四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されるガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。

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約6万9300㎡の敷地を持つ「泉ボタニカルガーデン」は、1998年にオープンした、約1,500品種、約10万株の植物が息づく自然植物公園。宮城県七北田ダムに隣接する、自然豊かな里山の景観を生かした植栽は、山歩きを楽しむ感覚で四季を彩る花々の景色を観賞できます。この庭園を運営する母体は、ガーデン施工会社「泉緑化」で、元々圃場として利用していた場所を、市民の憩いの場として提供しようと、長年かけて整備してきました。樹木や草花はどれくらいの大きさに成長するのか、日陰ではどんな植物が育つのか、相性のいい植物の組み合わせ方など、個人庭園に参考になるモデルガーデンとしての役割も備えているといいます。プロの技がたくさん詰まった植栽術を見に、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。

四季の変化によって見どころが移ろう、
何度でも訪れたいガーデン

広大な敷地はエリアごとに区分けされ、それぞれに雰囲気の異なる見どころが設けられています。「ローズガーデン」「シャクナゲの斜面」「アヤメの湿原エリア」「エビネとヒメシャガの日陰」「カタクリとツツジの谷」「ガクアジサイの岬」「野草の枝道」「カルミアと東屋」「芝生広場」などのエリアがあり、季節の変化によって、見どころも次々と移ろっていきます。

5月上旬はチューリップが見頃で、約8,000球を植栽。毎年色の組み合わせを変えており、株元を彩るネモフィラなど一年草との組み合わせ方も参考になります。

里山の景色を生かしつつ、斜面を色で覆い尽くすように植栽されたシャクナゲのエリア。5月の2週目前後が見頃となり、サクラやヤマツツジも同じ頃に開花するので、春がいっぺんにやって来る北国ならではの風景を楽しめます。「この季節を待ってました」とばかりに、多くの方々が足を運んで特に賑わいを見せ、「最高の眺めが楽しめるハイキングコース」と親しまれています。

「泉ボタニカルガーデン」では、約400品種、約600本のバラが植栽され、6月中旬に見頃となります。写真は、手作りの木製パーゴラに仕立てた‘アンジェラ’の満開の様子。歩き疲れたら、パーゴラ下のテーブルとチェアで休憩ができます。園内にはたくさんの休憩スポットが用意されており、持ち込みでの飲食もOK。ゴミは各自持ち帰って、マナーを守りましょう。

職人さんが手作りした木製のアーチが何本も連ねられた小道は、幅約3m、奥行き約30m。ダイナミックなバラのトンネルは、赤の‘トラディション95’‘テス オブ ザ ダーバービルズ’‘LDブレスウェイト’、ピンクの‘スパニッシュ・ビーューティー’‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’‘ラウブリッター’、白の‘アイスバーグ’などと、花色を絞って優美に彩っています。

寂しくなりがちなアーチの足元には、キャットミントやアルケミラモリス、アリウム・ギガンチウム、ラムズイヤーなどの宿根草をボリュームたっぷりに植栽。アーチの庭への上手な取り入れ方のヒントになりそうです。

夏〜秋は植物の成長が著しく、
ボリューム感のある景色が広がる

バラの季節が終わると、ヤマアジサイやセイヨウアジサイなど、アジサイが主役の季節へとバトンタッチ。さらに梅雨があけて夏を迎えると、ルドベキアやヒマワリなどを中心に、黄色い花々がガーデンに輝きを与えます。写真左は8月上〜中旬の景色。写真右は夏らしいビビッドな色づかいで、草丈の高低差を生かした植栽術が目を引きます。少し標高が高いので、真夏も植物がへたらず元気いっぱいに咲き誇る姿が魅力です。

秋になると、背の高い宿根草が伸び上がってきて、ボリュームたっぷりの景観をつくりだします。写真は10月頃で、さまざまなセージがダイナミックに群植されたコーナーが見どころです。

また、10月のハロウィンの季節はマルシェが開催され、たくさんのさまざまなイベントが楽しめます。公式ホームページでは、季節ごとに音楽コンサートやワークショップなどいろいろなイベント情報が掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。

青空の下でいただく食事は、
いつもよりずっとおいしい!

「泉ボタニカルガーデン」内には、カフェ「Cafe Terrace Felicia」が併設されています。オープン時間は10:00〜16:00(ラストオーダー15:30)。4〜6月は無休、7〜11月は水曜定休。空が開け、風が頬をなでるオープン席が人気です。メニューはパスタ850円のほか、そば、うどん、丼ものがあり、季節によって変わります。オススメは手作りのケーキセット(ドリンクつき)850円です(写真右)。

ほかにも、ハンドメイド作家がつくる雑貨のショップや花苗・花木の売店があり、不定期でマルシェが立つなど、お買い物も楽しめます。

ペットも喜ぶ! 里山の景色を楽しみながらハイキングを

「泉ボタニカルガーデン」ではペットを同伴でき、一緒に園内のお散歩を楽しめます。リードをつけていれば、走り回ってもOK。これまで犬や猫、ウサギのほか、オウムまで来園したことがあるそうです。マナーとして、トイレの始末は各自で行いましょう。写真は「泉ボタニカルガーデン」看板犬のチェリーちゃん。園内の芝生広場に毎日のように出勤しています。

Information

泉ボタニカルガーデン
所在地:宮城県仙台市泉区福岡字赤下
Tel. 022-379-2698
http://www.izumi-green.co.jp/botanical/

アクセス:
仙台市地下鉄泉中央駅より 車で約30分
仙台泉I.Cより 泉ヶ岳方面へ車で約40分
仙台宮城I.Cより 国道48号線経由、国道457号線大和方面へ車で約40分

オープン期間:4月第2土曜日~11月第2日曜日

営業時間:9:30~17:00(最終入園は16:30)

入園料:大人500円、小学生100円、未就学児無料 会員パスポート(年内有効)1,000円 団体割引10名以上大人300円

Credit

取材&文/長田節子

ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。https://twitter.com/passion_oranges/

 

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