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【今が絶景】7,000本のバラが咲き乱れる!福山市ばら公園がまるで花の海に

【今が絶景】7,000本のバラが咲き乱れる!福山市ばら公園がまるで花の海に

広島県福山市にある「ばら公園」が、2024年春、大規模なリニューアルを経て華やかに再始動しました。これまでもバラ愛好家から高く評価されてきたバラの名所ですが、日本を代表するランドスケープアーキテクトの手によって新たな息吹を吹き込まれた「ばら公園」は“バラの美しさ”だけにとどまらず、“ガーデンとしての魅力”を大きく広げて進化! 確実に福山市の観光名所となった「ばら公園」をご紹介します。

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福山市とバラの歩み ― 公園に込められたまちの物語

花盛りの福山市「ばら公園」。

現在、「第20回 世界バラ会議福山大会」が開催中(5月24日土曜日まで)の広島県福山市。市内のあらゆる場所が満開のバラで彩られており、中でも「ばら公園」はその見どころのひとつとして、連日多くの来場者でにぎわっています。

「ばら公園」開園当初に植えられていたと思われるバラ‘ヴォーグ’。

福山市とバラの関係には深い歴史があります。第二次世界大戦で大きな被害を受けた福山市では、1950年代半ば「荒廃した街に潤いを与え、人々の心に和らぎを取り戻そう」と、近隣住民がバラ苗、約1,000本を植栽。それが「ばら公園」の始まりです。リニューアルした「ばら公園」にも、開園当初から植えられていたと思われるバラを一部残したコーナーや、平和への願いを込めて名付けられたバラのコーナーがあり、人々の記憶と思いが大切に受け継がれています。

福山城下の福山城公園もバラの盛り。

市民が育て、守り続けたバラは、今や福山市のまちづくりの象徴となり、「100万本のばらのまち」を目指すプロジェクトにも発展しています。そして今回、世界バラ会議の開催を機に、「ばら公園」は次の時代へと向けて大きな一歩を踏み出しました。

“バラのある”美しいガーデンへ。新たな混植デザインが見どころ

19基のつるバラ ‘マニントン・モウブ・ランブラー’のアーチとスタンダード仕立ての白バラ‘アイスバーグ’、紫の宿根草のネペタが織りなす見事な花の大回廊。アーチは王冠をイメージ。

今回のリニューアルにあたり迎えたのは、これまでハウステンボスなど多くのローズガーデンを手がけてきたランドスケープアーキテクトの白砂伸夫さん。アーチなどの構造物やスタンダード仕立てのバラを取り入れることで立体的なバラ空間を生み出しています。周囲を住宅や道路に囲まれた立地にもかかわらず、ひとたび公園に足を踏み入れると、花の世界に没入できるのは白砂マジックとも言えます。そして、「バラ+草花」の混植も今回のリニューアルでの大きな変化のひとつ。これまでは主にバラが中心の公園でしたが、宿根草や灌木類など多様な植物と組み合わせることで、季節ごとの彩りや立体感がぐっと増しました。

見事な花付きの‘マニントン・モウブ・ランブラー’。
左/スタンダード仕立ての‘アイスバーグ’の株元をネペタとサルビアがさざ波のように彩る。右/一重咲きの‘キューガーデン’とネペタの組み合わせもロマンチック。

特にネペタやサルビア・ネモローサ、アイリスなどブルーの草花とバラとの共演は見事。バラの美しさがよりいっそう引き立ち、草丈や花形の違いを生かしたデザインは、ガーデナーにとって学びと刺激に満ちています。

真紅のバラ‘ムンステッドウッド’とサルビア・ネモローサがドラマチックなワンシーン。

ゆるやかな傾斜とカーブする小道、アーチなどの構造物によって、歩みを進めるたびに新たな景観がドラマチックに展開し、園内のあちこちで小さな歓声が上がります。犬の散歩をする地元の人に話を聞くと、「バラだけじゃなくいろんなお花が入ったおかげで、どこを見ても最高にきれい。ゆっくり歩きたいから、前よりお散歩の時間が長くなりましたね。この景色は街の誇りです」と話していました。

金メギの明るい葉色やネペタの淡い紫色がバラを引き立てる植栽。

約670品種・7,000本!“歩くバラ図鑑”のような公園へ

‘ヴァイオレット’や‘ギスレーヌ・ドゥ・フェリゴンドゥ’が彩るつるバラの小道。

リニューアルを経て、バラの品種は約670種・本数は約7,000本に拡充。以前の約280品種・5,500本から大幅にスケールアップし、アーチやフェンスに誘引されたつるバラやシュラブローズを生かした立体的な演出により、空間全体が奥行きとリズム感のある構成に。視線が自然に誘導され、どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。

一重咲きで花心がビビッドピンクになる‘シー・ユー・イン・ピンク’と‘メアリー・レノックス’のロマンチックな共演。

それぞれのバラが持つ個性的な花形・香り・枝ぶりを実際に見て確認できるのも、この公園の大きな価値。プロや愛好家にとっても、品種選びや庭づくりの参考になる“生きたカタログ”ともいえます。

‘ルイーズ・オディエ’や‘クーペ・デベ’などオールドローズを集めたコーナー。
福山市のバラのコーナー。左上から時計周りに/‘ウルヴァリンFUKUYAMA’、‘ローズ ふくやま’、‘プリンセス ふくやま’、‘アニバーサリー ふくやま’、‘福山城’、‘ビューティフル ふくやま’

世界に誇る“ばらのまち”から未来へ

バラがあふれる福山の街中。

福山市が開催地となる「世界バラ会議2025」は、世界のバラ研究者や愛好家たちが集う一大国際イベント。開催地に選ばれたことは、バラを通じたまちづくりが世界に認められた証でもあります。

その関連イベント「Rose Expo FUKUYAMA2025」(5月17日〜19日、福山通運ローズアリーナにて開催)は豪華なゲストを迎えるステージもあり、連日大盛況。そのほか、市内各所で多彩な展示や催しが行われており、「ばら公園」も中心スポットとして注目の的に。今しか体験できない特別な景観が、来園者を迎えています。

今こそ「ばらのまち福山」へ

国内外からの来園者でにぎわう「ばら公園」。入場は無料。

バラの美しさを超えて、ガーデンの芸術性・育てる楽しさを体感できる場所へと進化した「ばら公園」。景色を堪能できるのはもちろん、「この品種を庭に植えてみたい」「こんな組み合わせ、マネしてみたい」――そんな気づきと発見のある場所です。

バラが最も輝く季節に合わせて今こそ、この特別なバラのまちを訪れてみてください。

公園内に用意された可愛らしいフォトスポット。
【Information】

ばら公園

住所/福山市花園町1-5

営業時間/常時

利用料/無料

アクセス/JR福山駅北口から中心部循環バス・まわローズ青ルートで「ばら公園前」下車

トイレ設備/多目的トイレあり,おむつ交換台あり

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