花の庭巡りならここ! ダイナミックな欧風噴水庭園は必見「神戸市立須磨離宮公園」

平安時代の史跡が残され、古くから憩いの場所として愛されてきた須磨の地。皇室の別荘「武庫離宮」の跡地に整備されたのが、「神戸市立須磨離宮公園」です。四季を通して花であふれる花の名所で、特に1960年代につくられた欧風噴水庭園が見どころの一つ。水路を中心に左右対称に植栽されたバラがたわわに咲き、春と秋の年2回、見頃を迎えます。
目次
上皇陛下ご成婚を機に整備された庭園
「王侯貴族のバラ園」が見どころ
「神戸市立須磨離宮公園」は、かつての皇室の別荘「武庫離宮」の跡地につくられた都市公園です。1958年に、当時皇太子だった上皇陛下ご成婚の記念事業として整備が始まり、1967年に正式に開園しました。メイン施設や噴水広場のある「本園」は17.8ヘクタール、「植物園」は5.2ヘクタールで、ゆっくり散策して2時間くらいかかる規模です。

「本園」のデザインを手がけたのは神戸大学工学部で、水をモチーフにした美しい欧風噴水庭園となっています。レストハウスから湧き出た水はメインフォールの滝、カスケードの流れとなって公園中央をストレートにつなぐ水路につながり、最終的に大噴水にたどり着きます。その水路に沿って左右対称にバラが植栽されているのが、「王侯貴族のバラ園」。ここは「神戸市立須磨離宮公園」のメインガーデンで、約180種、4,000株のバラによって豊かに彩られます。本園には、ほかに「つばき園」、「花しょうぶ園」もあります。
一方、「植物園」には、観賞温室や和庭園があるほか、洋風庭園の「花の庭園」、「梅園」、「ぼたん園」、「あじさい園」、「もみじ道」などがあります。園内は、いつ訪れても何かしらの花が見頃を迎えるように、開花リレーでつながれているので、年に何度も訪れるリピーターが多いのが特徴です。

「神戸市立須磨離宮公園」では、毎月さまざまなイベントが開催されており、園内ガイドや蝶の観察会、クラフト体験、ツリーイング、ヨガ、コンサートなどコンテンツも多様なので、事前にホームページをチェックして出かけてみましょう。オススメは「バラ年間管理コース ローズ★Grower」で、年2回の講義をもとに屋外で1年間、全10回の実習を重ねる、バラの育て方の講習会です。事前申し込みが必要で、申し込み順で定員は20名。参加費は無料です。バラのプロフェッショナルに直に教われば、栽培テクニックが確実に上がりそう。ガーデナー仲間も増えるかもしれませんね。ぜひご参加を!
5月中旬〜下旬と10月下旬~11月がバラ園の見頃
煙るように咲く4,000株のバラを堪能!

「本園」エリアの一番の見どころは「王侯貴族のバラ園」。見頃は5月中旬で、約180種、4,000株が植栽されています。旧離宮の跡地という歴史にちなみ、日本の皇室や王侯貴族、芸術家などの名がつけられたバラがコレクションされています。縦長に続く噴水の水路を中心に、左右シンメトリーに展開。手前の赤バラはイタリア語で「乾杯」を意味する‘チン・チン’、奥のオベリスク仕立ては‘ドルトムント’で、赤バラの美しいコーナーです。

「世界バラ会議」で殿堂入りした品種17点を集めた「世界殿堂入りバラ園」や、原種からオールドローズ、モダンローズまで品種の進化の過程が分かる「バラの歴史と文化園」もあります。四季咲きの祖コウシンバラや黄バラの祖ロサ・フェティダなど、品種改良のカギとなったバラのコレクションも必見です。写真はローズフェスティバル期間中の日曜に開催されるバラガイドの様子。予約は不要で、10:30〜と13:30〜の一日2回、30分ほどを目安に、バラ園をガイドしてくれます。
もちろんバラだけじゃない!
「神戸市立須磨離宮公園」の彩り豊かな四季

「神戸市立須磨離宮公園」の梅園では、1月上旬から早咲きの品種‘玉牡丹’、‘八重寒紅’が咲き始めます。1,500㎡の園地に約20種、160本の梅が植栽されており、見頃は2〜3月上旬。足元にな菜の花も咲いて、春の到来に心浮き立つ気分になりそう。2月上旬〜下旬には、梅見会とお茶会が開催されます。3月上旬には、1本の木に紅白2色の花をつける、人気の品種‘思いのまま’が咲き始めますよ!

写真は「花の庭園」エリア。バラや宿根草、一年草が混植され、一年を通して華やかな花壇をつくっています。毎年テーマを設けており、2019年は「3つのアイ」。驚くほど目を引く花の「Eye」、可愛らしく楽しい花の「Love(愛)」、須磨の海をイメージさせる青い花の「藍」です。写真は5月頃で、カラフルに目を引く一角です。

「植物園」にある「ぼたん園」の見頃は4月中旬~下旬で、約40種、200株のボタンを植栽。開花期間は1週間ほどですが、早咲きから遅咲きまでバランスよく集められているので、品種ごとに開花リレーをして、長く観賞できます。幾重にも花弁を重ねるゴージャスな咲き姿に、うっとりと見入ってしまいそうです。

「本園」の南東にある、「花しょうぶ園」には約60品種、4,000株が植栽されています。見頃は5月中旬頃。古種も揃い、伊勢系、江戸系、肥後系など系統別に植栽されています。黄系の種間交配種や外国種も見られるほか、平安時代から月見の名所とされてきたことから、『源氏物語』にちなんだ名を持つ品種、‘明石’、‘葵の上’、‘光源氏’なども見られますよ!

11月下旬〜12月上旬は、紅葉の季節。植物園内の「もみじ道」や「もみじ滝」、「和庭園」の散策がおすすめです。イロハモミジを中心とした紅葉の美しい落葉樹は、園内に約600本が植栽されています。
同じ時期には、温室で「秋の洋らん展」が開催されるので、ぜひこちらにも足を運んでみましょう。約200鉢が展示され、甘い香りで満たされます。
眺望のよいレストランでランチやティータイムを
カジュアルなカフェスタンドも大人気!

公園を一望できる位置に、レストラン「ガーデンパタジェ 須磨離宮」があるので、庭園を眺めながらのランチやお茶はいかが。モーニング9:30〜11:00、ランチ11:00〜15:00、カフェ11:00〜16:15(L.O.)、木曜定休。ランチメニューは自家製手ごねハンバーグ1,800円、淡路の生パスタ自家製ミートソース1,300円、自家製キーマカレー1,200円、キッズランチ700円など多様です。
※レストランのご利用は別途入園料が必要です。

写真は、「ガーデンパタジェ 須磨離宮」の人気メニュー、十勝産の小麦と醗酵麹を生地に用いたバブルワッフル プレーン(蜂蜜とバター)、ドリンクつき600円です。トッピングも選べて、チョコナッツ、抹茶ジャポネ各900円、サンシャインオレンジ950円、ベリーベリーベリー1,000円もあります。
また、レストランでは園内で採れたハチミツ「Rikyu Honey」(110g1,200円、170g1,800円)も販売していますよ!

「ガーデンパタジェ 須磨離宮」からの出店、テイクアウトスタイルの「Garden Table」も大人気。土・日曜、祝日のみ、11:00〜16:00の営業です。ビーフパイ500円(チーズ入り600円)、ソフトクリーム(バニラ、ベリー、バラとラズベリー)400円。コーヒー、マンゴーラムネ、洋ナシラムネなどの飲み物も販売しています。
Information
神戸市立須磨離宮公園
所在地:兵庫県神戸市須磨区東須磨1-1
TEL:078-732-6688
https://www.kobe-park.or.jp/rikyu/
アクセス:公共交通機関/山陽電車「月見山駅」、「須磨寺駅」、「東須磨駅」から徒歩10分
JR・山陽「須磨駅」から市バス「妙法寺駅行(75系統)」「離宮公園前」下車すぐ
市営地下鉄「妙法寺駅」から市バス「須磨一の谷行(75系統)」「高倉台南口」下車南へすぐ
車/姫路方面からは第二神明「須磨インター」おりてすぐ
大阪方面からは阪神高速「月見山インター」おりて約1,200m
休園日:木曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
※イベント時の臨時開園、夜間開園あり。
開園時間:9時~17時(入園は16時30分まで)
料金:15歳以上(中学生を除く)400円、小・中学生200円
駐車場:300台(乗用車1回500円、二輪車1回100円)
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