兵庫県宝塚市の園芸店「陽春園植物場」にパルダリウムカフェ登場!

老舗の園芸店として近畿圏の園芸ファンに愛されている、兵庫県にある「陽春園(ようしゅんえん)植物場」。バラやクレマチス、ガーデン草花などのほか、インドアプランツや多肉植物など、最近人気の植物も充実しています。そんな陽春園のカフェが、パルダリウムカフェにリニューアル。どんなカフェなのかをレポートします。
宝塚の老舗園芸店「陽春園植物場」

「陽春園植物場」といえば、関西の園芸ファンの間ではよく知られた園芸店。古くから植木類の生産が盛んだった、兵庫県宝塚市の山本地区で、明治18年(1885)以来続く老舗園芸店です。
バラやガーデン草花など、ガーデニング向けの植物はもちろんのこと、2000年代からは温室を新設し、時代に合った観葉植物や、流行の多肉植物、ティランジアなども、ほかの園芸店に先駆けて取り揃え、関西の園芸ムーブメントを牽引してきた存在です。
現代的なガーデンセンターの先駆け

2009年にはカフェをオープンし、ゆったりと滞在しながらショッピングを楽しめる滞在型ガーデンセンターのスタイルをいち早く取り入れたりと、園芸業界のトップランナーでもあります。
これまでも陽春園のカフェは、美味しいコーヒーとこだわりのカレーなどのメニューが人気で、買い物だけではなく、場内の植物をゆったりと楽しめると好評でした。
「当店では、人気のバラや宿根草、庭木や花木などのガーデン向けの植物・資材のほか、観葉植物や多肉植物など多彩な植物をラインナップしています。
それだけのものをざっと見て回るだけでも、かなり歩いていただくことになります。そうした際にちょっと休めるスペースとして、あるいはお茶や食事のついでにご来店いただこうと、場内にカフェをつくりました」(陽春園・野里元哉さん。カギ括弧内、以下同)
そんな陽春園のカフェが
パルダリウムカフェにリニューアル

「当初はガーデンセンターに飲食スペースがあるというのは目新しさもありましたが、最近はこうした店舗も増えてきたため、より特色を打ち出したカフェにリニューアルしました」
こうして登場したのが、パルダリウムカフェです。
これまでは漆喰塗りの白い壁だった奥の壁面には4つのパルダリウムがはめ込まれ、空間のそこここに苔テラリウムが配置されています。
パルダリウムは湿度を好む植物のテラリウム

パルダリウムは、ここのところ盛り上がりを見せている園芸ジャンルで、水槽などの容器の中に植物を入れて、栽培・観賞するというもの。
パルダリウムはガラスケースの中につくられ、テラリウムとよく似ていますが、湿度を好む植物を使ったものを指すことが多いです。
観葉植物の多くは熱帯雨林の薄暗い場所で育つものなので、光が足りない室内の環境でも耐えられます。
これまでは、熱帯雨林に比べて湿度が低い室内環境に合ったものが中心に楽しまれてきましたが、水槽などのケースに入れることで、より多くの植物を楽しむことができます。
「最近はインドアで楽しむ植物として、苔が大変人気です。中でも人気なのは、これまでの苔盆栽や苔玉ではなく、苔テラリウム。
苔テラリウムもパルダリウムもガラスの器の中に植物を入れて楽しむ点は同じです。まだ馴染みが薄いパルダリウムですが、多くの人に楽しんでもらえるのではないかと思い、カフェの目玉にしました」
目を引くダイナミックなパルダリウム

カフェのパルダリウムは、最大幅90cm。
60cmの高さいっぱいに湿地を模した壁面をつくり、壁面いっぱいに植物が植え込まれています。シダやベゴニア、苔など、熱帯雨林を思わせる迫力のある風景が広がります。


忘れずに味わいたい『苔パフェ』

陽春園のパルダリウムカフェに行ったら、忘れずに食べたいのが『苔パフェ』。
抹茶味のアイスクリームに抹茶、白玉などを組み合わせ、苔むす風景が、グラスの中につくられています。なかなか手が込んでいるので、でき上がるまで、ちょっと時間がかかります。食事と一緒に注文しておくのがオススメです。
パルダリウムがつくれる素材も買えます

陽春園にパルダリウムカフェと同時に登場したのが「パルコジョキ」。
「パルコ・ジョキとは、イタリア語で『遊び場』のこと。植物を育てる楽しみや喜びに加え、暮らしをより豊かに楽しくする『遊び心』を提案する場として、新しくつくったコーナーです」
パルコジョキが提案するのは、植物がある現代的なライフスタイル。ティランジアなどのブロメリア類やコーデックス、アガベなどの多肉植物といった『珍奇植物』が軒先にずらりと並ぶパルコジョキ。
屋外スペースは、どちらかというと乾燥を好む植物が並んでいます。しかし、屋内スペースには打って変わって、パルダリウム向きの植物や資材が豊富に揃っています。

パルダリウムがつくれる資材も植物も揃う!

カフェでパルダリウムに興味が湧いたら、つくりたくなるのも当然のこと。パルコジョキには、そんな人がすぐにもパルダリウムをつくり始められる素材が並びます。
コケやシダ、ジュエルオーキッドや着生ランなど、強い光を必要とせず、湿度が高い環境を好む植物がよりどりみどりです。
また、パルダリウムをつくるには水槽や着生材、流木などが必要ですが、そうした資材の品揃えもバッチリです。資材の扱い方や植物の管理の仕方についての相談にも乗ってもらえるほか、苔テラリウムやパルダリウムのつくり方のワークショップも随時行っているそう。パルダリウムでその楽しさに魅了されたら、初めてのパルダリウムづくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。



Information
陽春園植物場・パルコジョキ
http://parco-giochi.net/
パルコジョキinstagramアカウント
https://www.instagram.com/parco_giochi_/
Credit
写真&文/土屋 悟(つちや さとる)
フリーライター。
インドアグリーンの最新事情に強い、園芸・ガーデニング関連のラ
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https://www.instagram.com/sato