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千葉県
花の庭巡りならここ! 花々で彩られるレジャー施設「東京ドイツ村」
花に特化したレジャースポット 斜面を彩る壮大な花畑を見に出かけよう! 2001年にオープンした「東京ドイツ村」は、広さ91万㎡ (東京ドーム19個分)の敷地を持つ観光施設。四季を通して美しい花々で彩られる、花の名所としても知られています。春は菜の花、シバザクラに始まり、晩春にはキンギョソウ、ジギタリス、バラが見頃に。夏はヒマワリ、ペチュニア、バーベナ、もこもこのコキアで彩られ、秋はコスモスと真っ赤に紅葉したコキアが見どころになります。冬は壮大なイルミネーションが登場し、まばゆいばかりの光の演出は感動的です。 広い園内には、フラワースポット以外にも、さまざまなアトラクションやこども動物園、わんちゃんランド、パターゴルフ場などがあります。広くて移動に時間がかかるので、車に乗ったまま入園でき、目的地ごとに駐車場が整備されているのもユニークです。 「東京ドイツ村」はSNSでその魅力が拡散され、外国から訪れる人々は年間100万人にも上ります。飲食店は10店舗が入っており、和食、洋食、パン屋さんなど、食べ歩きも楽しい充実度。ショップではソーセージ、ドイツビール、バウムクーヘンなどドイツ由来の品々のほか、千葉県物産品も多数揃えています。 四季を通して花の絨毯が登場! 壮大な景色を背景に、ぜひ写真に収めよう 「芝桜の丘」では、5万㎡に25万株のシバザクラが植栽されています。見頃は3月下旬〜4月上旬。這うように茎葉を伸ばし、小さな花を株いっぱいにびっしりと咲かせて地面を覆い尽くします。傾斜のある広い敷地を生かした演出は壮観! 春色の絨毯を背景に、ぜひ写真に収めましょう。同じ頃に、菜の花の満開も楽しめます。 5月は、約1万㎡の敷地に3万5000株で彩るキンギョソウが見頃を迎える季節。写真は、パステルピンク、白、黄色の3色を組み合わせてドーム状に仕立て、一面をカラフルに彩った風景。毎年配色を変え、趣向を凝らした花のパレットが登場するので、リピーターも楽しみにしています。同じ時期にジギタリス、バラ、ギガンチウムも見頃に。さらにその先は、ユリへと咲き継がれます。 写真は「東京ドイツ村」の夏の景色。背景の建築スタイルもあいまって、異国情緒たっぷりですね。手入れの行き届いたグリーンの芝生がみずみずしく、縁取るようにヒマワリやバーベナ、ベゴニアなどが彩ります。もこもことしたフォルムが愛らしい、グリーンのコキアの群稙も必見です。芝生の中に入ってくつろぐこともできるので、お弁当やおやつを広げて休憩するのもいいですね(レストランへの飲食物の持ち込みはNG)。 グリーンのコキアが真っ赤に紅葉するのは、9月下旬〜10月中旬。2万株が植栽されており、コキアを目当てにやって来た多くの人々で賑わいます。斜面を生かして植栽され、面を彩る見せ方をしているので、とても写真映えがしますよ! 同じ時期に、ガーデンマムも見頃を迎えます。 「四季の丘」では、5,680㎡に300万本のコスモスが植栽されています。「秋桜」の別名の通り、秋を彩る代表的な花です。草丈1mほどのたおやかな花が秋風にゆらゆらと揺れる様子は、大変優美。花畑の中に整備された小道をゆっくり散策して、ピンクや白、赤紫、オレンジや黄色に彩られた景色を楽しみましょう! 冬はイルミネーションで幻想的に演出! 収穫体験は子どもと一緒に参加すると楽しい 11月〜3月は、ウィンターイルミネーションのイベントが開催されます。音楽に合わせてイルミネーションが変化する「光と音のショー」、全長70mにも及ぶ「虹のトンネル」、壮大なスケールの「3Dイルミネーション」は圧巻の一言。関東最大級の規模で、外国から訪れる人々からの人気も高いイベントです。 「東京ドイツ村」では、ここで育った野菜や果物の収穫体験も行っています。春はタケノコ、初夏はジャガイモ、秋はラッカセイ、サツマイモ、秋から冬にかけてはミカン狩りが楽しめて、料金はそれぞれに異なります。写真は、7〜8月以外ならいつでも楽しめるしいたけ狩り。子ども向けの食育に利用してもよさそうですね。 ドッグランのある「わんちゃんらんど」で犬と遊ぼう! 動物と触れ合える「こども動物園」も人気 写真は、敷地内にある「わんちゃんランド」。全面芝生の広大なドッグランがあり、夏期限定で「ドッグプール」が開放されます。利用料は1日800円、当日に限り再入場可能です。「わんちゃんランド」以外でのペット連れは不可となっているため、ほかのアトラクションを楽しみたい方に向けて、一時預かり(500円)も行っています。また「わんちゃんランド」には14匹がいて、ふれあい(500円)&レンタル(15分500円)も。都会でペットを飼えない方々の利用が多く、散歩体験が大好評です。 園内には「こども動物園」があり、動物との触れ合いや餌やり体験ができるので、子ども連れで訪れる方に人気です。モルモット、ヤギ、ヒツジ、リス、マーラなどが待っています。写真は、「東京ドイツ村」のマスコットキャラクター、マイクロミニブタです。スマイルが愛らしいですね! 「東京ドイツ村」内には、飲食店が10店舗入っているので、リピートして全制覇するのもアリ。写真は「レストラン・カフェテリア」の店舗で、バーベキューが楽しめるのがセールスポイントです。ドイツのソーセージ、「ミュンヘナーヴァイスヴルスト」1,290円、「オーバークライナー」1,290円は、ぜひ味わっておきたいもの。もちろんドイツ産生ビールや瓶ビールも充実していますよ! Information 東京ドイツ村 所在地:千葉県袖ケ浦市永吉419 TEL:0438-60-5511 http://t-doitsumura.co.jp/ アクセス:館山自動車道「姉崎袖ヶ浦IC」より約3km(約5分) オープン期間:通年 休園日:なし 営業時間:9:30~17:00(最終入園16:00) ※季節により変動あり 料金:大人800円、小人(4歳~小学生)400円 駐車場:約3,000台(1台1,000円) ※季節により変動あり 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 体験教室のプラン充実の観光ガーデン「田沢湖ハーブガーデン『ハートハーブ』」 ・花の庭巡りならここ! 世界一の藤棚が見られると海外からの呼び声が高い「あしかがフラワーパーク」 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。イギリス以上にイギリスを感じる庭 山梨・神谷邸 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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埼玉県
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪6 埼玉「フローラ黒田園芸」
ショップの目玉の一つ 来客の目を引く美しいサンプルガーデン シックでナチュラルな寄せ植えづくりで常に注目を浴びているスタッフの黒田健太郎さん。彼が花や雑貨で生み出す世界は透明感にあふれており、美しいものに敏感なガーデナーから絶大な支持を集めています。 そんな健太郎さんがつくるショップの見どころの一つが、“サンプルガーデン”。販売などの合間をぬって手入れしている、奥行きのある美しい庭です。季節を通して見どころが満載で、早春は瑞々しい葉が美しい宿根草や春咲きの球根植物、夏はインパクトの強いサルビアやダリア、カンナなどの宿根草、そして秋は落ち着いた大人色のキク科の花とグラス類など、季節の草花が競うように花壇を彩ります。 色鮮やかなのに自然に見えるのは、健太郎さんの計算によるもの。「植物は整然と揃えて並べて植えるのではなく、異なる草丈で高低差を出しながら植栽に凹凸をつけ、立体感のあるナチュラルな風景に見えるように工夫しています。植えたばかりの植物でも、植え込んでしばらく経過したように見えるよう、成長して枝が暴れたような苗を使うことが多いんですよ」と健太郎さん。草花のほか、コバノズイナやメギ、フィソカルパスなどの灌木を用いて、植栽にメリハリをつけています。 庭を盛り上げる数々のDIYも必見! サンプルガーデンや売り場を盛り立てているのが、小屋やあずまやなどのDIY。ツタが絡み、あしらわれた雑貨が見え隠れするさまは、こなれ感たっぷりでショップの見せ場の一つとなっています。これらは健太郎さんがデザインを考え、DIYが得意な社長さんがつくったもの。もともとは、高齢のお客様のために、休憩しながら花が選べるようにしつらえたものでしたが、今では絵になる点景物として、訪れた人の目を楽しませています。 かつては生産者だったからこそ 今にたどり着いた努力 「フローラ黒田園芸」は、かつてペチュニアやベゴニアなどをつくる生産農家でした。今から40年ほど前、生産した苗を社長さん(健太郎さんの父)が売り始めたのがショップの始まりです。そして数年後、健太郎さん兄弟が加わり、店はどんどんパワーアップしていきました。 もともとインテリアに興味があり、子どもの頃からおしゃれなインテリア雑誌などを眺めることが好きだった健太郎さん。そのせいもあって、学校卒業後は都内の観葉植物や花卉装飾を請け負う会社で老舗の料亭や高級紳士服店などの装飾に従事していました。当時会社には、スピーディーにきれいに装飾を行うタイプと、話術に長けたタイプの先輩2人がいて、彼らの動きがとても勉強になったといいます。 数年の修行から戻ってフローラ黒田園芸に入社。まず最初に取り組んだのは、「つくりすぎた苗や人気のない色の花苗をどうするか」ということでした。そこで修行で学んだディスプレイ感覚を生かし、人気のない花をディスプレイで魅力的に見せて、販売につなげることに注力。そうすることで、ただ店頭に並べるだけでは伝わらなかった花の魅力がお客様に届き、次々と手に取ってもらえるようになりました。そのとき健太郎さんは、ディスプレイ力が販売力に直結することを確信。これが今のショップの魅力につながる原点となります。 ショップが軌道に乗ると、苗の生産時に使っていたガラスハウスを店舗らしく改造。前面のガラスをレンガ積みのウォールに変えて、おしゃれな店構えにしつらえました。手を加えたのはほんの一部分ですが、イギリスのような雰囲気がほんのりと漂う空間に生まれ変わりました。 健太郎さん、社長であるお父様、弟の和義さんが数人のスタッフの協力を得て運営する「フローラ黒田園芸」。3人とも、何でも一通りできますが、得意分野を生かすために役割分担しています。健太郎さんは寄せ植えづくりや広報を、社長さんはDIY、和義さんは植物の仕入れを主に担当。それぞれの個性を尊重しながら、一丸となってショップを魅力的に見せる努力を重ねています。 売り場に点在する寄せ植えもチェック! 飾り方まで参考に 健太郎さんがつくる寄せ植えは、外の売り場に点在しています。ただ単にアレンジを並べただけでなく、雑貨と合わせてコーディネートも提案。「植物・コンテナ・背景」の3つの要素をしっかり考えることが重要だということが分かります。 建物内も見どころたくさん! グリーンや雑貨の使い方が学べる レンガの壁が印象的なガラスのハウス内は、インテリアグリーンや雑貨、資材売り場。こちらも屋外売り場同様、参考になるシーンにあふれています。これらのディスプレイを意識しながら店内を回れば、素敵なヒントがいくつも見つかります。 素敵なコーディネートの秘密は ドライフラワー使いにあり! 健太郎さんのコーディネートは、いずれも見る側の想像をかき立てる不思議な魅力をたたえています。例えば、深い森を思わせたり、フェアリーが出て来そうだったり……。ガーデニングの世界を超え、おとぎ話の世界に誘うような雰囲気があるのです。この独特な世界づくりに欠かせないのが、花壇の枝や実などを利用したドライフラワーです。 庭で咲いた花のうちドライフラワーに向くものは、はじめは切り花としてフレッシュを飾り、その後、枯れたものをドライとして生かすという健太郎さん。瑞々しい状態とは異なる魅力を放ってくれます。 ディスプレイで使うアイテムが並ぶ バックヤードも魅力的 園芸誌などから寄せ植えの取材・撮影依頼も多い健太郎さん。撮影時にアレンジと一緒に飾るアイテムにも、古びた雑貨やドライフラワーを多く使っています。これらのアイテムは、屋内の売り場の一角に無造作な雰囲気で並べられています。ややほこりをかぶったような雰囲気も味わいがあり、また一興。 社長さんが育てたおいしい実り。 ぜひ、お土産にどうぞ 「フローラ黒田園芸」では、店舗の周りにある畑で採れた収穫物が、花苗に交じってときどき店頭に並びます。冬季はショップの隣にある畑で穫れたミカンを販売。サツマイモや柿など季節の収穫物が並ぶことも。とてもお得な価格で、お土産に最適。 「フローラ黒田園芸」イチオシのグッズはコレ! ベンチプランター 健太郎さんがオススメするのは、社長さんお手製の「ベンチ型プランター」。コンパクトサイズで玄関先やベランダにぴったりです。植える部分がやや浅いので、小型の草花や多肉植物を育てるのに最適。色は9色ほどありますが、「手づくりなので、店頭にあったりなかったりします。興味のある方は、ぜひスタッフにお声がけください」と健太郎さん。大きさはワンサイズでW71.5×D32×H71cm。 抜群のコーディネートセンスで、地域密着型の園芸店を全国から人が集まる人気園芸店に成長させた「フローラ黒田園芸」。今もなお地域の人たちに愛され続ける理由は、近所の人が立ち寄りやすい“オープンな雰囲気”を常に意識しているから。家族経営の強みを最大限に生かし、アットホームな雰囲気が店内を包んでいます。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、JR大宮駅・北与野駅・埼玉新都心駅からバスで約10~15分。「円阿弥」下車・徒歩4分。 【GARDEN DATA】 フローラ黒田園芸 〒338-0007埼玉県さいたま市中央区円阿弥1-3-9 TEL: 048-853-4547 URL: http://florakurodaengei.com/ 営業時間:9:00~18:30春夏(3~10月)、9:00~18:00秋冬(11~2月) 定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・黒田健太郎さんに学ぶLesson3 数株で素敵に! シンプル寄せ植え&コーディネート ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア ・Junk sweet garden tef*tef*が教えるワンランク上の寄せ植えテクニック Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/黒田健太郎
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千葉県
花の庭巡りならここ! 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館…
3つのガーデンと屋内花壇、温室の熱帯植物が楽しめる 1996年に開館した「三陽メディアフラワーミュージアム(開館時の名称: 千葉市花の美術館)」は、敷地面積、約3ヘクタールで、ゆっくり歩いて1時間くらいで一巡りできる広さです。屋外の前庭・中庭・後庭、アトリウムガーデン(屋内花壇)や熱帯温室で構成され、年間約1,600種4万8000株の植物が育っています。温室の熱帯・亜熱帯植物、展示棟のアトリウムガーデンなど、天候に左右されない展示構成も魅力です。屋上庭園にはキッチンガーデンがあり、子ども連れの家族からは「スーパーに並んでいる姿しか知らない野菜が実際に実っている姿を、初めて見た」「野菜の花もきれい」といった声も聞こえてきます。 手入れが行き届いたガーデンは、年に数回の植え替えがなされ、いつ訪れても華やぐ景色に心浮き立ち、足どりも軽くなります。春は河津桜からスタートし、ポピー、初夏のバラ、アジサイ、ラベンダー、夏はヒマワリ、秋はダリア、コスモス、冬は寒咲きのナノハナ、クリスマスローズ、スイセンなどへと開花リレーがつながります。温室では、3月頃から咲くヒスイカズラが人気。季節の花が見頃を迎える時期に合わせて、「フラワーイースター」「ローズフェア」「ハーブウィーク」「ハロウィンパーティー」「フローラルクリスマス」など年9回のイベントを開催しており、足繁く通うリピーターも多く見られます。 前庭・中庭・後庭とゾーニングされ、 それぞれに異なるガーデンスタイルで魅了 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のエントランスには、ウェルカムフラワーが飾られているので、これを目印に、どうぞお入りください! 植え替えは年に4回実施しており、2色以上の花色を組み合わせた、華やかな寄せ植えがゲストを迎えます。上写真は初夏のエントランスの様子で、フラワーボックスを鮮やかに彩っているのは黄色とオレンジのナスタチウムです。 なお、屋外の庭はペット同伴で散策できます。館内へは、ペットをキャリーバッグに入れてファスナーを閉じていればOKです。 レストラン、アトリウム、温室に囲まれた中庭のナチュラルガーデンは、四方から眺めることができます。アトリウムから中庭に出られるので、車椅子でも散策が可能です。宿根草をメインに、一年草を添えて華やぎをプラスした植栽で、季節の移ろいを感じることができます。ところどころにガーデンテーブルと椅子が置かれており、屋内以外は飲食物の持ち込みOKなので、おやつを広げて一休みするのもいいですね。 後庭のローズガーデンでは、約200種300株のバラが楽しめます。ゲートには、3本のアーチに仕立てられた3種の‘ピエール・ドゥ・ロンサール’がお出迎え。フェンスやコテージにもさまざまなつるバラが彩りを添えます。「バラの海」と名づけられた花壇はバラと宿根草、一年草が奏でるハーモニーが見どころ。白、ピンク、赤、オレンジ、黄色、紫の6つの色別に、カラーコーディネートされています。 上写真のバラは‘ルノアール’。‘レオナルド・ダ・ビンチ’‘レンブラント’‘モネ’など芸術家にちなんだ名前のバラが植栽されている「バラの美術館」コーナーで見られます。 温室は熱帯植物に囲まれて、まるでジャングルのよう! 冬は、高さ23m、直径33mもの規模を誇る温室を、ゆっくりと見学してはいかがでしょう。温室内の滝の周りに生い茂るヤシやヘゴ、色鮮やかなハイビスカス、コチョウランのほか、パイナップルやバナナ、グァバなどの果樹も含む熱帯・亜熱帯の植物が約300種、3,000株植栽されています。 写真のように、ヒカゲヘゴやヤシなどは高さ10m以上にも達し(ダイオウヤシはなんと20m!)、まるでジャングルに入り込んだかのよう。ふだんはなかなか触れることのできない植物の姿を、観察してみましょう。 室内のアトリウムガーデン。写真の季節は冬で、一足早く春の花々を植栽。冬でも草花が爛漫と咲く景色は、花を愛するガーデナーはもちろん、訪れるすべての人々にとって何よりのサプリメントですね。 アトリウムガーデンは年6回、テーマを設けて模様替えしています。春は「イースターガーデン」、夏は「アドベンチャーガーデン」、秋は「ハロウィンパーティー」、冬は「フローラルクリスマス」など、季節によってガラリと雰囲気が変わりますよ! 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」のアトリウムガーデンの中でも人気が高いのが、多肉植物を使った箱庭の展示です。この展示はミュージアムのスタッフがデザインから作成。小さな家なども手づくりし、多肉植物を約100種類ほど使って美しい箱庭の景色をつくりだしています。写真は秋のハロウィンの季節に展示したもので、それぞれの季節に合わせて細かく模様替えされているんです! 夏は麦わら帽子をかぶった釣りをしているおじさんがいたり、冬には家の玄関扉に小さなクリスマスリースが飾られ、毛糸の帽子をかぶったおじいさんやおばあさんがクリスマスを楽しんでいたりと、ほっこりと心なごむ演出が見られます。 年間約40講座が開催されるカレッジは大人気 雑貨ショップやレストランも忘れずにのぞこう! 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内にある「花工房」では、さまざまなフラワーカレッジ(寄せ植えやクラフト教室など)を年間約40講座設けています。写真は、夏に開かれた子どもカレッジの陶芸教室。好きな葉を粘土に押しつけて型を取り、葉っぱのお皿などをつくっています。特に夏休みの子どもカレッジは大人気で、キャンセル待ちになることもしばしばです。 お土産ものを扱う売店もあるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。お花をモチーフにした雑貨が多数揃うセレクトショップでは、素敵な品々に目移りしそう。ハンカチや布巾、ホームフレグランスサシェなど500〜1,000円くらいの雑貨が人気で、手土産にちょうどいいですね。店頭では、鉢花も販売していますよ。 「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」内の休憩棟には、併設でイタリアンレストランもあるので、ちょっと一息を入れるのもいいですね。中庭に面した大きな窓から自然光が入る明るい店内で、ガーデンの花や緑を眺めながら食事を楽しめます。また、テラス席ではワンちゃん同伴OK。ワンちゃん用のメニューもありますよ! Information 三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館 所在地:千葉市美浜区高浜7-2-4 TEL:043-277-8776 https://sunsetbeachpark.jp/facilities/flower.html アクセス:公共交通機関/JR稲毛駅西口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園プール」行で「花の美術館」下車。または「高浜車庫」行で終点下車徒歩5分 JR稲毛海岸駅南口2番線バス乗り場より、海浜交通バス「海浜公園入口」行で終点下車徒歩5分 オープン期間:通年 休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日〜1月3日 営業時間:9:30~17:00 料金:大人300円 小・中学生150円(30名以上利用で団体割引有) 駐車場:550台 普通車:300円(3時間まで)、以降1時間経過ごとに100円、1日最大600円 ※プール開催中のみ1日600円 大型車:1日1回2000円 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」 ・神秘の色のヒスイカズラ、その魅力とは ・花好きさんの旅案内、シンガポール「ナショナル・オーキッド・ガーデン」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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神奈川県
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪3 神奈川「苔丸」
鎌倉の住宅街にある園芸ショップ「苔丸」を訪ねる 鎌倉駅からバスに乗り、長谷観音や大仏を通り越して揺られること約15分。緑豊かな住宅街の中のローカルなバス停で下車し、1~2分歩いたところに「苔丸」があります。ショップのシンボルツリーとなる大木のサクラが目印で、その奥に佇む古い平屋が店舗。どこか懐かしさ漂うノスタルジックな雰囲気が、訪れた人を奥へと誘います。 身近にあるものを使った 独創的なディスプレイが魅力 季節の草花が並ぶ店先の陰に隠れたショップのエントランスから、苔丸の世界が楽しめます。建屋の壁を利用して木を組んだ棚には、ノコギリやハサミなどの古びた道具類や、山に転がっているような木片や動物の骨などが、ディスプレイ。一見ガラクタに見えるようなものでも植物と巧みに合わせて、遊び心あふれる見ごたえのあるシーンをつくっています。丁寧なディスプレイからは、オーナーの細やかな人柄がうかがえます。 マニアも身震いする 珍奇植物がずらりと揃う 中庭の建物側に設置した手づくりのサンルーム内は、オセアニアやアフリカ、南米などのユニークな植物がずらり。マニアもうなるこの品揃えは、オーナーの赤地光太郎さんのこだわりの一つです。仲買い人を通すこともありますが、多くはプランツハンターである知人に依頼して入手したもので、一般的な園芸店には出回らないようなものばかり。珍奇植物を知らなかった人も十分楽しめる空間です。 冬の寒さが苦手な植物が多いので、2018年春にサンルームのような空間を製作。雨の日も、ゆっくり買い物ができます。 建屋の掃き出し窓を取り除き、木の素朴な扉を自身で設置。ちょっとした棚を付けて、盆栽のような仕立ての珍奇植物をかわいらしくディスプレイ。 ニュージーランドでの出合いを きっかけに、自身の世界が花開く 植物にまつわることなら大抵こなせるという器用な赤地さんは、もともと切り花業界の出身で、花の販売だけでなく室内装飾なども幅広くこなしていました。数年働いたのちに見聞を広めるべくニュージーランドに渡り、園芸店でアルバイト。そこのオーナーの独特なセンスと植物の世界の奥深さに触れた時間は、とても衝撃的で意義深いものだったといいます。その経験が赤地さんを大きく前進させ、‛苔丸’をオープンさせるきっかけとなりました。 今から約15年前に自宅から近い古い民家を借り、園芸植物や資材、切り花を扱う‘苔丸’をオープン。「好きに改装していい」という大家さんの好意で、さっそく知人の手も借りながら建物を大改造。ニュージーランドの体験をもとに、自由な発想でコツコツと自身の世界をつくり上げていきました。 もともとお母さまが自然な庭をつくっていたことから、植栽のセンスも備わっていた赤地さん。店の奥に広がる庭も見ごたえたっぷり、必見です。そよそよとした植物が多い植栽は、世界各地原産の植物が盛り込まれていているのに、とても自然な趣。茂みの中にさりげなく配した古道具などの雑貨類が庭におもしろみを与えていています。その気負いのない自然なスタイルが心地よさを生んでいるのか、ここ数年で庭づくりの依頼が急激に増加。「ここに植わっているものを使って、庭をつくってほしい」という依頼も多く、そのたびに植物が持ち出されるので、庭は頻繁につくり替えています。半年に1回のスパンで変わることが多いので、ショップを訪れるたびに新たな風景が楽しめます。 赤地さんの真骨頂! 創意工夫を凝らしたサンルーム 赤地さんがデザインを考え、知人に形にしてもらったというサンルーム。よく見てみると、大きさも雰囲気も違う窓枠が使われています。フランスの木製の窓やアイアンの窓、イギリスのステンドグラス、日本の古民家の扉など、どれも古くて味わいのあるものばかり。すりガラスも使われていましたが、見通しをよくするために透明のガラスに交換。また、レトロモダンなデザインのライトは、ノルウェーのプールサイドで使われていたものだそうです。雰囲気の異なるアイテムをしっくりと馴染ませながら味わいを出す空間づくりは、赤地さんだからこそなせる業といえるでしょう。 珍奇な植物だけでなく ナチュラルな草花も揃う 苔丸では、楚々とした山野草や草花も販売しています。これらは、赤地さんが自然な庭づくりをする際に、あるといいなと思うもの。花色は白や青、パープルが多く、ラインの細いものがメインです。古びた雑貨や構造物、野趣を感じさせる樹木などとナチュラルに調和する草花が選ばれています。 植物以外のアイテムも充実 ギャラリーのような陳列も魅力 雰囲気のある店内には、鉢や雑貨類が整然と陳列されています。アイテムはいずれも渋い雰囲気で、アイアン製のものは日本やインドなどの古い道具類がメイン。鉢はひとひねりしたデザインが多いので、個性的な植物と合わせれば、アートな世界が楽しめそう。 がらりと趣が異なる やさしく上品な雰囲気漂う切り花 生活全般を彩る提案をしている苔丸では、切り花も販売。花は白やライムグリーンをメインにした、シックでノーブルな印象のものが並びます。こちらは奥様がメインで担当。苔丸らしい渋い空間にマッチしつつ、女性的で上品なエッセンスも感じられる、ナチュラルなセレクトです。 より個性が際立つ ショップ兼作業場(アトリエ) サンルームに併設するやや薄暗い部屋は、アンティークや古道具が並ぶショップ兼クラフト用のアトリエ。古代の土器やインドの古い生活道具、ヨーロッパのアンティーク瓶などが個性的な植物に合わせて飾られ、不思議な世界を織りなしています。 かつて住居だったとは思えない空間。和風だった古い壁面には工事現場の足場で使っていたという長い木板を貼りつけ、山小屋のようにワイルドに仕上げました。庭側の掃き出し窓は取り外してアーチ状の出入り口を設け、スムーズな動線をおしゃれに確保。押し入れや天袋だった形跡が見受けられるものの、それがかえって面白みとして生かされています。思い切ったリノベーションを重ねた空間は赤地さんの感性が凝縮され、個性を表現するキャンバスになっています。 申し込みがやや困難 大人気のクラフト講座 アトリエでは、月の第1・3・4週目の木曜日、午前1回・午後2回の一日3回、クラフトの講習会が催されています。作るものはリースやスワッグなどが主で、その時の気分で選べます。花材はここにあるものから自由に選ぶことができ、でき上がりは人それぞれ。寄せ植えレッスンをお願いすることも可能です。少人数制で、すぐにいっぱいになってしまうそうなので、気になる人は事前に問い合わせを。 赤地さんイチ押しはコレ! 他ではまだ見られない植物 ベスト4 かなりマニアックで購入する人は限られてくるかもしれませんが、一見の価値ある植物4種をご紹介します。 見慣れない異国情緒漂う植物、昔ながらの素朴な草花、日常で使われていた味わいのある古い道具に、ひんやりとした質感の無機質な道具――古今東西、あらゆるものが混在し、独特な世界感が広がっている園芸ショップ「苔丸」。個性的だけどどこか懐かしさを感じる空間は、鎌倉山の立地と相まって、ここでしか感じられない居心地のよさがあります。ぜひ鎌倉観光を兼ねて訪れてみてください。アクセスは、鎌倉駅より鎌倉山行きバスで約15分、旭ヶ丘停留所下車徒歩約2分。 【GARDEN SHOP DATA】 苔丸 神奈川県鎌倉市鎌倉山2-15-9 TEL/FAX: 0467-31-5174 URL: http://www.kokemaru.net 営業時間:10:30~18:00 定休日:火曜日 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪2 東京・世田谷「toolbox世田谷」 ・小さな庭と花暮らし「苔の緑を楽しむ」 ・黒田健太郎さんに学ぶ 数株で素敵に! シンプル寄せ植え&コーディネートLesson1 Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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東京都
秋バラが咲き誇る都会のバラ園「神代植物公園」の歴史と見どころ
昭和36年から数々のバラの名花を植栽 神代植物公園のバラ園は、1961年(昭和36年)につくられました。歴史あるバラ園には、約400品種、5,200株のバラが植栽され、本園の整形式沈床庭園では、主にモダンローズを数多く見ることができます。また、その横には、野生種が植栽されたオールドローズ園や国際ばらコンクール花壇があります。 世界バラ会連合より「優秀庭園賞」が贈られた庭 2009年(平成21年)には、世界41カ国のバラ会が加盟する「世界バラ会連合」より、バラの育成、維持管理、展示様式が高い水準であると評価されたバラ園に贈られる「優秀庭園賞」を受賞しています。 かつての「日米親善のバラ園」の面影を今に伝える「本園」 「本園」内をゆっくり見て回っていると、高芯剣弁咲きのバラが多いことと、作出国がアメリカのバラが多いことに気がつきます。その理由は、1959年(昭和34年)に、アメリカ・ロサンゼルスより、同地の中央公園のバラ園で採取した約80品種のバラの接ぎ穂が「日米親善のバラ」として東京都へ贈られたことから縁ができたためといわれています。 1959年当時の名花であったハイブリッドティーローズやフロリバンダローズが東京都へ贈られ、「日米親善のバラ園」として、ここ神代植物公園に植栽されたとのことです。当時の日米親善のバラは、現在13品種が残っていて、2018年10月に訪れた時、ちょうどそのバラたちの咲く姿を見ることができました。 ‘フロリック’(F)1953年作出 ‘ワイルド・ファイアー’(F)1955年作出 ‘ヘレン・トローベル’(HT)1951年作出 ‘ピース’(HT)1945年作出 ‘クイーン・エリザベス’(Gr)1954年作出 ‘レディ・ラック’(HT)1956年作出 ‘レッドキャップ’(F)1954年作出 ‘ファンファーレ’(F)1956年作出 ‘リリベット’(F)1953年作出 ‘ヒート・ウェイブ’(F)1958年作出 ‘ルビー・リップス’(F)1958年作出 ‘グリーン・ファイヤー’(F)1958年作出 ‘ムーン・スプライト’(F)1956年作出 また、本園内では、1961年に植栽され、57年が経った現在も花を咲かせる‘クイーン・エリザベス’の古木も見ることが出来ます。 バラの歴史と系譜をたどる「野生種・オールドローズ園」 「野生種・オールドローズ園」に向かうと、春の一季咲きのバラが多いせいか、本園に比べて秋はひっそりとした雰囲気です。その中でも花を咲かせているバラたちは、中国原産で18世紀から19世紀初めにかけてヨーロッパへ持ち込まれ、ヨーロッパのバラたちに四季咲き性をもたらしました。 現在、当たり前のように、秋に多くのバラの花を見ることができるようになったのは、このバラたちのおかげだと、しばし見入っていました。ふと周りを見渡せば、秋には花を咲かせない一季咲きのバラたちも、ローズヒップという美しく可愛らしい置き土産を残してくれています。 世界中の育種家の未発表の新品種が並ぶ「国際ばらコンクール花壇」 こちらは、「国際ばらコンクール花壇」です。このコンクールは、1963年から始まり、以来毎年、日本国内や世界中の育種家から未発表の新品種を公募し、2年間の試作を行う中で、「公益財団法人 日本ばら会」の審査員が審査を行い、入賞花を選出しています。 本園の温室寄りの花壇には、歴代のコンクール入賞花が植栽されています。この‘クイーン・オブ・神代’(HT)は、2009年度コンクールの四季咲き大輪金賞受賞花です。2011年の開園50周年を記念して、名前を公募し命名されました。 秋は春よりも気温が低くなるため、バラの開花時間が少し長くなり、さらに寒暖の差で生じる花色の深みが加わって、何ともいえない美しさを感じる時が多くあります。春より濃く感じられる香りと共に、じっくりと一輪の花と向き合って観賞するには、秋はベストシーズンかもしれません。 ぜひ、秋バラの咲くバラ園へ出かけてみてください。
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神奈川県
横浜は「バラの街」! 3つのローズガーデンの魅力を紹介
花や緑が“ネックレス”のように人・街・時をつなぐ祭典 観光地として人気の横浜。近年はさらに横浜の豊かな自然を育もうと、「ガーデンシティ横浜」を目指す事業を推進しています。その中心的な取り組みとして展開されているのが、花と緑の祭典「ガーデンネックレス横浜」です。花や緑が“ネックレス”のように、人・街・時をつなぐというコンセプトで開催され、3月は桜、4月はチューリップ、5月はバラが、次々に横浜の各地を彩りました。異国情緒豊かな横浜の街並みとさまざまな植物たちが織りなす美しい景色は、地域の人々や観光客から人気を集めています。 横浜市の花“バラ”に出合える3つのガーデン バラは横浜の市の花であり、港の見える丘公園と山下公園にある次の3つのローズガーデンは、「ガーデンネックレス横浜」をきっかけに、異なるテーマでリニューアルされ、人々を魅了しています。 イングリッシュローズの庭 ご紹介する1つ目は、港の見える丘公園内にある「イングリッシュローズの庭」です。約120種、1,200株のイングリッシュローズが植栽されています。 “イングリッシュローズ”とは、イギリスの育種家、デビッド・オースチンが作出したバラの総称で、ブランド名でもあります。春の最盛期の後も繰り返し咲く性質をもった四季咲き性で、豊かな香りを持ち、とても人気があります。 こちらの庭では、イングリッシュ・ローズにさまざまな宿根草が組み合わされ、見事なハーモニーを奏でています。そして、庭の中央付近には、世界中で愛されている黄色の名花‘グラハム・トーマス’の回廊があります。この回廊に足を踏み入れると、バラに包まれ、きっと幸せな気持ちになりますよ。 香りの庭 2つ目は同じく、港の見える丘公園にあるバラ園「香りの庭」。バラを中心に、200種類以上の香りの植物が迎えてくれます。 こちらは沈床花壇で、周囲から一段低く、香りが溜まりやすい構造になっています。訪れるなら、特に香りがよい“ゴールデンタイム”とされる朝がオススメです。 バラは、ダマスク、フルーツ、ティー、ミルラの4つの香りに分類して植栽されていますので、ぜひこの庭でバラの香りの違いを体感してみてください。 未来のバラ園 そして最後は、山下公園にある「未来のバラ園」です。 近年、ドイツやフランスでは、環境への配慮から、無農薬で栽培できるバラの育種が盛んです。このバラ園も、自然環境を考えた未来のモデルガーデンを目指し、無農薬で栽培できる耐病性のあるバラを中心に植栽されています。これからバラを栽培してみたいと考えている人は、こうした耐病性のあるバラからお気に入りを見つけてチャレンジしてみてはいかがでしょう。 また、係留されている氷川丸を背景にしたこの庭では、まさに横浜ならではの素敵な景色も楽しめます。 「ガーデンネックレス横浜」は2019年も引き続き開催される予定で、5月には新たなバラのイベントも企画されています。 来年はどんなバラの花に出合えるのでしょう。今からワクワクしますね。ぜひ皆さんも足を運んでみてください。
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東京都
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪2 「庭道具屋 toolbox」
閑静な住宅街の中に小さな店を構える「toolbox世田谷」(2018年10月21日〜「庭道具屋 toolbox」として移転)。古い倉庫を都会的にリノベーションし、シンプルにしつらえた店内には、オーナーが厳選したガーデンアイテムがところ狭しと並びます。その商品の本格的な重厚感と豊富さに、初めて訪れた人はみな圧倒されます。 目利きのオーナーが現地で見つけた 世界の選りすぐりがズラリ 店内に並ぶアイテムは、イギリスやドイツ、フランスなど、ヨーロッパのものが中心。商品が美しく見えるよう、それぞれ専用のラックが設けられ、整然と展示されています。 ツール類はみな用途が異なり、形も大なり小なり異なっています。たくさんの中から自身が求めているアイテムを選ぶのは至難の業ですが、心配はいりません。ショップオーナーの黒田明雄さんが、工房やその国のガーデニング事情などの話も交えて、詳しく説明してくれます。各工房のこだわりの違いなどを知ると、品を選びやすくなるだけでなく、ガーデニングの楽しさがぐっと膨らむものです。 世界各国の本物に触れた経験が 「toolbox」の誕生につながる もともとエクステリア会社でエクステリア&ガーデンデザイナーとして活躍していた黒田さん。約5年間デザインに従事し、その後ポストやライトなどのガーデンエクステリアプロダクトの輸入・開発の部署を立ち上げました。世界のガーデンプロダクトを研究するために、イギリスやオーストラリア、ドイツ、北欧など、各国のガーデンショーや工房、メーカーなどに足を運んで、職人やデザイナーにも会い、技術、歴史などについても学びました。「イギリスのチェルシーフラワーショウやハンプトンコートのガーデニングショーは数えきれないぐらい行ったよ。当時は何もかもが珍しく、とにかく楽しかったね」。 もともと建築も含めてデザインの世界にいたというだけあって、あらゆるものを効率よく吸収しながら‘確かな目’を養っていきました。そして、今から約10年前に独立。自身の世界を集約させたショップ「toolbox」をオープンしたのです。 工房ごとに異なる個性を 国ごとに比べてみよう 以前は、イギリス製のガーデンツールがメインでしたが、最近はオーストリアやオーストラリア、オランダなどのツールも多数取り扱っています。最近、他国に生産を任せて安く量産するメーカーも増えてきたそうですが、ここで扱うものはいずれも、伝統的な製法で職人が丁寧に作った「ぬくもりを感じる逸品」にこだわっています。 上の写真はオーストリアのPKS Bronze社のもので、あたたかみのある輝きを放つ銅合金製。オーストリアの自然科学者・ヴィクトル・シャウベルガー氏の「銅合金の農具は土壌を改善し、農作物の品質を高める」という1950年の実験結果に基づいてつくられています。滑らかな取っ手部分はブナ材。 オーストリアの繊細な印象のものとは大きく異なり、がっしりとした印象があるオランダ・スネーブル社のガーデンツール。100年以上の歴史がある工房で、園芸農家の声を受けながら改良を重ねてきたツールです。材質はステンレス製で錆びる心配がなく、エッジがシャープで使いやすいのが特徴。握りやすい柄はタモ材など。 ハサミも充実のラインナップで、アメリカや日本、スイス製があります。切れ味はどれも甲乙つけ難い優れものばかりなので、握った感じや重さなど、実際に触れて好みのものを選べるのも、この店ならでは。さらにスイス製のフェルコのハサミは、すべてのパーツに分解してメンテナンスできるのが大きな魅力。バラの愛好家たちに支持されている理由が分かります。さすが精巧なモノづくりが得意なスイスの技ですね。 黒田さんがデザインした 秀逸アイテムも必見! エクステリア&ガーデンプロダクト開発業務をショップとは別に継続していることもあり、自身で手がけたオリジナルホースリールを販売しています。これは日本製で、重厚感のあるボディはアルミ合金。劣化しづらく長もち。3色のボディの色と装飾ディスクの種類も豊富でカスタマイズされています。さらに、「ノズルがずば抜けて優れているんですよ」と黒田さん。「水の勢いを調節しつつ、それを固定できる」という設計で、使っていて疲れません。この機構を採用した散水ノズルは、日本ではこの会社の製品だけです。 どれも素敵で目移りしてしまいますが、シックなカラーの「オリジナル(中段)」はクラシックな印象を、メタリックな輝きを放つ「コスモシリーズ(上段)」はモダンな印象があり、よく見比べると醸し出す雰囲気が異なるので、自庭に合ったものを選びましょう。 庭をおしゃれに見せてくれる アイテムも充実 プランツタグや麻ひもなど、植栽シーンを素敵に演出するために欲しいアイテムも充実。実用性と遊び心を兼ね備えたデザインに、眺めているだけで園芸意欲が膨らみます。「見映えも重視したい」という、オープンガーデンなどをしている方に特にオススメです。 緯度が高いことに加えサマータイムもあり、夏は夜遅くまで日が沈まないヨーロッパ。庭が広いだけでなく、職場が自宅から近い人が多い、蚊がいないなど、さまざまな条件が揃い、夜もガーデンで家族や友人と過ごす人が多いそうです。「だから、日本人よりも庭に居心地の良さを求めるんですよ」と黒田さん。おしゃれだけど飽きのこない庭をつくるためには、見映えのよい添景物が必須。ガーデンオーナメントだけでなく、バードフィーダーなどもデザイン的なものが求められています。 シーンづくりの参考にしたい! 洗練されたディスプレイ 小さなショップ空間を有効活用したディスプレイも見逃せません。天井や壁面を巧みに活用し、見ごたえたっぷりにコーディネートされています。店内の見通しや動線を妨げずに、ここぞという場所に強弱をつけて飾るテクニックは、やばりデザイナー出身の黒田さんだからこそなせる技。“商品の使い方が想像できるように”意識されたディスプレイは、ベランダやインテリアのコーナーづくりに大いに参考になります。 店内中央で目を引いた、吊り下げ型物干し。愛らしい絵柄のタネ袋や手袋を吊り下げて、空間を軽やかに演出しています。これは18~20世紀の頃、一般の家庭で使われていた伝統的なデザインの物干しの形をそのまま復活させた製品です。付属の滑車を天井に取りつけて、長いロープで本体を上下させるので、手の届かない高い場所にも設置が可能です。ハーブ&フラワードライヤーとして活用したり、インテリアのアイテムとしていろいろ使えそうです。 おしゃれなガーデンブーツを手に入れたら、ブーツラックにもこだわると、素敵に見せながらの収納が可能。ブーツを逆さに吊るすので、ホコリが入るのを防げます。ガーデンブーツはデンマークからやってきたイルセ・ヤコブセン社のもの。編み上げがおしゃれで、タウン用としても愛用できそうです。ラックは英国・クレモアミル社の3足かけられるもの。 階段の上の空間には、異なる形・素材のバスケットを組み合わせた、シンプルなコーディネート。表皮をそのまま生かした木の巣箱も合わせて遊び心を加えています。すっきりと素敵に見えるのは、色のトーンを揃えているからなのでしょう。木製のバスケットは英国・ロイヤル・サセックス社のガーデントラッグ。ワイヤー製のものはフランスのコンブリション社のワイヤーバスケット。スクエアのバスケットは、オランダ製と、ここも国際色豊かなコーナー。 繊細さピカイチ! 日本のアイテムにも注目 商品は、海外製品に限らず、日本製のものも並んでいます。繊細な技術と手入れを必要とする盆栽は、我が国が生んだ誇るべき文化。それを支える道具類も繊細であることが求められます。黒田さんはそこに着目し、盆栽用の華奢な銅製土入れや銅製熊手なども、多肉植物やミニ盆栽などの細かい作業にオススメのアイテムとして揃えています。 黒田さんイチ押しはコレ! ドイツ製の黄色いガーデンブラシ 50年程前からドイツでつくられているガーデンブラシ。ブラシ部分がカーブしているのが大きな特徴です。ブラシは固すぎず柔らかすぎないところがポイント。熊手とは違い、芝生に引っかかることなく落葉を掻き出してくれます。もちろん、レンガや石のアプローチの掃除にもオススメ。化学繊維なので劣化しづらく、庭の掃除が格段に楽になります。 世界にはさまざまなガーデンツールがあり、庭の楽しみ方も千差万別。一つの道具を通して異国の園芸文化のほんの一端に触れるだけで、ガーデニングの時間がぐっと楽しくなるものです。「toolbox世田谷」はそんな機会を与えてくれる場所。ぜひ、奥深いガーデニングの世界をのぞきに訪れてみてください。アクセスは、東急田園都市線・用賀駅から徒歩約10分。ご紹介の実店舗に並ぶツールは、ネットショッピングも可能なので、ぜひアクセスしてみてくださいね。 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪1 岩手・雫石「花工房らら倶楽部」 ・マーク・チャップマンさんもオススメ! デザイン性の高いガーデングッズ5選 【GARDEN SHOP DATA】 庭道具屋 toolbox 世界のこだわりのガーデンツールやアイテムを扱う、園芸ショップ。逸品がずらりと並ぶ品ぞろえに、本格派ガーデナーの熱い支持を得ている。2019年1月、世田谷・用賀から移転して、埼玉県越谷市にオープン予定。 住所:埼玉県越谷市恩間413-10 TEL: 048-971-7814/FAX: 048-971-7815 URL: https://www.rakuten.co.jp/toolbox/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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神奈川県
環境省『みどり香るまちづくり』を受賞したラベンダーの小径
公園から海まで約2km、草花が咲き香る散歩道 藤沢市の北部から、南にある相模湾に向かって流れる引地川沿いには、ウォーキングを楽しむのにうってつけの緑道が整備されています。そのうち、川沿いにある長久保公園から海までの約2kmにわたっては、ラベンダーに加え、ローズマリーやセージ、ハニーサックルやシャリンバイなど、香りのよい植物が多種植えられて、ことさら楽しみの多い散歩道です。 2014年、長久保公園を管理する「公益財団法人 藤沢市まちづくり協会」は、環境省が主催する第9回『みどり香るまちづくり』企画コンテストに、この香りあふれる散歩道の植栽企画を応募し、見事入賞を果たしました。そして翌年、「ながくぼグリーンサポーターハーブ部会」に属する市民ボランティアの協力で、約2㎞に及ぶ川沿いの花壇に苗の植えつけが行われ、香りの小径が実現したのです。 五感で楽しむ散歩道に込められた思い 雑草取りなどの日頃の管理は、総勢80名ほどが所属する市民ボランティアによって、3年に渡り行われてきました。植えたばかりの頃はとても小さかったラベンダーも、今では大きく生長し、遠くまでラベンダー色に染まるほどの見事な香りの小径となっています。この小径は、ラベンダーを見るだけに止まらず、香りを嗅いだり、風にそよぐ音やハチの羽音を聞いたり、手に触れるなど、五感すべてで味わうことができる場所。企画者と管理者による“植物をより身近に感じてほしい”という願いが込められています。 満開を迎えたラベンダーの小径には、どこから来たのか、驚くほどたくさんのミツバチやクマバチが、蜜を集めようと飛び交います。首都圏の市街地であるこの辺りは、普段これほど多くのハチを見かけることはありません。軽やかなミツバチの羽音を聞いていると、この小径が地域の生態系を守る、一助となっていることを感じます。 収穫したラベンダーでクラフトづくり 植え込みから3年が経過し、立派に咲くようになったラベンダー‘グロッソ’の花は、クラフトづくりの材料として収穫できるまでになりました。収穫時の6月、長久保公園では、ながくぼグリーンサポーターハーブ部会の会員でJHS上級ハーブインストラクターの池田貴美子さんを講師に招いて、市民向けのラベンダーバンドルズ講習会を開催しています。バンドルズとは、ラベンダーの束にリボンを編み込んでつくるクラフトのことで、作業をしていると部屋中が花の香りに満たされます。癒し効果もたっぷりの、楽しい香り体験です。 近隣の小学校に広がる香りの輪 ラベンダーバンドルズづくりの講習は、2017年からは近隣の小学校のPTAとの連携によって、児童向けにも行われるようになりました。この日参加したのは、高学年の児童30名ほど。「みなさん、ラベンダーを知っていますか?」。ボランティアで講師を務める、アロマテラピストの角本久美さんが、子どもたちに語りかけます。 それぞれ好きな色のリボンを選んで、児童のバンドルズづくりが始まりました。ながくぼグリーンサポーターハーブ部会のボランティアが側について、手ほどきします。子どもたちはみな熱心に、そして、器用にリボンを編み込んでいきます。 教室に広がるラベンダーの香りにうっとりする子もいれば、「うちの親はこの香りが苦手なんだ」と残念がる子もいます。中には、持ち帰ったバンドルズを家族中が喜んで、ラベンダーを庭に植えることにした、という子もいました。フレッシュな花の香りに触れることは、子どもたちの「植育」にもなっています。 *ラベンダーバンドルズのつくり方はこちら 取材協力: 公益財団法人 藤沢市まちづくり協会 http://f-machikyo.or.jp/ 藤沢市長久保公園都市緑化植物園 https://nagakubokouen.jp 角本久美 Herb & Aroma Kumincure主宰 https://ameblo.jp/kumincure/ 併せて読みたい ・‘ハーブの女王’ラベンダーの香りの楽しみ方 ・ガーデンセラピー活動レポート〜憩いの場となる屋上庭園づくり〜 Credit 写真&文/ 萩尾昌美 (Masami Hagio) 早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。ガーデン及びガーデニングを専門分野に、英日翻訳と執筆に携わる。世界の庭情報をお届けすべく、日々勉強中。20代の頃、ロンドンで働き、暮らすうちに、英国の田舎と庭めぐり、お茶の時間をこよなく愛するように。神奈川生まれ、2児の母。
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神奈川県
世界バラ会連合会議で「横浜イングリッシュガーデン」が栄誉ある賞を受賞!
2018年は世界バラ会連合発足50周年の記念の年 1968年にイギリス、ロンドンにて発足し、今年で50周年を迎えたバラ愛好家たちの世界的組織「世界バラ会連合(The World Federation of Rose Societies ※以下WFRS)」は、バラに関する知識や情報交換などを目的として、会議や展示会を行い、3年に一度、バラの歴史が長い国・都市で「世界バラ会連合会議(World Rose Convention)」を開催し、「バラの栄誉の殿堂」や「優秀庭園賞」などの賞の付与なども行っています。発足50周年となる2018年は、6月28日~7月4日にデンマーク・コペンハーゲンを開催地として大会が行われました。 大会で注目される権威ある賞「バラの栄誉の殿堂(Rose Hall of Fame)」 大会で授与される注目の賞の一つである「バラの栄誉の殿堂」は、世界中のどの環境でも育てやすいことや、誰が見ても美しい品種であること、多くの国で長く愛されていることなどが審査基準となり、第1回の‘ピース’をはじめ、‘アイスバーグ’や‘ニュー・ドーン’、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’など、日本でも人気がある品種が多数選ばれています。 2018年に「バラの栄誉の殿堂」に選ばれたのは、2000年にアメリカのラドラー氏によって作出された‘ノック・アウト’です。バラにとってダメージとなる黒星病やうどんこ病に強い抵抗力があり、地域によっては無農薬栽培で育てることができるほど耐病性に優れています。また、春から晩秋まで咲き続けるブッシュローズ(木立性)で、バラには珍しく花がら摘み以外のメンテナンスが少なくてよいので、バラ栽培の初心者だけでなく、公共空間の景観をつくるバラとしても活用されています。 優れた庭園に贈られる「優秀庭園賞」 大会で授与される「優秀庭園賞」は、数あるローズガーデンの中から、歴史的、教育的、景観的な各視点により特に優れた庭園に贈られるもので、庭園としての美しさに加え、メンテナンスの質がよいことや、学術的に価値がある品種を栽培しているなどの総合的な評価により選ばれます。 「優秀庭園賞」の表彰は、1998年からスタートし、2018年開催のコペンハーゲン大会までで世界各地の64カ所の庭園が受賞。日本では、岐阜県「花フェスタ記念公園」、広島県「福山市バラ園」、大阪府「靭(うつぼ)公園」、東京都「神代植物公園ばら園」、千葉県「京成バラ園」、千葉県「佐倉草ぶえの丘バラ園」、静岡県「アカオハーブ&ローズガーデン」の7つの庭園が受賞してきました。 日本で8つめの「優秀庭園賞」は神奈川「横浜イングリッシュガーデン」 日本ばら会から推奨を受けたWFRSのケルビン・トリンパー会長とヘルガ・ブリシェ元会長は、2017年11月に横浜イングリッシュガーデンを視察訪問しました。その際、ケルビン会長からあがった評価点は以下の項目でした。 6,600m² と小さな庭園であるが、バラだけでなく数多くの花木や宿根草、一年草などが組み合わされた美しいデザインである。 オールドローズ、つるバラ、シュラブ、各種の四季咲き性のバラや野生種のコレクションは、1,800品種を超え、どれも良好な生育をしていて、管理水準が非常に高い。 自国品種の保護の観点からも、その中に500種以上の日本のバラのコレクションが含まれていることは、とても素晴らしい。 品種プレートは正確に表示されていて、来園者にも分かりやすくなっている。 季節のテーマに合ったプログラムや子ども向けの教育プログラムを運営している。 これらの評価により見事受賞となった神奈川「横浜イングリッシュガーデン」から、2012年よりスーパーバイザーとしてガーデンデザイン、植栽管理を行っている河合伸志さんが、デンマーク、コペンハーゲンへ駆けつけ、第18回「世界バラ連合」、「優秀庭園賞」授与式に出席しました。 これまで「優秀庭園賞」を受賞してきた世界各地の庭園に、「横浜イングリッシュガーデン」が仲間入り。WFRSのホームページ内「Award of Garden Excellence」でも紹介されています。 この度見事受賞となった「横浜イングリッシュガーデン」では、先にご紹介した「バラの栄誉の殿堂」入りのバラも多数見ることができます。 横浜イングリッシュガーデンの一年を追った『横浜イングリッシュガーデンの四季【花巡り・ガーデン案内 〜神奈川〜】』の記事もご覧ください。
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群馬県
花の庭巡りならここ! 四季折々の花が紡ぐように咲く美しい森「赤城自然園」
「赤城自然園」は、「豊かな森を次世代に引き継ぐ」を理念に、約40年前から植生に手を入れて整備されてきた森です。60haもの広大な敷地は、「自然生態園」「四季の森」「セゾンガーデン」の3つにゾーニングされており、すべてを巡るには、大人の足でゆっくり歩いて2時間くらいかかります。 園内の森には、花木や山野草、宿根草、球根植物が絶妙なバランスで植栽されており、四季折々の開花リレーでつながれて、いつ訪れても見頃の花に出合えます。多くの植物の中でも改良された園芸品種は取り入れず、森の中でこそ映える在来種の楚々とした魅力を味わえるのも特徴。植物園や観光ガーデンとは趣が異なり、人工的な添景物を排した自然そのものの景観が、この「赤城自然園」の魅力です。ハイキングに出かけるつもりで、野鳥の声にも耳を傾けつつ、四季折々の花の景色を楽しみましょう。 12万球を超えるカタクリが群れ咲く姿を堪能! 5月はツツジやシャクナゲで華やぐ景色に 5月になるとツツジやシャクナゲをはじめ、たくさんの花が咲き競い、特に華やぐ季節です。「赤城自然園」は標高600〜700mで、低地と高地の中間くらいの環境。そのため、高地で見られるシラネアオイやオオヤマレンゲ、低地で見られる12万球を超えるカタクリなどが共生する景色を楽しめます。 「赤城自然園」の植物は、大本類152種、草本類510種が確認されています。ほかに鳥類77種、哺乳類15種、昆虫類が1,810種など。 新緑の季節は雑木林の緑陰の下を歩くのはすがすがしく、植物の息吹からヒーリング効果を得られることでしょう。整備された遊歩道は約10㎞に及んでいますが、それほど疲れを感じません。なぜなら、アスファルトではなくバークチップ(木の皮)が敷き詰められているため、ふかふかの感触で足あたりがよいからです。ぜひ歩きやすい服装&靴を着用し、時間を忘れて散策を楽しみましょう。 一日2回開催されるガイドツアーは内容充実! 子どもと一緒に生態系のサイクルを学ぼう 「赤城自然園」では、毎日ガイドツアーが行われています。一日2回の開催で、スタート時間は10:00と13:00、無料です。15名定員で、当日の台帳に申し込んだ順の早い者勝ちなので、参加希望の方はお早めに。約1時間かけて園内を散策し、見頃の花をはじめ鳥や昆虫などについても詳しく解説してもらえます。季節やガイドをするスタッフによって解説内容も変わるので、何度参加しても楽しめますよ。 7月中旬〜8月上旬になると、アジサイ類が見頃を迎えます。アジサイは、さんさんと日差しが照りつける日向よりも、雑木の足元など半日陰のしっとりとした場所でこそ魅力が増すもの。適した環境でのびのびと生育するアジサイの姿を見に出かけましょう。夏は希少で人気が高く、「森の妖精」と呼ばれるレンゲショウマが園内全域で観られるのをはじめ、ヤマユリやキツネのカミソリ、カワラナデシコ、キキョウなどが次々と開花し、その清楚な花姿を楽しめます。 お子さんのいる家族なら、夏休みを利用して園内の「自然生態園」ゾーンをじっくり回ってはいかがでしょうか。「昆虫広場」や「昆虫館」「カブトムシの森」「チョウのはらっぱ」「トンボ池」「ミズスマシの池」などがあり、生態系のサイクルを学ぶことができます。「赤城自然園」には年間約8万人の来園者があり、毎週のように訪れるリピーターもいるとか。自然に触れる機会が少なくなっている現代、手入れの行き届いた豊かな森で、子ども時代の思い出を重ねていくのに理想の場所ではないでしょうか。 秋の山野草に、紅葉が織りなす色鮮やかな絶景 深まっていく秋の景色を満喫しよう 秋はオミナエシ、ワレモコウ、ツリフネソウ、キバナアキギリ、フジバカマ、ホトトギスなどが次々と開花をつなぎ、オータムカラーのしっとりとした風情を楽しめます。初秋には、1,000㎞以上も移動するといわれるチョウ「アサギマダラ」が数千羽もやってきます。その生態はいまだよく分かっておらず、「赤城自然園」では毎日マーキング調査を実施。そのマーキング体験も、期間中は毎日無料で参加できます。美しいチョウの姿を子どもと一緒に観察するのもいいですね。 そして森の景色が黄色や赤に染まる紅葉の見頃は10月下旬〜11月中旬。少し標高の高い場所ならではの、発色の素晴らしい紅葉シーンをぜひ写真に収めてください。 備え付けられたベンチに座って、鮮やかな紅葉を心ゆくまで眺めていたいところですが、「赤城自然園」内には、レストランやカフェなどの飲食店は入っていません。飲食物の持ち込みはOKなので、ハイキングに出かけるつもりで、各自飲み物やお弁当、おやつを持参しましょう。飲食できるのは、6カ所の休憩広場、9カ所の東屋です。ゴミは各自持ち帰ることも忘れずに。園内へのペット同伴は不可、禁煙です。 「赤城自然園」では、12月〜翌年3月の冬季期間中も、土・日曜のみオープン。雪景色の森のなか、野鳥や動物たちがたくましく生き抜く姿を見ることができます。年間パスポートが3,000円で発行されているので、四季を通して出かけるのもオススメです。 Information 赤城自然園 所在地:群馬県渋川市赤城町南赤城山892 TEL:0279-56-5211 http://akagishizenen.jp アクセス:公共交通機関/JR渋川駅よりシャトルバス、またはタクシーで約20分 車/関越自動車道赤城I.Cより約10分 オープン期間:通年 休園日:火曜(5月は無休)、12月〜翌年3月平日、年末年始 営業時間:9:00〜16:30(最終入園15:30) 料金:大人(高校生以上)1,000円、子ども(中学生以下)無料 駐車場:400台(無料) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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茨城県
花の庭巡りならここ! 広大な敷地でダイナミックに花が咲く「国営ひたち海浜公園」
広大な敷地を誇る都市公園「国営ひたち海浜公園」 1991年にオープンした「国営ひたち海浜公園」は、総面積が約350ha、開園面積が約200haにも及ぶ、広大な都市公園です。園内では四季を通してさまざまな花々が咲くほか、林間アスレチック広場やバーベキュー広場(要予約)、乗り物やアトラクションが充実しているプレジャーガーデン(遊園地)、サイクリングコース、自然観察ができる場所などがあります。一日いても全ては回りきれない広さなので、訪れたい場所はどのエリアか、園内マップを参照し、ターゲットを絞ってから出かけるのがオススメです。 敷地の広さを生かして季節の草花を群稙し、ダイナミックに面で魅せるのがこの公園の特徴。特に春のネモフィラと夏〜秋のコキアは、もはや誰もが知る人気スポットになっていますね。2017年度は約227万人が訪れたという実績があり、花好きさんにとっては何度でも見に行きたい花の名所になっています。 春はネモフィラが有名ですが約25万本のチューリップも見逃さないで! 「国営ひたち海浜公園」では、なんと真冬の1月からチューリップが開花します。これらは「アイスチューリップ」と呼ばれる、特殊な方法で冷蔵処理した球根を植え付けたものです。アイスチューリップは真冬に開花し、開花期間が大変長いのが特徴で、「グラスハウス」前の池のほとりに約1万5000本が咲き競います。ガーデナーにとって、花が咲く姿に飢えている冬。ぜひアイスチューリップに癒されに出かけ、春の訪れを楽しみに待ちましょう。 「国営ひたち海浜公園」の春の見どころは、なんといってもチューリップ。見頃は4月中旬〜下旬です。「たまごの森フラワーガーデン」では、約240品種25万本のチューリップが開花。毎年さまざまな品種を楽しめ、リピーターも多いとか。早咲きと遅咲きの品種を組み合わせて植栽し、時間の経過とともに変化するよう工夫されています。 「国営ひたち海浜公園といえば、ネモフィラ」。そんなイメージが定着してきましたね。見頃は4月中旬〜5月上旬。園内の「みはらしの丘」に、ネモフィラ‘インシグニスブルー’が約450万本植栽され、一面がブルーで彩られます。空と海、そしてネモフィラのブルーに囲まれたすがすがしい景色を、ぜひ一度は味わいたいものです。 「国営ひたち海浜公園」内にある「常陸ローズガーデン」では、約120品種3,400本のバラが植栽されています。見頃は春が5月中旬〜6月上旬、秋が10月下旬〜11月上旬です。写真の「ローズレリーフガーデン」は、園路によって一輪の大きなバラを表現。大観覧車から眺めると、目を引くデザインポイントになります。また、バラの原種の一つのハマナスは、茨城県が太平洋側の自生地の南限ということもあり、約1,600本が植栽されています。 バラが見頃を迎える期間は「茨城バラまつり」を開催。ガイドスタッフによる解説が聞ける「常陸ローズガーデンツアー」が行われるほか、フォトレッスンやコンサート、バラにまつわるクラフト体験など、さまざまなイベントに参加できます。 また、バラと同時期に「BMXコース周辺」のカリフォルニアポピー、「大草原フラワーガーデン」のリナリア、シャーレーポピーが楽しめるので、これらのエリアへもぜひ足を運びましょう。 夏はヒマワリ&もこもこコキアを満喫!秋は紅葉して真っ赤に染まるコキアの丘が大人気 8月中旬には、ヒマワリが見どころに。「みはらしの里」では約4,700㎡の敷地に咲く約3万本のヒマワリが楽しめます。「ヒマワリの迷路」がつくられているので、ゴールを目指してヒマワリ畑の散策を楽しみましょう。一方、「泉の広場フラワーガーデン」では、40品種ものヒマワリを植栽。色、形、大きさなど、育ててみたいヒマワリを見つけに足を運ぶのもオススメです。 7月上旬頃は、「国営ひたち海浜公園」の「みはらしの丘」に約3万2,000本が植栽された、グリーンのコキアが見られます。このモコモコっぷり、なんだかカワイイと思っちゃいませんか? 青空をバックに、たくさんのグリーンのモコモコと一緒にぜひ写真を撮りましょう。インスタ映えすること間違いありません! 8月中旬から約1週間の期間限定で、コキアが見られる「みはらしの丘」エリアのみ夜間開園が行われます。楽しいBGMが流れる中、LEDによるカラフルなライトアップが見どころ。毎年テーマを設けて繰り広げられる、光と音楽の演出を堪能しましょう。さまざまな屋台が現れる、グルメブースの特設会場にもぜひ寄り道を。 そして、コキアが本領を発揮するのが10月中旬から。グリーンから、なんと真っ赤に紅葉するんです。なだらかな丘一面が真っ赤に染まる景色は一見の価値あり。ぜひ秋のコキアを見に出かけましょう。同時期に、赤、白、ピンクのコスモス、ススキ、オギなど、楚々とした秋の花も見頃になります。 広すぎる園内では、周遊する「シーサイドトレイン」の活用を!オシャレなレストランやカジュアルなカフェも充実 「国営ひたち海浜公園」では、園内9カ所の停留所を周遊する「シーサイドトレイン」が運行しています。3歳以上が有料で一人600円の一日周遊券を購入すれば、乗り降り自由で乗り放題。敷地が大変広いので、普段あまり歩き慣れていない方にはオススメ。1周約40分かけて回るので、まずは「シーサイドトレイン」で園内をぐるりと巡って、見たい場所の目星をつけるのもいいですね。ただし、ペットの同伴は不可となっています。 「国営ひたち海浜公園」内には、レストラン1店舗、軽食店(飲食スタンド・カフェ)が7店舗入っています。写真は、海が見えるガラス張りのカフェテラス、グラスハウスの「Sea Side Café」。営業時間は9:30〜閉園1時間前まで(季節によって異なる)、ラストオーダーは閉園1時間15分前まで。 「Sea Side Café」のメニューには、「グラスハウスのそばめし」(800円)や「グラスハウスのエビピラフ」(800円)、シフォンケーキ(650円)、常陸野ハニードーナッツ(450円)、花をイメージしたソフトクリーム(620円)、ネモフィラをイメージしたアイス(550円)などがあります。 ちなみに、園内では飲食店が充実していますが、飲食物の持ち込みもOK。青空の下でお弁当やおやつを広げて、休憩するのもいいですね。 Information 国営ひたち海浜公園 所在地:茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4TEL:公園029-265-9001 バーベキュー広場予約029-265-9002 プレジャーガーデン(遊園地) 029-265-8185http://www.hitachikaihin.jp 英語サイト: https://hitachikaihin.jp/en/ アクセス:公共交通機関/JR常磐線「勝田駅」東口より、バスロータリー2番乗り場茨城交通バス「海浜公園行き」にて約15分(タクシー15分)、「海浜公園西口」または「南口」下車すぐひたちなか海浜鉄道湊線「阿字ヶ浦駅」下車、徒歩約20分(海浜公園南口)車/東京方面:常磐自動車道~(友部JCT)~北関東自動車道経由、常陸那珂有料道路「ひたち海浜公園IC」より県道247号線 約1㎞いわき方面:常磐自動車道「日立南太田IC」より約15㎞ 休園日:月曜(祝日にあたる場合は翌日の火曜)、12月31日、1月1日、2月の第1火曜日からその週の金曜日まで ※但し、3月26日~5月31日、7月21日~8月31日、10月1日~10月31日、12月25日~30日は無休 営業時間:9:30~17:00 ※但し、夏期7月21日~8月31日は18:00まで、冬期11月1日~2月末日は16:30まで 料金:大人(高校生歳以上)450円、シルバー(65歳以上)210円、小人(小中学生)無料 ※のりもの券は別途料金 駐車場:4,350台(普通車510円/1日)
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神奈川県
横浜とバラの歴史を刻み続ける「港の見える丘公園」
バラが最もふさわしい場所 2016年(平成28)4月に、バラ園がリニューアルされた横浜・山手の「港の見える丘公園」には、現在、約330種2,200株のバラが植栽されているそうですが、元々こちらの公園にバラが植えられたのは、1962年(昭和37)のこと。「港の見える丘公園」内にあるイギリス館に合わせて、イギリスの国花であるバラが植えられました。そしてその後、開港130周年にあたる1989年(平成1)、市制100周年を記念して、市民投票で一番人気が高かったバラを横浜市の花として制定したことに加え、最もバラがふさわしい場所として「港の見える丘公園」が選定されたのでした。 バラが最もふさわしい場所とは、一体どんなところなのでしょうか。今回は、その「港の見える丘公園」についてご紹介します。 横浜とバラの関わりを知る歴史 「バラが最もふさわしい場所」をひもとくには、横浜の歴史に目を向けることが大切です。まずは、横浜とバラの歴史の年表をご覧いただきましょう。 1859年(安政6)7月1日、横浜港開港。 1867年(慶応3) 山手地区が外国人居留地(きょりゅうち)として開放され、西洋館の街が完成 居留地制度は1899年(明治32)まで続きました。 1868年(明治1) 明治維新。 1870年(明治3) 山手公園が開園。フラワーショーが開かれました。 1872年(明治5) 英国商社ヴィーチ商会のクラマー氏が、モダンローズの赤いバラを出品して、居留人に注目されます。バラが居留地の庭園に植えられ、近くに住む日本人からは、「イバラボタン」と呼ばれます。バラは当時、なかなか入手出来ない高嶺の花でした。 日本初の近代バラの広告「英国産のバラ売ります。横濱山六十三番スミス」という広告が出ました。 1885~1888年(明治18~21) かつて山手にあったゲーテ座でフラワーショーが開催され、多くのバラが出品されました。 *ゲーテ座とは、「居留地外国人たちの憩いの場」であり、演劇、音楽会、舞踏会、読書会、宗教活動など、さまざまな催しがそこで行われました。 1885年からは、バラを含めた植物の品評会「草木花卉品評会」が、計4回行われ、アレンジメント、盆栽、シクラメンやベゴニアなどの鉢植えが出品され、賞が与えられました。 1回目の1等賞は、W.B.ウォルター夫人のバラのアレンジメント。ジェームス夫人のバラのコレクション。この頃は、まだティーローズが多かったようです。2回目以降は、日本のご婦人たちによる出品が増え、生花、鉢植え、バラの出品が増えていったそうです。 同時期、有名な英国人建築士のジョサイア・コンドル氏(1852年9月28日 ~ 1920年6月21日)が設計を手掛けた「鹿鳴館」(ろくめいかん)が、1883年(明治16)日比谷に完成しましたが、鹿鳴館の夜会において、バラの切り花が贅沢に使用されていたそうです。 こうして、当時の目新しいバラは、外国人や外国人と関わりのある職業の方やそのご夫人方(いわゆる当時横浜での上流社会の催しなどにおいて、中心的な役割を担っていた人たち)の間にまず広まり、徐々に一般庶民にも広まっていったのでした。 震災を受けてからの横浜とバラ 1923年(大正12) 関東大震災により山手地区の街は壊滅状態へ。 1929年(昭和4) 関東大震災時にアメリカのシアトル市から受けた援助のお礼として、桜の苗木3,500本を贈り、その返礼として、200種3,000本のバラが贈られました。それらのバラは、当時の野毛山公園、山下公園、横浜市児童遊園地に「日米親善のバラ」として植えられました。その中には、‘ラ・フランス’、‘フラウ・カール・ドルシュキー’(新雪)、‘オフェリア’などがあったと伝えられています。 1935年(昭和10)から「バラ祭り」が開催され、「バラ行進」などは現在の「国際仮装行列」の原形になりました。 戦争に突入してからの横浜とバラ 戦争のために「バラ祭り」などのイベントは中止され、バラもほとんどが姿を消してしまいました。 1937年(昭和12) 英国総領事公邸としてイギリス館が建てられ、1969年(昭和44)まで使用されます。 今もなお、「港の見える丘公園」内にある「イギリス館」についてもご紹介しましょう。 1937年(昭和12)、東アジアに散在する英国公館の施設を預かる上海の大英工部総署の設計により、英国総領事公邸が建てられました。建物北側玄関左に、「1937年ジョージ6世時代」を示す「GRⅥ 1937」と印した紋章がはめ込まれています。その後、1990年(平成2)に横浜市が旧英国総領事公邸を買収し、「イギリス館」として市の文化財に指定しました。 1939年(昭和14) 第二次世界大戦始まる。 1945年(昭和20) 8月15日、第二次世界大戦終戦。 終戦を迎えてからの横浜とバラ 1949年(昭和24) 3月15日、野毛山公園を会場に「日本貿易博覧会」が開催。横浜市と日本ばら会の共催による日米のバラの展示会では、サンフランシスコのバラ会より空輸された‘ピース’、‘ショーガール’、‘アームストロング’などが出品され、注目を浴びました。 1962年(昭和37) イギリス館の周囲にイギリスの国花であるバラが植栽されました。 1989年(平成1) 開港130周年、市制100周年を記念して、横浜市の花として「バラ」が制定され、バラを植栽するバラ園をつくるために、最もふさわしい場所として「港の見える丘公園」が選定されました。 港の見える丘公園内にバラ園が誕生 このような歴史的背景を持ち、横浜港を見下ろす「港の見える丘公園」に以前からあったバラが整備されて「港の見える丘公園内バラ園」は、1991年(平成3)5月に開園しました。 そして、2016年(平成28)に、「港の見える丘公園内バラ園」は、イギリス館前が「イングリッシュローズガーデン」に、大佛次郎記念館前が「香りの庭」に、そして111番館前にかけてが「バラとカスケードの庭」へとリニューアルされ、宿根草や一年草との混植のガーデンとなりました。さらには、2017年(平成29年)に横浜で大々的なイベント「第33回全国都市緑化よこはまフェア」が開催され、多くの人が横浜を、そしてバラの咲くガーデンを訪れたのです。 このように、これまで横浜は、バラと深い歴史でつながってきました。これからも「市の花」である「バラ」と共に、共存、発展していくことと思います。
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神奈川県
バラの庭づくり初心者が育んだ5年目の小さな庭
庭づくりのはじまりは2株のバラ 神奈川県藤沢市、一戸建てが立ち並ぶ閑静な住宅街に、Yさんの小さな庭はあります。玄関前の花壇を中心に、道路に面したスペースに鉢植えをたくさんレイアウトしたオープンなつくりで、バラの季節になると、道行く人はその美しさに思わず目を向けていきます。 Yさんのバラ物語が始まったのは5年前、新築の家に越して来た時でした。それまで園芸にはさほど関心がなく、庭植えが唯一可能な玄関前の花壇も、業者にお任せでした。しかし、そこに転機が訪れます。花壇に植わっていたコニファーを目にしたお母様が「コニファーは大きく育つから、この場所にあるといずれ困るはず」と、すっぽり抜いてしまったのです。 花壇にあいた穴に困ったYさんは、憧れのバラでも植えてみようかと思い立ちます。そして、バラ専門店の「京成バラ園」に赴いて、初心者でも育てやすい丈夫なバラを教えてもらいました。すすめられたのは、明るいピンクの‘バイランド’と、優美な白バラ‘ボレロ’。どちらも病気に強い四季咲きのフロリバンダ種で、コンパクトなサイズ感も玄関先のこの場所にぴったりでした。 ‘バイランド’は日当たりのよい花壇を気に入ってくれて、順調に育ちました。今もよく咲くその姿は、通りがかる人々に陽気に挨拶する看板娘のようです。白い‘ボレロ’のほうは、日当たりがよすぎたからか一時弱りましたが、郵便受け脇の半日陰に移すと健やかに成長するようになりました。 はじめの2株がうまく花開いたことで、バラは思ったよりも丈夫で、意外と簡単に育つのかな、と感じたYさんは、バラの世界にどんどん魅せられていきました。 赤いバラに心惹かれて庭づくり それからは気になるバラを、一つ、また一つと増やしていきました。玄関前の花壇にはスペースがなくなったため、鉢植えでの栽培も始めました。手塩にかけたバラがきれいに咲いた時の喜びと達成感を知ったYさんは、バラの栽培にますます熱中していきました。 ある年は、赤いバラに心惹かれて、赤いバラばかりを買い求めました。ドイツ語で「赤ずきんちゃん」という名の通り、赤いケープをまとったような愛らしい姿の‘ロートケプヘン’に、明るく華やかな赤が印象的な‘ジークフリート’。「赤いバラは、白やピンクの柔らかな色合いの景色を、ぐっと引き締めてくれるんですよ」と、Yさん。 家の周りをバラの回廊に 鉢植えの置き場所もなくなったので、今度は家の外周の地面を利用しようと土を耕し、つるバラを植え込んでアーチやオベリスクに立体的に仕立ててみることにしました。玄関脇から家の西側の壁沿いを彩るのは、フェンスに絡まる白バラ‘ブノワ・マジメル’と、ピンクの‘ビアンヴニュ’。柵の左側にあるお隣さんの花壇とコラボレーションしています。 家を囲む通路の幅は、わずか80㎝。隣家の半日陰になる場所ではありますが、Yさんの日頃の観察と手入れによって、バラたちはよく花をつけ、美しい花の回廊が実現しました。 鉢植えトラブルを乗り越えてバラの庭を充実 Yさんのバラコレクションは、5年の間に鉢植えは30株、地植えが20株、計50株を超すまでになりましたが、鉢植え栽培ならではのトラブルもいろいろと体験しました。ある時、6鉢のバラの様子がおかしくなりました。花が咲かず、シュートも出ず、葉にも元気がなくて、成長が止まってしまったかのよう。鉢から出してみると、なぜか土がドロドロになっていて、根腐れをしていると気がつきました。 さらによく鉢の中を調べてみると、各鉢に決まって2匹のミミズがいました。ミミズは益虫と思って当初は気づきませんでしたが、調べてみると、どうやらそのミミズが犯人。鉢にいたのは、庭の土を耕して土作りをするといわれるフトミミズではなく、頭の尖った細いシマミミズでした。 有機物を食べるシマミミズが、堆肥や肥料といった餌を求めて近くの鉢にもぐり込み、粘り気のある糞をして鉢土をドロドロにしてしまった、というのが事の真相。シマミミズは、ミミズコンポストに使うには最適ですが、鉢植えに入り込まれるとやっかいなことになってしまうようです。 バラが休眠期の冬になるとYさんは、被害を受けたバラの根や鉢をきれいに洗って植え替えをしました。虫が苦手だったYさんですが、いまや愛するバラを救うためなら、シマミミズやコガネムシの幼虫退治もできるように。美しく咲くバラの姿を求めて、手探りの試行錯誤が続きます。 バラの庭が広げてくれる世界 バラの季節になるとYさんは、次々と咲く花を惜しげもなく摘んではブーケをつくって、友人やご近所さんに贈ります。「庭咲きのバラは、いろんな色を合わせても不思議とうまくまとまるんですよ」とYさん。うっとりするようなブーケのおすそ分けは、みんなを幸せな気持ちにします。 庭作りを始めたことでYさんには、園芸の師匠と仰ぐご近所さんや、憧れのナチュラルガーデンを持つマダムといった、素敵な花友だちができました。最年少の花友さんは、近所に住まう幼稚園児の男の子。パンジーの押し花を教えてあげたり、一緒にローズマリーのハーブの香りを嗅いだり、小さな庭で花好き同士の楽しい時間が生まれます。Yさんにとってこの庭は、日々のささやかな幸せとみんなの笑顔を運んでくれる、かけがえのない空間です。 併せて読みたい ・平成園芸を彩った三種の神器「バラ」「クレマチス」「クリスマスローズ」 ・「私の庭・私の暮らし」インスタで人気! 雑木や宿根草、バラに囲まれた大人庭 千葉県・田中邸 ・バラの専門家が教える! 鉢植えバラの剪定方法
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東京都
アジサイの名所が銀座に登場!新品種も勢揃い
2019「初夏のあじさいガーデン」 梅雨の季節を前に、ファンケル銀座スクエア10階の空中庭園に登場するのは、色とりどりのアジサイが咲き乱れるアジサイのガーデン。今年のテーマは「アンダルシアに想いを寄せて」。風情溢れるアジサイの花々が、都心の庭園を優美に彩ります。 全国から集められた、アジサイの希少品種の数々も必見です。 2019年の「初夏のあじさいガーデン」は5/31(金)~6/7(金)まで。入場無料で楽しめます。 以下は2018年のあじさいガーデンの様子です。 都心に現れたアジサイの園 『木々が光を遮る深い森の奥、濃密な緑がふと開けた明るい場所に、美しい湖とともに現れるアジサイの花園。青緑色の水をたたえた湖の湖面を白鳥達がすべるように進み、その奥の小高い丘には“白鳥城”の名を持つノイシュヴァンシュタイン城*がひっそりとそびえ立ち………。』 (*ドイツロマンチック街道の奥にあり、若き美しきバイエルンの王、ルートヴィッヒ2世が莫大な資金とその生涯をかけ、作り上げた世界一美しい城) ファンケル 銀座スクエア10階の空中庭園では、そんなロマンチックなストーリーで構成された「初夏のあじさいガーデン」が開催中です。アジサイといえば、雨を脇役としつつも控えめに季節の主役を演じてきた「和」のイメージが定着していますが、今回この庭に登場するのは、「エレガント」「ゴージャス」「ドラマチック」といった形容詞が似合う新品種。日本全国から集められた30種類以上の新品種が初夏の宿根草とともに庭を華麗に彩ります。 アジサイは近年、日本の育種家たちによって次々に新しい品種が生み出され、花弁の縁が別の色で彩られたピコティや繊細なグラデーション、フリルのようにたっぷりとした八重咲き、劇的な色変わりを見せるアンティークアジサイなど、その表情は多種多様な広がりを見せています。この庭を企画、制作した渡辺さくらさんは、今回の展示もそんな新しいアジサイのイメージを感じてもらえるように演出にも趣向をこらしたと話します。 「近年、日本で生まれる新品種のアジサイは、アジサイ寺などこれまで私たちが抱いていた、いわゆる水色の手まり状の花というイメージから飛躍し、花色も花形も驚くようなユニークな花がたくさん登場しています。そうした新品種ならではのアジサイの魅力を演出するために、あえてヨーロッパを舞台にした“あじさいガーデン”をつくることにしました。今回の庭は、白鳥を象った素敵な鉢との出合いからイメージを膨らませ、白鳥城といわれるドイツのノイシュヴァンシュタイン城と、その城が見下ろすアルプ湖をデザインコンセプトにしています」(渡辺さん) ここには、アジサイの育種が盛んな群馬県の「さかもと園芸」や「小内園芸」、常緑アジサイを生み出した「久保田花園」、秋色アジサイで有名な福岡県の「鬼木園芸」、‘万華鏡’や‘銀河’など優良品種を次々に生み出している島根県アジサイ研究会など、日本を代表するアジサイの育種・生産者たちの名品、新品種が一堂に会しています。ガーデン全体の雰囲気を楽しみながら、一つひとつの花に目を向けてみると、これらの新しいアジサイは、華麗でありながら、日本独自の感性による花の育種文化を色濃く反映していることが分かります。 例えば、「さかもと園芸」の代表品種でフラワー・オブ・ザ・イヤーを受賞した‘KEIKO’は、咲き始めは白の花弁にピンクの濃い縁取りがあり、次第に縁取りの色が溶け出るように全体がピンクがかって、さらにグリーンを帯びたアンティークカラーに変化するという複雑な色変わりが楽しめる花です。花形も最初はガクアジサイのように花の中心があいていますが、咲き進むに従ってふんわり手まり状に変わっていきます。こうした新しいアジサイは一見すると、その艶やかさに気を取られがちですが、そればかりでなく花の表情は繊細で緻密、そして時の移り変わりを楽しませるという趣向は、日本的な美意識のもとに生み出された花であることを感じさせます。今回の展示では新品種の‘ピンキーリング’もお目見えしています。 日本で生み出される新しいアジサイは、梅雨以降の庭の風景を変える重要な素材になりつつあり、今回の展示では庭のみならず寄せ植えやハンギングバスケットなど、アジサイのさまざまな演出方法が提案されています。 開催中はアジサイの鉢苗を販売しているほか、最終日には展示品の一部販売も行われます。市場ではあまりお目にかかれない希少種を手に入れるまたとないチャンスでもあるので、銀座にお出かけの際は足を運んでみては。これまでのアジサイのイメージを大きく変える日本の新しいアジサイの世界をご堪能ください。 Information 初夏のあじさいガーデン 5月26日(金)~6月1日(木) 会場:ファンケル 銀座スクエア10F スカイガーデン 問い合わせ:TEL 03-5537-0231(インフォメーションカウンター) http://www.fancl.jp/sq/ Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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東京都
武蔵野の小麦畑の一角にオープンした市民のための憩いの庭「タネニハ」
花の生産農家が育てる「タネニハ」の庭 小麦の青い穂が初夏の風にそよいでいる。その広大な小麦畑の一角に、市民のための憩いの庭、タネニハが2017年秋のプレ・オープンを経て、2018年3月正式にオープンした。東京の多摩地区東部、東久留米市にある花の生産農家、秋田緑花農園の秋田茂良さんが3年前に企画し、自ら基本設計した庭だ。 400㎡の敷地内には、農園で生産された花苗や多摩地区に自生している野草など、多彩な植物が植えられている。タネニハという名前の「ニハ」は、古語で場を意味する。人と人、人と植物が出会い、さまざまなタネが育ってほしいという思いを込めて名づけられた。 秋田緑花農園のある一帯は、約300年前、江戸時代の半ばに開拓された農地で、茂良さんは農家の12代目にあたる。小麦やさつま芋畑は主に父親の貞夫さんが担当し、茂良さんは17年前から本格的に温室での花卉(かき)栽培を始めた。 温室ではゼラニウム、ビオラ、ヒューケラなどのポット苗が並び、中でも農園で育種し、第66回関東東海花の博覧会で金賞を受賞した極小ビオラ「多摩の星空」がひときわ可憐な姿を見せていた。 12代続く農家ならではの庭づくりを模索 秋田さんは小学生の頃、作文に「街を緑でいっぱいにしたい」と書いたが、その思いを強くしたのは、2011年の東日本大震災がきっかけだった。その年の7月から3年間、ヒマワリなどの苗を届け、被災した多くの人に喜ばれた。花によって人々の心が和らぐのを目の当たりにして、改めて植物の持つ癒しの力を教えられたという。 そうした経験から、「誰もが訪れて庭いじりに参加でき、のんびりと散策もできる、花農家ならではの庭をつくりたい」と思い立ったのが、タネニハ誕生の物語だ。農園のスタッフや友人のガーデナーたちに、多くの市民ボランティアが加わり、園内にある自宅付近の木々を移植。芝生の庭を囲むように季節の花々が植栽された。 東久留米は「平成の水100選」に選ばれた南沢湧水のある地で、その湧水池をイメージした池も設置された。農園やタネニハの水やりも、地下深くから汲み上げた豊富な地下水を利用しており、丈夫な植物が育つ一因になっている。 花農家は卸売りが中心だが、タネニハの前には直売コーナーが設けられた。自転車や車で通りかかった人たちが、鮮やかなゼラニウムの色に誘われるように足をとめ、時間をかけて花苗を選んでいく。 庭は人をつなぎ、新しい街の形を創造していく 植物の寄せ植えや、ハボタンの苗などを使ったリースづくり、またヒンメリ(麦のストロー・アート)づくりなどのワークショップも共催。農園の無農薬の小麦粉で、天然酵母のパンづくりをしているプチ・フールの宮沢ロミさんをはじめとして、東久留米の地域の仲間とのネットワークも充実し、公園でのマルシェ開催や、アートプロジェクトの実現などにも取り組んでいる。 「街と社会は人でつくられている。花から生まれた人との関係が広がってくれたら嬉しい」と語る秋田茂良さん。タネニハの芝生に寝転んで空を見上げていると「武蔵野の自然の中にいる」…そんな心地よさに包まれる庭だ。 Information タネニハ(taneniwa) 所在地:東京都東久留米市南町2-3-19 TEL:042-452-3287(受付8:00〜17:00) Blog: http://blog.kaobana.com/ Email:info@kaobana.com アクセス:公共交通機関/西武池袋線「ひばりヶ丘駅」または西武新宿線「田無駅」からバスで「イオンモール東久留米南下車」徒歩約10分。 車/「イオンモール東久留米」を目指し、所沢街道「南町4丁目交差点」から約600m。 オープン期間:火~土曜日、12:00〜16:30 閉園:日・月曜日、雨天・荒天日 季節閉園:1〜2月、7〜8月