ひと口に園芸店といっても、今やさまざまなスタイルのショップがあります。それぞれの個性が色濃く反映されたこだわりの空間は、ガーデニングのセンスを磨ける最高の場所。今回は、雑木に囲まれた癒やしの空間「Soraniwa(そらにわ)」を訪ねました。

Print Friendly, PDF & Email

つややかな緑と屋根のある売り場で
心地よくショッピング

松江駅から北東に20分ほど車を走らせたところにある「Soraniwa(そらにわ)」松江店。緑に囲まれたブルーの建物が目印です。

Soraniwa(そらにわ)

「Soraniwa(そらにわ)」は庭や外構の設計・施工・管理などを手掛ける「Green Gardens」が営む園芸店。鳥取県米子市にある本店に続き、2号店として6年前にオープンしました。今ではおいしいランチやスイーツが楽しめるカフェが設けられており、地域の人気スポットとして注目を浴びています。

Soraniwa(そらにわ)

つややかな緑のゲートをくぐると、正面に広がるのは花苗売り場。ずらりと並ぶ花苗は、自然な風景を生み出すナチュラルな趣のものがほとんどです。「僕の好みもあるのですが、主に植栽や寄せ植えの中で主張しすぎずになじみやすい草花を選んでいます」と、オーナーの作野良さん。ここで扱う花の種類は1千種以上にものぼるそう。屋根付きの店内は、雨の日でも安心してゆっくり買い物が楽しめます。

Soraniwa(そらにわ)
つややかな緑を背景に、コンディション抜群の花苗がずらりと並ぶ。
Soraniwa(そらにわ)のペチュニア

一角では、「ペチュニア祭り」が開催中。ショップおすすめのペチュニア、カリブラコアが並び、購入する数によっては割引も。その時々で取り上げる植物が変わります。

Soraniwa(そらにわ)のハーブ
カラーリーフやハーブ類も充実。棚は奥行きの異なる2段になっているので、手に取りやすい。
Soraniwa(そらにわ)の苗
Soraniwa(そらにわ)の多肉
花苗売り場の隣の多肉植物コーナー。おしゃれな見せ方も参考に。
Soraniwa(そらにわ)の売り場
樹木と宿根草の苗コーナー。頭上の丸い電飾が明るく売り場を演出。

売り場を素敵に盛り上げる
装飾ディスプレイにも注目

ショップのイメージを印象づけているのは、大人っぽいカラーのブルーの建物です。しゃれた雰囲気ですが、これはかつてウナギの養殖場として建てられたあと、ライブハウスとして活用されていた古い建物だとか。「倉庫っぽいつくりが気に入ったんです」と作野さん。無骨な建物に、店名に通ずる色をペイントし、内装にもこだわりながらモダンに仕上げています。

Soraniwa(そらにわ)

売り場には、古いものやレトロな雰囲気を持つ道具や雑貨、ドライフラワーを用いたおしゃれなディスプレイがたくさん。これらは、かつて花屋で培った作野さんの感覚と、もともと備わっていた美的センスによるもの。ともするとシャビーになりすぎる組み合わせも、壁の程よい重みのあるモダンなカラーで、効果的に植物と響き合っています。

Soraniwa(そらにわ)のディスプレイ
モミやユーカリを使った昨年のクリスマスの飾りをそのまま残し、味わいのある飾りとして活用している。
Soraniwa(そらにわ)のディスプレイ
Soraniwa(そらにわ)のディスプレイ
古びたアイテムはシーンづくりで活躍してくれる。縦長の大きな鳥かごは、抜け感があるから軽やかで、売り場だけでなくイベントディスプレイでも重宝するアイテム。

‘わざわざ’行きたくなる
見どころ満載のショップ

店舗を囲む雑木類が瑞々しい緑のスクリーンとなって、心地よい時間を提供している「Soraniwa(そらにわ)」。ブルーの建物に美しくグリーンが映えるコーディネートです。これらを手掛けたのも作野さん。造園会社や花屋で修業したという実力派です。

Soraniwa(そらにわ)
緑陰や葉擦れの音が心地よい、ショップのフロント。

30歳までに自分の店を持つと決めていた作野さん。独立までの約12年の間に、造園会社ではお寺の作庭や個人邸のエクステリア施工を行ったり、災害で崩れた松江城の石積み修復を手がけるなどの経験を通じ、ソフトからハード面まで、幅広い知識を吸収していきました。その後は花屋で、切り花のアレンジメントや店舗のディスプレイ、鉢花販売などの修業をし、今から12年前に独立。店内には、作野さんの高い技術と知識を裏付ける素敵なシーンがあちらこちらで見られます。

Soraniwa(そらにわ)のディスプレイ
無造作に置いた雑貨や鉢で、カジュアルな雰囲気を演出。力みが感じられないので、気軽に店に入ることができる。

大通りに面した1号店の米子店に対し、4倍の広さがあるものの、市街地からはやや離れた場所にある松江店。立地としてはよいとはいえないだけに「わざわざ足を運ぶ店」を目指し、品揃えの充実だけでなく、庭づくりや暮らしを彩る提案をそこかしこに盛り込んでいます。

Soraniwa(そらにわ)のディスプレイ
雑木の植栽の中で、ツボや寄せ植え、雑貨が、朽ちたような味わいを醸している。

ショップでは庭やエクステリアの設計・施工を請けており、「庭づくりのことなら何でも聞いてください。植栽、エクステリア、ガーデニングとトータルでお客様をサポートいたします」と、頼もしい限りです。

Soraniwa(そらにわ)
左/庭の片隅に設けられた英国製のガーデンシェッド。文字を描いておしゃれな雰囲気をアップ。設置の依頼も可能。
右/工事で出た木や石の端材を販売。ちょっとしたシーンづくりに役立つ。

ショップの空間を潤す
樹木と草花にズームアップ!

ショップの自然な風景を構成している、植物たちをご紹介します(2021年5月中旬取材時)。

アオダモ、ツリバナ、百日紅

左/アオダモ:モクセイ科・落葉高木・H3~10m
中/ツリバナ:ニシキギ科・落葉中木・H2~4m
右/サルスベリ:ミソハギ科・落葉高木・H3~10m

ヤマモミジ、紅すだれ、手毬灌木

左/ヤマモミジ:ムクロジ科・落葉高木・H5~10m
中/ベニシダレモミジ:ムクロジ科・落葉高木・H3~5m
右/テマリカンボク:スイカズラ科・落葉低木・H 1.2~2m

オウゴンコデマリ、コバノズイナ、セイヨウイワナンテン

左/黄金コデマリ(スピラエア):バラ科・落葉低木・H約1.5m
中/コバノズイナ:ズイナ科・落葉低木・H 1.2~1.5m
右/西洋イワナンテン:ツツジ科・落葉低木・H約1.5m

ユーフォルビア、キンギョソウ、ペンステモン

左/ユーフォルビア・カラシアス:トウダイグサ科・多年草・H0.5~0.8m
中/キンギョソウ‘ブロンズドラゴン’:オオバコ科・一年草・H0.3~0.4m
下/ペンステモン‘ハスカーレッド’ :オオバコ科・多年草・H 06~0.9m

「Soraniwa(そらにわ)」の作野さんのイチオシはコレ!
ナチュラルな草花を使った愛らしい寄せ植え

ショップ入り口脇に並ぶ、愛らしい寄せ植えの数々。ショップの植栽同様、ナチュラルな花合わせが魅力です。鉢を持参すると、スタッフと一緒に植え替えや寄せ植えづくりができるのだとか。苗選びから付き合ってもらえるので、寄せ植えづくりのコツが学べます。

Soraniwa(そらにわ)の寄せ植え
ギフトにぴったりの寄せ植えが並ぶコーナー。
Soraniwa(そらにわ)の寄せ植え
Soraniwa(そらにわ)の寄せ植え
店内に点在する寄せ植え。小花やリーフから多肉植物のアレンジまで多彩。花台としてチェアが活躍している。

インテリアも学べる
屋内売り場

建物内のディスプレイもとても魅力的。トーンを落とした照明で、インドアグリーンを効果的に使い、落ち着きのある空間が演出されています。

Soraniwa(そらにわ)のディスプレイ
レジ上の壁に設けられた大きなブラックボード。文字は絵心のあるスタッフが担当。
Soraniwa(そらにわ)の内装
グリーンが美しく映えるウッディな内装。室内装飾も作野さんが手がけたとか。
Soraniwa(そらにわ)のインテリア
Soraniwa(そらにわ)のインテリア
インテリアでもアクセントになるアイアンツールや鉢、植物では大小の観葉やランなどが並ぶ。
Soraniwa(そらにわ)の雑貨
愛らしい雰囲気の雑貨類も、絶妙な匙加減で加えられている。

こだわりの食材で
飛びきりの時間を提供

店内に設けられたカフェ「そらにわキッチン」では、卵・乳製品を使用せず、オーガニック食材によるランチやスイーツを提供しています。瑞々しいグリーンに囲まれながら、野菜を中心とした彩り豊かなヘルシーなランチと写真栄えしそうなスイーツを、ぜひ味わってみましょう。

Soraniwa(そらにわ)のカフェ
各テーブルは、グリーンやカーテンでやんわりと仕切られ、ゆったり食事が楽しめる。
Soraniwa(そらにわ)のカフェメニュー
約6種類のおかずが盛りつけられたプレートに、雑穀ごはんとスープがつく、Soraniwa(そらにわ)の月替わりランチ。ドリンクとセットにもできる。(*)
Soraniwa(そらにわ)のカフェメニュー
小腹がすいているときのランチにおすすめなのが、パンケーキサンド。生ハムの塩気とほんのり甘いパン生地が相性抜群の、食事系パンケーキ。(*)
Soraniwa(そらにわ)のカフェメニュー
パンケーキの上に焼きバナナやベリーをトッピングし、チョコソースをかけた、絶品スイーツ。(*)

緑に包まれた心地よい空間が人気の「Soraniwa(そらにわ)」。「わざわざ訪れてくれた人に、確かな満足を提供したい」という、ホスピタリティあふれるショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、松江だんだん道路・川津ICから車で約5分。

【GARDEN DATA】

Soraniwa(そらにわ)

島根県松江市下東川津158-2

TEL:0852-67-5828

営業時間:10:00~18:30

定休日:火曜日

https://soraniwa-garden.com/

Credit

写真&文/井上園子
ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。

写真協力/soraniwa

Print Friendly, PDF & Email