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世界バラ会連合会議で「横浜イングリッシュガーデン」が栄誉ある賞を受賞!
2018年は世界バラ会連合発足50周年の記念の年 1976年に選出された「バラの栄誉の殿堂」第1号‘ピース’。Photo/Patrick Civello/Shutterstock.com 1968年にイギリス、ロンドンにて発足し、今年で50周年を迎えたバラ愛好家たちの世界的組織「世界バラ会連合(The World Federation of Rose Societies ※以下WFRS)」は、バラに関する知識や情報交換などを目的として、会議や展示会を行い、3年に一度、バラの歴史が長い国・都市で「世界バラ会連合会議(World Rose Convention)」を開催し、「バラの栄誉の殿堂」や「優秀庭園賞」などの賞の付与なども行っています。発足50周年となる2018年は、6月28日~7月4日にデンマーク・コペンハーゲンを開催地として大会が行われました。 大会で注目される権威ある賞「バラの栄誉の殿堂(Rose Hall of Fame)」 1983年に選出された「バラの栄誉の殿堂」品種‘アイスバーグ’。Photo/alybaba/Shutterstock.com 2006年の大阪大会では、写真の‘ピエール・ドゥ・ロンサール’と‘エリナ’が「バラの栄誉の殿堂」として選出されました。Photo/3and garden 大会で授与される注目の賞の一つである「バラの栄誉の殿堂」は、世界中のどの環境でも育てやすいことや、誰が見ても美しい品種であること、多くの国で長く愛されていることなどが審査基準となり、第1回の‘ピース’をはじめ、‘アイスバーグ’や‘ニュー・ドーン’、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’など、日本でも人気がある品種が多数選ばれています。 Photo/Patrick baehl de Lescure/Shutterstock.com 2018年に「バラの栄誉の殿堂」に選ばれたのは、2000年にアメリカのラドラー氏によって作出された‘ノック・アウト’です。バラにとってダメージとなる黒星病やうどんこ病に強い抵抗力があり、地域によっては無農薬栽培で育てることができるほど耐病性に優れています。また、春から晩秋まで咲き続けるブッシュローズ(木立性)で、バラには珍しく花がら摘み以外のメンテナンスが少なくてよいので、バラ栽培の初心者だけでなく、公共空間の景観をつくるバラとしても活用されています。 優れた庭園に贈られる「優秀庭園賞」 2018年に「優秀庭園賞」に選ばれた神奈川県横浜市の「横浜イングリッシュガーデン」。 大会で授与される「優秀庭園賞」は、数あるローズガーデンの中から、歴史的、教育的、景観的な各視点により特に優れた庭園に贈られるもので、庭園としての美しさに加え、メンテナンスの質がよいことや、学術的に価値がある品種を栽培しているなどの総合的な評価により選ばれます。 「優秀庭園賞」の表彰は、1998年からスタートし、2018年開催のコペンハーゲン大会までで世界各地の64カ所の庭園が受賞。日本では、岐阜県「花フェスタ記念公園」、広島県「福山市バラ園」、大阪府「靭(うつぼ)公園」、東京都「神代植物公園ばら園」、千葉県「京成バラ園」、千葉県「佐倉草ぶえの丘バラ園」、静岡県「アカオハーブ&ローズガーデン」の7つの庭園が受賞してきました。 日本で8つめの「優秀庭園賞」は神奈川「横浜イングリッシュガーデン」 日本ばら会から推奨を受けたWFRSのケルビン・トリンパー会長とヘルガ・ブリシェ元会長は、2017年11月に横浜イングリッシュガーデンを視察訪問しました。その際、ケルビン会長からあがった評価点は以下の項目でした。 6,600m² と小さな庭園であるが、バラだけでなく数多くの花木や宿根草、一年草などが組み合わされた美しいデザインである。 オールドローズ、つるバラ、シュラブ、各種の四季咲き性のバラや野生種のコレクションは、1,800品種を超え、どれも良好な生育をしていて、管理水準が非常に高い。 自国品種の保護の観点からも、その中に500種以上の日本のバラのコレクションが含まれていることは、とても素晴らしい。 品種プレートは正確に表示されていて、来園者にも分かりやすくなっている。 季節のテーマに合ったプログラムや子ども向けの教育プログラムを運営している。 これらの評価により見事受賞となった神奈川「横浜イングリッシュガーデン」から、2012年よりスーパーバイザーとしてガーデンデザイン、植栽管理を行っている河合伸志さんが、デンマーク、コペンハーゲンへ駆けつけ、第18回「世界バラ連合」、「優秀庭園賞」授与式に出席しました。 壇上にて賞状を受け取る河合伸志さん。 河合伸志さんとWFRSのケルビン・トリンパー会長の記念ショット。 これまで「優秀庭園賞」を受賞してきた世界各地の庭園に、「横浜イングリッシュガーデン」が仲間入り。WFRSのホームページ内「Award of Garden Excellence」でも紹介されています。 この度見事受賞となった「横浜イングリッシュガーデン」では、先にご紹介した「バラの栄誉の殿堂」入りのバラも多数見ることができます。 横浜イングリッシュガーデンの一年を追った『横浜イングリッシュガーデンの四季【花巡り・ガーデン案内 〜神奈川〜】』の記事もご覧ください。
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横浜とバラの歴史を刻み続ける「港の見える丘公園」
バラが最もふさわしい場所 2016年(平成28)4月に、バラ園がリニューアルされた横浜・山手の「港の見える丘公園」には、現在、約330種2,200株のバラが植栽されているそうですが、元々こちらの公園にバラが植えられたのは、1962年(昭和37)のこと。「港の見える丘公園」内にあるイギリス館に合わせて、イギリスの国花であるバラが植えられました。そしてその後、開港130周年にあたる1989年(平成1)、市制100周年を記念して、市民投票で一番人気が高かったバラを横浜市の花として制定したことに加え、最もバラがふさわしい場所として「港の見える丘公園」が選定されたのでした。 バラが最もふさわしい場所とは、一体どんなところなのでしょうか。今回は、その「港の見える丘公園」についてご紹介します。 横浜とバラの関わりを知る歴史 「バラが最もふさわしい場所」をひもとくには、横浜の歴史に目を向けることが大切です。まずは、横浜とバラの歴史の年表をご覧いただきましょう。 1859年(安政6)7月1日、横浜港開港。 1867年(慶応3) 山手地区が外国人居留地(きょりゅうち)として開放され、西洋館の街が完成 居留地制度は1899年(明治32)まで続きました。 1868年(明治1) 明治維新。 1870年(明治3) 山手公園が開園。フラワーショーが開かれました。 1872年(明治5) 英国商社ヴィーチ商会のクラマー氏が、モダンローズの赤いバラを出品して、居留人に注目されます。バラが居留地の庭園に植えられ、近くに住む日本人からは、「イバラボタン」と呼ばれます。バラは当時、なかなか入手出来ない高嶺の花でした。 日本初の近代バラの広告「英国産のバラ売ります。横濱山六十三番スミス」という広告が出ました。 1885~1888年(明治18~21) かつて山手にあったゲーテ座でフラワーショーが開催され、多くのバラが出品されました。 *ゲーテ座とは、「居留地外国人たちの憩いの場」であり、演劇、音楽会、舞踏会、読書会、宗教活動など、さまざまな催しがそこで行われました。 1885年からは、バラを含めた植物の品評会「草木花卉品評会」が、計4回行われ、アレンジメント、盆栽、シクラメンやベゴニアなどの鉢植えが出品され、賞が与えられました。 1回目の1等賞は、W.B.ウォルター夫人のバラのアレンジメント。ジェームス夫人のバラのコレクション。この頃は、まだティーローズが多かったようです。2回目以降は、日本のご婦人たちによる出品が増え、生花、鉢植え、バラの出品が増えていったそうです。 同時期、有名な英国人建築士のジョサイア・コンドル氏(1852年9月28日 ~ 1920年6月21日)が設計を手掛けた「鹿鳴館」(ろくめいかん)が、1883年(明治16)日比谷に完成しましたが、鹿鳴館の夜会において、バラの切り花が贅沢に使用されていたそうです。 こうして、当時の目新しいバラは、外国人や外国人と関わりのある職業の方やそのご夫人方(いわゆる当時横浜での上流社会の催しなどにおいて、中心的な役割を担っていた人たち)の間にまず広まり、徐々に一般庶民にも広まっていったのでした。 震災を受けてからの横浜とバラ 1923年(大正12) 関東大震災により山手地区の街は壊滅状態へ。 1929年(昭和4) 関東大震災時にアメリカのシアトル市から受けた援助のお礼として、桜の苗木3,500本を贈り、その返礼として、200種3,000本のバラが贈られました。それらのバラは、当時の野毛山公園、山下公園、横浜市児童遊園地に「日米親善のバラ」として植えられました。その中には、‘ラ・フランス’、‘フラウ・カール・ドルシュキー’(新雪)、‘オフェリア’などがあったと伝えられています。 1935年(昭和10)から「バラ祭り」が開催され、「バラ行進」などは現在の「国際仮装行列」の原形になりました。 戦争に突入してからの横浜とバラ 戦争のために「バラ祭り」などのイベントは中止され、バラもほとんどが姿を消してしまいました。 1937年(昭和12) 英国総領事公邸としてイギリス館が建てられ、1969年(昭和44)まで使用されます。 今もなお、「港の見える丘公園」内にある「イギリス館」についてもご紹介しましょう。 1937年(昭和12)、東アジアに散在する英国公館の施設を預かる上海の大英工部総署の設計により、英国総領事公邸が建てられました。建物北側玄関左に、「1937年ジョージ6世時代」を示す「GRⅥ 1937」と印した紋章がはめ込まれています。その後、1990年(平成2)に横浜市が旧英国総領事公邸を買収し、「イギリス館」として市の文化財に指定しました。 1939年(昭和14) 第二次世界大戦始まる。 1945年(昭和20) 8月15日、第二次世界大戦終戦。 終戦を迎えてからの横浜とバラ 1949年(昭和24) 3月15日、野毛山公園を会場に「日本貿易博覧会」が開催。横浜市と日本ばら会の共催による日米のバラの展示会では、サンフランシスコのバラ会より空輸された‘ピース’、‘ショーガール’、‘アームストロング’などが出品され、注目を浴びました。 1962年(昭和37) イギリス館の周囲にイギリスの国花であるバラが植栽されました。 1989年(平成1) 開港130周年、市制100周年を記念して、横浜市の花として「バラ」が制定され、バラを植栽するバラ園をつくるために、最もふさわしい場所として「港の見える丘公園」が選定されました。 港の見える丘公園内にバラ園が誕生 このような歴史的背景を持ち、横浜港を見下ろす「港の見える丘公園」に以前からあったバラが整備されて「港の見える丘公園内バラ園」は、1991年(平成3)5月に開園しました。 そして、2016年(平成28)に、「港の見える丘公園内バラ園」は、イギリス館前が「イングリッシュローズガーデン」に、大佛次郎記念館前が「香りの庭」に、そして111番館前にかけてが「バラとカスケードの庭」へとリニューアルされ、宿根草や一年草との混植のガーデンとなりました。さらには、2017年(平成29年)に横浜で大々的なイベント「第33回全国都市緑化よこはまフェア」が開催され、多くの人が横浜を、そしてバラの咲くガーデンを訪れたのです。 このように、これまで横浜は、バラと深い歴史でつながってきました。これからも「市の花」である「バラ」と共に、共存、発展していくことと思います。
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バラの庭づくり初心者が育んだ5年目の小さな庭
庭づくりのはじまりは2株のバラ 神奈川県藤沢市、一戸建てが立ち並ぶ閑静な住宅街に、Yさんの小さな庭はあります。玄関前の花壇を中心に、道路に面したスペースに鉢植えをたくさんレイアウトしたオープンなつくりで、バラの季節になると、道行く人はその美しさに思わず目を向けていきます。 Yさんのバラ物語が始まったのは5年前、新築の家に越して来た時でした。それまで園芸にはさほど関心がなく、庭植えが唯一可能な玄関前の花壇も、業者にお任せでした。しかし、そこに転機が訪れます。花壇に植わっていたコニファーを目にしたお母様が「コニファーは大きく育つから、この場所にあるといずれ困るはず」と、すっぽり抜いてしまったのです。 花壇にあいた穴に困ったYさんは、憧れのバラでも植えてみようかと思い立ちます。そして、バラ専門店の「京成バラ園」に赴いて、初心者でも育てやすい丈夫なバラを教えてもらいました。すすめられたのは、明るいピンクの‘バイランド’と、優美な白バラ‘ボレロ’。どちらも病気に強い四季咲きのフロリバンダ種で、コンパクトなサイズ感も玄関先のこの場所にぴったりでした。 ‘バイランド’は日当たりのよい花壇を気に入ってくれて、順調に育ちました。今もよく咲くその姿は、通りがかる人々に陽気に挨拶する看板娘のようです。白い‘ボレロ’のほうは、日当たりがよすぎたからか一時弱りましたが、郵便受け脇の半日陰に移すと健やかに成長するようになりました。 はじめの2株がうまく花開いたことで、バラは思ったよりも丈夫で、意外と簡単に育つのかな、と感じたYさんは、バラの世界にどんどん魅せられていきました。 赤いバラに心惹かれて庭づくり それからは気になるバラを、一つ、また一つと増やしていきました。玄関前の花壇にはスペースがなくなったため、鉢植えでの栽培も始めました。手塩にかけたバラがきれいに咲いた時の喜びと達成感を知ったYさんは、バラの栽培にますます熱中していきました。 ある年は、赤いバラに心惹かれて、赤いバラばかりを買い求めました。ドイツ語で「赤ずきんちゃん」という名の通り、赤いケープをまとったような愛らしい姿の‘ロートケプヘン’に、明るく華やかな赤が印象的な‘ジークフリート’。「赤いバラは、白やピンクの柔らかな色合いの景色を、ぐっと引き締めてくれるんですよ」と、Yさん。 家の周りをバラの回廊に 鉢植えの置き場所もなくなったので、今度は家の外周の地面を利用しようと土を耕し、つるバラを植え込んでアーチやオベリスクに立体的に仕立ててみることにしました。玄関脇から家の西側の壁沿いを彩るのは、フェンスに絡まる白バラ‘ブノワ・マジメル’と、ピンクの‘ビアンヴニュ’。柵の左側にあるお隣さんの花壇とコラボレーションしています。 家を囲む通路の幅は、わずか80㎝。隣家の半日陰になる場所ではありますが、Yさんの日頃の観察と手入れによって、バラたちはよく花をつけ、美しい花の回廊が実現しました。 鉢植えトラブルを乗り越えてバラの庭を充実 Yさんのバラコレクションは、5年の間に鉢植えは30株、地植えが20株、計50株を超すまでになりましたが、鉢植え栽培ならではのトラブルもいろいろと体験しました。ある時、6鉢のバラの様子がおかしくなりました。花が咲かず、シュートも出ず、葉にも元気がなくて、成長が止まってしまったかのよう。鉢から出してみると、なぜか土がドロドロになっていて、根腐れをしていると気がつきました。 さらによく鉢の中を調べてみると、各鉢に決まって2匹のミミズがいました。ミミズは益虫と思って当初は気づきませんでしたが、調べてみると、どうやらそのミミズが犯人。鉢にいたのは、庭の土を耕して土作りをするといわれるフトミミズではなく、頭の尖った細いシマミミズでした。 有機物を食べるシマミミズが、堆肥や肥料といった餌を求めて近くの鉢にもぐり込み、粘り気のある糞をして鉢土をドロドロにしてしまった、というのが事の真相。シマミミズは、ミミズコンポストに使うには最適ですが、鉢植えに入り込まれるとやっかいなことになってしまうようです。 バラが休眠期の冬になるとYさんは、被害を受けたバラの根や鉢をきれいに洗って植え替えをしました。虫が苦手だったYさんですが、いまや愛するバラを救うためなら、シマミミズやコガネムシの幼虫退治もできるように。美しく咲くバラの姿を求めて、手探りの試行錯誤が続きます。 バラの庭が広げてくれる世界 バラの季節になるとYさんは、次々と咲く花を惜しげもなく摘んではブーケをつくって、友人やご近所さんに贈ります。「庭咲きのバラは、いろんな色を合わせても不思議とうまくまとまるんですよ」とYさん。うっとりするようなブーケのおすそ分けは、みんなを幸せな気持ちにします。 庭作りを始めたことでYさんには、園芸の師匠と仰ぐご近所さんや、憧れのナチュラルガーデンを持つマダムといった、素敵な花友だちができました。最年少の花友さんは、近所に住まう幼稚園児の男の子。パンジーの押し花を教えてあげたり、一緒にローズマリーのハーブの香りを嗅いだり、小さな庭で花好き同士の楽しい時間が生まれます。Yさんにとってこの庭は、日々のささやかな幸せとみんなの笑顔を運んでくれる、かけがえのない空間です。 併せて読みたい ・平成園芸を彩った三種の神器「バラ」「クレマチス」「クリスマスローズ」 ・「私の庭・私の暮らし」インスタで人気! 雑木や宿根草、バラに囲まれた大人庭 千葉県・田中邸 ・バラの専門家が教える! 鉢植えバラの剪定方法
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神奈川「生田緑地ばら苑」ボランティアが支える天空のばら苑
2018年に60周年を迎えた歴史あるばら苑 東京「新宿駅」から小田急線に乗って急行電車で約25分と、都心から近いにもかかわらず、緑豊かな丘の上にあることから、川崎生田緑地ばら苑は「天空のばら苑」とも呼ばれています。 かつて小田急・向ヶ丘遊園地がこの緑多き多摩区の山の上にできたのは1927年。幼稚園や小学校の遠足先として、また、ファミリー向けの憩いの場として人気を博しました。当時、来訪者を迎えるために入り口斜面につくられた、よく手入れの施された大きな花時計は、今でも訪れた方の思い出の中に残っているのではないでしょうか。 遊園地開園30年後の1958年、東洋一のばら苑としてこの遊園地内につくられたのが、「旧向ヶ丘ばら苑」、現在の「生田緑地ばら苑」です。 1958(昭和33)年といえば、今上天皇陛下と皇后陛下(美智子様)がご婚約された年であり、一万円札ができた年です。また、12月には、東京タワーが完工しました。高度経済成長時代まっただ中、勢いのある時代に、当時の人々にとって繁栄と文明の象徴でもあるモダンなバラたちが集められ、60年の時を経て現在に至っています。 ボランティアが支えるばら苑 その後、向ヶ丘遊園地は、2002年3月に残念ながら閉園を迎えますが、ばら苑の存続を求める川崎市民の多くの声によって、川崎市がばら苑の保全をすることになりました。同年4月より、「川崎市生田緑地ばら苑」として多くの市民ボランティアが協力し支えています。 私も、このばら苑の近くに住む市民のひとりとして、6年前から時折ボランティア活動に参加しています。普段は庭のバラと一人で向き合い、全て一人で作業していますが、こちらでは皆で力を合わせ、一緒にバラを育てている一体感が感じられます。剪定、誘引、花がら摘み、草取りなど、地元に暮らすバラを愛する皆さんと一緒に行う作業の時間も、また楽しいものです。 古いばら苑ならではの雰囲気と希少品種を保有 60年の歴史あるばら苑ですので、どこか懐かしい雰囲気が漂う苑内では、他のバラ園では見かけないような古い希少種のモダンローズを見ることができます。 “ロイヤル“にちなんだバラの品種が充実 各国の要人にちなんだ名前を持つバラたちが植栽された「ロイヤルコーナー」は、他のバラ園でもよく目にすることができますが、こちらのばら苑のロイヤルコーナーの充実ぶりは、特筆すべきものがあります。 ロイヤルコーナーに植栽されているこの‘スルタン・カブース’というバラは、中東のオマーン・スルタン国の現在の国王陛下の名を冠したバラです。このバラをオマーン・スルタン国駐日大使ご夫妻が見に来られるなど、バラがつなぐ民間国際交流の輪も広がりを見せています。 新しいバラや注目のバラ苗も植栽 古いばら苑であっても、各国の新しいバラ、世界バラ会連合選出の殿堂入りのバラなど、常に新しいバラの品種や注目のバラに目を向け、新しく苗を植栽しています。 オールドローズが充実のボランティアガーデン ボランティアガーデンには、オールドローズが多く植栽されています。その結果、モダンローズが多い生田緑地ばら苑の品種のバランスを保つことに繋がっています。モダンローズのルーツを探ることはオールドローズを知ることでもあり、原種のバラへたどり着くことでもあります。バラの歴史は、壮大なストーリーを秘めていることに、来訪者が気づけるような、さりげない工夫でもあるのです。 簡単ではありますが、川崎市の生田緑地ばら苑の見どころをご紹介させていただきました。 こちらのばら苑では、春と秋のバラの開花シーズンのみ一般公開を無料で行っています。 いよいよ、今年の春の一般公開の日が近付いてきました。 春の一般公開日程は、http://www.ikuta-rose.jp/をご覧下さい。 最寄駅:小田急「向ヶ丘遊園」駅南口より徒歩約20分 住所:川崎市多摩区長尾2丁目8番1号ほか(旧 向ヶ丘遊園内) 公開中は、バラの講習会、ボランティアによる庭園ガイド、庭園での演奏会等が開催予定です。(雨天中止の場合有り)
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横浜イングリッシュガーデンの四季【花巡り・ガーデン案内 〜神奈川〜】
バラと草花のカラーハーモニー 神奈川・横浜市にある横浜イングリッシュガーデンは、6,600㎡の敷地が5つのエリアに分かれ、色彩豊かな庭が楽しめます。植栽デザインと監修をバラの育種家である河合伸志さんが担当。ワインレッドやパープルのバラを中心にドラマチックな色彩が魅力の「ローズ&クレマチスガーデン」や、アプリコット、ブロンズ、ブラウンのバラが主役で下草との対比が美しい「ローズ&グラスガーデン」など、エリアごとに驚きがあります。 春の幕開けはサクラの開花から 3月下旬、頭上にピンクのサクラが花開き、足元にはスイセンやチューリップ、ヒヤシンス、イングリッシュデージーなどの優しい花色で園内は包まれます。見どころは‘アーコレード’や‘クルサル’などイギリスで作出されたサクラや、イギリスから里帰りした‘太白’、ウメとサクラの雑種‘エレガンス・みゆき’など30種強50株のコレクション。ソメイヨシノの開花前後を目安にお出かけください。 4月中旬からバラの季節がスタート 園内に植わる多種のバラの中でも一番に咲き出すのは、‘カナリー・バード’や、スコッチローズなど、野生種系のバラたち。続けて、5月の連休からは‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’などの早咲きのバラが見頃を迎えます。例年のバラの最盛期は5月中旬頃。古今東西のバラの名花が集められた1,700品種強にも及ぶ表情豊かなバラたちに会える、貴重なガーデンです。 2,000株のバラと草花の競演 多品種が一堂に揃う圧巻の景色に加え、組み合わせている草花にも注目しましょう。オレンジのバラに紫の穂状花が寄り添い咲くサルビア・ネモローサ‘カラドンナ’をはじめ、白花の‘サマースノー’の株元には斑入りのグラウンドカバーのカキドウシが明るさを添えていたりと、ガーデンづくりに真似したくなる組み合わせ例がそこここで見られます。 雨に濡れるアジサイ・コレクション ‘エクセルサ’や‘スーパー・フェアリー’などの遅咲きのバラが満開を迎える頃には、アジサイが見頃を迎えます。実は横浜イングリッシュガーデンは、首都圏随一のアジサイ・コレクションを有していて、その数は300品種以上。人気の‘アナベル’をはじめ、八重咲きの美しい‘ごきげんよう’など、白、ピンク、青、パープルの大きな花手毬が雨を受けて輝きます。アジサイの開花期後半になると、二番花のバラも咲き始めます。(写真は2016年の様子) 木漏れ日に癒される夏の庭 真夏は、バラの株間に植わる葉色が美しいカンナやコロカシアなど熱帯系の植物が見どころです。ユリも咲き始めて、豊かな香りを振りまきます。写真は、園内奥に位置するローズ&シュラブガーデンの水辺の風景。中央には生き生きと葉を広げるコロカシアと、左には薄紫の花が覆い咲くミソハギの茂み。大木の柳の葉音が涼しさを誘います。 秋を知らせるコスモスと秋バラ 涼しくなる頃からコスモスが咲き始め、本格的な秋の到来です。10月には大小のカボチャが並ぶハロウィンのディスプレイも季節展示として登場します。また、夏の剪定のタイミングを測るプロの手入れのテクニックにより、咲き揃う国内屈指の美しい秋バラを見ることができます。春と違った表情が楽しめる秋バラは、11月下旬までが見頃。秋が深まると、木々の紅葉と秋バラのコラボレーションがしっとりとした雰囲気に。 一年を通してバラの変化を観察 12月中旬以降には見頃の花が減ってきますが、園内のあちこちで専属ガーデナー達によるバラの誘引と剪定作業が順次行われているので、バラの管理の勉強になります。ブッシュローズはどこまで切り詰めるのか、アーチやフェンスの誘引前後の姿の変化や樹木に絡める様子など、冬の株姿と春の開花の変化を見比べると、とても勉強になります。横浜では、大雪は数年に一度程度なので、バラの雪囲いはせず、冬越しをします。 Information 横浜イングリッシュガーデン 住所 神奈川県横浜市西区西平沼町6-1 tvk ecom parkTEL 045-326-3670 HP http://www.y-eg.jp ガーデン開園時間3月〜11月/10:00~18:00(最終入園17:30)12月〜2月/10:00〜17:00(最終入園16:30) 入園料 大人500〜1,200円 小中学生200〜600円(季節により変動)(2022年3月現在)


















