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千葉県
花の庭巡り 千葉「京成バラ園」
下総台地の豊かな自然を残した市街地を擁する千葉県八千代市。その住宅街のほど近くに、国内有数のバラ園「京成バラ園」はあります。八千代市では、バラは市民投票により市の花に決定されるほど、多くの市民に親しまれています。敷地面積約3万㎡の京成バラ園のメインとなるのは、何といってもバラ。ゲートを抜けた先に現れる整形式のローズガーデンには、1,600品種1万株のバラが咲き誇り、満開のシーズンには色とりどりのバラが視界いっぱいに広がる景色が楽しめます。ローズガーデンの奥にはナチュラルな自然風庭園があり、敷地内には大温室も。バラを中心としながらも、四季折々の花々が楽しめるガーデン構成になっています。 京成バラ園のメインであるローズガーデン。左右対称につくられた約3万㎡のガーデンは、まるでフランスの城に広がる庭園のようなクラシックな雰囲気を持ち、歩を進めるたびに、さまざまな品種のバラと出合えます。京成バラ園芸のオリジナルブランドのバラはもちろん、原種バラやオールドローズから最新品種まで植えられているので、園内を巡ることで気になるバラをチェックしたり、バラの歴史の奥深さに触れることができるガーデンです。 ‘フランソワ・ジュランビル’の大アーチ つるバラ‘フランソワ・ジュランビル’の大きなアーチ。このガーデンの経営母体である、日本最大のバラメーカー、京成バラ園芸株式会社の創立時から植えられていて、ローズガーデンのリニューアル時に移植されたものです。樹齢約60年を数えますが、満開時には毎年ピンク色の花がアーチ全体を覆う見事な景色に。アーチの下をくぐれば、ティー系の上品な香りも漂います。 愛のガゼボ ローズガーデンの奥には、数多くのバラに囲まれた大理石のガゼボが。ブライダルファッションデザイナーの桂由美さんより寄贈されたこのガゼボの中には、プロポーズにふさわしい場所「恋人の聖地」として認証されたシンボルである「エデンの鐘」が設置され、挙式の際には2人を祝福するような音色が響きます。バラが咲き乱れる中、恋人と過ごす時間は大切な思い出となることでしょう。バラのシーズン中には「カップル割」で入園できる期間限定イベントも。受付で「愛しあってます」と大きな声で申告すると、お得に入園できるそうです(2017年現在)。ガゼボの前はイベントスペースになっていて、コンサートやトークショウなどのイベントも行われています。 ベルばらのテラス フランス革命の頃のベルサイユ宮殿を舞台にした人気少女漫画『ベルサイユのばら』をモチーフに、メイアン社(仏)が作出した美しいバラ全6種を集めたテラスです。純白のバラ‘オスカル・フランソワ’や、あでやかな大輪花‘王妃アントワネット’など、漫画に登場する人物それぞれのイメージに合わせた姿や香りを持つバラとともに、記念写真を撮れるスポットです。白いテラスに立てば、あなたも‘ベルばら’の気分を味わえるかも。 つるバラの‘羽衣’と‘新雪’が絡むアーチ越しに、涼しげな音を立てる噴水「エデンの泉」を望む景色。その先は、イングリッシュローズが数多く咲く「バラの丘」へと続きます。ローズガーデンのほぼ中央に位置する噴水の周囲にはベンチが置かれ、美しいバラの花と涼やかな水の流れを見ながら一息入れることができます。 ローズガーデンの一角。オールドローズが系統別に植栽されていて、バラの進化の歴史に触れることができるエリアです。白やピンクなどのかぐわしいバラに囲まれ、柔らかい光を浴びて佇むスタチューは、まるで一枚の絵のようです。京成バラ園では、バラのシーズン時には早朝入園ができる日もあるので、朝の透明な光の中で写真を撮影することもできます。 ローズガーデンを抜けた先には、整形式のバラ園とは対照的な自然風庭園が続いています。緩やかに流れる小川と池にはスイレンやハナショウブが、通路の横にはアジサイや四季折々の花木が花をつけ、秋には草木がしっとりとした紅葉に染まります。自然風庭園のエリアには、野性味のある原種バラ約80品種が植栽され、春に咲く素朴なバラの花の表情、秋にはたわわな赤い実など、季節の風情を楽しむことができます。 京成バラ園の歴史は1971年、すでにバラの育種や販売を始めていた京成バラ園芸が、品種ごとに実際の花色や香り、樹形、花つきなどを五感で知ってもらうために開園した見本園までさかのぼります。その後、1999年の大規模な工事を経て、現在楽しめるような本格的な整形式庭園としてリニューアルオープンしました。2015年には、世界バラ会議にて優秀庭園賞を受賞し、世界的にも美しく価値の高いガーデンであることが認められています。バラを中心としたガーデンですが、バラの特徴に合うように宿根草を植栽したエリアもあり、庭づくりの参考として訪れるのもオススメです。 京成バラ園を訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのがガーデンセンターです。ガーデンセンターの広い敷地には、京成バラ園芸で扱っているさまざまなブランドの苗がずらりと並びます。バラ以外の植物やガーデニング資材なども豊富に手に入るので、ガーデナーなら楽しめること間違いなし。セール時は、お得に元気なバラ苗を購入する大きなチャンスです。ガーデンセンターのほか、約2,000種類のバラアイテムを取り揃えたローズショップやバラのソフトクリームが楽しめるカフェ、レストランも併設されています。 Information 「京成バラ園」 所在地:千葉県八千代市大和田新田755 ☎047-459-0106 http://www.keiseirose.co.jp/ アクセス:東葉高速鉄道 八千代緑が丘駅から徒歩15分 Open:1月2日〜12月30日(7月・8月、12月~3月15日は水曜定休) 入園料: 通常時(1~4月、9月、12月)大人300円・小・中学生100円 春バラシーズン(5・6月) 大人1,200円・小・中学生200円 夏バラシーズン(7・8月) 大人500円・小・中学生100円 秋バラシーズン(10・11月) 大人1,000円・小・中学生200円 開園時間(入園は閉園30分前まで): 1~3月上旬 10:00~16:00 3月下旬~4月 10:00~17:00 5・6月 9:00~18:00 7~9月 10:00~17:00 10・11月 9:00~17:00 12月 10:00~16:00 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 記事協力:京成バラ園芸 http://www.keiseirose.co.jp/
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栃木県
花の庭巡り、栃木「コピスガーデン」
2013年にオープンした、自然豊かな雑木林の借景が広がる「コピスガーデン」は、那須ICから車で約8分という好立地にあります。6,000坪に及ぶ敷地は、母体のナーセリー「大森プランツ」社長の佐々木清志郎さんが、自らガーデンをデザインして重機を操り、草花を植栽して完成させました。「しあわせな時間へようこそ」をテーマに、植物を通してしあわせな空間を提供しています。しあわせな時間を過ごしてほしいという思いを込めて美しい庭園づくりをし、カフェや雑貨店、苗売り場も併設。見どころ満載で一日過ごしても飽きないと、ガーデナーに大人気のスポットとなっています。 「コピスガーデン」で特に見応えがあるのがバラの季節で、約400種のバラが咲き誇ります。母体の「大森プランツ」が、バラや宿根草を生産・販売するナーセリーであることも魅力の一つ。なぜなら、バラはフランスの「ギヨー」、日本の「禅ローズ」の正規代理店で、その他「デビッド・オースチン・ロージズ」やオールドローズ、一般種なども扱っており、常に最新品種やトレンド品種を見られるからです。旺盛に枝葉を伸ばす品種やコンパクトにまとまる品種、うつむいて咲く品種など、それぞれの特性を知り尽くしているからこそ、ここでは一番映える仕立て方が見られます。育ててみたいバラが、最終的にはどんな樹形で、どんな風に咲くのか、一目瞭然の見本園としての側面ももっているのです。 「コピスガーデン」では、バラ以外にも約100種の宿根草や樹木、約3万球の春咲き球根植物が植えられ、年間を通して約2,000種類の植物が見られます。春はスノードロップ、クロッカス、シラー、スイセンから始まり、宿根草が季節の開花リレーをし、冬はクリスマスローズが咲くなど、一年中見どころ満載です。「大森プランツ」は日本有数の宿根草の生産・販売会社でもあり、毎シーズン庭園の一部をリニューアルして、宿根草の最新トレンドを紹介しています。これはコレクターにとっては所有欲をくすぐられるもので、毎年訪れてチェックしたくなります。まだ発売されていないものがこっそり植栽されることもあるそうで、「これは何という品種?」など、発見の喜びもありそうです。 「コピスガーデン」を散策して、一目惚れした植物や、育ててみたい植物が見つかったら、苗売り場に直行しましょう。品種は多岐にわたり、マニアックな植物も見つかります。熱心なガーデナーなら、ここでじっくり吟味してみるのも一興です。 「コピスガーデン」を巡っておなかがすいたら、カフェに寄ってみませんか。一番人気のメニューはウェスタンスタイル・パンケーキ。メニューはほかにハンバーグやスパゲティー、カレーなどもあります。スイーツも充実しており、バナナのパンケーキが定番。産地から直接仕入れたモモ、ブドウ、ブルーべリー、キウイ、レモンなど、旬のフルーツを使ったホームメイドタルトもオススメです。 「コピスガーデン」では、おしゃれなガーデニング用品や雑貨類の販売も充実しています。お気に入りのガーデングッズやツールが見つかって、嬉しくなること請け合いです。花のない時期も楽しめるように、オレンジやラベンダー、ローズマリーといったエッセンシャルオイルやディフューザーなど、アロマ製品の提案もしています。 「コピスガーデン」では、予約制でワークショップも行っています。最近の人気は、ガラスの器にドライフラワーをアレンジする「テラリウム」づくりと、カラーサンドを使った「多肉植物の寄せ植え」。少人数制で40〜50分かけて制作します。レッスン料はテラリウムが2,000円(材料費込み)、寄せ植えは選ぶ器や多肉植物によって異なりますが、2,000〜3,000円が平均的な料金です。ほかに2〜3時間かけて行うトールペイント、カリグラフィー、アートフラワー、リースづくりなども。ワークショップでは一緒になった参加者同士、いつも和気あいあいとした雰囲気で制作しています。 それから忘れてはいけない、「コピスガーデン」のマスコット、アヒルの「ギンジ」と「キク」と「アヤメ」。放し飼いで庭園内を自由に散歩する姿に癒やされます。常連さんは、「今日はどこに?」と会うのを楽しみにしているとか。近年は行動範囲を広げているため、見つけるのが難しくなっているそうで、出会えたらラッキーです! ほかにも、ライブやクリスマスローズの展示会「春コレ2018」(2018年2月上旬予定)など、さまざまなイベントが開催され、年間を通してリピーターが多いのも「コピスガーデン」の特徴です。一日中いても飽きないガーデンへ、ぜひお出かけください! Information 「CoppiceGARDEN(コピスガーデン)」 所在地:栃木県那須郡那須町大字高久甲4453-27 電話番号:0120-377-228 http://omoricoppice.blog108.fc2.com/ http://www.coppicegarden.com/(通販) Facebook:https://www.facebook.com/coppicegarden/ アクセス: 那須I.C.より車で8分、JR那須塩原駅より車で20分 JR黒磯駅より車で15分 Open: 9:00-18:00(冬期間時間短縮) 入園料: 540円(春バラ開花の時期のみ) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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群馬県
花旅案内・ブルーベリー摘みができる果樹園の中の可愛いカフェ
緑の森と青空を背景に建つ、煙突屋根の可愛らしい一軒家カフェ「ティア・ツリー オーチャード&カフェ」。周囲をリンゴやブルーベリーの果樹園に囲まれて、なんだか赤毛のアンの世界に入り込んだよう。建物の前には丹精されたフラワーガーデンが広がり、花を眺めながら店内へ。7月からは周囲に広がるブルーベリー畑で摘み取り体験ができるので、腰を落ち着ける前に、まずは摘み取り専用ボックスを購入して、畑へGO! 熟したブルーベリーを探して、木から木へ。紫色が濃くて、白っぽい粉をまとった粒を選びます。この白い粉は‘ブルーム’といい、果実の水分が蒸発するのを防ぐために自然に分泌されているものです。熟した新鮮な果実の目安になるので、よく観察しながら摘みます。ブルーベリーはお日様をたっぷり浴びて育つため、畑には陽を遮るものがないので帽子は必携ですね。 「1粒ずつじゃなく、10粒くらい一緒に食べてみてください」と言うのは、オーナーで料理を担当している星野綾さん。言われた通りにしてみると、濃厚な甘みとともに野趣溢れる香りが口いっぱいに広がり、「ブルーベリーってこんなに美味しかったっけ?」という新鮮&感動体験。ティア・ツリーの大粒で甘いフレッシュ・ブルーベリーは贈答用としても人気です。500g×2/3,000円、500g×4/5,000円(送料込み)。受け付けは8月いっぱいまで。旬の期間の短いブルーベリーは冷凍が可能で、むしろ冷凍して料理に使ったほうが、果肉がしっかり残って美味しいのだそうです。 カフェは果樹園の高台にあり、どの席からも村の美しい田園風景が眺められます。ブルーベリー畑の向こうにはリンゴ畑、その向こうには田んぼが広がっており、オーナーの星野さん一家は、これらの田畑を作る農家でもあります。ご主人の孝之さんを中心に、それぞれのご両親とともに農業を営みつつ、2008年にカフェをオープン。料理やジャムの製造は綾さんが担当し、定期的なイベントも企画しています。入り口の素敵な庭と、テーブルに飾られた可愛らしい花のアレンジは、ガーデニングが好きな綾さんのお母さまの手によるものです。 秋のカフェからの眺めは、黄金色の田んぼとリンゴ畑に変わります。川場村は83%が山林で占められており、日本百名山の一つ、武尊山からの雪解け水と朝夕の寒暖の差が村のあらゆる作物の味を特別なものにしています。川場村のお米は、あまり一般に流通しない幻のお米として知る人ぞ知る逸品です。炊きたてはもちろん、冷めても美味しいのが特徴で、お米の食味を鑑定する国際コンクールで8年も続けて最高賞を取り続け、ミシュランガイドで3つ星を獲得したニューヨークの名店も川場村のお米を使っています。カフェでも星野さんたちが丹精込めて作った川場産コシヒカリのお米のランチメニューがいただけるほか、通販で購入することもできます。 店内の席は少しずつ雰囲気が異なり、インテリアを眺めるのも楽しい空間です。ペット連れの方は外のテラス席も利用できます。カフェを利用する際には、事前に予約をした方がスムーズに入れます。ジャムやフルーツジュースなどの他に雑貨や食器なども販売されており、可愛いお土産が見つかりますよ。 お土産のブルーベリーでマフィンを作ってみましょう。友達に送ったブルーベリーにも、レシピを添えて。 材料/ホットケーキミックス150g、卵1個、牛乳100㏄、砂糖40〜50g、バター50g、ブルーベリー適量 バターを室温に戻しておくとともに、オーブンを180度に予熱しておきます。 ボールに材料を全部入れてさっくり混ぜ、マフィン型の半分くらいまで生地を入れます。型をトントンと軽く落として空気を抜き、オーブンで20〜25分。竹串などで刺して生地が付かなければ焼き上がりです。 Information ティア・ツリー オーチャード&カフェ 〒378-0102 群馬県利根郡川場村川場湯原 2453-3 営業時間:open 金・土・日・祝のみ 営業(冬期休業あり) 11~17時(ランチは11〜14時)※フードラストオーダー16時 TEL. 0278-52-3556 FAX. 0278-25-3553 http://tiatree.com ※ホームページのカレンダーで営業日をご確認のうえ、カフェを利用される際は席の予約をオススメします。 併せて読みたい ・知っておきたいブルーベリーの肥料の施し方と注意点 ・花の庭巡りならここ! フルーツの魅力を発信する「東谷山フルーツパーク」 ・ガーデニングとは? 楽しく成功させるためのアイデアと基本情報をご紹介 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/top)Chamille White/8)Vladyslav Yankovsky/Shutterstock.com
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神奈川県
横浜イングリッシュガーデンの四季【花巡り・ガーデン案内 〜神奈川〜】
バラと草花のカラーハーモニー 神奈川・横浜市にある横浜イングリッシュガーデンは、6,600㎡の敷地が5つのエリアに分かれ、色彩豊かな庭が楽しめます。植栽デザインと監修をバラの育種家である河合伸志さんが担当。ワインレッドやパープルのバラを中心にドラマチックな色彩が魅力の「ローズ&クレマチスガーデン」や、アプリコット、ブロンズ、ブラウンのバラが主役で下草との対比が美しい「ローズ&グラスガーデン」など、エリアごとに驚きがあります。 春の幕開けはサクラの開花から 3月下旬、頭上にピンクのサクラが花開き、足元にはスイセンやチューリップ、ヒヤシンス、イングリッシュデージーなどの優しい花色で園内は包まれます。見どころは‘アーコレード’や‘クルサル’などイギリスで作出されたサクラや、イギリスから里帰りした‘太白’、ウメとサクラの雑種‘エレガンス・みゆき’など30種強50株のコレクション。ソメイヨシノの開花前後を目安にお出かけください。 4月中旬からバラの季節がスタート 園内に植わる多種のバラの中でも一番に咲き出すのは、‘カナリー・バード’や、スコッチローズなど、野生種系のバラたち。続けて、5月の連休からは‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’などの早咲きのバラが見頃を迎えます。例年のバラの最盛期は5月中旬頃。古今東西のバラの名花が集められた1,700品種強にも及ぶ表情豊かなバラたちに会える、貴重なガーデンです。 2,000株のバラと草花の競演 多品種が一堂に揃う圧巻の景色に加え、組み合わせている草花にも注目しましょう。オレンジのバラに紫の穂状花が寄り添い咲くサルビア・ネモローサ‘カラドンナ’をはじめ、白花の‘サマースノー’の株元には斑入りのグラウンドカバーのカキドウシが明るさを添えていたりと、ガーデンづくりに真似したくなる組み合わせ例がそこここで見られます。 雨に濡れるアジサイ・コレクション ‘エクセルサ’や‘スーパー・フェアリー’などの遅咲きのバラが満開を迎える頃には、アジサイが見頃を迎えます。実は横浜イングリッシュガーデンは、首都圏随一のアジサイ・コレクションを有していて、その数は300品種以上。人気の‘アナベル’をはじめ、八重咲きの美しい‘ごきげんよう’など、白、ピンク、青、パープルの大きな花手毬が雨を受けて輝きます。アジサイの開花期後半になると、二番花のバラも咲き始めます。(写真は2016年の様子) 木漏れ日に癒される夏の庭 真夏は、バラの株間に植わる葉色が美しいカンナやコロカシアなど熱帯系の植物が見どころです。ユリも咲き始めて、豊かな香りを振りまきます。写真は、園内奥に位置するローズ&シュラブガーデンの水辺の風景。中央には生き生きと葉を広げるコロカシアと、左には薄紫の花が覆い咲くミソハギの茂み。大木の柳の葉音が涼しさを誘います。 秋を知らせるコスモスと秋バラ 涼しくなる頃からコスモスが咲き始め、本格的な秋の到来です。10月には大小のカボチャが並ぶハロウィンのディスプレイも季節展示として登場します。また、夏の剪定のタイミングを測るプロの手入れのテクニックにより、咲き揃う国内屈指の美しい秋バラを見ることができます。春と違った表情が楽しめる秋バラは、11月下旬までが見頃。秋が深まると、木々の紅葉と秋バラのコラボレーションがしっとりとした雰囲気に。 一年を通してバラの変化を観察 12月中旬以降には見頃の花が減ってきますが、園内のあちこちで専属ガーデナー達によるバラの誘引と剪定作業が順次行われているので、バラの管理の勉強になります。ブッシュローズはどこまで切り詰めるのか、アーチやフェンスの誘引前後の姿の変化や樹木に絡める様子など、冬の株姿と春の開花の変化を見比べると、とても勉強になります。横浜では、大雪は数年に一度程度なので、バラの雪囲いはせず、冬越しをします。 Information 横浜イングリッシュガーデン 住所 神奈川県横浜市西区西平沼町6-1 tvk ecom park TEL 045-326-3670 HP http://www.y-eg.jp ガーデン開園時間 3月〜11月/10:00~18:00(最終入園17:30) 12月〜2月/10:00〜17:00(最終入園16:30) 入園料 大人500〜1,200円 小中学生200〜600円(季節により変動) (2022年3月現在) 併せて読みたい 世界バラ会連合会議で「横浜イングリッシュガーデン」が栄誉ある賞を受賞! 横浜は「バラの街」! 3つのローズガーデンの魅力をご紹介 バラの街で人気の横浜で建物探訪!「横浜山手西洋館巡り」 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 写真/桜野良充