クリスマスの寄せ植え&森の動物たちが集まるかわいいガーデンクリスマス
毎年、庭にクリスマスの楽しい演出をこらす米子在住のガーデニスト、面谷ひとみさん。今年は「森の動物たちのクリスマスパーティー」がテーマ。パディントンベアやリス、ウサギたちがテーブルを囲むかわいいガーデンクリスマスをご紹介します。夜になると、どこからともなく姿を現す鹿にもご注目!
目次
モミの木の寄せ植えツリー
クリニックの庭のクリスマス演出は、患者さんたちも楽しみにしてくれている年末恒例のイベント。庭に飾るクリスマスツリーは毎年、テーマを決めてイルミネーションの色やオーナメントを変えているので、12月が近づくと、「今年はどんなふうになるの?」と聞かれるようになりました。そう聞かれたら張り切らないわけにはいきません。一緒に庭づくりをしているガーデナーの安酸友昭さんに「今年はどうするだ?」と相談すると、今年は「小さいツリーにしましょう」という意外な提案が。毎年庭には3m以上のツリーを飾ってきたので、それを小さくするのは不安でしたが、あれこれと安酸さんの指示に従って進めるうちに、いつもとは少し違う、かわいいガーデンクリスマスが出来上がりました。
大鉢に樹高150cmくらいのモミの木を植え、株元にはパンジーを植栽。その鉢の手前にいつも庭で使っている小さめのガーデンテーブルを置いて、パディントンベアを着席させました。「ほら面谷さん、パディントンから見たら、このツリーは大木ですがん」と安酸さん。庭づくりは想像の翼を広げることが大事と安酸さんはいつも言いますが、本当にそのとおり。パディントンから見たら、この庭は大きな森かもしれません。というわけで、今年のテーマは「森の動物たちのクリスマスパーティー」になりました。
テーブルコーディネートで庭に彩りを
冬の庭はどうしても彩りが寂しくなりがちですが、ガーデンテーブルをコーディネートすると、庭に効果的に鮮やかさを演出することができます。赤のタータンチェックと緑の布は手芸店で買ったもので、雨をはじくように防水スプレーをしてあります。その上にはキャンドル入りのバスケットアレンジを置きました。アレンジも扉にかけた大きなリースも、赤がポイント。これは私がアレンジの練習に通っている東京・神楽坂の「ジャルダンノスタルジック」さんが作ってくれました。
夜になり、ライトアップをすると、ボックスウッドの後ろから鹿が! じつはこれ、安酸さんお手製の影絵です。防水加工をした紙に鹿を描いて、丁寧に切り抜いて作ってくれました。テーブルの下に紙の鹿を置いて、扉へ投影しています。いつも言葉数少なく「ふーん」とか「へー」とかばかり言っている安酸さんですが、その頭の中には楽しいアイデアがあふれているようです。よくこんなことを考えつくなぁと感心します。
紙の鹿は風で飛ばされないように、木の板と針金で留めてあります。室内ならもっと手軽にできるはずです。紙とライトと映し出す壁があればできますから、ぜひ作ってみてください。きっとお子さんも喜ぶと思いますよ。
クリスマスの寄せ植え
寄せ植えもクリスマスカラーで植栽しました。パンジーやガーデンシクラメン、チェッカーベリー、スキミアは赤で統一。ブルーグリーンのツンツンとした葉は、ピナス・ピネアと呼ばれるイタリアカサマツです。小さなツリーのようで、クリスマスの寄せ植えにぴったりです。赤色の寄せ植えは、夜は色が闇に沈んで見えにくくなるので、室内の明かりがこぼれる窓辺のすぐ側に置いています。
白っぽい色でまとめた寄せ植えは、夜のライトアップにもよく映えます。中央には草丈の高いキンギョソウを、周りには淡い色合いのパンジーやネメシア、白色のカルーナ、スイートアリッサムを植栽。鉢縁からは斑入りのアイビーやハツユキカズラを垂らして動きを持たせました。
ガーデンの入り口にも、大鉢のモミの木の寄せ植えを作りました。静かな森の水辺をイメージし、ブルー系のパンジーを株元に植栽しました。モミの木に吊したのは氷で作ったオーナメントで、中に庭の花を閉じ込めました。
シリコンの製氷機に花と水、吊すためのワイヤーも一緒に入れて凍らせます。いずれ溶けてしまうはかないオーナメントですが、したたる滴もきれいです。
大きなツリーはなくても、庭にちょっとしたストーリーを持たせると楽しい雰囲気が生まれます。想像の翼を広げて、ガーデンクリスマスを楽しんでみませんか。
Credit
話 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
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取材 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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