花屋さんになりたい人も必見! 東京・表参道『カントリーハーベスト』 今日はてくてく「花屋さん日和」Vol.2

東京・表参道界隈は、花屋さんマップが作れるほど、数多くの個性的な花屋さんがひしめいています。素敵な花屋さんを探して、東へ、西へ~。カメラとノートを持って、今日はてくてく「花屋さん日和」。花屋さんを巡る連載です。
新しいショップも続々と登場するなか、同じ場所で24年間、看板を掲げているのが、『カントリーハーベスト』です。オーナーは深野俊幸さん。自身も、華やかな花の世界を披露する人気フラワーデザイナーです。
花屋さん激戦区で、24年も愛され続ける秘訣とは? そんな質問への深野さんの答えは「変わり続けること」。ショップ自体が変わり続けています。四季折々の植物で、路地を通る人の目を潤す店の前の庭も、じつはオープン当初には、もっとこじんまりしたものでした。
「当時はドアも壁もなく、ガラガラと上げ下ろしするシャッターで(笑)」と深野さん。9年経ったところで、ヨーロッパの田舎にありそうな外観と内装に作り替え、庭も拡張。「人の家を訪ねる感覚で来てもらいたくてね。ほんの少しアプローチができたぶん、どんな花が咲いているかな、と庭を見ながら入ってこれます」。庭のように自然に見えても、よく見ると、どれも商品である寄せ植えや鉢物で構成されています。

店内を変え続けるといっても、人任せではありません。ほとんどが深野さんのDIY。壁に花や雑貨を置くための棚をつけたり、ポストカードを美しく飾れる壁掛けホルダーを手作りしたり。自分自身も、空間を楽しむための日々のリニューアル。ふだんの暮らしにおいても、とても大切なことのように思えます。

店内の奥へ進むと、クラシカルなマントルピースがあることに気づくはずです。アメリカのブロカントに惹かれて、買いつけによく行っていた頃、友人のフラワーデザイナーから譲り受けた品。並べられた1輪挿しに飾った花と植物画にスポットが当てられ、花の祭壇のように見えます。

深野さん曰く、店内は「縦構成」のディスプレイ。都心の狭小店舗ゆえの創意工夫なのですが、それがかえって、どこもくまなく見たくなる、この店のおもしろさにつながっているのですね。
花屋さんをもちたい人の参考にもなるショップ『カントリーハーベスト』。空間を意識して、観察してみませんか?

ショップコンセプトは「田舎で収穫した花たち」。ラグラスやナデシコ、シロツメクサに似たトリフォニウム。野原に咲くような花にも出会える店の入り口には、友人のクリエイターから贈られたレンガのサインボードが訪ねる人を待っています。
Shop Data:カントリーハーベスト(COUNTRY HARVEST)
ホームページ/http://www.countryharvest.co.jp
住所/東京都港区南青山3-13-13
電話/03・5410・1481
営業時間/10~20時。日曜、祝日は~18時
定休日/なし
アクセス/地下鉄東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅A4出口より徒歩約2分
Credit
記事協力
構成・撮影・文/鈴木清子
新着記事
-
ガーデン
「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」ガーデナー5名の2月の“庭づくり”をレポート
2024年12月中旬に行われた第1回作庭から約3カ月が経ち、4月の審査に向けて着々と植物の成長が見られる5つのコンテスト花壇。2月下旬に2回目となる作庭日が2日間設けられました。今回は、2カ月間のメンテナン…
-
レシピ・料理
お家の採れたて果実や野菜を使って、お庭で食べたい! もっちもちの「イギリス流〈パンケーキ〉のレシピ」
国によって、微妙に姿を変える〈パンケーキ〉。日本では、ホットケーキのような、厚みのあるイメージがありますが、さて、イギリスで作られるパンケーキはどんなものでしょうか? パンケーキにまつわる話とともに…
-
宿根草・多年草
クンシラン(君子蘭)はあでやかな花姿と艶のある葉が特徴! 美しく咲かせるコツも解説
太い花茎を立ち上げた先端に、ラッパのようなオレンジ色の花を一気に咲かせる様子が大変華やかなクンシラン(君子蘭)。じつのところ栽培では、気候や日照条件に敏感に反応する繊細な一面もあります。この記事では…