがよく分かります。 小さな庭のいいところ 毎年春には数々のスイセンとチューリップが彩るエリアは、季節が終わるとダリアに植え替え、夏から秋にかけては、選りすぐりのダリアが花盛りになります。ダリアの球根は季節が終わると掘り上げられて、また春の準備に。季節に沿って花が溢れる小さな庭は、じつは大変な手間に支えられています。 スペースが限られているので好きな植物がすべて植えられるわけではない、慎重に取捨選択しなければならないのだけれども、逆に自分にとってはそれがよいのだと思う、と言う英理子さん。植栽の選定は自分の「好き」が基準ではあるけれども、土地に合うのか、気候に合うのかということも大事です。特に、ここではまだ急激な変化は起きていないけれども、夏の暑さや水不足などの気候変動に対応するには、環境に適応できるということがより大事になりそう、と庭友さんたちの間でも話題になっているとか。 庭のスズランを摘んでブーケに。素晴らしくいい香りです。 それぞれの植物の気に入った場所を見極めて定植したり、移動したりと、植物それぞれとの対話の中で作られてきた庭空間では、草花が皆ハッピーなのか、居るだけで気持ちが和んできて、いつまでも佇んでいたくなります。抜け感のあるお洒落はパリジェンヌが得意とするところですが、この庭の、リラックスする柔らかなワイルド感は、それに通じるところがあるような気がします。 庭の中心のガーデンテーブル。お茶の時間には自然と家族が集まって過ごす和やかな場所に。 森を思わせる野の花々と、こだわりの園芸植物たちが、恵理子さんの振るタクトを見ながらそれぞれに歌い、そのリズムが柔らかなイル=ド=フランスの光と空気に溶け込んでいくような素敵なナチュラル・ガーデンです。
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関東

【小さな庭実例】庭を輝かせるテクニック満載! バラに包まれる根本邸
コツコツと手づくりしながらつるバラの魅力を引き出した庭 東側の家の側面を活用しながら、南側の駐車スペースを含めた50㎡ほどの場所につくられた根本さんの庭。日陰になる部分以外はすべて白やピンクの淡い色のつるバラが覆い、芳しい香りが辺りを包んでいます。 南側の駐車スペース。ベンチがアイストップになっている。 もっとも目を引くのが、道路側の幅70cmほどの小さなスペースに咲く、ロサ・ムリガニー。庭を本格的につくり始めた9年ほど前に長尺仕立ての苗を植えたもので、今では見事な株に成長し、この庭のシンボル的な存在となっています。以前実店舗があったバラのお店「オークンバケット」の店先を彩っていた風景に憧れて、このバラを選んだそう。 大きなトゲをつけた太いつるは、建物の外壁に取り付けたワイヤーにしっかり結わえながら誘引。理想的なシーンをつくるために、毎年冬にすべてを取り外して誘引し直しています。「作業は脚立を少しずつずらしながら、3~4日かけて行います。昨年は窓の下にも誘引しましたが、今年はピンクのバラ‘ケルナーフローラ’をもっと大きく育てるために、窓の上にだけ誘引しました」と根本さん。ここの見栄えも考えて、今年は網戸も取り外しました。 腰高の花壇には木製フェンスを取り付けて、季節の草花を植えている。キャットミントは猫が好んで株の上に座ってしまうので、トゲトゲしたプラスチック製の猫よけを忍ばせている。 庭スペースは駐車スペースより60~70cmほど地面の高さが上がっており、シーンの切り替えには最適な構造です。駐車スペースの正面突き当たりには手作りのベンチを置き、背面のフェンスにはバラ‘レイニーブルー’をレイアウト。さらに庭への通路には小さな階段+アーチを設けてバラ‘ジャスミーナ’を誘引し、ロマンチックな空間を生み出しています。 バラの見頃は、早咲きと遅咲きの2部構成。前半の5月上旬は早咲きの‘レイニーブルー’の青みがかったピンクの花が群れ咲き、後半には‘ジャスミーナ’とロサ・ムリガニーにバトンタッチします。 ご主人と作ったベンチやフェンスと床面。 庭の骨格をなすバラの誘引や構造物はめぐみさんがデザインし、それをご主人の力を借りて形にしています。「じつは、主人は当初、あまり乗り気ではありませんでした。でも、近所の人に‘棟梁!’なんて言われたりして、徐々に楽しくやってくれるようになりました。DIYとは無縁だったのに、なぜかうまくまとめてくれるんですよ」と笑います。 バラのアーチの奥に隠れた中庭もご紹介!コーナー別にご紹介します 9年前に正社員だったのをパートに切り替え、時間にゆとりができた根本さん。以前は草花だけだった庭にバラを取り入れたことで、庭づくりを本格的に始動させました。 マイナーチェンジを繰り返し、ここまで魅力的に仕上がった根本さんのスモールガーデン。 外からは窺えない中庭エリアも併せ、素敵な場所をクローズアップしてご紹介します。 【アーチ】 見せ場の1つである‘ジャスミーナ’が覆うアーチ。ランプやお手製のステンドグラスのオーナメントを下げて、愛らしさをプラス。駐車スペースから奥へと視線を誘います。 左/ステンドグラスのオーナメントは陽の光を浴びるとキラキラと反射し、バラの魅力をさらに引き立てる。右/ヨークシャーテリアの愛犬カイくんも、豊かな花の香りが楽しめる庭が大好き。庭とともに育ってきた。 【アーチ奥の植栽コーナー】 アーチをくぐると、ナチュラルで繊細な草花が出迎えます。こぼれ種で増えたオルラヤと宿根したジギタリス、根本さんが種まきから育苗したオンファロデスやニゲラが咲き群れ、夢のような風景が広がります。 庭から駐車スペース方向の景色。ロサ・ムリガニーの白花と相まって、ノーブルな雰囲気に。 【勝手口まわり】 アーチをくぐって右手の勝手口まわりをDIYでカバーして、生活感を払拭。段差をなくすためにステップを作り、鉢物をレイアウトしました。さらにフェイクの窓や飾り棚を取り付け、早咲きのバラ‘ボニー’を誘引。淡いピンクやペパーミントグリーンにペイントし、どこか素朴でカントリーな雰囲気を醸し出しています。 扉の右側に設けた道具入れ。お手製のステンドグラスのパネルを取り付け、ハゴロモジャスミンを絡ませて雰囲気をアップ。手前に咲くバラは、コロコロとしたアンティークタッチの‘パシュミナ’。 【庭の板塀】 奥の白い板塀にはクレマチス‘グレイブタイ・ビューティー’や雑貨類をディスプレイして、見応えたっぷりに。手前にはバードバス+バラ‘グリーンアイス’の鉢を配して、立体感と奥行き感を出しています。 処分した衣装ダンスの扉内側についていた鏡を再利用、アンティーク加工を施し板塀に取り付けて。手前の草花が映り込み、奥行き感と透明感をプラスしている。 【ガーデンシェッド】 日当たりの悪い庭の隅は、2人で作った白いシェッドを設置。中庭のフォーカルポイントになっています。バラ‘サマースノー’が屋根部分を程よいボリュームでカバー。 左/‘サマースノー’がまだシェッドの側面までしか伸びていない、一昨年の様子。中/雑貨やドライフラワーが飾られた内部。肥料や薬剤もここに収納している。右/根本さんが作ったステンドグラスのパネルをはめ込んだ窓がアクセントに。 【日陰のエリアのパーゴラ】 南側の隣家との境目は、最も日が当たらない場所。ここにはガゼボ風パーゴラをつくって設置し、隣家を目隠ししています。パーゴラにもステンドグラスや棚を取り付け、雰囲気を高めました。旺盛に上部を覆うのは、秋に咲くクレマチスのセンニンソウ。「小鳥が多いので、毎年ピーナッツのリースを下げています。いつも全部食べてくれるんですよ」と根本さん。 2年前まではモッコウバラを絡ませていた場所。レンガを使った腰高のウォールと窓風ステンドグラスパネルが、光を採り入れつつ程よい目隠しに。 【テーブルまわり】 来客があったときは、中庭で花を眺めながらおもてなしをしています。通りからの視線をつるバラが遮ってくれるので、心おきなくでくつろぐことができ、会話も弾むそう。 脇の花が倒れてこないように、白いフェンスで囲んだり、細い棒で支柱を立てたり。 センスが光る手づくり&小物あしらいにもクローズアップ! ここでは、随所に見られる小技をご紹介。見逃せないシーンがたくさん。 ■ストーンワーク 敷く・並べる スモールガーデンでも、多様な石づかいで、飽きのこない風景を作ることができます。 シェッドの前は細長い石を並べ(左)、塀の前の細い園路にはピンコロ風の石を採用(右)。 以前敷いていた固まる砂を剥がしたときに残った塊がコッツウォルズストーンのような形をしていたので、それを並べて再利用。草花の軽やかさを維持しながらナチュラルな雰囲気に。 ■ディスプレイ あちこちのシーンにアクセントを作り、見応えを出しています。スモールガーデンに合わせて手作りしたアイテムがいっぱい。 左・中/スペースにピッタリのベンチはご主人と一緒に作ったもの。傍らにガーゴイルを配し、さながらイギリスの庭園のワンシーンのよう。 右/スタイロフォームを組み、ダークグレーにペイントして作った、石柱のような花台。 左/レンガをざっくりと積んで、上にコーンのオーナメントを。時間の経過を感じてもらえるように苔をのせています。 中/小さなバードバスで、水のきらめきをプラス。花がたくさんある時期は、摘んで浮かべて楽しみます。 右/ハート形のワイヤーにアイビーを誘引。「丈夫なので数年放ったらかしです」と根本さん。 ■フェンスで仕切る 小さな空間でもシーンの切り替えは必要。立体感を出すのにも有効です。 バラ‘レイニーブルー’が絡むフェンスの隣にアイアンフェンスを設置。透け感を維持するためには、程よく華奢なものが◎。 フェンスは飾ったり、植物を絡ませたりして、表情豊かに。 ■ペンキでエイジング加工 ガーデンの雰囲気に合わないものは「グレーに塗ってダークな色でほんのり汚れをつける」加工を自ら施し、空間に統一感を出しています。 アーチの下のフェンスにもエイジング加工を。根本さんが作ったステンシルのプレートがアクセントに。 板塀のニッチに飾ったキューピッドにもペイント。 左/にぎやかな色のガーデンピックの棒を取り外し、トップの小さな動物にペイントしたオーナメント。 右/セアノサスを植えるコンテナは大きいので、テラコッタなどでは重くなりますが、軽いプラスチック製のものを用いてペイントすることで、問題をクリア。 スモールガーデンを彩るバラ&クレマチス 根本さんの普段のお世話は、冬に寒肥で牛ふんや油粕、カリ有機肥料を施すのみで、お礼肥は様子を見て。消毒は2~3週間に1度行っています。庭を彩る美しいバラとクレマチスを一部ご紹介します。 まずはバラから。 左上から時計回りに、‘レイニーブルー’、‘ジャスミーナ’、 ‘アイスバーグ’、ロサ・ムリガニー。 左上から時計回りに、‘パシュミナ’、‘フランボワーズ・バニーユ’、‘ロマンティック・レース’、‘ブラン・ピエール・ドゥ・ロンサール’。 続いてクレマチスもご紹介。 左上から時計回りに、‘マリア・コーネリア’ 、‘マーガレット・ハント’、‘白万重’、‘ワーレンバーグ’。 左上から時計回りに、‘ロマンティカ’、‘シーボルディー’、 ‘カイウ’、‘篭口’。 種まきで増やした草花 変わった品種やお気に入りの植物は花後に種子を採り、播種してベランダで育苗。これなら絶やすことなく、デザインどおりの場所に咲かせることができます。 左上から時計回りに、ニゲラ‘アフリカンブライド’、ジギタリス・トロヤナ、ゲラニウム‘ビオコボ’、スカビオサ・オクロレウカ。 左上から時計回りに、ギリア・レプタンサ、ゲラニウム‘クラリッジドリュース’、シノグロッサム、シレネ‘ホワイトパンサー’。 とびきりのセンスとアイデアで、小さな空間をロマンチックなローズガーデンに仕上げている根本さん。何より手間を惜しまず丁寧に向き合う姿が、多くの人が憧れる魅力的な空間を生み出しているようです。二人三脚の庭は、これからも思い出を紡ぎながら進化を続けていきます。 2021年フォトコンテストで編集長賞を受賞 この投稿をInstagramで見る meme(@memeblossom)がシェアした投稿 受賞時にガーデンストーリーサイトでもご紹介した受賞写真は、‘ジャスミーナが咲くアーチ’でした。 うつむき加減に咲くつるバラの‘ジャスミーナ’は、少し遅咲きで、ほのかに香る品種のようですね。純白の‘アイスバーグ’や足元の小花たちによるロマンチックな色合いのコラボレーション。画面いっぱいの花々の風景に、吸い込まれるように見入ってしまう写真です。中央の木製ランタンと、その奥にちらりと向こうの風景が覗くことで奥行きが感じられて、他のエリアも拝見してみたいと思いました。副賞として来年春、編集部による取材をお約束させていただきました。ご主人と2人で庭づくりをされているそうです。「何度もくぐり抜けた」という花咲くアーチをくぐる日が楽しみです。 編集部コメントより ガーデンストーリーでは、今年も、フォトコンテストを開催中です。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
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愛知県

【秘密の花園】森を背に彩られるバラと宿根草とアジサイの庭
奥行き30cmにも満たないつるバラと草花の花壇 愛知県日進市の住宅街、遠くから見てもすぐにその家だということが分かるほど、通りに面して花々が美しく競演する武島邸。奥行き30cmもない石積みの花壇に、 ‘レイニー・ブルー’や‘コンテスト・ドゥ・セギュール’、‘たまかずら’など数種類のつるバラが植栽され、そのやさしい色合いのバラの間に、窓辺のアジサイが心地よいリズムで鮮やかな彩りを添えます。 (左)房咲きの花をたわわにつけるつるバラ‘たまかずら’や‘コンテスト・ドゥ・セギュール’。(右)ブルーのロベリア‘カリブウォーター’や優しいイエローのペチュニア‘ステファニー’、ガザニア‘ビーストシルバーフォックス’が筒バラの花色を引き立てつつ株元をふんわり覆う。 バラの株元と花壇の手前に置かれたコンテナには、ブルーとイエローの小花がふんわりと咲いています。花々があふれんばかりの華やかさながら、色を絞った色彩計画のもとにデザインされた壁際の花壇は、一幅の絵画を見るような美しさです。しかし、この表の庭は武島さんの庭のほんの一部に過ぎません。 淡い紫色のつるバラ‘レイニー・ブルー’にブルーとイエローの小花がよく似合う。 森を背に華やかに彩られるメルヘンチックなバラと宿根草の庭 知る人ぞ知る秘密の花園は、玄関脇の小道を進んだその奥、森の緑を背にして広がっています。広さ約200㎡の庭は、森に向かって少し高くなるように傾斜がつけられており、緩やかにカーブするレンガの小道は、その先の景色を見え隠れさせながら歩みを誘います。頭上から甘い香りが降り注ぐバラのアーチ、背丈を超えて林立する何百本ものジギタリスとデルフィニウム、白花がレースのように咲き集うホワイトガーデン。小道の先に開ける景色には常に新鮮な驚きがあり、ひと巡りする頃には感嘆のため息を使い果たしてしまいそうです。 竹の抜根から始まった苦労の庭づくり バラとジギタリスの群落が競演。 「ここは、もともと竹林だったんですよ」と話すのは、庭主の武島由美子さん。ガーデン設計施工の「アンズガーデン」のデザイナーとして活躍しながら、ハンギングバスケット協会の理事も務め、講師として全国を飛び回るかたわら庭の手入れをしています。 花々の優雅な競演を前に、にわかに想像し難い竹林の風景ですが、実際に今でも花の間から竹がひょっこり生えてくると言います。 「竹って地下茎でつながっていて、地中に縦横無尽に根が張り巡らされているんですよ。それを取り除かないと花が植えられないので、最初は竹との格闘の日々。それはもう庭づくりっていうか、『開拓』でしたね(笑)」 庭主で「アンズガーデン」の代表を務める武島由美子さん。ハンギングバスケット協会の講師として九州から北海道まで全国を回る忙しい日々を送りながら、庭の手入れを行っている。 草花の素朴なガーデンに新たに加わった初夏の女王、バラ そんな苦労をしてでも武島さんを庭づくりへと駆り立てたものは、花が好きというシンプルな思いです。文字どおり竹林を拓いて得た土地を耕し、道をつくってガーデンの骨格を整え、花を植え、庭づくりを続けてきました。 「最初の頃は、素朴な宿根草とか一年草だけの庭だったんですが、いつからかそういう素朴な草花にも似合うオールドローズとかイングリッシュローズが登場して一気に魅了され、バラも育て始めたんです」。しかし、なかなか上手に咲かすことができずに、往復500kmの距離もいとわずコマツガーデンの講座に通い、バラ栽培を勉強したといいます。 (左)茎が細く華奢な雰囲気で咲く‘フランソワ・ジュランヴィル’。ガーデンには草花との相性がよい小輪〜中輪のバラが選ばれている。(右)宿根リナリアやジギタリスと咲く淡いピンクのバラ。 「バラと宿根草では土壌づくりが違うんですよね。土壌を豊かにしようと思って堆肥を庭にまいたら、バラの枝がグングン伸びて葉っぱばかり茂ってしまったことがあって。堆肥はチッ素分が多いことが原因なんですが、バラにはバラに適した肥料があるということを学びました」 ガーデンシェッドやベンチなど、ガーデンファニチャーと植物がコーディネートされたフォトジェニックなコーナーが庭のそこここに。雑草対策として、見えないように草花の間には段ボールが敷かれている。 そうした失敗も経験しながら、草花中心だった庭にはだんだんバラが増え、手入れの仕方もバラ中心に変わっていきました。年が明けると、1月末までにバラの剪定と誘引を1週間かけて行い、バラの芽出しの頃とその2週間後には病害虫予防として2回ほど薬を散布。5月になると400本以上のバラが次々に咲き出し、開花を待って2週間に渡り開催されるオープンガーデンには、全国からたくさんのファンが来訪します。それが終わるとバラにお礼肥えをたっぷりやり、宿根草は切り戻してさっぱりさせます。 「この庭は草花が多いので、バラの株元がすっかり覆われてしまわないように、雑草の除去はもちろん、宿根草も結構短く切り戻しておきます。そうでないと、カミキリムシの被害サインのオガクズに気づきにくくなってしまいますからね」 バラと交代でシェードガーデンを彩るアジサイたち (左)日陰になりやすい部分には、ライムイエローのヒューケラやタイツリソウ‘ゴールドハート’などのカラーリーフを下草にして、空間を明るく演出。(右)ピンクの絞り咲きアジサイ‘衣純千織(イズミチオリ)’をヒューケラやペチュニアと寄せ植えにして花台へ。 バラと交代に庭を彩るのは、アジサイ。森に隣接したシェードエリアには、アジサイやギボウシ、ヒューケラ、アスチルベなど半日陰を好む植物がふんだんに植栽され、暗くなりがちなエリアが華やさを増してきます。ハンギングバスケット協会の理事も務める武島さんの庭では、地植えだけでなく鉢植えやハンギングバスケットでもアジサイが活躍。鬱々とした梅雨の時期に、鮮やかな花色で庭を彩ります。 (左)斑入りのギボウシやツワブキとともに日陰を彩るアジサイ‘ラグランジア’。(右)鉢植えにした銅葉のアジサイ‘ブラックダイヤモンド’がシェードエリアのフォーカルポイントに。 アジサイのハンギングをガーデンチェアの背に飾ったコーナー。 「7、8年ほど前からアジサイのハンギングを作っていますが、当初は植生の違いから、アジサイのハンギングは認められませんでしたが今ではコンテストにも並んでいます。アジサイはよく目立ちますし、ハンギングは目線より上に花を持ってくることができるので、庭づくりでも重宝しますよ」 秋の庭の楽しみと、もう1つの楽しみ 庭のバラは四季咲きが多く、秋にもまた見頃を迎えます。 「秋はバラの花数は少なくなりますが、フジバカマなどの宿根草がたくさん咲いて、春とはまた違った雰囲気になります。いつからかフジバカマに、渡りをする蝶として知られるアサギマダラが毎年くるようになって、その美しい蝶と再会するのも庭の楽しみの1つなんです」 そしてもう1つ、最近になってうれしい出来事があったと武島さん。 「昔、私が庭に置いた植木鉢が原因で、主人が大怪我をしてしまったことがあって、以来、花なんか見たくないというくらい花嫌いになっちゃったんです。だから、これまで庭に見向きもしなかったのに、ある日『うちのバラはきれいだなぁ』ってポツリと。それを聞いて本当にびっくり! 私的にはまだ会心の出来でバラを咲かせられたことはないのだけど、その一言に心の中でガッツポーズ(笑)」 今ではご主人のサポートもあり、庭にはご主人お気に入りのシーンもたくさんあります。それをiPad(アイパッド)で撮るのが会社へ行く前の日課になっているとか。そのiPadの中に、庭のアルバムのページが増えていくのが、武島さんの庭づくりの大きな楽しみに加わりました。
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東京都

バラ咲く旧小笠原邸の建物と庭を訪ねて
スパニッシュ様式の瀟洒な洋館 スパニッシュ建築の先駆けとして1927年に竣工した建物と、正面口のクスノキ。 都心とは思えないほど静けさに満ちた建物と庭。東京都新宿区河田町にある旧小笠原邸は現在「スペインレストラン小笠原伯爵邸」として、ゲストを迎え入れている。 かつては伯爵家の客人を迎えた、趣あるエントランス。 邸の正面玄関に立つと、2羽の小鳥のトピアリーが迎えてくれる。エントランスでは、ブドウ棚の模様が描かれたキャノピー(外ひさし)が、光を浴びて、大きく翼を広げる。建物の外観や玄関のたたずまいからも、邸内への期待に胸が高鳴る。 ブドウの蔦や葉、実がデザインされたキャノピー。 エントランスの重厚な扉と照明。 扉の上部、籠の鳥を配した明かり取り。邸内の至る所に小鳥の意匠が見られ、別名「小鳥の館」という愛らしい名前で呼ばれる所以となっている。 エントランス扉の上部、ブドウと小鳥をモチーフにした鉄製の明かり取りが美しい。 館の数奇な歴史 レストランのガーデン席付近から見た庭の風景。オリーブの木とガーデンテントがよく似合う。 建物は、旧小倉藩藩主であった小笠原家の30代当主小笠原長幹伯爵の邸宅として、1927年に建てられた。敷地は江戸時代の小倉藩の下屋敷跡で、竣工当時は2万坪の広さを誇っていたという。今なお千坪の敷地を保ち、建物の周囲には、樹齢500年を超えるオリーブの木や、バラが咲く庭が広がっている。 エントランスからロビーを経て至る回廊。右手がパティオで、左手にはグランドサロン、ラウンジ、シガールームなどが並ぶ。 伯爵家の館として約20年間にわたり家族が暮らしていたが、第2次世界大戦後の1948年に米軍に接収され、GHQの管理下に置かれた。その後1952年に東京都に返還、都福祉局の児童相談所として使用されていたが、1975年以降は老朽化のため放置され、取り壊しも検討されていたという。 庭から見たシガールームの外壁の装飾。太陽と草花と鳥の構図は「生命の賛歌」がモチーフとなっている。 2000年に東京都から民間貸し出しの方針が示され、1年半にわたる全面的な修繕工事の後、レストランとして甦った。外壁のレリーフなどの修復作業は、竣工当時の資料を基に忠実に実施され、内装、家具、照明機器はヨーロッパから取り寄せて、当時の雰囲気そのままを再現している。 邸内をめぐる 現在、レストランのメインダイニングとして使用されているのは、伯爵の書斎や寝室だったところ。かつてのベランダが庭に面したテラス席となっている。 (左)唐草模様の鉄細工が施された、ロビーから回廊へと続く欄間。(右)ヨーロッパから取り寄せた家具や照明器具で、当時の客室が再現されたラウンジ。 メインダイニングに至る回廊わきに並ぶ3つの部屋は、伯爵家の食堂、客室、シガールーム(喫煙室)で、現在、客室はレストラン客のラウンジとして使用されている。 伯爵家のメインダイニングだった部屋。大テーブルのメロンレッグと呼ばれる脚部には、細かな装飾が見られる。 かつて食堂だったグランドサロンにある大テーブルは、イギリス、エリザベス様式のアンティークで、伯爵家で実際に使用されていた唯一の家具。伯爵夫妻と5男6女の家族が晩餐のテーブルを囲んでいた情景が目に浮かぶようだ。 半透明の色ガラスを使った、アメリカンスタイルの当時のステンドグラス。 客室だった部屋の窓には、日本最初期のステンドグラス作家小川三知氏による、小さな花がデザインされたオリジナルのステンドグラスが残されている。 イスラム風のシガールーム。大理石の柱や床はオリジナルのものを磨いて使用し、天井は竣工時の資料をもとに、現代画家によって彩色された。 ヨーロッパのタバコや葉巻はトルコやエジプトから入ったことから、当時の洋館の喫煙室はイスラム風の内装で作られることが多かった。ブルーの天井、漆喰彫刻に彩色を施した壁面、大理石の柱と床が、荘厳な雰囲気を醸し出している。単なる喫煙所ではなく、男性の社交場といった場所だったのだろう。庭に面した半円形の美しい部屋だ。 シガールーム入り口。花籠のレリーフが美しい。(右)イギリスのビクトリア朝で好まれた、イスラム模様の内壁。 パティオのモッコウバラ パティオに咲く黄モッコウバラと白モッコウバラ。別名スダレバラというとおり、見事に壁一面を覆っている(2024年4月16日撮影)。 スペイン建築の特徴のひとつが、パティオ。建物の中心部に位置し、光が差し込む空間だ。パティオでは、植栽されて20年が経つモッコウバラが雄大な姿を見せている。テーブル席が設けられていて、邸内のカフェを訪れた客は、ここでお茶の時間を過ごすことができる。毎年4月のモッコウバラの開花時期には、それを目当てに訪れる人もいるほどで、見事な景色が出現する。 (左)パティオの一角にあるオレンジの木と、バラに囲まれた噴水。噴水の彫刻は館の当主だった小笠原長幹氏作といわれている。(右)カフェの窓。 2階屋上のパーゴラ モッコウバラのほか、鉢植えのバラが配された屋上庭園。 パティオから大理石の階段を上ると、そこは2階の屋上庭園。当時の設計図と写真を基に復元されたパーゴラにも、黄色と白色のモッコウバラが咲き誇る。 庭から見たシガールームの外壁 当時の色タイルの発色を確認しながら、新たに焼き上げ、修復されたシガールームの外壁レリーフ。 庭に回り建物を眺めると、ひときわ目につくのが円筒状のシガールームの壁面装飾。装飾タイルは、古陶器の色使いにおいては日本の第一人者といわれた小森忍氏の作品だ。「生命の讃歌」がモチーフで、太陽、花、鳥の意匠が日差しを浴びて輝いている。1600個のパーツで構成されており、ほとんどが剥がれ落ちていたが、陶芸家夫妻の手によって約3年の歳月をかけて修復された。 庭をめぐる 白色の花で統一された庭の一角。専任のガーデナーが季節折々の花を演出している。 庭では、春を告げるアーモンドや姫リンゴの花、5月には白バラ‘スワニー’が開花し、季節の花々を楽しむことができる。バラは前庭や屋上庭園にも植えられ、17種類を数える。 (左)オリーブの木が銀色の葉を風に揺らす庭では、都会にいることを忘れるほど、ゆったりとした時が流れる。(右)すっくと立つ糸杉の木。 中央に植えられたシンボルツリーは、推定樹齢500年のオリーブ。スペインとの交流400年を記念して、2013年にアンダルシアからやってきた。夏から秋にかけて実を付け、大きな籠いっぱいの収穫があるという。 鳥の巣箱のオブジェ。 ガーデンでの催し 小鳥たちが遊ぶ庭の噴水。 レストランのガーデン席での食事(4月から)、全館を利用したウェディング・パーティー、初夏に催されるスペインナイトなど、いずれも心ゆくまで庭を楽しむことができる。 (左)庭の小道を散策すると、さまざまな草花に出合う。(右)「小鳥の館」にちなんで、邸の修復中に作られた焼き窯。地下にあったボイラーの鉄蓋や、外壁のタイル片が使われた。今は現役引退で、庭のオブジェとなっている。 5月のバラ 庭の中央付近に咲く、1978年メイアン作出の小輪白バラ‘スワニー’。 5月のバラの季節に小笠原邸を再訪した。庭の中央ではバラ‘スワニー’が満開で、白い清楚な姿を見せている。壁沿いには‘フロレンティーナ’という赤いつるバラが。 壁沿いに仕立てられた‘フロレンティーナ’というつるバラ。 屋上に上がると、ピンクと白のバラ‘安曇野’が光を浴びて輝くように咲き誇っている。カフェでくつろいだ後に、バラの庭を散策できるのは嬉しい限りだ(2024年5月21日撮影)。 屋上で満開の一重バラ‘安曇野’。 (左)屋上にはクレマチスの彩りも。(右)シックな色合いのゼラニウムのハンギングが、クラシックな照明とよく似合う。 エントランス付近では‘紅玉’という名前のバラがゲストを出迎える5月。 かつて貴族たちが集った小笠原邸の室内、パティオや庭で過ごす。それは極上のひとときに違いない。 Information スペインレストラン小笠原伯爵邸 住所:162-0054 東京都新宿区河田町10-10電話:03-3359-5830 ランチ 11:30~15:00 ディナー 18:00~22:00 予約制OGA BAR &Café 12:00~20:00 予約不要アクセス:都営大江戸線 若松河田町駅下車、河田口より徒歩1分https://www.ogasawaratei.com *館内、庭園の見学はレストラン、カフェ利用者のみ可能。カフェ利用者の見学時間は15:30~17:00(レストランの貸し切りなどで見学できない日もありますので、事前にお問い合わせください)。
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茨城県

【庭のある暮らし】ハーブを育てて使い、心と身体を整え健やかに暮らす
脳神経を活性化させるローズマリー ローズマリーは常緑の低木で、一年中香りのよい葉を提供してくれます。木立ち性や、這うように育つほふく性、半ほふく性のものがあり、この庭では木立ち性のものをフェンスに沿わせて育てています。非常に丈夫で乾燥や真夏の日差しにも強く、これといった病害虫の心配もないので、育てている人もたくさんいるのではないかと思います。 ローズマリーやセージなど、庭から摘んだハーブを束ねたハーブスワッグ。 よく皆さんに聞かれるのが、モサモサとよく生い茂るローズマリーの使い道です。生育旺盛なローズマリーは収穫を兼ねてこまめに剪定し、利用するのが株姿をきれいに保つ一番の方法です。切らずにいると2mくらいの高さになり、内側が蒸れて枯れてきたりするので、適宜切って使うのがおすすめです。さて、その使い方ですが、一番簡単なのは、枝を束ねて室内に飾るスワッグを作ることです。 ローズマリーは葉に触れると、力強く爽快感のある香りを放ち、元気がないときでも気持ちをリフレッシュさせてくれます。これは単なる私の気の持ちようではなく、近年の研究で、ローズマリーの香りは脳を活性化させ、気持ちを前向きにしたり、集中力や記憶力を高める効果に優れることが分かっています。ですから、例えば勉強部屋や仕事部屋に、ローズマリーの剪定した枝葉をぶら下げておくと、よくはかどるかもしれません。キッチンに吊しておけば、そのままドライになっても料理に使えます。 ローズマリーと相性のいいポテトフライ。Kolpakova Svetlana/Shutterstock.com 我が家では、よく子どもたちや大人のビールのおつまみに、友人から教えてもらった「トスカーナフライドポテト」を作ります。ローズマリーなどのハーブとニンニクで香り付けしたフライドポテトですが、とても簡単に作れてとってもおいしいので、ぜひお試しください。 ローズマリー香るトスカーナフライドポテトの作り方 【材料】 ローズマリー 15cmほどを2枝 タイム 2〜3枝 セージの葉 5〜6枚(ハーブ類は全部揃わなくてもあるものでOK) ニンニク 1〜2片 ジャガイモ 4〜5個 ベーコンお好みの量 小麦粉少々 塩・胡椒適量 揚げ油適量 【作り方】 ① ジャガイモもニンニクも皮付きのままでOK。ジャガイモをくし切りにして小麦粉をまぶします。ニンニクは先端をカットしておきます。切らないと高温の油の中でニンニクが弾けて危険なので、忘れないように! ② 油にハーブとニンニクを入れてから火をつけ、油が170℃に温まったらジャガイモを入れて、こんがりキツネ色になるまで5〜6分揚げます。このとき、ハーブが黒くなっても大丈夫です。 ③ ベーコンを適当な大きさに切って、別のフライパンで炒めます。揚げたジャガイモとベーコンを絡めて、塩・胡椒をふり完成。 女性ホルモンを整え幸福感をもたらすバラ バラは香水の香料に使われる代表的な植物ですが、花屋さんがブーケに使うバラは、じつは香りのあるものが少ないのです。そのわけは、香りの成分は精油に含まれており、精油分の豊富なバラの花びらは傷みやすく、流通に向かないためです。ですから、逆にいえば精油成分をたっぷり含んだ香り高いバラは、庭で育てている人だけの特権です。 さまざまなメゾンの香水に使われるバラの精油。Anuta23/Shutterstock.com バラの精油はアロマテラピーでも使われます。バラの香りには女性ホルモンの乱れを整えたり、ストレスを緩和し幸福感を得られる作用があるとされ、医療の現場で用いられることもあります。ところで、バラの精油がいくらするかご存じですか? 1mlで1万円以上。小さじ1杯が5mlですから、ほんの数滴でもとても価値があるのです。 庭で摘んだバラやハーブを水に浮かべて。 庭でバラを育てていれば、その高貴な香りに包まれて暮らすことができます。朝、つぼみが開き始める頃のバラの香りは格別です。花に顔を近づけ息を深く吸い込むと、思わずうっとりため息がこぼれます。 古くから薬用に用いられるロサ・ガリカ・オフィキナリス。 この庭ではいくつかのバラを育てていますが、その一つがロサ・ガリカ・オフィキナリス。オフィキナリスという学名は「薬用の」という意味で、古くから薬として用いられてきたバラです。オフィキナリスは一季咲きなので、春は存分に香りを堪能した後、花弁を摘んでドライにし、花の季節が過ぎた後もお茶などにして一年中楽しめるように保存しています。 バラの花びらで作るローズペタルティー ローズペタルとはバラの花びらのことです。バラの花びらを煮出してお茶にしますが、飲用する場合には無農薬で育てていることが条件です。香りが揮発しない朝のうちに花を摘み、ガクを外して花びらだけにします。ザルで洗ってから鍋に入れ、沸騰させたら火を止め、色が出てきたら完成です。 ドライのものはティーカップ1杯(約180ml)に対し、ティースプーン1〜1.5杯のローズペタルを用います。フレッシュの場合は、その2〜3倍の量を。レモン汁やはちみつを加えるのもおすすめです。 使い道豊富な日本在来の実力派和ハーブ、ドクダミ 日陰で湿り気の多い場所に群生し、独特の臭気がすることで知られるドクダミ。生育旺盛で庭中にはびこってしまい、除草しようとすると臭いが手につくので嫌われ者になりがちですが、非常に薬効が多く、強い抗菌作用のある和のハーブです。開花期に採取したものを乾燥させ、煎じて服用したり、生葉を揉んで汗疹や水虫などの湿布治療に用いたりと、古くから薬として利用されてきました。 虫刺されなどに重宝するドクダミチンキ 私はこの季節、5月下旬〜7月の開花期に、庭に生えているドクダミを収穫し、チンキを作ります。ドクダミの花や葉っぱで作るドクダミチンキは、虫刺されや汗疹、かぶれなどに重宝します。収穫した花と葉を一度水洗いして乾かした後、広口瓶の1/3ほどドクダミを入れ、ホワイトリカーや焼酎などのアルコールを瓶いっぱいに注いで3週間放置します。その後、フキンなどを使ってこし、スプレー容器に移し替えれば、ドクダミチンキとして利用できます。 500種以上のハーブや草花が育つ鈴木ハーブ研究所の庭 ご紹介したハーブに加え、鈴木ハーブ研究所の庭では、樹木や草花類を含め500種類以上のハーブを育てています。私は小さい頃から畑仕事をする祖母と一緒に暮らしてきたので、植物を育てて、収穫して、食べたり飲んだり、お風呂に入れたり、飾ったり、香りを利用したり、暮らしの中にはいつも植物があり、その移り変わりがカレンダーのように身に染み込んでいました。そのカレンダーの中に、大人になってからハーブが加わり、さらに私の植物の世界は広がりました。 ハーブは植物の中でも丈夫で育てやすい種類が多いので、地植えや鉢で育てておけば、いつでもすぐ手に取ることができます。そういう身近なものを利用して自分で自分をケアする術(すべ)を知っていれば、むやみに不安になったり、不安から体調を崩すのは防ぐことができます。予想外の事態というのは、どんな時代にも誰の人生にも起きると思いますが、そういうときに動揺するだけでなく、じゃあどうしたらいいのか、と次の一歩を考えることが大切。そのヒントを、母親として娘たちにきちんと残しておきたいなと思ったことをきっかけに、私のハーブのある暮らしを、4冊のミニブックにまとめました。 よく使うハーブの育て方、使い方をまとめた「私のハーバル手帳」 例えば、本の中でご紹介したカモミールは、娘たちが小さい頃から眠る前にミルクティーにして飲んでいます。カモミールの安眠作用はよく知られていますが、それだけではなく、喉がちょっと痛いなという、いわゆる風邪の初期症状のときにも有効です。その段階でカモミールティーを飲んでおくと、たいがい本格的な風邪に発展せずに済んでいます。こういうふうに、はっきりと「病気」とまではいかないけれど、ちょっとあれ? っていう違和感を覚えることって、日常的にありますよね。身体の不調もそうですし、なんとなく不安感が強くなったり、眠れなくなったりすることは、誰にでもあるものです。そういうときに、身近な庭や鉢植えの植物を使って対処できる知恵を持っているのは、心強いですよね。 ちょっと話はそれますが、私の地元でもあり、今も暮らす茨城県は水戸黄門で有名ですが、黄門様の命によって水戸藩医がまとめた『救民妙薬集』という書物があります。これは医者に診てもらうことができない貧しい民のために、身近な植物を用いて病を癒やせるようにと書かれたものです。お腹の痛いときはこの草を使ってこうするよ、とか、ケガをして出血したときはこうだよ、というように、自分自身で不調に対処する術が書かれているんです。私はこれを読んで、この知識がどんなにか人々を救ったことだろうし、心強かったことだろうなと思って感動しました。私は西洋からもたらされたハーブを庭で育てて、暮らしに役立ててきましたが、私自身も何度もハーブに救われてきました。自社のスキンケア商品にもそういう経験が生かされています。そして、もっと多くの人に自分がこれまで培ってきたハーブの知識を伝えたいと思い、「本」という形を選択しました。そのヒントを与えてくれたのが、『救民妙薬集』です。 「私のハーバル手帳」も、現代を忙しく生きる人々に、健やかで幸せな暮らしを送るために役立ててもらえたらという気持ちで作りました。育てやすく使いやすいハーブや、道端に生えているような身近な草花をピックアップしました。ハンドバッグに入れて移動中などに眺めてもらえるように、A5版であえて薄い作りにしました。忙しい日常の合間で、ふと本を開いたときに癒やされ、いつも健やかでいられるためのお守りになれたらうれしいです。 【私のハーバル手帳】 Vol1. カモミール、ミント、ラベンダー、セージ Vol2. ローズマリー、タイム、オレガノ、バジル Vol3. バラ、バタフライピー、ラバンジン、オータムベリーズ、コキア、クロモジ Vol4. フキ、ヨモギ、スギナ、カラスノエンドウ、セイヨウタンポポ、ドクダミ、サンショウ、シソ、クスノキ、ビワ 【Information】 鈴木ハーブ研究所 オープンガーデン開催中5月24日(金)〜26日(日)10時〜16時(最終日15時まで)入園無料 ■場所鈴木ハーブ研究所/〒319-1112茨城県那珂郡東海村村松2461 ■内容500種以上を育てるガーデンの無料開放/ワークショップ/出店販売他 https://feelherb.s-herb.com
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栃木県

花の庭巡りならここ! 面で魅せる圧巻の花畑「那須フラワーワールド」
雄大な那須連山を背景にダイナミックな花畑が広がる 栃木県北部、那須岳の南側山麓に広がる那須高原は、温泉郷で知られるほか、牧場やキャンプ場、動物園などのレジャー施設、ゴルフ場やスキー場などのスポーツ施設なども充実し、日本有数のレジャースポットとなっています。「那須フラワーワールド」は、この那須高原に2007年にオープンした観光ガーデン。広さは約5ヘクタール、大人がゆっくり歩いて1時間ほど散策を楽しめます。 「那須フラワーワールド」は標高の高い高原地帯のため、夏は避暑地として利用されるエリアにあります。代表の和知 徹さんは、「夏に少しでも涼しく、また風を感じられるように、観光ガーデンとしてこの地を選んだ」といい、コンセプトは、「シンプルでありながら、力強く美しい庭」としました。広い敷地を生かして、季節ごとに花の種類を絞って群植し、カーペットのように魅せる演出です。雄大な那須連山を背景に広がる花畑は、圧巻のシーンを楽しめるとして、年間に6万5,000人以上の観光客が訪れます。 このダイナミックな花畑は、ストライプ状にシンプルにゾーニングした植栽で、季節によって異なるカラフルな景色が広がります。これは植栽や施肥などの管理のしやすさも考慮し、いつ訪れても手入れの行き届いた花のカーペットが楽しめるようにデザインされたものです。 「那須フラワーワールド」では開花リレーも見事で、庭の景色は少しずつ変化していきます。春はチューリップからスタートし、ネモフィラ→アイスランドポピー→ルピナス→ヘメロカリス→ケイトウ、サルビアへとバトンタッチ。いずれの季節も、昼と夜の温度差が大きい高原地ならではの冴えた花色に目を奪われます。一年を通してリピーターも多い「那須フラワーワールド」に、ぜひ訪れてみてください。 春はチューリップから始まり、ネモフィラ、アイスランドポピーにつながる 那須高原の青い空によく映えるネモフィラの見頃は、5月中旬〜6月中旬。1万5,000㎡に約15万株を植栽しています。園内への飲食の持ち込みは可能なので、この景色を見ながらお弁当やデザートをほおばるのもいいですね。 アイスランドポピーの見頃も同時期の5月中旬〜6月中旬。1万5,000㎡に黄、オレンジ、白のポピーを5万株植栽しています。背景には左から黒尾谷、南月山、茶臼岳、剣が峰、朝日岳の美しい稜線が。 初夏はルピナス、夏はユリそして夏から秋のケイトウへ ルピナスの見頃は5月中旬〜6月中旬。1万㎡に約3万株が植栽されています。長い花穂を立ち上げて、色とりどりのルピナスがダイナミックに咲く光景は必見です。園内ではリードをつけていれば、ペット同伴もOK。花見をしながらの散歩を楽しんではいかがでしょうか。 7月になると、ユリが見頃に。1万㎡に2万株のユリが植栽されています。避暑地ならではの涼やかにわたる風を感じながら、ストライプ状のユリの群植を堪能できます。 ケイトウの見頃は、9〜10月で、3万㎡に約25万株が植栽されています。発色の美しい赤やオレンジの花に整然と埋め尽くされる雄大な景色には、感動のため息がこぼれます。 飲食の持ち込みOK売店のある休憩所でひと休みはいかが 天井の高い休憩所からは、ガーデンの遠景を楽しめます。売店が隣接しており、飲み物やソフトクリーム、ピザなどを販売。飲食の持ち込みも可能です。散策を楽しんで歩き疲れたら、ここでゆっくり軽食やお茶を。 Information 那須フラワーワールド 所在地:栃木県那須郡那須町大字豊原丙5341-1TEL:0287-77-0400ホームページ:http://www.flower-world.netアクセス:公共交通機関/JR那須塩原西口から車で約60分、またはJR黒磯駅西口から車で約50分車/東北自動車道那須I.C.から県道17号線北進、広谷地交差点右折、県道68号線経由約40分、または那須高原S.A.から国道4号線、県道305号線経由約24分オープン期間:4月下旬〜10月下旬(降霜まで)休園日:無休営業時間:9:00〜17:00料金:大人 500〜1,000円(シーズンによって異なる)、中高生300円、小学生200円駐車場/300台、無料
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鹿児島県

花の庭巡りならここ! 九州を代表するバラの名園「かのやばら園」
温暖な気候の下でのびのびと育つバラのダイナミックな咲き姿を楽しめる 1993年にオープンした「かのやばら園」は、約1万㎡の敷地からスタートし、リニューアルを重ねて、現在は8万㎡にまで発展。近年では、2023年にリニューアルオープンし、大人がくまなく散策して1時間30分ほどかかる規模となっています。 「かのやばら園」は、鹿児島県東部の大隅半島に位置する鹿屋市が、魅力的な観光拠点を目指し、1992年にバラ園の整備をスタート。傾斜地を生かして色とりどりのバラを植栽し、日本最大級のつるバラのトンネルなど、多数の見どころを設けています。現在では約1,500種3万5,000株のバラが開花し、煙るように咲く圧巻のシーンは必見です。 幅4.5m、高さ3.5mの大きなアーチには、‘ポールズヒマラヤンムスク’が豪華に咲く。ポールに仕立てているのは‘玉鬘’。 「かのやばら園」には9つのテーマガーデンがあります。 1.香りのよいバラを集めた「香りのガーデン」2.童話などにちなんだ名前のバラを植栽した「フェアリーガーデン」3.イギリスのナーセリー、デビッド・オースチン・ロージズの品種をコレクションした「イングリッシュローズガーデン」4.主に1867年以前に生まれたバラが見られる「オールドローズガーデン」5.世界各国のバラを集合させた「世界のばら園」6.それぞれ苗木のオーナーが存在する「オーナーガーデン」7.貴族や王族の名前が付けられた「ロイヤルガーデン」8.友好協定を結んだ横浜イングリッシュガーデンのガーデナーである河合伸志さんがデザイン監修した「横浜イングリッシュガーデン友好ガーデン」9.区画ごとにさまざまなカラーコーディネートで植栽した「カラーガーデン」 春は4月下旬〜6月上旬、秋は10月下旬〜11月に見頃となります。この期間は、毎年「かのやばら祭り」が開催され、さまざまなイベントを楽しめますよ! アジサイは、300種2,000株を植栽。5月中旬〜7月上旬が見頃で、時期によってはバラとのコラボも見られる。写真はアジサイ‘ゼブラフラミンゴ’、 ‘ノーブルブルー’と赤バラ‘岳の夢’。 また「かのやばら園」では、南九州の暖地で元気に咲く品種を選んでいるのも特筆すべきでしょう。近年の温暖化によって、暖地でのバラ栽培に難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。バラのみならず、開花期の揃う宿根草や一年草を組み合わせたトータルコーディネートは、植栽のヒントになるはずです。バラの栽培教室も行っているので、利用してみるのもいいですね。 「かのやばら園」では、バラの開花期以外にも四季を通して花々の開花リレーを楽しむことができます。春はスイセンから始まり、パンジー・ビオラ→クリスマスローズ→アジサイ→サンパチェンス→ヒマワリ→コスモスへ。毎年8〜10万人が訪れ、リピーターも多い観光ガーデンに、足を運んではいかがでしょうか。 フォトジェニックな写真を撮れるバラコーナーがいっぱい! 「かのやばら園」では、「恋人の聖地」に認定されている「ローズチャペル」や、借景の美しい展望デッキのほか、随所に記念撮影に重宝するフォトスポットが設けられています。写真は、ハート形になるように剪定されたアーチ。‘春風’と‘ボニー’が仕立てられています。 季節ごとに植栽を模様替えしている「ショーガーデン」。職員のガーデナーたちが、おもてなしの心を込めて植栽を手がけています。サインウォールを背景に、緩やかな傾斜がついており、グループでも写真を撮りやすいように工夫されています。訪れた記念に、ぜひ写真に収めたいですね。 手前のベビーピンクのバラ‘サザン・ホープ’は、2014年に「かのやばら園」で生まれた品種です。四季咲きで花もちがよく、次々に開花します。南九州の高温多湿な環境下でもよく育ち、黒星病(黒点病)に比較的強い性質。奥の赤バラ‘テス・オブ・ザ・ダーバーヴィルズ’とのコントラストも美しく、目を引きます。 ばら祭り期間には、ローズトレインが登場し、正面入口〜西側入口間を巡回します。12人乗りで、運賃は片道110円。歩くより少し早い速度で、片道15分ほどかけて往復します。 運転手さんから、ガーデンの簡単なガイドが語られます。 バラの開花期間に限らず一年を通して開花リレーを楽しめる 早春から咲き始めて、春の訪れを告げるムスカリ。見頃は2月下旬〜3月上旬で、約2万球が植栽されています。同時期に、チューリップやサクラも見頃になります。 サクラの見頃は3月下旬〜4月上旬。‘ソメイヨシノ’ ‘ヒカンザクラ’ ‘ヨコハマヒザクラ’などの品種が、計450本植栽されています。園内でお花見を楽しむのもいいですね。「かのやばら園」では飲食の持ち込みはOKです。ただし、飲酒はNGなので、マナーを守って桜咲く景色を楽しみましょう。 ヒマワリの見頃は5月下旬〜8月下旬で、さまざまなエリアで約40万本が植栽されています。群植されたエリアは花が一斉に同じ方向を向くので、背景にして写真を撮るのがおすすめ。 また、ほかにもサルビア、サンパチェンス、タイタンビカスなど、夏の草花がカラフルな彩りを添えます。 コスモスの見頃は10月下旬〜11月中旬。‘センセーション’や‘イエローキャンパス’など約250万本が植栽されています。迷路も作られているので、チャレンジしてはいかがでしょうか。園内はリードをつけていれば、ペット同伴もOKです(但し、温室、売店、レストランはNG。排泄物は持ち帰りましょう)。また、夜の10時までライトアップされるイベントもあります。 園内の売店ではバラグッズや地元のお菓子などお土産物が充実 園内の売店では、バラに関する土産物が多数揃っています。お酒やアイス、サブレなど食品・お菓子類が15点ほど、アクセサリー・雑貨が40点ほど。売れ筋の商品は、ばら焼酎300ml 1,000円・720ml 1,700円 (どちらも税込)、プリザーブドフラワー1,800~7,000円、バラアイス250~330円など。 鹿屋市の特産物は落花生で、最中や饅頭など土産用のお菓子も多種類揃います。風味豊かな落花生スイーツの食べ比べを楽しみましょう。また、すぐ隣にはレストランがあり、「薔薇カレー」や「ばらソフトクリーム」など、バラにちなんだメニューも充実。少し歩き疲れたら、レストランでひと休みするのもいいですね。 Information かのやばら園 所在地:鹿児島県鹿屋市浜田町1250番地TEL:0994-40-2170ホームページ:http://baranomachi.jp/アクセス:公共交通機関/鹿屋バス停から路線バスで約15分(土日・祝日のみ運行)車/大隅縦貫道笠之原I.C.から約20分オープン期間:通年休園日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始。但し、ばら祭り期間中は無休営業時間:9:00〜17:00料金:大人630円、小中高生110円(開花状況により変動有)。※5月5日こどもの日は小中高生無料駐車場/1360台・無料
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東京都

本格的な春到来! 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」の『ショーアップ審査』を迎えた5人…
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 神代植物園の正門へ続くコンテストガーデンが、エントランスの景観と一体感をなす4月中旬。 5人のガーデナーが手掛ける日向と日陰の2つのガーデン。最終結果が決まるまでに4・7・11月の3回に渡って審査が行われますが、ガーデンの施工から約5カ月経過した今回、第1回目となる『ショーアップ審査』が行われました(春の見ごろを迎えたガーデンの観賞性を審査します)。審査期間:2024年4月11日~17日。 審査員は以下の6名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、佐々木珠(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事)、松井映樹(神代植物公園園長) 事前に公表されているコンテスト審査基準 公園の景観と調和していること/公園利用者が美しいと感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること(ロングライフ) /メンテナンスがしやすいこと(ローメンテナンス)/デザイナー独自の提案ができていること/総合評価 ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 今回の評価のポイントは主にガーデンの観賞性で、「植物の春の美しさがしっかりと表現されているか」。しかし、単に華やかであることだけが重要ではなく、「植物個々の特性・魅力がしっかり見せられているか」、「葉や花の組み合わせがデザイン的に美しいか」、そして「今回のテーマ=武蔵野の“くさはら”、が表現されているか」などの項目も含めて評価されています。※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。※今回行われた審査結果の公表はありません。 4月の審査時期を迎えた5名のガーデンをご紹介 コンテストガーデンAGrasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜 【作品のテーマ・制作意図】 武蔵野のくさはらを表現するにあたり、オーナメンタルグラスとカラーリーフ、特徴的な葉を持つ植物をメインにしたガーデンをつくってみたいと思いました。「グラスガーデン」は馴染みが薄かったり、地味にとらえられたりすることもあるかと思いますが、宿根草に加え、球根植物も多用し華やかさをプラスすることで、多くの方に楽しんでいただけるガーデンを目指しています。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 カマッシア‘ライヒトリニー’ 【日陰エリア】 開花期を迎えていた植物 スイセン‘タリア’、プルモナリア‘トレビファウンテン’、イカリソウ’スルフレウム’、アネモネ・シルベストリスなど コンテストガーデンB花鳥風月 命巡る草はら 【作品のテーマ・制作意図】 ガーデンの美しさは緑量や花の色目や形状だけで測れるものでなく、空や光や風や生きもの全ての関わり合い、生命の尊さを感じることでガーデンがより輝いて見えます。ガーデンに長く根付いて、地域に馴染む風景、生態系の一部になることを想定し、植えっ放しに耐えられる丈夫な品種を中心に、蜜源植物や、風や光の動きを反映しやすい植物を多く取り入れ、地味な在来種でも組合せや配置で奥行ある豊かな草はらの表現を目指します。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 カッコンセンノウ、シラー・ベルビアーナ カッコンセンノウ、シラー ベルビアーナ、カマッシア レイヒトリニー、スイセン ピピット 【日陰エリア】 開花期を迎えていた植物 ミニチューリップ ホンキートンク、ムスカリ アルメニアカムブルー、オルレア ホワイトレース、ビオラ ラブラドリカ、ムラサキサキゴケ、イフェイオン ジェシー、イフェイオン ウィズレーブルー、イフェイオン ホワイトスター コンテストガーデンC草原は、やがて森へ還る。 【作品のテーマ・制作意図】 森では、様々な木々が壮絶な生存競争を繰り広げています。しかしそれは草原もまた同じ。草原は生命力に溢れる草花たちの戦いの場です。そしてやがて、草原の中から樹木が芽生え、最終的には森へと遷移していきます。私は、草原から森へと還るこのはじまりの瞬間を、美しくもドラマティックに演出したいと思いました。ここは、森が好きなガーデンデザイナーが解釈し表現したペレニアルガーデンです。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 ゲラニウム'サンギネウム・ストラータム'、サポナリア・オキモイデス(ロックソープワート)、シレネ・ユニフローラ‘シェルピンク’、アリウム・ニグラム、アリウム‘カメレオン’、オルラヤ、ベロニカ‘ウォーターペリーブルー’、クランベ・マリティマ、リクニス・フロスククリ(カッコウセンノウ)など 【日陰エリア】 開花期を迎えていた植物 イカリソウ、ゲラニウム‘タイニーモンスター’、フリチラリア・ペルシカ、アジュガ‘チョコレートチップ’ コンテストガーデンDfeeling garden ~伝え感じる武蔵野の新しい風景づくり~ 【作品のテーマ・制作意図】 人々の心に残る武蔵野の情景を骨格に、新たな要素を組み足して、これからの愛される武蔵野の風景を植物の魅力や武蔵野の風景を「伝え」「感じる」ことを軸に提案しました。武蔵野の草原を連想させるグラスをベースに、季節の流れの中で、さまざまな色や形の草花がガーデンを彩っていくような配置を心がけました。自然との距離が遠くなった現代で、このガーデンが少しでも自然と人とが寄り添うきっかけになればと思っています。 【日向のエリア】 開花期を迎えていた植物 チューリップ‘クイーンオブナイト’、チューリップ‘コンチネンタル’、チューリップ‘ドールズメヌエット’、チューリップ‘ホワイトバレー’、チューリップ‘スワラ’、ラナンキュラス ラックスシリーズ 【日陰エリア】 開花期を迎えていた植物 チューリップ‘クイーンオブナイト’、チューリップ‘コンチネンタル’、チューリップ‘ドールズメヌエット’、チューリップ‘ホワイトバレー’、チューリップ‘スワラ’、チューリップ‘ヒルデ’、ラナンキュラス ラックスシリーズ、ムスカリ、アジュガ コンテストガーデンE武蔵野の“これから”の原風景 【作品のテーマ・制作意図】 世界的に”Climate Change(気候変動)”が叫ばれ、日本でも夏の猛暑、雨不足による水ストレスが植物を苦しめました。農業技術である完熟した堆肥をはじめ有機資材を使い、微生物に富み団粒構造を持つ土壌を作ることからはじめ、これまで武蔵野の草原風景を担ってきた在来植物を中心にガーデンを構成します。都市の暮らしの中でこぼれ落ちてきた技術、植物でこれからの武蔵野の風景を模索していきます。 【日向エリア】 開花期を迎えていた植物 ― 【日陰エリア】 開花期を迎えていた植物 スイセン‘トレサンブル’、シラー・シベリカ、スノーフレーク 次回の審査は7月、梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査する『サステナブル審査』です。庭作りスタートから月々見頃の植物と5名のガーデンを紹介する記事もご覧ください。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立神代植物公園(正門手前プロムナード[無料区域])所在地:東京都調布市深大寺元町5丁目31-10https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/電話: 042-483-2300(神代植物公園サービスセンター)開園時間:9:30~17:00(入園は16:00まで)休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合、翌日が休園日、年末年始12/29~翌年1/1)アクセス:京王線調布駅、JR中央線三鷹駅・吉祥寺駅からバス「神代植物公園前」下車すぐ。車の場合は、中央自動車道調布ICから約10分弱。






















