四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されるガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。

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2007年に開園した、島根県松江市立「松江イングリッシュガーデン」。イギリスからキース・ゴットさんをヘッドガーデナーに迎えて整備された、英国式庭園です。約1万㎡に及ぶ敷地は、「バラのテラス」「キングサリのアーチ」「ホワイトガーデン」「サンクンガーデン」「パーゴラの中庭」「噴水広場」「憩いの広場」「屋内ガーデン」「クロイスターガーデン」の9つにゾーニングされ、それぞれにテーマ性のある景色が楽しめます。そして特筆すべきは、これだけの規模の庭園で、行き届いたメンテナンスが施されながら、入場は無料だということ。四季を通して見どころが変化していく庭園にはリピーターが多く、地元の方々の憩いのスポットとなっています。

これぞイングリッシュガーデン!
洗練された植栽術にうっとり

毎年、豪華な花穂のデルフィニウムを主役とした、ランドスケープガーデンを制作しています。ゴールデンウィークが一番の見頃で、深いブルーや紫、白のデルフィニウムの株元には、ロベリア、セイヨウダイコンソウ、ブロンズ色のカラーリーフが美しいリシマキア‘ファイヤークラッカー’などが縫うように植栽され、ナチュラルな景色が魅力です。

「松江イングリッシュガーデン」では橋がかけられた水辺の景色も楽しめます。橋の左手に誘引された赤いバラは‘レッドメイディランド’、手前の房咲きのバラは‘バレリーナ’で、6月初旬の景色です。池にはスイレンが植栽され、初夏から開花を楽しめます。空や植物が映り込む水鏡を保つために、スイレンが繁茂しすぎないように、間引いたり花殻摘みをしたりと、定期的なメンテナンスをして景観を維持しています。

5月中旬〜6月中旬のバラの季節は見どころ満載!

「松江イングリッシュガーデン」の園内にはさまざまなバラが植栽されています。見頃は5月中旬〜6月中旬。ホワイトガーデンのアーチは高さ3.5m、奥行き4mで、白バラの‘クライミング・アイスバーグ’、‘オドラータ’がダイナミックに仕立てられています。このホワイトガーデンのアーチの一番の見頃は5月下旬〜6月初頭のわずか1週間ほど。この素晴らしい景色を写真に収めようと、タイミングをはかって何度も訪れる人もいるそうです。

一段下げてつくってあり、上から遠くまで一望できる沈床スタイル「サンクンガーデン」の一角。手前のピンクのバラ‘ピンクヘイズ’が満開を迎えています。19世紀終盤〜20世紀初頭の伝統的な英国スタイルの庭園を再現した園内には、トピアリーや生垣で縁取った、整形式花壇も制作。「松江イングリッシュガーデン」では、総じて約500種の植物が息づいています。

修景バラの‘レッドメイディランド’が園路を彩るランドスケープガーデンの一部。奥のガゼボには、ピンクのバラ‘アロハ’が仕立てられ、現在はガゼボを覆い尽くすほどに成長しており、人気のコーナーになっています。ガゼボの中に入って、香りのよいバラとして知られる‘アロハ’の芳香を楽しみながら、くつろぎのひとときを過ごせます。

宍道湖の借景を生かした、ビロードのように整備された芝生の庭。視界が開けて心地よく、春から秋にかけてはお弁当を広げてくつろぐファミリーの姿が多く見られます。

「松江イングリッシュガーデン」の開花リレーは次の通りです。セイヨウスイセンが2月下旬〜4月下旬、デルフィニウムが4月下旬〜6月中旬、藤棚にダイナミックに仕立てられ、スパイシーな香りが楽しめるシナフジは4月下旬〜5月初旬、キングサリが5月初旬〜下旬、ジギタリスが4月下旬〜7月上旬、バラが5月中旬〜6月中旬、ユリが6月中旬〜7月下旬、宿根サルビアが9月下旬〜12月初旬、紅葉が10月下旬〜12月中旬、クリスマスローズが1月上旬〜4月上旬。リピーターが多いのも納得です!

温室では展示会やコンサートなどのイベントを開催!

温室ではベンジャミンやアコウの大木、熱帯植物を見ることができます。庭園を取り囲むように、温室を兼ねた多目的ホールや回廊があり、展示会やコンサートなどのイベントも開催されます。

このほか、売店では、お菓子や地元のキャラクターグッズ、ガーデニンググッズ、花をモチーフにした雑貨などのお土産物が揃います。なかでもビスケットやクラッカー、チョコレートなど、イギリスをはじめヨーロッパから輸入されたお菓子が大人気だそうです。

併設するイタリアンレストランでコース料理を堪能!

「松江イングリッシュガーデン」では、ウェデイングパーティーも行える、イタリアンレストラン「レストランウェディングLaut」を併設。壁の一面がガラス張りとなっており、宍道湖を一望できるナイスビューを楽しみながら食事を楽しめます。ランチは11:30〜14:00、ディナーは予約制で18:00〜22:00、定休日は火曜です。

写真右はランチの一例。メニューはコースのみで、2,000、3,000、4,500円から選べます。旬の食材を使ったコース料理に舌鼓を打つ、贅沢なひとときを過ごしてみませんか?

Information

松江イングリッシュガーデン
所在地:島根県松江市西浜佐陀町330-1
Tel. 0852-36-3030
http://www.matsue-englishgarden.jp/

アクセス:出雲空港より車で約40分
JR松江駅よりバス「免許センター・朝日ヶ丘行き」約30分
一畑電鉄松江しんじ湖温泉駅より、一畑電鉄、出雲方面行きに乗り約5分
車で大阪・岡山方面より米子自動車道−山陰道(松江西ランプ下車)−国道9号線−宍道湖大橋−国道431号線(出雲方面へ)
広島方面より中国自動車道(三次東JCT)−やまなみ街道(尾道松江線)−宍道JCT−山陰道(松江西ランプ下車)−国道9号線−宍道湖大橋−国道431号線(出雲方面へ)

オープン期間:通年

定休日:無休、ただし年末年始(12/29~1/3)は閉園

営業時間:9:00〜17:30(4〜9月)、9:00-16:30(10-3月)

入園料:無料

Credit

取材&文/長田節子

ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。https://twitter.com/passion_oranges/

 

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