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イギリス

イングリッシュガーデン旅案内【英国】鉢づくりの老舗「ウィッチフォード・ポタリー」
美しい景色の中にある工房 ロンドンから北西へ車で約2時間、コッツウォルズ地方北部のウィッチフォード村に、工房はあります。周りには牛が草を食む草原が広がって、のんびりした雰囲気。赤茶色の鉢がすべて手作りされているというこの場所で、どんな出会いがあるのかワクワクしながら、敷地の中へと入ります。ここには、工房の他に、コートヤード・ガーデンとショップ、そして、近年新設されたカフェが併設されています。 きれいに刈り込まれた芝生の間の小道を行くと、早速、ウィッチフォード・ポタリーの鉢に植えられた、一対のトピアリーが出迎えてくれます。 工房は、1976年、創設者のジム・キーリングさんと妻のドミニクさんによって、オックスフォード州のミドルバートンという場所で開かれました。その後、1982年にこの場所に移されました。最初はキーリング夫妻と見習い2人だけだったそうですが、現在は、熟練した陶工をはじめとする、35名ほどのスタッフが働いています。いまやジムさんの子どもたちも加わって、家族で営んでいるアットホームな工房です。 小道を先に進むと、サークル状のエリアに、大小の鉢が積み重なった、オブジェのようなコンテナガーデンが出現しました。ツゲやゼラニウムが緑を添える、ウィッチフォードの鉢づくしの贅沢な演出に、思わず見惚れます。 鉢づくしのオブジェをぐるりと一周眺めてから、緑の茂みにぽっかり空いた空洞を抜けて、奥へと進みます。背が高い人なら、ちょっとかがまないと通れないくらい、緑の生い茂ったアーチ。この様子から、ウィッチフォード・ポタリーが40年近くの長い年月、この地に変わらずあり続けていることが伝わってきます。 緑のアーチを抜けると、小道が四方八方につながる場所に出ました。庭の中に迷い込んでしまった気分。鉢だけがずらりと並ぶ、ガーデンセンターの一角のような場所かと思ったら、コンテナガーデンのお手本になるコーナーがいくつも設けられています。ここがコートヤード・ガーデンのようです。 奥に見える三角屋根の建物がショップのようですが、まずは植栽と鉢がつくる、コンテナガーデンのコーナーをチェックすることに。地面には、形が大小さまざまな敷石とレンガのペイビングが施され、ランダムな模様が浮かんでいます。 面白さ再発見のコンテナガーデン 大きな鉢の上に大きな鉢皿を載せて、砂利を敷き詰めた中に小さな鉢を並べて、さらにまた上へ鉢を載せて……。まるでウエディングケーキのようなディスプレイのアイデアに、ナルホド! と感心。 このコートヤード・ガーデンを管理しているのは、ヘッドガーデナーのポール・ウィリアムズさん。運よくポールさんに会えれば、植栽について話を聞くこともできるそう。 写真の左と右は、三角の屋根がついたアーチ状の構造物の表と裏に当たりますが、それぞれの演出の違いにびっくり! 写真右は、アリウムの鉢植え、ギボウシの鉢植え、スイートピーの鉢植えと、鉢植えばかりを集めたエリアなのに、とても瑞々しくて季節感たっぷり。コンテナガーデンでも、そんな庭づくりが可能だということを知りました。 象の背中からシダがダイナミックに伸び出ていたり、地面に低く咲くイメージのあるゲラニウムが高く茂っていたり。鉢植えならではの面白さがあります。レンガの目地から自然に生えてきたようなアルケミラモリスも、ナチュラルな雰囲気を生み出しています。 鉢に植えられている植物の種類はさまざまで、個々それぞれに特徴があります。でも、鉢植えという共通点が統一感を生んでいて、コンテナガーデンも面白いものだなぁと再認識しました。 多種多様な鉢が並ぶストックヤード コートヤード・ガーデンから奥へ向かうと、つるバラに彩られた建物の前に、新品の鉢がずらりと並んでいました。鉢を展示販売しているストックヤードです。こんなにたくさんのバリエーションを見る機会はこれまでなかったので、思わずテンションが上がります。 大きさや形がさまざまな鉢が並びます。鉢のデザインは500種もあるとか! 手前の緑が茂っている鉢は、イチゴ栽培用のストロベリーポット。イチゴの苗が植えられるよう、鉢の側面に穴があります。その左手にあるフタの付いた壺は、日本ではあまり馴染みがないですが、ルバーブ栽培用のテラコッタ。イングリッシュガーデンでは時々目にします。 ウィッチフォードの鉢は、バラやプリムラ、デルフィニウムなど、ガーデンの花々をモチーフにしたレリーフ模様も特徴的です。これはあの花ね! と眺めるだけで楽しい時間。テラコッタ製のニワトリやフクロウなどの置物も、庭に馴染みやすそうです。 釉薬がかかったオシャレカラーの鉢もずらり。素焼きの鉢とはまた違った魅力があります。 8角形の屋根を持つ建物、オクタゴン・ギャラリーの中では、ウィッチフォード・ポタリー製以外の、英国製の陶器が販売されています。釉薬で彩られたマグカップや大皿などの食器類、または作家ものなど、いろいろなタイプの陶器が並び、さらには、剪定ばさみや誘引紐といったガーデングッズや、ポストカードなどもありました。大きな割れ物はお土産にはハードルが高いので、目に焼きつけるだけで我慢。 工房見学のミニツアー ウィッチフォードの鉢作りの過程をたどるミニツアーに参加して、工房を見学することもできました。ここで30年以上働いているというバーバラさんが案内してくださいました。 工房を開いたオーナーのジムさんは、育った家の近くに粘土層があったことから幼い頃より粘土で遊び、また、ガーデナーの母の影響で、草花にも親しんだそうです。ケンブリッジ大学で考古学を学んでいた際に、発掘作業で破片を見つけたことから陶芸に興味を持ち、考古学よりも夜間の陶芸講座に夢中になって、陶芸家を志すことにしたのだそうです。そして、花鉢を専門に作っていたレクレッシャム・ポタリ―に弟子入りします。ジムさんがそこで学んだ英国伝統の技法が、ウィッチフォード・ポタリーの鉢づくりの基礎となっています。 鉢は、90%以上がロクロで作られ、その他は、型などから作られています。鉢づくりは、まず、粘土の用意から始まります。近隣から採取され、車で運び込まれた3種類の土がブレンドされています。 採掘された土はまず、建物内の特殊な機械があるエリアに運び込まれます。土は水と混ぜられ、石などの不要なものが取り除かれて、なめらかな粘土へと加工されます。液状の粘土がパイプを通って、何層ものフィルターを通す過程を経て、なめらかになります。 練られた粘土はつややかです。覆いをかけて乾燥を防ぎながら4カ月間寝かせます。この段階になるまでがとても大事な作業で、時間もとてもかかるそうです。 鉢本体のための粘土と、装飾部分の粘土は、ブレンドの比率などの仕様が異なるそうです。ウィッチフォードの粘土は、成形に理想的な弾力性があり、焼き上がると、味わいあるテラコッタ色になります。 粘土の加工場の隣は、窯のエリアでした。ガスと電気、薪で焼くこともできるいくつかの窯があり、最高温度は1,040℃。36時間かけて焼くそうです。 2階に上がると、鉢をそれぞれのデザインに仕上げるいくつものアトリエがありました。 鉢づくりは、ロクロで成形する係と、装飾を手掛ける係に分かれています。現在、リーダーとして工房のスタッフを率いるのは、ジムさんの息子のアダムさんです。アダムさんは幼い頃から陶芸の手ほどきを受けた陶工であり、数年前から経営陣に加わっています。ここには、数十年間働いているベテランの陶工もいれば、働きだして数年の見習いもいます。ロクロできちんと鉢を成形できるようになるには、15年かかるそうです。 工房では、1週間で6tの粘土を600個強の鉢に加工するそうで、想像以上の量に驚いてしまいます。鉢づくりに並んで、日本とアメリカからのたくさんの注文に対する、日々の発送作業も大変なものです。 ウィッチフォードの鉢は多孔性に優れていて、植物の成長を促します。また、霜害を防ぐとして、イギリス国内ですべての鉢に10年間の保証が付いています。 ウィッチフォード・ポタリーでは特別に大きな鉢を焼くこともあります。大きな鉢の場合は、一度に成形するのが難しいので、いくつかのパーツに分けて成形し、組み合わせます。アダムさんが作った過去最大の鉢は、焼く前の高さが2mあったそうです。 このアトリエでは、スペシャルオーダーの鉢を作成中。スペシャルオーダーでは、結婚や退職のお祝いに、特別の装飾や文字を入れてもらうことができます。また、英国の庭園のベンチで見られるプレートのように、庭を愛した故人を偲ぶ文言を刻んだ鉢を作ってもらうこともできるそうです。 奥の棚には、800種の装飾モチーフの型が並びます。この中に、外の鉢で見たバラやプリムラがあるのですね。モチーフの型は、すべてジムさんがデザインし、手彫りしたものが原型となっています。ロクロで成形して1日乾燥させた鉢に、型に入れた装飾用の粘土を押しつけて、接着させます。 たくさんのモチーフでデコレーションされた鉢もありました。成形、装飾の作業が終わった鉢は、十分な乾燥がされたのちに窯で1回焼かれて、完成します。 2018年からは、日本の六古窯の一つである備前焼の産地、岡山県備前市で備前焼と花・庭・自然が融合する新しい試みが数々行われています。「ウィッチフォード・ポタリー」代表、ジム・キーリングさんが秋に来日し、直接レクチャーを受けられるワークショップも開催されています。 ●備前焼の魅力を伝える新プロジェクト「Bizen×Whichford」コラボイベント報告 地元でも愛される新エリアのカフェ 工房やガーデン、ショップから徒歩1分のところには、2014年にオープンしたカフェ「ストロー・キッチン」があります。 カフェの前には、ゴッホの描いた『糸杉のある麦畑』をモチーフにした、黄金のモニュメント「ゴールデン・サイプレス(金のイトスギ)」がありました。周りに咲くポピーが可愛らしい雰囲気。このモニュメントは、数年前に日本で行われたガーデンショー展示のために作られた作品の一つで、陶製のモニュメントには23.5金の金箔が施されています。ジムさんはこのように、粘土で複雑な形のものを作ることに果敢に挑戦しています。 テラス席もあって、リラックスできる雰囲気です。ちょうどランチタイムだったので、多くの地元の方で賑わっていました。 店内のデザインはカジュアル。店のおすすめメニューは、地元農場のベーコンとカフェの手作りパンを使った、ベーコン・サルニ(サンドイッチ)。その他、手作りパンのトーストに卵料理を合わせた一品や、トーストにチョリソーとフェタチーズを合わせた一品など、シンプルだけれど、美味しそうなメニューが並びます。 ランチにいただいたのは、ミントとタラゴンの入ったオムレツやアスパラガスを包んだ生春巻き。多国籍でモダンな一品です。ビオラの花飾りに嬉しくなります。 美しい景色の中で、ウィッチフォードの鉢は一つひとつ、手間ひまかけて、大切に手作りされていました。だからこそ、大量生産品にはない存在感を持つのだなと納得。長く大事に使っていきたい鉢と、魅力を再発見しました。
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東京都

ほっこりしたい日はこちらへ。『イッカ(icca)』 東京・西荻窪 今日はてくてく「花屋さん日和」Vol.3
ふつう、花屋さんって通りに面した1階にありますよね? そう思って行ったら、迷子になります。女子大通りに出て、この看板を見つけたら、奥の建物の階段をあがってください。 階段をあがると、ペパーミントグリーンのドアが見えます。左のドアを開けて、さあ、中へ! 「こんにちは~」。そう声を掛けると、この日も、オーナーの西野純子さんが笑顔で迎えてくれました。 訪ねたとき、西野さんは、オーダーを受けたプロポーズの花をアレンジしていたところ。店内は天井から、やさしく降り注ぐランプの光が気持ちをなごませてくれます。カフェと、身近な山野草を扱うお店、大工さんとのシェアショップとして、『西荻百貨店』内にオープンしたのは2013年4月。ちょうど丸5年になります。 18歳のときに、花屋さんでアルバイトを始め、ブライダル専門のフローリストとして、長く働いていた西野さん。5年前、シェアショップへの誘いを受けるまで、自分の店をもつことなど、まったく考えたことがなかったそうです。1年、また1年と経つうちに、我が家のように訪れるお馴染みさんが増え、まっ白な空間にも好きなモノたちが加わっていきました。「最初の頃は、ほとんど花しかなかったのがウソのようですよね」。それは、高崎の手作りシスターズが作るアクセサリーだったり、天井から吊るしているステンドグラスのランプだったり。人との縁を物語る品々。ちなみに、ランプは1万2000円~。買えるんです! 『イッカ』では、いつも25~30種ほどの切り花と枝ものを並べています。まだ、夜が明けないうちに、世田谷市場へ出かけて仕入れる花は、季節の草花が中心。「繊細な草花が好きすぎて、お店に帰ってきて、あれっ、メインになる花がなかった…なんてこともありますが(笑)。茎のラインがきれいで、いけても、あたかも自然に咲いているように思える花が好きです」。そんな花々を称して、日常に寄り添う花、と西野さんは言います。華美ではなく、いつもの場所に飾っては、またこの季節がやってきたね、としみじみ思える花。 アレンジするときも、風と遊ぶような、ふわっとした部分を設けるのが西野さんのスタイルです。何種類も入れるグリーンだけでも、なだらかなグラデーションを描きます。なんだかやさしい気持ちになれるアレンジですね! ちなみに、店名は、1本でも絵になる花を揃えたいという思いから、「一花」転じて『icca』。 お店では、毎月、「花あそび」という、小さなレッスンもしています。気持ちが温かくなるこの場所へ、お散歩がてら訪ねてみませんか? Shop Data:イッカ(icca) ホームページ/http://icca-flower.com 住所/東京都杉並区西荻北4-35-10 西荻百貨店内 電話/03・3395・3122(西荻百貨店代表) 営業時間/11~18時 定休日/木・日曜(臨時休業、夏季休業あり) アクセス/JR中央線・総武線西荻窪駅北口より徒歩10分 Credit 記事協力 構成と撮影と文・鈴木清子
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長野県

花の庭巡りならここ! 花苗ショップの品揃えにときめく「フローラルガーデン おぶせ」
早春から冬まで開花リレーされる花の名所フラワーショップは充実の品揃え! 1992年にオープンした「フローラルガーデン おぶせ」は5,700㎡の敷地を持ち、年間80種以上、約8,000株の一年草の開花を見ることができます。花卉・花苗生産の盛んな土地柄、市民の花愛好家も多く、花情報の発信地として整備された花の名所です。 園内の庭のデザインや植栽を手がけたのは「日本花の会」の鷲尾金弥さんほか。一年草の模様花壇、芝生広場、和風の宿根草・花木のエリアに分けられ、雁田山を借景に彩り豊かな花々を観賞できます。 春はクリスマスローズ、サクラ、クリサンセマム、アリッサムなどが開花。晩春から初夏にかけてはバラ、フジ、ナデシコ、キンギョソウ、スモークツリー、アジサイなどが。夏から秋にかけてはサルスベリ、ジニア、サルビア、センニチコウなど。冬はビオラ、パンジー、ハボタンなどと、季節の移ろいによって花の見どころも変化していきます。 フラワーショップも充実しており、季節の鉢花、洋ランなどを販売。特に春と秋は、町内産の新鮮な草花が所狭しと並んでいるので、ショッピングの楽しみもありますよ! また、初心者向けのワークショップとして、「寄せ植え教室」「ハンギングバスケット教室」「苔玉教室」なども定期的に開催しているので、興味のある方は、ぜひご参加を(制作内容によって参加費用は変わります)。 春はパンジーやビオラが咲き誇り花壇は花のタペストリーのよう 写真は5月下旬のメインガーデンの様子で、大きく分け5つの花壇が設けられています。パンジーやビオラなどこんもりと茂る一年草を使って、覆い尽くすように植栽。同系色でまとめたり、反対色を組み合わせてコントラストをつけたりと、カラフルな配色デザインを楽しめます。 園の入り口にあるテラスには、コンテナガーデンを展開。写真は5月頃で、ガザニアやビオラ、ゼラニウムなどが元気いっぱいに咲いています。主に開花の長い草花をセレクトし、大型のコンテナやハンギングバスケットにこんもりと茂らせて展示。園内で販売している花苗がどのようなボリュームで咲くのかを一目瞭然にする、花見本としての役割も持っています。 夏〜秋花壇はビビッドカラーの花が主役差し色を挟んだ配色の妙も楽しんで 写真は6月下旬〜7月上旬のメインガーデンの様子。ジニア、コリウス、メランポジウム、センニチコウなど、夏らしいビビッドカラーの花色が揃っています。そこへ花穂を縦に伸ばすブルーサルビアの紫を多めに配色して、コントラストをつけているのがポイントです。8月からはグラス類の中でも特に人気の高い、メリニス‘サバンナ’が存在感を増し始め、いち早く秋の足音を感じさせてくれます。 レストラン「OBUSE 花屋」はオシャレスポット1日20食限定のランチを食べに行こう! 園内にあるレストラン「OBUSE 花屋」は人気のスポット。ランチ11:00〜14:00、木曜定休。席数は30席あります。お箸で食べられる洋食がメニューに並び、地元産の野菜や果物を使った旬の味わいは女性に大人気。おすすめは1日限定20食の「花屋ランチ」1,200円です。 写真はレストラン「OBUSE 花屋」に隣接した飲食テラススペースで、飲食物の持ち込みOK。ペット同伴でレストランを利用したい場合は、このテラス席に通されます。園内の「農産物直売所ろくさん」併設の「ろくさんジェラート」で、地元産のミルクや果物を使った名物のジェラートをテイクアウトし、ここで景色を楽しみながら味わうのもいいですね。 Information フローラルガーデンおぶせ 所在地:長野県上高井郡小布施町中松506-1TEL:026-247-5487 http://www.floral.obuse.or.jp アクセス:公共交通機関/JR長野駅から長野電鉄線乗り換え、「小布施」駅下車、周遊シャトルバス15分、またはタクシー5分車/小布施スマートインターより10分 オープン期間:通年 休園日:年末年始、1〜3月の第3木曜 営業時間:9:00~17:00(冬季9:30〜16:30) 料金:大人200円、高校生100円、小・中学生無料(保護者同伴に限る)※20名以上の団体は1割引き、身体障がい者手帳の所持者とその介護者1名は半額 駐車場:普通車100台、大型バス3台(無料)
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宮城県

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪14 宮城「ガーデンガーデン」
緑に囲まれた環境で リフレッシュしながらショッピング 仙台の中心部から山形に向かう在来線で揺られること30分。秋保温泉や作並温泉、ちょっと先に行けば山寺「立石寺」といった名湯・名所があるのどかなエリアに位置する「ガーデンガーデン」。山並みを背に広がる観光スポットのような、広々としたショップです。 広い敷地に膨大なアイテムが並ぶ 見応えのある売り場 造園業を手掛ける「ガーデン二賀地」は開業約50年。その園芸部門としてショップをオープンした「ガーデンガーデン」は、この地に根付いて約20年。花に関心の高い方々へ向けた地域密着型の園芸店から始まり、今では東北6県を中心に、遠路はるばるガーデナーが訪れる店となりました。 5,000㎡もある広い売り場は、このショップの大きな強み。植物やグッズなど、アイテムごとにエリアに分けられ、種類豊富なたくさんの商品が、ゆったりとしたレイアウトで展示されています。 【花苗コーナー】 全国各地から新しい品種を積極的に仕入れ、ビギナーからベテランガーデナーまで満足のいく品揃え。苗売り場には屋根がついているので、雨の日でも安心してショッピングが楽しめます。 カラーリーフ類も豊富に扱っているので、どんなスタイルの花壇・寄せ植えづくりにも、大いに助かります。 花売り場の一角を華やかに彩る寄せ植え。可憐な花を使ったナチュラルなアレンジが得意。寄せ植え講習会も定期的に開催しています。 【バラコーナー】 年末から春にかけて、バラの大苗が出回る時期や開花苗の並ぶ時期は、各ブランドのトレンドのバラが約5千鉢、店頭に並びます。また、バラに造詣が深いスタッフがいることも大きな魅力。店長の丹野陽介さんは、入社時から20年間ずっとバラ担当を務めてきただけあって、近年の流行やトレンド、品種の育てやすさなどをすべて把握しています。また、バラの専門家を招いたイベントも年2回開催。 【樹木コーナー】 造園部門の脇にある樹木売り場には、大きなポットに植えられた多彩な中高木が森を形づくるように並べられています。 家庭果樹も充実しており、すぐに楽しめる実つきの株も多く並んでいます。この店イチオシなのは、ブルーベリー。「たくさん実っているから食べて味を確認してもいいですよ」と大らかな丹野店長。 他品種との交配で実がつきやすくなるブルーベリーは、多くの品種を揃えています。ハイブッシュ系、ラビットアイ系、どちらも豊富に揃っています。 左/行灯仕立てにした大鉢のブラックベリー。誘引を外してフェンスに絡ませれば、すぐに見応えのあるシーンが楽しめます。右/黄色い実が庭に異国情緒を添えるレモン。一株あるだけで、庭の雰囲気が高まります。 澄んだ空気を味わいながら 散策できるサンプルガーデン 樹木売り場の奥には、青々とした山を背景に広がる、2つのサンプルガーデンがあります。手前側には宿根草を中心とした彩り豊かな花壇が、階段を上った奥には樹木とリーフ類をメインに使ったエクステリアガーデンが広がっています。 【宿根草ガーデン】 斜面を数段に分け、自然石を積んで土留めをした花壇は、季節の宿根草を植栽した野趣に富むナチュラルガーデン。宿根草の本来の魅力・育ち方が分かります。 コニファーや低木類を背景に、色を添えている宿根草。グリーン×パープルの大人っぽい色彩が、見る人を飽きさせません。 【初夏に見頃の宿根草(6月下旬)】 左/繊細な草姿、ナチュラル感たっぷりの花が魅力のタリクトラム。右/黄色いユニークな花がアクセントになっている、華奢なトリトマ。デルフィニウムの花色とのコントラストが好相性。背後の白い葉は、アメリカハナズオウ‘フローティングクラウド’。 左/黄葉と青花のコントラストが印象的な、トラディスカンティア‘スイートケイト’。右/涼しげな雰囲気を醸しているアストランティア・マヨール。 左/春から株を覆うように次々に花を咲かせるゲラニウム‘ボックストンブルー’。花壇の最前列におすすめ。右/大人気のアジサイ‘アナベル’のピンク種。花が華奢なので、草花と馴染みやすい。 【エクステリアガーデン】 造園部門が手がける、エクステリアと植物の組み合わせを提案したガーデンです。美しい樹木使いが目を引きます。 ① 白いシェッドがあるエリア 宿根草花壇の階段を上がると、青々としたリーフの奥に愛らしい小屋が出現。ストーリーを感じさせる演出。 ② 都会的なくつろぎのエリア 都会的なエクステリアと、それらを引き立てる自然な植栽。構造物のハードな印象を、モミジなどの軽やかな葉で、ふんわりと和らげています。 ③ サンプルガーデンの中央エリア カラーリーフをふんだんに使い、グリーンを主体とした葉色のグラデーションが織りなす風景は、造園部の実力の見せ場。 ④ 木柵で囲まれたナチュラルなエリア いくつかの小さな空間を連ねて構成したサンプルガーデン。木の柵なども取り入れた、素朴で愛らしいコーナー。 このコーナーには房咲きの赤いバラ‘岳の夢’で、アクセントを添えています。 左/中~大株のホスタの葉は、さりげないアクセントを生み出すのに効果的。右/アメリカハナズオウ‘フローティングクラウド’の株元には、アジサイ‘アナベル’が。グリーンがかった白い葉と花の爽やかな競演。 木のフェンスをよりおしゃれに見せていたのは、銅葉のアルストロメリア‘インディアンサマー’ (左)と、繊細な白斑が入る五色ノブドウの葉(右)。 白いウォールまわりは、メギやアベリアとディアボロやマホニア・コンフューサなどのリーフで印象を強めて(左)。クリーム色のアルストロメリアで、優しい上品さをプラス(右)。 悪天候でも快適! ガラス温室の中でショッピング 観葉植物や多肉植物、サボテンなどのインドアグリーンと雑貨類が並ぶガラス温室は、全天候に対応できる快適な空間です。温室内は、インテリアを意識したディスプレイで、インドアグリーンを楽しむ提案が随所に盛り込まれています。 【観葉植物・サボテンコーナー】 【雑貨・ツールコーナー】 インドアグリーンと馴染みのよい雑貨類は品数も豊富。ベランダガーデンなど庭のコーナーづくりにも役立ちそうなものがずらり。 【インテリアコーナー】 温室の一部に設けられた2階は、緑が育つ部屋づくりの参考になる、グリーン×インテリアコーナー。 グリーンと並ぶアイテムは、さりげなくおしゃれで、しかも植物の瑞々しさを引き立ててくれるものに特化。 【切り花コーナー】 愛らしいミニバラや、華やかなトルコギキョウ、そして存在感満点のバンクシア——。レジ前のエリアでひと際目を引く切り花コーナーには、根付きの植物にはないあでやかさがたっぷり。眺めているだけで、ぐっと気持ちが華やぎます。 ガーデンガーデンのイチオシはコレ! 敷地内でいただける身体に優しいランチ 広い売り場でお買い物をされたお客様にほっと一息ついていただくために、ガーデンガーデンでは敷地の一角にカフェ「Café Saji」を併設。野菜たっぷり30品目以上の素材を使った週替わりランチが大人気です(12月中旬~翌年3月中旬は休業)。 カフェの横にあるアイススタンド「あいすの家」のアイスクリームも大人気。北海道夕張にある本店「あいすの家」のアイスクリームのおいしさと素材の素晴らしさに魅せられた社長の田中さんが現地まで幾度も足を運んで頼み、販売されるようになりました。夕張以外で味わえるのはここだけ。ぜひご賞味を。 広々とした空間で、ゆったりとショッピングできる園芸店「ガーデンガーデン」。「見て・買って・学んで・味わって」とガーデナーの感性をフルに満たしてくれる、アミューズメントスポットのようなショップです。ぜひ訪れてみて。アクセスはJR仙山線愛子駅から徒歩で約20分。 【GARDEN DATA】 宮城県仙台市青葉区上愛子蛇台原62-5 TEL:022-391-8718 https://www.nigachi.co.jp 営業時間:9:30〜18:00(夏季)/10:00-17:00(冬季) 休日:なし Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/ガーデンガーデン
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神奈川県

花の庭巡りならここ! 圧巻の花畑を見に行こう「くりはま花の国」
豊かな自然に恵まれた里山を借景に壮大に広がる花畑は必見! もともと1984年に横須賀市が「くりはま緑地」として整備・開園し、1997年に「くりはま花の国」と改名。長らく市民の憩いの場として愛されてきました。敷地は約58万3000㎡にも及び、くまなく歩くとすれば、約2時間ほどかかる規模です。 里山に囲まれた借景を持ち、傾斜地、広い園内という条件を生かし、自然の中に広大な花畑をつくって面で魅せる植栽にしています。春は菜の花、ネモフィラ、ポピー、アグロステンマなどで圧巻の花畑を演出。夏はヒマワリ、秋はコスモスと、四季を通して花のカーペットを楽しめます。 また、50坪以上の温室もあり、カエンカズラ、ゴクラクチョウカ、プルメリア、コエビソウ、ベンジャミンなど、トロピカルプランツの数々が見られます。約80種、7,500株が植栽されているハーブ園、200品種のコレクションを持つ椿園もあり、季節の花畑以外にも見どころ満載です。 ほかに、月に1回のペースで「ハーブ教室」も開催。ハーブの特性や暮らしに上手に取り入れる方法などを学べます。半年の開講で、受講料は9,000円。第1火曜日の10:00〜12:00か13:30〜15:30から選べます。 園内の売店「コスモス館」は、営業時間10:00〜16:00、無休(年末年始を除く)。地元特産のお菓子、雑貨、ソフトクリームやビールの販売があります。中でもおすすめは、「くりはま花の国」で採れたハチミツです。オリジナル商品で、35g/540円、50g/700円、170g/1,680円の3種類が揃います。 年間約50万人の来場者があり、リピーターが多いのが特徴の「くりはま花の国」。入場料が無料なのも嬉しいところです。レストランや遊具施設など、さまざまな施設が充実しているので、一日かけて楽しむレジャースポットとして足を運んではいかがでしょうか。 早春から晩春まで季節の花畑が登場!一年を通して何度も訪れたくなる花の名所 菜の花の見頃は4〜5月頃。4つの品種を組み合わせて11月頃から咲かせていますが、最盛期はやはり早春。春の訪れを知らせる「黄色い花」の代表的な存在として、菜の花を選んだのだそう。道沿いにたっぷり咲かせて、フラワーロードをつくっています。 菜の花のエリアの隣に広がるのは、ネモフィラ畑。3万株以上が植栽され、青い空と大地を覆うように開花するネモフィラのブルーが美しく、フォトジェニックなシーンを撮影できます。ネモフィラは手をかけてタネから育てているため、環境に馴染んで旺盛に茂るので、大変見応えがあります。 「くりはま花の国」では、100万本以上のポピー畑が登場します。まず4月からは一足早く、黄色、オレンジなどのアイスランドポピーが満開に。続いて赤、ピンク、白などのシャーレーポピーが咲き競います。毎年10月最終週の土日の2日間、無料の摘み取りイベントも行われていますよ(天候状況により、枯れた場合は中止)! 6月上旬〜7月半ばの初夏には、アジサイ‘エンドレスサマー’、アガパンサスなど、涼しげなブルーの花が満開になる「青い花まつり」が開催されます。季節が進んで梅雨が明けると、写真のようにハーブ園入り口に6万本以上のヒマワリが開花。多花性の品種‘大雪山’などが咲き誇り、同じ方向に向かって一斉に花を咲かせる様子に心を打たれます。 秋には100万本のコスモスが見頃に。まずは夏の終わり、9月上旬くらいからキバナコスモスの‘レモンブライト’が開花し始めます。まだ光が強いこの時期は、茎葉のグリーンも明るく、黄色の花とのコントラストが美しいですね。 10月にはピンク、白、ワインレッドの花色をミックスさせた、コスモス‘センセーション’が見頃に。咲き始めは白で、咲き進むと黄色く変化していく‘イエローキャンパス’の姿も見られます。毎年10月最終週の土日の2日間、無料の摘み取りイベントも行われていますよ(天候状況により、枯れた場合は中止)! 広い園内ではフラワートレインが活躍!ハーブの香る足湯でリラックスタイムを 広い園内では、蒸気機関車型のバス「フラワートレイン」での移動がおすすめです。第1駐車場と第2駐車場の間、約2kmを、ゆっくりと約30分かけて走行。花畑を見渡せる道も通り、停留所は数カ所にあります。営業時間は10:00〜16:00、月曜運休(祭日の場合は翌日。運行ダイヤは季節によって異なります)。料金は中学生〜大人300円、3歳〜小学生100円(いずれも片道)です。 約80種、約7,500株が植栽されているハーブ園内には、無料の足湯「湯足里(ゆったり)」があります。足湯には園内で収穫されたハーブが入っており、癒やしの香りも楽しめます。レモングラス、ローズマリー、ラベンダー、タイム、ローリエ、マツなどの中から単体で使われ、2週間に1度ハーブの種類が変わります。歩き疲れたら、足湯に浸かってゆっくり過ごすのもいいですね。 ランチメニュー充実のレストランで一休み東京湾を一望できるテラス席は大人気! 写真はガーデンレストラン「ロスマリネス」の外観。営業時間は3〜10月が11:00〜16:30(ラストオーダーは食事15:30、飲み物16:00)、11〜2月が11:00〜15:30(ラストオーダーは食事14:30、飲み物15:00)、休業日は月曜(祝日の場合は翌日。但しポピーまつり、コスモスまつり期間中は無休)です。 ガーデンレストラン「ロスマリネス」には東京湾を一望できるテラス席もあります。メニューはハーブチキンプレート、和風ハンバーグプレート、オムライスプレート各1,000円、YOKOSUKAゴジラカレー900円など。デザートは日替わりのケーキ、ジェラート、パンケーキなどさまざま揃い、北欧紅茶とスイーツセットは1,000円です。予約すればバーベキューも楽しめますよ! セット食材も、海鮮セットや湘南豚セットなど、多様に揃います(食材の持ち込みは禁止)。 Information くりはま花の国 所在地:神奈川県横須賀市神明町1番地TEL:046-833-8282 http://www.kanagawaparks.com/kurihama-perry/kurihama/ アクセス:公共交通機関 電車/京急久里浜またはJR久里浜駅より徒歩約15分船/東京湾フェリー久里浜港より徒歩 約10分(第2駐車場まで)車/横浜横須賀道路佐原I.Cから約4km オープン期間 通年 休園日:なし(園内施設は営業時間・休業日あり) 営業時間:24時間 料金:無料(一部有料施設あり) 駐車場:427台(普通車1回620円、大型バス2,060円)
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鹿児島県

花の庭巡りならここ! 最先端のオシャレ観光農園が登場「農園ガーデン空」
木々が美しいナチュラルガーデンに癒されフルーツの収穫体験に心躍る 「農園ガーデン空」は、2018年7月25日にフルオープンした観光農園。「地元の鹿児島県阿久根市に、地元の方々はもちろん遠方からも人が集う場所をつくりたいと思い、都会の喧騒から離れた『ヒーリングガーデン』をコンセプトに、新しいレジャースポットを誕生させました」と、代表の野村雄介さん。 園内は、大別すると①植物の四季の変化を楽しむゾーン、②食用の植物を見て楽しむポタジェガーデン、③旬の花を楽しむゾーン、④緑に囲まれて休憩するゾーンに分けられています。「収穫して楽しみ、食べて楽しみ、美しい花や木を見て楽しめるガーデン」をテーマに、ガーデンの見学やフルーツの収穫体験ができるほか、洗練されたカフェやマルシェも充実しています。 ①植物の四季の変化を楽しむゾーンの「ひみつの花園」エリア内には、ランドスケープアーティストの石原和幸さんが手がけた「石原ガーデン」もあるので注目を。雑木や宿根草をメインに植栽し、滝や池などからのせせらぎが癒やしを誘うナチュラルガーデン。ベンチに腰掛けると、木々の葉擦れの音が心地よく、時間を忘れて眺め入ってしまいそうです。 一方、「テラスカフェ 空」の周りにある「空の庭」や「青の庭」は鹿児島の「en mo yukari」さんの手によるもの。その他のゾーンはスタッフが植栽を進め、園内には樹木約100種、草花は通年150種以上、約5,000株が見られます(2019年現在)。春はチューリップ、シバザクラ、イペー、初夏はアジサイ‘アナベル’、カラー、夏はヒマワリ、スイカ、カボチャ、インパチェンス、秋はコスモスと、四季を通して旬の花が咲き誇ります。 また、ブドウやパッションフルーツ、スイカ、カボチャ、ヤマイモなど果物や野菜をあしらったパーゴラや、琉球石を縁取りに使った花壇、オーダーメイドのコンテナのアイキャッチなど、自庭のヒントになりそうな工夫も満載。 農園の敷地は約50,000㎡、公開されている部分は約30,000㎡で、すべて見て回ると1時間前後かかります。今後も拡張する予定で、年々の進化も楽しみの一つです。 見学して楽しいナチュラルガーデン&収穫体験にエキサイトする農園エリア 園内の「日本庭園」は、花を見せるというよりは、木々の様子から季節の移り変わりを感じられるように植栽されたエリア。池にはカエル、トンボ、アメンボが棲みつき、鯉やメダカを放流すると自然に生態系ができ上がりました。奥に見える東屋からの眺めは格別です。 イギリスの「チェルシーフラワーショー」で数々の受賞歴を持つ、石原和幸さん監修の「石原ガーデン」です。写真は5月末〜6月頃の景色。落葉樹と、斑入り葉やブロンズ葉などのカラーリーフプランツが織りなす、グリーンのグラデーションが目に優しいナチュラルガーデンです。 傾斜地にあるため、ゆるやかなスロープを整備して、奥のカフェ入り口につなげています。カフェ入り口にはカラフルな草花を配して、お客さまにウェルカムのサインを。花壇内のアイキャッチになっている壺は、オブジェとして見せたり、生花を活けこんだりと、シーズンによって雰囲気を変えるアイテムです。 農耕民族の血が騒ぐ!?たわわに実った果実に大興奮! 「コモレビ農園」エリアでは、「お店で売られているフルーツや野菜がどのような姿で育っているのか知ってもらいたい」という思いから、植栽展示のほか、収穫体験の受け入れをしています。子ども向けの食育にぴったりですね。行っている収穫体験は、イチゴ、レモン、イチジクなど。電話かホームページでの事前予約がおすすめです(当日受付もあります)。 イチゴ狩りは12月下旬〜5月10日頃まで。大きな実がたくさん色づいていますよ! イチゴ狩りのマナーとして、次のことを守ってくださいね。ヘタの近くまで赤くなった実を採ること、次のイチゴを育てるためにも花を摘まないこと、ハチがいても受粉のために働いているので、そっとしておくこと、食べ放題の場合は、残さずにヘタ近くまできれいに食べること。それから、農園内を走ったり、イチゴを取り合ったりしないで、みんなで楽しく参加しましょう! オシャレなカフェメニューが嬉しい!見晴らしのいいテラス席がおすすめ 園内には、展望テラスのある「テラスカフェ 空」があります。開店時間は11:00〜16:00(ラストオーダーは季節によって異なる)、火曜定休です。ランチメニューのおすすめは、手づくり野菜ハンバーグセット1,380円、阿久根産アジフライのライ麦パンサンドセット1,380円、レモンプレートセット1,380円。ドリンクは、コーヒー350円、アイスカフェラテ380円、レモンスカッシュ280円、ホットいちごミルク400円。 カフェでは、イチゴのシーズン限定メニューも登場します。「コモレビ農園いちごのパフェ」1,850円。インスタ映えするビッグサイズで、基本的には3〜4人でシェアすることが多いのですが、中には一人でたいらげる方も! 鹿児島の特産品や雑貨を集めたセンスのいいマルシェでショッピングを 園内にはショッピングが楽しめる「ここマルシェ」があるので、お土産や旅の記念に立ち寄りを。開店時間は10:00〜16:00、火曜定休です。園内で採れたフルーツや、鹿児島県産の加工食品、雑貨、花苗など幅広い品揃えで、お気に入りの一品に出会える喜びがあります。特におすすめは、自家製の薩摩揚げセットです! マルシェでは、園内で採れた旬のフルーツを使った、手づくりのジェラートが販売されているので、ぜひお味見を! レギュラーメニューは、イチゴ、レモン、ミルク、チョコレート、チョコチップ。期間限定メニューが、ブドウ、スイカ、イチジク、カボチャで、いずれも400円です。 ※価格は2019年9月取材当時のものです。 Information 農園ガーデン空 所在地:鹿児島県阿久根市多田454-2TEL:0996-73-3685 【公式】農園ガーデン空 アクセス:肥薩おれんじ鉄道「阿久根駅」より車で約8分 オープン期間 通年 休園日:火曜 営業時間:10:00~17:00 料金:大人・中高生300〜1,000円※季節によって変動あり、小学生以下無料 駐車場:70台(無料)
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イギリス

【英国の庭】ハウザー&ワース・サマセット ピート・アウドルフ作のナチュラリスティックガーデンを訪ねる
時代の先端を行くアートセンター ハウザー&ワースは、本店となるチューリッヒをはじめ、香港、ロンドン、ニューヨークなど、世界の9カ所に拠点を持つ、現代アートのギャラリーです。このハウザー&ワース・サマセットは、2014年に、サマセット州ブルートンの町外れにあるダースレイド農場の中に開設されました。エッジの利いた現代アートの展示が行われる一方で、環境保護やサステナビリティ、教育などのテーマに着目した、多目的のアートセンターとしても機能し、さまざまなセミナーやワークショップが行われています。 ここでのお目当ては、ギャラリーの後ろに広がるメドウ「アウドルフ・フィールド」です。デザインは、オランダ出身の世界的ランドスケープ・デザイナー、ピート・アウドルフ。彼は敷地全体の景観スキームも手掛けています。近年、彼を追った記録映画『FIVE SEASONS ガーデン・オブ・ピート・アウドルフ』が公開され、日本でも話題となっていますが、映画にはこのメドウの設計シーンも登場します。早速、行ってみましょう。 広い駐車場からエントランスに向かうと、まず、鉛の塊のような巨大な像が現れました。「アップル・ツリー・ボーイ・アップル・ツリー・ガール」という、アルミニウム製の彫像作品。子どもみたいな像は、ユーモラスなような、ちょっと怖いような印象です。園内には、こんな屋外展示がいくつかあります。 ギャラリーの入り口は、写真右手の建物にあります。これらの古い石造りの建物は、何十年も打ち捨てられてボロボロになっていた農場の建物でしたが、パリの建築事務所によって修復や改修が行われ、回廊式のモダンなギャラリーやレストラン、宿泊用の貸し別荘に変身しました。これらの建物は、2015年のRIBAサウス・ウェスト・アワードをはじめ、建築界のいくつかの賞を受賞しています。 小雨の中、水やりをする人の姿が。 エントランスからギャラリーのショップを抜けて、建物の奥に向かうと、庭に通じるガラス戸がありました。外に出てみましょう。 宿根草のメドウ「アウドルフ・フィールド」。 1.5エーカーの広さを持つ、宿根草を使ったメドウガーデン「アウドルフ・フィールド」が目の前に広がります。幅広い散策路が斜面を上り、ずっと向こうの白い建物まで続いているようです。あいにくの雨ですが、傘をさしつつ観賞スタート。緩やかにカーブする道を上っていきます。 少し行くと池があって、その水面に雨粒の波紋が広がっていました。睡蓮の浮かぶ池は、周辺の木々の緑を映しています。 アウドルフの代表作の一つに、ニューヨーク・マンハッタンの、廃線となった高架鉄道跡を空中庭園に変えた「ハイライン」のプロジェクトがあります。ハウザー&ワースのニューヨークのギャラリーはちょうどハイラインの通っている場所にあって、ハウザー&ワースの経営者であるイワン・ワースは、アウドルフのつくったこの公園が大好きだったそう。その後、縁あって知り合ったのだとか。 振り返ってみると、池越しにギャラリーのモダンな柱廊が見えます。 先ほどの角度から見た池は、池の縁と小道との境目がくっきりと見えましたが、こちら側は、池と地面との境目があいまいになっています。なだらかな斜面の低い所にできた、大きな水溜まりのように見えます。 さらに斜面を上っていくと、今度は道幅がぐっと広がりました。緑の小島のような、芝の小さな丘が飛び石のように配置されていて、道だけれども広場のようでもあり、面白い景色です。緑の小島の間を縫って、先に進みます。 中央の道は砂利敷きですが、左右に枝分かれする小道には芝生が生えています。この芝生の緑が背景幕となり、植栽エリアの花々は浮き上がっているように見えます。 まゆ玉のような「ラディック・パビリオン」 両側に広がる植栽を眺めながら歩を進めていくと、敷地の一番奥、斜面の上に建つ、まゆ玉のような建物に到着しました。チリ人の建築家、スミルハン・ラディックによってデザインされたラディック・パビリオンです。マーブル模様の、台座のような大きな石の上に載った、丸みのある白い物体。中に入れるのでしょうか? 奥へ回り込むと、中に通じる階段がありました。 建物に入ってみると、宙に浮いたような、ドーナツ状の空間になっています。ところどころに大きく開いた窓があって、外の景色が切り取られて見えます。 この建物は、2014年に、ロンドンのケンジントン・ガーデンズ公園内にあるサーペンタイン・ギャラリーの、夏季限定パビリオンとして建てられたもので、その翌年にここに移設されました。サーペンタイン・ギャラリーでは、毎夏、建築家を選出して実験的な建築物を作り、それを仮設の休憩所として一般に開放します。そういう経緯のある建物だからか、とても個性的。これ自体がアート作品のようです。 まゆ玉のような建物を印象づけている黒い突起のような部分から外を覗いてみると、アウドルフの庭越しに、羊が草を食む草原が見えました。 グラスファイバーで作られた建物は宇宙船のよう。宙に浮いているような感覚で、一周、ぐるりと歩くことができます。ところどころに椅子が置いてあって、瞑想もできそうですね。 さて、パビリオンを出て、再び庭に戻りましょう。遠くに目をやると、日本とは違って電線や電柱のない、のんびりとした景色が広がっています。丘の上(写真右上)には、ブルートンの町のアイコンでもある、古い石造りの鳩小屋が見えます。 ガーデンの縁に当たる部分は、写真手前のように、モリニアやシモツケソウ、サラシナショウマといった、背の高い植物を使った、より強健な植栽がされています。メドウの全体は、この時期は少し色が少ないものの、アウドルフの意図した通り、大きなパレットのように見えます。 卓越した植物選び さて、今度はどんな植物が植わっているのか、丹念に観察していきましょう。軽やかなグラス類の中に、ゲラニウムやサルビアなどの宿根草がグルーピングされているメドウです。隣り合う植物同士に、くっきりとした色や形、質感の対比があるので、手前にある植物が引き立って見えます。 緑の草葉の中で隠れんぼうしているみたいに、半ば埋もれるように銅葉のアクセントが覗いていたり、カンパニュラがめいっぱい花を咲かせていたり。あそこにいるあの子は、果たして顔なじみか、それとも初顔合わせのお相手か、目を凝らしてしまいます。また、この植物の隣にどうしてこの植物を合わせているのだろうかと、植栽の意図を探るため、頭を働かせました。 全体の植栽は、紫、ピンク、さび色、金色が、流れるような色彩となるよう計画されているそうですが、訪れたこの時期は、若く明るい緑と紫の花穂のカラーリングが、特に印象に残りました。 また、改めて、きれいだなぁと目にとまったのは、グラス類です。霧雨を受けてわずかに枝垂れ、雨粒がキラリと光るグラスの穂と、アリウムやエキナセア、エリンジウムなどのコラボレーションがおしゃれ。この一角だけならば、ベランダでも再現できるかしら? と刺激を受けました。 アウドルフは、美しいシードヘッド(頭状花)を持つ植物を効果的に使うことで定評があります。「植物の枯れた姿も好き」と言う彼は、立ち枯れた姿が素敵な植物をいくつも配して、四季を通じて興味深い庭をつくり上げました。 この庭を訪れたのは2019年の6月中旬でしたが、その時期には、ロンドン市内にあるキュー・ボタニックガーデンではアリウム・ギガンチウムが咲き終わっていました。しかし、ここの植物は、これからもっと成長していくようです。それぞれの株のボリュームが出て、花もどんどん咲く季節に向かっていました。 アウドルフはデザインする際、最初から頭の中に完成形の絵を浮かべていると言います。そして、それから、どの植物がそのヴィジョンを満たすものなのかを検討し、レイヤーごとにスケッチに起こしていくのだそうです。園芸家、そして、ナーセリーのオーナーとして長い間過ごしてきたアウドルフは、植物やその習性について深い知識を持っています。横に広がりすぎたり、こぼれ種で増えすぎたりして、全体図の均衡を壊しかねない植物は使わないように注意しているそう。選ぶのは、直立して大きくなりすぎない品種です。アウドルフが類まれなアーティストであると同時に、卓越した職人でもあることの分かるエピソードですね。 ガーデナー上野砂由紀さんが解説 同行した北海道のガーデナー、上野砂由紀さんが、この庭を解説してくれました。 「夏にもちろん素敵なこの庭は、秋になると、さらに美しさを増すよう緻密に計算された植栽だということが、実際の庭を見ると分かります。例えば、秋になるとグラスの穂が霞のように広がり、その間にエキナセアなどの、あえて残されたシードヘッドがポツポツと浮いて、点描画のように美しく見えます」 「敷地の両サイドには、迫力ある大型のフィリペンデュラやベロニカストラムが多く植えられていました。さらに秋に盛りとなるようにタリクトラムやユーパトリウム、キミキフガ、アスター類が植栽されていて、秋の特別な美しさが想像できました。それから、秋に大きくなりすぎて倒れてしまわないように、草丈を3分の1くらいに刈り込む作業もされていました。また、彼は自立しない植物はセレクトしないという考え方も、ガーデンから見て取れました。乾燥に強い植物もうまく使われていたと思います。一見シンプルな庭ですが、そこには彼の深い考えに裏打ちされたデザインがあると感じました。秋は、きっと全く違う世界になることでしょう」 モダンな柱廊と中庭 CLOISTERと書かれたガラス戸の向こうに広がる回廊。 ギャラリーの建物は、洋書や雑貨が並ぶショップや、現代アートが展示されている小部屋がいくつもつながって、回廊のようになっています。 その回廊に囲まれた中庭も素敵な植栽で、くつろげる場所でした。鮮やかな緑のオータムン・ムア・グラスなど、グラス類を多用しています。ところどころに暗い葉色や花色の多年草があって、アクセントに。古い家屋を使ったレストランの屋根の色ともマッチしています。 中庭は、空間を共有する彫像の価値を損ねないように、植物の草丈を低くして、植栽をシンプルにまとめているとのこと。空間全体を考えて設計されていることが分かります。 キッチンガーデンにも注目 併設するレストラン「ロス・バー&グリル」では、ダースレイド農場の食材をはじめ、地元の新鮮な食材を使った料理が楽しめます。サラダやスープのワンプレートランチや、ハンバーガーのセットなどがあって、ランチにおすすめ。 レストランの建物沿いには、おしゃれなキッチンガーデンがあって、レストランやバーで使う野菜やハーブ、エディブルフラワーが育てられています。キッチンガーデンは、レストランやギャラリーの建物とこの土地を繋ぎ、馴染ませる役割も果たしています。腰高のレイズドベッドになっている植栽升の中には、カモミール、コーンフラワー、ボリジ、エキナセアといった花々が咲き、キャベツやスイートピーなども育っています。 この区画はNo-dig gardening(ノー・ディグ・ガーデニング)の手法で栽培されています。ノー・ディグとは、つまり、耕さないということ。有機栽培の流れを受けて、近年英国で注目されつつある栽培方法です。この植栽升では、土の上に、よく腐熟した肥やしとマッシュルーム・コンポストがそれぞれ厚い層となって重ねられています。人が耕すことはしませんが、虫や微生物の力のおかげで、自然が自ら土を耕す力を得るようになり、空気の通り道ができます。その結果、作物の収穫量がぐんと増えるのだそうです。ここに育つ野菜や花の健やかな姿を目にすると、ノー・ディグ栽培法に興味が湧いてきますね。 時代の先端を行く現代アートと、自然回帰のようなガーデニング法。一見、相反しているようですが、このガーデニング法やアウドルフのメドウデザインには、環境保護やサステナビリティという、最先端のテーマへの取り組みが含まれています。ハウザー&ワース・サマセットは、今後の発展が楽しみなコンテンポラリー・ガーデンでした。
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岡山県

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪13 岡山「むらかみ農園」
本格派ガーデナーにはたまらない、 市場に出ない宿根草が揃う店 岡山駅より20分ほど車で南下して、田畑と住宅地が混在する静かなエリアに位置する「むらかみ農園」。数棟のビニールハウスと西洋ニンジンボクが茂るサンプルガーデンが目印です。ショップの主な販売用ハウスには、年間約1,000種にも及ぶ宿根草・一年草の苗が並んでいます。 「むらかみ農園」で扱う苗は、本格的な花壇づくりにおすすめの宿根草がメイン。一般的なものから市場では出回らない珍しい植物までが、ハウス中を埋め尽くしています。これらの苗は、オーナーである村上公一さんと奥様のちづ子さん、そして娘の由里子さんが手塩にかけて育てたもの。この地域に合ったオリジナル配合の土で丁寧に育てられています。 むらかみ農園はオープンして約25年。それまで母校である静岡大学で果樹栽培について教鞭をとっていた公一さんが、以前から趣味ではまっていた花栽培を突き詰めるために帰郷し、花卉農家とそれを販売する店舗をスタートさせたのです。 その当時は園芸ブームが起こる少し前で、まだ世の中に花の種類はそれほど多くなく、海外から取り寄せた種子を播いて苗づくりをスタート。果樹の中でも屈指の難度が高いメロン栽培の経験を生かしつつ、ガーデニングには向いていないこの周辺の土、真砂土を使った土づくりにも力を入れ、岡山の気候に合うかを1種類ずつ確認していきました。 オープンしてまもなく、園芸ブームが到来し、変わった種類・品種なら何でもよく売れました。その後園芸ブームが去り、猛暑が続くようになってから、見慣れない植物を警戒する傾向が強まり、花壇を彩る宿根草が市場に出回らなくなりました。しかしそんな中でも、村上さんは、この土地に合った種類を選抜しながら親株を更新し、宿根草を作り続けています。 栽培には土の力が重要 土壌改良にこだわる このあたりの土は、真砂土という花崗岩が風化してできたもので、粗いとゴツゴツ硬く石のよう、細かい場合はギュッとしまってカチカチに固まるといった特徴があります。静岡の関東ローム層の土とは全く違う、花卉栽培には不向きな故郷の土の硬さに、帰郷当時はびっくりしたといいます。 大きすぎず細かすぎない真砂土に堆肥などの有機質類を加え、用土をブレンド。試行錯誤を15年ほど重ねて研究し続けた結果、3年目ぐらいに行ったブレンドが一番よかったと村上さん。今では、そのブレンド用土を、店頭で販売しています。 大学時代に東京で建築デザインを学んだという娘の由里子さんは、3年前にUターン。今では父の後を継ぎ、主力となって動いています。デザインの世界で磨いたセンスのよさが買われて、現在、百貨店のイベントの展示なども手掛けています。自然な花合わせに定評があり、先日は百貨店の催事である『ベニシアさんの手づくり暮らし展』の展示のコーディネートを担当しました。 たくさんの苗が並ぶ中、大きなコンテナを使ったナチュラルな植栽ディスプレイも見応えがあります。 ハウスの前に広がる サンプルガーデンも見もの 白や紫、ピンクの小花をメインとしたナチュラルな植栽は、さりげないデザインが魅力。楚々とした草花が可憐に風に揺れているさまに、癒やされます。 サポナリアやオキシペタラムのやさしい色合いを銅葉のリシマキア‘ファイヤークラッカー’で引き締めた、甘さを抑えた植栽。 店頭に敷いた枕木の間には、薄いピンク花のイワダレソウと黄色い花のメカルドニアを混植。踏まれても元気に育つ、優秀グラウンドカバー。 アーチの傍らで素朴な彩りを添えているアピクラツム。寒さに強く丈夫で育てやすく、グラウンドカバーのように広がってくれます。 むらかみ農園に並ぶ ナチュラルな花たち 店頭に並んでいた、または庭に咲いていた愛らしい花々をご紹介します(6月中旬取材時)。 ◆草丈60cm以上の宿根草(花壇の中~後方におすすめ) 左から/レウカンセマム(草丈60~70cm 花期6~10月) オキシペタラム‘ホワイトスター’(草丈50~80cm 花期4~11月) ペンステモン‘ハスカーレッド’(草丈70~90cm 花期5~6月) 左から/スカビオサ・オクロレウカ(草丈0.6~1m 花期6~10月) セントーレア・ルセニカ(草丈1~1.2m 花期6~7月) コーカサスマツムシソウ‘ファーマ’(草丈50~80cm 花期5~8月) 左から/ディディスカス‘ブルーレースフラワー’(草丈60~70cm 花期4~11月) サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’(草丈50~80cm 花期5~7月) ボックセージ(草丈0.6~1m 花期5~11月) 左から/バーベナ・ハスタータ‘ブルースパイヤー’(草丈0.8~1m 花期6~10月) モナルダ・キトリオドラ(草丈60~80cm 花期6~9月) モナルダ・ディテマ(草丈0.6~1m 花期6~9月) 左から/ペンステモン‘ジングルベル’(草丈0.8~1.3m 花期5~7月) ジギタリス・ラエヴィガータ(草丈60~80cm 花期5~6月) スカビオサ‘ブラックナイト’(草丈40~80cm 花期4~11月) ◆草丈30~60cmの宿根草(花壇の中段でふんわり間をつなぐのにおすすめ) 左から/カンパニュラ‘ウェディングベル’(草丈40~50cm 花期5〜7月) ケントランサス・アルバ(草丈35~40cm 花期5~10月) ユウギリソウ(草丈50~60cm 花期5~8月) 左から/セラトセカ・トリロバ‘ホワイト’(草丈50~60cm 花期5~11月) 八重咲きサポナリア(草丈30~40cm 花期5~10月) マーシャリア/ヤグルマサワギク(草丈40~50cm 花期5~7月) 左から/アークトチス‘ブルーアイ アフリカンデージー’(草丈30~40cm 花期5~8月) アガパンサス‘ツイスター’(草丈50~60cm 花期6~8月) カラミンサ‘ブルークラウド’(草丈40~50cm 花期5~10月) 左から/サルビア‘ムーンライトオーバー’(草丈40~50cm 花期4~11月) ストケシア‘ブルースター’(草丈30~40cm 花期6~10月) イトシャジン/カンパニュラ・ロツンディフォリア(草丈30~40cm 花期4~6月・9~11月) 左から/ネペタ‘ブルードリーム’(草丈50~60cm 花期6~8月) 宿根リモニウム・アトランティス(草丈40~50cm 花期5~7月) スカビオサ‘ピンクレース’(草丈40~50cm 花期4~7月) 左から/ジギタリス・デュービア(草丈40~50cm 花期5~6月) ペンステモン‘サンバーストアメジスト’(草丈40~50cm 花期6~9月) カンパニュラ‘ピンクオクトパス’(草丈30~50cm 花期5~7月) 左から/クナウティア‘マース・ミジェット’(草丈30~40cm 花期6~10月) コレオプシス‘ローズビューティー’(草丈30~50cm 花期5~10月) アキレア・ミレフォリウム‘カシス’(草丈50~60cm 花期6~10月) 左から/ゲウム‘ブレイジング・サンセット’(草丈50~60cm 花期5~7月) ガイラルディア‘アリゾナ・アプリコット’(草丈30~40cm 花期5~10月) ガイラルディア‘アリゾナ・サン’(草丈30~40cm 花期5~10月) ◆草丈30cm以下の宿根草(花壇前方などにおすすめ) 左から/ヤシオネ‘ホワイトデライト’(草丈20~25cm 花期6~7月) ブラキカム‘ピンクデージー’(草丈20~30cm 花期6~7月) ダイアンサス‘白花さぎり’(草丈20~25cm 四季咲き) 左から/アンゲロニア‘セレニータシリーズ’(草丈20~30cm 花期5~10月) フロックス‘ムーディブルー’(草丈15~20cm 花期3~6月) ダイアンサス‘ピンキーキッズ’(草丈15~20cm 花期3~11月) 左から/カリホー・インボルクラータ‘ワインカップ’(草丈15~20cm 花期7~9月) ゲラニウム・サンギネウム‘マックスフライ’(草丈15~20cm 花期4~10月) ダイアンサス‘スポッティー’(草丈20~25cm 花期四季咲き) 左から/宿根リナリア‘ネオンライト スカーレット’(草丈20~25cm 花期3~11月) アピクラツム‘イエローボタン’(草丈15~25cm 花期3~11月) チョコレートデージー/ベルランディエラ(草丈20~30cm 花期5~7月) 〔カラーリーフ〕 左から/ロータス・クレティクス(草丈30~40cm 花期4~5月) ラムズイヤー‘オーレア’(草丈30~45cm 花期5~6月) ウエストリンギア・バリエガータ(草丈約30cm 花期4~5月) 左から/グリーンサントリナ(草丈約30cm 花期6~7月) フイリコルセウムアイビー/シンバラリア(草丈5~10cm 花期5~6月) ラミウム・マクラツム(草丈15~20cm 花期4~5月) 〔美しい花を咲かせるつる性宿根草〕 左から/アサリナ‘ミスティックローズ’(つる長2~3m 花期5~11月) クリトリア/チョウマメ(つる長1~2m 花期6~10月) ツンベルギア‘スージーミックス’(つる長2~3m 花期5~11月) 〔さまざまな表情の一年草〕 左から/八重キンギョソウ‘ツイニーシリーズ’(草丈40~50cm 花期2~11月) ブラックレースフラワー/ノラニンジン(草丈60~80cm 花期5~7月) ケイトウ‘キャンドル’(草丈40~80cm 花期6~8月) 「むらかみ農園」イチオシプランツをご紹介! オリジナル交配のパンジー・ビオラ むらかみ農園で花粉を交配させて作ったビオラやパンジーは、ふたつと同じものはありません。10~3月の間に販売しています。 「美しい網目を出すことが重要なメロンは、日にち刻みでの細かいコントロールを必要とする『苗づくり段階』が最も肝心──」。メロン栽培の難しい知識・経験を原点として生かし、花卉栽培の世界に転身した村上さん。かたや、建築デザインをガーデンデザインに生かし、コーディネーターとしても活躍の由里子さん。そんな親子のコラボレーションが見せるサンプルガーデンは現在も拡大中です。今ではなかなか手に入らないナチュラルな洋種の宿根草が並ぶ「むらかみ農園」。ぜひ、訪れてみてください。アクセス/岡山駅から車で約20分。 【GARDEN DATA】 〒702-8026 岡山県岡山市南区浦安本町107-2 TEL: 086-263-7733 http://murakamifarm.jp/ 営業時間:9:00〜日没 休日:木曜日(4~6月・10~12月無休) Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/むらかみ農園
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秋から初冬の庭を彩る野菊【小さな庭と花暮らし】
郷愁を誘うノコンギクの小径 黄金色に輝く田んぼの畦道や、野辺に群れ咲く野菊….。そんな故郷の秋の情景を身近に感じたくて庭に植えたノコンギク(野紺菊)。濃紫色の花びらと黄色の花心のコントラストが鮮やかな、花径2cmほどの小さな野菊です。 当初は、鉄平石の踏み石の両脇に所々植えていたのですが、あっという間に地下茎でふえて、思い描いていた「ノコンギクの小径」になりました。 その繁殖力は想像以上で、生育も旺盛。芽吹きからそのままにしておくと、草丈は80cmにもなります。残念ながら、小径の距離はたったの7、8歩。幅も狭く覆い被さってしまうので、梅雨時に一度切り戻ししています。そうすると、脇芽が出て膝下のちょうどよい草丈に。花数も増えて、満開時には数え切れないほどの濃紫色の花が鮮やかに小径を彩ります。 踏み石を歩くと、足元でこんもりと群れ咲く野紺菊。まん丸顔の可憐な花の何と愛らしいことでしょう。ほのかな野菊の香りに思わず立ち止まって顔を近づけては小径を行ったり来たり…。 故郷の懐かしい秋の情景と重なる「ノコンギクの小径」は、わたしの一番好きな景色です。 秋の木漏れ日に映える「清澄シラヤマギク」 サクランボのような実と葉が、ほんのり色付き始めた西洋カマツカ(別名:アロニア)。その木漏れ日を浴びて咲いているのが「清澄シラヤマギク」です。この花は、千葉県の清澄山周辺で発見されたノコンギクとシロ菊系の雑種だとか。 初めて園芸店で目にした時、一瞬で心を奪われました。その特徴は、スッと伸びた細い褐色の茎。こんな茎色の菊は見たことがありません。しかも、見た目よりずっとしっかりしていて、ほどよいしなやかさも。 品のよい藤色の花との調和も素晴らしく、凛とした風情が漂います。地植えでは草丈70〜80cmほどになりますが、自立してくれるので、あえて切り戻しはせず自然樹形で育てています。 秋風にたゆたうしなやかな茎、金平糖をちりばめたような小さな花が満開になる頃は、なんとなく甘い香りが漂ってきそうです。 季節の終わりを告げるアワコガネギク 清澄シラヤマギクが満開を迎える頃、ちらほら咲き始めるアワコガネギク。なんとも可愛らしいこの名前は、黄金色の小さな花が寄り集まって泡立つように咲くことから名付けられたとか。花径1cmほどの極小花は、野菊の種類では珍しく花心と花びらが同色です。 そのせいか、黄金色の発色がとても鮮やかで目を奪われます。陽光を追って曲がったり枝垂れたり。野趣溢れる楚々とした姿も大好きです。 そんなアワコガネギクが一番映えるのが秋晴れの日。チラチラと降り注ぐ木漏れ日を浴びて、泡玉のような花が黄金色に輝きます。ワクワクするほど美しい光景です。 秋のなごりを惜しむ野菊の花あしらい 花もちのよい野菊は、切り花にも最適です。 曲がった茎や虫食い葉など、庭咲きだからこそ味わえる表情豊かな野菊をいろいろな器に活けて楽しみます。 野生種の野菊に合わせる器は、花瓶に限らずコップやピッチャー、片口、カゴなど、身近にある日用品を用います。 例えば、飴色のピッチャーや陶器のリキュールグラスなど、特徴ある色や形の器に短く活けると、野菊の可憐さが際立ちます。こんなさり気ない花あしらいは、一日の大半を過ごすキッチンやダイニングに。また、お茶の時間に添えると季節感も味わえて、より豊かで和やかなひとときになります。 片口の銅製の燗鍋も気に入りの器。古物なのでちょっと歪んでいますが、その使い込まれた佇まいが庭咲きの野菊の風情によく似合います。口径がゆったりしているので、ふんわりナチュラルに活けられて、鍋の持ち手がいい塩梅に花の支えに。 燗鍋に清澄シラヤマギクを一種。そんなシンプルな花あしらいが一番好きです。持ち運びしやすいので、ガーデンテーブルに置いたり玄関に設えたり。その日の気分で場所を変えて楽しみます。 また、竹やアケビなど天然素材のカゴも、野菊の楚々とした美しさを引き立てます。キク科のガイラルディア‘グレープセンセーション’、赤く色付いた西洋カマツカの実。庭の秋花も添えると華やかです。 秋の彩りをカゴいっぱいに詰め込んだ野菊の花カゴは、庭からの今年最後の贈り物。愛おしい一輪一輪に「ありがとう」の気持ちが溢れます。
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東京都

花屋さんになりたい人も必見! 東京・表参道『カントリーハーベスト』 今日はてくてく「花屋さん日和」Vol…
新しいショップも続々と登場するなか、同じ場所で24年間、看板を掲げているのが、『カントリーハーベスト』です。オーナーは深野俊幸さん。自身も、華やかな花の世界を披露する人気フラワーデザイナーです。 花屋さん激戦区で、24年も愛され続ける秘訣とは? そんな質問への深野さんの答えは「変わり続けること」。ショップ自体が変わり続けています。四季折々の植物で、路地を通る人の目を潤す店の前の庭も、じつはオープン当初には、もっとこじんまりしたものでした。 「当時はドアも壁もなく、ガラガラと上げ下ろしするシャッターで(笑)」と深野さん。9年経ったところで、ヨーロッパの田舎にありそうな外観と内装に作り替え、庭も拡張。「人の家を訪ねる感覚で来てもらいたくてね。ほんの少しアプローチができたぶん、どんな花が咲いているかな、と庭を見ながら入ってこれます」。庭のように自然に見えても、よく見ると、どれも商品である寄せ植えや鉢物で構成されています。 店内を変え続けるといっても、人任せではありません。ほとんどが深野さんのDIY。壁に花や雑貨を置くための棚をつけたり、ポストカードを美しく飾れる壁掛けホルダーを手作りしたり。自分自身も、空間を楽しむための日々のリニューアル。ふだんの暮らしにおいても、とても大切なことのように思えます。 店内の奥へ進むと、クラシカルなマントルピースがあることに気づくはずです。アメリカのブロカントに惹かれて、買いつけによく行っていた頃、友人のフラワーデザイナーから譲り受けた品。並べられた1輪挿しに飾った花と植物画にスポットが当てられ、花の祭壇のように見えます。 深野さん曰く、店内は「縦構成」のディスプレイ。都心の狭小店舗ゆえの創意工夫なのですが、それがかえって、どこもくまなく見たくなる、この店のおもしろさにつながっているのですね。 花屋さんをもちたい人の参考にもなるショップ『カントリーハーベスト』。空間を意識して、観察してみませんか? ショップコンセプトは「田舎で収穫した花たち」。ラグラスやナデシコ、シロツメクサに似たトリフォニウム。野原に咲くような花にも出会える店の入り口には、友人のクリエイターから贈られたレンガのサインボードが訪ねる人を待っています。 Shop Data:カントリーハーベスト(COUNTRY HARVEST) ホームページ/http://www.countryharvest.co.jp 住所/東京都港区南青山3-13-13 電話/03・5410・1481 営業時間/10~20時。日曜、祝日は~18時 定休日/なし アクセス/地下鉄東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅A4出口より徒歩約2分 Credit 記事協力 構成・撮影・文/鈴木清子
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山梨県

花の庭巡りならここ! 50種もの果樹が勢揃い!!「山梨県笛吹川フルーツ公園」
子どもたちの食育の場にもなる「生きたフルーツ展示」が見どころ 1995年にオープンした「山梨県笛吹川フルーツ公園」は、32万㎡もの敷地を誇ります。丘陵地帯に広がる園内は、大人がゆっくり歩いて2時間ほど。「フルーツ公園」と名乗るだけに、果樹をメインに展示しています。 山梨県民の憩いの場として整備された「山梨県笛吹川フルーツ公園」では、県の特産品であるモモ、ブドウなどの他、アーモンド、サルナシ、マンゴーなども見られます。「オーチャード(果樹園)」には、約190品種、約6,000本もの果樹が植栽され、「生きたフルーツの博物館」といえるほどのコレクション数。どんな樹姿で、どんな花が咲くのか、子どもと一緒に見学するのもいいですね。 また、「入口広場」と「花の広場」の2カ所に広い花壇が設けられ、季節の草花をカラフルに植栽しています。傾斜地を生かした面で魅せる花壇で、植栽デザインは専門スタッフが担当。年に2回の植え替えにより、花壇の表情が変わるのも見どころです。草花の種類は年によってさまざまですが、主に春はチューリップ、パンジー、スイセンなどが主役で、秋はサルビア、ジニア、マリーゴールドなどにバトンタッチされます。 「山梨県笛吹川フルーツ公園」では、果樹の展示が目的で、「フルーツ狩り」は行っていません。ただしイベントとして、収穫体験やブドウの搾汁機を使ったブドウジュース作り体験、フルーツ試食体験などを行っているので、ホームページをチェックして出かけるのもいいですね。カフェやマルシェが充実しているほか、子どもが喜ぶ遊具施設も整っていますよ! 丘陵地を生かした、面で魅せる花壇は迫力満点!オーチャードでは多様なイベントを開催 写真は「山梨県笛吹川フルーツ公園」の「花広場」で、5月上旬の景色です。パンジーやチューリップが見事に咲き誇っています。傾斜があるので、下から見ても、上から見下ろしても迫力満点。標高510mに位置し、昼夜の温度差があるため、花色が冴え冴えとしているのも魅力です。「花広場」では、年に2回の植え替えを行っています。 「山梨県笛吹川フルーツ公園」には、モモ、ブドウの他、約50種もの果樹を植栽。品種のコレクションは190にも及び、6,000本のフルーツを展示しています。中にはアーモンドやザクロ、マンゴーなどあまり見かけないものも。フルーツとしては、青果店やスーパーで見かける身近な存在ですが、実際にどのように育って実をつけるのか、その姿を見る機会はあまりありません。そこで、子どもたちの食育の目的も担う、生きた展示を実践しているのです。 植栽されている果樹は、基本的に展示がメインですが、「収穫体験」のイベントも開催されます。例えばサクランボの収穫体験では、サクランボ畑のガイドツアーを行ったのちに、30〜60分かけて収穫。他にウメ、スイカ、パッションフルーツ、カキ、クリなどの収穫体験も行われます(果樹の状況により、開催されない場合もあります)。 「新日本三大夜景」の一つとして人気のスポット!傾斜地も「ロードトレイン」に乗ってラクラク散策 「山梨県笛吹川フルーツ公園」からは、甲府盆地と南アルプスの山々を望む絶景を楽しめます。天候に恵まれれば富士山もお目見え! また、甲府盆地の宝石をちりばめたような美しい夜景は「新日本三大夜景」の一つに選ばれています。公園内の施設には入れませんが、公園は年中無休、24時間開放されているので、気軽に夜景を楽しめますよ! 「花の広場」の上にある「噴水広場」からのビューがおすすめです。 傾斜のある敷地のため、ロードトレインが運行しています。ミニ機関車風の風貌で、子どもたちに大人気! 第1駐車場から最上部のフルーツセンターまで、停留所が6カ所あり、片道30分くらいかけてゆっくりとしたスピードで巡ります。運転手さんからのガイドもありますよ! 片道料金は大人400円、子ども200円、3歳未満・障がい者(要障がい者手帳提示)無料。一日券は大人600円、子ども300円。 旬のフルーツが楽しめるカフェで休憩を地元産の野菜や特産物が集まるマルシェも要チェック! 「山梨県笛吹川フルーツ公園」中央には、カフェ「葡萄屋kofu パーク café&kitchen」があるので、ランチやティータイムに立ち寄りを。開店時間は10:30〜17:00(夏期土日・祝日は18:00まで。季節によって変動あり)。ランチメニューはカレーライス(揚げ野菜つき)、ピザ各1,000円。特にトマトソースをベースにしたコクのあるピーチトマトカレー1,000円が人気です。 おすすめは季節のフルーツプレート、時価1,800〜2,000円。写真左のプレートはモモが4個以上使われており、複数人でシェアしてもOKです。 写真は果肉たっぷりのモモのパフェ1,300円(時価)。パフェに使われるフルーツは季節によって異なり、大人気メニューです。なくなり次第終了になるので、気になる方はお早めに! 園内の「さんさんマルシェ」では、地元で採れた旬の野菜や果物のほか、特産品や雑貨なども販売しています。特にモモやブドウなどの加工品に人気があり、おすすめは、ロゴ入りのワインヨーグルトレーズン1,080円。 また、注目すべきはワインのライナップで、甲州ワインを約130種も揃えています。価格帯は2,000円弱〜3,000円で、求めやすいのも嬉しいところ。試飲コーナーもあり、赤または白の3種のワインを500円でトライできます(ドライバーの方は残念ながらご遠慮ください)。 Information 山梨県笛吹川フルーツ公園 所在地:山梨県山梨市江曽原1488TEL:0553-23-4101https://fuefukigawafp.co.jp/ アクセス: 電車/JR中央線山梨市駅下車、タクシー利用 7分車/中央自動車道 勝沼I.Cまたは一宮御坂I.C.より約13km (30分) オープン期間 通年 休園日:無休(一部飲食施設は不定休) 営業時間:9:00~17:00(一部飲食施設を除く) 料金:無料 駐車場:約300台(無料)
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東京都

東京のKawaiiが見つかる花屋さん! 東京・表参道『カントリーハーベスト』 今日はてくてく「花屋さん日和…
記念すべき1軒めのショップは、東京・表参道にある『カントリーハーベスト』。『花時間』でも、活躍している深野俊幸さんが24年前に開いたお店です。 青山通りから1本離れた路地を進んでいくと、小さな庭のある、かわいらしいお店が見えてきます。ここが『カントリーハーベスト』。若々しい緑色の葉をつけ始めたニセアカシアの木を愛でつつ、さあ、店内へ入りましょう。 入口そばの小さな窓辺には、ビタミンカラーの草花が小さな花畑のように咲いています。訪ねた日には、ラナンキュラスやナデシコやヤグルマギクなど。ヒマワリが早くもスタンバイしていました。そう、なんてきれいなんだろう…と、ここで、たいていの人はハートをわしづかみにされちゃいます(笑)。棚にはヨーロッパとアメリカで仕入れたブロカントの缶や空き瓶など。こうやって飾るとかわいいんだ、なんて部屋に花を飾るときのヒントが入手できたりします。 そして、切り花の品揃えたるや驚きです! 全体で、約200種。そのじつに5割以上が草花です。ショップコンセプトは「田舎で収穫した花たち」。だから、野原に咲くような自然な風情の花から、原種系のアルストロメリアなどの珍しい花まで、少量多品種の品揃え。かつて、バラやユリばかりがもてはやされた時代から、市場でそうした花々を見つけ出しては、ここに並べていたそうです。 これは取材の日にあったフラワーギフト。『カントリーハーベスト』お得意のマルチカラーのアレンジにも、水色のニゲラやピンクのアスチルベなど、可憐な草花が顔を出しています。 『カントリーハーベスト』は、ギフト用のオーダーも多いショップです。店内奥のキーパーには、いつも15~20種のバラと、ダリア、ランの切り花に出会えます。 訪ねたら、穴が開くほど、あちこち見てこその『カントリーハーベスト』時間です。棚の奥、マントルピースの上、それから天井。いたるところに花と雑貨のディスプレイを発見して、おもちゃ箱の中にいるみたい? なんて思える体験ができますよ! Information Shop Data:カントリーハーベスト(COUNTRY HARVEST) ホームページ/http://www.countryharvest.co.jp 住所/東京都港区南青山3-13-13 電話/03・5410・1481 営業時間/10~20時。日曜、祝日は~18時 定休日/なし アクセス/地下鉄東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅A4出口より徒歩約2分 Credit 記事協力 構成・撮影・文/鈴木清子
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栃木県

花の庭巡りならここ! 扇状に広がる大花壇が見事「とちぎ花センター」
鉢花、切り花生産が盛んな地域ならではの展示、イベントが盛りだくさん! 1992年にオープンした「とちぎ花センター」の広さは、約30,428㎡。見学時間の目安は2時間ほどです。栃木県は鉢花や切り花生産が盛んな地域であることから、花の生産振興と、花々を通して人々の交流を深める憩いの場とすることを目的に整備されました。 園内の主役となるのは、6枚の花びらをイメージして扇状に区画された「大花壇」。一年草をメインにした、毎年異なるデザインのカラフルな大花壇です。ほかに約450品種が植栽されているバラ園、熱帯植物がダイナミックに息づく大温室の「とちはなちゃんドーム」、生産温室、体験温室、ハス池などがあります。花苗生産地なので、新しい品種が市場に出回る前に、一足早く見られることもありますよ! 「とちぎ花センター」では、ガーデニングの基礎講座やバラの育て方講座、寄せ植え&ハンギングバスケット講座など、年間のカリキュラムを組んだ「とちはなカレッジ」を開催しています。「ガーデニングを基本的なことからじっくり学んでみたい」というビギナーさんにおすすめ。詳しい案内は、公式ホームページに詳細が出ているので、ぜひチェックを! 他にもワンデイタイプの体験教室や園内のガイドツアー、フラワーオークションなど、イベントも多彩です。また、「とちはなちゃんのお花やさん」では、贈答用の洋ランも揃うなど、地元産の鉢花を集めたバラエティー豊かなラインナップ。花好きさんならきっと心ときめくお買い物が楽しめることでしょう。年間約33万人が訪れる人気の観光ガーデンヘ、ぜひ足を運んでみてください。 大花壇にバラ園、大温室など見応えたっぷりのレジャースポット 「とちぎ花センター」の大花壇は、6枚の花びらをイメージして6つの花壇が扇状に展開されています。主にパンジーやマリーゴールドなど季節の植物を用いてカラフルにデザインされた花壇です。毎年色やモチーフの異なるデザインで、5月、7月、10月と、年に3回の植え替えが行われます。緩やかな傾斜がつけられており、下から見ても、上から見ても迫力のある景色を楽しめますよ! 「とちぎ花センター」では、充実したバラ園も魅力の一つ。約450品種が植栽され、見頃は5月中旬〜6月中旬と10月上旬〜11月中旬頃です。青いバラを集めたコーナーや、香りのよい品種を集めたコーナー、皇室や王室ゆかりのバラを集めたコーナーなどがあります。 園内に建つ「とちはなちゃんドーム」は、敷地約2,225㎡の規模を誇る観賞大温室。ドーム内には約330種の植物が植えられています。世界の熱帯・亜熱帯の植物を展示しており、バナナやマンゴー、カカオなどが実っている姿も見どころ。園路を進むと、花木→洋ラン→ヤシ→シダ→砂漠の順に、植物がカテゴライズされた展示を楽しめます。また、温室内では「世界の木の実・果実展」など年8回の企画展を開催していますよ! 一度は見ておきたいのが、エメラルドグリーンの花が美しい、ヒスイカズラ。熱帯産の植物で、日本では地植えで栽培できません。そのため、温室のある植物園などでしかお目見えできない貴重な存在。「とちぎ花センター」では、3株が植栽されており、開花は3月下旬〜5月上旬です。花穂の長さは1mにも及びます。 生産地ならではの充実した鉢花店に大注目!講習会やオークションなど多様なイベントも開催 「とちはなちゃんのお花屋さん」では、花の生産が盛んな土地柄だけに、花苗から鉢花まで充実の品揃えで、なんといってもお手頃価格が嬉しい! 贈答用から家庭用まで、各種扱っています。ガーデニング資材や雑貨などを集めたコーナーもあるので、ぜひチェックしておきましょう。 「とちぎ花センター」では、園内ガイドツアー、フラワーオークション、コンサート、ゲームなど多彩なイベントを行っています。写真は年に2〜3回開催される、「花のお宝市」の様子。園内スタッフがステージで約10種の植物を披露しながら販売します。珍しい植物が市場価格より安く買えるとあって、人気の企画です。 「とちぎ花センター」では、体験教室を開催しています。寄せ植え教室、ハンギングバスケットづくり、草木染め教室、フラワーアレンジメントづくりなど、テーマは多彩です。写真は「花のハーバリウム」づくりの完成品。季節の花材を使ってカラフルなハーバリウムを作ります。所要時間は2時間ほど、要予約で参加費は1,500円。ホームページに随時案内が出るので、興味のあるメニューがあったら出かけてみましょう! カジュアルなカフェでリラックスのひとときをケーキセットと季節のソフトクリームが大人気! 園内には、ティータイムを楽しめる「とちはなちゃんの はなカフェ」があります。コーヒー・紅茶各300円、Y’sティー セブンカラーズ(花びら入り紅茶)400円、クリームソーダ350円。シフォンケーキセット(コーヒーまたは紅茶つき)550円(単品400円)、ソフトクリーム(ブラウン スイスミルク、季節のソフト、ミックス)350円です。※定休日は「とちぎ花センター」開園に準じます。開店時間は10:00〜15:00までです。 Information とちぎ花センター 所在地:栃木県栃木市岩舟町下津原1612TEL:0282-55-5775http://www.florence.jp アクセス:東北自動車道佐野藤岡ICから小山方面へ約5分 オープン期間 通年 休園日:月曜休園(祝日の場合は翌平日)、年末年始、設備メンテナンス期間など 営業時間:9:00~17:00(3~10月)、9:00~16:30(11~2月) 料金:無料 駐車場:40台(無料)
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千葉県

千葉県佐倉市「佐倉草ぶえの丘バラ園」復興を願って緊急レポート
異常気象でもバラの最盛期は見事に咲いていた 2019年、今年の春は珍しく4月に寒い日が続いたので、バラの開花はどこも遅れるのだろうかと思っていたところ、5月に入ってからは一転、気温が高い日が続いたため、結局、開花は例年通りでした。ただ、今年はどこのバラ園へ行っても花がとてもきれいで、バラの専門家に聞いてみると、4月の気温が低かったことから、つぼみから開花までがゆっくりだったのがよかったのではないかということでした。 2019年5月26日ファインダー越しの美しい花々 5月26日、今日はオールドローズの聖地「佐倉草ぶえの丘バラ園」で撮影です。天気は晴天。しばらく雨も降っていないし、気温はちょっと高めだけど空は真っ青で、これならきれいなオールドローズが見られるはずと、気分は上々で一路佐倉へ向かいました。バラ園に到着したのは午後3時。まだ日差しは少し強いのですが、バラ園の入り口のアーチをくぐって、すぐ正面の「サンタ・マリアの谷」は西側が高い傾斜地になっているので、もうゆっくりと西側から影が伸び始めています。 僕が花を撮る時の基本は、「日向と日陰の境目の花を狙う」こと。早速「サンタ・マリアの谷」へ下りて行き、まずはじめはティーローズ、その次はチャイナローズという順序で撮影を進めました。一番下はノワゼットと可愛い花ばかりが揃っていて、気分は早くもうっとり。きれいな光が当たっている花を見つけては、「可愛いな〜」とつぶやきながらシャッターを切っていきます。 コンディションのよい花たちに出合える喜び たとえ可愛く咲いていても、日差しが強すぎる花はひとまず後に回して、次はバラ園の一番西側、奥の林の高木の陰になっているエリアへ向かい、日本の野バラの辺りから影ができている場所に沿ってオールドローズのエリアを一回り。すると、まだ強すぎる光の中で、何輪も美しい花が咲いています。もう少し光が柔らかくなったらまた来るからねと心の中でつぶやいていると、顔見知りのボランティアさんに会ったり、バラ園の理事長である前原さんとすれ違ったりしました。 花のコンディションが素晴らしいからでしょう、「今日が一番きれいですよ」「いい日に来ましたね」なんて皆さんが笑顔で声をかけてくれます。僕の好きなエリアの一つ「歴史コーナー」では、ガリカローズからダマスクローズ、ケンティフォリアローズ,アルバローズ…。オールドローズの名花にため息をついて、また「サンタ・マリアの谷」へ戻ります。先程は日差しの具合がよくなくて撮れなかった、可愛いノワゼットを撮ったり、ガーデンの中を光の美しい場所を探しながら、最後はオールドローズガーデンの入り口にあるアイアンのアーチ越しの宿根草のカットです。 アーチの写真はこのバラ園ができた12年前から必ず撮る、いわばお決まりのカットで、この日はつるバラも左奥の宿根草のボーダーも、5時過ぎのきれいな逆光に美しく輝いていました。今までの撮影の中でも一番、まさにベストタイミングです。西側の林に少しずつ隠れて行く太陽を見ながら、5分おきくらいに何回も何回もカメラのシャッターを切って、午後6時過ぎに林の向こうに太陽が隠れたのを確認して撮影を終了しました。 オールドローズを教えてくれたバラ園 このバラ園の前身は「ローズガーデン・アルバ」という名称で、佐倉の隣の志津地区にありました。畑に囲まれた小さな、でも手作り感いっぱいの可愛いバラ園で、僕が初めて行ったのは、もう二十数年も前のこと。ガーデニング誌『BISES』の八木編集長から「ローズガーデン・アルバ」でオールドローズの写真を撮ってほしいと頼まれたのがきっかけでした。当時の僕は、オールドローズのことは何も知りませんでしたが、「オールドローズ」という名前からして魅力的な、未知のバラの世界の入り口に立たせてもらったようで、少しワクワクしながらそのバラ園に通ったことを覚えています。 シーズンに入り、いざ撮影を開始すると、初めて見るオールドローズはどの花も小さくて可愛く、上品できれいなものばかり。すっかり魅了されてしまい、そのシーズンは何日通ったか分からないほどで、僕のオールドローズ愛は、その時に芽生えて今日に至るといっても過言ではありません。 「ローズガーデン・アルバ」の写真は、2019年の春亡くなられた故野村和子先生、前原克彦理事長の執筆で『憧れのローズガーデン』(主婦の友社)として平成18年に出版されました。 台風15号による「佐倉草ぶえの丘バラ園」被害緊急告知 2019年9月9日深夜のこと。みなさんもニュースなどでご存じの通り、強烈な台風15号が千葉県を直撃しました。千葉県各地で停電などの被害が出たことはテレビなどの報道でご存じだと思います。停電で水もない、電気もつかない。屋外は35℃だというのにエアコンも使えない。コンビニの棚には食べ物が何もないし、ガソリンスタンドも閉まっている。こんな不便な生活を続けていて、あと何日したら復旧するのかも分からない。そんな苦労の只中にあるたくさんの人が千葉県各地にいると思うと、ただただ一日も早い復旧を願わずにはいられません。 そんな中、9月12日朝、千葉県立中央博物館研究員の御巫由紀さんが、「佐倉草ぶえの丘バラ園」の被害状況をフェイスブックに写真付きで投稿してくれました。「佐倉草ぶえの丘バラ園」を主会場として平成24年(2012年)には「国際ヘリテージローズ会議2012佐倉」が開催され、平成26年にアメリカのグレート ロザリアンズ オブ ザ ワールド プログラムより殿堂入りバラ園として表彰。平成27年には世界バラ連合から優秀庭園賞を受賞した、オールドローズを中心に1,300品種のコレクションを誇る、日本を代表するバラ園です。 そのバラ園で今、台風でラティスフェンスが倒れ、大きく育った原種のバラが根こそぎ倒れてしまっています。ボランティアさんたちが暑い中、必死で復旧作業に取り組んでいますが、まだまだ長い作業になりそうです。御巫さんも寄付を募る方法などを考えてくださっているようです。 バラが好きな方、「佐倉草ぶえの丘バラ園」が好きな方、どうかご協力をお願いします。幸いにブッシュローズの被害は少なかったため、10月にはまたこのバラ園でしか見ることのできない、きれいなティーローズや可愛いチャイナローズ、ノワゼットローズがたくさん咲いてくれるはずです。 今年の秋は「佐倉草ぶえの丘バラ園」の秋バラを、ぜひ皆さんで見に行ってください。そして募金箱がありましたら、募金も宜しくお願いいたします。 <クラウドファンディングを開始しました> 佐倉草ぶえの丘バラ園を台風15号の被害から立ち直らせよう! <公開URL> https://camp-fire.jp/projects/view/200167 <開始日> 2019年10月4日(金) <終了期限> 2019年11月24日(日)
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新潟県

「私の庭・私の暮らし」ハーブや果実など庭の恵みを活用 新潟・渡辺邸〈Watanabe Garden蔵〉
ハーブガーデンの実り豊かな 〈Watanabe Garden蔵〉 『「私の庭・私の暮らし」食と香りの楽しみに満ちた庭 新潟・渡辺邸〈Watanabe Garden 蔵〉』でもご紹介した、渡辺さんのガーデン。約100種の植物が育ち、樹木やバラなどの灌木、宿根草など、観賞を目的とした植物に加えて、和と洋のハーブを中心に、果樹や野菜など、食べられる植物がたくさん植えてあります。 今回は、渡辺さんが庭で収穫するさまざまな恵みをどのように活用し、楽しんでいるかをご紹介しましょう。 清涼ハーブ水でおもてなし 夏の間、カフェでは、庭に茂るローズマリーとミント類を使ったハーブ水を、お客様に出しています。ハーブの清涼感で、スーッと爽やか! 体のほてりを冷ましてくれるようです。美味しくて、ごくごく飲めます。 ローズマリーは、土を乾燥気味に保っている地中海ハーブのゾーンで栽培。コモンタイムやコモンセージなどの、料理によく使うハーブもこの区画で育てています。 渡辺さんの庭には、キャンディーミント、レモンミント、グレープフルーツミント、ワハッカ、オーデコロンミントがあって、香りがそれぞれ異なります。ハーブ水には、キャンディー、レモン、グレープフルーツのミントをミックスして使っています。これらのミントは割と華奢で、半日陰で育っています。 それから、どこからやって来たのか、植えたつもりがないのに、アップルミントとスペアミントも生えています。この2種類は香りが強く、とても丈夫。陽光をものともせず、庭のあちらこちらに広がっています。 水出しハーブ水は、新鮮なローズマリーの枝とミントの枝を水と一緒にポットに入れ、冷蔵庫で保管します。1~2時間置いたら飲めるようになり、渡辺さんは水を足しながら、2~3日間繰り返し使っています。葉が茶色く変わり、香りが弱くなったら終わりのサインで、使えるのは2~3日が限度です。ハーブがほんのり香るハーブ水は、水を飲むのが苦手な方でも美味しく飲めます。 ハーブティーの楽しみ 庭にあるいろいろな植物の花や葉を乾燥させて、ハーブティーに使っています。コモンマロウ(ブルーマロウ)を中心にしたブレンドは、ローズ、キャンディーミント、レモンバーベナを合わせた、爽やかな印象。エルダーフラワーとドッグローズのローズヒップを合わせたブレンドは、花粉症によいそうです。 コモンマロウの鮮やかなマゼンタ色の花を使うと、美しいクリアなブルーのお茶になります。コモンマロウは、咳や風邪の症状を緩和する飲み物として、西洋では知られています。 ブルーのお茶は、時間とともに酸化してだんだんとピンク色に変わりますが、レモンのスライスなど酸性のものを加えると、手品のようにサッと色が変わります。カフェではアイスハーブティーの場合、レモンの代わりにカルピスの原液を添えてサーブ。加えてみるとどうなるでしょう? ほのかなピンクの、カルピス風味のアイスハーブティーに! レモンスライスを使うと酸っぱくなりますが、この色変わりの方法なら酸味の苦手な人も楽しめます。 有能な薬草 ドクダミ 渡辺さんの庭には、フキやミツバ、ミョウガ、ヨモギなど、和のハーブもたくさんあります。その中にはドクダミも。時に雑草扱いをされることもあるドクダミですが、渡辺さんは、花をチンキに、葉をお茶にして活用。ドクダミは役立つ薬草なのです。 6月の旬の時期に摘まれた真っ白な花はとてもきれい! ドクダミの花がこんなに可憐だなんて、新しい発見です。 摘んだ花はホワイトリカーに漬け込んで成分を抽出し、チンキを作ります。常温で3カ月以上おいておくと、花が茶色く変わり、透明な液体も茶色くなってきます。いつも1年くらい寝かしておいて、前年のものを濾して使っています。 ドクダミチンキはスプレー瓶に入れて、庭仕事のお供に。虫さされにつけると、かゆみが和らぎます。それから、トイレや玄関の消臭剤として、臭いが気になる時にスプレーしています。ドクダミは消臭効果があるようで、数本切って水に挿し、臭いの気になるところに置いておくだけでも、臭いが消えるようです。 果実は酢に漬けて 実をつける植物が大好きな渡辺さんは、マルベリー、ラズベリー、ブルーベリー、レッドカラント(フサスグリ)、ブラックカラント、プルーン、サンザシといった果樹を育てています。一際可愛らしい小さな実をつけるのはクラブアップル(ヒメリンゴ)。そのままで食べるとちょっと酸っぱいので、いつも果実酢にしています。 クラブアップルの収穫は10月から11月頃。実の頭と底を切り落とし、甘めのまろやかな酢に漬けて、半年以上経てば完成です。昨年は市販の美味しいリンゴ酢を使いました。クラブアップルの果実酢は、炭酸水で割って夏の飲み物に。それから、ハーブティーを入れる際にはちみつと一緒に加えると、お客様に喜ばれます。 レッドカラントやサンザシ、クコの実も、甘めのまろやかな酢に漬けて果実酢を作っています。こちらも炭酸水で割ると、さっぱりとした夏の飲み物になります。 赤色がきれいな果実酢が並びます。一番右は、庭のコモンタイムとチャイブ、ニンニク、トウガラシを醤油につけた「タイム醤油」。「チャーハンや、肉や魚のソテーの仕上げに使うと美味しいですよ」とのことですが、どんな味か、試してみたくなりますね。 実も葉も重宝するマルベリー 6月から7月にかけて、たくさんの実を収穫できるマルベリー(クワ)。黒く熟した甘酸っぱい実は、生のままデザートに添えたり、果実酢を作ったりもしますが、ジャムにするのが定番です。 そこで渡辺さんは一工夫。マルベリーに、やはり庭で収穫したラズベリーやブルーベリーを合わせて煮ます。名付けて「蔵のベリーベリージャム」。マルベリーだけ煮るより美味しくなるそうです。 マルベリーとプルーンを合わせて煮るのもよいとのこと。マルベリーのきれいな色とプルーンのとろみが互いを補い合って、美味しくなるそうです。ジャムはヨーグルトのソースとして、カフェでも提供されます。 マルベリー、つまり、クワの葉は乾燥させて、お茶にしています。クワとドクダミの葉、玄米をブレンドして、「蔵の野草茶」を作ります。 これは、冬に石油ストーブの上で玄米を炒っているところ。玄米は、焦がさないようにゆっくりじっくり炒る必要があって、それには、部屋を暖めるのに使う石油ストーブの上がちょうどよいのだそうです。冬ならではの、一石二鳥の仕事です。「炒り玄米は冷蔵庫で保存しておき、クワの葉とドクダミの葉が揃った時に、一緒に再び軽く炒って、仕上げます。玄米が入ったほうが美味しいお茶になると思います。玄米もできるだけ無農薬がよいですね」。 無農薬の健やかな庭から生まれる、健やかな野草茶です。 インテリアにもさりげなく 古い蔵を改修したカフェの内部にも、庭の恵みがさりげなく散りばめられています。 蔵は半分が吹き抜けで、半分がロフトのように2階のある構造です。入ると正面にキッチンカウンターが。 アジサイ‘アナベル’のドライフラワーを使った壁飾りは、立体感があってオブジェのよう。キッチンの棚にはたくさんのスパイスと乾燥ハーブが並びます。右下の大きめのコンテナには、タイム、ミント、セージ、ローズマリーなど、自家製の乾燥ハーブが入っています。 収穫した花や葉は蔵の中でも乾燥させています。これはチャイブ。味のあるワイヤーワークは、知り合いの工芸家さんが作ってくれたものです。乾燥させたチャイブは、ラタトゥイユなどの煮込み料理に使います。 吹き抜けの壁にもアジサイのドライフラワーが。 蔵の中は、山小屋のようなナチュラルな雰囲気です。広い空間に飾られたドライフラワーやリースが、居心地のよさを生み出しています。 壁には植物を使ったリースが飾ってあります。ユーカリの葉を使ったリースは、剪定した際に出る枝葉を使って作りました。葉だけのリースも素朴で素敵。ユーカリの葉は、染め物にも使います。 大きなトウガラシを使ったリースは、魚沼のリース作家、ひと葉さんのワークショップで作りました。 蔵の2階に上がるために置かれたスリッパには、ラベンダーの花穂を茎に挟み込んでリボンで編んだ、ラベンダーバンドルズが載せられています。抗菌、消臭作用のあるラベンダーを添えておくという、さりげない心配りです。ラベンダーはこの他に、蒸留器でハーブウォーターを作ったり、ドライにしてポプリに使ったりしています。 ラベンダーバンドルズの作り方はこちら カフェでは、庭の恵みを使ったランチや飲み物が味わえます。サラダにはキッチンガーデンの採りたて野菜が、ヨーグルトには自家製マルベリージャムが添えられ、マルベリーやジューンベリーなどの果実が添えられることも。何に出合えるかは、その日のお楽しみです。 庭の旬の素材を使って、その時々の料理や手仕事を楽しんでいる渡辺さん。自分の手で育てたものを、自分の暮らしに役立てる。それは、いささか手間のかかることだけれど、じつはとても豊かなことなのだと、彼女の暮らしぶりから伝わってきます。 Information Watanabe Garden 蔵 〒959-0235 新潟県燕市吉田旭町1-7-3(渡辺医院駐車場脇に入口) TEL:0256-78-7785 http://www.cl-watanabe.com/watanabegarden_kura.html 営業月 4~11月まで (12~3月は教室開催のみで、通常営業は休み) 営業日 火~金、第2土曜、第4土曜 (祝日は休み) 営業時間 10:00~16:00 Credit 取材&文/ 萩尾昌美 (Masami Hagio) 早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。ガーデン及びガーデニングを専門分野に、英日翻訳と執筆に携わる。世界の庭情報をお届けすべく、日々勉強中。20代の頃、ロンドンで働き、暮らすうちに、英国の田舎と庭めぐり、お茶の時間をこよなく愛するように。神奈川生まれ、2児の母。 写真/3and garden




















