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東京都

花屋さんになりたい人も必見! 東京・表参道『カントリーハーベスト』 今日はてくてく「花屋さん日和」Vol…
新しいショップも続々と登場するなか、同じ場所で24年間、看板を掲げているのが、『カントリーハーベスト』です。オーナーは深野俊幸さん。自身も、華やかな花の世界を披露する人気フラワーデザイナーです。 花屋さん激戦区で、24年も愛され続ける秘訣とは? そんな質問への深野さんの答えは「変わり続けること」。ショップ自体が変わり続けています。四季折々の植物で、路地を通る人の目を潤す店の前の庭も、じつはオープン当初には、もっとこじんまりしたものでした。 「当時はドアも壁もなく、ガラガラと上げ下ろしするシャッターで(笑)」と深野さん。9年経ったところで、ヨーロッパの田舎にありそうな外観と内装に作り替え、庭も拡張。「人の家を訪ねる感覚で来てもらいたくてね。ほんの少しアプローチができたぶん、どんな花が咲いているかな、と庭を見ながら入ってこれます」。庭のように自然に見えても、よく見ると、どれも商品である寄せ植えや鉢物で構成されています。 店内を変え続けるといっても、人任せではありません。ほとんどが深野さんのDIY。壁に花や雑貨を置くための棚をつけたり、ポストカードを美しく飾れる壁掛けホルダーを手作りしたり。自分自身も、空間を楽しむための日々のリニューアル。ふだんの暮らしにおいても、とても大切なことのように思えます。 店内の奥へ進むと、クラシカルなマントルピースがあることに気づくはずです。アメリカのブロカントに惹かれて、買いつけによく行っていた頃、友人のフラワーデザイナーから譲り受けた品。並べられた1輪挿しに飾った花と植物画にスポットが当てられ、花の祭壇のように見えます。 深野さん曰く、店内は「縦構成」のディスプレイ。都心の狭小店舗ゆえの創意工夫なのですが、それがかえって、どこもくまなく見たくなる、この店のおもしろさにつながっているのですね。 花屋さんをもちたい人の参考にもなるショップ『カントリーハーベスト』。空間を意識して、観察してみませんか? ショップコンセプトは「田舎で収穫した花たち」。ラグラスやナデシコ、シロツメクサに似たトリフォニウム。野原に咲くような花にも出会える店の入り口には、友人のクリエイターから贈られたレンガのサインボードが訪ねる人を待っています。 Shop Data:カントリーハーベスト(COUNTRY HARVEST) ホームページ/http://www.countryharvest.co.jp 住所/東京都港区南青山3-13-13 電話/03・5410・1481 営業時間/10~20時。日曜、祝日は~18時 定休日/なし アクセス/地下鉄東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅A4出口より徒歩約2分 Credit 記事協力 構成・撮影・文/鈴木清子
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東京都

東京のKawaiiが見つかる花屋さん! 東京・表参道『カントリーハーベスト』 今日はてくてく「花屋さん日和…
記念すべき1軒めのショップは、東京・表参道にある『カントリーハーベスト』。『花時間』でも、活躍している深野俊幸さんが24年前に開いたお店です。 青山通りから1本離れた路地を進んでいくと、小さな庭のある、かわいらしいお店が見えてきます。ここが『カントリーハーベスト』。若々しい緑色の葉をつけ始めたニセアカシアの木を愛でつつ、さあ、店内へ入りましょう。 入口そばの小さな窓辺には、ビタミンカラーの草花が小さな花畑のように咲いています。訪ねた日には、ラナンキュラスやナデシコやヤグルマギクなど。ヒマワリが早くもスタンバイしていました。そう、なんてきれいなんだろう…と、ここで、たいていの人はハートをわしづかみにされちゃいます(笑)。棚にはヨーロッパとアメリカで仕入れたブロカントの缶や空き瓶など。こうやって飾るとかわいいんだ、なんて部屋に花を飾るときのヒントが入手できたりします。 そして、切り花の品揃えたるや驚きです! 全体で、約200種。そのじつに5割以上が草花です。ショップコンセプトは「田舎で収穫した花たち」。だから、野原に咲くような自然な風情の花から、原種系のアルストロメリアなどの珍しい花まで、少量多品種の品揃え。かつて、バラやユリばかりがもてはやされた時代から、市場でそうした花々を見つけ出しては、ここに並べていたそうです。 これは取材の日にあったフラワーギフト。『カントリーハーベスト』お得意のマルチカラーのアレンジにも、水色のニゲラやピンクのアスチルベなど、可憐な草花が顔を出しています。 『カントリーハーベスト』は、ギフト用のオーダーも多いショップです。店内奥のキーパーには、いつも15~20種のバラと、ダリア、ランの切り花に出会えます。 訪ねたら、穴が開くほど、あちこち見てこその『カントリーハーベスト』時間です。棚の奥、マントルピースの上、それから天井。いたるところに花と雑貨のディスプレイを発見して、おもちゃ箱の中にいるみたい? なんて思える体験ができますよ! Information Shop Data:カントリーハーベスト(COUNTRY HARVEST) ホームページ/http://www.countryharvest.co.jp 住所/東京都港区南青山3-13-13 電話/03・5410・1481 営業時間/10~20時。日曜、祝日は~18時 定休日/なし アクセス/地下鉄東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅A4出口より徒歩約2分 Credit 記事協力 構成・撮影・文/鈴木清子
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栃木県

花の庭巡りならここ! 扇状に広がる大花壇が見事「とちぎ花センター」
鉢花、切り花生産が盛んな地域ならではの展示、イベントが盛りだくさん! 1992年にオープンした「とちぎ花センター」の広さは、約30,428㎡。見学時間の目安は2時間ほどです。栃木県は鉢花や切り花生産が盛んな地域であることから、花の生産振興と、花々を通して人々の交流を深める憩いの場とすることを目的に整備されました。 園内の主役となるのは、6枚の花びらをイメージして扇状に区画された「大花壇」。一年草をメインにした、毎年異なるデザインのカラフルな大花壇です。ほかに約450品種が植栽されているバラ園、熱帯植物がダイナミックに息づく大温室の「とちはなちゃんドーム」、生産温室、体験温室、ハス池などがあります。花苗生産地なので、新しい品種が市場に出回る前に、一足早く見られることもありますよ! 「とちぎ花センター」では、ガーデニングの基礎講座やバラの育て方講座、寄せ植え&ハンギングバスケット講座など、年間のカリキュラムを組んだ「とちはなカレッジ」を開催しています。「ガーデニングを基本的なことからじっくり学んでみたい」というビギナーさんにおすすめ。詳しい案内は、公式ホームページに詳細が出ているので、ぜひチェックを! 他にもワンデイタイプの体験教室や園内のガイドツアー、フラワーオークションなど、イベントも多彩です。また、「とちはなちゃんのお花やさん」では、贈答用の洋ランも揃うなど、地元産の鉢花を集めたバラエティー豊かなラインナップ。花好きさんならきっと心ときめくお買い物が楽しめることでしょう。年間約33万人が訪れる人気の観光ガーデンヘ、ぜひ足を運んでみてください。 大花壇にバラ園、大温室など見応えたっぷりのレジャースポット 「とちぎ花センター」の大花壇は、6枚の花びらをイメージして6つの花壇が扇状に展開されています。主にパンジーやマリーゴールドなど季節の植物を用いてカラフルにデザインされた花壇です。毎年色やモチーフの異なるデザインで、5月、7月、10月と、年に3回の植え替えが行われます。緩やかな傾斜がつけられており、下から見ても、上から見ても迫力のある景色を楽しめますよ! 「とちぎ花センター」では、充実したバラ園も魅力の一つ。約450品種が植栽され、見頃は5月中旬〜6月中旬と10月上旬〜11月中旬頃です。青いバラを集めたコーナーや、香りのよい品種を集めたコーナー、皇室や王室ゆかりのバラを集めたコーナーなどがあります。 園内に建つ「とちはなちゃんドーム」は、敷地約2,225㎡の規模を誇る観賞大温室。ドーム内には約330種の植物が植えられています。世界の熱帯・亜熱帯の植物を展示しており、バナナやマンゴー、カカオなどが実っている姿も見どころ。園路を進むと、花木→洋ラン→ヤシ→シダ→砂漠の順に、植物がカテゴライズされた展示を楽しめます。また、温室内では「世界の木の実・果実展」など年8回の企画展を開催していますよ! 一度は見ておきたいのが、エメラルドグリーンの花が美しい、ヒスイカズラ。熱帯産の植物で、日本では地植えで栽培できません。そのため、温室のある植物園などでしかお目見えできない貴重な存在。「とちぎ花センター」では、3株が植栽されており、開花は3月下旬〜5月上旬です。花穂の長さは1mにも及びます。 生産地ならではの充実した鉢花店に大注目!講習会やオークションなど多様なイベントも開催 「とちはなちゃんのお花屋さん」では、花の生産が盛んな土地柄だけに、花苗から鉢花まで充実の品揃えで、なんといってもお手頃価格が嬉しい! 贈答用から家庭用まで、各種扱っています。ガーデニング資材や雑貨などを集めたコーナーもあるので、ぜひチェックしておきましょう。 「とちぎ花センター」では、園内ガイドツアー、フラワーオークション、コンサート、ゲームなど多彩なイベントを行っています。写真は年に2〜3回開催される、「花のお宝市」の様子。園内スタッフがステージで約10種の植物を披露しながら販売します。珍しい植物が市場価格より安く買えるとあって、人気の企画です。 「とちぎ花センター」では、体験教室を開催しています。寄せ植え教室、ハンギングバスケットづくり、草木染め教室、フラワーアレンジメントづくりなど、テーマは多彩です。写真は「花のハーバリウム」づくりの完成品。季節の花材を使ってカラフルなハーバリウムを作ります。所要時間は2時間ほど、要予約で参加費は1,500円。ホームページに随時案内が出るので、興味のあるメニューがあったら出かけてみましょう! カジュアルなカフェでリラックスのひとときをケーキセットと季節のソフトクリームが大人気! 園内には、ティータイムを楽しめる「とちはなちゃんの はなカフェ」があります。コーヒー・紅茶各300円、Y’sティー セブンカラーズ(花びら入り紅茶)400円、クリームソーダ350円。シフォンケーキセット(コーヒーまたは紅茶つき)550円(単品400円)、ソフトクリーム(ブラウン スイスミルク、季節のソフト、ミックス)350円です。※定休日は「とちぎ花センター」開園に準じます。開店時間は10:00〜15:00までです。 Information とちぎ花センター 所在地:栃木県栃木市岩舟町下津原1612TEL:0282-55-5775http://www.florence.jp アクセス:東北自動車道佐野藤岡ICから小山方面へ約5分 オープン期間 通年 休園日:月曜休園(祝日の場合は翌平日)、年末年始、設備メンテナンス期間など 営業時間:9:00~17:00(3~10月)、9:00~16:30(11~2月) 料金:無料 駐車場:40台(無料)
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千葉県

千葉県佐倉市「佐倉草ぶえの丘バラ園」復興を願って緊急レポート
異常気象でもバラの最盛期は見事に咲いていた 2019年、今年の春は珍しく4月に寒い日が続いたので、バラの開花はどこも遅れるのだろうかと思っていたところ、5月に入ってからは一転、気温が高い日が続いたため、結局、開花は例年通りでした。ただ、今年はどこのバラ園へ行っても花がとてもきれいで、バラの専門家に聞いてみると、4月の気温が低かったことから、つぼみから開花までがゆっくりだったのがよかったのではないかということでした。 2019年5月26日ファインダー越しの美しい花々 5月26日、今日はオールドローズの聖地「佐倉草ぶえの丘バラ園」で撮影です。天気は晴天。しばらく雨も降っていないし、気温はちょっと高めだけど空は真っ青で、これならきれいなオールドローズが見られるはずと、気分は上々で一路佐倉へ向かいました。バラ園に到着したのは午後3時。まだ日差しは少し強いのですが、バラ園の入り口のアーチをくぐって、すぐ正面の「サンタ・マリアの谷」は西側が高い傾斜地になっているので、もうゆっくりと西側から影が伸び始めています。 僕が花を撮る時の基本は、「日向と日陰の境目の花を狙う」こと。早速「サンタ・マリアの谷」へ下りて行き、まずはじめはティーローズ、その次はチャイナローズという順序で撮影を進めました。一番下はノワゼットと可愛い花ばかりが揃っていて、気分は早くもうっとり。きれいな光が当たっている花を見つけては、「可愛いな〜」とつぶやきながらシャッターを切っていきます。 コンディションのよい花たちに出合える喜び たとえ可愛く咲いていても、日差しが強すぎる花はひとまず後に回して、次はバラ園の一番西側、奥の林の高木の陰になっているエリアへ向かい、日本の野バラの辺りから影ができている場所に沿ってオールドローズのエリアを一回り。すると、まだ強すぎる光の中で、何輪も美しい花が咲いています。もう少し光が柔らかくなったらまた来るからねと心の中でつぶやいていると、顔見知りのボランティアさんに会ったり、バラ園の理事長である前原さんとすれ違ったりしました。 花のコンディションが素晴らしいからでしょう、「今日が一番きれいですよ」「いい日に来ましたね」なんて皆さんが笑顔で声をかけてくれます。僕の好きなエリアの一つ「歴史コーナー」では、ガリカローズからダマスクローズ、ケンティフォリアローズ,アルバローズ…。オールドローズの名花にため息をついて、また「サンタ・マリアの谷」へ戻ります。先程は日差しの具合がよくなくて撮れなかった、可愛いノワゼットを撮ったり、ガーデンの中を光の美しい場所を探しながら、最後はオールドローズガーデンの入り口にあるアイアンのアーチ越しの宿根草のカットです。 アーチの写真はこのバラ園ができた12年前から必ず撮る、いわばお決まりのカットで、この日はつるバラも左奥の宿根草のボーダーも、5時過ぎのきれいな逆光に美しく輝いていました。今までの撮影の中でも一番、まさにベストタイミングです。西側の林に少しずつ隠れて行く太陽を見ながら、5分おきくらいに何回も何回もカメラのシャッターを切って、午後6時過ぎに林の向こうに太陽が隠れたのを確認して撮影を終了しました。 オールドローズを教えてくれたバラ園 このバラ園の前身は「ローズガーデン・アルバ」という名称で、佐倉の隣の志津地区にありました。畑に囲まれた小さな、でも手作り感いっぱいの可愛いバラ園で、僕が初めて行ったのは、もう二十数年も前のこと。ガーデニング誌『BISES』の八木編集長から「ローズガーデン・アルバ」でオールドローズの写真を撮ってほしいと頼まれたのがきっかけでした。当時の僕は、オールドローズのことは何も知りませんでしたが、「オールドローズ」という名前からして魅力的な、未知のバラの世界の入り口に立たせてもらったようで、少しワクワクしながらそのバラ園に通ったことを覚えています。 シーズンに入り、いざ撮影を開始すると、初めて見るオールドローズはどの花も小さくて可愛く、上品できれいなものばかり。すっかり魅了されてしまい、そのシーズンは何日通ったか分からないほどで、僕のオールドローズ愛は、その時に芽生えて今日に至るといっても過言ではありません。 「ローズガーデン・アルバ」の写真は、2019年の春亡くなられた故野村和子先生、前原克彦理事長の執筆で『憧れのローズガーデン』(主婦の友社)として平成18年に出版されました。 台風15号による「佐倉草ぶえの丘バラ園」被害緊急告知 2019年9月9日深夜のこと。みなさんもニュースなどでご存じの通り、強烈な台風15号が千葉県を直撃しました。千葉県各地で停電などの被害が出たことはテレビなどの報道でご存じだと思います。停電で水もない、電気もつかない。屋外は35℃だというのにエアコンも使えない。コンビニの棚には食べ物が何もないし、ガソリンスタンドも閉まっている。こんな不便な生活を続けていて、あと何日したら復旧するのかも分からない。そんな苦労の只中にあるたくさんの人が千葉県各地にいると思うと、ただただ一日も早い復旧を願わずにはいられません。 そんな中、9月12日朝、千葉県立中央博物館研究員の御巫由紀さんが、「佐倉草ぶえの丘バラ園」の被害状況をフェイスブックに写真付きで投稿してくれました。「佐倉草ぶえの丘バラ園」を主会場として平成24年(2012年)には「国際ヘリテージローズ会議2012佐倉」が開催され、平成26年にアメリカのグレート ロザリアンズ オブ ザ ワールド プログラムより殿堂入りバラ園として表彰。平成27年には世界バラ連合から優秀庭園賞を受賞した、オールドローズを中心に1,300品種のコレクションを誇る、日本を代表するバラ園です。 そのバラ園で今、台風でラティスフェンスが倒れ、大きく育った原種のバラが根こそぎ倒れてしまっています。ボランティアさんたちが暑い中、必死で復旧作業に取り組んでいますが、まだまだ長い作業になりそうです。御巫さんも寄付を募る方法などを考えてくださっているようです。 バラが好きな方、「佐倉草ぶえの丘バラ園」が好きな方、どうかご協力をお願いします。幸いにブッシュローズの被害は少なかったため、10月にはまたこのバラ園でしか見ることのできない、きれいなティーローズや可愛いチャイナローズ、ノワゼットローズがたくさん咲いてくれるはずです。 今年の秋は「佐倉草ぶえの丘バラ園」の秋バラを、ぜひ皆さんで見に行ってください。そして募金箱がありましたら、募金も宜しくお願いいたします。 <クラウドファンディングを開始しました> 佐倉草ぶえの丘バラ園を台風15号の被害から立ち直らせよう! <公開URL> https://camp-fire.jp/projects/view/200167 <開始日> 2019年10月4日(金) <終了期限> 2019年11月24日(日)
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群馬県

7つの景色が楽しめる新ローズガーデン誕生!「中之条ガーデンズ」に行ってみよう!
新たにオープンした美しい庭 「中之条ガーデンズ」をご案内 群馬県中之条町にある「中之条ガーデンズ」は、中之条町が進める花のまちづくりの拠点となっているスポットです。東京ドームおよそ6個分の敷地には、一つの大きなガーデンではなく、テーマ別にいくつものガーデンがつくられ、それぞれに異なる庭の表情を堪能することができます。各ガーデンの設計や植栽に当たっては、一流ガーデンデザイナーが結集。今回取り上げる「ローズガーデン」の植栽デザインは、バラの育種家で、「横浜イングリッシュガーデン」のスーパー・バイザーなども務めるバラの専門家、河合伸志さんが担当しています。 この地ならではの生き生きとした植物の色彩が楽しめる ローズガーデン 「中之条ガーデンズ」の大きな魅力は、なんといってもバラの美しい花色。中之条町は昼夜の寒暖差が大きく、非常に発色のよいきれいな花色を楽しめるのです。この地ならではの鮮やかな植物の色合いを生かし、カラースキーム(花色による色彩計画)を基本にエリア分けされた「ローズガーデン」では、エリアごとにカラーが際立ち、デザイン意図にピタリとはまる色調に。ガーデンを移動するたびに大きく変化する光景に、何度も新鮮な驚きが味わえます。 フェンスやオベリスクなどの構造物も、各エリアに合わせ、特別に色や形がデザインされたものばかり。これらの設計は、総合プラン・ガーデンデザインを担当した空間デザイナーの吉谷博光さんによるものです。ガーデンを最大限に美しく見せるためのこだわりが随所に見られ、植栽された植物と引き立て合って、ここにしかないガーデン風景をつくり上げています。 それでは、「中之条ガーデンズ」の個性豊かな7つの「ローズガーデン」をご案内しましょう。 洋の庭から和モダンまで 庭を進むたびに風景が一変 まず初めに現れるのは、ピンクのバラの小道。オルラヤやリナリア・プルプレアなどの小花がピンクのバラの周りにレースのように咲き群れて、思いっきりロマンチックな雰囲気からスタートします。 大きくカーブする園路を進むと、白、黄色、赤へと色彩は変化し、滴り落ちる滝のように仕立てられたスタンダード仕立てのバラも効果を発揮、景色はドラマチックに展開していきます。この庭は、既存の大きな斑入りのケヤキなどの樹木を背景に、バラの花色がいっそう美しく映え、ホッと安らぐ雰囲気の中で花々を堪能できます。 ロマンチックなガーデンを存分に味わったら、次の庭へと歩を進めてみましょう。 園路が石畳へと変わり、続いて現れるのがモダンジャパニーズ風のガーデン。他の洋のガーデンとは雰囲気を異にする、唯一の和のガーデンです。左右のフェンスには色鮮やかなバラとクレマチスが誘引される一方、足元は黒い玉砂利と数を絞った植物でシンプルに構成された “引き算の庭”です。 正面には、まるで黒御影石のテーブルのような水鏡。その奥にはガーデンデザイナーの吉谷桂子さんがデザインする円形花壇「スパイラルガーデン」が遠くに見えます。白い壁が額縁のようにその景色を切り取って、一幅の絵のように庭景色を観賞するというユニークな趣向です。このテーブルはじつは水槽になっていて、上からのぞき込むと、かわいい赤い金魚たちが泳いでいるのが見えますよ。 和のコンセプトを表現したバラ植栽 このガーデンでは、フェンスに誘引されたバラとクレマチスは華やかな屏風絵を、水槽の両脇に植えられたバラは、着物が掛けられた衣紋掛けをと、植物を用いて和のイメージが表現されています。そのため、誘引には目に付きにくいピアノ線を使うというこだわりも。ぜひ想像を膨らませながらガーデン空間を味わってみてください。 清廉な雰囲気をまとった和の庭を出ると、‘ラベンダー・メイディランド’ などパステルカラーのバラが彩るロマンチックなガーランドのあるガーデンが視界に広がります。足元に生き生きと茂る銅葉のクローバーは、甘やかな色彩の引き締め役。バラがこぼれ咲くガーランドが園路脇を飾り、歩を進めると立ち込めるバラのかぐわしい香りに包まれます。 バラの色彩が際立つ 印象的なカラーガーデン 足を踏み入れた途端、青と黄色の色彩の中へと飛び込むブルー&イエローのガーデン。黄色のバラを基調としたガーデンが鮮やかなブルーのフェンスに囲まれ、7つのローズガーデンの中でも色彩のインパクトが鮮烈な華やかな庭です。フェンス上部には小さく模様が切り抜かれ、空間に抜け感をもたらすとともに、続くエリアの色彩をちらりと感じさせてくれます。 ガーデン中央のガゼボには、柔らかなイエローとアプリコット色のバラが絡み、青い支柱と美しいコントラストを奏でます。この2種のバラは、一方のバラから突然変異などにより生まれた枝変わりを組み合わせています。このように、花色以外の性質が共通している枝変わりを組み合わせることで、開花期や株姿、花の大きさが揃い、調和のとれた景色をつくり出すことができます。 カラフルなブルー&イエローの庭から一転、続くホワイトガーデンに足を踏み入れると、美しく輝く白とあふれる緑が視界を満たし、清純な景色が広がります。周囲のフェンスも白く変化した庭で、中央にある噴水の縁を飾るのは、大きく育ったミニバラの‘グリーンアイス’。周囲には、‘アイスバーグ’や‘ウィンダミア’、‘アンナプルナ’など、さまざまな白バラが咲き乱れます。 赤紫色の常緑樹、トキワマンサクで幾何学的なマス目をつくり、周囲をコクリュウで縁取ったアンティークカラーのガーデン。それぞれのマスと周囲に植栽されているバラは、‘チャーリー・ブラウン’や‘チャーリー・アンバー’、‘バーガンディー・アイスバーグ’、‘しのぶれど’など、シックな花色のバラばかりを集めた、他にはない珍しい色彩の調和が楽しめます。 周囲を囲むのは、クロスデザインでつくられたガーデン。庭の中心を通る対角線上に同じ種類の樹木やバラが植栽されているので、ガーデン風景を楽しみながら、植物の位置を確認するのも面白いかもしれませんね。 カフェのあるガーデンで バラに包まれたひとときを 6つのローズガーデンを抜けた終点にあるのが、豊かな香りを持つバラを集めたローズガーデン。赤いバラを中心に、バラの色彩がグラデーションを描くように植栽されています。庭の一角にはカフェスタンドがあり、ガーデンチェアに腰を掛け、飲み物を片手にゆったりとした時間を過ごすことができます。 バラと宿根草が混ざり咲き、互いに引き立て合うテラスガーデンからは、吉谷桂子さんがデザイン・植栽したスパイラルガーデンを一望できます。 「中之条ガーデンズ」は入園無料。この「ローズガーデン」のほかにも、「スパイラルガーデン」、「パレットガーデン」など多様なガーデンがあり、春には1,000本のハナモモがピンクのトンネルをつくるなど、数百種類の季節の花々が咲き乱れます。園内には陶芸や草木染めの体験施設もあり、植物を見るだけでなく、触れたり体験したりしながら楽しむことができます。 また、「中之条ガーデンズ」を訪れた際には、ぜひ足をのばしてほしいのが、ここからおよそ20km離れた高地にある「中之条山の上庭園」。標高およそ1,000mのガーデンには、ハーブや宿根草、コマクサなどの高山植物が咲き、また違った美しいナチュラルガーデンが広がります。 時間の経過につれ、木々や草花もさらに美しい姿へと成熟していく「中之条ガーデンズ」。ここに選ばれているバラは、四季咲き性種ばかり。春以降も秋まで繰り返し咲くバラの姿を見に、何度も足を運んでみませんか?
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神奈川県

花の庭巡りならここ! 本の世界へ入り込んだ気分を満喫「星の王子さまミュージアム」
「星の王子さま」の世界観を表現する フランス風の街並みやガーデンにうっとり! 1999年にオープンした「星の王子さまミュージアム」は、『星の王子さま』の作者サン=テグジュペリの生誕100年を祝して作られた施設。開園日は生誕日の6月29日です。敷地は約9,265㎡(駐車場を含む)で、ガーデンと展示ホール、レストラン、カフェ、ショップなどで構成。ゆっくり見て歩いて1時間ほどかかり、物語の世界観を満喫できます。 2009年の10周年記念に、屋外のゾーンを庭にしようという計画が持ち上がり、ガーデンデザインのセンスが素晴らしい「yoshiya gardens & studio」に依頼しました。構造は吉谷博光さんが、植栽デザインは吉谷桂子さんが担当。イギリスの庭園のアイデアをベースに、フランス式の庭の要素も交えたヨーロピアン・ガーデンをつくり上げました。 園内に入ってすぐに目にとまるのは、黄色い花々。光に反射して強い存在感を放ち、霧が出やすく曇りの日が多い箱根で明るい雰囲気を醸します。少し歩くと「アジサイの小径」に出て、ピンク、ホワイト、アプリコット、ブルーなどの宿根草や一年草が織りなす、自然風植栽のハーモニーが見事です。その先には左右対称の整形式ローズガーデンが広がり、奥には楚々としたクリスマスローズの庭が展開。下向きに咲くクリスマスローズをレイズドベッド(高床式の花壇)に植え、その魅力を引き出しています。 冬はパンジー、春はヘレボレス(クリスマスローズ)やスイセン、チューリップなどの小球根、初夏はアジサイからバラ&宿根草へ、夏はダリア、秋はシュウメイギクほか秋咲き宿根草と、次々に開花リレーが楽しめます。四季折々に華やぐ植栽術はもちろん、花々の背景に映り込むフランス風の城館や街並みとのコンビネーションにも注目を。互いの存在感が引き立つ絶妙なバランスで植栽されているので、カメラを構えてアングルを探すと、とてもフォトジェニックなシーンを撮影できます。「花の姿ばかり重視すると、景観がアンバランスになるので」と吉谷さん。植栽の引き算テクニック、ぜひ参考にしてください! 「星の王子さまミュージアム」の年間来場者は、約20万人。「お庭とお花に癒されました。また夢の世界に遊びに来ます」、「春夏秋冬と、今まで何度も訪れていますが、バラが満開の時に来られて感動! 季節ごとに表情が変わる庭が楽しみです」といった感想が寄せられています。冬期を除き、ほぼ月に1度は吉谷桂子さんの公開ガーデンワークが開催されているので、イベントに合わせて足を運ぶのもオススメ。そして2019年は20周年という節目を迎え、限定グッズ販売のほか、多様なイベントの準備が進められているので、こちらも要チェックです! 「星の王子さまミュージアム」開園20周年を記念したイベント第一弾は、フラワーチャペルの復活です。園内の「サン=テグジュペリ教会」に、吉谷桂子さんプロデュースによる新しいフォトスポットを設置。豊かに彩られたフラワーコーディネートに、感動のため息がこぼれるばかりです。ぜひ写真に収めて、思い出に残しましょう。 ※写真は2017年10月に開催された時のものです。2019年6月29日からの20周年記念の新しいデザインをお楽しみに! 星の王子さまの彫像が目印のメインゲート 屋外に1900年代前期のフランス風の街並みが登場 「星の王子さまミュージアム」のメインゲートでは、王子さまの故郷(小惑星B612)に立つ王子さまのスタチューがお出迎え。奥のチケット売り場から、エントランスの扉を抜けてガーデンへ出ます。ガーデンの途中で展示ホールに入る順路となっており、屋外空間の凝った演出も見どころです。 屋外空間では、星の王子さまの世界観を再現。写真は、1900年代のフランス・リヨンの街並みを模した「王さま通り」です。サン=テグジュペリや彼の作品にまつわる演出が随所に見られ、ファンにはそれを見つける楽しみもあります。屋外では自由に撮影できるので、お気に入りのスポットを見つけたら、ぜひ写真に収めましょう(屋内はエントランス、教会、展示ホール1階、カフェ、レストランのみ撮影可)! 樹木や草花が織りなすハーモニーと 街並みや建物外観と花々の調和が見どころ 写真は、「アジサイの小径」エリアです。梅雨前後からガクアジサイ、カシワバアジサイ、西洋アジサイ‘アナベル’などが見頃に。「自然風のコンビネーション」をコンセプトに、アジサイの足元には宿根草が植栽され、打ち上げ花火が次々と上がるように、季節によって見頃の植物が移ろっていきます。 「グラウンドカバープランツをベースに、立ち上がる樹形、縦横に広がる草花の三拍子のバランスで植栽しています。冬は宿根草の姿が消えるので、アナベルなどの枝を残して彫刻的な姿を大切に。アセビなどの常緑樹も活躍します」とは、吉谷桂子さんからのコメントです。 写真は、バラの咲くフランスの庭を表現した「ローズガーデン」のエリアで、見頃は6月中旬です。『星の王子さま』に登場するバラにちなみ、赤いバラでコーディネート。‘チェリー・ボニカ’や‘ピエール・ドゥ・ロンサール・ルージュ’など約25品種、47株のバラが植栽されています。赤バラの品種それぞれの豊かな表情も見どころですね。つるバラに欠かせないアーチは3カ所に設置。アーチの外側ばかりか、内側へも花が爛漫と咲くように配慮されており、仕立て方の参考にもなりそうです。 写真は、「サン=テグジュペリ教会」の外観。株立ちの樹木に守られた、グリーンのグラデーションが美しい静謐な空間です。緑陰が多く、あまり日当たりに恵まれない場所のため、コニファーやヒューケラなどのエバーグリーンを中心に植栽し、パンジーやインパチェンスなどの一年草で彩りを添えています。教会は、中に入ることも可能。ステンドグラスには、『星の王子さま』に登場するキャラクターが隠れていますよ! 写真は、「サン=モーリス・ド・レマンス城」と「パルク・デュ・プチ・プランス」のエリア。フランス式パルテール花壇で、ツゲで形づくられた美しいトピアリーが目を引きます。中心には華やかな色彩の寄せ植えが配置され、フォーカルポイントに。背景のお城とも相まって、素敵な記念写真が撮れそうです! 物語にちなむ、kawaiiレストランメニュー! オリジナルグッズのお買い物も楽しんで ミュージアム内のレストラン「ル・プチ・プランス」にはテラス席もあり、ガーデンの景色を愛でながらの食事を楽しめます。営業時間は11:00〜18:00(L.O.17:30)で、デザートメニューは11:00〜17:00L.O.、フードメニューは11:30〜17:00L.O.。客席は店内66席、フランス庭園側20席、駐車場側テラス20席。レスランのみの利用も可能。その場合、ミュージアム入園料金は不要です。 写真は、人気メニューの「ウワバミのオムライス」。単品1,300円、スープ・サラダ・デザート・コーヒーor紅茶のセット1,750円。『星の王子さま』で、主人公の「ぼく」が6歳の時に描いた絵、「ゾウをのみこんだウワバミ」が、大人には「帽子」に見えてしまう、というエピソードがモチーフです。 写真はオススメデザートの「Le Petit Prince ふわふわパンケーキ」。単品680円、コーヒーor紅茶セット1,000円。 2019年5月25日〜7月7日には、1日限定20皿のローズスイーツ2019「バラのわがままプレート」が登場! 単品950円、コーヒー・紅茶セット1,200円、ローズティーセット1,300円。期間限定メニューのため、お見逃しなく! ミュージアムショップでは、お菓子やステーショナリー、タオルや食器など、幅広いアイテムが揃います。ファンにとってはまさに聖地。存分にお買い物を楽しみましょう! お菓子は王子さまのデザイン缶2種類が揃う、チョコサンドクッキー1,800円がオススメです。革小物やワックスペーパー製グッズは男女、年齢層を問わず人気のアイテムで、パスケース2,500円〜、ワックスペーパー製ブックカバー1,500円。ここでしか買えないミュージアムオリジナルのトートバッグは3,100円。 20周年記念グッズとして、PARKERの万年筆28,300円とボールペン18,300円、ミントタブレット510円、メモ帳580円など品揃えが充実しています。コレクターには朗報ですね! ※この記事はレストランメニュー以外、すべて税抜き価格を表記しています。 Information 星の王子さまミュージアム 箱根サン=テグジュペリ 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原909 TEL:0460-86-3700 http://www.tbs.co.jp/l-prince/ アクセス: 公共交通機関/ ●東京方面から「新宿高速バスターミナル(バスタ新宿)」より小田急箱根高速バス「箱根線」約120分、「川向」バス停下車すぐ。 または新幹線「小田原駅」より箱根登山バス「桃源台行き」約50分、「川向・星の王子さまミュージアム」バス停下車すぐ。 ●箱根から 箱根登山鉄道「箱根湯本駅」より箱根登山バス「桃源台行き」約30分。 または箱根登山鉄道「強羅駅」より観光施設めぐりバス「湿生花園前行き」約18分、「川向・星の王子さまミュージアム」バス停下車すぐ。 車/東名高速御殿場ICより約20分 オープン期間:通年 休園日:第2水曜(3月と8月は無休。気象状況等の事情により営業時間の変更や臨時休園の可能性があります) 営業時間:9:00~18:00(最終入園17:00)※展示・映像ホール開館時間 9:00~17:30 料金:大人1600円、シニア(65歳以上)・学生(要学生証)1100円、小・中学生700円 駐車場:112台 (1日300円 ※土日祝・繁忙期のみ) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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花の庭巡りならここ! 富士山を望むナイスビューが魅力「松田山ハーブガーデン」
風通しのよい傾斜地を利用したハーブ園 2階の工房ではクラフト体験も実施 1997年6月にオープンした「松田山ハーブガーデン」。広さは3,667㎡にも及び、ゆっくり歩いて公園全体を散策するのに、約1時間かかります。農地の荒廃化と農業離れを防ぐため、新しい魅力ある農産物としてハーブの栽培を取り入れ、また町を活性化する観光スポットを目指して整備されました。 松田山ハーブガーデンでは、181種、約16,500本の植物を植栽。主に4月中旬〜6月はチェリーセージ、5月中旬〜6月はストエカスラベンダーやダイヤーズカモミール、6月中旬〜7月はアカンサス、6月下旬〜7月はグロッソラベンダー、6〜8月はベルガモット、9〜10月はチェリーセージ、アメジストセージへと開花リレーがつながれ、四季を通して見どころを設けています。 ハーブが息づくのは南側の斜面で、日当たり・水はけ・風通しがよく、植物がすくすくと育ちやすい環境。園路はスイッチバック方式に整備されているので、ハーブ畑の間を縫うようにゆるやかに頂上へと導かれていきます。足柄平野を見渡し富士山を望む絶景に、思わずため息がこぼれることでしょう。 頂上に建つ円筒形のハーブ館では、ハーブ関連商品を扱うショップや地元の特産品が並ぶ土産物店で、お買い物を楽しめます。2階にはハーブを利用したクラフト体験ができる工房があり、当日申し込みで参加できます(木・土・日曜のみ)。一番のナイスビューが広がる3階のレストランでは、1,000円前後の価格帯でランチを楽しめるほか、デザート、ドリンクも揃います。特にハーブティーのラインナップが充実していますよ! 春と秋の年2回、「ハーブフェスティバル」を開催し、冬は「松田きらきらフェスタ」と題したファンタジックなイルミネーションを無料公開するなど、「松田山ハーブガーデン」では、さまざまなイベントが盛りだくさん。リピーターも多く、年に約17万人が訪れる、町の魅力的な観光スポットになっています。爽やかな風香るハーブガーデンに、ぜひ足を運んでみてください! 春は河津桜と菜の花が織りなす絶景から始まり 晩秋までハーブと季節の花々が咲きつながる 「松田山ハーブガーデン」では、2月中旬〜3月中旬に開催される「まつだ桜まつり」で、約360本の河津桜と菜の花の共演を楽しめます。桜の観賞がメインとなる散策路内では、シートを広げてのお花見は不可となっていますが、公園上部にある芝生広場では飲食OK。飲酒の制限もありません(ただし周囲の方々に迷惑をかけない程度に)。足柄平野と桜を一望しながら、晴れた日には富士山も顔を出すナイスビューを前に、会話も弾みそうですね! 頂上に建つハーブ館からハーブガーデンを一望した風景。日当たり良好な南斜面にラベンダー、セージ類、ローズマリー、カモミール、レモングラス、アーティチョークなど多様なハーブが、区画された中に植栽されています。ガーデンの標高は下部が約110m、上部が160mと高低差がありますが、園路はジクザクに折り返しながらゆるやかに整備されているので、ご安心を。ハーブの香りに癒されながら、ゆっくりとそぞろ歩きを楽しみましょう。 2019年は6月1〜9日に「ハーブフェスティバル」を開催。この期間はJR御殿場線「松田駅」北口から毎日シャトルバスが運行されます(大人150円、子ども80円)。「英会話をしながらスワッグ作り」や「第2回松田ミュージックフェス」、「ハーブ体験教室」、「ハーブガーデンで摘み取り体験」など、楽しいイベントを実施。フェスティバル中は、ハーブガーデンへのワンちゃん同伴がOKです! 写真は秋のハーブガーデンの様子です。多種類のセージやサルビアが主役となり、園内を豊かに彩ります。2019年10月上旬〜中旬には、秋のハーブフェスティバル「オランダまつり」を開催予定。オランダの民族衣装を着用しての記念撮影や、ストリートオルガン演奏会、オランダ文化のミニ講座などが開催されます。売店では、オランダグッズの数々も登場。ほかにハーブの摘み取り体験や、ハーブクラフト体験など、多様な催し物が展開される予定です。 園内を走る「ふるさと鉄道」が大人気! イルミネーションやハーブクラフトも楽しめる 写真は、園内の「ふるさと鉄道」の様子。山岳鉄道「シェイ式蒸気機関車」(ミニSL )と小田急ロマンスカーは、どちらも実物の1/6のスケール。ミニSLは、本物と同じ蒸気を動力とした精巧で本格的なつくりです。高低差30m、片道550mを約20分かけて往復。途中、急斜面での2カ所のスイッチバックや鉄橋、踏切もあります。料金は12歳未満が200円、12歳以上は300円。不定休のため、運行日はホームページにて確認を。雨天時は運休します。 例年11月下旬〜12月下旬に、「松田きらきらフェスタ」が開催され、約18万球のイルミネーションが点灯されます。営業時間は17〜21時で、入園は無料です。足柄平野のダイナミックな夜景とも相まって、素晴らしい光のハーモニーを楽しめますよ! ハーブ館2階の工房では、木・土・日曜にハーブを利用したクラフト教室を実施(都合により中止になることもあります)。当日申し込み、受付時間は10:00〜11:30と13:00〜14:30。体験コースは「ハーバリウムづくり」2,000円・約40分、「瓶ポプリづくり」500円・約30分、「手練り石鹸づくり」500円・約30分、「バスソルトづくり」700円・約30分、「ミニリースづくり」500円・約30分など、多彩です。 ハーブ関連商品が豊富に揃う1階ショップ 眺望のよい3階レストランでの休憩もオススメ 1階はハーブ&お土産物売り場があります。ハーブ関連商品や地元の特産品がずらりと並び、目移りしてしまうほど。オリジナル商品は、ガーデンの花材で作ったクラフト(500円前後)や、パズル500円など。特にオススメしたいのは、ここでしか買えない寄(やどりき)産のお茶を使った丹沢大山茶アイスで、ほうじ茶・煎茶各270円。茶師謹製、絶品の味わいをお楽しみください! 3階のレストランでは、富士山、箱根、相模湾が一望できるナイスビューを楽しめます。営業日は木〜日曜、11:00〜16:00(L.Oは食事が15:00、デザート・ドリンクが15:30)。ランチは足柄牛ハンバーグ1,000円、パスタ900円、スープライス700円など。デザートはケーキ各種450円(ドリンクセット700円)、ソフトアイス(さくら、バニラ、チョコレート、抹茶)350円、ドリンクはハーブティー各種350円です。 そして、5日前に予約すれば(10名以上宴会予約のみ)、ディナーも楽しめますよ! 大きな窓の向こうには、キラキラと美しい夜景が広がります。特別に、8月の足柄花火大会とクリスマスのディナーは個別での予約にも対応。写真は花火大会の時のレストランの様子です。満席ですね、予約を急ぎましょう! 夜間予約の営業時間は18:00〜21:00。パーティーコースのお値段は、和食コース、写真の洋食コースが各一人3,500円(10〜24人)、パーティーコースが2,500円(16〜24人)、立食パーティーコースが2,000円(20〜40人)です。予約すると、なんと新松田駅北口と松田山ハーブガーデン往復のタクシー1台無料(4名乗車)、車で来場の際は駐車料金が無料になります! 忘年会や新年会、親睦会、女子会などにいいですね。 Information 松田山ハーブガーデン 所在地:神奈川県足柄上郡松田町松田惣領2951 TEL:0465-85-1177 https://nisihira-park.org アクセス:公共交通機関/小田急小田原線新松田駅北口を出て、徒歩約25分(新松田駅からタクシーで約820円 ※道路状況で変わります) 御殿場線松田駅北口を出て徒歩約20分 オープン期間:通年 休園日:年末年始、月・火曜(イベント時は開園) 営業時間:9:00~17:00(冬季は10:00〜16:00) 料金:無料 駐車場:70台(平日無料、土・日・祝日・イベント中は500円、桜まつり時は1,000円) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪10 千葉「Calmeカルム」
絵本の世界のような空間が広がる こだわりの自宅ショップ 新設の大学やマンションが建ち並ぶ明るい駅前を通り抜け、静かな住宅地の中に佇む園芸店「Calmeカルム」。背後に広がる緑からにぎやかな鳥のさえずりが聞こえる、まるでサンクチュアリのような千葉県のショップです。 ここ「Calmeカルム」は、今からちょうど10年前に、中村さんが自宅の庭先につくったショップ。とても小さいスペースですが、中村さん厳選の苗やアイテムが集められた、こだわりの品揃えです。 売り場に並ぶ植物は、シックでありながらあでやかさも併せ持つ大人っぽい表情のものがメイン。こぢんまりと営む自宅ショップなので大量仕入れはできませんが、多品種を少しずつ仕入れることで、常に新しい苗が用意されています。「近くに大きなホームセンターがあるのですが、量では勝てないから、私のショップでは新鮮さとセンス、知識でカバーしています」。そのこだわりを求めて、近隣だけでなく遠くからもファンが集まってきます。 店を持つ以前は、海外の航空会社の空港勤務をしていたという中村さん。同居するお母さまの体調がすぐれないため、激務だった会社を辞め、介護をしながらガーデニングを開始。花を触ることは自身にとって大きな癒しとなり、どんどんのめり込んでいきました。次第にガーデニングの魅力をもっと周りに伝えたいという思いが強くなり、自分で貯めた資金で庭を店舗用に改修し、園芸の猛勉強をして、自宅でガーデニングショップを開業しました。 こだわりをあきらめずに追い求め、 手に入れた、理想のシェッド 店をオープンするにあたり、何よりもこだわったのが、庭先に作る店舗の建物の雰囲気。ウッドデッキだった場所を改修し、イギリスの片田舎風なシェッドを建てたかった中村さんは、いろいろな工務店に相談しましたが、なかなか思うようなデザインの提案が上がってきませんでした。けれど中村さんはあきらめず、数カ月間探し続けた結果、ようやく同じ世界が共有できるデザイナーに出会います。まだ経験が浅い若い勉強中のデザイナーでしたが、二人三脚で理想の空間を形にしていきました。 アンティークのアイテムをシェッドのパーツとして活用し、植物と絡めて。憧れの世界づくりに、妥協はありませんでした。 建てた当初に植えた1ポットのフィカス・プミラが、10年経った今、ここまで育ちシェッドをカバー。飾り棚やニッチにあしらったポットとともに、表情豊かなシーンを演出しています。 多肉のポットを配した飾り棚。窓には、アンティークのアイアンフェンスを取りつけ、本格的な風景に仕上げて。 シェッド前面に設けたトンネル型のニッチには多肉の寄せ植えをレイアウト。背面の窓には、厚みにむらがあるガラスを用いて味わいをプラス。写真左は外側、右は中側(店内)。 店舗の雰囲気をアップ! 周りを彩る植栽も必見 シェッドの周囲にはほんの小さなスペースしかありませんが、カラーリーフ類をメインに植栽。春から秋まで、次々に表情が変わっていきます。リピーターの方々は、この小さな植栽が見せる移ろいを見逃すまいと、たびたびショップを訪れています。 左/シェッド脇の細い園路。斑入りドクダミが明るさを添えて。 右/シェッドの屋根を覆うのはクリーピングタイム(2018年の写真)。「昨年の猛暑で枯れてしまいましたが、今年また新たな苗を植える予定です」と中村さん。 つややかなグリーンの中で、シックな彩りを添える、シキミアとペルシカリア。 フィカス・プミラの株元には、古びた道具類を転がしたディスプレイ。人気を感じさせる無造作加減が素敵。 シェッドに設置した雨どいを伝って落ちた雨水。メダカを泳がせて蚊対策をしています。 シェッドの雰囲気を盛り立てる 多肉植物のあしらい シェッドの周りにはたくさんの多肉植物の寄せ植えがコーディネートされています。ニュアンスのある色と造形がこの建物によく合って、古びた雰囲気を演出するのにぴったり。器にもこだわっているのがポイントです。 アンティーク感たっぷりのアレンジ。落ち着いた色調が、ビターなシーンを演出しています。 エイジング加工されたカップに、渋い色合いの多肉を寄せ植え。小さくても雰囲気たっぷり。 壁や柱にも多肉のアレンジをハンギング。あちこちで訪れた人の目を引いています。 シックな花と雑貨の 取り合わせも参考に 「Calmeカルム」では、現行品・アンティークを問わず、あでやかでシックな草花に合う雑貨を多数取り扱っています。決して目立つものではないけれど、存在感のあるアイテムをセレクトするのが成功のカギ。 アンティークの二連の洗面器台には、渋い色調のペチュニアとカリブラコアの苗を入れて、古びた雰囲気を強調しています。 シェッドを彩る、シルバーリーフのガザニアとカルセオラリアの苗を寄せたアンティークのベビーバス。白い器に赤×黄の花が美しく映えています。 店頭を飾る中村さん好みのシックな花々。「主張が強くないので、互いに合わせやすいところが魅力ですね」(左上/ビオラは見元園芸の極小輪ビオラ、右上/ユーフォルビア ‘ブラックパール’、下/アークトチス ‘バーガンディー’)。 絵本の世界のような 愛らしいシェッド内 中村さんこだわりのシェッド内は、生活に潤いを与えてくれるこだわりのアイテムがずらり。ガーデニングアイテムはもちろんのこと、作家によるクラフトや器、洋服までもが揃っています。「ちょっとしたプレゼントが欲しい時、都内まで行かなくても、ここに来れば素敵なものが見つかる――そんな品揃えを考えています」と中村さん。シェッド内は愛らしいものでいっぱいです。 ガーデニングを楽しくしてくれるハンギングバスケットやグローブなどが充実。インテリアとして飾っても素敵。 アンティークの柵が設けられた窓辺。透けるフィカス・プミラの葉がつややかな潤いをもたらしています。 おもてなしに活躍してくれそうな益子焼の器なども並んでいます。プレゼントにも最適。 中村さんが作った、ピンクのバラがメインのプリザーブドフラワーのアレンジ。制作の注文も受けており、ワークショップも行っています。 中村さん作のリースとプリザーブドフラワーのコサージュ。こちらも販売されており、ワークショップも開催。ぜひお問い合わせを。 オープンガーデンの時などにオススメの、花柄などナチュラルな雰囲気の洋服や帽子も並んでいます。 個性あふれるクラフト作家による小物類。同じ作家でも一点一点、色や大きさなどが異なるので、作品とは一期一会の出合いです。 2018年オープンしたカフェは ゆったりくつろげる隠れ家風 介護が終わり、2018年秋にカフェをオープンさせるという、新たなチャレンジに挑んだ中村さん。構想を練る段階で、一度コンサルタントの先生に相談したところ、「場所柄、運営は厳しい」という回答を受けました。けれど、そんな逆境に直面するほど情熱に火がつくのが中村さんのど根性気質。10年前にシェッド作成を依頼したデザイナーに再度連絡を取り、シェッドとは異なる‘ちょっと男前’な雰囲気の建物を建ててもらいました。 カフェは玄関まわりを改修して設置。10年でお互いに経験を積んだデザイナーとの合作はとてもスムーズで楽しいものだったそう。カフェの入り口には、たくさんの寄せ植えでおもてなしの気持ちを表して。 ヨーロッパの路地にでも迷い込んだような雰囲気のエントランス。オープン後訪れた弁理士に「なるほど、これなら大丈夫かな。勉強になりました」と言わしめたほどの、本格的で魅力的な仕上がりです。 エントランスの階段脇には、さまざまな季節の草花の彩りが。カフェに入る前からテンションが上がります。 店内からの眺めも考えて、ウィンドウプランターには長く楽しめる草花を植栽。夕方店内に明かりがつくと、とても雰囲気のある風景に。 ほんの数㎡の室内は落ち着いた内装で、囲まれ感たっぷり。居心地抜群なので、一人で訪れる人も多いのだとか。 中村さんイチオシのグッズはコレ! 樹脂製の軽いコンテナ 中村さんがオススメするのは、樹脂製のプランター。落ち着いた色味で使い込んだような質感は、さながら本物の焼きものプランター。色・形はさまざまで、白やブラックもあります。軽くて移動が楽なので、扱いやすいのが嬉しい。 逆境をバネにして生まれたガーデニングショップ&カフェ「Calmeカルム」。店名はフランス語の「穏やかな」で、お客様が穏やかな気持ちで過ごせるようにという思いが込められています。自分を信じ、こつこつと積み上げた努力が結実したショップ内には、ガーデニング好きの人はもちろん、それまで興味がなかったという人までが花好きになってしまうほどの穏やかで心地よい空間が広がっています。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、京成本線・公津の杜駅下車 徒歩約5分。駐車スペース有。 【GARDEN DATA】 Calmeカルム 千葉県成田市公津の杜1-1-16 TEL:0476-28-7659 https://calmekouzunomori.wixsite.com/calme 営業時間:11:00~19:00 定休日:木曜日(正月) Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/カルム
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神奈川県

バラの街で人気の横浜で建物探訪!「横浜山手西洋館巡り」
西洋館の始まり~横浜開港と外国人居留地の成立 1854年に、アメリカと幕府の日米和親条約が結ばれて鎖国が解かれると、1858年には、アメリカ、オランダ、ロシア、イギリス、フランスと相次いで通商条約が締結されました。それにより国内5港(横浜、長崎、函館、神戸、新潟)で自由貿易が可能となり、開港地付近に、外国人の居住や事業などが許可された場所(居留地)ができました。 1859年、横浜港が開港されると、1860年頃より本格的に山下居留地での建築工事が始まりました。しかし、開港間もない当時は、開港や居留地制度に反対する者による外国人殺傷事件などが起こり、居留外国人防衛を目的に、山手の丘にイギリスとフランスの軍隊が駐留することになりました。 1866年、幕府は「横浜居留地改造及び競馬場墓地等約書」をつくり、1867年、バーン商会が幕府の命により、約22万5千坪の山手の土地を競売にかけたことで、次々と買い手がつき、やがて居留地の街ができていきました。山下居留地は商工業地区として、山手地区は住宅地区として洋館が建てられ、1875年には、イギリスとフランスの両軍隊は完全に山手から撤退していました。それにより、両軍隊の跡地の分割が行われると、山手居留地は益々整備が進み、病院、学校、墓地、教会、公園、ホテルなどの施設も充実しました。 現在の山手地区の主な歴史的洋館 現代の山手地区を大きく5つのエリアに分け、9つの建物をご紹介します。まずは各エリアの由来と、そのエリアにある建物の名称をリストアップしましょう。 Ⅰ. 港の見える丘公園エリア ①横浜市イギリス館 ②山手111番館 【エリア解説】1962年に開園し、園名は戦後の流行歌『港の見える丘』に由来します。 Ⅱ. 元町公園エリア ③山手資料館 ④山手234番館 ⑤エリスマン邸 ⑥ベーリック・ホール 【エリア解説】元町公園は、元町商店街から山手にかけての谷戸と呼ばれる地形に位置します。 Ⅲ. 山手公園エリア ⑦旧山手68番館 【エリア解説】日本初の洋式公共庭園であり、日本におけるテニス発祥の地です。 Ⅳ. 山手イタリア山庭園エリア ⑧外交官の家 ⑨ブラフ18番館 【エリア解説】1880~1886年に、イタリア領事館がこの地に置かれました。 西洋館探訪1 横浜市イギリス館(横浜市指定文化財) 1937年(昭和12年)に、英国総領事館公邸として、上海大英工部総署の設計により建てられました。コロニアルスタイルの建物は、現在、1階はコンサートホール、2階は会議室に利用され、寝室や展示室などが一般公開されています。 イギリス館周囲の庭園は、現在、「イングリッシュローズガーデン」と命名され、さまざまなイングリッシュローズと共に、宿根草などの草花との組み合わせや配置が見事な英国風ガーデンとなっています。アーチやオベリスクを利用した立体的空間デザインや各コーナーごとのカラースキームも大変素晴らしく、まるでイギリスのガーデンにいるような錯覚を覚えます。こちらでは、約130品種、約1,200株が植栽されています。 また、隣接された「香りのガーデン」では、特に香りが強く香料用のバラとして栽培されている品種をはじめ、中国や日本などのさまざまな香りのバラが50種以上と、100種以上の香りの植物が植栽されています。 フランスのグラースなどで香料用に栽培されている‘ローズ・ド・メイ’が、ベンチの後ろに数株並んで。 西洋館探訪2 山手111番館(横浜市指定文化財) 1926年(大正15年)に、J.H.モーガン氏による設計で、アメリカ人、ラフィン氏の住宅として建てられました。スパニッシュスタイルの洋館は、イギリス館南側に位置し、ローズガーデンを見下ろすように佇み、現在、地階は喫茶店となっています。 西洋館探訪3 山手資料館(横浜市認定歴史的建造物) 外国人墓地の向かいの山手本通り添いに建つこちらの洋館は、1909年(明治42年)に、中澤兼吉氏の邸宅として、本牧本郷町に建てられた和洋併設住宅の洋館の部分を移築したものです。現在、開港~関東大震災までの横浜や山手に関する資料を保存し展示しています。庭園には、洋館を背景にバラが数株植栽されています。 西洋館探訪4 山手234番館(横浜市認定歴史的建造物) 山手本通りを元町公園前に向かって進むと、間もなく見えてくるこちらの洋館は、1927年頃(昭和2年)に、朝香吉蔵氏の設計により建てられました。関東大震災で横浜を離れてしまった外国人に戻ってきてもらうための、外国人向けアパートメントハウスでした。当時は、3LDKの間取りが4セット、玄関ポーチに向かい合うよう設計されました。 こちらでは、ハンギングや寄せ植えなどがセンスよく配置されていました。 西洋館探訪5 エリスマン邸(横浜市認定歴史的建造物) 山手234番館の前の山手本通りを少し進み、向かい側にあるのがエリスマン邸です。1925~1926年(大正14~15年)に、日本の近代建築の父といわれるチェコ出身の建築家アントニン・レーモンド氏の設計により、生糸貿易商社シーベルヘグナー商会のスイス出身フリッツ・エリスマン氏の邸宅として建てられました。1990年(平成2年)には、元町公園内に移築されました。 西洋館探訪6 ベーリック・ホール(横浜市認定歴史的建造物) エリスマン邸のすぐ隣に建つスパニッシュスタイルの洋館は、1930年(昭和5年)、アメリカ人建築家であるJ.H.モーガン氏設計により、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として建てられ、2000年(平成12年)まで、セント・ジョセフ・インターナショナルスクールの寄宿舎として使用されていました。 西洋館探訪7 旧山手68番館 1934年(昭和9年)に外国人向けの賃貸住宅として、山手68番に建てられ、1986年(昭和61年)に、山手公園内に移築されました。現在は、山手公園管理事務所になっています。 山手公園は、1870年(明治3年)、日本初の洋式公園としてこの地に誕生し、日本で初めてテニスが行われた場所でもあります。居留地外国人女性によってレディーズ・ローンテニス・アンド・クロッケー・クラブ(LLT&CC)が創設され、1998年(平成10年)には、LLT&CCが改称した公益社団法人 横浜インターナショナル・テニス・コミュニティ(YITC)創立120周年を迎え、テニス発祥記念館を同公園内に開設しました。 また、1879年(明治12年)にイギリス人のH.ブルック氏がインドよりヒマラヤ杉のタネを取り寄せ、日本で初めて植栽しました。2004年(平成16年)には、国の「名勝」指定を受けた公園でもあります。 西洋館探訪8 外交官の家(国重要文化財) 明治政府の外交官として、ニューヨーク総領事やトルコ特命全権大使を務めた内田定槌氏の邸宅として、1910年(明治43年)に、J.M.ガーデナー氏設計により東京・渋谷区南平台に建てられましたが、1997年(平成9年)に、現在建物があるイタリア山庭園内に移築されました。建物は、アメリカン・ヴィクトリアン様式です。また、幾何学模様にデザインされた整形式庭園も見どころです。 西洋館探訪9 ブラフ18番館(横浜市認定歴史的建造物) 外交官の家の隣に建つこちらの洋館は、大正末期頃に建てられた外国人用住宅で、1991年(平成3年)まで、カトリック山手教会司祭館として使用されていました。1993年(平成5年)に現在の山手イタリア山庭園内に移築されました。 なおブラフとは、かつて居留外国人たちが、山手の港寄りの切りたった崖の地を「ブラフ」と名づけたことに由来します。 ブラフ18番館からJR京浜東北線・根岸線「石川町」駅に向かう大丸谷坂の道に、懸崖仕立てにバラが植栽されていました。 各洋館の歴史がそれぞれにあるように、庭園もそれぞれの経緯を経て今に至ります。横浜開港150周年を記念して平成19年に市民投票により名前が選ばれ、平成21年に名づけられたピンクのバラ‘はまみらい’は、あちらこちらで目にすることができました。 現在、横浜では市をあげて、花と緑のフェア「ガーデンネックレス」が開催されています。また、5月は「横浜ローズウィーク」とメインイベントとなる「ばらフェスタ2019」も、横浜の大さん橋ホールにて初開催されています。 バラが最盛期の今、ぜひバラとの歴史が深い横浜で花咲く喜びを体感していただきたいです。 併せて読みたい ・横浜とバラの歴史を刻み続ける「港の見える丘公園」 ・新しい花のイベント開催スタート!「ばらフェスタ2019」in横浜 ・編集部厳選・国内名ガーデン案内「神奈川・横浜イングリッシュガーデン」の四季
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千葉県

カメラマンが訪ねた感動の花の庭。千葉県「京成バラ園」
これまでの人生で一番通ったバラ園 今月、ご紹介する「京成バラ園」は、僕の自宅からは車で約30分。原種のバラからオールドローズ、フロリバンダにハイブリッドティー、イングリッシュローズまで、あらゆるバラを見ることができる、僕が一番お世話になっているホームグラウンド的なバラ園です。そう、ちょうどこの記事が公開される頃は、春バラが見頃を迎えていることでしょう。 僕が初めて京成バラ園に行ったのは、今から26年前。結婚して千葉に引っ越して最初の春のことでした。東京で一人暮らしをしている時は、特にバラに興味を持ったことはなかったのですが、千葉に住んでみると、近隣ではバラを植えている住宅が何軒もあって、春のシーズンになると一斉に咲き出すバラがとてもきれいに見えたものでした。 初めてバラ苗を購入した頃の思い出 中でも、どの家でも咲いている赤い一重の、当時の僕にはとてもバラには見えなかった‘カクテル’という名前のバラに一目惚れ。週末に家内と連れ立ってバラを買いに行ったのが京成バラ園の初訪問でした。よくたとえで「バラといえば高島屋の包装紙」なんていいますが、当時の僕はまさにその程度の知識でしたから、初めて見るバラ園の色とりどりのバラにすっかり魅了されてしまいました。 そして、その場でバラを育てよう! と決心。早速、売り場に直行して、まずは‘カクテル’、次に、ピンクでコロっとした咲き方が可愛い‘アンジェラ’、さらには、家内が気に入った‘ローゼンドルフ・シュパリスホープ’を。他にも、とてもきれいな‘アビゲイル’という名の小さめのバラと、もう名前を忘れてしまった1株。合計5株を買って帰り、マンションの1階の小さなベランダでバラ栽培を始めることになりました。 思い出のバラは今も自宅で開花 とはいうものの、バラどころか植物をまともに育てたこともない、つるバラもハイブリッドティーも分からない人間による“見よう見まねの園芸”。今振り返ると、よく枯らさなかったもんだと自分でも感心します。その時購入した‘カクテル’とフロリバンダの2株は友人に譲りましたが、‘アンジェラ’と‘ローゼンドルフ・シュパリスホープ’は、何度かのテッポウムシの攻撃にもめげず、今でも我が家で無事に咲いています。 書籍化のために数々の撮影を担当 その後、何年かしてNHK『趣味の園芸』テキストの仕事をするようになってから、京成バラ園にはよく行ったのですが、バラ園の関係者に顔と名前を覚えてもらえたのは、2006年春に出版された『バラ大百科』(河合伸志・上田善弘著/NHK出版刊)の撮影以降のことでした。あの時は、河合さんにいただいた何ページもあるリストを抱え、何日もバラ園の中を歩き回ったものです。リストのバラを探し、時には栽培用のハウスの中にも入れてもらいました。バラを見つけてはシャッターを切る大変な撮影でしたが、そのお陰で顔と名前は覚えていただけたのだと思います。 その翌年、2007年秋には鈴木満男先生の『バラを美しく咲かせる とっておきの栽培テクニック』(鈴木満男著/NHK出版刊)という本でも撮影を担当させていただきました。その本は、タイトル通り栽培を解説する内容だったので、ライターのUさんと一緒に、実際にいろいろな栽培のテクニックを見せていただきながらの撮影が基本でした。また同時に、鈴木先生から「今井さん、ちょうど○○が咲いているから」と直接電話をもらって、急いでかけつけて撮影したり、栽培用のハウスのバラまで撮影許可をいただいたりしていました。あの本の撮影の時は、まるで京成バラ園のスタッフカメラマンのように自由に出入りさせてもらいました。 今、活躍するバラ専門家との出会い テレビ放送のNHK『趣味の園芸』や他のTV番組にも近年出演されている、京成バラ園芸所属の村上敏さんに初めてお会いしたのも、もう何年前か分からないくらい昔のことになります。ある園芸の先生から京成バラ園の職員さんを紹介していただいて、販売用のパンフレットか何かの打ち合わせにバラの写真を持参した時に、その担当者の上司だったのが村上さんでした。当時、写真はまだポジフィルムで20枚ずつ透明なシートに入れてお見せしましたが、村上さんは一枚ずつ丁寧に見てくださり「ミニバラの写真がとてもよいですね〜」と褒めてくれたのを今も覚えています。最近では写真展をさせていただいたり、著名な先生方とご一緒してガイドツアーまでさせていただいたりと、村上さんには本当にお世話になっています。 最後に登場するのは、今、僕たちオールドローズファンの仲間たちから絶大な人気の入谷伸一郎さんです。初めてお会いしたのは、鈴木先生の本を撮影している時でしたが、あの時は鈴木先生の部下として、真面目な口数の少ない男性……という印象でした。が、鈴木先生が「入谷は変わったバラのことが詳しくて、なかなか面白い奴なんです」とご紹介くださったように、今では僕たちの間ではオールドローズの「神」と呼ばれています。 バラの最盛期には、早朝のバラ園のオールドローズエリアでよくお会いします。たいてい僕はガリカローズやモスローズを、そして、入谷さんは反対側にあるブルボンローズやティーローズを。お互い背を向け合って一生懸命撮影しているため、挨拶はいつも「咲きましたね〜」くらいです。特にバラの最盛期は入谷さんはとても忙しいでしょうから、僕も一通り撮影を済ませると「今日は○○に行きますので」と言って、慌ただしく帰ります。シーズンオフにお会いする機会があると、珍しいバラや入谷さんのお気に入りのバラの前で、ものすごーくマニアックなお話を聞かせてくれるのですが……。僕の好きなガリカやダマスクといった古いタイプのオールドローズは「ややこしいバラだから」と答える様子を見ると、入谷さんは、あまりお好きじゃないのかな? そこだけが残念でなりません。 余談ですが、京阪園芸の小山内健さんが「TVチャンピオン」でバラ園を走り回っていたあの日も僕は撮影に行っていましたが、よもやあの日のチャンピオンに、まさか10年後、こんなにお世話になるとは思ってもいませんでした。 今、こうしてバラを撮影するカメラマンをしていられるのも、京成バラ園とバラ園でお会いした先生方のお陰だとつくづく思います。今日、この原稿を書き終えたら「京成バラ園」のきれいなバラたちに会いに行こうと思います。
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茨城県

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪9 茨城「フェアリーガーデン」
自然体な庭をつくりたい人必見 広々としたサンプルガーデン 幹線道路から少し入った住宅街の中に突如広がるガーデンショップ、「フェアリーガーデン」。つる植物が絡むウッドフェンスと雑木で囲まれた、ナチュラルでまるで秘密の花園のようなお店です。 大きな木々や宿根草が茂る人気のサンプルガーデンは、オーナーの柴田しず江さんが25年前からコツコツとつくり上げてきたもの。約250坪もある敷地は、植物をゆっくり愛でながら回遊できるように枕木や自然石が敷かれ、花木、バラ、宿根草、球根などさまざまな植物が植栽されています。今ではこんなにも成熟した庭ですが、ここに至るまでには相当な時間と労力を費やしてきました。 今から25年以上前、自宅を洋風に建て替えた際にガーデニングを始めた柴田さん。建物の雰囲気に合った美しい庭づくりを目標に掲げました。しかし当時はおしゃれな庭づくりの情報が少なかったため、都内の洋書専門店まで何度か出向き、ガーデン関連の洋書を購入。神楽坂にあったスクールでガーデンデザインを学び、庭づくりの知識を身に付けていきました。 洋書には、見たことのない素敵な宿根草やオールドローズがたくさんありました。その当時、それらの植物もまた日本では出回っていなかったため、海外から種子を取り寄せて自身で育苗をスタート。オールドローズは都内の販売店にまで足を運び、少しずつ数を揃えていきました。 しかし、自邸で本格的な庭づくりをするには限界を感じた柴田さんは、苗づくりはプロの農家に依頼し、それを販売するショップをオープンしようと決意。自身だけでなく園芸好きの人たちにも楽しんでもらえるような、サンプルガーデンを併設することで、自身が思い描く庭づくりを実現させました。 サンプルガーデンをつくるにはある程度の広さが必要なので、使われなくなった田んぼを借用して、まずは洋風の建物を建設。その後、ガーデン部分となる場所には業者に客土をお願いし、へこんでいた敷地を平らにしてもらいました。けれど、入れてもらった土には礫やガラが非常に多かったので、最初しばらくは、それらを取り除いて、有機的な資材で土壌改良をすることに注力。整地しながらデザインを考え、花壇となる部分はレイズドベッドにして新しい良い土を入れ、水はけを確保しました。 見ごたえたっぷり、魅力あふれる植栽シーン 柴田さんが、庭をデザインする上で心がけたことは、奇をてらわない自然体な風景であること。縦長で奥行きのある敷地を有意義に使うために、園路を2本縦に通して奥でつなげ、回遊できるようにデザインしました。枕木や自然石を用いてラフに敷いたことで、雑草までもが愛らしく見えます。 ざっくりと石を敷いた園路の両側には、昔から親しまれている植物から最新の植物まで、さまざまな種類が植わっています。「この庭では消毒で薬剤を使用しないので、とにかく性質が強い品種を入れています」と柴田さん。強健な植物を選ぶことでメンテナンスに追われるストレスを極力減らし、それぞれの植物が持つ野趣を生かして自然な風景を演出しています。 庭演出で注目の植物「オールドローズ」 バラは、うどんこ病や黒点病にかかりにくい品種をセレクト。あまり主張が強くない品種であることもポイントで、旺盛に育ちながらロマンテチックなシーンを実現しています。東屋に誘引したバラは‘コーネリア’。 庭演出で注目の植物「クレマチス」 やわらかさをシーンに加えるのに活躍するのがクレマチス。フェンスに絡むのは、軽やかな花形と淡い花色が美しい‘チャッツワース’。 庭にさりげないアクセントをつける細いオベリスクには、ベル形のクレマチス‘雫’を絡ませて。 庭演出で注目の植物「リーフ類×灌木」 樹木の下はしっとりとしたシーンをつくるのに最適な場所。春に白い花穂を下げるコバノズイナと黒い葉のリグラリアでシックにまとめて。 庭演出で注目の植物「リーフ×宿根草×球根」 灌木の株元をにぎやかに彩るブルーベルと黄花のイカリソウ。覆輪のギボウシ‘寒河江’を背景に、反対色の組み合わせが効いています。ほかの場所では、柴田さんのお兄様から譲り受けた3倍体の大きなイカリソウが見られます。 庭演出で注目の植物「リーフ×球根植物」 アスチルベやキミキフガの花が上がる前の緑一色の頃は、ブルーがかった白い星形の花を咲かせるオーニソガラム・ヌタンスが清楚な彩りを添えて。 庭演出で注目の植物「宿根草×一年草」 こぼれ種で広がるヒメフウロと、青いヤグルマギクの、ブーケのような可憐な組み合わせ。 庭演出で注目の植物「宿根草」 園路の傍らで愛らしい彩りを添えるフロックス‘シアウッドパープル’。この花が咲き終わる頃に、ニゲラ‘グリーンマジック’にバトンタッチします。 庭演出で注目の植物「山野草」 庭の奥には、木陰でエビネなどの山野草の花が咲き、野趣あふれる風景が広がっています。 本格派アイテムを添景に用いて メリハリのあるシーンを演出 宿根草が咲き乱れる植栽に変化をつけるため、柴田さんは大きなオーナメントやコンテナをポイントで配し、インパクトのあるシーンを演出しています。アイテムは、英国のウィッチフォード社やドラゴンストーン社などの本格的で大ぶりなものを多用。「中途半端なものをあちこちに飾るよりも、経年変化で味わいが出る本物を数点置くほうが絵になると思うんです」と柴田さん。洋書をから学んだテクニックが、ここにも生かされています。 どっしりとしたドラゴンストーン社のコーンのオーナメント。ここでは、ジャーマンアイリスやギリアなど、草花のフォルムの引き立て役として活用。 日陰のコーナーに配したガーゴイルの置物。シダの陰にひっそりと佇む姿が魅力的です。 ギボウシの奥で存在感を放つ、テラコッタのルバーブポット。 広い花壇をひと区切りしたいときは、アイアンフェンスがぴったり。 冬~早春の間も楽しめる サンプルガーデン 「フェアリーガーデン」のサンプルガーデンは、冬の間もオープンしています。ひっそり静まり返ったような庭にも、よく見てみると発見がたくさん。冬の庭で生きる植物の状態を学べるだけでなく、冬枯れしたその姿を愛でる楽しみもあります。 2~3月になると、たくさんのクリスマスローズがあちこちに咲き群れます。ぜひ寒い時期も訪れてみて。 クリスマスローズは、新潟から仕入れたというシックな花色のものが多数。時期になると店頭で販売されます。 落ち葉の中から、スノードロップやプシュキニア、チオノドクサなどの愛らしい小球根類があちこち顔を出します。 ショップのマスコット的な存在に。 大人気の猫たち フェアリーガーデンでは、数匹の猫たちが店番をしながら遊んでいる様子を見かけます。彼らは柴田さんが保護したという近所の猫たち。近所でどうしても増えてしまって処分されてしまう恐れのある野良猫たちを、自己負担で病院に連れて行き、去勢・避妊の処置してもらっています。生まれたばかりの子猫の場合は、飼ってくれる里親を探し、今まで約80匹を里子に出しました。柴田さんに目をかけてもらった猫たちは、自由に庭を出入りし、恩返しをするかのように? 来訪者に愛嬌を振りまいています。 オーナメントに勝るとも劣らず、存在感を放っている猫たち。みんなに可愛がられているせいか、野良猫のわりにはのんびりとしています。 柴田さんが飼っているオッドアイ(左右の目の虹彩の色が異なる)の白猫の‘小春’。一代目の看板猫‘福’の後継猫として活躍中。お客様との程よい距離感を保ちながら、散歩したり、昼寝をしたりとマイペース。 育てる楽しさを感じてもらいたいという思いで セレクトした花苗 ショップを始めた当初は、農家に作ってもらった苗と市場の苗を同時に発売していましたが、25年経った今では、全国のこだわりの生産者から苗を取り寄せています。実際の庭づくりで品質を確かめている柴田さんが納得のいく、選ばれし植物たちです。「小さな苗から育てて、翌年また花を咲かせてくれる植物の健気さと愛らしさ。育てることの楽しさ、庭づくりの本当の魅力を知ってほしい。そんな思いを込めて販売しています」と柴田さん。 斑入りや銅葉、シルバーリーフなど、葉も楽しめる丈夫で美しい宿根草が充実。 一年草をはじめとする華やかな草花もズラリ。 庭の雰囲気を高めてくれる、本格派資材も並ぶ 柴田さんが洋書で学んだ、経年変化で味わいが生まれる本格的なアイテムを多く扱っています。「ちょっと値段は張りますが、何年も買い替える必要がないので、元が取れてしまいますよ」。これは柴田さんのこだわりの一つです。 ブーケのようなアレンジが人気! 好評の寄せ植え講習会 「フェアリーガーデン」では、「ギャザリング」という手法の寄せ植えづくりに力を入れています。この手法は、ブーケのような美しい仕上がりが特徴です。 ギャザリングづくりと講師担当は、柴田さんの娘である育美さん。講習会は、「月1回・全6回の半年コースと全12回の1年コース、1回のみの体験コース」があります。大人気なので、気になる方は早めに問い合わせを。 ギャザリングのリース。花材はいずれ庭に地植えしても楽しむことができる、丈夫な種類を多く使っています。 柴田さんイチオシの花苗はコレ! シックでおしゃれなパイナップルリリー 柴田さんがオススメするのは、赤黒い葉のシックな佇まいが魅力のパイナップルリリー‘スパークリングバーガンディー’。6月下旬~7月頃にニュアンスのあるピンクがかったクリームイエローの花を咲かせます。花期以外にも美しい葉が楽しめ、植栽にアクセントをもたらしてくれます。丈夫で育てやすいので、ぜひお試しを。 庭の植栽が美しいというだけでなく、植物や動物、命あるすべてを心から愛おしむ柴田さんの温かさがあふれるショップ、フェアリーガーデン。「この庭にいるだけで癒されて、塞ぎ気味だった気分が明るくなった」など、わざわざお礼を伝えてくださるお客様も多く、介護とショップ運営で疲れきっていた柴田さん自身も、結局は庭の植物に救われたという一人。自然体が生みだす、美しく心地よい庭を、ぜひ訪れてみてください。アクセスは、常磐自動車道那珂ICより車で約10分。JR水郡線・上菅谷駅下車徒歩5分。 【GARDEN DATA】 Fairy Garden(フェアリーガーデン) 茨城県那珂市菅谷3023−6 TEL:029−270−7177 https://ameblo.jp/fairyfairygarden/(ブログ) 営業時間:10:00~17:00(施設に準ずる場合あり) 定休日:木曜日(正月) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪8 神奈川「Buriki no Zyoro湘南T-SITE」 ・「私の庭・私の暮らし」バラ初心者が育んだ5年目の小さな庭 神奈川・Y邸 ・暑さに負けず、たくさん可愛い花が咲く夏のイチオシ一年草10種 Credit 文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/フェアリーガーデン
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神奈川県

花の庭巡りならここ! 花と野菜の魅力を満喫できる「花菜ガーデン」
フラワー&アグリカルチャーに親しむスポット 品種改良の歴史を学べるバラ園は必見! 2010年3月にオープンした「花菜ガーデン」。実は正式名称を「神奈川県立花と緑のふれあいセンター」といいますが、一般公募でつけられた愛称のほうが浸透し、親しまれています。花と野菜から取り、神奈川県の「かな」をふり仮名にして「花菜(かな)ガーデン」と名づけられました。 園内は、季節の花木や草花が楽しめる「フラワーゾーン」、田植えや稲刈り、野菜の収穫体験ができる「アグリゾーン」、農業や園芸に関する知識を深める施設「めぐみの研究棟ゾーン」の3つに分かれています。 特に「フラワーゾーン」内のバラ園「薔薇の轍(わだち)」は、バラ専門家の河合伸志さんプロデュースによる、バラの品種改良の歴史が一目で分かる植栽が見どころです。約1,300種が揃うこのバラ園を目当てに訪れる愛好家も多く、春(5月〜6月上旬)と秋(10月〜11月上旬)にはローズフェスティバルが開催され、大賑わい。「バラがとてもきれいで、敷地が広く充実したひとときでした。再度来園したい」という声が多く寄せられています。 「花菜ガーデン」が理想とする園芸家に、カレル・チャペックがいます。エッセイ『園芸家12カ月』は、約90年経った今も世界のガーデナーがバイブルにする書物です。そのライフスタイルに共鳴し、「花菜ガーデン」でもプラスアグリ(農業)をコンセプトに掲げ、今も残る彼の家と庭のイメージを「チャペックの家と庭」として展示。また、体験学習として、田植えや稲刈り、野菜の収穫体験のほか、ハンギングバスケットづくりや苔玉づくりなど、さまざまな体験型プログラムも実施しています。 キッズビレッジ、キッズファームでは、あえて小型化したアーチやトンネルで子ども目線の異空間の入り口を演出するなど、エリアごとに工夫を凝らしたガーデン演出が楽しく、見応えがあります。「子どもも大人も楽しめる施設になっていると思いました」との感想も聞かれ、花と野菜の魅力をいっそう引き出す展示が、「花菜ガーデン」の魅力です。 エリアごとの華やかなガーデンは眼福! 田植えや野菜の収穫など体験型アグリも開催 写真は「球根ミックス花壇」で、チューリップやアネモネ、スイセン、ヒヤシンスなど62品種、約11万球を植栽。華やかな球根植物たちの競演は、見応えがあります。チューリップは3月下旬〜4月中旬が見頃。配色や植栽のデザインは年によって変わるので、毎春の楽しみとしてリピーターが多く訪れます。 また、2019年は11月中旬〜12月上旬にもアイスチューリップの開花が見られる予定。開花調整されたアイスチューリップは開花期間が長いのも魅力です。 写真は三日月山パノラマ大花壇の5月上旬の様子。ポピーやコーンフラワー、カリフォルニアデージーなどを、ワイルドフラワーのようにバランスよくミックスした花畑を作っています。年に2回の植え替えを行っており、2019年8〜10月は5色のニチニチソウで彩られる予定。植栽は毎年変更され、180度パノラマの迫力たっぷりの花壇は、写真映えする人気のスポットです。 写真は「アグリゾーン」にある「触れん土ファーム」での収穫体験の様子です。他に「花菜ガルテン」や「キッズファーム」「温室」でも収穫体験(有料・持ち帰り可)を実施。内容や時間は、農作物の生育具合やコンディションに合わせて、当日の朝、公式ホームページ上で発表されます。当日の入園窓口にて申し込む先着順で、定員になり次第締め切り。食育の場としても楽しめそうですね。 河合伸志さんプロデュースによる バラ園では品種改良の歴史が学べる 「花菜ガーデン」のバラ園「薔薇の轍(わだち)」は、バラの品種改良の歴史に沿って系統・分類ごとに展示している「バラの歴史園」です。大きくは野生種からオールドローズ、そしてモダンローズの順に植栽され、時代の流れとともに次々に華やかな花姿が誕生していった経緯を学ぶことができます。そこで、バラがたどってきた今日までの道のりを、車が通った両輪の跡、轍にたとえて「薔薇の轍」と名づけられました。 写真はオールドローズのコーナー。 リージャンロード・クライマー、ロサ・ダマスケナ・トリギンティペテラ、パークス・イエロー・ティーセンティッド・チャイナなどが見られます。 写真はモダンローズのコーナー。芳醇な香りを放つ‘薫乃’、病害虫に強く修景バラとして活躍する‘ノックアウト’、「世界バラ会連合」にて名花として最初の殿堂入りを果たした‘ピース’などが見られます。 香りのバラのコーナーでは、香りを強く放つ品種群を植栽しています。写真手前のピンクのバラが‘エル’、奥に見えるのが‘香貴’、‘快挙’など。バラは咲きたてほどよく香るので、午前中早めに訪れるのがオススメ。香り比べをして、それぞれのバラの魅力を満喫するのもいいですね。 写真のバラの名前は‘花菜ローズ’。花菜ガーデンのバラ園を設計・監修した河合伸志さんが育種したバラで、オープンの記念に贈られました。ニュアンスのあるアプリコット色と芳しい香りが魅力で、シンボルローズになっています。 2019年春のローズフェスティバルでは、普段は販売していないバラ苗を集めた「ローズマーケット」、詳しい解説を聞きながら巡る「バラ園ガイドツアー」、バラの専門家の解説が聞ける「プロに学ぶ! バラの講演会・ガイドツアー」、藤川志朗さんの「花のイラスト展」などを予定しています。 地元の名産品やオシャレ雑貨が充実のショップ& 旬の食材を使ったメニューに大満足のレストラン 「花菜ガーデン」内のショップ「ディア・チャペック」では、神奈川県の特産品や、バラや花をモチーフにした雑貨などが豊富に揃います。広い店内は通路の幅もたっぷりとってあるので、ゆったりとお買い物を楽しめるのがいいですね。旅の記念やお土産に、ぴったりのアイテムを探してみましょう。 ショップのオススメは、左のローズジュース(250ml)324円、右のローズシロップ(120ml )1,296円。ほかにバスフレグランス(入浴剤・1個)324円、ローズドロップクリーム(美容液・80g)2,760円も人気があります。 園内には、レストラン「キッチンHana」(室内約100席、テラス約80席)があるので、歩き疲れたら立ち寄って休憩を。営業時間は3月1日〜11月4日が10:30〜17:00(L.O.16:30)、11月5日〜2月末日が10:30〜16:00(L.O.15:30)、定休日は「花菜ガーデン」の休園日に準じます。神奈川県の旬の食材を使ったランチメニューやデザートセットなど充実のメニューに、どれにしようか迷ってしまうかも!? レストランのグランドメニューは、神奈川県産の「ヤマユリポーク」を使用したポークグリルスープつき1,400円や、牛肉100%のハンバーグスープつき1,200円など。メニュー内容は季節やイベントによって変わります。キッズプレートやペアランチセットなどもありますよ! デザートはシフォンケーキや自家製タルトが500円、ケーキとフリードリンクのデザートセットが700円です。
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東京都

皇室ゆかりのバラ〜皇居東御苑のバラとプリンセスローズ〜
昭和から平成、そして令和へと引き継がれるバラ 「令和」の新しい時代が明けようとしています。"皇室とバラ”といえば、雅子様のお印が「ハマナス」、眞子様のお印が「モッコウバラ」。そして雅子様、眞子様のお持ち物には、この「ハマナス」、「モッコウバラ」が描かれているとのことです。 皇居東御苑の一角にあるバラ園には、この「ハマナス」や「モッコウバラ」をはじめ、全部で15品種のバラが植栽されています。もともとは、昭和天皇に献上され、育てておられたバラが大半で、上皇陛下のお考えから1996年(平成8年)に整備され、吹上御所からこちらに移植されたそうです。 では、植栽されている15のバラをご紹介しましょう。 1.テリハノイバラ(ロサ・ウィクライアーナ) 一季咲きで3~4cmほどの白い花を咲かせ、つる性のほふくする枝に光沢のある照り葉が茂るのが特徴です。20世紀初頭、ヨーロッパやアメリカに渡り、さまざまなランブラー、ハイブリッド・ウィクライアーナの作出に貢献しました。 原生地:日本、中国 2.イザヨイバラ(ロサ・ルクスブルギー) 繰り返し咲く約8cmの花は、花弁が多くとても美しい。満月が少し欠けたような花形から十六夜(いざよい)バラと呼ばれます。江戸時代には、葉の形状から、「サンショウバラ」と呼ばれていました。 原生地:中国の南西部から東南アジア 3.シロバナハマナス(ロサ・ルゴサ・アルバ) ハマナスの白花品種で、花径約8cmの花は繰り返し咲き、秋には大きな実を付けます。 原生地:カムチャッカ半島、千島列島 4.コウシンバラ(ロサ・キネンシス) 四季咲き性が強く、コンパクトな木立ち性の樹形。1309年、藤原氏の氏神である春日神の霊験を描いた絵巻「春日権現験記」(三の丸尚蔵館所蔵)の第5巻第2段に描かれた花が、このバラではないかといわれています。 原生地:中国 5.かのこ 一季咲きで、5枚弁の紅色の花弁は、中心が白く抜け、房咲きになります。 原生地:日本 6.フローレンス・ナイチンゲール フローレンス・ナイチンゲール国際基金発足75周年を記念して作出されたバラ。2009年9月に国際看護師協会から贈られ、このバラ園には、上皇・上皇后両陛下がお手植えされました。 1989年、アメリカで作出されたシュラブローズ。 7.のぞみ ほふく性の株でコンパクト。一重の可憐な薄いピンクの花は一季咲きです。 作出は1968年、小野寺透氏。 8.ハマナス(ロサ・ルゴサ) このバラが日本からヨーロッパへ渡ると、「耐寒性に優れ、返り咲き性があり、大きなローズヒップも楽しめる」ことから、北欧などの寒冷地向きのバラの交配に貢献しました。爽やかなスパイシー香があります。 原生地:日本 9.マイカイ 中国では、「マイカイ」(メイグイ)は、バラの総称に加え、薬や食用に使用される、このバラの個体名も指します。ダマスクにスパイシー香が混ざる心地よい香りの花は、お茶やお菓子に利用されてきました。 原生地:中国 10.サクラバラ(ロサ・ウチヤマナ) 5弁の花弁の先にピンクが乗る優しい雰囲気のバラは、つる性で一季咲き。日本のノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)と中国のコウシンバラ(ロサ・キネンシス)の交雑種とみられます。 原生地:日本(九州) 11.サンショウバラ(ロサ・ヒルトューラ) 一季咲きの5弁の大輪。薄いピンクの花の中央にある豪華なシベが美しい。木立ちの大木になり、葉の形状から「山椒薔薇」、富士箱根地区が自生地であることから「箱根薔薇」とも呼ばれています。 原生地:日本 12.ナニワイバラ(ロサ・レヴィガータ) 光沢のあるしっかりとした常緑の葉に、純白の5弁の大輪の花が美しい一季咲きのバラ。樹勢が強く、大きな株に育ちます。1700年頃、日本へ。 原生地:中国 13.ツクシイバラ(ロサ・ムルティフローラ・アデノカエタ) 5弁のハート形の花弁の先に優しいピンクが乗り、房咲きになる姿が愛らしい。一季咲き。 原生地:日本(九州) 14.キモッコウバラ(ロサ・バンクシアエ'ルテア') 八重咲き(プレナ)の黄色(ルテア)のモッコウバラは、常緑のつる性で、温暖な場所で真価を発揮します。東御苑のバラ園では、陽当たりがよく、ベッド仕立てにしてあるため、とても花付きがよく、開花時には大変見事に咲き誇ります。 原生地:中国 15.モッコウバラ(ロサ・バンクシアエ) 白い(アルバ)八重咲きのモッコウバラは、キモッコウバラと同様、ベッド仕立てに。 19世紀初め頃、八重咲きの白いモッコウバラ(ロサ・バンクシアエ・バンクシアエ)は、スコットランドの園芸学者兼植物学者ウィリアム・カーによって、中国からヨーロッパに紹介されました。その際、イギリスのキュー・ガーデン所長、ジョゼフ・バンクスの妻の名を付けて、「レディ・バンクス・ローズ」という名で紹介されました。白の一重と八重、黄色の一重には香りがあることから、「木香薔薇」と呼ばれます(黄色の八重は微香)。 原生地:中国 以上のように、植栽されている品種を紐解けば、東御苑のバラ園には、中国との歴史や友好、記念など、日本の歴史、皇室の歴史、バラの歴史の一端が、凝縮されていることが見えてきます。 皇族の方々のお名前を冠したバラ そして、東御苑バラ園には植栽されてはいませんが、皇族の方々のお名前を冠したバラもご紹介しましょう。 ‘プリンセス・ミチコ’(F) ‘エンプレス・ミチコ’(HT) ‘プリンセス・マサコ’(HT) 雅子様がご成婚前に直々に選ばれたバラ「プリンセス・マサコ」。滋賀のWABARA / Rose Farm KEIJIのバラ育種家、國枝啓司さんが1993年に作出しました(現在は非売品)。 ‘マサコ(エグランタイン)’(S) ‘ハイネス雅(みやび)’(HT) ‘プリンセス・サヤコ’(HT) ‘プリンセス・アイコ’(F) 皇室と縁のあるバラ農家、長野県富士見町にある「アサオカローズ」さんでは、美智子様のお誕生日には、1980年から毎年、‘プリンセス・ミチコ’の花束を献上し、2013年からは、‘プリンセス・ミチコ’に3種のバラをブレンドしたローズウォーターを献上されています。 また、寛仁親王妃信子殿下は、公益財団法人日本ばら会の名誉総裁で、淡いローズピンクが美しい‘プリンセス・ノブコ’(HT/2001年 スコットランド アンG.クッカー作出)と名のついたバラもあります。 年号が変わるこの節目の年に、皇室にゆかりのあるバラに再注目してみました。これから全国でバラが咲き誇る季節。ぜひ、お近くのバラ園などでも、皇室にゆかりのあるバラの美しい咲き姿を愛でてはいかがでしょうか?
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神奈川県

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪8 神奈川「Buriki no Zyoro湘南T-SITE」
グリーンライフをトータルコーディネートしてくれるショップ 湘南の海風が吹きわたる藤沢で、2014年にオープンしたカルチャースポット「湘南T-SITE」。大型書店を中心とした、新しいライフスタイルを提案するこだわりのショップが集まった注目の商業施設です。 3棟のモダンな2階建ての建物には、すべて書店が入っており、売り場は本の分野ごとにエリア分けがされています。各書店には、その分野と関連性があるものを扱うショップやレストランが隣接。本好きの人も、そうでない人も、感覚で楽しめるスポットとなっています。今回ご紹介する「Buriki no Zyoro」は、植物やフラワーアレンジ、庭づくりに関連する本が集まるエリアに面して展開しています。 普段の生活をワンランク上げるための 商品・提案を心がけて この店のコンセプトは「グリーンのある暮らしをトータル的に提案」すること。さまざまなガーデニングの旬をいち早く届けられるよう、草花や樹木、インドアグリーン、切り花、ドライ、多肉植物、雑貨など、生活に取り込みやすい身近なアイテムすべての「これぞ」というものだけをセレクトしています。 空間を巧みに使い、インドアグリーン、多肉植物などの緑に心地よく包まれる店内。什器には、アンティークテーブルやプランターシェルフなど、インテリアにそのまま使えるアイテムを選び、手軽に実践できるような参考にしやすい提案がなされています。 ウッドボックスを重ねて、今人気のビカクシダや銅葉のゴムの木など、個性的なグリーンを飾ったコーナー。ボックスの高さや向きを少しずつ変えることで、立体感のある空間を提案しています。売り場に置いていない植物は、取り寄せ可能。 基礎工事などに使う格子状のワイヤーは、丈夫で悪目立ちしない優れもの。店内の随所で、ディスプレイに活用しています。ここではガーデンツールとエアプランツのスパニッシュモスをハンギング。 コンテナは、グリーンをより美しく見せるフォルム、色、質感を備えた、厳選されたものが揃っています。 自身の感性と性分を生かし またたくまに人気のショップに成長 「Buriki no Zyoro」のオーナー勝地末子さんは、グリーンスタイリストとして、多方面で活躍中。華がありながらもナチュラルなスタイリングは、著名人にも多くのファンがいるほどの人気ぶりです。 勝地さんがショップを始めたのは今から23年ほど前で、当時3人の息子さんの⼦育てが一段落し、何か自身の感性を生かせる仕事を始めたいと思ったことから。20代で大好きなファッションを扱うアパレルメーカーを経営していた経験を生かし、長年学んでいたガーデニングとフラワーアレンジメントを生業に選びました。 オープンする前は、週1~2日でこぢんまりとやっていけたらと考えていましたが、いざ始めると順調に仕事が運び、ほぼフル回転でショップを営業。仕事だけでなく、勉強にも明け暮れました。 「なんでもやり出したら、とことんやりたくなるんです」と勝地さん。トレンドに敏感な勝地さんは時代に先駆け、グリーンや白を基調とした大人っぽい雰囲気のショップづくりを意識し、当時まだそれほど出回っていなかった多肉植物も充実させました。ワークショップもいち早く手掛けていたことで、おしゃれに感度が高い人が集まる場として、どんどん注目を浴びていきます。 多忙な毎日ですが、今でも自身で仕入れを行っています。「生産者さんと話したり、新しい変わった品種を見つけたりすると、どんなに疲れていても、仕事のモチベーションがぐんと上がるんですよ」と勝地さん。 勝地さんが最も大切しているのが、‘ディスプレイ’。スタッフと相談しながらこまめに模様替えをして、常に美しく新鮮な空間を提案するよう心がけています。「せっかく来てくださったのに、楽しく新しい提案がないとつまらないでしょう」。 勝地さんオススメの苔のテラリウム。蓋つきの瓶の中では苔に必要な湿度が保たれるので、このまま飾るだけで、苔が作る小宇宙を身近に楽しむことができます。詳しくはショップ、または勝地さんの著書『はじめてのテラリウム 多肉植物、エアプランツ、苔、蘭でつくる』(エクスナレッジ)で。 無機質でモダンな空間に 心落ち着く有機的な演出を 勝地さんが空間づくりで意識していることは、ディスプレイの美しさだけでなく、居心地の良さの追求。ここの建物は無機質でややハードな印象があるため、勝地さんの世界観を出すには、一工夫が必要でした。そこで勝地さんは、人の背丈を超えるほどの大きな木の幹や枝を要所にレイアウト。直線的な建物に曲線のデザインを加えることでやわらかさが出て、森の中にいるような囲まれ感も生まれています。 日々の暮らしに寄り添うよう 花選びを心がけて ショップの中央のテーブルでは、愛らしい切り花が軽やかな彩りを添えています。この店舗にはナチュラル志向の人が多く来ることもあり、あまり派手さがない自然体な花姿のものがメイン。自由が丘店では勝地さんの感性を求めて来る常連さんからの「贈り物用の花束」の依頼が多いのですが、ここ湘南では、これ! と思う1本、または数本を自分で選んで自宅用として購入していく方が多いのだとか。「生活に花やグリーンで潤いを添えようと思う人が増えているようです」と勝地さん。一輪でも絵になる花材を意識して仕入れています。 ドライフラワーで提案する 最後まで花を楽しむ方法 「Buriki no Zyoro」では、ドライのリースやスワッグも販売しています。飾られているものはスタッフが作ったもので、どれもあたたかみを感じさせるものばかり。植物の本来の魅力を伝えようとする思いが伝わってくる、シンプルで飽きのこないデザインが魅力です。 折れたり、盛りを過ぎたりした花を、スタッフが吊るして飾ったコーナー。「花を最後まで慈しむ気持ち・姿勢が嬉しいんです」と勝地さん。こういった花への思いが伝わり、これが欲しいというお客さまも。 ショップの前には、 厳選した苗ものが並ぶ 「Buriki no Zyoro」では、庭に植える植物ももちろん扱っています。ショップの前のウッドデッキまわりには、植栽をグレードアップさせてくれるイチオシの植物を陳列。また、庭の設計・施工の相談も受けており、こだわりのある美容室やマンションで施工したおしゃれな植栽が注目を浴びています。 今人気のオリーブやオーストラリア原産の樹木類も多数販売。クールな建物にサラサラと揺れる葉が美しく映え、訪れた人の目を潤しています。 リーフガーデンづくりに欠かせない、ユッカやシキミアなどの常緑プランツも充実しています。 今大人気のおしゃれなラナンキュラスやアネモネなど、華やかな花鉢や苗も扱っています。 勝地さんイチオシのグッズはコレ! ハンギングで飾るプランツやアイテム 今までガーデニングに興味のなかった人たちにも、グリーンの重要性が認識され始め、インテリアや玄関まわりなどに少しずつ植物が取り入れられるようになりました。現在需要が伸びているのが、吊るして飾るつる性のグリーン。丈夫で個性的なものが多く、一鉢あるだけで、空間につややかな潤いがもたらされます。 「単に植物を売るだけでなく、一歩先を行く新しい提案で訪れる人々の感性を刺激し、潤いに満ちたライフスタイルを発信し続ける」という施設のコンセプトに準じながら、ほかのショップにはない「瑞々しい癒しの空間」を提供している「Buriki no Zyoro」。ここには、23年間、東京・自由が丘で培った豊かな感性をさらに進化させた、勝地さんの新しい世界が広がっています。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、小田急線本鵠沼駅より徒歩15分 小田急線・JR藤沢駅より無料シャトルバス運行中。 【GARDEN DATA】 Buriki no Zyoro湘南T-SITE 神奈川県藤沢市辻堂元町6-20-1 湘南T-SITE 2号館 TEL:0466-53-8783 https://www.buriki.jp/ 営業時間:10:00~19:00(施設に準ずる場合あり) 定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪7 東京「渋谷園芸」 ・「私の庭・私の暮らし」インスタで人気! 雑木や宿根草、バラに囲まれた大人庭 千葉県・田中邸 ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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神奈川県

春のお出かけお花見スポット〜城山かたくりの里〜
待ちに待ったお花見の季節 御殿場ザクラ。 うららかな休日は、日帰り可能なお花見スポットに足を伸ばして、春を満喫したくなります。いくつかある気に入りのお花見スポットに、2018年の春、偶然インスタグラムで見つけた「城山かたくりの里」が新たに仲間入りしました。 「城山かたくりの里」は、神奈川県相模原市にある個人所有の山村で、カタクリの花が咲く春のみ一般公開されています。また、所有者で花守人の小林一章氏が、昭和50年頃から始めたカタクリの自生地保護と増植の努力で、今では400坪に30万株が自生し、南関東随一の群生地として知られています。 山の斜面に群れ咲くカタクリの花 カタクリやユキワリソウ、コイワウチワが寄り添うように咲く様子を間近に見ることができます。 「城山かたくりの里」を訪れたのは、2018年の4月1日。残念ながら、カタクリの花は満開を過ぎていましたが、山林のほぼ3分の1が群生地。そこには、今まで見たことのない景色が広がっていました。 山の斜面に咲いているカタクリの花は、散策路から見上げると一輪一輪うつむきがちな花の可憐な表情がよく見え、クルンと反り返った花びらのなんと可愛らしいこと。「春の妖精」と多くの人に親しまれていることがよく分かります。背景のツツジの花も色鮮やかで、満開時には辺り一面が赤紫色に染まり、さぞ美しい光景が広がることでしょう。想像するだけでうっとりします。 キバナカタクリが咲き始めていました。 赤紫色のカタクリの花に代わって、ちらほら咲き始めていたキバナカタクリも見ることができました。黄花はやや遅咲きの希少種だそうで、黄緑がかった透明感のある花が、柔らかな木漏れ日に輝いていました。その清らかさは、一株を今すぐにでも庭に植えてみたいと思ったほどです。 素朴で愛らしいアズマイチゲ。 とはいえ、恥ずかしながらこの時まで、わたしはカタクリの生態をほとんど知らなかったのです。調べてみると、カタクリは北海道や本州の北中部に自生しているユリ科の多年草。樹木が目覚める前の早春に花を咲かせ、春が深まり草木に葉が茂る頃には葉を落とし、再び土の中で長い眠りにつくのだとか。 ニリンソウ。 さらに、タネから花が咲くまでに最短でも7年かかるそうです。7年もかけてじっくりと球根に栄養を蓄えて花を咲かせる準備をするなんて驚きですね。また、日本では自生地が激減し貴重な花となっているようです。 生態を知れば知るほど、どこか神秘的でその健気さが愛おしく感じます。と同時に、約45年もカタクリの保護と増植に時間と手間を費やしてこられた花守人の方々の情熱に、只只、感服するばかりです。 山野草の愛らしさに魅せられて 林床に咲くユキワリソウ。 カタクリの花以外にも、山林のそこかしこにさまざまな山野草の花が咲いていました。例えば、ニリンソウ、ユキワリソウ、イワウチワ、アズマイチゲ、ユキワリイチゲ、ショウジョウバカマ、オオバキスミレ…。地面に積もったフワフワの枯れ葉の間から覗かせる可憐な花たちは、「わたしを見て〜!」と言わんばかり。その姿を、何度腰をかがめて覗き込んだことでしょう。 オオイワウチワ。 じつは、山野草といえば、園芸店で売られているポット苗や庭植えのものしか見たことがなく、こんな風に自然に咲く姿を見たのは、この時が初めてでした。顔を近づけて見れば見るほど、個性的で繊細な花に釘付けに。そのうえ、どの葉っぱも愛らしく、花が終わった後も十分楽しめそう。そう思うと、わが家の庭にも植えてみたいなと思いましたが、居心地良さげに咲いている姿をしばらく眺めているうちに、ちょっと可哀想な気もしてきました。やっぱり山野草は、自然の中で愛でるのが一番なのかもしれませんね。 咲き誇る春の花木 山野草の群生地を抜け、山林の奥へと散策路を進むと、今度はサクラやツツジ、ツバキ、ヤマブキ、ミツマタなど、花木が一斉に花を咲かせていました。赤、桃、黄、白…。 色とりどりの無数の花々が織りなす景色は、まさに春爛漫。中でも、清楚な一重咲きのおかめ桜や御殿場桜、ふくよかな花びらのヤシオツツジ、シベと花びらのコントラストがハッとするほど美しいト伴椿(ボクハンツバキ)など、ふだん滅多に見られない花木の種類の多さに胸が高鳴りました。 ト伴(ボクハン)椿。 紅ヤシオツツジ&ヒカゲツツジ。 それにしても、これほど春咲きの花木のみ植栽している場所は、他に見たことがありません。 さらにその先に広がっていたのは、目を見張るほどの箒桃(ホウキモモ)の群生。真っ直ぐ上に伸びた枝いっぱいの艶やかな大輪八重咲きの紅や白、桃色の花。それぞれが競い合って春霞の空をつかもうとしている壮観さは、感動の一言。その力強さに自然と心が奮い立ちました。 そんな箒桃の下では、写真を撮る人や椅子に腰掛けて絵を描いている人、お弁当をひろげてにこやかに寛いでいる家族の姿も。まるで名画のような幸せに満ちた光景でした。 30万株のカタクリと山野草、そして、春の花木が咲き誇る「城山かたくりの里」は、まさにこの世の桃源郷。今春も、この時季ここでしか見られない景色と感動を味わいに出かけたいと思います。 「城山.かたくりの里」公式ホームページhttps://www.katakurinosato.com/


















