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【速報】150種680本!神奈川の新名所「あやせローズガーデン」“世界を旅する”バラ園の見どころ完全ガイド

【速報】150種680本!神奈川の新名所「あやせローズガーデン」“世界を旅する”バラ園の見どころ完全ガイド

150種680本のバラが咲く「あやせローズガーデン」がリニューアルオープンしました。植物専門家の河合伸志さんを総合監修に迎え、約7,700平米の敷地に広がる11のエリアは、まるで世界を旅するように散策を楽しめます。この美しいガーデンは、「ばらとのつながりで輝くまちあやせ」をスローガンに掲げる神奈川県綾瀬市が運営する市民公園で、なんと入場無料! 早咲きの品種から開花が進み、一番の見頃は5月中旬から下旬。見どころを河合さんに教えていただきます。

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150種680本のバラが咲く最新のバラ園が神奈川県綾瀬市に誕生

神奈川県のほぼ中央に位置し、都心から40km圏にある神奈川県綾瀬市。GREEN×EXPO 2027(2027国際園芸博覧会)が開催される横浜市瀬谷区に隣接し、「ばらとのつながりで輝くまちあやせ」をスローガンに掲げている綾瀬市で40年以上、市のシンボル公園として愛されてきた「光綾公園」が構想から4年を経て、2025年5月1日にリニューアルオープンしました。

バラ「ル・デパール・ド・アヤセ」と河合伸志さん
綾瀬市のオリジナルのバラ「ル・デパール・ド・アヤセ」の解説をする河合伸志さん。

約7,700平米の敷地に広がる「あやせローズガーデン」の総合監修は、植物専門家でバラ育種家として活躍する河合伸志さん。同県内にある横浜イングリッシュガーデンのスーパーバイザーも務める河合さんが、全国各地のバラ園のデザインやアドバイスなどに関わってきた経験を生かして手がけた最新のバラ園が「あやせローズガーデン」です。

あやせローズガーデン

このガーデンは11のエリアに分かれており、一つずつ巡ると、まるで世界を旅しているように風景が次々と変わります。それぞれのエリアのコンセプトに合わせてバラが選ばれているほか、宿根草や一年草、花木などさまざまな植物がバラと組み合わされています。これは、バラの花期が概ね3週間程度と短いため、バラ以外の時期でも楽しめるよう、脇役の植物が庭全体を彩るように設計されているからです。一年を通して彩りがある公園となるように工夫が凝らされています。

あやせローズガーデンに選ばれたのは丈夫で育てやすいバラ

バラ‘リージャン・ロード・クライマー’
5月1日に満開を迎えていた「フラワー・ヒル」に咲く‘リージャン・ロード・クライマー’。

世界旅行をイメージした11のエリアには、約150品種、680本のバラが植わっています。「あやせローズガーデン」は、幅広い年代の方々が花咲く風景を楽しめる場所ですが、単に花の美しさや彩りを追求しているだけではありません。

あやせローズガーデン
背景のハナビシソウとコラボする一重のバラは、デンマークの人が1966年に発表した黄色の中輪のバラ‘Aïcha(アイシャ)’。「フラワー・ヒル」にて。

バラは日本の高温多湿な環境では病気になりやすく、通常は週に1回程度の薬剤散布が必要とされるほど栽培が難しい植物です。ここでは、綾瀬市の気候条件や昨今の猛暑に耐え、月1回の薬剤散布で健全な状態を維持できるような、比較的強健な品種が厳選されています。このように、さまざまな条件が考慮されて植物が選ばれている点も注目すべきポイントです。

バラ‘つる ノックアウト’
暑さで傷みやすいものは入れない方針ですが、デザイン上の理由から、強健ではない品種も若干含まれています。写真は、強健な品種の一つ‘つる ノックアウト’。「ウェルカム・ガーデン」にて。
ピンクノイバラ
「フラワー・ヒル」に咲く‘ピンクノイバラ’。

比較的強健なバラを厳選していることにはもう一つの理由があります。それは、この場所に訪れて気に入ったバラを自宅で育ててみたいと思った時に、うまく育てられるようにという河合さんの配慮もあります。庭の散策を楽しむだけでなく、この庭自体がバラ栽培の参考書になるような設計を目指しています。

バラ園とともにデビューした最新品種「ル・デパール・ド・アヤセ」

オリジナルのバラである「ル・デパール・ド・アヤセ」

5月1日のお披露目の時、数輪すでに咲き始め、園内の中央に位置する「ピースフル・ガーデン」で咲いていたのが、綾瀬市のオリジナルのバラである「ル・デパール・ド・アヤセ」。門出を祝う花という意味が込められた河合さんが作出した最新品種です。

オレンジがかるピンクの半八重花は花径10cmほどと大きく、バラの季節に先駆けて咲く、早咲きの品種であることに加え、非常に強健な品種です。綾瀬市の名を冠したこのバラを育ててみたい人が栽培に失敗しないようにと選ばれました。

世界を旅するように風景が変わる11のエリア

あやせローズガーデン
多くの人がバラの花色としてイメージする赤花が訪問者を最初に迎える場所「ウェルカム・ガーデン」。この場所からは、他のガーデンは見えない仕掛けに。

「あやせローズガーデン」のエントランスを入ると、まず目に飛び込んでくるのは、印象的な赤い花が集められた「ウェルカム・ガーデン」です。11の庭はそれぞれ区切られていて、先に進むとまた違った色合いや景色が待っているという、奥まで進んでみたいという期待が膨らむガーデンデザイン。では、11の庭を順に辿っていきましょう。

あやせローズガーデン

「ウェルカム・ガーデン」から進むと現れるのは、園内の中央に位置する「ピースフル・ガーデン」です。

ここは、綾瀬市が基地と共存する町であることから平和の象徴であるオリーブが中央に配置された庭です。水盤のような池を備えたパーゴラがあり、バラが咲くと水面が水鏡も彩られます。パーゴラは額縁のような役割を果たし、インスタ映えも意識したフォトスポットです。園内で一番眺望が開けている場所で、ベンチに腰掛けて、隣り合う宿根草とともに咲く綾瀬市のオリジナル品種「ル・デパール・ド・アヤセ」 をじっくり眺めていたくなる場所です。

あやせローズガーデン
平和の象徴としてオリーブの大木が育つ「ピースフル・ガーデン」。
あやせローズガーデン
バラが絡むガゼボが2カ所あり、座って記念写真を撮りたくなる「シークレット・ガーデン」は、パステルカラーのバラで構成。

その隣には、イギリスのバラの庭をイメージしつつ、「秘密の花園」の登場人物に由来する名前のバラを取り入れた「シークレット・ガーデン」があります。ここにはガゼボが設けられており、やがてバラが絡まれば、花々に囲まれた写真撮影も楽しめるでしょう。その隣は、白い花のみで構成された「ホワイト・ガーデン」。さらにその先は、目が覚めるような赤、黄、オレンジ、ショッキングピンクなどの原色のバラを中心に、エネルギッシュな熱帯風を演出した「トロピカル・ガーデン」へと、次々と景色が変わります。

あやせローズガーデン
左/「ホワイト・ガーデン」では、白バラが絡むベンチのあるガゼボや、ドイツトウヒに絡めた白バラが咲けば雪が積もったような針葉樹の森の風景が見られます。右/原色のバラが彩る「トロピカル・ガーデン」では、耐寒性があり、この地域でも問題なく育つバナナの仲間であるバショウ(ジャパニーズバナナ)やヤシがバラとコラボ。
あやせローズガーデン
「メドウ・ガーデン」と「トロピカル・ガーデン」をつなぐトンネルには、ピンクのバラが絡んで日陰が心地よい空間。
あやせローズガーデン
ラグラスやアグロステンマ、ジャーマン・カモミールなどが咲く5月1日の「メドウ・ガーデン」。

円形のトンネルを抜けると、優しい色合いの植物が選ばれている「メドウ・ガーデン」です。流木を使った柵にもバラが絡み、安らぎ感のある風景で、河合さんもお気に入りのエリア。

あやせローズガーデン
左/木道を渡りながら水面の輝きも楽しめる「ウォーター・ガーデン」。右/素朴なバラが丘を覆うように咲く「フラワー・ヒル」。

敷地の一番奥にあたる場所には、池を渡るデッキがあり、スイレンなど水の景色も楽しめる「ウォーター・ガーデン」です。手前は華やかな景色、奥は自然な緑と紅葉する樹木で構成されています。木道を渡ると丘のふもとのような場所に到着。見上げると斜面を流れ落ちるようにつるバラが覆いつくし、バラの香りが風に運ばれてきます。

「フラワー・ヒル」は、華やかなバラよりも、小ぶりなものや、他の植物に馴染むようなバラを選んで穏やかな景色に。斜面に沿って植えられたバラがまるで流れ落ちるように咲く様子もお見逃しなく。左下/ワイルドローズとムギ、フロックスが咲く斜面。* 右下/スピノシッシマ・サブスピノーサとハナビシソウが寄り添い咲く。*

「ここに来るまで7つのエリアを見てきましたが、さまざまな色合いのバラを見て、少しお腹いっぱいになっていませんか? このあたりで少し休憩できるようなホッとする景色としてデザインしたのがフラワー・ヒルです」と河合さん。

「フラワー・ヒル」は、頂上にベンチと日時計があり、周囲のガーデンが一望できる場所。その先には、また一風変わった「オセアニア・ガーデン」「ドライ・ガーデン」と続き、日本ではあまり見かけない姿の植物とバラのコラボがユニークです。

左/‘アイズ・フォー・ユー’とアリウムがコラボする「オセアニア・ガーデン」。* 右/‘スターリー・ヘブンズ’の背景に、ユッカ・ロストラータや赤花ウチワサボテンの組み合わせが楽しめる「ドライ・ガーデン」。*
あやせローズガーデン

11のエリアの最後にご紹介するのは、 日本庭園のイメージでつくられた「古都の庭」です。白い塗り壁に引き立つように余白を生かして植物が配置され、花札に出てくる日本の植物が多数コレクションされています。藤棚を思わせる中央の棚には赤いバラが誘引されていて、花が見頃のころは枝垂れ咲く雅な景色が楽しめます。

11のエリアでお気に入りのバラとインスタ映えの景色を見つけよう!

あやせローズガーデン

バラを主役にしたさまざまな風景を楽しんだり、バラを背景にした写真撮影ができる映えスポットもいっぱい用意されている「あやせローズガーデン」は、市民の憩いと安らぎの場として、また、市外からも多くの方が訪れ愛される公園となるようにと願いが込められて誕生しました。150種680本の色鮮やかなバラが次々咲く華やかな季節はもうすぐ。見頃は5月中旬。

あやせローズガーデンのガーデナー
デザインから植物選び、植栽など総合監修をする河合伸志さん(中央)と、日々植物の手入れを担当する「あやせローズガーデン」のヘッドガーデナー、入谷伸一郎さんと石原久美子さん。
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