【ラグラス】ウサギのしっぽのようなフワフワの穂が魅力! 特徴や育て方のポイントを解説
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フワフワとした、ウサギのしっぽのような穂を持つラグラス。愛らしい穂は柔らかで触り心地もよく、そよ風にゆらゆらと揺れる姿はナチュラルガーデンなどによく似合い、とても人気のある植物です。この記事では、ラグラスの基本情報や特徴、名前の由来や花言葉、育て方のポイント、利用の仕方など、幅広くご紹介します。
目次
ラグラスの基本情報

植物名:ラグラス
学名:Lagurus ovatus
英名:bunnytail、bunny tail grass、hare’s tail、hare’s tail grass、rabbit tail grass
和名:ウサギノオ(兎の尾)
その他の名前:ラビットテールグラス、バニーテール
科名:イネ科
属名:ラグラス属
原産地:地中海沿岸
形態:一年草
ラグラスは、イネ科ラグラス属の一年草で、植え付け後は1年以内に枯死してしまう、ライフサイクルの短い植物です。原産地は地中海沿岸で、寒さや暑さに強く、丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめ。ただし、こぼれ種で自然に増えるので、増えすぎには注意が必要です。草丈は20〜40cmの矮性種と、40〜60cmの高性種があります。茎を伸ばした先に付くふっくらとした穂が愛らしく、切り花にして主役の引き立て役にしたり、ドライフラワーにして長く楽しんだりと、室内に飾っても素敵。日本の雑草として知られる「ねこじゃらし」と同じ仲間で、ガーデニング用に改良された品種もあります。

ラグラスの花や葉の特徴

園芸分類:草花
開花時期:4月下旬〜7月
草丈:20〜60cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:白
ラグラスは、グラス類に分類される草花で、フワフワとした質感の穂を観賞します。穂を楽しめるのは4月下旬〜7月。穂の長さは、高性種で5cm、矮性種で3cmほどです。葉はイネ科の植物らしい、細くて長い姿が特徴で、産毛に覆われています。
ラグラスの名前の由来や花言葉

日本で普及しているラグラスという名前は、学名のLaguras ovatus(ラグラス・オバタス)が由来となっています。ギリシャ語の「lagos(ウサギ)」と、「oura(しっぽ)」が語源とされ、意味はそのまま「ウサギのしっぽ」。和名も同様にウサギノオで、英名もバニーテール、また別名としてラビットテールグラスがあるなど、いずれも見た目がもとになっているようです。ラグラスの花言葉は「私を信じて」「感謝」などです。
ラグラスの代表的な品種

ラグラスには、よりガーデニングで手軽に楽しめるように改良された品種が出回っています。‘バニーテール’は、矮性種でコンパクトにまとまるので庭や鉢植えにも扱いやすい品種です。丸みを帯びた短めの穂も愛らしく、人気があります。ラグラス・オバタスは、学名そのままで販売されているもので、特に記載がなければ高性種と判断できます。大きめに育つので、ワイルドな草姿を生かすとよいでしょう。
柔らかく風になびくラグラスの穂はナチュラルガーデンの演出にもおすすめ。Tobinko_007/Shutterstock.com
ラグラスの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4月下旬〜7月
植え付け:3〜6月、10〜11月
肥料:特になし
種まき:9月下旬〜11月
ラグラスの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。日照不足では葉色が冴えずに穂つきも悪くなり、徒長して軟弱な株になるので注意しましょう。
【日当たり/屋内】一年を通して屋外での管理が基本です。
【置き場所】やせ地や乾燥地でもよく育ちますが、高温多湿は苦手。また、弱アルカリ性から中性の土壌を好むので、地植えでは植え付けの1カ月ほど前に苦土石灰を散布しておくのがポイント。水はけの悪い場所では盛り土をして、周囲より少し高くしておくとよいでしょう。
耐寒性・耐暑性
耐寒性が高く、戸外でも特に防寒対策をせずとも越冬します。一年草なので、夏越し対策も特に必要ありません。
ラグラスの育て方のポイント
用土

【地植え】
ラグラスは極端に酸性に傾いた土壌を嫌うので、植え付けの1カ月ほど前に、苦土石灰を表土がうっすらと白くなる程度に散布してよく耕しておきます。さらに植え付けの1〜2週間前に、腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで次第に分解して土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。
水やり

株が蒸れるのを防ぐために、茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えましょう。
真夏は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。
育苗中、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になります。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。ラグラスは多湿を嫌うため、乾燥気味に管理することが大切です。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
肥料

【地植え】
植え付ける際に元肥を施してあれば、特に追肥の必要はありません。ただし、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。
【鉢植え】
元肥が施してあり、株に勢いがあれば特に不要です。しかし、鉢栽培では水やりと共に肥料成分が流亡しやすいので、生育が著しい時期は10日に1度を目安に、薄めの液体肥料を施すとよいでしょう。
注意する病害虫

【病気】
ラグラスは病気に強い植物ですが、まれに根腐れすることがあります。
根腐れは地中にある根に発生するために、他の病気よりも発見が遅れやすいので注意が必要です。日中に地上部が萎れるようになり、株に勢いがなくなっているようなら、根腐れを疑います。根が茶褐色〜黒に変色して枯死していき、地上部に水分や養分を送るのが難しくなって、やがて地上部の茎葉も黄色く変色して枯れてしまいます。株を引き抜いてみると、ほとんど根がついていないこともあるほどです。水はけのよい土づくりが大切で、また株が茂りすぎているようなら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。
【害虫】
ラグラスに発生しやすい害虫は、アブラムシです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
ラグラスの詳しい育て方
苗の選び方
節間が短くがっしりと締まって勢いのあるものを選びましょう。黄色く傷んだ葉がついているものや虫食い痕のあるもの、ヒョロヒョロと茎葉が長く伸びて弱々しいものは避けたほうが無難です。
植え付け・植え替え

ラグラスの植え付けの適期は、3〜6月または10〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。苗が複数の場合は、20〜30cmくらいの間隔を取っておきます。
ラグラスは一年草で、開花後は枯れてしまうので植え替える必要はありません。
【鉢植え】
5〜7号の鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて、植え付けていきます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下を目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
ラグラスは一年草のため開花後は枯れてしまうので、植え替える必要はありません。
日常のお手入れや注意点

【刈り込み】
草姿が乱れてだらしなく見えるようであれば、草丈の半分くらいまで刈り込んでもかまいません。ただし、穂が出始めてからの刈り込みはNGです。
【増えすぎに注意】
ラグラスは、こぼれ種で増えるほど強健な性質です。しかし、「環境に馴染みすぎたのか、増えすぎて困る」といったケースも発生しがちに。雑草化して、他の植物との調和を乱してしまう場合は、早めに抜き取るなどして対処しましょう。
増やし方

ラグラスを増やす方法は、種まき一択です。ここでは、ラグラスの種子の採取の仕方、種まきの方法について解説していきます。
【採種の方法】
9月下旬〜11月、茶色くなってきた穂を採取。茶色いヒゲを引っ張ると、種子が取れやすくなります。ラグラスの種子には毛がついていますが、つけたままでもかまいません。すぐに種子を播かない場合は、密閉袋などに入れて保存しておきましょう。
【種まきの方法】
ラグラスは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。
ラグラスの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、9月下旬〜11月です。種まき用のトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れて種子を播き、軽めに覆土してください。種子が流れ出すことがないように、トレイより1回り大きな容器に浅く水を張り、トレイを入れて底面から吸水させます。乾燥しないように管理すると、2週間ほどで発芽します。
発芽したら日当たりがよく、風通しのよい場所で管理しましょう。本葉が2〜3枚出始めたら、黒ポットに植え替えて育苗します。本葉が5〜6枚つくまで管理し、ポットに根が回ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植しましょう。
ラグラスの活用方法

ラグラスは、ガーデンでナチュラルな雰囲気を楽しめるほか、切り花やドライフラワーにも利用できます。ここでは、ラグラスの利用の仕方についてご案内します。
切り花

ラグラスは、花穂が美しい時期に切り取って、切り花として楽しむのがおすすめ。収穫は、朝か夕方の涼しい時間帯に行いましょう。大きめの容器に水を張り、採取したラグラスの切り口を浸け、水の中で茎を斜めに切り取ってからフラワーベースに活けると長もちします。ラグラスだけでも愛らしいですが、他の植物に添えて、脇役としても活躍します。
ドライフラワー

ラグラスはドライフラワーにすると、長い期間にわたって飾れます。庭などから採取してきたら、穂の高さを揃えて同じ長さになるように茎を切り取りましょう。下部を麻ひもなどで縛り、風通しのよい半日陰の場所で逆さに吊るして乾燥させます。2〜4週間したら、ドライフラワーとして利用できます。乾燥後に、ドライフラワースプレーをかけておくと、形が崩れにくくなりますよ!
矮性種と高性種を使い分けるポイント
ラグラスには、草丈が20〜40cmの矮性種と、40〜60cmの高性種があります。これらを使い分けて庭やベランダに生かすのもいいですね。20〜40cmの矮性種はコンパクトにまとまる性質を生かして、単植での鉢植えや大鉢での寄せ植えに向いています。花壇では前面〜中段に配してほかの植物とのコラボを楽しみましょう。40〜60cmの高性種は株張りが大きくなるので、鉢植えにするより花壇に地植えしてダイナミックな草姿を楽しむのがおすすめ。アイキャッチとなる場所に植えるとよいでしょう。
愛らしいふわふわのラグラスを育てて、さまざまな方法で楽しもう

ラグラスは、庭やベランダでふわふわとした質感の穂を楽しめるほか、切り花やドライフラワーにしてインテリアに飾っても素敵です。強健な性質で、放任しても機嫌よく成長してくれるので、ガーデニングのビギナーにもおすすめ。ぜひ庭やベランダで育ててみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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