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愛知県

花き生産高1位の地域に生まれた、旬の花と野菜が並ぶショップ「Marché&Cafe hana・yasai はなやさ…
2018年5月でオープン2周年を迎える、愛知県豊橋市にある「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。車でのアクセスが便利な商業地帯にあり、お買い物のついでにも立ち寄りやすい立地です。エントランスには、ガーデニングの本場英国の自然石、コッツウォルドストーンを積み上げた大きなアーチが出迎えます。 お店に一歩入ると、カラフルに咲き誇る季節の花苗が目に飛び込んできて、花好きやガーデニングを楽しんでいるお客さんは、カゴを片手に、一瞬で苗選びのスイッチが入ります。植えどきの花苗やカラーリーフなど、ずらりと並ぶ植物は、その8割が地元で生産されているというのですから驚きです。 店内は、高い天井から自然光が差し込み、大きな木が葉を広げ、まるで外にいるかのような開放的な空間です。この大木は、5月になると幹に甘酸っぱい黒い実をつけるフトモモ科の熱帯果樹「ジャボチカバ」。オープン時からこの場所で成長し、お客さんを迎えています。 店内のワクワク感をさらに盛り上げるのは、ドライフラワーやガーデン雑貨がディスプレイされている2つの小屋。海外のポップアップストアを思わせる石張りの建物は、庭の中にミニチュアハウスなどをモルタル造形でつくることで話題のPiece of Mindが手がけました。 コッツウォルドストーンの石積みアーティストやモルタル造形のPiece of Mindなど、ガーデニング業界で話題の人々がお店づくりに関わり、新しい試みを実践する「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。なぜ、この地域に新スタイルのお店が誕生したのか、店長の金澤光広さんにお話を伺いました。 「1909年に創業した地元の農業関連企業、イノチオグループの代表が、これからの時代にフィットしたガーデニング関連の新しい店をつくろうと、2015年に企画が浮上しました。そこで、アドバイザーとして迎えたのが、多数のガーデンイベントに関わっているガーデナーで造園家の竹谷仁志さんです。竹谷さんは、これまで園芸店の運営もしていた経験から、既存のスタイルを超えた新しい試みを取り入れていかなくてはいけないと、現在も店づくりを盛り上げてくれています。まずはじめに、竹谷さんは何度も通いたくなるような居心地のよい場所をつくろうと、天井が高い店舗デザインと、希望を叶える建築家を紹介してくれました。また、地元の花と野菜を最大限に生かすため、各所の生産者を訪ね回りました」。 そうして、この店の主役となるのは旬の花苗と地元の美味しい野菜や果物だと決まり、店づくりは着々と進んでいきました。 「定番品を置かず、旬のものが次々と入れ替わる店にする。そうすると、足を運ぶたびに新しい花が並んでいることに気がつき、よく見たら地元の花で、いっそう親しみと興味が湧く。そうすることで、地元の生産者や農家の刺激にもなると竹谷さんと意気投合しました。地元の生産者には、他の地域には珍しいこだわりのナーセリーや代替わりした若い生産者も増えています。彼らが生産する優秀な植物がこの地域に集まっていることや、世界に誇る技術をもった日本の花づくりをPRするアンテナショップでありたいと考えています」。 花きの一大産地「愛知・渥美半島」の 旬がいち早く届く店 渥美半島は日本のほぼ中央にあたる愛知県の東南端部に位置し、年間平均気温が16℃と温暖で、四季を通じて晴天の日が多く、日照時間が長いことから農業全般が盛んな地域です。主な生産品は、アジサイやカーネーション、シクラメン、ポインセチアなどの鉢物をはじめ、花壇苗や観葉植物、洋ラン、切り花の菊など、品目が多いうえ全国へ周年出荷できる物流のよさも強みです。そんな花きの生産額全国1位である愛知県の中でも、約4割(約224億円)の花が生産されている渥美半島の入り口付近に位置するのが「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。この地の利を生かして、地元産にこだわった店が誕生しました。 地元産の旬の野菜と果実を たっぷり味わえるカフェメニュー カフェのメインメニューの一つが、具材たっぷりのサンドイッチ。写真は、季節の果実を使ったイチゴ大福サンドや、渥美半島キャベツ&みそカツ、豊橋大葉ゴマチキンなど。野菜や果実の旬の移り変わりに合わせ、定期的に新サンドが登場します。切り口が鮮やかでボリュームがあるサンドイッチは、インスタ映えすると女性たちにも人気。 カフェではスイーツも充実。2〜3月の旬はイチゴ。写真左から、イチゴ大福サンド350円、イチゴのバニララテ500円、イチゴワッフルボール650円。ほかにも、イチゴチーズケーキ、イチゴやミニトマトなどをいただく豆乳チョコフォンデュなど、オリジナルメニューが充実。家族や友人とおしゃべりも弾むカフェタイムが楽しめます。 生産者、農家、お客さんが交流する 季節のイベントを多数開催中 2月は冬のインドアグリーンとしても近年人気が高いオーストラリアの植物を集めたコーナーが登場。オーストラリア原産のカンガルーポーやエレモフィラニベア、プロテアなど、切り花で見かけることが多かった植物が根つきの大鉢で並び、お客さんを喜ばせました。こちらも地元にあるこだわりのナーセリーの一つ「渡会園芸」の苗です。 花と緑に親しむ イベントも充実 花と緑に親しんでもらうには、実体験が大切! というお店のコンセプトから、毎月催されるイベントは多岐に渡ります。例えば、園芸初心者さんを対象にした「はじめのいっぽ」から、先生を招いて行われる「寄せ植え教室」、地元の名物生産者による「農家ライブ」など、つくり手や栽培のプロとお客さんが直接つながる時間を設けて、植物の魅力を伝えています。また、消費者の生の声が聞けるとあって、農家や生産者の刺激にもなり、いい相互作用が生まれているとか。イベントは園芸関連に限らず「親子DEサンドウィッチをつくろう!!」や「朝の美と健康講座『はちみつ』」、「折り紙カフェ」、地元の食材をたっぷり使った「美腸ランチ会」などもあり、イベントに参加した人が意図せずに旬の花に触れる機会にもなっています。 店内には、花苗や観葉植物、ガーデングッズのほか、地元産の魅力的な食材も並び、ギフト用のフラワーアレンジをオーダーできるコーナーまで併設。カフェのついでに花を買ったり、プレゼント用の花に添えて美味しいお土産も購入できたりと、いろんな“ついで”が叶うのも嬉しいお店です。 Information Marché&Cafe hana・yasai 〜花と野菜といいくらし〜 はなやさい 所在地:愛知県豊橋市曙町測点157-2 TEL:0532-46-6509 http://www.hana-yasai.com/ 営業時間:8:00〜18:00 定休日:毎週水曜日 及び年始 Credit 写真&取材/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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京都府

日本庭園巡りの旅へ 京都・天授庵と高桐院
天授庵と高桐院 天授庵(てんじゅあん)は、京都でも指折りの格式を誇る臨済宗大本山南禅寺の塔頭の一つ。東庭の枯山水庭園と、南庭の池泉回遊式庭園の2つの庭園があります。数年前に、両親とこちらを訪ねた時、池泉回遊式園の幽玄で神秘的な景色に心を奪われました。以来、いつかもう一度訪れたいと思っていました。 そして、今回初めて拝観した高桐院(こうとういん)は、臨済宗大徳寺の竹林の片隅にひっそりと佇む塔頭。千利休邸の書院を移築した西庭と、本堂前の「楓の庭」があります。 天授庵〜庭園へ誘う木漏れ日の門 滴るようなカエデの新緑と、木漏れ日に輝く苔の絨毯に包まれながら敷石を進むと、木戸の門が見えてきます。ここが天授庵の池泉回遊式庭園の入り口。柔らかな光と心地よい静寂が心を鎮め、簡素な門が、訪れる者を優しく迎えてくれます。 天授庵〜神秘的な緑の世界 庭園に入ると、まず目に飛び込んでくるのが空を埋め尽くすほど鬱蒼とした樹木。重なり合う緑の隙間から見える青空とのコントラストの何と美しいことでしょう。その景色が、睡蓮が浮かぶ池の水面に映り込み、天と地が混ざり合うような幽玄美を醸し出していました。 また、池の桟橋に立ち水面を覗くと、空中に吸い込まれるような感覚に。しばらく眺めていると、不思議な力で守られているような安らぎを感じました。天授庵は、その名前の通り「天を授かれる」神秘的な体験ができる庭園です。 さらに、紅葉の頃には、この緑一色の世界が真っ赤に染まり、夕暮れにはライトアップされるのだとか。闇夜に浮かび上がる錦秋の天授庵….。きっと、燃えるようなパワーに満ちた景色に包まれることでしょう。 高桐院〜心地よい緊張感の一直線の参道 襖絵のような枝振りのよい松と苔が配置された高桐院の入り口は、何ともいえない品のよさが漂っています。ここから鍵の路に進むと見えてくるのが一直線に伸びた石畳の参道。高桐院で一番有名な景色です。 左右に植栽された真っ直ぐに伸びた竹とカエデ、一本の青竹の柵、エッジの効いた石畳の佇まいに、すっと背筋が伸び快い緊張感に満たされます。 高桐院〜「詫び」の精神を感じる庭 「利休七哲」の一人、細川忠興によって創建された高桐院には、かの有名な千利休邸から移築された書院のある庭があります。「詫び茶」を好んだ利休らしい簡素なつくりの書院は、当時の暮らしぶりを垣間見られる貴重な建物。室内から見える庭もまた、あっさりと落ち着いた雰囲気でした。 その中で、一際目を引いたのが一本のカエデの大木。瑞々しい青葉のカエデは見事な枝振りで、室内の何処にいても見えるように植栽されていました。今ならシンボルツリーというところでしょうか。きっと、四季折々に移ろうカエデの風情を室内から楽しんだことでしょう。 もう一つ目にとまったのが、細い竹を組み合わせてシュロ縄で結んだ利休垣。天然素材の程よい透け感の垣根は見た目も涼しげで、竹とカエデが多用されているこの庭にしっくりと馴染んでいました。簡素な書院と調和のとれた植栽や利休垣。閑寂(詫び)を好んだ庭主の精神と暮らしぶりが身近に感じられました。 高桐院〜「楓の庭」に見る余白の美 高桐院の本堂前に作庭された「楓の庭」は、竹薮を背景にカエデと苔のみを植栽した、これまで見た日本庭園の中で最もシンプルな様式です。本堂の深い軒下に設えられた縁側に座ってこの景色を見ると、カエデの配置や枝振り、葉の一枚一枚までが明確で、足元に絶妙に配された一基の石灯籠が圧倒的な存在感を放っていました。 それは、削ぎ落とされたシンプルな植栽デザインだからこそ際立つ、まさに余白の美。日本画に見るような日本人特有の美意識が表現されていました。その美しさの中に、わたしは深い寛容と無限の癒しを感じました。「楓の庭」は、静かに自身の心と向き合いながら、いつまでも眺めていたくなる庭でした。
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群馬県

花の庭巡りならここ! ため息がこぼれる美景を堪能! 「東武トレジャーガーデン」【閉園】
約8万㎡の敷地をもつ「東武トレジャーガーデン」は、「芝桜のガーデン」、「シーズナルガーデン」「水辺のローズガーデン」と、大きく3つのエリアに分けて構成。約4,000種100万株の植物が息づく花園は、「美しきバラと千の花々」というコンセプトのもとに、息をのむような美しいシーンが次々と登場し、自然に奥へと歩みを進めたくなるようランドスケープデザインされています。また、隣接する野鳥の森と茂林寺沼低地湿原を借景に取り込んだ自然豊かな景色が広がり、まるで別世界を訪れたような気分に。2018年は4月1日〜6月10日の期間に春季フェスタを開催。花々が咲き競うこの時期に、ぜひ足を運んでみてください。期間中はイベントも多数開催しており、4〜6月に100万人のクラシックライブのほか、オリジナルブレンドのハーブティー教室や、多肉植物や小物づかいでステップアップコンテナガーデン、ローズガーデンツアーなどを予定しています。 広大な敷地を生かし、面で魅せる「芝桜のガーデン」と「シーズナルガーデン」 「東武トレジャーガーデン」内の「芝桜のガーデン」エリアの見頃は、4月中旬〜下旬頃。ピンク系と白の芝桜5品種が約20万株植栽され、見事なピンクのグラデーションをつくり出します。背景には53本のソメイヨシノが植えられており、どちらも満開を迎えた際には、絶好のフォトスポットとして人気を呼んでいます。 「シーズナルガーデン」エリアの見頃は4〜6月頃。草花を混植したエリアで色鮮やかな約80万株の花々が、季節が進むごとに順次美しく咲き誇ります。 写真のように面で魅せるエリアの中心に立つ樹木は、輝くような黄色いカラーリーフが目を引く、ネグンドカエデ‘ケリーズゴールド’。その手前のブルー一色で大地を埋める花は、ネモフィラです。 「シーズナルガーデン」の左の写真は、紫のラークスパー、ホワイトレースフラワー、ヤグルマギクが咲き競う、ブルー系の花色でまとめた一角。背景のレンガ造りの構造物は、展望台として全景を見渡せます。館林の茂林寺に伝わる「分福茶釜」と同様のご利益(開運出世・寿命長久)があるという茶釜のオブジェも置かれているので、ぜひ立ち寄ってみましょう。 右の写真は、「シーズナルガーデン」の混植エリアで、4月下旬頃の風景です。オレンジ、黄色、ピンクなどの暖色系でカラーコーディネートし、リナリア、デージーなどを植栽。後ろに少し見えているネモフィラのエリアとのコントラストが楽しめます。 7つのシーンで構成される「水辺のローズガーデン」で、バラの魅力を存分に味わう 「水辺のローズ」の見頃は5月中旬〜下旬。このエリアは、さらに7つのシーンに分けられています。「初夏のさくらのトンネル」、「ブルーローズのラヴィリンス」、「心を癒すフラグラント・ローズ・ガーデン」、「イングリッシュローズが咲き誇るペレニアルボーダー」、「風にバラが唄うナチュラルガーデン」、「清き白バラの天蓋」、「エントランス・ボーダーガーデン」です。タイトルからもロマンティックなガーデンの様子が伝わってきます。 写真は「初夏のさくらのトンネル」のシーン。淡い桜色のバラ‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク・ランブラー’のアーチを連ねてトンネルに仕立て、桜が爛漫に咲く季節をイメージさせる植栽となっています。 写真は「イングリッシュローズが咲き誇るペレニアルボーダー」。バラのナーセリー、「デビッド・オースチン・ロージズ」が生み出したブランド「イングリッシュローズ」の品種群は、四季咲きで花つきがよく、優美な花姿が魅力です。それらの特性を生かし、バラの花色をより引き立たせるために、組み合わせる下草は脇役として控えめにしています。手前でたわわな房咲きになっている、オレンジイエローのイングリッシュローズは‘モリニュー’です。 写真は「清き白バラの天蓋」のシーン。園路へダイナミックに渡したパーゴラには、白バラの‘つるアイスバーグ’、‘ボルティモア・ベル’などが仕立てられ、青空によく映える清楚な景色をつくり出しています。パーゴラの下には多数のベンチが配されており、休憩可能です。ただし、園内への飲食物の持ち込みは不可となっています。喫煙も不可(所定の位置に喫煙所あり)、ペットの同伴はカート限定利用でOK(小型犬に限る。有料でカート貸し出しあり)。 写真は「心を癒すフラグラント・ローズ・ガーデン」のワンシーン。香りが強く、花姿もグラマラスなバラばかりを集めた、癒しを誘う一角です。バラは花が開いたばかりの頃に最も強く香るので、このエリアを楽しみたいなら午前中の早い時間帯を狙うのがオススメ。曲線を描いた園路のため、歩を進めるたびにシーンが変わり、奥行きを感じる演出がなされています。手前の赤いバラは‘ドゥフトボルケ’、オレンジ色のバラは‘ジャスト・ジョーイ’。 「エントランス・ボーダーガーデン」の入り口には、石づくりのアーチがしつらえられています。このアーチを優美に彩るのは、数ある品種のバラの中でも高い人気を誇る‘ピエール・ドゥ・ロンサール’。アーチをくぐると、宿根草を中心としたボーダーガーデンを両脇にもつ「ロングボーダーガーデン」の景色に場面転換されます。 レストランで舌鼓を打ったら、オリジナルグッズが揃うショップをのぞいてみよう! 「東武トレジャーガーデン」の花々で彩られた美しい景色を観覧するには、大人の足でゆっくり歩いて1時間くらいかかります。少し歩き疲れたなと感じたら、レストラン「ヴィクトリアンハウス」で休憩するのもオススメ。営業時間は、10:00〜16:00、ラストオーダー15:30、テラス席は9:30〜17:00、開園期間中(4月1日〜6月10日)のみオープンしています。コース料理やパスタのほか、フルーツパフェやパンケーキなどスイーツも揃い、充実したメニュー内容。右の写真は人気メニューの「ヴィクトリアンプレート」です(価格帯は季節によって変動)。 土産物店も2店舗あるので、ぜひのぞいてみましょう。ガーデンショップ「Mary’s Room」は、花苗のほかテキスタイル、ガーデン用雑貨、ハーブティーなどガーデニングの枠にとらわれない多様な品揃え。土産物ショップ「こるり」では、地元群馬県館林の名物品などを販売。バラ餡とシソ餡の2色の餡が入った「ちゃがまんじゅう」が人気商品です。 Information 東武トレジャーガーデン【閉園】 所在地:群馬県館林市堀工町1050 TEL:0276-55-0750 http://treasuregarden.jp Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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イギリス

イギリス流の見せ方いろいろ! みんな大好き、チューリップで春を楽しもう
120年前のこと、英国の慈善団体ナショナル・トラストは、開発で失われていく自然や、歴史ある建物や庭といった文化的遺産を守り、後世に残そうと、活動を始めました。多くのボランティアの力によって守り継がれる、その素晴らしい庭の数々で見つけたチューリップの開花シーンをご紹介します。 存在感ある鉢植えで魅せる まずは、世界中のガーデナーが憧れるシシングハースト・カースル・ガーデンの、鉢植えアレンジ術を覗いてみましょう。 春のコテージガーデンにドーンと置かれているのは、明るいオレンジ色のチューリップが溢れんばかりに咲く銅製の大鉢。存在感たっぷりで、見る者の視線を集めます。このガーデンの春の植栽は、黄色とオレンジがテーマカラー。鮮やかなオレンジ色の花が、トピアリーの緑や鉢の緑青によく映えて、快活な春の景色をつくっています。 こちらは一転して、ニュアンスカラーの、優しいトーンの花景色です。鉢にしているのは、かつて家畜用に使われていた、古い石の餌入れ。イギリスの田舎ならではの発想ですね。温かみのあるレンガ造りの家壁にしっくり合う石鉢と、それにマッチする花色のチューリップをうまく選んでいます。 花壇に置かれたこちらの鉢植えは、素焼きの大鉢を使い、赤や紫の同系色の花色でまとめたもの。色とりどりの春の花が咲いて、野原のような、のどかで可愛らしい印象の花壇に大鉢を置くことで、面白味のある変化を生み出しています。 フォーマルガーデンの彩りに イギリスの屋敷でよく見られる整形式庭園は、きれいに刈り込んだトピアリーや生け垣などで幾何学的な模様を描いた庭。その花壇は季節の花で彩られますが、花色が豊富なチューリップは、春の整形式庭園を彩るのにもぴったりです。 こちらは、ウェールズにあるエルディグのヴィクトリア朝様式の庭園。緑の球状のトピアリーと、赤い玉が浮かぶように連続するチューリップの花が、リズム感のある楽しげな景色をつくり出しています。 チェシャー州、ライム・パークのダッチガーデンでは、幾何学模様を塗りつぶすように、明るい花色のチューリップが咲き誇ります。 デザインの幅を広げる2色づかい 花壇に咲かせる場合、異なる2色のチューリップを組み合わせると、植栽のデザイン性がぐっと高まります。こちらは、コッツウォルズの名園、ヒドコートの花壇。先が尖り、反りかえった花弁を持つ、ユリ咲きの白と黄のチューリップが、きらめく星のように花壇を明るく彩ります。 次は、ウェールズ、ダフリン・ガーデンの、ビビッドなマゼンタ色とオレンジ色の組み合わせ。ライトグレーの抑えた色調で統一された敷石や植木鉢が、鮮やかな花色を引き立てる、現代的な印象のテラスガーデンです。カラフルな宝石のような色合わせには、子どもも思わずかくれんぼしたくなる楽しさがありますね。 一方、こちらはウェールズ、トレデガー・ハウスの整形式庭園。きっちりと刈り込まれたツゲの生け垣に囲まれて咲くのは、白と黒のチューリップ。可愛らしいというチューリップの一般的なイメージを覆す、モダンでシックな雰囲気の組み合わせです。 草原や森にナチュラルに咲き広がる チューリップは、広い面積に咲き広がる様も素敵です。こちらは、ウェスト・サセックス州、スタンデンの庭。クロッケー用の芝生の脇にある土手に、芝草に交じってさまざまな色柄のチューリップが咲き広がります。キャンディが散りばめられたような、にぎやかな花景色は、花色や花姿が豊富なチューリップならではでしょう。 最後は、ケンブリッジにあるアングレジー・アビーのウィンターガーデンです。ヨーロッパシラカンバの林でピンクのチューリップが一面に咲き広がる様は壮観。色の少ない時期を明るくしようと、ガーデンデザイナーが計画した見事な花景色です。白く輝く樹皮とピンクの花色の組み合わせが、おとぎ話の世界のようにロマンチックですね。 さて、いろいろな見せ方のあるチューリップ、いかがでしたか。ぜひ、庭づくりのヒントにしてみてくださいね。 取材協力 英国ナショナル・トラスト(英語) https://www.nationaltrust.org.uk/
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岩手県

花の庭巡りならここ! 美しいランドスケープデザイン「フラワー&ガーデン森の風」
2014年にオープンした「フラワー&ガーデン森の風」。2万3,191㎡という広大な敷地は、メインガーデン「森の渓谷」とコミュニティーガーデン「森の丘」の2つのエリアに分けられ、それぞれにテーマを持たせたランドスケープデザインが広がります。庭の監修は、イギリスのチェルシーフラワーショーで数々の受賞歴を持つ石原和幸さんが担当。約200種類10万株の植物が息づくガーデンでは、雪割草から始まり、季節の一年草・宿根草や、ツツジ、ドウダンツツジ、アジサイなどの低木類が次々と咲き継いで、四季を通して彩り豊かな景色が広がります。 高齢者や障がいを持つ方も安心して利用できるように、施設内は十分なサポート体制がとられているのも特徴です。散策コースは、傾斜地も広くてゆるやかなスロープで結ばれ、歩きやすく設計されています。 水辺の景色が癒しを誘う、メインガーデン「森の渓谷」 メインガーデン「森の渓谷」では、「エントランスガーデン」「メインガーデン」「チェルシーガーデン」などのテーマをもたせた、ランドスケープデザインが広がります。水のせせらぎや表情豊かなグリーンの濃淡が織りなす、里山のような癒しのガーデンが歩みを誘います。 写真は7月頃の「チェルシーガーデン」のエリアで、石原和幸さんが過去にチェルシーフラワーショーにて受賞された数々の作品が展示されています。 上写真はメインガーデン「森の渓谷」の「メインガーデン」のエリア。ゆるやかに流れる滝と池が2カ所にあり、水辺の景色が印象的ですが、これらには井戸水を利用したタイマー付き循環システムが採用されています。そんなことは微塵も感じさせない里山の景色が、ミニマムな空間の中で表現されている様子は必見です。水のせせらぎとともに聞こえてくる野鳥のさえずり、サラサラとした葉擦れの音、しっとりした緑陰……ここでは優しい時間が流れていきます。 四季を通して花々が咲き誇るコミュニティーガーデン「森の丘」 「フラワー&ガーデン森の庭」は傾斜地を利用した庭園で、上層にはコミュニティーガーデン「森の丘」のエリアが広がります。空がぽっかりと開けて、とても開放的な空間です。主にコニファーと一年草を中心に、旬の草花で鮮やかに彩られた景色から、活力をもらえそうです。 足元は歩きやすいアスファルト塗装で、車椅子や杖での来場者も安心して散策できます。また奥にはエレベーターがあり、下層のメインガーデン「森の渓谷」にも楽に移動できます。 写真は、6月下旬頃のコミュニティーガーデン「森の丘」の一角です。凹凸がある敷地のくぼみを利用して、一面に白いベゴニアを植栽。中央には、赤いベゴニアのドレスを着た女性の像が立っています。 このエリアは、ネモフィラ、シバザクラからベゴニアへと開花リレーをし、一年を通して景色が変わっていきます。 左の写真は、多年草・宿根草を中心に植栽した花壇。開花期を揃え、草丈や花色を考慮してコーディネートしたナチュラルガーデン。 右の写真は、ビオラやヘリクリサム・パルドサムなど春咲きの一年草と、ウッド素材を組み合わせ、自然との調和を意識したエリアです。 イルミネーションが光り輝くナイトガーデンも大人気! 「フラワー&ガーデン森の庭」では、ナイトガーデンのイルミネーションも行っています。左の写真が夏の闇夜を明るく彩る光の芸術、右が冬の雪化粧とともに広がる幻想的なライトアップの様子です。2018年4月21日〜11月5日の期間は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界をテーマにした、34万球のライトを使ったイルミネーションが灯されます。 ほかにも、年間を通してさまざまなイベントを催しています。スタッフが案内するガーデンツアーやガーデニング講習会のほか、花の写真展、洋ラン展示、動物とのふれあいコーナー、昆虫フェスタなど、ファミリー揃って楽しめるイベントが盛りだくさんです。 コミュニティーガーデン「森の丘」には展望台があります。カップル向けに、鐘をついたり愛の鍵をつけたりといったスペースを設けており、プロポーズやウェディング写真の前撮りなどに利用されています。最近ではコスプレ撮影会にも利用される、人気のフォトスポットです。 土産物店も充実しており、オリジナルのお菓子をはじめ、岩手のお菓子(価格帯600〜1,000円)、ガーデン写真集1,000円、絵葉書300円、女性用小物(価格帯1,000〜2,000円)、オリジナル蜂蜜ソフトクリーム350円、ソフトドリングなどが販売されています。 Information フラワー&ガーデン森の風 所在地:岩手県岩手郡雫石町10-64-1 TEL:019-695-8787 http://fg-morinokaze.jp/ アクセス:東北新幹線盛岡駅から無料シャトルバス約45分 JR雫石駅よりタクシー約15分 東北自動車道 盛岡ICより約20分 オープン期間:シーズン営業4月21日〜11月4日(2018年)、イルミネーション営業11月5日(2018年)〜1月6日(2019年) 営業時間:シーズン営業10:00~20:00(最終入場19:00)、イルミネーション営業16:00〜20:00(最終入場19:00) 入園料:シーズン営業 大人600円・小学生300円・シルバー(60歳以上)500円・未就学児無料・障がい者 大人300円・小学生150円 イルミネーション営業 大人400円・小学生200円・シルバー&未就学児無料 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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フランス

フランス「リュクサンブール宮殿」の花壇【世界のガーデンを探る旅8】
『フランス「ヴェルサイユ宮殿」の花壇編【世界のガーデンを探る旅7】』で、フランスにつくられる花壇における色彩感覚について解説しましたが、場所をパリ市内のリュクサンブール宮殿に変えて引き続きフランス独特の植栽について話をしたいと思います。 「リュクサンブール宮殿」は、パリの中心部にあり、元老院の議事堂として使用されていた宮殿で、現在は公園として一般に公開されています。毎日パリ市民が三々五々集まってきて、気ままに花を眺めながらそれぞれの時間を楽しんでいます。特に春に植えた花壇の花々がちょうど見頃になる初夏には、毎日晴天が続くうえ夜は22時頃まで明るいことも手伝って、パリ市民には人気スポットになっています。 フランス式の混植花壇はここにも 「リュクサンブール宮殿」も、やはり混植の花壇です。まずご紹介するのは、宮殿の前庭です。オレンジ色のダリアにピンクのペチュニア、それぞれの個性的な色合いを和らげているその他の花は、ブルーのサルビアやフレンチマリーゴールド、濃い紫のペチュニア、ブルーサルビアなど。それぞれが混ざり合って、緑の芝生に映えてきれいです。 角度を変えて、花壇に近づいてみましょう。左の背の高いえび茶色の植物は銅葉ヒマ(別名トウゴマ、‘ニュージーランド・パープル’)です。渋い色合いといい、ボリュームといい存在感のある植物で、夏花壇のフォーカルポイントとしてぜひ使いたい植物です。 植栽リスト Case1 【赤~オレンジ色系】銅葉ヒマ、ダリア、ペチュニア 【黄色系】フレンチマリーゴールド、カルセオラリア、ルドベキア 【青~紫系】ペチュニア、サンジャクバーベナ、サルビア(メドーセージ) 【葉物】スイスチャード、タイム 園内には、あちこちに椅子がいくつも置いてあります。色も渋いモスグリーンで、人どめの柵も低くて花壇の観賞の邪魔にならず、足掛けとしてもちょうどよい高さ。こんなところにもフランスのセンスを感じます。全体が、それぞれ心憎いまでに、色彩のハーモニーをつくりだしています。 宮殿のサイドにある花壇は、螺旋状に花が植えられています。結構自己主張が強いピンクのペチュニアを赤や黄色のコリウス、オレンジのマリーゴールドなどが独特の調和を見せています。ベージュ色の園路の砂利までもが、うまく引き立て役にまわっています。 植栽リスト Case2 【赤~オレンジ色系】銅葉ヒマ、ダリア、ペチュニア、ジニア 【黄色系】フレンチマリーゴールド、カルセオラリア、ルドベキア 【青~紫色系】ペチュニア、サンジャクバーベナ、サルビア、ヘリオトロープ 【葉物】スイスチャード、コリウス 宮殿に近い花壇です。ここの特徴は、高さを低く抑えて絨毯のような彩りで、明るく宮殿の荘厳さを引き立てている点です。手前と奥の花壇でマリーゴールドの色を微妙に変えることで、単調な配色にならないように奥行きを出す工夫があります。左奥に見えるヤシの木は、冬にはオランジェリー(温室)に運び込まれて、翌年の出番まで静かに春を待ちます。 植栽リスト Case3 建物側 【黄色系】マリーゴールド 【紫色系】ペチュニア、サルビア、ヘリオトロープ 【白色系】ジニア 手前の花壇 【オレンジ色系】マリーゴールド 【紫色系】ペチュニア、サルビア 【白色系】ジニア 違う年の春の花壇です。丈の低い紫のチューリップと、花茎が長く背の高い紫とピンクの斑が入ったチューリップの2種の、シンプルな組み合わせ。3種のチューリップだけで、立体感のある色彩の帯ができています。低いツゲの黄緑色の縁取りがくっきり現れて、花壇をより引き立てています。 参考までにイギリスのハンプトンコートの花壇と比べてみてください。フランスとは明らかに違った感覚の植栽です。皆さんはどちらが好みでしょうか? イギリスの花壇に使われている植物は、外側からロベリア、マリーゴールド(白)、マーガレットコスモス(黄色)、斑入りのカンナ。 再び「リュクサンブール宮殿」に戻り、他の花壇の彩りをご紹介しましょう。 公園の森のあちこちに銅像などのモニュメントがあり、その足元は花壇に囲まれています。ゆるく盛り上がったここの花壇も、混植されていますが2〜3種類程度の限られた数の植物を使いながらも、はっきりとした色合いで演出されています。驚くことに、公園内のあちこちに点在するモニュメントのすべての場所で、花の組み合わせは異なっていました。 ここまでご紹介した花壇に植えられているほとんどの植物は、日本でも栽培されています。夏にはほとんど雨の降らないフランスとは違い、ダリアや球根ベゴニア、ゼラニウムなどは、雨が多く蒸し暑い日本では夏花壇での使用は真似ができませんが、花の色使いや組み合わせは、とても参考になります。 フランスの花壇、いかがでしたか? 『フランス「ヴェルサイユ宮殿」の花壇編【世界のガーデンを探る旅7】』でも解説したように、フランスにはいまだに印象派の色合いが受け継がれているように思いましたが、もしやその色彩感覚は、フランス人が生まれつき持っているセンスなのかもしれません。ちょうど日本人が墨色の濃淡で風景や感情を感じられることと同じかもしれませんね。
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北海道

上野ファームの庭便り「ポップカラーを楽しむ春の庭」
庭の主役は元気をくれる“ポップカラー” 静かな新緑につつまれた早春の庭が、一気に明るくにぎやかに変わる瞬間は、チューリップなどの球根植物が咲き始める時です。次々と開花を始める明るい色のスイセンやチューリップを見ていると、気分も明るくなります。球根シーズンはビビッドな色彩で、はずむようなポップカラーが主役です。以前はガーデン内にスイセンやチューリップをあまり植えていなかったのですが、ここ数年スイセンやチューリップの種類を積極的に増やして春のガーデンを楽しんでいます。球根の魅力を知れば知るほど、使い方によって表現も大きく広がる球根植物の力に気づかされます。 バリエーションが多い球根花たち スイセンやチューリップは、カタログを見ているだけでも驚くほどの種類と花色があります。あまりにも素敵なものばかりなので、選びきれずいつも悩まされます。スイセンは、昔のイメージだとラッパズイセンのような花形を想像しますが、今はスイセンとは思えない華やかな八重咲きや、フリルがかる花びらまであり、形もさまざまです。 チューリップはさらに種類が豊富で、白や紫、黄色、赤、ピンク、オレンジなど、一つの植物でここまで多彩な色を選べる植物というのはなかなかないように思います。さらにフリンジ咲きやユリ咲き、八重咲きなど、咲き方の個性も魅力的です。 彩り豊かな春を楽しもう! 球根のよいところは、庭づくりや寄せ植えの初心者さんでも、秋にしっかりとした球根を植えるだけで翌年必ずきれいな花が見られるということです。球根を植え替えて、毎年違ったカラーテーマや組み合わせを楽しむのも面白いですよ。色の組み合わせ方次第で、春の庭の印象は大きく変わります。部屋の模様替えをするように、気軽にいろいろな球根を庭に取り入れて、彩り豊かな春を楽しんでください。 植え方や色使いで多彩に広がる球根の世界 芝生にスイセンと原種系チューリップを植えれば、ナチュラルな雰囲気に。派手な色合いのチューリップでも、緑の中にランダムに配置すると自然な雰囲気がつくれます。 上野ファームの球根の植え方 1カ所にまとめて植えるのではなく、宿根草の株と株の間に1球から5球ほどの球根をランダムに配置していきます。 宿根草の間から、チューリップが湧き出るように開花します。黒と紫と白で落ち着いたトーンの組み合わせに。チューリップの花が終わる頃には、ちょうど宿根草が伸び始めて開花後のチューリップは見えなくなります。 新刊『上野ファームに学ぶアイデアBook』発売中 2016年に敷地内にグランドオープンした新エリア「ノームの庭」の紹介をはじめ、北国ならではの植栽と上野ファームの美しい写真を多数収録した新刊『上野ファームに学ぶアイデアBook』が2018年3月に発売されました。庭のデザインから施工・メンテまで関わってきた富良野の「風のガーデン」は、進化を続けながら2018年で10周年。これまでの庭づくりへの思いなどをつづった書下ろしコラムや、「上野ファーム」で咲く230品種の草花図鑑など、「上野ファーム」の最新情報がいっぱい詰まった一冊です。
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イギリス

英国の名園巡り 侯爵夫人の人生の喜びが散りばめられた「マウント・スチュワート」
120年前のこと、英国の慈善団体ナショナル・トラストは、開発で失われていく自然や、歴史ある建物や庭といった文化的遺産を守り、後世に残そうと、活動を始めました。多くのボランティアの力によって守り継がれる、その素晴らしい庭の数々を訪ねます。 マルチな才能を持った侯爵夫人 イーディス イーディスは父親譲りのポジティブな性質で、乗馬やヨットの旅を楽しむ、行動力のある女性でした。夫の第7代ロンドンデリー侯爵チャールズが政界に入ってからは、支援のために社交界で動き、また、第1次世界大戦時には、女性による後方支援部隊の統率役も担って、上流社会で影響力を持つようになります。一方で彼女は、庭づくりに加え、伝記や子ども向けの物語を執筆するなど、芸術性や文才にも秀でていました。5人の母でもあり、じつにエネルギッシュで、多面的な才能にあふれた人物でした。 朝日と夕日の庭 イタリアン・ガーデン イーディスは結婚当初、ヨットでスペインやイタリアへ旅し、また、持病の療養のため、夫と共にインドに長期滞在したこともありました。そうした旅先で目にした歴史的な庭園の数々が、彼女の植物や庭づくりへの興味を育てたといいます。 第1次世界大戦後の1920年、41歳の時に、イーディスは末娘となるマイリを期せずして身ごもり、その妊娠中に庭園の設計を始めます。それから始まる庭づくりの日々は、彼女にとってこの上なく幸せで、創造的な時間でした。 イーディスが最初に取り組んだのは、屋敷の南側、入り江を見下ろす斜面に広がるイタリアン・ガーデンです。子ども時代を過ごした思い出の場所、スコットランド、ダンロビン城の庭園に似せた整形式庭園(パーテア)が東西に2つ並ぶ構図に、彼女はイタリアで目にしたボボリ庭園のようなルネッサンス期の名園のエッセンスを加えました。 1921年、イタリアン・ガーデンは、熟練庭師と復員してきた21人の男性の力を借りて形づくられました。この庭はもともとローズガーデンとして計画されましたが、海沿いの土地にバラの生育条件が合わず、数年後にまた新しいカラースキームを考えることになりました。 イーディスは2つのパーテアのうち東側(写真左)を、中心から、鮮やかな赤、オレンジ、ブルー、シルバーと同心円状に変化する朝日のイメージで、また、西側は、深紅、薄ピンク、藤色、黄色、濃い赤紫色と変化する夕日のイメージでデザインしました。そして、英国に導入されたばかりの珍しく美しい異国の植物と、主流の宿根草や球根を合わせるという独自のスタイルで、植栽を構成しました。また、異国の花木をスタンダード仕立てにして、そこに新しいつる性植物を這わせるなど、見せ方も工夫しました。 イタリアン・ガーデンの東側には、動物などのセメント製のユーモラスな彫像が並ぶドードー・テラスと開廊(ロッジア)があります。絶滅した大型の鳥ドードーの像は、イーディスの父、チャップリン子爵を表現したもの。というのは、政治家だった子爵は、かつて風刺画でドードー(まぬけ)と揶揄されたことがあったのです。それを笑いに変えてしまう、イーディスのユーモアセンスが感じられます。また、ノアの方舟(アーク)は、アーク・クラブという、侯爵夫妻が主催した上流階級の私的な集まりを記念して置かれました。 イトスギの壁が印象的なスパニッシュ・ガーデン イタリアン・ガーデンの先に続くスパニッシュ・ガーデンは、スペインへの旅の記憶が詰まっています。インスピレーションの源となったのは、王族に案内されて訪ねたアルハンブラ宮殿やヘネラリフェのペルシャ式庭園です。両側に立つ印象的なイトスギの壁は、16世紀のベネチア人の旅人がヘネラリフェの庭へと続くアーケードを描写した記述をもとに、デザインされました。イーディスの構想通りに生け垣を仕立てられる、庭師の腕にも驚きます。 大好きな花が植わるサンクン・ガーデン 屋敷の西側にあるサンクン・ガーデン(沈床式庭園)と、その先につながるシャムロック・ガーデンは、屋敷の1階から見ることのできる唯一の庭です。サンクン・ガーデンの三方はパーゴラで囲まれていますが、イーディスは、そこに珍しい異国のつる性植物を絡めました。その内側に植わるのは、彼女が愛してやまなかったロドデンドロンとユリ。イーディスは香りのよい花が大好きでした。 イーディスにとって庭づくりは、知的活動と身体を動かすことの、両面の楽しみがありました。植物を育てること、そして、その場所にぴったりの植物の組み合わせを見つけることに、夢中になったのです。 イーディスは博識な知人に学んで、植物の知識を深めていきました。庭園のあるアーズ半島は、暖流のおかげで暖かい、地中海性気候の土地。イーディスはプラントハンターを支援して、似たような気候を持つ世界各地からたくさんの新しい植物を集め、この庭で実験的に育てました。 アイルランド神話の世界 シャムロック・ガーデン イーディスを魅了するものの一つに、アイルランド神話がありました。この庭では、アイリッシュハープをはじめ、アイルランドや神話にまつわるモチーフの、たくさんの小さなトピアリーが楽しめます。手前の、手の形をした花壇は、〈アルスターの赤い手〉という神話がモチーフ。セイヨウイチイの生け垣に囲まれた庭園自体も、上から見るとアイルランドの国花である三つ葉(シャムロック)の形を表しています。 他にも、イーディスが末娘のためにつくったマイリ・ガーデンや、大好きなユリを育てたリリー・ウッド、湖畔の墓地、それから、美術品がたくさん飾られた新古典主義建築の屋敷と、見どころがたくさんあります。北アイルランドの至宝を、ぜひ訪ねてみてください。 取材協力 英国ナショナル・トラスト(英語) https://www.nationaltrust.org.uk/ ナショナル・トラスト(日本語)http://www.ntejc.jp/
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山形県

花の庭巡りならここ!「かおり風景100選」に認定された「山形県村山市 東沢バラ公園」
昭和31年に設立された、歴史ある「山形県村山市 東沢バラ公園」は、地元の方々にも長く親しまれています。設計を手掛けたのは、日本のバラ界の父、故・鈴木省三さん。およそ7万㎡にも及ぶ敷地には、約750品種2万株のバラが植栽されています。見頃は6月上旬〜7月上旬、9月中旬〜下旬。この期間は「バラまつり」が行われて多くの人で賑わい、さまざまなイベントも開催されます。「いつ訪れても花や葉の状態が美しく、行き届いた管理が素晴らしい」とリピーターが多く、年間5万人の来場者があります。 バラの香りが風にのってエントランスに集まる植栽に 「山形県村山市 東沢バラ公園」は、山と湖に囲まれた借景の美しい自然豊かな公園です。バラ園は、設立当初から親しまれている「クラシックガーデン」、オールドローズを集めて植栽された「オールドローズ園」、日本の皇室をはじめ世界の王室の方々の名前が冠されたバラが集められた「皇室のバラ」など、さまざまにテーマを設けたエリアによって構成。平成11年に誕生したオリジナルのバラ‘むらやま’をはじめ、‘グリーンローズ’や‘黒真珠’など珍しい品種のバラも見られます。 写真の高さ約3.5m、約3m四方のローズドームには、つるバラを這わせてフォーカルポイントにしています。さらに奥の大きなシンボルツリーのケヤキは、絶好の休憩スポット。緑陰のもとでお弁当を広げてピクニックを楽しむ人や、のんびり読書をしている人の姿が見られます。 「山形県村山市 東沢バラ公園」は、平成13年に全国のバラ園で唯一、環境省の「かおり風景100選」に選ばれました。山の形に沿って傾斜がつけられた公園は、山からエントランスに向かって風が通るように設計され、バラの香りが風にのって集まる工夫がなされているのです。馥郁としたバラの香りを十分に堪能するには、午前中の早い時間に訪れるのがオススメです。 「山形県村山市 東沢バラ公園」には、市制施行50周年を記念してモニュメント「幸せのローズベル」が寄贈されました。「恋人の聖地」とプレートされた、ロマンティックな雰囲気が魅力で、カップルで訪れて一緒にベルを鳴らす姿も多く見られます。このエリアではラベンダーピンクの大輪花、‘ショウゴ・エレガン’が毎年たくさんの花を咲かせ、インスタ映えのするフォトスポットとして人気です。 目に鮮やかなグリーンの芝生で整えられた、小高い丘の上につくられた休憩場のガゼボは、公園内を上から見渡せるビュースポット。園内への飲食の持ち込みは自由ですが、喫煙は不可(園外に喫煙所あり)。ペットの同伴はOKです。リードをつけて、糞は持ち帰るなどのマナーは守りましょう。 手前のバラはアメリカで生まれた‘リオ・サンバ’で、黄色で咲き始めた後、オレンジ、朱色へと変化していく姿を楽しめます。 喫茶スペースや体験教室、ギャラリーが充実する「バラ交流館」 園内には「バラ交流館」があり、軽食コーナーや土産物販売店のある棟、体験教室が開催される棟、押し花や陶器といったクラフト作品を展示するギャラリー棟の3棟が並んでいます。バラまつりの期間中には、押し花教室を開催しており、1作品につき約30分で体験できます。参加料は500円〜です。 バラ交流館内の飲食スペースは20席ほど。メニューは、バラソフトクリーム300円、バラアイスカップ320円、バラコーヒー300円、ローズティー、ローズヒップティー各250円など。食事メニューは山形牛重1,500円などのほか、お好み焼きやフランクフルトもあり、天気のよい日はテイクアウトして、青空の下でいただくのもオススメです。 土産物売り場では、バラキャンデー240円、バラサイダー270円、バラ紅茶(ティーバッグ)270円が人気商品となっています。 左の写真のインスタ映えするバラサンデーは400円。右の写真は、左がローズヨーグルトムース350円、右がローズシュガー入り飲むヨーグルト350円。いずれもバラの香りがふんわりと漂う、人気メニューです。 バラまつり期間は、毎年趣向を凝らした多彩なイベントを開催 バラまつり期間には、毎年さまざまなイベントが開催されています。写真は、市民サークルのフラダンスの発表会と、バラの愛好家必見のバラの育て方教室、バラの相談所などのイベントの様子です。 ほかにもバラのアレンジメントやレカンフラワー、ハーバリウム、七宝焼き体験教室、ジャズバンドなどの演奏会が行われます。また2018年のメインイベントに村山市出身の「薔薇から生まれた薔薇王子」のコンサート、夜まで楽しめる「夜のバラまつり」など、多彩なイベントが開催されます。バラまつり期間中のイベント情報は、ホームページで要チェックです!
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京都府

日本庭園巡りの旅へ 京都・東山「永観堂禅林寺」
東山の古刹 永観堂禅林寺 永観堂禅林寺は、東山のふもとに建つ歴史ある古刹。古今和歌集に「もみぢの永観堂」と詠まれる京都屈指の紅葉の名所で、境内には、約3,000本ものイロハモミジやヤマモミジが植えられています。 植栽と一体となった長い回廊 このお寺には、御影堂や釈迦堂、阿弥陀堂といった諸堂が点在しており、それらすべてが、経年変化の檜の滑らかな木肌と、滴るような青モミジに囲まれた長い回廊で結ばれていました。 また、所々に設えられた縦格子の建具の端正な佇まいは、翠緑を切り取る額縁のよう。 内外を曖昧に仕切る和の建具の美しい意匠が、味わい深い風情を醸し出していました。雨風をしのぎ、強い陽射しを遮るだけでなく、四季折々の自然の景色を屋内からも愛でることができる和の建具は、自然への敬愛と日本人ならではの繊細な感性が生み出した伝統建築。わが家にも取り入れたくなりました。 圧巻の臥龍廊 数ある回廊の中でも圧巻だったのが、山の斜面に建てられた開山堂へ続く臥龍廊です。その廊下は、急斜面の地形に合わせて曲線を描く特殊なつくりとなっていて、その名の通り、あたかも龍が臥せているような形状でした。一瞬、足がすくむほどの迫力に圧倒されながら上っていくと、畳4帖ほどの小ぢんまりした開山堂がありました。 このお堂には、永観堂の開山の像が祀られていました。そういえば、古来より龍は神様の化身、もしくは使者といわれています。この臥龍廊は、開山の像(神)を拝むなら、ここを通って心身を清めよという意味合いがあるのかもしれません。また、お堂の窓から、荘厳な屋根瓦に映えるモミジと、遠くに京都の山並みが垣間見え、初夏の爽やかな風に擦れるモミジの葉音や、時折聞こえる野鳥の声が、なんとも心安らぐ空間でした。 自然の景色を凝縮した庭園 諸堂の中心にある御影堂には、深い軒下の縁側に腰掛けると、庭全体が見渡せる程よい広さの日本庭園があります。目を惹くのは、いぶし銀の瓦を施した壁面に、清然と植えられたモミジの高木と赤松。いかにも日本庭園らしい組み合わせですが、不思議と堅苦しさを感じないのは、山の中に自生しているような樹形と、型にとらわれない剪定にあるような気がしました。また、その足元には、自然石を配した池と白い玉石を敷いた枯山水を彷彿とさせる景色が。 白い玉石は、山間から緩やかに流れる湧き水のように木漏れ日に輝き、池には白いスイレンが、水辺にはハナショウブとカキツバタが季節の彩りを添えていました。 そんな、自然の景色が凝縮したような庭を眺めていると、ふと、「無作為の作為」という言葉が脳裏に浮かびました。「無作為の作為」とは、自然な雰囲気を生かして、かけたのが分からないような手間をかけること。ある京都の老舗造園屋さんがおっしゃっていた言葉です。そして、「われわれのモットーは、庭ではなく景色を売ること。そのために、無作為の作為を行う」と。 人知れず手間をかけ真心を込める庭仕事。だからこそ、こんなにも心が和むのですね。 日本庭園の奥深さを、またひとつ目の当たりにしたような気がしました。 3,000本もの青モミジが紅葉する秋。どんなにか素晴らしいことでしょう。いつか、赤く染まるモミジの永観堂も訪れてみたいものです。 併せて「イングリッシュガーデンを巡る旅」のシリーズや、『イングリッシュガーデン旅行を終えて〜日本庭園への想い〜』もご覧ください。
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新潟県

花の庭巡りならここ! ロザリアンの聖地「国営越後丘陵公園 香りのばら園」
芳しいバラの香りを堪能できる「国営越後丘陵公園 香りのばら園」 「国営越後丘陵公園 香りのばら園」は、1万6,000㎡の敷地に800種、約2,400株のバラが植栽されたバラ園。その名の通り、芳しいバラの「香り」をテーマにした植栽が特徴です。バラの香りは、主に「ダマスク・モダン」「ダマスク・クラシック」「ティー」「フルーティー」「スパイシー」「ブルー」「ミルラ」に分類されています。それらに当てはまる香りを持つバラの品種を、7つのエリアに区分して植栽。人の顔ほどの高さで咲くように仕立てられたバラの「香り比べ」を自由に楽しんで、好きな香りの品種を見つけましょう! バラの見頃は5月末〜6月中旬、10月です。 ほかに白、ピンク、朱色、赤、黄色など、バラの色彩別に植栽したカラフルなエリアや、原種のバラやオールドローズをコレクションしたエリア、オオタカネバラやヤマイバラ、アズマイバラ、テリハノイバラなど日本の野生種を集めたエリア、世界約40カ国の「ばら会」が加盟する「世界ばら会連合」(World Rose Convention)にて殿堂入りしたバラの名花を集めたエリア、コンクールで受賞歴のあるバラ、宿根草とバラを組み合わせたナチュラルガーデンのエリアなど、多様な見どころを設けています。 バラの品種の特性を生かした適材適所の植栽術が見事! 5種類のピンクのバラ‘ザ・ガーランド’、‘フランシス・E・レスター’、‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’、‘ロサ・ヘレナエ’、‘ロサ・フィリペス’を植栽し、ガーランド(花綱)に仕立てた、ダイナミックにバラが咲き誇るコーナー。開花期に見応えがあるのはもちろんですが、これらは一季咲きで、それぞれに大小の赤い実をつけるので、晩秋にはアクセサリーをまとったようなローズヒップの景色を楽しめます。手前のピンクのバラは、オールドローズの‘ベル・イシス’。 背景のポプラの木は、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」の象徴的な存在。ポプラの木を中心に竹を組み、ランブラー系のつるバラをオベリスク仕立てにしたユニークな姿は、遠くから見ると大きなトピアリーのようです。 手前の広場には休憩スペースがあり、テーブル&チェアが20セット(季節などにより増減)あります。飲食の持ち込みは自由で、バラの景色を楽しみながら、お弁当を広げる人の姿もよく見られます。喫煙は不可(喫煙所あり)、ペットの同伴はOKです。 高さ・幅3mのアーチを連ね、縦の空間を優雅にバラで彩ったエリア。‘セプタード・アイル’、‘コンスタンス・スプライ’、‘エヴリン’、‘フォールスタッフ’などのつるバラを仕立てたアーチのトンネルを自由に散策して、香りのシャワーを浴びることができます。バラだけでなく、ベロニカやセイヨウオダマキ、アジュガなどの宿根草をともに植栽したナチュラルガーデンなので、バラと草花のコーディネート術はガーデンの参考になります。 香りのよいバラを集めたエリアは、香りを確かめやすいように、樹高を抑えて仕立てられています。写真は「ダマスク・モダン」「ダマスク・クラシック」の香りを持つバラが植栽された一角。バラの香りは、朝方つぼみを開く頃に強く感じられるので、香り比べを楽しみたいなら、午前中の早い時間帯を狙うのがオススメです。手前の真っ赤なバラは‘パパ・メイアン’。 高さ1.5mほどのオベリスクを扇状に設け、面で見せる仕立て方は、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」ならでは。人気の高い品種‘ピエール・ドゥ・ロンサール’を下から這うように上らせ、たわわに咲かせた姿は見応えがあります。 バラ園以外にも「国営越後丘陵公園」内には、四季を通して花が楽しめるよう植栽されており、見どころ満載です。3月末〜4月はクリスマスローズや雪割草、カタクリ、4月下旬〜5月上旬はチューリップ、6月後半〜7月はアジサイやラベンダー、9〜10月はコスモスと、季節の開花リレーが楽しめます。 2018年は、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」が開園して15年目にあたります。毎年バラの季節には、育種家やガーデナーなど、専門家を招いて庭園内のガイドツアーや育て方の講習会などが開催されていますが、節目となる2018年はさらにさまざまなイベントの開催が予定されています。ぜひ公式ホームページをこまめにチェックしましょう! また、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」では、日本海側の気候ならではの仕立て方や剪定法などが垣間見られるのもポイントです。書店に並ぶ園芸書は、太平洋側の気候を基本にまとめられていることが多く、日本海側の気候に合った管理法の情報が不足しがちなもの。雪の多い日本海側にお住まいの方は、ツアーガイドや講習会に参加して、健やかにバラを育てるコツを学ぶのも一案です。 コンクールに出品された圃場の見学もOK! 「国営越後丘陵公園 香りのばら園」では、2005年より毎年「国際香りのばら新品種コンクール」を開催しており、日本のバラ三大コンクールの一つとなっています。世界中から届いたバラの苗を、同じ条件下の圃場で2年間かけて栽培し、香りのよさや花の美しさ、耐病性などを総合的に審査。 2年目の春と秋に審査し、金賞、銀賞、銅賞が発表され、金賞のうち最高得点を得た品種に「国土交通大臣賞」が、香りの部門で最高得点を得た品種に「新潟県知事賞」が、一般来場者による人気投票で1位になった品種に「長岡市長賞」が授与されます。 第1回は育種家の寺西菊雄さんが作出した、写真のバラが「国土交通大臣賞」を受賞。受賞を記念し、旧名の‘ティニー・グレイス’から‘フレグラント・ヒル’(香りの丘) と「国営越後丘陵公園 香りのばら園」にちなんだ名前が新たにつけられました。今やこの公園のシンボリックな存在となっています。 園内にある、コンクール用の圃場も見学できるので、まだ世に出回っていないバラを見ることができ、最新のトレンドがうかがえるのも魅力の一つです。 バラソフトクリームとオリジナル香水が大人気 園内のカジュアルな休憩スポット「ローズカフェ」でティータイムを楽しむのもオススメ。営業時間は9時30分から閉園まで(季節により異なる)で、ラストオーダーは閉園の30分前までです。季節によってメニューが替わり、パンケーキやホットドッグなどがあります。人気メニューは雪室(ゆきむろ)コーヒー450円(税込)、つぶつぶ苺のベジタブルスムージー600円(税込)、バラの甘い香りが口に広がる赤バラソフトクリーム500円(税込、ばら祭り期間中のみ)など。 「国営越後丘陵公園 香りのばら園」では、シンボル的なバラ‘フレグラント・ヒル’の香りを再現した香水と練り香水を販売しており、お土産に大人気です。フルーティーな甘さにさわやかなグリーンノートが乗る、上品な香りと評されています。価格は香水(50㎖)が3,600円(税込)、練り香水(8g)が1,340円(税込)。
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北海道

上野ファームの庭便り「大地が歌う 早春の庭」
北国の雪解けと春の日差し 北国の長い冬が終わりを告げてようやく雪がとけると、雪の下で眠っていた植物たちが待っていました! といわんばかりに一斉に芽吹き始めます。私が植物たちの偉大なるエネルギーを一番感じるのは春です。特に早春の花たちは、最も力強く柔らかい春の日差しを浴びて、数日間でアッという間に伸びてきます。 北国は常緑の植物が少ないため、雪解け直後の庭には緑はほとんどなく寂しげに見えますが、たった数週間で緑に覆われます。これほどの芽吹きの変化を目の前で感じられるのは、雪国のガーデナーだけではないでしょうか。 春一番に咲くのは、スノードロップ 上野ファームで一番初めに咲き出すのがスノードロップやセツブンソウ、特にスノードロップは雪の中からつぼみをもって咲いています。開花時期に雪が降ることもあるのですが、そんなことはまったく気にせず、純白の花を庭で光らせています。 雪解け直後の庭は、さまざまな植物の芽が出てくるので、それを一つひとつ確認していきます。芽が出た瞬間に、これは何か分かるようになれば、ベテランガーデナーの証。イントロクイズのように、植物の名前を頭に思い浮かべながら、各々の今年の健康状態をガーデナーはチェックしていくのです。 花の季節をイメージして庭をパトロール いつも出ている場所に植物の姿が見えないときは、根腐れや寒さなどでダメになったことも考えられるので、その後の植え替え計画を、この時期ある程度考えておきます。また、ひと冬越えることで株が増える植物もあるので、芽の数を見て増え具合も瞬時にチェックします。 増えすぎているものは、花芽が動く前に株分けを行うこともあります。この時期はいろんな意味で、庭の状態を把握しやすいとても大切な時期なので、ガーデン全体の様子をくまなく見て歩きます。そうすることで、今年一年のガーデンのイメージが、花の季節がくる前に頭の中で広がっていくのです。 小球根の開花は春の歌のよう 新緑がガーデン全体に広がり始めると、足元で咲く愛らしい小球根たちの開花が始まり、色がなかった大地が春を喜び、まるで歌うように色づき始めます。ここ数年かけて早春の花たちを意識して増やしていることもあり、春の魅力的な植物は探せば探すほどたくさんあることに気づかされます。 ガーデンで咲く花がまだ少ないからこそ、とても色が新鮮で美しく見えるのも春の花の特徴です。目が覚めるような鮮やかさを持つ雪割草や、まるでコートを羽織るような面白い咲き方をする純白のカナダケシも最近仲間入りしたお気に入りの植物です。 小球根が輝き咲く「宝石の小道」 セツブンソウが終わるころから、さらに美しくなるのが、春の庭の主役ともいえる華やかなクリスマスローズや北海道ならではの野草たちです。さらにここ数年、ガーデンで人気の花が、スイセンやチューリップよりも一足早く咲く小球根。チオノドクサ、プスキニア、シラー、原種系チューリップなど、足元で咲く小さな宝石のような植物たちをガーデン全体にちりばめて、可愛らしい春を感じられるように魅力的な春植栽も研究中です。 まだまだ寒さが残る北海道の春。雪が降っても美しい花を保つエネルギーのあるカタクリやエゾエンゴサクは、北海道の春を象徴する野草です。 春になると、いたるところで柔らかい黄緑の葉を広げるフキノトウ。北海道のものは特に大きいと本州の人からよく驚かれます。 華やかなドレスのようなクリスマスローズは、早春の花たちと合わせると、さらに豪華な雰囲気を漂わせます。 春を待っているのは植物だけではありません。「上野ファーム」の動物たちにとっても虫が動き出してうれしい季節です。 庭のあちこちで、植物たちのエネルギーを感じることができる春。早春ならではの植物を庭植えや鉢植えでいち早く咲かせ、ガーデンシーズンの幕開けを楽しみませんか。
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フランス

フランス「ヴェルサイユ宮殿」の花壇編【世界のガーデンを探る旅7】
フランス式庭園を彩る花々から色彩感覚を探る 『「フランス「ヴェルサイユ宮殿」デザイン編【世界のガーデンを探る旅6】』では、ヴェルサイユ宮殿とフランス式庭園の誕生、そして庭全体のデザインについてご紹介しましたが、今回はフランス独特の植栽について、花壇を例に解説します。 ベルサイユ宮殿の春の花壇です。黄色系のスイセン(3種類)に赤系のチューリップ(4〜5種類)が混植されています。ポイントは濃紫の八重のチューリップでしょう。黄色や赤だけではぼやけた印象になるので、濃い紫を差し色にして、花壇の色彩を引き締めています。また白いスイセンを入れることにより、全体の色合いが単調に混ざるのを防ぐと同時に優しさをプラスしています。 低い草ツゲに揃えて、草丈の低い球根類に限定し、黄緑の草ツゲと深緑のイチイの刈り込みが花壇の色彩を引き立てています。特にイチイの深緑を点在させることで、広大な敷地に立体感と奥行きを生み、遥か向こうにあるアイボリーホワイトの宮殿までの距離感と重厚さを効果的に演出しています。 ヴェルサイユ宮殿の花壇づくりのテクニックを探る 植栽リスト Case1 【宿根草】ガウラ、マーガレット、ルドベキア、デルフィニウム、ダリア 【一・二年草】ニコチアナ、三尺バーベナ、クレオメ、サルビア、デージー他 こちらは、ヴェルサイユ宮殿の北側の花壇です。少し高めのツゲの刈り込みの中に、いろいろな花が植栽されています。一見無秩序に咲き乱れているかのようですが、それぞれ一塊のブロックになっています。写真の時期は初夏ですが、宿根草と一年草が入り乱れる植栽は、英国庭園に見られるナチュラルな植栽とは違い、モダンな印象を受けます。 植栽リスト Case2 【白色系】ニコチアナ、ストック、ペチュニア 【桃色系】ダイアンサス(セキチク系)2種類、ストック 【黄色系】コレオプシス 南側の花壇は、低い草ツゲのエッジが整ったカーペット花壇です。幾何学的な模様の中に背の低い花々が植え込まれています。一年草と二年草の組み合わせで1ブロック2mほどを1パターンとして、黄色、ピンク、白と繰り返して花色がつながり、まるで絵画の印象派を思わせる淡い彩りがガーデンに浮かび上がっています。 このように花色を混ぜ合わせる手法は、やりすぎると色が濁ってしまうのでセンスを要します。 黄花のコレオプシスに濃い桃色のダイアンサス…およそ調和し難いこの2色をニコチアナ、ペチュニア、ストックの白花がうまくつないでいます。このように10種類近くの草花を組み合わせながらも、色の混乱を避けることは、植物知識と色彩感覚、美的センスなど、さまざまな能力が必要です。しかも、この広大な敷地にタイミングよく植え込むのです。苗の確保と植え込み作業、その後のメンテナンスまでトータルに考え実行する…ガーデナーとは、なんとクリエイティブな仕事なのでしょう。 植栽リスト Case3 【赤〜桃色系】ゼラニウム、ベゴニア、セキチク 【青〜紫色系】バーベナ、ヒエンソウ 【黄色系】不明 【白色系】ペチュニア、ニコチアナ 初夏の植え込み直後と思われる花壇です。20〜25㎝間隔で苗が植え込まれています。これが1カ月も経てば、隙間なくお互いにくっつき合うように育ってくれるとはうらやましい限りです。日本は梅雨や夏の高温多湿により、病気や蒸れで草花へのダメージが大きいのですが、フランスでは高緯度による優しい日の光がぐるっと根元まで届くことや、涼しい夏のおかげで、ある程度の密植は問題がないようです。もちろん、有機物がいっぱい入った土づくりにも力を入れていることでしょう。 現代の花壇にも表現されている印象派‘モネ’の色 初夏の中央花壇です。なんて素晴らしい混植花壇なのでしょう。フランスの人たちの美意識の高さがうかがえる、とても魅力的な植物の組み合わせです。 植栽リスト Case4 【赤色系】ゼラニウム 【桃色系】ダリア(2種類)、ストック(八重)、バーベナ 【青〜紫色系】デルフィニウム 【白色系】デルフィニウム、ニコチアナ、シロタエギク 淡い桃色のダリアを中心に、ゼラニウムの独特な緋色がアクセントになっています。こんもり盛り上がったフラワーベッドには、垂直に立ち上がる縦のラインと、低く広がる淡い色。この色合いは、もしやあの絵画で見た色構成ではないでしょうか? オランジュリー美術館で展示されている、有名なクロード・モネの描いた‘睡蓮’です。ヴェルサイユ宮殿の花壇の色合いは、まさにこの絵そのものではないかと私は思うのです。晩年のモネは、目が徐々に不自由になり、ものの形がはっきり識別できなくなっていたそうですが、その中で描かれたこれら一連の作品‘睡蓮’は、色彩の魔術師と称され、今もなお多大な影響力を持つモネの集大成といわれています。この‘睡蓮’の色使いと、ベルサイユ宮殿の花壇の色づかいには多くの共通点があるように思います。フランスには、今もモネの色彩感覚が脈々と息づいていると感じるのです。 植栽リスト Case5 【赤色系】ゼラニウム、ダリア(2種類) 【白色系】クレオメ、コレオプシスデージー 【シルバーリーフ】不明 晩夏の中央花壇です。緋色のゼラニウム、桃色のダリア、そこに白花のコレオプシスデージーが独特の葉色とともに混植されています。初夏のデルフィニウムに変わって、白のクレオメがふわりと立ち上がり、咲き誇っています。桃色のダリアも草丈を伸ばし、初夏とは違ったボリューム感を見せています。 ヴェルサイユ宮殿のカーペットベディング ヴェルサイユ宮殿のずっと西の端、あまり人が訪れないエリアにまでカーペットベディング(毛氈花壇)がありました。白いエケベリアをうまく使って、赤いベゴニア・センパフローレンスやハゲイトウ、アルテルナンテラなどが使われています。日本では考えられない組み合わせですが、是非チャレンジしたいものです。ベッドを円錐状に盛り上げたり、斜面を生かした花の見せ方には感心します。 植栽リスト Case6 【赤色系】ベゴニア・センパフローレンス、アルテルナンテラ 【葉物】エケベリア、アスパラガス、シロタエギク フランスには、いまだに印象派、特にモネの色合いが色濃く残っているような気がしますが、いかがでしょうか? イギリスをはじめ、他の国ではこのような混植は見たことがありません。ぜひ皆さんも、フランスへ旅する機会があったらフランス式花壇をじっくり観察してください。フランスの草花が特に美しい季節は8〜9月です。
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静岡県

花の庭巡りならここ! 18世紀のフランス庭園を再現「河津バガテル公園」
まるで海外にいるかのようなフランススタイルのガーデン 2001年にオープンした「河津バガテル公園」には、3万㎡という広大な敷地に1,100品種6,000株のバラが植栽されたバラ園があります。周囲には人家や建物がなく、森林に囲まれているため野鳥のさえずる声が近く、まるで異国を訪れたような気分に。なぜならこの庭園は、フランスのパリ市にある「パリ・バガテル公園」の姉妹園で、フランススタイルの庭園を再現しているからです。 18世紀に貴族のためにつくられた庭園スタイルをそのまま継承し、トピアリーとバラを組み合わせて幾何学模様を取り入れたガーデン風景が広がります。フランスと日本では気候が異なりますが、四季や気温に恵まれた日本では本場フランスよりも華やかに花々が咲き競うと、現地からの評価も高いとか。日本にいながらにしてフランスの庭を満喫できると、年間2〜3万人が訪れ、リピーターが多いというのもうなずけます。観光ガーデンとして、カフェや土産物店も充実しているので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。 貴族が愛したフランスの庭を、日本で愛でる贅沢なひととき 「河津バガテル公園」のバラの見頃は、5月中旬〜6月末と10〜11月。春バラのフェスタ期間中は、5月12日からの土・日曜に専門スタッフによるガイドツアーを行っています。開園前の6:30〜7:00の早朝ツアーを開催し、咲き始めの濃い香りを楽しむイベントも開催されているので、ぜひご参加を! 写真は芝庭にぽっかり浮かぶような球体に刈り込んだトピアリーを中心に据え、その周囲に約1.2mの高さでロープを張り、低めにつるバラを仕立てたエリア。奥に見えるつるバラを絡ませたオベリスクは、園内に36基設けられ、高低の変化に富んだ景色をつくり出しています。 ツゲを低く刈り込んで小道を縁取り、スタンダード仕立てにしたバラや、つるバラを絡ませたオベリスクを配したコーナー。稜線の美しい山並みの借景と調和するように、高低差のバランスを計算したメリハリのある演出をしています。赤、ピンク、白に花色を絞った優美なカラーコーディネートで、あふれんばかりに咲く素晴らしい景観は、専門スタッフの高い技術があってこそ。大人の足で30分ほどで見回れる広さですが、ほとんどの来場者は時間をかけてじっくりとバラを愛で、眼福のひとときを過ごしています。 つるバラを仕立てたパーゴラの全長は、なんと約80m。花つきのよい品種を組み合わせ、白からピンク、赤、アプリコット色など、ダイナミックな色彩リレーを楽しめます。晴れた日は抜けるような青空とのコントラストも楽しめるので、ぜひ思い出に残るフォトジェニックなシーンを撮影しましょう! 奥に見えるモニュメントは、パリ・バガテル公園にある「皇居のキオスク」を忠実に再現した建物で、「河津バガテル公園」のシンボリックな存在。小高い場所にあるので、シンメトリーにデザインされたバラ園を一望できるビュースポットとして人気です。キオスクの中にはベンチがあるので、休憩がてらしばらく座って眺めを楽しむのがオススメ。ただし、持ち込みできるのはペットボトルなどの飲料品のみです。ペット同伴はOKですが、リードをつけたり、糞の後始末をきちんとしたりといったマナーは守りましょう。 バラテイストのジュースやソフトクリームが人気のカフェでひと休みを 園内にはカフェが2店舗あります。写真は「河津バガテル公園」直営のカフェで、開園と同時にオープン、ラストオーダーは16時。客席は室内とテラスとで合計54席、テラス席はペット同伴OKです。軽食はバガテルカツサンド500円、エビピラフ、カレーピラフ各700円など、ドリンクはコーヒー、紅茶、アップルティー各400円、グラスワイン600円、ビール700円などがあります。 特に人気の高いメニューは、バラの香りが楽しめるバラソフトクリーム380円(左写真)とバラジュース500円、スパークリングローズ500円(右写真)です。 調香体験コーナーやバラ講習会も開催! 土産物店も充実の品揃え 「河津バガテル公園」では、調香体験コーナーも設けています。バラの香りに含まれる7種の香料を混ぜ合わせて、オリジナルフレグランスをつくります。体験時間は1回約30分で、10㎖で1,000円、20㎖で1,600円。通年行っており、予約なしで参加できます。 また、シュートの管理や病害虫対策、冬の剪定法など、バラの管理に関する講習会を、毎週土・日曜の11時から開催しています。1回完結スタイルの内容で約30分、無料なので、ぜひご参加ください。 園内にある土産物店の品揃えは、充実したラインナップ。バラジャムやローズヒップティー、バラ石鹸、バラをモチーフにしたハンカチなど200〜400種の雑貨類が揃い、お買い物を楽しめます。右の写真は、バラの香りが楽しめるオリジナルのバスパウダー200円。バラ苗も100品種以上を揃えており、価格帯は新苗が1,000円〜、大苗が2,800円〜です。
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岡山県

花の庭巡りならここ! 自然美にため息がこぼれる「深山イギリス庭園」
岡山県玉野市の市政60周年を記念して、2000年にオープンした英国式庭園「深山イギリス庭園」。ガーデンデザインはイギリスの著名な庭園技師、ピーター・サーマンさんが手がけました。彼は「深山イギリス庭園」の設計にあたって深山に3カ月滞在し、当地の気候を肌で感じたうえで、自然・環境との調和を目指した「20世紀の伝統的なイギリス庭園」をコンセプトに構想をまとめ上げました。7,500㎡の敷地は、大人がゆっくり歩いて1時間程度で観覧できる広さ。約200種8,000株の植物たちが四季折々に織りなす、豊かな景色をお楽しみください。 「深山イギリス庭園」は、カマクラヒバの生け垣で6つに区画され、6つのスタイルのガーデンがつくられています。ガーデンは、①「深山イギリス庭園」のシンボルのトリプルドルフィンの噴水を中央に配したウォーターガーデン(水の庭)、②イングリッシュローズを中心に集めたローズガーデン(バラの庭)、③夏花を集めたサマーフラワーガーデン(夏花の庭)、④明るい花色で演出したホットカラーガーデン(暖色の庭)、⑤白やシルバーの花や葉を集めたホワイトガーデン、⑥大きめの花弁をもつ太白桜が咲くグレイトホワイトチェリーガーデン(太白桜の庭)の6種です。 写真はウォーターガーデンのエリアにある休憩スペース。ガーデンテーブル&パラソルが4セット、ベンチが6つあり、飲み物のみ持ち込みOKです。 一番の見頃は5〜6月のローズガーデンが満開になる季節! 「深山イギリス庭園」のローズガーデンの見頃は5〜6月頃です。四季咲きのイングリッシュローズ、つるバラ16種類、約100株は、白、ピンク、黄色系の花色を中心に選び、宿根草と組み合わせてナチュラルに植栽されています。イングリッシュガーデンらしい華やかさと共に、空間に無限の広がりを感じさせるような、バラを仕立てたアーチのレイアウト術も見どころ。また、フォーカルポイントとしてつくられた噴水は、その賑やかな音で花が咲き誇る様子を表現。隣のウォーターガーデンが「静」なら、こちらは「動」で対比させています。発色のよい手前の赤バラは、‘L.D.ブレスウェイト’。 写真は、ローズガーデンを別角度から見た構図。奥に見える建物はイギリスの田舎屋風に建てられたパビリオンで、庭園のインフォメーションとして利用されるほか、アーチストの作品展示コーナー、絵葉書やハンカチ、ボトルフラワー、押し花、パンフラワー、書籍など、植物にまつわる雑貨ショップも併設されています。 旬を迎える花が、主役として輝くステージを随所にしつらえて 幅4m、奥行き12mのフジ棚には、紫のフジ、シロフジ、ベニフジ、ヤエフジ、ノダナガフジの5種類15株が植栽されています。開花時期に多少のずれはありますが、ほぼ咲き揃う5月上旬になると甘い香りが漂い、レースのカーテンのように花がさらさらとなびいて、それは見事なものです。フジの花言葉は「決して離れない」。カップルのフォトスポットにぴったりではないでしょうか? 左の写真はホワイトガーデンのエリア。高さ2.5mのアーチに、樹齢約20年のシロフジを沿わせ、ダイナミックに縦の空間を彩っています。奥に見えるシンボルツリーはオオデマリで、同時期に白い花をたわわに咲かせます。右の写真もホワイトガーデンの一角。オオデマリ、イングリッシュデージー、シロタエギク‘シルバーダスト’など、白花やシルバーリーフでまとめています。 モニュメントとエバーグリーンが織りなす、英国の伝統的な庭 写真のエリアは「彫刻の回廊」。ヨーロッパ独特の石灰岩ライムストーンを原材料に、動物の神や聖女をモチーフにした12体のモニュメントが整然と配置されています。英国の伝統的なガーデンに見られる、彫刻や鉢をシンメトリーにレイアウトする手法が見どころ。フォーカルポイントとなる槍状のオベリスクを奥に据えて奥行き感を強調し、中央にヤシモドキを植栽したゴシック調の飾り鉢を4つシンメトリーに配すことで、単に彫像を並べただけではない、景色の変化をもたらしています。見る方向や角度によっても印象が変わる、フォーマルな庭です。 四季を通して花々で彩られる「深山イギリス庭園」では、写真展やガーデニング教室、アフタヌーンティー、バグパイプ演奏が楽しめるイギリスフェアなど、さまざまなイベントも開催されています。あらかじめホームページでイベント内容をチェックして出かけるのもオススメです! Information 深山イギリス庭園 所在地:岡山県玉野市田井2丁目4490 TEL:0863-21-2860 http://www.tamano.or.jp/usr/miyama/ アクセス:JR岡山駅/30号経由宇野駅、渋川行バス40分/深山公園入口下車 瀬戸中央自動車道水島IC/車30分 オープン期間:通年 定休日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 営業時間:9:00~16:30(3月~11月)、9:00~15:30(12月~2月) 入園料:小学生100円、中学生以上 200円、65歳以上100円 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/






















