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鳥取県
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪29 鳥取「ラブリーガーデン」
イギリス風しつらいとバラが 訪れる人を魅了するショップ 米子駅と空港をつなぐ街道沿いに店を構える「ラブリーガーデン」。鮮やかなバラと草花が店先を彩っています。ここは、花の庭づくりでおなじみのガーデンデザイナー・安酸友昭さんのショップです。 店内には、自然な石積みの花壇やおしゃれなガーデンアイテムが散りばめられており、バラや草花と見事な調和を見せています。 「ラブリーガーデン」は2007年にオープンし、今年で15年目。安酸さんは大阪の園芸の専門学校で造園を学んだあと、地元の造園会社に入社。日本の作庭のノウハウや知識を深める中で、イギリスの庭の魅力を発見。本場の園芸を学ぶために退社し、思い切って留学しました。当初は英語も全く分からないところからのスタートでしたが、園芸と造園の知識がある安酸さんは次第に要領を得て、2年でイギリスのガーデニング技術者国家資格(NVQ)を取得。自身の店を開く夢を抱きながら帰国しました。 帰国後の2007年、庭づくりを請け負う「ラブリーガーデン」を設立。イギリスの資材を輸入する知人から材料を取り寄せながら、留学で吸収して磨いた知識と感性をフルに活用し、庭づくりをスタートさせたのです。その後、モデルガーデンのある実店舗を開くために、かねてから信頼していた知人のガーデナー・関聡子さんに声をかけ、二人三脚でショップをオープンさせました。 ラブリーとは「素敵な」「愛らしい」という意味。自分たちが‘素敵’と思ったものを揃えて、「お客様がラブリーな時間を過ごせる場になれば…」という思いが込められています。 安酸さんは2010年に、英国ドライストーンウォーリング協会認定の石積み技術の資格も取得します。これは、コッツウォルズストーンと呼ばれるハニーカラー(蜂蜜色)の石を、機械類を一切使わずに、ハンマーや石ノミで調整したり、モルタルなどの接着剤を使わずに手積みする技術で、強度に優れています。そんな技術を活用しながら、安酸さんらしくつくり上げたというモデルガーデン。米子の風土に合う草花を植えたナチュラルな花壇や、ぬくもりあふれる小屋が、訪れた人の目を楽しませています。 イギリス風の庭づくりで欠かせないのが、アンティークなどの古いアイテム。時間を経たような情趣のある演出が、庭の表情を深めています。 ロッジのような建物の前には、植栽花壇が設けられています。園路や花壇の立ち上がりに用いた自然石が用、季節の草花とともにナチュラルな風景を生み出しています。 このガーデンの見せ場の一つが、建物に面した大きな池。防水シートを敷いて作った人工の池とは思えない、自然な風景が広がっています。水は注いで循環させるのではなく、雨水をためるだけという自然まかせ。すぐにカエルやトンボが生息するようになり、今ではさまざまな生物の棲む完全な生態系・ビオトープが出来上がっています。 雨の日もゆっくり買い物できる 屋内には、花苗と雑貨がいっぱい 建物の中は、色とりどりの花苗売り場。安酸さんが選んだ花苗だけに、庭づくりや寄せ植えにピッタリのものばかり。屋根があるおかげで雨が当たらず状態も抜群で、悪天候の日でもゆっくり買い物ができます。 施工現場に出ていることが多い安酸さんを支えながらショップを守っているのは、草花とバラの知識が豊富な関さん。栽培法や寄せ植えの苗選びなど、分からないことがあったら親切にアドバイスしてくれます。 イギリス製の鉢をはじめ、ジョウロや手袋などの雑貨類も充実。おしゃれにガーデニングを楽しむのに必要なものが揃っています。 ショップ内のあちこちに置かれた寄せ植えにも注目。小花を使った繊細な花合わせを得意とするラブリーガーデンのアレンジは、どこに置いても主張しすぎず、ふんわり上品な雰囲気を湛えています。 庭づくりと併せて寄せ植え作りも依頼されることが多い「ラブリーガーデン」。飾りたい場所にピッタリのサイズと雰囲気のアレンジを作ってくれます(写真:面谷ひとみ邸)。 苗売り場で見つけた 素敵なバラたち 関さんがセレクトした育てやすい品種がずらりと並ぶバラ苗コーナー。取材時に咲いていた魅力的な品種をご紹介します。 左/‘ビアンヴニュ’(デルバール):H1.8m、超強香、四季咲き 、中大輪ロゼット咲き 中/‘ザビエル・フライシネッテ’(ギヨー):H0.8m、強香、返り咲き、中輪ロゼット咲き、丈夫 右/‘スピネル’(タンタウ社):H0.9m、微香、四季咲き、中輪ロゼット咲き 左/‘ストロベリーアイス’(デルバール): H1.4m、微香、四季咲き、中大輪丸弁咲き 中/‘シャリマー’(ロサオリエンティス):H1.3m、中香、四季咲き、中輪ロゼット咲き 右/‘シャルル・ドゥ・ミル’(オールドローズ):H1.5m、強香、一季咲き、中輪房咲き 左/‘マドモアゼル’(デルバール):H1.2m、微香、四季咲き、小中輪半八重房咲き、丈夫 中/‘サマードリーム’(フライヤーローゼス):H2.0m、微香、返り咲き、中輪カップ咲き 右/‘ペネロペイア’(ロサオリエンティス):H1.6m、強香、四季咲き、中輪波状弁咲き 左/‘ブリリアントピンク・アイスバーグ’(ウェザリー): H1.4m、微香、四季咲き、中輪弁半八重咲き、丈夫 中/‘舞妓’(禅ローズ):H0.3m、微香、四季咲き、小輪八重房咲き 右/‘クラシック・チュチュ’(ロサオリエンティス):H1.2m、中香、四季咲き、中輪波状弁咲き 左/‘キルケ’(ロサオリエンティス): H1.2m、強香、四季咲き、中輪ロゼット咲き 中/‘シャトー・ドゥ・シュベルニー’(デルバール):H1.5m、四季咲き、中輪カップ咲き、丈夫 右/‘モチーフ’(河本バラ園):H0.9~1.4m、微香、四季咲き、小輪半八重房咲き 左/‘クレディ・ミチュエル’(ドミニクマサド): H1.0m、中香、四季咲き、中輪カップ咲き 中/‘アントニオ・ガウディ’(井上謙二):H1.2m、微香、返り咲き、大輪カップ咲き、丈夫 右/‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’(オールドローズ):H6.0m、微香、一季咲き、小輪八重房咲き 左/‘アルテミス’(タンタウ):H1.8m、中香、四季咲き、中輪カップ房咲き 中/‘アリュマージュ’(ロサオリエンティス):H1.5~1.8m、微香、返り咲き、中輪波状弁咲き 右/‘バロン・ジロー・ド・ラン’(オールドローズ):H2.0m、中香、返り咲き、中大輪カップ咲き 英国風庭づくりならおまかせ! 日本の風土に合った庭づくり イギリス留学で得た知識を無理なく日本の風土に取り込むには、日本での庭づくりの知識があってこそ。その強みを生かしつつ、自身のセンスを存分に発揮して、庭づくりをしています。 イギリスの資材だけでなく、日本の石なども使いながら、温かみのある庭づくりをしている安酸さん。お客様の予算やメンテナンスに割ける時間などを考慮しながら、必ず自分らしいアイデアを盛り込んで、庭をデザインしています。 安酸さんのイチオシ ウィリアム・モリスの鉢 19世紀半ばにイギリスで興ったアーツ・アンド・クラフツ。その運動の指導者だったウィリアム・モリスのデザイン画が描かれたコンテナです。落ち着いた地色に、ブルーまたは濃緑の彩色。絵柄は3種類。「どんな植物ともなじみよく、より上品に見せてくれます」 庭づくりのプロと植物のプロがタッグを組んでスタートしたラブリーガーデン。2人でコツコツと店を育てながら、日々お客様の暮らしに彩りを添えています。バラの時期は、300株の苗が並びます。ぜひ訪れてみてください。アクセスはJR境線三本口駅から徒歩約10分。 【GARDEN DATA】 Lovely Garden(ラブリーガーデン) 鳥取県米子市両三柳839 TEL:0859-24-1500 営業時間:10:00~17:00 定休日:火曜日(祝日の場合は営業) https://www.lovely-garden.jp/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真/3and garden
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島根県
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪24 島根「Soraniwa(そらにわ)」
つややかな緑と屋根のある売り場で 心地よくショッピング 松江駅から北東に20分ほど車を走らせたところにある「Soraniwa(そらにわ)」松江店。緑に囲まれたブルーの建物が目印です。 「Soraniwa(そらにわ)」は庭や外構の設計・施工・管理などを手掛ける「Green Gardens」が営む園芸店。鳥取県米子市にある本店に続き、2号店として6年前にオープンしました。今ではおいしいランチやスイーツが楽しめるカフェが設けられており、地域の人気スポットとして注目を浴びています。 つややかな緑のゲートをくぐると、正面に広がるのは花苗売り場。ずらりと並ぶ花苗は、自然な風景を生み出すナチュラルな趣のものがほとんどです。「僕の好みもあるのですが、主に植栽や寄せ植えの中で主張しすぎずになじみやすい草花を選んでいます」と、オーナーの作野良さん。ここで扱う花の種類は1千種以上にものぼるそう。屋根付きの店内は、雨の日でも安心してゆっくり買い物が楽しめます。 一角では、「ペチュニア祭り」が開催中。ショップおすすめのペチュニア、カリブラコアが並び、購入する数によっては割引も。その時々で取り上げる植物が変わります。 売り場を素敵に盛り上げる 装飾ディスプレイにも注目 ショップのイメージを印象づけているのは、大人っぽいカラーのブルーの建物です。しゃれた雰囲気ですが、これはかつてウナギの養殖場として建てられたあと、ライブハウスとして活用されていた古い建物だとか。「倉庫っぽいつくりが気に入ったんです」と作野さん。無骨な建物に、店名に通ずる色をペイントし、内装にもこだわりながらモダンに仕上げています。 売り場には、古いものやレトロな雰囲気を持つ道具や雑貨、ドライフラワーを用いたおしゃれなディスプレイがたくさん。これらは、かつて花屋で培った作野さんの感覚と、もともと備わっていた美的センスによるもの。ともするとシャビーになりすぎる組み合わせも、壁の程よい重みのあるモダンなカラーで、効果的に植物と響き合っています。 ‘わざわざ’行きたくなる 見どころ満載のショップ 店舗を囲む雑木類が瑞々しい緑のスクリーンとなって、心地よい時間を提供している「Soraniwa(そらにわ)」。ブルーの建物に美しくグリーンが映えるコーディネートです。これらを手掛けたのも作野さん。造園会社や花屋で修業したという実力派です。 30歳までに自分の店を持つと決めていた作野さん。独立までの約12年の間に、造園会社ではお寺の作庭や個人邸のエクステリア施工を行ったり、災害で崩れた松江城の石積み修復を手がけるなどの経験を通じ、ソフトからハード面まで、幅広い知識を吸収していきました。その後は花屋で、切り花のアレンジメントや店舗のディスプレイ、鉢花販売などの修業をし、今から12年前に独立。店内には、作野さんの高い技術と知識を裏付ける素敵なシーンがあちらこちらで見られます。 大通りに面した1号店の米子店に対し、4倍の広さがあるものの、市街地からはやや離れた場所にある松江店。立地としてはよいとはいえないだけに「わざわざ足を運ぶ店」を目指し、品揃えの充実だけでなく、庭づくりや暮らしを彩る提案をそこかしこに盛り込んでいます。 ショップでは庭やエクステリアの設計・施工を請けており、「庭づくりのことなら何でも聞いてください。植栽、エクステリア、ガーデニングとトータルでお客様をサポートいたします」と、頼もしい限りです。 ショップの空間を潤す 樹木と草花にズームアップ! ショップの自然な風景を構成している、植物たちをご紹介します(2021年5月中旬取材時)。 左/アオダモ:モクセイ科・落葉高木・H3~10m 中/ツリバナ:ニシキギ科・落葉中木・H2~4m 右/サルスベリ:ミソハギ科・落葉高木・H3~10m 左/ヤマモミジ:ムクロジ科・落葉高木・H5~10m 中/ベニシダレモミジ:ムクロジ科・落葉高木・H3~5m 右/テマリカンボク:スイカズラ科・落葉低木・H 1.2~2m 左/黄金コデマリ(スピラエア):バラ科・落葉低木・H約1.5m 中/コバノズイナ:ズイナ科・落葉低木・H 1.2~1.5m 右/西洋イワナンテン:ツツジ科・落葉低木・H約1.5m 左/ユーフォルビア・カラシアス:トウダイグサ科・多年草・H0.5~0.8m 中/キンギョソウ‘ブロンズドラゴン’:オオバコ科・一年草・H0.3~0.4m 下/ペンステモン‘ハスカーレッド’ :オオバコ科・多年草・H 06~0.9m 「Soraniwa(そらにわ)」の作野さんのイチオシはコレ! ナチュラルな草花を使った愛らしい寄せ植え ショップ入り口脇に並ぶ、愛らしい寄せ植えの数々。ショップの植栽同様、ナチュラルな花合わせが魅力です。鉢を持参すると、スタッフと一緒に植え替えや寄せ植えづくりができるのだとか。苗選びから付き合ってもらえるので、寄せ植えづくりのコツが学べます。 インテリアも学べる 屋内売り場 建物内のディスプレイもとても魅力的。トーンを落とした照明で、インドアグリーンを効果的に使い、落ち着きのある空間が演出されています。 こだわりの食材で 飛びきりの時間を提供 店内に設けられたカフェ「そらにわキッチン」では、卵・乳製品を使用せず、オーガニック食材によるランチやスイーツを提供しています。瑞々しいグリーンに囲まれながら、野菜を中心とした彩り豊かなヘルシーなランチと写真栄えしそうなスイーツを、ぜひ味わってみましょう。 緑に包まれた心地よい空間が人気の「Soraniwa(そらにわ)」。「わざわざ訪れてくれた人に、確かな満足を提供したい」という、ホスピタリティあふれるショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、松江だんだん道路・川津ICから車で約5分。 【GARDEN DATA】 Soraniwa(そらにわ) 島根県松江市下東川津158-2 TEL:0852-67-5828 営業時間:10:00~18:30 定休日:火曜日 https://soraniwa-garden.com/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/soraniwa
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山口県
花の庭巡りならここ! 日本とトルコの友好を表す花園「火の山公園トルコチューリップ園『オルハン・スヨル…
トルコのチューリップ、日本の桜が満開に両国の絆を表現する、平和の公園 2009年4月3日に開園した「火の山公園トルコチューリップ園『オルハン・スヨルジュ記念園』」。2007年に、トルコのイスタンブール市との姉妹都市提携が35周年となったことを記念して、イスタンブール市からチューリップの球根5万球が寄贈されました。その植栽場所として「火の山公園」の山麓斜面が選ばれ、整備された公園です。 チューリップの植栽部分は、約1,640㎡で、チューリップ園のみであれば、約10分の散歩を楽しめます。チューリップの見頃は4月上旬で、ちょうど桜が満開になるのと同じタイミングです。トルコの国花となっているチューリップと、日本人がこよなく愛する桜がコラボレーションする景色は、両国の絆を表しているようですね。 また、チューリップの時期には、ビオラ約3,000株、パンジー約3,000株、ネモフィラ約3,500株も満開になるため、彩り豊かな景観を楽しめます。季節が進むと、5月にはヒラドツツジが、8月にはヒマワリ‘グッドスマイル’が見頃になりますよ! 斜面の植栽は、トルコのボスポラス海峡、下関の関門海峡をイメージして絨毯のように敷き詰められています。火の山公園からは下関の街並みや響灘に浮かぶ島々、関門橋、巌流島などが一望できるのも魅力。頂上へはロープウェイを利用できます。 インタンブール市と下関市の長い友好の歴史の中で、2004年には下関市の技術協力により、イスタンブール市に日本庭園が完成し、市民の憩いの場となっています。また2015年に改修されて、新たに「陽月庵」と命名された茶室もつくられました。これは国旗にトルコは月が、日本は太陽がデザインされていることから名づけられたものです。花や庭園を通して国同士の交流を深める活動は、平和的で大変素晴らしく、私たちに春の喜びを届けてくれます。 4万球のチューリップ&一年草を植栽した壮大な花のカーペットが登場! 6品種、約4万球のチューリップと一年草のネモフィラ、ビオラなどが織りなす、春の景色。広さを生かした面で魅せる花壇で、花色がかたまりとなり、まるで絨毯を広げたような壮大なスケールです。2020年は植栽のピッチ数を狭めて、複雑なデザインにチャレンジしているので、ぜひお楽しみください。 トルコから寄贈されたチューリップは、‘アラジン’、‘バレリーナ’、‘シネダキング’、‘ガボタ’、‘パッショナーレ’、‘インゼル’の6品種。2020年は‘パッショナーレ’から‘パープルブラック’へ、‘シネダキング’から‘フライアウェイ’へと2品種を変更し、若干のリニューアルとなります。 毎年変わる植栽デザインが大人気!チューリップの虹の架け橋で両国の友好を表現 斜面を生かした植栽も見どころで、下から見上げると、なんともダイナミック! トルコのボスポラス海峡をイメージして波状にレイアウトしています。桜との共演も見事ですね! 園内は飲食の持ち込みOKなので、青空のもと、お弁当を広げてお花見を楽しんではいかがでしょうか。 毎年デザインを変え、写真スポットにもなっている楕円形の花壇。2019年にはチューリップで虹の架け橋を描いてイスタンブールと下関の友好を表現しましたが、2020年にはボスポラス海峡と吊り橋をチューリップで表現する予定です。チューリップ園全体の植栽デザインは公園緑地課の職員さんが行い、毎年10月に市民ボランティアが集まってチューリップの植え付けをしています。市民参加型にすることにより、花好きさんが集まる交流の場になっているのもいいですね。 ロープウェイを利用して、天空からチューリップ公園や関門海峡の景色を満喫 「火の山ロープウェイ」を利用して、頂上までの景色をゴンドラから楽しむのもおすすめ。ロープウェイ運行期間は毎年3月下旬〜11月中旬、時間は10:00〜17:00。料金は大人/片道310円(往復520円)、市内在住65歳以上/片道150円(往復260円)※要証明書、子ども/片道150円(往復260円)。運休日は2020年は5月7日以降の火・水曜(8月11日・12日を除く)。 Information 火の山公園トルコチューリップ園「オルハン・スヨルジュ記念園」 所在地:山口県下関市みもすそ川町TEL:083-231-1933(下関市公園緑地化) http://www.city.shimonoseki.lg.jp/www/contents/1348710082959/#syoukai アクセス:電車/JR下関駅からバス 火の山行き 火の山ロープウェイ下車バス 長府駅・宇部中央・小月営業所方面行き(乗車13分)みもすそ川下車、徒歩8分車/下関インターから15分 オープン期間:通年 休園日:なし 営業時間:8:00~22:00 料金:無料 駐車場/山頂:立体駐車場270台、大型車8台、山麓:普通車36台、無料
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広島県
花の庭巡りならここ! 樹齢400年のバオバブを見に行こう「広島市植物公園」
熱帯植物が息づく大充実の温室は必見!屋外庭園も四季折々に見どころ満載 1976年にオープンした、歴史のある「広島市植物公園」。市民の憩いの場を目的に、都市公園として整備されました。敷地は18.3ヘクタールに及び、大人の足でゆっくり歩いて3時間はかかる規模。園内では約1万種類、約20万本の植物を観賞することができます。 冬の時期、特に注目したいのが充実した温室で、「大温室」をはじめ、「サボテン温室」「展示温室」「熱帯スイレン温室」「ベゴニア温室」「フクシア温室」「栽培温室」があり、延べ3,923㎡もの面積。大温室内だけでも約700種類、約5,000株が息づき、生態・生育環境によって4つのコーナーに分けて展示されています。 特筆すべきは、大温室で見られる日本最大のオーストラリアバオバブです。幹の最大直径は約2mに及び、推定樹齢はなんと約400年。2019年8~9月には、導入後初、国内では2例目の開花が見られました。 一方、屋外には「大花壇」「カスケード」「芝生広場」「花の進化園」「日本庭園「樹林観察園」などがあり、エリアごとに見応えのあるシーンをつくっています。春はウメ、サクラ、ツツジ、シャクナゲ、バラ、フジ、夏はハナショウブ、アジサイ、秋はコスモス、秋バラ、菊、落葉樹の紅葉などが見どころに。四季を通して世界の植物を観賞でき、いつ訪れても癒やしのひとときを過ごすことができます。 また、「広島市植物公園」では、園内の植物ガイドや植物の育て方の講習会、クラフトのワークショップなどのイベントを定期的に行っています。2020年2月22日~3月1日は「クリスマスローズ展」と「春の特別ラン展」(大温室他)を開催予定です。 これだけの広い敷地ですから、休憩所のチェックもしておきましょう。園内には「森のcafe」と「森のレストラン」の2店舗がありますよ。「森のcafe」はログハウス風の外観が目印で、メニューはコーヒー、紅茶が310円、ケーキセット510円、香味野菜のカレーライス530円、ボロネーゼ、カルボナーラ各720円など。 「森のレストラン」は、うどん定食700円、和風定食、トンカツ定食各800円など。(「森のレストラン」は2019年12月~2020年2月まで土・日・祝祭日のみ営業)。飲食物の持ち込みもOKなので、ピクニック気分で訪れてもよさそうです。たっぷり時間をかけてレジャーを楽しめる「広島市植物公園」に、ぜひ出かけてみましょう! 真冬も温室では植物が元気いっぱい!カラフルな熱帯植物の花々に癒やされよう 「広島市植物公園」の温室が充実していることは前述の通りですが、写真のベゴニア温室では、約680種類2,000株のベゴニアを展示。大輪で豪華な花が美しい「球根ベゴニア」はアンデス山脈に自生する野生種をもとに作り出されました。世界で一番美しい花と呼ばれています。 15~25℃の温度と、長日(光の当たる時間が長い)条件を好むため、ベゴニア温室では夏は冷房、冬は暖房を行うとともに、夜間照明をつけるなど、開花調節を行って、球根ベゴニアを一年中楽しめるようにしています。 写真は「サボテン温室」の様子で、約320種類500株を植栽。この温室で一番大きいサボテンは、60年以上生きていると推定されます。 見どころは、たった2枚の葉で一生を過ごす植物のキソウテンガイ(奇想天外)。 コンブのような葉をズルズルと伸ばし続けます。自生地アフリカには、大きなものでは樹齢千年以上といわれるものもあります。 プセウドボンバックスは落葉性ながら幹に葉緑素があり、葉がない時も光合成をしています。そしてモクキリン(杢キリン)は一見、ブーゲンビレアのようですが、本当はサボテンの仲間。コノハサボテンと呼ばれ、10~11月にきれいな花を咲かせます。 屋外庭園では、季節が巡るごとに見どころのエリアがリレーする 「広島市植物公園」には「梅園」だけでなく「日本庭園」にも梅が多数植えられており、見頃は2~3月。約50品種、約170株の梅が咲く梅園には、一足早く春の訪れを感じることができます。写真は日本庭園の枝垂れ梅。立派な枝ぶりで迫力がありますね! 写真は正門を入ってすぐのところにある、大花壇の4月頃の様子です。この時期はチューリップやベゴニア、ポピーなどが満開に。このエリアは一年草を中心とした花壇で、年に5、6回植え替えを行っており、季節ごとに異なるシーンを楽しめます。毎年春にはコンサートやクラフトのワークショップが行われるほか、特設屋台が登場して食べ歩きができる「さくらまつり」を開催。夜間開園の日もあるので、お花見に出かけてみましょう! 「広島市植物公園」のバラ園の見頃は、5月中旬~6月中旬と10月中旬~11月上旬。約700品種、約1,000株のバラが植栽されています。 特に歴史的に重要な古品種やオールドローズなど、貴重品種の収集に力を入れており、後世に残したい優れた品種を多数展示しています。ほかにも、広島で生まれた品種、世界の各都市から平和メッセージとして寄贈を受けた株など、国際平和文化都市広島にちなむ品種や、世界中から集めた野生種などを展示しています。 また、5月には、「ローズフェスティバル」を開催。栽培講習会やバラに関するミニ講座、クラフトコーナー、バラ園のガイドツアーなどを催しています。 園内にある「ハナショウブ園」の見頃は6月です。100品種、1,000株のハナショウブが華やかに咲き競う姿が見られます。 ハナショウブが見頃になる6月は、アジサイも満開に。約140品種、約1,900株が植栽されています。この時期は、「ハナショウブ&アジサイまつり」を開催。ハナショウブやアジサイの育て方の実演会、園内の植物ガイド、お茶会など、楽しい企画が目白押しです。 11月初旬~下旬は、紅葉の季節。カエデ園や日本庭園では、モミジの仲間を中心とした紅葉が楽しめます。また、樹林観察園では西南日本の低地にある常緑広葉樹林を構成する樹種と、高地で落葉広葉樹林を構成する樹種の紅葉の両方を一度に観賞できるのが特徴です。このほかにも、世界三大紅葉樹(ニシキギ、スズランノキ、ニッサ)、ドウダンツツジなどの生け垣、イチョウをはじめとする高木の紅葉も見応えがあります。 園内で雪つりが見られるのは11月頃から。雪つりは日本庭園の冬景色の大きな要素となっています。また、ツバキやサザンカなど、冬に咲く花の雪化粧も魅力的です。この時期は「花と光のページェント」(夜間開園)を開催しており、キャンドルとイルミネーションが織りなす幻想的な景色を楽しめます。 季節の花苗が揃うフラワーショップ&オリジナルグッズも扱う土産物店 園内には、フラワーショップもありますよ! 草花コーナー、山野草コーナーがメインで、寄せ植えの販売も。園内の展示に合わせて植物を入れ替えており、季節によって品揃えが変わるので、たびたび訪れたいですね。 「広島市植物公園」では、お土産コーナーも充実しています。押し花商品、草木染め商品、メダル、陶器類、木製品、ポストカード、菓子類が揃います。特に人気が高いのは、カープコラボTシャツ2,500円、草木染めハンカチ500円、オリジナルポストカード400円、木製キーホルダー800~1,000円です。 Information 広島市植物公園 所在地:広島県広島市佐伯区倉重三丁目495TEL:082-922-3600 http://www.hiroshima-bot.jp/ アクセス: バス/広電バス 植物公園経由薬師が丘団地行広島バスセンターから(2番のりば)約40分、JR、広電五日市駅北口から(1番のりば)約20分車/広島市内中心部から約30分、山陽自動車道五日市IC又は廿日市ICから約15分(約7㎞) オープン期間:通年 休園日:金曜、12月29日~1月3日 営業時間: 9:00~16:30(※入園は16:00まで) 料金:18歳~64歳510円、65 歳~170円、高校生・高校生相当年齢170円、中学生以下無料※18歳に達する日以降の最初の3月31日までは『高校生・高校生相当年齢』になります。※「65歳~」の入園料は、年齢が確認できる公的証明書(健康保険証・運転免許証など)の提示が必要です。※身体障害者手帳・療育手帳などを提示されると入園料は免除になります。※団体割引(30名以上)、年間パスポートもあります。 駐車場/532台、軽・普通車450円
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岡山県
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪13 岡山「むらかみ農園」
本格派ガーデナーにはたまらない、 市場に出ない宿根草が揃う店 岡山駅より20分ほど車で南下して、田畑と住宅地が混在する静かなエリアに位置する「むらかみ農園」。数棟のビニールハウスと西洋ニンジンボクが茂るサンプルガーデンが目印です。ショップの主な販売用ハウスには、年間約1,000種にも及ぶ宿根草・一年草の苗が並んでいます。 「むらかみ農園」で扱う苗は、本格的な花壇づくりにおすすめの宿根草がメイン。一般的なものから市場では出回らない珍しい植物までが、ハウス中を埋め尽くしています。これらの苗は、オーナーである村上公一さんと奥様のちづ子さん、そして娘の由里子さんが手塩にかけて育てたもの。この地域に合ったオリジナル配合の土で丁寧に育てられています。 むらかみ農園はオープンして約25年。それまで母校である静岡大学で果樹栽培について教鞭をとっていた公一さんが、以前から趣味ではまっていた花栽培を突き詰めるために帰郷し、花卉農家とそれを販売する店舗をスタートさせたのです。 その当時は園芸ブームが起こる少し前で、まだ世の中に花の種類はそれほど多くなく、海外から取り寄せた種子を播いて苗づくりをスタート。果樹の中でも屈指の難度が高いメロン栽培の経験を生かしつつ、ガーデニングには向いていないこの周辺の土、真砂土を使った土づくりにも力を入れ、岡山の気候に合うかを1種類ずつ確認していきました。 オープンしてまもなく、園芸ブームが到来し、変わった種類・品種なら何でもよく売れました。その後園芸ブームが去り、猛暑が続くようになってから、見慣れない植物を警戒する傾向が強まり、花壇を彩る宿根草が市場に出回らなくなりました。しかしそんな中でも、村上さんは、この土地に合った種類を選抜しながら親株を更新し、宿根草を作り続けています。 栽培には土の力が重要 土壌改良にこだわる このあたりの土は、真砂土という花崗岩が風化してできたもので、粗いとゴツゴツ硬く石のよう、細かい場合はギュッとしまってカチカチに固まるといった特徴があります。静岡の関東ローム層の土とは全く違う、花卉栽培には不向きな故郷の土の硬さに、帰郷当時はびっくりしたといいます。 大きすぎず細かすぎない真砂土に堆肥などの有機質類を加え、用土をブレンド。試行錯誤を15年ほど重ねて研究し続けた結果、3年目ぐらいに行ったブレンドが一番よかったと村上さん。今では、そのブレンド用土を、店頭で販売しています。 大学時代に東京で建築デザインを学んだという娘の由里子さんは、3年前にUターン。今では父の後を継ぎ、主力となって動いています。デザインの世界で磨いたセンスのよさが買われて、現在、百貨店のイベントの展示なども手掛けています。自然な花合わせに定評があり、先日は百貨店の催事である『ベニシアさんの手づくり暮らし展』の展示のコーディネートを担当しました。 たくさんの苗が並ぶ中、大きなコンテナを使ったナチュラルな植栽ディスプレイも見応えがあります。 ハウスの前に広がる サンプルガーデンも見もの 白や紫、ピンクの小花をメインとしたナチュラルな植栽は、さりげないデザインが魅力。楚々とした草花が可憐に風に揺れているさまに、癒やされます。 サポナリアやオキシペタラムのやさしい色合いを銅葉のリシマキア‘ファイヤークラッカー’で引き締めた、甘さを抑えた植栽。 店頭に敷いた枕木の間には、薄いピンク花のイワダレソウと黄色い花のメカルドニアを混植。踏まれても元気に育つ、優秀グラウンドカバー。 アーチの傍らで素朴な彩りを添えているアピクラツム。寒さに強く丈夫で育てやすく、グラウンドカバーのように広がってくれます。 むらかみ農園に並ぶ ナチュラルな花たち 店頭に並んでいた、または庭に咲いていた愛らしい花々をご紹介します(6月中旬取材時)。 ◆草丈60cm以上の宿根草(花壇の中~後方におすすめ) 左から/レウカンセマム(草丈60~70cm 花期6~10月) オキシペタラム‘ホワイトスター’(草丈50~80cm 花期4~11月) ペンステモン‘ハスカーレッド’(草丈70~90cm 花期5~6月) 左から/スカビオサ・オクロレウカ(草丈0.6~1m 花期6~10月) セントーレア・ルセニカ(草丈1~1.2m 花期6~7月) コーカサスマツムシソウ‘ファーマ’(草丈50~80cm 花期5~8月) 左から/ディディスカス‘ブルーレースフラワー’(草丈60~70cm 花期4~11月) サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’(草丈50~80cm 花期5~7月) ボックセージ(草丈0.6~1m 花期5~11月) 左から/バーベナ・ハスタータ‘ブルースパイヤー’(草丈0.8~1m 花期6~10月) モナルダ・キトリオドラ(草丈60~80cm 花期6~9月) モナルダ・ディテマ(草丈0.6~1m 花期6~9月) 左から/ペンステモン‘ジングルベル’(草丈0.8~1.3m 花期5~7月) ジギタリス・ラエヴィガータ(草丈60~80cm 花期5~6月) スカビオサ‘ブラックナイト’(草丈40~80cm 花期4~11月) ◆草丈30~60cmの宿根草(花壇の中段でふんわり間をつなぐのにおすすめ) 左から/カンパニュラ‘ウェディングベル’(草丈40~50cm 花期5〜7月) ケントランサス・アルバ(草丈35~40cm 花期5~10月) ユウギリソウ(草丈50~60cm 花期5~8月) 左から/セラトセカ・トリロバ‘ホワイト’(草丈50~60cm 花期5~11月) 八重咲きサポナリア(草丈30~40cm 花期5~10月) マーシャリア/ヤグルマサワギク(草丈40~50cm 花期5~7月) 左から/アークトチス‘ブルーアイ アフリカンデージー’(草丈30~40cm 花期5~8月) アガパンサス‘ツイスター’(草丈50~60cm 花期6~8月) カラミンサ‘ブルークラウド’(草丈40~50cm 花期5~10月) 左から/サルビア‘ムーンライトオーバー’(草丈40~50cm 花期4~11月) ストケシア‘ブルースター’(草丈30~40cm 花期6~10月) イトシャジン/カンパニュラ・ロツンディフォリア(草丈30~40cm 花期4~6月・9~11月) 左から/ネペタ‘ブルードリーム’(草丈50~60cm 花期6~8月) 宿根リモニウム・アトランティス(草丈40~50cm 花期5~7月) スカビオサ‘ピンクレース’(草丈40~50cm 花期4~7月) 左から/ジギタリス・デュービア(草丈40~50cm 花期5~6月) ペンステモン‘サンバーストアメジスト’(草丈40~50cm 花期6~9月) カンパニュラ‘ピンクオクトパス’(草丈30~50cm 花期5~7月) 左から/クナウティア‘マース・ミジェット’(草丈30~40cm 花期6~10月) コレオプシス‘ローズビューティー’(草丈30~50cm 花期5~10月) アキレア・ミレフォリウム‘カシス’(草丈50~60cm 花期6~10月) 左から/ゲウム‘ブレイジング・サンセット’(草丈50~60cm 花期5~7月) ガイラルディア‘アリゾナ・アプリコット’(草丈30~40cm 花期5~10月) ガイラルディア‘アリゾナ・サン’(草丈30~40cm 花期5~10月) ◆草丈30cm以下の宿根草(花壇前方などにおすすめ) 左から/ヤシオネ‘ホワイトデライト’(草丈20~25cm 花期6~7月) ブラキカム‘ピンクデージー’(草丈20~30cm 花期6~7月) ダイアンサス‘白花さぎり’(草丈20~25cm 四季咲き) 左から/アンゲロニア‘セレニータシリーズ’(草丈20~30cm 花期5~10月) フロックス‘ムーディブルー’(草丈15~20cm 花期3~6月) ダイアンサス‘ピンキーキッズ’(草丈15~20cm 花期3~11月) 左から/カリホー・インボルクラータ‘ワインカップ’(草丈15~20cm 花期7~9月) ゲラニウム・サンギネウム‘マックスフライ’(草丈15~20cm 花期4~10月) ダイアンサス‘スポッティー’(草丈20~25cm 花期四季咲き) 左から/宿根リナリア‘ネオンライト スカーレット’(草丈20~25cm 花期3~11月) アピクラツム‘イエローボタン’(草丈15~25cm 花期3~11月) チョコレートデージー/ベルランディエラ(草丈20~30cm 花期5~7月) 〔カラーリーフ〕 左から/ロータス・クレティクス(草丈30~40cm 花期4~5月) ラムズイヤー‘オーレア’(草丈30~45cm 花期5~6月) ウエストリンギア・バリエガータ(草丈約30cm 花期4~5月) 左から/グリーンサントリナ(草丈約30cm 花期6~7月) フイリコルセウムアイビー/シンバラリア(草丈5~10cm 花期5~6月) ラミウム・マクラツム(草丈15~20cm 花期4~5月) 〔美しい花を咲かせるつる性宿根草〕 左から/アサリナ‘ミスティックローズ’(つる長2~3m 花期5~11月) クリトリア/チョウマメ(つる長1~2m 花期6~10月) ツンベルギア‘スージーミックス’(つる長2~3m 花期5~11月) 〔さまざまな表情の一年草〕 左から/八重キンギョソウ‘ツイニーシリーズ’(草丈40~50cm 花期2~11月) ブラックレースフラワー/ノラニンジン(草丈60~80cm 花期5~7月) ケイトウ‘キャンドル’(草丈40~80cm 花期6~8月) 「むらかみ農園」イチオシプランツをご紹介! オリジナル交配のパンジー・ビオラ むらかみ農園で花粉を交配させて作ったビオラやパンジーは、ふたつと同じものはありません。10~3月の間に販売しています。 「美しい網目を出すことが重要なメロンは、日にち刻みでの細かいコントロールを必要とする『苗づくり段階』が最も肝心──」。メロン栽培の難しい知識・経験を原点として生かし、花卉栽培の世界に転身した村上さん。かたや、建築デザインをガーデンデザインに生かし、コーディネーターとしても活躍の由里子さん。そんな親子のコラボレーションが見せるサンプルガーデンは現在も拡大中です。今ではなかなか手に入らないナチュラルな洋種の宿根草が並ぶ「むらかみ農園」。ぜひ、訪れてみてください。アクセス/岡山駅から車で約20分。 【GARDEN DATA】 〒702-8026 岡山県岡山市南区浦安本町107-2 TEL: 086-263-7733 http://murakamifarm.jp/ 営業時間:9:00〜日没 休日:木曜日(4~6月・10~12月無休) Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力/むらかみ農園
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花の庭巡りならここ! 圧巻の花畑で感動体験を「世羅高原農場」
圧倒的なスケール感の花畑で植物が織り成すハーモニーを楽しむ 広島県の高原地帯で、4つのシーズン期間限定で開放されている「世羅高原農場」。もともとは葉タバコを生産していましたが、規模を縮小したのを機に、畑が荒れるのを防ぐため、ヒマワリを植えたのが1994年のことでした。 群植されたヒマワリが、いっせいに開花する姿が口コミで広がり、観光客が増加。それをきっかけに年々整備を進め、四季を通して花々が咲き誇り、飲食店やショップも充実する花観光農園として、今や大人気のスポットになりました。 「世羅高原農場」の敷地は15万㎡で、大人の足でゆっくり歩いて1時間半〜2時間かかる規模です。春は桜とチューリップ、夏はヒマワリ、秋はダリアと、それぞれの季節に咲く花を群植し、圧倒的なスケール感を演出。同じ場所を使っていると土が痩せてしまうため、1年ごとに植栽をローテーション、毎年違った花風景が広がります。 デザインや植栽を手がけるのは、農園スタッフのみなさん。「今年はどんな仕掛けを?」と、皆で出し合うアイデアもおもてなしの精神で年々グレードアップしており、リピーターも多く訪れます。 開催中にはさまざまなイベントのほか、押し花クラフトや風鈴の絵付け体験なども随時行っています。お子さんのいる家庭では、一日遊べるレジャーに最適ですね。バーベキューもできるレストランやカフェなどの飲食店、地元の名産品や雑貨、花苗などを扱うショップも充実。ぜひ足を運んでみましょう! 桜、チューリップ、ヒマワリ、ダリア見頃期間を絞っての公開がヒット! 「さくら祭り」が開催されるのは、見頃の4月上旬〜中旬頃。約10品種、800本の桜が園内をピンクに染め上げます。飲食物の持ち込みはOKなので、お弁当を広げてお花見を楽しむのもいいですね。同じ時期には、ヒヤシンス、ムスカリ、スイセン、パンジー、ユキヤナギ、レンギョウなどが開花しています。 「チューリップまつり」は4月中旬〜5月中旬に開催。300品種、75万株で彩られる景色は圧巻です。毎年配色やデザインを変えているので、春を楽しみにしているファンも多いとか。早咲きや遅咲きのチューリップを組み合わせて、長い期間楽しめるように工夫されています。この期間は、園内で四つ葉のクローバーを見つけたお子さんには、プチプレゼントがありますよ(子ども入場券を持っている方対象)! 8月上旬〜下旬には、50 品種、110万本のヒマワリが見頃になって「ひまわりまつり」が開催されます。エリアごとにテーマを決めて植栽され、高さ2mにも達する品種の群植や、珍しい品種を集めた「見本園」、赤いヒマワリを集めたコーナー、八重咲きのヒマワリでつくられた迷路などが登場。ひまわり畑の中に入って写真を撮ることもできます。 ひまわり畑を一望できる展望台もありますよ! 写真映えする外観がいいですね。花畑の中にもフォトスポットが用意されているので、ぜひ記念写真を! お盆期間限定で、約4mの高さにヒマワリの生花を使って彩られる「ひまわりタワー」も設置されます。 「ひまわりまつり」開催中には、ブルーサルビアも見頃を迎えます。約3万株が植栽されており、花穂をすらりと伸ばして涼やかに咲き、ヒマワリとのコントラストが鮮やかです。秋に開催される「ダリア祭」まで、長期間にわたって咲き続けます。 秋の「ダリア祭」期間は9月中旬~10月下旬です。まるで見本市にも匹敵する規模の約550品種がコレクションされ、7,500株が植栽されています。ダリアにはさまざまな咲き方があり、花のサイズ、草丈なども多様ですから、好みのダリアを探すのもいいですね。新品種ばかりを集めたコーナーもあり、ダリアのトレンドに触れることができます。10月の3連休には、約8,000輪のダリアを敷き詰めて花模様を描くイベントを開催します。 農耕民族の血が騒ぐ、秋の収穫祭!クラフト体験は随時実施 「収穫祭」は10月末、または11月最初の土・日に開催。ダイコン1本100円で、収穫に参加できます。ダイコンの品種は‘役者横丁’で、平均約2.5kgになるビッグサイズ。汚れてもいい服装で出かけてくださいね。2日間で2万本限定、なんと一人当たりの数に制限はありません。もちつきイベントも行われ、参加者1,000人分のおでんが無料でふるまわれますよ! 「世羅高原農場」では、押し花クラフト体験を随時行っています。事前予約の必要はなく、「花カフェ」のレジスタッフに声をかけて申し込みをすればOK。ドライフラワーの歯ブラシ立て&レジンの箸置きづくりの体験ができます。参加費は500円〜、所要時間は約20分です。 ショップでは特産品やおしゃれ雑貨をゲット!「世羅バーガープロジェクト」にも注目 写真は、花鉢やガーデニンググッズ、花をモチーフにした雑貨などを扱う「花ショップ」。お土産向けに、オリジナルパッケージの商品が人気です。オリジナル刺繍のふわふわハンカチ550円がオススメ。それぞれの季節の花が刺繍されています(消費税変更等により価格は変動の可能性あり)。 「世羅高原農場」園内には、2019年に新しく「フォレストショップ」ができました! 世羅町内の9軒の飲食店と協力して、「世羅バーガープロジェクト」を展開。地元の旬の食材を使い、毎年サンドする具を変えて名物バーガーを販売しています。写真は2018年に大人気だった「世羅高原豚×ゆり根 ミルフィーユバーガー」700円。 花畑を眺めながら、ティータイムを楽しめる「花カフェ」で、ゆったりとくつろぐのもいいですね。営業時間は9:00〜16:00(ラストオーダー)、定休日なし、客席数はテラス席も合わせて約70。 人気を呼んでいるのはハーブティーで、味は日替わり(410円)。ショップが併設され、ハーブティーの茶葉やハーブが香るサシェ、ハーブが施された枕など、ハーブ雑貨を多数取り扱っています。 Information 世羅高原農場 所在地:広島県世羅郡世羅町別迫1124-11TEL:0847-24-0014https://sera.ne.jp/ アクセス: 山陽自動車道世羅ICから世羅高原まで約12km、約15分 オープン期間:さくらまつり/4月上旬~中旬、チューリップまつり/4月中旬~5月中旬、ひまわりまつり/8月上旬~下旬、ダリア祭/9月中旬~10月下旬、収穫祭(大根まつり)10月末または11月最初の土日 休園日:なし 営業時間:9:00~17:00(大型連休中は8:00〜18:00に時間延長になる場合有) 料金:大人800円、小人(4歳〜小学生)400円 駐車場:1,000台(無料)
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花の庭巡りならここ! 1万株のラベンダー畑が圧巻「蒜山ハーブガーデン HerBill」
雄大な蒜山三座を望むロケーションも魅力 涼しい高原気候ですくすく育つハーブ 「蒜山ハーブガーデン HerBill」は、1998年にオープン。標高600mの高原気候はハーブの生育に適した環境で、町おこしの一環として、そして市民の交流の場として整備されました。総面積は3ヘクタール、ハーブガーデンは700㎡(ラベンダー畑を除く)で、1時間ほどで見学できる広さです。 ラベンダー畑には約1万株ものラベンダーが植栽され、西日本最大級の規模。ガーデンでは約200種のハーブのほか、バラや宿根草、一年草、カラーリーフプランツなどを組み合わせた、ナチュラルスタイルの植栽を楽しめます。当初はハーブの種類を解説する展示圃場のスタイルでした。しかし、来園者の声に応えて、野菜やハーブ、草花を組み合わせたポタジェ、緑陰にはシェードガーデン、花の種類を見やすくするレイズドベッドなど、写真に収めて美しい景観を意識したガーデンへと進化。現在も毎年リニューアルを重ね、目新しいスポットが次々と登場しています。 そして特筆すべきは、蒜山三座を望む景観のよさ。晴れた日はくっきりと稜線が浮かび上がり、その雄大な姿に圧倒されますが、霞がたなびく景色も美しく、秋以降には雲海が広がって幻想的です。昼夜の気温差が大きいため、平地よりも花色が冴えて美しいのも魅力。夏は高原をわたる風が心地よく、植物たちも元気に咲き続けます。 「ハーブガーデン」という名称ですが、ハーブのほかにも、四季を通してさまざまな草花の開花リレーを楽しめます。春はスノードロップ、クリスマスローズ、チューリップ、初夏はバラやアジサイ、ラベンダーが見どころ。真夏はルドベキアやエキナセアが咲き誇り、秋にはセージやダリアが主役に。切り戻したジギタリスやデルフィニウムも秋遅くまで元気です。 園内に建つ「香りの館」には、ガーデンショップ、雑貨&土産物を扱うショップ、クラフト体験ができる工房、カフェがあり、観光施設として魅力的なコンテンツが用意されています。定期的にイベントも開催。ガーデンガイドツアーやバラの育て方セミナー、ガーデニング講習会、夜間に開放してジャズバンドのコンサートを行ったり、秋にイギリスの湖水地方にちなんだ「ブリティッシュフェア」を開催したりと、内容も多彩です。一日過ごしても飽きずに楽しめる、今時のハーブガーデンにぜひ足を運びましょう! 何時間でも座って眺めていたい 癒やし空間を目指したハーブガーデン 新緑が美しい5月上旬の、レイズドベッドで囲んだガーデン内の一角。モルタルで造作してレンガを貼りつけたウォールやベンチ、アーチなど、アイキャッチを多数設けて撮影スポットに。常に「現在進行形の庭」を意識し、毎年ブラッシュアップを続けているので、それを楽しみに訪れるリピーターも多いとか。今や年間4万5,000人が訪れる、人気の観光スポットです。 高原気候のため、バラの見頃はやや遅めの6月頃。写真はオールドローズの‘ランブリング・レクター’2株を仕立てた一角。降るように咲き誇っていますね。一季咲きのため、花が咲かない時期でもつるを伸ばす姿が美しく見えるように仕立て方を工夫しています。 そして注目して欲しいのは、昼夜の温度差が大きい高原ならではの花姿の美しさ。「イングリッシュローズの‘ガートルード・ジェキル’って、こんなに素敵だったんだ!」と専門家も絶賛するほど、花色は冴え冴えとし、カップはより深くなって魅力を放ちます。 写真はパステルブルーでペイントしたアーチを連ねてトンネルをつくり、バラとキャットミント‘ウォーカーズロウ’など宿根草を組み合わせた、ナチュラルな一角です。レイズドベッドの間をつなぐアーチが、シーンの場面転換の役割に。カーブをつけた小径や仕切り役のアーチ、ボリュームいっぱいに張り出させた植物などで視界を遮ることで、自然とその先へと歩き出したくなるデザインにしています。 ラベンダーの見頃は7月頃で、「駐車場について、車のドアを開けたらラベンダーの香りに包まれた!」と訪れた人が感嘆の声をあげるほど、風が香ります。約1万株が斜面を埋め尽くす、ラベンダー畑は壮観です。品のよい淡い紫の花で香りが強い、オリジナル品種の‘ドリーム’には、ぜひ注目を。カフェ以外なら飲食物の持ち込みはOKなので、ベンチでお弁当を広げるのもいいですね。 2019年は7月6日から、ラベンダーの摘み取り体験を実施。当日受付で参加でき、費用は500円です。ハサミとカップが配られて、カップいっぱいになるまで摘み取りができます。100本ほどになるので、お得ですよ! 写真は秋のガーデンの一角で、カラーリーフの組み合わせにセンスが光ります。花を引き立てるグリーンの割合にはこだわりがあり、花3に対して葉7が心地よいと感じる比率とか。「華やかに咲き誇る花のエネルギーに圧倒される感動空間というよりは、リラックスして何時間でもボーッと過ごせる癒やしの空間ですね。秋のだんだん黄昏れていく景色にも、趣がありますよ」とガーデン制作担当の小谷さん。 毎年10月には「秋のブリティッシュフェア」を開催しており、紅茶の楽しみ方レッスンやマーケットなど、イギリスにちなんだイベントが盛況となります。 ポピュラーからレアまで揃うガーデンショップ クラフト体験ができる工房で、ぜひ思い出づくりを 「蒜山ハーブガーデン HerBill」園内に建つ「香りの館」。1階のガーデニングショップでは、宿根草などの花苗、ハーブ各種、バラ、コニファー類、樹木類、鉢、ガーデニング雑貨など幅広く取り揃えています。園内で一目惚れした植物があれば、ここで販売している可能性大。ぜひ立ち寄って相談を! センスよくまとめた寄せ植えもあります。 「香りの館」1階のショップでは、地元のお菓子などの土産物のほか、ハーブティー、フレグランススプレーやアロマオイル、インテリア雑貨などを販売しています。ハイセンスな雑貨ばかりが揃うので、一気にテンションが上がること間違いなし! 主な価格帯は800円〜。ここでしか買えないオリジナルグッズ、「ラベンダーのハーブ枕」2,000円がオススメです。 「香りの館」2階にはクラフトルームがあります。リース作り、ハーバリウム作りなどを実施しており、予約なしで参加OK。1時間くらいででき上がります。予算はサイズや使う花材によって変わりますが、リースが900円〜、バーバリウムが1,000円〜です。定員は40名ほど。 写真は、ハーバリウムの作品例。ボトルのサイズや使用する花材など、どれも個性がありますね。スタッフが丁寧に教えてくれるので、初めてのチャレンジでもきれいに仕上がります。訪れた記念に、世界に一つだけの作品を作って、思い出とともに持ち帰りましょう! 地元の食材を使ったランチは絶品! インスタ映えするハーブティー&ドリンクも 「蒜山ハーブガーデン HerBill」はカフェを併設しているので、歩き疲れたら休憩を。お天気に恵まれたら、テラス席で食事を楽しめます。蒜山の眺望が素晴らしく、高原らしい清涼な風が吹き抜ける心地よさも格別。テラス席はペット同伴OKなのもうれしいですね。 カフェでは各種パスタ1,000円〜、ピザ1,300円〜、蒜山のジャージービーフを使ったカレーランチ・サラダ、ジャージーヨーグルト付き800円やビーフライス1,000円などのメニューが揃います。季節によって旬の食材を用い、園内で育ったハーブも使用。写真は蒜山だいこんおろしの和風パスタ1,000円です。 カフェのデザートは、シフォンケーキやリコッタチーズのケーキなど、手作りケーキが単品500円、ケーキセット600〜800円(ドリンクによって価格に幅があります)。ドリンクメニューはハーブティーのラインナップが豊富で、体にやさしいハーブブレンド各種(400円)から選べます。写真はマロウティーで、ブルーのティーにレモンシロップを入れるとピンクに変わりました! インスタ映えするベリーベリーソーダ、ラベンダーソーダ各500円もオススメです。 レストラン横の苗売り場では、オリジナルのラベンダーソフトクリームも販売(350円)。自家製ルバーブビーツジャムをトッピングしたルバーブサンデー450円も人気です! Information 蒜山ハーブガーデン HerBill 所在地:岡山県真庭市蒜山西茅部1480-64 TEL:0867-66-4533 http://ww81.tiki.ne.jp/~herbill/herbill-home.html アクセス: 車/米子自動車道蒜山I.C.より約5分 オープン期間:4〜11月 休園日:無休 営業時間:9:00~16:30(季節によって変更あり) 料金:大人300円、中高生200円、小学生以下無料 駐車場:普通車80台、バス8台、身障者スペース2台(いずれも無料) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/ 写真一部(*)/3and garden
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広島県
花の庭巡りならここ! 期間限定の花畑観光スポット「Flower village 花夢の里」
Spring has come! ─春が来たよ! 草花たちがその喜びを表現する花畑 2017年にオープンした「Flower village 花夢の里」は、毎年4月上旬〜5月中旬の期間限定でオープンする、花畑の観光スポット。4万㎡もの敷地に、ピンク・白・赤・青紫の芝桜が綾なす芝桜のエリア、ブルー一色に染まるネモフィラのエリア、輝くような黄色で埋め尽くされる菜の花のエリアが登場します。ゆっくり歩いて、1時間30分ほどの散策を楽しめますよ! オープン以来、要望に応えて配色のメリハリを工夫したり、混雑を解消するために散策ルートを網の目に変えたりと、年々進化を続けている花畑です。丘の斜面にあるために、面を埋め尽くすように植栽された花々がダイナミックに映え、写真撮影にも熱が入りそう。豊かな里山の借景も素晴らしく、ヒバリの楽しそうなさえずりも近くに聞こえて、自然のリラクゼーションを誘います。 「Flower village 花夢の里」には食事を提供する「あおぞら食堂」があり、気取らずになごめる、田舎風の雰囲気にこだわっています。屋根つきのテラス席には飲食物の持ち込みもOK。敷地内にはショップもあり、地元の特産品がずらり。旅の記念やお土産に、ぜひ立ち寄ってみましょう! 芝桜の鮮烈なピンクに生命力を感じ ネモフィラのパステルブルーに癒される エントランスから入ってセンター通路の右手に見えるのが、芝桜のカーペット。約45万株、ピンクをメインに赤、白、青紫の花色でアクセントをつけています。ピンク一色に染め上げたエリアもあれば、花色を組み合わせてアーティスティックな文様を描いたエリアも。這うように茎葉を広げる芝桜が、すっかり地面を覆い尽くす壮大な風景です。風がそよぐと、優美な甘い香りに包まれますよ! 後方には菜の花がつくる黄色のエリアもあります。 センター通路の左手に見えるのは、西日本最大級を誇るネモフィラの花畑。なんと100万本が植栽されています! パステルブルーの花色と、空の青とのコンビネーションが素晴らしいですね。自然豊かな土地で、借景に人工物が一切ないのも花畑の美しさを引き立て、癒し効果を高めるのに一役買っています。 毎年配色やデザインを変えて制作している、フォトスポットの「芝桜ウォール」で、記念撮影をどうぞ。幅5×高さ3mのサイズなので、グループでもきれいに写真に収まります。2019年の開園期間は元号が変わる5月1日を挟んでいるので、このおめでたい機会を祝して、新たな芝桜のウォールデコレートを計画中です! 写真は高さ3m、長さ20mの「展望通路」です。芝桜のカーペットの景色を写真に収めるのにちょうどいい高さを導いて作ったもので、これより高くても低くてもダメなんです! フォトジェニックな写真が撮れると、大人気のエリア。高い場所が苦手な方や、体力のない方、車椅子の方に向けて手前にも幅広でゆるやかなスロープがあり、2ルートを確保しています。 週末を中心に、クラフト体験コーナーや 子ども向けのポニー乗馬などイベントも多彩 2019年は、ゴールデンウィークを除く月・金・土に、クラフト体験イベントの「ハーバリウムアロマディフューザーづくり」を開催。ハーバリウムとしても芳香剤としても楽しめます。予約不要、材料や道具は揃っているので手ぶらで参加OK。制作時間は15〜20分、参加費1,500円。4月27・28日には「ハーバリウムづくり」(体験料2,000円)も行われます。 2019年5月3・4・5日には「ポニーこども乗馬体験」が催されます(雨天中止)。時間帯は10:00〜15:00、料金は300円。ポニー3頭が登場し、プロの調教師がついてサポートしてくれるので安心です。毎年子どもたちに大人気のイベントで、みんな最高の笑顔で写真に収まりますよ! 地場産品が大集合する土産物店は必見 気取らない田舎風食堂の昼ごはんもおいしい! 「お土産処 なごみ」では、地元の特産品が豊富に揃うので、ぜひお立ち寄りを。主な価格帯は500〜1,000円で、手に取りやすい値段で揃えているのが嬉しいところ。「あれも、これも!」と目移りしてしまいそうです。オススメはオリジナル商品の「ネモフィラクッキー」600円、香りのよい桜餡を使った「芝桜大福」600円。 食事処もあり、「あおぞら食堂」のメニューは8種類。カレーや天丼など価格帯は600〜800円。オススメは「桜うどん」700円で、桜の葉を練り込んだ、桜色の麺を使っています。麺をすすると桜の香りがふわりと鼻に抜ける、上品な味わいです。「里の男前セット」800円は山賊握りにおかず7品目がついてボリューム満点! 隣接のテラス席で景色を楽しみながらの食事は会話も弾み、いっそうおいしく感じます。 Information Flower village 花夢の里 所在地:広島県世羅郡世羅町上津田3-3 TEL:0847-39-1734 https://sera.ne.jp/ オープン期間:4月上旬~5月中旬 休園日:なし 営業時間:9:00~17:00 ※大型連休中は8:00~18:00に延長する場合あり 料金:大人800円、小人(4歳~小学生)400円 駐車場:700台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 四季を通して花のカーペットで彩られる「国営備北丘陵公園」 ・初めてのガーデニング!育てやすい「春を告げる」旬の宿根草オススメ5選 ・小さな庭と花暮らし「春を知らせる球根花、スイセンとチューリップ」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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鳥取県
花の庭巡りならここ! 全エリアを見渡せる屋根つき回廊が斬新!「とっとり花回廊」
全天候型がうれしい花いっぱいのフラワーパーク 年2回のみ公開の「秘密の花園」も見逃さないで! 「とっとり花回廊」は、50ヘクタールにも及ぶ規模で、大人の足で1時間半ほどの散策が楽しめる、花いっぱいのフラワーパークです。花卉園芸振興の拠点、鳥取県の観光振興の場、県民の憩いのための場として整備されました。園内には420種、約76万4000本の植物が見られます。 直径50mという温室のフラワードームを中心に、園内を一周できる屋根つきの展望回廊がこのフラワーパークの最大の特徴。「水上花壇」「ハーブガーデン」「霧の庭園」「グレイスガーデン」「花の丘」「ヨーロピアンガーデン」「花の谷」など、エリアごとに分けられ、趣向を凝らした花壇やガーデンを最短ルートで結んでいます。 そして、ここだけのお話を。じつは園内mapにも書かれていない「秘密の花園」のエリアがあるんです! それは、ユリが1万球咲く花園と、コスモスの群植を見られる花園で、初夏と秋の年2回のみオープン。ユリは「とっとり花回廊」のメインフラワーで、日本で自生する野生種15種を、すべて保有しています。 「とっとり花回廊」では、園芸教室やカルチャー教室、ガイドツアー、自然観察会、クリスマスローズ展など、年間を通して魅力的なイベントを開催。そのためリピーターも多く、年間の集客数は約35万人にも上ります。実は、2019年は開園からちょうど20周年の節目となることもあり、特別なイベントがさまざまに計画されていますよ! 広大な花畑にショウガーデン、日本最大規模の温室! 花好きさんなら終日過ごしてもまだ飽きないフラワーパーク エントランスを入ってすぐの西館テラス前からの通路では、3月下旬〜ゴールデンウィークにかけて、ショウガーデンが展示されます。毎年テーマに沿った内容で華やかに彩られており、2019年のテーマは「Bloom!」。「とっとり花回廊」の20歳の誕生日を祝して「花開く」を表す言葉をテーマに掲げ、「お祝いの花のケーキ」をイメージして華やかに盛り上げる予定です。 4月中旬〜5月上旬は、「チューリップまつり」が開催され、230種20万球が開花します。中でも、この期間の見どころは、「花の谷(キューケンホフコーナー)」です。ここは、オランダの花の名所として知られる「キューケンホフ公園」の園長が、花壇の配置などをデザインしたエリア。まるで実際にキューケンホフ公園を訪れているような、異国情緒あふれる光景が広がります。実際にオランダから直輸入したチューリップが植栽され、日本ではなかなか見ることのできない珍しい品種も開花していますよ! なだらかな斜面にある「花の丘」は、1万㎡の広さの花畑で、草花を群植して面で魅せる演出が見どころ。写真は春にパンジーで市松模様を描いた風景で、毎年デザインや配色などを変えて植栽されています。植え替えは年に3回行われ、春はパンジー&ビオラとアイスランドポピーが各5万本、夏はブルーサルビアとルドベキアが各5万本、秋はサルビアが10万本植栽されます。 これは、回廊の様子。「とっとり花回廊」の名前の由来となっている、名物の空中回廊です。中心のフラワードームと、周囲にある「南館」、「西館」、「北館」、「ゆりの館」を、屋根つきの回廊で1kmにわたって円形に結びます。フロアは水平に保たれているので歩きやすいユニバーサルデザイン。雨の日はもちろん、暑い夏の日などにもよく利用されます。お気に入りの場所で休憩できるように、ベンチがたくさん置かれていますよ! 写真は、10月頃の「花の丘」の景色で、10万本の赤いサルビアのカーペットが広がります。背景の大山とも相まって、インスタ映えのスポットです。真ん中に見えるのはフラワートレイン。西館前の広場から発着し、15分で園内を一周してガイドしてくれます(大人300円、小・中学生150円)。園内は広いので、まずはフラワートレインを利用し、ゆっくり見物したい場所を決めるのも一案ですね。約1時間かけて、じっくりガイドしてくれるフラワーカート(大人1,000円、小・中学生500円)もあります。 初夏、夏、冬の夜間開園もお楽しみの一つ 冬のウィークエンド&祝日には花火の打ち上げも 「とっとり花回廊」では、「ムーンライトフラワーガーデン」と題し、バラが美しい時期の5月下旬〜6月上旬、夏休みの8月に、日没から21時まで夜間も開園しています。日本を代表する照明デザイナー、石井幹子さんが手がけた、月明かりをイメージした優しい光の演出は必見。 そして、11月中旬〜翌1月中旬は「フラワーイルミネーションin とっとり花回廊」として、140万球のライトを使った中国地方最大級のイルミネーションを披露。週末には、約400発の花火が打ち上げられます。 写真は、園内中央に位置する花回廊のシンボルドーム内。直径50m、高さ21mで、熱帯・亜熱帯の植物、1,000株以上の洋ランなどがコレクションされています。「フラワーイルミネーション in とっとり花回廊」では、このドーム内もシャンデリアでダイナミックに装飾。音と光が連動するショウタイムのスタート時には、点灯体験もできます(平成30年度)。ドーム内の一角では、梨、ミルク、白桃、ブルーベリー味(時期により異なる)のソフトクリームが販売されていますよ! 品揃え充実の園芸ショップ レストランでは地元産の旬の和食に舌鼓を 園内には園芸ショップがあり、花苗、球根類、園芸資材などが多様に揃っています。職員が直接買い付けに行っているため質がよく、珍しい品種も集められているので、花苗の最新トレンドが垣間見えますよ! ガーデニング愛好家なら必ずパトロールしておきたいスポットですね。専門知識のあるスタッフが常駐しているので、初心者さんも、気兼ねなく育て方の質問ができます。 土産物ショップでは、ポプリ、ハーブグッズのほか、花をモチーフにした便箋やしおりなどの雑貨類、地元名産品、土産物グッズなどを販売。オリジナル商品も多数あり、菜の花が入っている佃煮「花しぐれ」が人気です。とっとり花回廊のオリジナルキャラクター、ユリの妖精の「ピロロ」と「ポロロ」のキャラクターグッズも揃えています。 園内にある「レストラン花かいろう」は、「プチリゾート」がコンセプト。窓の向こうには大山が見えます。約110席の規模で、地元の旬の食材を取り揃えた和食メニューが充実。ランチは11:00〜14:30(ラストオーダー)、喫茶は14:30〜16:00(ラストオーダー)。主なメニューは、鳥取県産大山豚使用ロースカツ御膳1,300円、鳥取県産「大地のハーブ鶏」唐揚げ御膳1,080円、南部町産黒毛和牛カレー930円、日南町産そば定食1,080円など。デザートはケーキセットが750円です(2019年2月現在)。 写真は5名以上の団体メニューで、予約が必要な「松花堂」1,650円。季節によって食材の内容が変わり、食べられる花、エディブルフラワーも華やかにあしらわれます。ちょっぴり贅沢なひとときを! Information とっとり花回廊 所在地:鳥取県西伯郡南部町鶴田110 TEL:0859-48-3030 http://www.tottorihanakairou.or.jp/ アクセス:公共交通機関/JR米子駅から無料シャトルバスで25分 車/米子自動車道溝口I.C.より約10分 オープン期間:通年 休園日:4~6・9~11月無休、7・8・12~3月毎週火曜(一部開園あり) 営業時間:9:00~17:00 ※夜間営業時は21:00まで 料金:大人 1,000円、小中学生500円、幼児無料 ※夜間及び冬期は大人700円、小中学生350円 駐車場:2,000台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 3県にわたって敷地が広がる日本一大きな公園「国営木曽三川公園」内「木曽三川公園センター」 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。スタイリッシュな園芸店 長野・GARDEN SOIL ・編集部厳選・国内名ガーデン案内「神奈川・横浜イングリッシュガーデン」の四季 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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岡山県
備前焼の魅力を伝える新プロジェクト「Bizen×Whichford」コラボイベント報告
若い陶芸家が中心となり開催された初のイベント 全国的に秋晴れとなった2018年10月20・21日に岡山・備前市にある「特別史跡 旧閑谷(しずたに)学校」にて開催された「セラミック・アート・ビゼン閑谷(Ceramic Art Bizen in Shizutani)」。備前焼作家として国内外で活躍する新進気鋭の若手陶芸家、石田和也さん(32歳)が中心となり、備前焼を盛り上げたいと1年の準備期間を経て開催され、話題となったイベントです。 プロジェクトの中心となった石田さんは、備前焼人間国宝の伊勢崎淳氏に師事後、2011年に渡英し、デヴォンのKigbeare Studioで制作活動に従事。2012年には英国オックスフォード郊外のWhichford Potteryに就職し研鑽を積むという、国内にとどまらず垣根を超えて備前焼の魅力の可能性を探り続けている若き陶芸家です。 そんな彼が備前市と協力して、“どのように備前や備前焼を盛り上げていくか”を模索している過程で、ある試みを行ったことがこのイベント開催のきっかけになったといいます。それは、毎年秋に全国から多くの人が訪れる「備前まつり」についてロンドン芸術大学の生徒達と実施したリサーチでした。彼らに客観的に「備前」を捉えてもらったことで、備前焼を販売をすること以上に、その伝統や技、他にはない価値をあらゆる角度から“伝える”ことが大切であると石田さんは自覚したのです。 そこから、石田さんの思いに地域の方々をはじめ、旧閑谷学校関係者や、備前焼の現代作家、備前焼を応援するあらゆる分野の方々が協力し、「セラミック・アート・ビゼン閑谷」が開催された2日間、予想を超える約2,000人の来場者がありました。また、陶芸や寄せ植えのワークショップには約120人が参加。見て、触れて、体験して備前の魅力を再発見してもらえる機会となりました。 備前焼に触れる英国スタイルのティータイム 開催両日、完売の人気となったのが「備前焼×英国スタイルティータイム」。使う器はすべてプロジェクトリーダーである石田さんが焼いたもので、備前焼のトレーに8種の焼き菓子の中から気に入ったものを1つ選び、Bizen×Whichfordのマグカップで英国紅茶をいただくという、このアートイベント限定のティーコーナーが旧閑谷学校前の広場に出現。 雲ひとつない晴天の屋外には、日差しを遮る大きな白いパラソルも備えられ、自然の鳥のさえずりをBGMに、手作りのスコーンと香り高い紅茶をいただく。実際に備前の器を手に取り、使うことで肌触りや日常での使い方を知り、備前焼を身近に感じることができるおもてなしでした。 英国のアフタヌーンティーに欠かせないスコーンなどの焼き菓子は、全部で8種。写真左上は、オーソドックスなJersey Milk Scone、右上はサンギリスコーン、右下、ジンジャーケーキ、左下は、黒豆きな粉にドライイチジクの丸い模様をあしらったボタモチスコーン。 左上は一番人気だった、プロジェクトリーダーである石田さんの作品をイメージしたイシダスペシャルスコーン、右上は、英国のティータイムで定番の菓子ヴィクトリアサンドイッチ、右下はオーツケーキ、左下は、チェダーチーズでたすき模様を描いたヒダスキスコーン。 この手作りスコーンにも、実は備前焼を思わせる要素が隠されているのです。例えば、穴窯で焼かれるゆえに現れる備前焼の焼き色の特徴「ヒダスキ(緋襷)」や、黒~灰青の景色の変化「サンギリ(桟切)」、丸い模様が浮かぶ「ボタモチ(牡丹餅)」など。スコーンをいただきながら、備前焼の模様に興味を持ち、お茶の後、実物を見て「なるほどー」と理解できる仕掛けに、来場者もびっくり。 「備前焼×英国スタイルティータイム」は、兵庫県在住のフラワー&ティーコーディネーターの内田恭子さんを中心とした5名で開催。内田さんは、お花を飾りお茶をいただく英国スタイルの楽しさと、くつろぎを広める活動をしています。これまでイギリスでスコーン作りやお茶を学んだ経験を、備前でも伝えたいと、今回参加しました。写真左から、ロールケーキのお店「F.T.E」店長の木村正彦さん、田淵さん、牧野さん、橋本さん、COZY STYLE主宰の内田恭子さん、イギリス文化を日本に伝える新会社を立ち上げたブリティッシュ・プライドの新宅久起さん。 日英文化の融合Bizen×Whichford 今回、ガーデニングファンが特に注目したのが、英国の伝統園芸鉢工房「ウィッチフォードポタリー」と備前焼のコラボレーション企画です。まず1つめは、オリジナル作品の販売コーナー。ガーデニングの本場イギリスで、伝統的な技術とデザインのフラワーポットを作り続けている「ウィッチフォードポタリー」の鉢は、日本でも広く流通し、ガーデニングファンに愛用されていますが、ここでは、イギリスの素焼き製ではなく、備前焼で作られたオリジナルの鉢が購入できるとあり、他県からも多くの方が訪れました。 こうして英国と備前がつながるきっかけの一つが、2002年にウィッチフォードポタリーの代表、ジム・キーリングさんが備前へ足を運び、素朴で味わいのある備前焼に惹かれたことにあります。備前焼と園芸鉢は全く異なるジャンルでありながら、「無釉焼締め陶(むゆうやきしめとう)」の共通点から、2017年に初のBizen×Whichfordフラワーポットが誕生しました。 その後、ジムさん自らも備前での作品制作やワークショップに参加し、市民や地元アーティストとの交流も進み、2018年1月にはイギリスからウィッチフォードポタリーの職人たちが来日して、他県からも参加者が集まる初のワークショップも開催されています。 ガーデニングファンが駆けつけた陶芸体験 ウィッチフォードポタリーの石膏型などを使って、オリジナルの備前焼フラワーポットづくりができる「陶芸ワークショップ」5講座と「Bizen×Whichford を使った多肉植物の寄せ植え」1講座は、2カ月前から事前にSNSなどで参加者を募集しました。すると、北海道から宮崎まで約120人が応募、その8割以上が県外からの参加者で、2日間で計6回のワークショップは大盛況となりました。 ウィッチフォードポタリーの代表、ジム・キーリングさんと陶芸家の石田和也さんをはじめとする、陶芸のプロたちが直接指導をする約2時間の「陶芸ワークショップ」では、実際にウィッチフォードポタリーでも使われているモールド(模様の型)を使いながら、オリジナルの鉢を完成させていきます。中でも人気だったのは、ビオラやニワトリ模様。植物模様のスタンプや、転がして模様をつけるルーレット、細かな仕上げをする棒状の道具も用意されていました。 ワークショップの冒頭に、ジムさんは「備前焼と私たち工房の作品には、釉薬をかけないという共通点があります。それは、デコレーションのディテールが薄い膜で覆われず、はっきり模様が見えるという特性があります。備前焼もイングリッシュガーデンも、どちらも伝統がありますが、今回はその2つの伝統が土という素材を通してコラボレーションします。備前にはなかった、このような装飾道具を使うこともコラボレーションの一つで、新しいものが生まれることでしょう。この時間を通して、皆さんの備前の見え方もまた違ってくることでしょう。作品づくりを楽しんでください」と挨拶し、ワークショップはスタートしました。 ウィッチフォードポタリーでは、ろくろ成形後一日乾かしてちょうどよい固さになった作品にデコレーションをしていきます。このワークショップでも、同様の手順が踏めるようにと、参加者は事前にS、M、L、LL、3Lの中から作りたいサイズと数を申請。人数分の鉢を、ジムさんなど職人の手によってろくろを使い、3日間かけて用意されていました。 説明を30分聞いた後、まず、鉢のどの位置へどの模様をいくつつけるかを決め、思い思いに仕上げていきます。ポターさんによるお手本の作業工程を見て覚えたつもりでも、実際に自分の手を動かし、模様の型に土を詰め、鉢に押し付け、模様の縁をきれいにならしていく工程は、思ったようには進みません。 参加者はそれぞれに迷いながらも、集中して手を動かしていきます。ジムさんと石田さん、ポターさんは慌ただしく参加者一人ずつに気を配り、作業につまずいている人を手伝い、アドバイスしながら、アッという間の1時間半。鉢の仕上げにBizen×Whichfordのスタンプを押して、作業は終了時間を迎えました。 ウィッチフォードの鉢で特徴的な縁取りの装飾は、プロの手にゆだねて仕上げてもらうことができました。写真は、ウイッチフォードポタリーで大型鉢の責任者を任されている職人の、サイモン・ガーンさん。 1月に参加して「世界に一つしかないオリジナルのポットが作れるという貴重な体験をまたぜひ!」にと、再び参加した千葉在住の橋本景子さん。「前回と違うモールドを使ってみたかったことや、ポッターさんに再びお会いするのが楽しみでやって来ました。今回を振り返ってみると、時間的に余裕がなく、焦ったり失敗もありましたが、サイモンさんが手助けをしてくれたり、ジムさんが絵を描いてくれたりという幸せな時間もありました。仕上がりが本当に待ち遠しいです」。 2日間で作られた約140点もの作品は、その後、乾かされて2019年の早春に穴窯による焼成が行われます。穴窯は、なんと10日間火を絶やすことなく焼き続け、備前焼ならではの自然釉の景色や炎の表情が生まれるとのこと。参加者は、自分の作品の仕上がりを首を長くして待っているところです。 2日間に渡り行われた6つものワークショップを支えた皆さん。左から、Bizen×Whichfordを担当したガーデナーの田中美紀さん、ジム・キーリングさん、「セラミック・アート・ビゼンin閑谷」プロジェクトリーダーの石田和也さん、サイモン・ガーンさん、去年までWhichfordで2年間陶芸を学んだ経験がある鈴木麻莉さん、陶芸センター事務員の滝川美由紀さん。 日本の伝統と英国の伝統がコラボするという、ガーデニング界にも新しい風となったプロジェクト「セラミック・アート・ビゼン閑谷」。今後の展開が期待されます。 今後の活動やニュースは、以下で発信されます。要チェックです。 【フェイスブック】Bizen×Whichford https://www.facebook.com/bizenwhichford/ 【ブログ】ウィッチフォードに恋をして https://wfpottery.exblog.jp 併せて読みたい ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。滋賀「English Gardenローザンベリー多和田」のパンジービオラフェスティバル ・クリスマスやお正月にもぴったり! 冬こそ楽しめるおしゃれなリース型の寄せ植え ・絶対かぶらない! 女性にも男性にも喜ばれるおしゃれなプレゼント「ワインと花の冬の寄せ植え」 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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山口県
花の庭巡りならここ! 花苗生産が盛んな地域ならではの演出「やまぐちフラワーランド」
年に7回の植え替えにより、500品種45万本の花を植栽! 2006年にオープンした「やまぐちフラワーランド」は、35,000㎡の敷地を持ち、大人の足でゆっくり歩いて1時間半ほどで回れる広さです。山口県柳井市は温暖で日照時間の長い気候のため、花の生産が盛ん。そんな地域の振興をはかる目的で整備されたのが「やまぐちフラワーランド」で、地元で生産された花苗を植栽しています。年間を通して約500品種45万本もの花を植栽しており、毎年新品種も導入しているので、最新トレンドを知ることができるのも魅力です。 園内には大きく分けて21の区画があり、家庭でも実践できるような提案型のモデルガーデンや、園内に植栽されている花を集合させたコレクション花壇など、区画ごとにテーマが設けられています。それぞれに“インスタ映え”を意識した色彩豊かなシーンを演出しているので、訪れた記念にナイスビューを写真に収めましょう! 棚田だった地形を生かした 斜面を覆うように彩る花畑が特徴的 「歴史と自然に囲まれた、ちょっとおしゃれな花と緑の庭園」をコンセプトにしている「やまぐちフラワーランド」は、一年を通して季節の花々が咲き競います。 写真は2018年3月下旬の自由広場沿いのエリア。カーペットのように咲いている赤やピンクの花は、デージーです。土手の頂で白い小さな花を枝いっぱいに咲かせるユキヤナギは3月末〜4月上旬が見頃。約100mにわたって約500株が植栽されています。 写真は「やまぐちフラワーランド」の一角で、2018年春の景色です。約130㎡にわたって群植されている黄色い花は、クリサンセマム。約4,000本が咲き広がり、見頃は4月〜5月上旬です。ゆるやかにつながる階段を上り切ると、高低差が50mの迫力ある全景が一望できます。 「やまぐちフラワーランド」は、もともとあった棚田の地形を生かした花壇も特徴的です。写真は2018年4月のフラワーガーデンのエリア。左手の黄色やオレンジの花はエスコルチアで約6,000本を植栽、見頃は3月下旬〜5月上旬です。右手のピンクや白、クリームイエローをミックスさせたフラワーベッドは、リビングストーンデージー。約4,000本が植栽され、見頃は4月〜5月上旬です。 2018年5月のフラワーガーデンでは、オレンジ&黄色のナスタチウム、ピンク&白のダイアンサス、黄色のダールベルグデージーが競演。里山の借景が美しく、野鳥の楽しそうなさえずりも聞こえてきます。園内では飲食物の持ち込みが自由なので、好きな場所でお弁当やおやつを広げることができますよ。花景色を前に、心地よい風を感じながら好きな食べ物をほおばるのは、なんとも贅沢な時間です。園内にはゴミ箱を設置していないので、持ち帰りのマナーは守ってくださいね。 「やまぐちフラワーランド」の2018年夏の屋上庭園には、センニチコウが60㎡に約700本植栽されています。見頃は7〜9月上旬です。同時期にはアンゲロニアやルドベキアなども見頃になり、夏らしいトロピカルな雰囲気をもつ草花が主役に。また涼を呼ぶ演出として、白やブルー、紫の花色のクールカラーでまとめた花壇も見られます。 秋は楽しいハロウィンディスプレイが見どころ 冬でも寂しくない! パンジー&ビオラが花盛り 毎年10月には、園内の至るところにジカボチャやキュートなオバケ雑貨を使った装飾が施され、ハロウィン一色になります。2018年はハロウィンボディペインティングやジャック・オ・ランタン作り(要予約)などのオータムフェスタが開催されます。 ハロウィンの時期に限らず、毎月の週末を中心に、ガーデニングセミナーや寄せ植えコンテスト、クイズラリー、コンサートなど、興味津々なイベントが開催されているので、事前にホームページをチェックして参加してみましょう! パンジーが絨毯のように広がっている様子、これは春の風景? いいえ、実は2017年冬のフラワーガーデンなんです。このエリアでは、100㎡に3,500本のパンジー、ビオラを植栽しており、11月下旬〜3月頃が見頃。園内の花壇すべてを合わせれば、16種類約32,000本のパンジー、ビオラを植栽しています(2017冬〜2018春)。さすが温暖で、花苗生産が盛んな地域だからこその贅沢さですね。パンジーの色合わせの妙も参考になりそうです。 冬は、ほかにも白や紫のハボタンが11月下旬〜3月上旬まで見頃になり、パンジーやビオラ、ストックとともに彩りを添えます。花色に飢えているこの時期のガーデナーにとっては、冬も元気に咲き続ける花たちと出合える、心浮き立つスポットですね。 「やまぐちフラワーランド」にはおしゃれな「レストラン 大地の恵み HANAHANA」があり、お食事も楽しめます。木曜定休(祝日の場合はオープン)です。 寄せ植え体験もできる充実の花苗ショップ 土産物コーナーも地元の名産品がずらり 「やまぐちフラワーランド」内の温室売店では、寄せ植え体験教室を常設しているので、ぜひご参加を! 好きな花、鉢を選んで、料金はセレクトによって変動します。予算に合わせての相談にも乗ってくれますよ。 そして、温室売店では、土にこだわって育てられた地元産の一年草や宿根草の花苗を約100品種、バラ100〜200品種を販売。熱心なガーデナーにとっては、「本気買い」のスイッチが入るスポットですね。来園者からは「庭園で一目惚れした花苗を、ここで買えたのでうれしい!」という声も聞かれます。営業時間は9:30〜16:30。 「やまぐちフラワーランド」内の売店「コッコロ」では、調味料やお菓子、雑貨類など地元の名産品が多数揃っていています。なかでも、毎年8月開催の「柳井金魚ちょうちん祭り」でも知られる郷土民芸品「金魚ちょうちん」は、お土産に大人気。まん丸の瞳にパクパクのお口、愛らしい表情がほほえみを誘いますね。700〜1,500円で販売されています。 また、「やまぐちフラワーランド」内にて、定期教室も行われています。フラワーデザイン、プリザーブドフラワー、ドライフラワーアレンジメントのほか、料理やウクレレ、絵手紙と多彩なラインナップ。近くにお住まいの方は公式ホームページでチェックし、趣味を広げる目的でレッスンに通うのもオススメです。 Information やまぐちフラワーランド 所在地:山口県柳井市新庄500-1 TEL:0820-24-1187 https://flowerland.or.jp/ アクセス:公共交通機関/JR柳井駅からタクシーで5分(片道定額830円) 車/山陽自動車道玖珂ICから車で約15分、山陽自動車道熊毛ICから車で約20分 オープン期間:周年 休園日:木曜(祝日を除く)、12月27日〜1月1日 ※臨時休園あり 営業時間:9:00~17:00(最終入園16:30) 料金:高校生以上500円、小・中学生250円、70歳以上250 円、未就学児 無料 ※20名以上の団体20%割引 駐車場:300台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! インスタ映えする景色の宝庫「淡路島国営明石海峡公園」 ・花の庭巡りならここ! 四季を通して多様な植物で彩られる「はままつフラワーパーク」 ・花き生産高1位の地域に生まれた、旬の花と野菜が並ぶショップ「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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広島県
花の庭巡りならここ! 四季を通して花のカーペットで彩られる「国営備北丘陵公園」
広大な花風景に癒されるスポット 1995年に開園した、34,000㎡もの面積をもつ「国営備北丘陵公園」。森と湖(国兼池)に囲まれた緑豊かな自然の環境に恵まれ、リフレッシュに訪れるのにうってつけの公園です。「ふるさと・遊び」をテーマにしたレクリエーション施設が多様に揃っていますが、花を愛でに訪れるなら「花の広場」「みのりの里」「ひばの里」エリアを園内マップでチェックを。敷地が大変広く、公園全体を歩けば2時間以上はかかるため、目的のエリアにターゲットを絞って最寄りの駐車場を利用するのがオススメです。 敷地の広さを生かして季節の花を群植し、面で魅せる風景が「国営備北丘陵公園」の魅力です。春はスイセン、チューリップ、ネモフィラ、初夏はアジサイ、夏はヒマワリ、秋はコスモスが満開になります。また、各季節の開花時期に合わせて「スイセンファンタジー」「備北花ピクニック」「備北夏まつり」「備北コスモスピクニック」などのイベントを開催。期間中の週末を中心に、ワークショップやコンサートが開かれます。 春は丘陵一面をスイセン、チューリップ、ネモフィラが覆い尽くすように咲く 写真は「国営備北丘陵公園」にて、3月下旬〜4月上旬に見頃を迎える「みのりの里 スイセンガーデン」。約15,000㎡の敷地に約700品種150万本のスイセンが咲き乱れ、丘一面を覆い尽くします。このエリアでは3月下旬にウメが、4月上旬にハナモモが見頃に。花木とスイセンとのコラボレーションによる、華やかな景色を楽しみましょう。 「花の広場」のエリアでは、4月中旬からチューリップが見頃を迎えます。15,000㎡の敷地に10品種、25万株のチューリップを群植。2018年春に「はなの展望台」がリニューアル。展望台から花のカーペットを一望できるので、ぜひ上からのフォトジェニックな写真を撮りましょう。チューリップの後はビオラ、アイスランドポピーへと咲き継がれます。 また、同時期に「みのりの里 ピクニック広場」のエリアでは、ネモフィラが丘一面に咲く景色を楽しめるので、こちらへもぜひ足を運んでください。 初夏は1万株のアジサイを夏は5万本のヒマワリを愛でよう 「ひばの里」エリアのアジサイは、6月下旬〜7月上旬が見頃。100品種1万株が植栽されています。明治から昭和初期の里山の風景を再現した「ひばの里」の風景と共に、風情のあるアジサイの姿を楽しみましょう。ちなみに園内は、リードをつけていればペットの同伴もOK。ワンちゃんと一緒に散歩を楽しむのもいいですね。 また、アジサイと同じ時期に見頃を迎えるのが、約50品種1,500株のハナショウブ。こちらは6月中旬頃が見頃です。 「みのりの里」エリア内にある「ピクニック広場」では、約5,000㎡に、約5万本のヒマワリが植栽されています。8月上旬〜中旬が見頃のピーク。ヒマワリ畑に入ることはできませんが、周辺に道があるので間近に見ることができます。一斉に同じ方向に顔を向けるヒマワリの姿は、壮観のひと言! 秋はコスモス畑の壮大な景色を楽しみ冬はイルミネーションのナイトガーデンを満喫 「花の広場」エリアでは、9月下旬〜10月上旬に180万本のコスモスが一面を埋めるように開花します。この付近ではケイトウ、ジニアも見頃に。園内は飲食の持ち込みが自由ですから、空が澄んで、渡る風がすがすがしい秋のレジャーシーズンに、ピクニック気分で出かけてはいかがでしょうか。 「国営備北丘陵公園」では、11月10日〜翌年1月14日(2018〜2019年秋冬)に、イルミネーションが点灯します。点灯時間は17:30〜21:00(入園は20時まで)。 特に11月下旬の紅葉の時期は、ライトアップと相まって幻想的な景色に包まれます。 「ILLUMI&花火のコラボ」は、満天の星空の下、打ち上がる花火とイルミネーションの光景をお楽しみいただける大人気イベント!(開催日は毎年異なります。詳細はHPでご確認ください)。 樹木や地形を生かした奥行きのある光景が楽しめ、敷地の広い公園ならではのバラエティーに富んだ景色が広がります。ウインターシーズンならではの、光の花咲くナイトガーデンを楽しみましょう! 「ひばの里」エリアでは、1月下旬〜2月中旬に「冬咲きぼたん展」を開催。白雪の舞う中、雪囲いに守られて凛と咲く、冬咲きぼたんの可憐な姿には心を打たれるものがあります。 ちなみに、「ひばの里」のすぐ隣のエリア「中の広場」には「お食事処 中の茶屋」があるので、歩き疲れた時には休憩にご利用を。ランチの価格帯は550〜1,000円。ソフトクリームやかき氷などもあります。また、売店「ランバス」では、地元銘菓や特産品などが多数揃うので、お土産をお探しなら、ぜひ足を運んでみてください。 Information 国営備北丘陵公園 所在地:広島県庄原市三日市町4-10TEL:0824-72-7000(備北公園管理センター)http://www.bihoku-park.go.jp/ アクセス:車/中国道庄原ICより、北入口:約5分、中入口:約10分中国横断道三次東JCT・ICより、中入口:約15分 オープン期間:周年 休園日:月曜(「備北花ピクニック」「備北夏まつり」「備北コスモスピクニック」「備北イルミ」期間中は毎日開園)、12月31日、1月1日 営業時間:9:30~17:00 (3~6月・9~10月)、9:30~18:00(7~8月)、9:30~16:30(11月~翌年2月) ※入園は閉園時間の1時間前まで 料金:大人/450円、中学生以下/無料、シルバー(65歳以上)/210円 駐車場:有り・普通車2,460台、大型車40台(普通車310円/大型車1030円/二輪100円)
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岡山県
花の庭巡りならここ! 自然美にため息がこぼれる「深山イギリス庭園」
岡山県玉野市の市政60周年を記念して、2000年にオープンした英国式庭園「深山イギリス庭園」。ガーデンデザインはイギリスの著名な庭園技師、ピーター・サーマンさんが手がけました。彼は「深山イギリス庭園」の設計にあたって深山に3カ月滞在し、当地の気候を肌で感じたうえで、自然・環境との調和を目指した「20世紀の伝統的なイギリス庭園」をコンセプトに構想をまとめ上げました。7,500㎡の敷地は、大人がゆっくり歩いて1時間程度で観覧できる広さ。約200種8,000株の植物たちが四季折々に織りなす、豊かな景色をお楽しみください。 「深山イギリス庭園」は、カマクラヒバの生け垣で6つに区画され、6つのスタイルのガーデンがつくられています。ガーデンは、①「深山イギリス庭園」のシンボルのトリプルドルフィンの噴水を中央に配したウォーターガーデン(水の庭)、②イングリッシュローズを中心に集めたローズガーデン(バラの庭)、③夏花を集めたサマーフラワーガーデン(夏花の庭)、④明るい花色で演出したホットカラーガーデン(暖色の庭)、⑤白やシルバーの花や葉を集めたホワイトガーデン、⑥大きめの花弁をもつ太白桜が咲くグレイトホワイトチェリーガーデン(太白桜の庭)の6種です。 写真はウォーターガーデンのエリアにある休憩スペース。ガーデンテーブル&パラソルが4セット、ベンチが6つあり、飲み物のみ持ち込みOKです。 一番の見頃は5〜6月のローズガーデンが満開になる季節! 「深山イギリス庭園」のローズガーデンの見頃は5〜6月頃です。四季咲きのイングリッシュローズ、つるバラ16種類、約100株は、白、ピンク、黄色系の花色を中心に選び、宿根草と組み合わせてナチュラルに植栽されています。イングリッシュガーデンらしい華やかさと共に、空間に無限の広がりを感じさせるような、バラを仕立てたアーチのレイアウト術も見どころ。また、フォーカルポイントとしてつくられた噴水は、その賑やかな音で花が咲き誇る様子を表現。隣のウォーターガーデンが「静」なら、こちらは「動」で対比させています。発色のよい手前の赤バラは、‘L.D.ブレスウェイト’。 写真は、ローズガーデンを別角度から見た構図。奥に見える建物はイギリスの田舎屋風に建てられたパビリオンで、庭園のインフォメーションとして利用されるほか、アーチストの作品展示コーナー、絵葉書やハンカチ、ボトルフラワー、押し花、パンフラワー、書籍など、植物にまつわる雑貨ショップも併設されています。 旬を迎える花が、主役として輝くステージを随所にしつらえて 幅4m、奥行き12mのフジ棚には、紫のフジ、シロフジ、ベニフジ、ヤエフジ、ノダナガフジの5種類15株が植栽されています。開花時期に多少のずれはありますが、ほぼ咲き揃う5月上旬になると甘い香りが漂い、レースのカーテンのように花がさらさらとなびいて、それは見事なものです。フジの花言葉は「決して離れない」。カップルのフォトスポットにぴったりではないでしょうか? 左の写真はホワイトガーデンのエリア。高さ2.5mのアーチに、樹齢約20年のシロフジを沿わせ、ダイナミックに縦の空間を彩っています。奥に見えるシンボルツリーはオオデマリで、同時期に白い花をたわわに咲かせます。右の写真もホワイトガーデンの一角。オオデマリ、イングリッシュデージー、シロタエギク‘シルバーダスト’など、白花やシルバーリーフでまとめています。 モニュメントとエバーグリーンが織りなす、英国の伝統的な庭 写真のエリアは「彫刻の回廊」。ヨーロッパ独特の石灰岩ライムストーンを原材料に、動物の神や聖女をモチーフにした12体のモニュメントが整然と配置されています。英国の伝統的なガーデンに見られる、彫刻や鉢をシンメトリーにレイアウトする手法が見どころ。フォーカルポイントとなる槍状のオベリスクを奥に据えて奥行き感を強調し、中央にヤシモドキを植栽したゴシック調の飾り鉢を4つシンメトリーに配すことで、単に彫像を並べただけではない、景色の変化をもたらしています。見る方向や角度によっても印象が変わる、フォーマルな庭です。 四季を通して花々で彩られる「深山イギリス庭園」では、写真展やガーデニング教室、アフタヌーンティー、バグパイプ演奏が楽しめるイギリスフェアなど、さまざまなイベントも開催されています。あらかじめホームページでイベント内容をチェックして出かけるのもオススメです! Information 深山イギリス庭園 所在地:岡山県玉野市田井2丁目4490 TEL:0863-21-2860 http://www.tamano.or.jp/usr/miyama/ アクセス:JR岡山駅/30号経由宇野駅、渋川行バス40分/深山公園入口下車 瀬戸中央自動車道水島IC/車30分 オープン期間:通年 定休日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 営業時間:9:00~16:30(3月~11月)、9:00~15:30(12月~2月) 入園料:小学生100円、中学生以上 200円、65歳以上100円 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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島根県
花の庭巡りならここ! 伝統的な英国スタイルのガーデン「松江イングリッシュガーデン」
2007年に開園した、島根県松江市立「松江イングリッシュガーデン」。イギリスからキース・ゴットさんをヘッドガーデナーに迎えて整備された、英国式庭園です。約1万㎡に及ぶ敷地は、「バラのテラス」「キングサリのアーチ」「ホワイトガーデン」「サンクンガーデン」「パーゴラの中庭」「噴水広場」「憩いの広場」「屋内ガーデン」「クロイスターガーデン」の9つにゾーニングされ、それぞれにテーマ性のある景色が楽しめます。そして特筆すべきは、これだけの規模の庭園で、行き届いたメンテナンスが施されながら、入場は無料だということ。四季を通して見どころが変化していく庭園にはリピーターが多く、地元の方々の憩いのスポットとなっています。 これぞイングリッシュガーデン! 洗練された植栽術にうっとり 毎年、豪華な花穂のデルフィニウムを主役とした、ランドスケープガーデンを制作しています。ゴールデンウィークが一番の見頃で、深いブルーや紫、白のデルフィニウムの株元には、ロベリア、セイヨウダイコンソウ、ブロンズ色のカラーリーフが美しいリシマキア‘ファイヤークラッカー’などが縫うように植栽され、ナチュラルな景色が魅力です。 「松江イングリッシュガーデン」では橋がかけられた水辺の景色も楽しめます。橋の左手に誘引された赤いバラは‘レッドメイディランド’、手前の房咲きのバラは‘バレリーナ’で、6月初旬の景色です。池にはスイレンが植栽され、初夏から開花を楽しめます。空や植物が映り込む水鏡を保つために、スイレンが繁茂しすぎないように、間引いたり花殻摘みをしたりと、定期的なメンテナンスをして景観を維持しています。 5月中旬〜6月中旬のバラの季節は見どころ満載! 「松江イングリッシュガーデン」の園内にはさまざまなバラが植栽されています。見頃は5月中旬〜6月中旬。ホワイトガーデンのアーチは高さ3.5m、奥行き4mで、白バラの‘クライミング・アイスバーグ’、‘オドラータ’がダイナミックに仕立てられています。このホワイトガーデンのアーチの一番の見頃は5月下旬〜6月初頭のわずか1週間ほど。この素晴らしい景色を写真に収めようと、タイミングをはかって何度も訪れる人もいるそうです。 一段下げてつくってあり、上から遠くまで一望できる沈床スタイル「サンクンガーデン」の一角。手前のピンクのバラ‘ピンクヘイズ’が満開を迎えています。19世紀終盤〜20世紀初頭の伝統的な英国スタイルの庭園を再現した園内には、トピアリーや生垣で縁取った、整形式花壇も制作。「松江イングリッシュガーデン」では、総じて約500種の植物が息づいています。 修景バラの‘レッドメイディランド’が園路を彩るランドスケープガーデンの一部。奥のガゼボには、ピンクのバラ‘アロハ’が仕立てられ、現在はガゼボを覆い尽くすほどに成長しており、人気のコーナーになっています。ガゼボの中に入って、香りのよいバラとして知られる‘アロハ’の芳香を楽しみながら、くつろぎのひとときを過ごせます。 宍道湖の借景を生かした、ビロードのように整備された芝生の庭。視界が開けて心地よく、春から秋にかけてはお弁当を広げてくつろぐファミリーの姿が多く見られます。 「松江イングリッシュガーデン」の開花リレーは次の通りです。セイヨウスイセンが2月下旬〜4月下旬、デルフィニウムが4月下旬〜6月中旬、藤棚にダイナミックに仕立てられ、スパイシーな香りが楽しめるシナフジは4月下旬〜5月初旬、キングサリが5月初旬〜下旬、ジギタリスが4月下旬〜7月上旬、バラが5月中旬〜6月中旬、ユリが6月中旬〜7月下旬、宿根サルビアが9月下旬〜12月初旬、紅葉が10月下旬〜12月中旬、クリスマスローズが1月上旬〜4月上旬。リピーターが多いのも納得です! 温室では展示会やコンサートなどのイベントを開催! 温室ではベンジャミンやアコウの大木、熱帯植物を見ることができます。庭園を取り囲むように、温室を兼ねた多目的ホールや回廊があり、展示会やコンサートなどのイベントも開催されます。 このほか、売店では、お菓子や地元のキャラクターグッズ、ガーデニンググッズ、花をモチーフにした雑貨などのお土産物が揃います。なかでもビスケットやクラッカー、チョコレートなど、イギリスをはじめヨーロッパから輸入されたお菓子が大人気だそうです。 併設するイタリアンレストランでコース料理を堪能! 「松江イングリッシュガーデン」では、ウェデイングパーティーも行える、イタリアンレストラン「レストランウェディングLaut」を併設。壁の一面がガラス張りとなっており、宍道湖を一望できるナイスビューを楽しみながら食事を楽しめます。ランチは11:30〜14:00、ディナーは予約制で18:00〜22:00、定休日は火曜です。 写真右はランチの一例。メニューはコースのみで、2,000、3,000、4,500円から選べます。旬の食材を使ったコース料理に舌鼓を打つ、贅沢なひとときを過ごしてみませんか? Information 松江イングリッシュガーデン 所在地:島根県松江市西浜佐陀町330-1 Tel. 0852-36-3030 http://www.matsue-englishgarden.jp/ アクセス:出雲空港より車で約40分 JR松江駅よりバス「免許センター・朝日ヶ丘行き」約30分 一畑電鉄松江しんじ湖温泉駅より、一畑電鉄、出雲方面行きに乗り約5分 車で大阪・岡山方面より米子自動車道−山陰道(松江西ランプ下車)−国道9号線−宍道湖大橋−国道431号線(出雲方面へ) 広島方面より中国自動車道(三次東JCT)−やまなみ街道(尾道松江線)−宍道JCT−山陰道(松江西ランプ下車)−国道9号線−宍道湖大橋−国道431号線(出雲方面へ) オープン期間:通年 定休日:無休、ただし年末年始(12/29~1/3)は閉園 営業時間:9:00〜17:30(4〜9月)、9:00-16:30(10-3月) 入園料:無料 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。https://twitter.com/passion_oranges/