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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪40 埼玉「ガーデンセンターさにべる」

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪40 埼玉「ガーデンセンターさにべる」

一口に園芸店といっても、今やさまざまなスタイルのショップがあります。それぞれの個性が色濃く反映されたこだわりの空間は、私たちの想像力を刺激し、ガーデニングのセンスを磨ける最高の場所。今回は地域の園芸カルチャーを支えるショップ「ガーデンセンターさにべる」を訪れました。

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お気に入りが見つかるはず!
充実した苗売り場づくり

北西に連なる山々の稜線を背景に広がる田畑…その中に「ガーデンセンターさにべる(以下さにべる)」はあります。70台も収容できる駐車場には、毎日オープンからひっきりなしにお気に入りを入手するべく花好きな人々が出入りしています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」

駐車場側の木戸口から入ると、ひな壇状に並べられた無数の花苗パレットがお出迎え。足を踏み入れた途端、一気にテンションが上がります。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
フラワーパレットは白で統一、花の可憐さや透明感をアピールしています。なにげないこだわりがそこここに。

かつては生産農家や苗の仲卸を行っていた「さにべる」。ポットマム生産時代を合わせると50年以上の歴史があり、30年ほど前に社長の間室照雄さんが園芸店をスタートさせました。現在も野菜苗と花植えを生産直売していますが、ショップは娘で店長の間室みどりさんが柱となり、長年培った園芸のノウハウと、生産者・市場との横のつながりを大切にしつつ、時代に沿うよう進化させています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」

みどりさんが仕入れる苗は、どれも新鮮。市場からの仕入れだけでなく信頼のできる生産者に依頼したものも多く、多種多様な植物を最高の状態で提供できるように力を注いでいます。「苗も雑貨も、お気に入りを見つけてもらいたいという思いで揃えています」とみどりさん。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
寄せ植えやハンギングに力を入れている「さにべる」。特にパンジー・ビオラは、たくさんの生産者から取り寄せ、充実させている。

ぜひ参考にしたい!
プロの寄せ植え・花合わせ

店内には寄せ植えの見本鉢が点在。植物それぞれの魅力を引き出し、お客様の花合わせの参考になるように、サンプルとして飾っています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」

売り場にあった寄せ植えご紹介!
手軽に楽しめる愛らしい寄せ植えを集めました

埼玉「ガーデンセンターさにべる」の寄せ植え
埼玉「ガーデンセンターさにべる」の寄せ植え
埼玉「ガーデンセンターさにべる」の寄せ植え

「寄せ植えを美しくまとめるのに大切なのは、色づかい」とみどりさん。じつは、みどりさんは「趣味の園芸」など、テレビや雑誌に登場する人気園芸家。カラリストの資格も持っており、常に美しく見せることを意識しながら、植物に向き合っているのだそう。「さにべる」での講習会だけでなく、出張講習会やトークショーなどでも活躍しています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」

東京農業大学農学部を卒業後、デンマークで4年間切り花を学んだというみどりさん。デンマークでは「最近ヒュッゲという言葉がよく使われていますが、それは花を愛するデンマークの人々が大切にしている‘居心地のよい空間・時間’のこと。ここで、ヒュッゲな暮らしを提案できたらと思っています」。

培養土

ショップでは、寄せ植えの楽しみを提案しているみどりさんが考案した培養土が販売されています。大きな特徴は、水はけと保水性を兼ね備え、腐食酸を多く含んでいること。腐食酸(フルボ酸)は、根の働きを助けて根張りをよくし、成長につなげてくれる今注目の成分です。近いうちに、寄せ植え用の肥料も発売予定です。「季節で寄せ植えが終わったときに再利用しやすいよう、短期間効くものにしています」とみどりさん。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
屋外の用土コーナーには、土壌改良材などあらゆるアイテムが揃っている。

花苗以外も見どころたくさん
外売り場&店まわり

花苗売り場の奥には、樹木コーナーが展開されています。取材時の秋に最も充実していたのはオリーブ。そのほか、美しい葉や花が楽しめるものが揃っています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」のオリーブ
埼玉「ガーデンセンターさにべる」のオリーブ
ハーブなどの花壇が設けられているオリーブコーナー。

店まわりも魅力的なコーナーがたくさん。ウッドフェンスで囲まれた売り場はつる植物や多年草で覆われ、牧歌的な雰囲気が漂っています。こののどかな雰囲気が好きなファンも多いそう。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
エントランスにはニセアカシアが心地よい緑陰を作っている。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
フィカス・プミラが古いポストやフェンスに活着し、瑞々しいシーンに。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
古い車輪のオーナメントのまわりをユーパトリウム‘チョコレート’が覆う、ノスタルジックな風景。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
店内のミニガーデンは、季節の寄せ植えを飾ったり、撮影場所や子どもが遊ぶ場になったり……。自由な発想で使える空間。

屋内売り場も
あらゆるアイテムが盛りだくさん!

大きなハウスを活用した屋内売り場では、季節の鉢花や観葉植物、多肉植物、園芸資材などがそれぞれ島を作っています。どれも選ぶのに困ってしまいそうな広さと品揃えです。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
ドライな雰囲気たっぷりの多肉・サボテンコーナー。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
秋は、あらゆる春咲きの球根植物が揃う。

照雄さんは生産農家でもあり、奥にあるハウスでは、照雄さんの作った野菜苗が大人気。最近は、農家さんも買いに来るほどの充実ぶりです。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」の野菜苗
ブロッコリーの苗(左)と隣のハウスのハーブコーナー(右)。

姉妹で作り上げる
見やすく楽しい売り場

みどりさんとともに店を回しているのは、妹の2人・小枝子さんと夏実さん。それぞれに得意分野が異なる最強の仲間です。仲のよい3姉妹が一緒に考え、最近形にしたのが観葉植物コーナー。冬は加温してあたたかい空間となりますが、夏は冷房し、冷涼な気候を好む植物を管理するという特別なコーナーです。「人にとっても心地よい場所です」とみどりさん。無骨なビニールハウスの印象を払拭する、ウッディでクールなデザインが売り場の雰囲気をぐっと高めています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」

コーナーの内部は、観葉植物や進物用のラン、サンセベリアなどがひしめき合い、植物園の温室さながらの雰囲気です。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
シンプルなデザインの什器もおしゃれで、手書きのポップが楽しい雰囲気。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
左/近年人気のビカクシダも、大きさ・種類さまざまに揃う。 右/インドアプランツ用アイテムも、一緒の場所に。

一角に設けられた雑貨コーナーも見応え十分。ここはおもに小枝子さんがディスプレイを任されている場所。かつてブライダルの世界で花を飾ることを専門にしていた能力を発揮する場となっています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」

はしごでやんわりと空間を区切り、いくつものシーンを展開。あらゆるテイストのアイテムが自然になじみ、それぞれのエリアが美しく整えられています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
ボタニカルの額を背景に、花瓶などのガラス器が飾られている。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
ドライフラワーのブーケやバスケットなど、温かみのあるアイテムが並ぶエリア。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
テンションが上がる、おしゃれなガーデニングツールもたくさん。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」

「さにべる」では、照雄さんや農家が作った野菜をはじめ、地元の養蜂家の蜂蜜、コーヒーなども販売しています。新鮮な野菜は午前中に売り切れになるほどの人気。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
この日販売されていたコシヒカリは、照雄さんが育てたお米。パッケージは小枝子さんがデザイン。

散策しながら見つけよう!
充実の園芸資材

庭に彩りを添えるアイテムも充実した「さにべる」。広いハウス内のあちこちにアイテムごとの空間が作られ、選びやすく陳列されています。

埼玉「ガーデンセンターさにべる」
庭の雰囲気を高めてくれる、アイアンフェンスコーナー。目隠ししたいときや、つる植物の誘引に最適。
埼玉「ガーデンセンターさにべる」
テラコッタやグラスファイバー、ブリキなど、用途や置く場所に合わせて容器も選んで。

間室みどりさんイチオシの
本格派ハンドフォーク

「こんなツールが欲しい!」というガーデナーたちのリクエストから生まれた、浅野木工所(新潟県・三条)の本格的なガーデンツール。一般的なサイズより爪の部分がやや長く、柄につながるネック部分も長さや角度など、微妙な設計が施され、使いやすいのが魅力。広い場所でもへこたれません。掘る、混ぜる、耕す、1つで何役もこなす頼れる庭仕事の相棒です。ぜひ店頭で実物をご覧ください。

浅野木工所のガーデンツール
上から、草取り、草取り鎌、ハンドフォーク、ハンドスコップ。ハンドフォークはSunny valeのロゴ入り。

新鮮な苗・多様なアイテムを取り揃え、地域の人々の憩いの場となっている「ガーデンセンターさにべる」。寄せ植えやハンギングバスケットなど、各種教室も充実し、気軽に花と触れあえます。「sunny:降り注ぐ光」「vale:谷」という意味を持つ「さにべる」、その名の通り、みんなの暮らしを明るく照らすスポットです。ぜひ訪れてみてください。アクセスはJR高崎線「鴻巣」駅から川越観光バス(東松山駅行き)で約10分、東武東上線 「東松山駅」から川越観光バス(鴻巣駅・免許センター行き)で約10分、どちらも「谷口」停留所下車・バス停から約300m。

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