近年の夏は気温が高く、人も植物もバテ気味ですね。でも、そんな夏にこそ花壇に花を咲かせて、彩りよく明るくしたい! そこで、厳しい暑さに強い、選りすぐりの夏花をご紹介します。どれも、プロたちによる厳しい審査に合格し、夏場のパフォーマンスが評価されたものばかり。夏の暑さや乾燥に耐え、美しい姿を楽しめる夏花を20種ご紹介します。

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暑さに抜群に強い!
厳しい審査に合格した選り抜きの夏花20種

暑い暑い近年の夏。こんな夏にも負けずに咲く、暑さに強い夏花を育ててみませんか?

2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて、東京の夏にも負けない、耐暑性や耐乾性が強い植物70種目をまとめたマニュアルが、東京都農林総合研究センター主導のもとに作られました。

●マニュアルの誕生秘話や審査基準についてはこちらの記事をご参照ください。

マニュアルに掲載されているのは、花壇苗26種、カラーリーフとグラウンドカバープランツ29種、つる植物6種、球根植物9種の計70品目。巻末には、それぞれの推奨品種なども収録されています。今回は、このマニュアルに掲載された植物の中から、ガーデンでも取り入れやすい花壇苗を中心に、20種ピックアップしてご紹介します。

1.ジニア

ジニア

ヒャクニチソウとも呼ばれるジニアは、その名の通り、花付きがよく長期間楽しめます。花色や花形、花の大きさのバリエーションも豊富で、他の草花と混植して花壇を彩るのにぴったり。やや耐乾性が弱く、強い乾燥により枯れ上がってしまうこともあるので注意しましょう。

ジニア
花色の幅も広いジニア「プロフュージョン」シリーズ。

■ 学名:Zinnia
■ キク科
■ 草丈:30~50cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:弱
■ 耐陰性:強

2.センニチコウ

センニチコウ

茎の先にポンポンと咲く丸い花が愛らしいセンニチコウ。ピンクや白などの花色があり、フラワーアレンジメントやドライフラワーの花材としても人気の高い花です。丈夫で育てやすく、花がよく咲き揃うので、ガーデンの縁取りにおすすめ。コンパクトに育つ矮性種から高性種まで種類があります。

センニチコウ
よく咲き揃うので、群植させてもインパクト大。

■ 学名:Gomphrena globosa
■ ヒユ科
■ 草丈:30~80cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:強

3.メカルドニア

メカルドニア

匍匐性で、可愛らしい黄色の小花をいっぱいに咲かせるメカルドニアは、夏に花咲くグラウンドカバーとしておすすめ。出荷量が少なくやや手に入りにくいですが、花がら摘みが必要なく、管理しやすい花です。花数多く咲かせるには、水はけと日当たりのよい場所で育てましょう。

メカルドニア
花苗の隙間を埋めるグラウンドカバーや、花壇の手前の彩りに。東京都の夢の島公園花壇にて撮影。

■ 学名:Mecardonia
■ オオバコ科
■ 草丈:10~15cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:弱

4.マリーゴールド

マリーゴールド

オレンジや黄色など、元気をくれる暖色の花を咲かせるマリーゴールド。花壇に混植すれば、鮮やかな色彩をプラスしてくれます。コンパニオンプランツとしても有名で、キッチンガーデンの植栽にもよく用いられます。蒸れに弱いので、古い枝を取り除くなどして風通しよく育てましょう。

マリーゴールド
ビタミンカラーが元気をくれるマリーゴールドの花。

■ 学名:Tagetes
■ キク科
■ 草丈:20~35cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:中

5.アンゲロニア

アンゲロニア

高温多湿な日本の夏でも生育旺盛なアンゲロニア。白やピンク、紫の穂状の花が下から順に開花し、花壇に縦のラインを演出してくれます。花が少なくなってきたら切り戻すことで、また花を楽しむことができます。

アンゲロニア
花色も幅広いので、一色ずつ鉢に植えて寄せ鉢ガーデニングを楽しんでも。orientalprincess/Shutterstock.com

■ 学名:Angelonia
■ オオバコ科
■ 草丈:30~70cm
■ 耐雨性:強
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:中

6.ニチニチソウ

ニチニチソウ

高温や乾燥に強くて育てやすく、過酷な環境でも次々に花を咲かせるニチニチソウは、夏を代表する花の一つです。匍匐性の品種もあり、花壇や寄せ植え、ハンギングなど、さまざまなガーデンシーンで使いやすいのも嬉しいところ。花色や花形も豊富で、フリンジ咲きなど新しい咲き姿の品種も登場しています。

ニチニチソウ
中央に入る目が可愛らしい。

■ 学名:Catharanthus roseus
■ キョウチクトウ科
■ 草丈:30~60cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:強

7.トレニア

トレニア

分枝がよく、たくさんの花を咲かせるトレニア。紫やピンク、白などの小花が爽やかな印象で、寄せ植えや花壇でも他の植物と合わせやすい花です。匍匐性のタイプはグラウンドカバープランツにも向いています。

トレニア
ナツスミレという別名の通り、スミレに似た雰囲気を持つトレニアの花。Aoya/Shutterstock.com

■ 学名:Torernia
■ アゼナ科
■ 草丈:30~40cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:強

8.ペチュニア

ペチュニア

夏の寄せ植えの定番花であるペチュニアも、夏に強い花の一つとして押さえておきたいところ。花色や花形のバリエーションも非常に豊富で、選ぶ楽しみもあります。耐雨性が弱いため、雨の当たらない場所でのコンテナやハンギング栽培によく用いられていましたが、近年では対雨性への改良が進んでいます。

ペチュニア
花付きがよく丈夫な品種が続々登場。

■ 学名:Petunia
■ ナス科
■ 草丈:20~40cm
■ 耐雨性:弱
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:中

9.サルビア

サルビア
Ben Petcharapiracht/Shutterstock.com

ボーダーガーデンや寄せ植えでよく利用されるサルビア。鮮やかな赤から涼やかな青まで花色豊富で、矮性から背が高くなるものまで株姿もさまざまです。蒸れに注意し、水はけのよい土で育てるとよいでしょう。花数が少なくなってきたら、切り戻しをすると長く楽しめます。

サルビア
燃えるような赤色のサルビア・スプレンデンスもよく見かける。tratong/Shutterstock.com

■ 学名:Salvia
■ シソ科
■ 草丈:40~100cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:弱
■ 耐陰性:中

10.ユーフォルビア

ユーフォルビア
Open_Eye_Studio/Shutterstock.com

ユーフォルビアにはさまざまな種類がありますが、ここで紹介するのは純白の苞が小花のように茎の先につき、カスミソウに似た雰囲気を持つタイプ。どんな花とも相性がよく、花壇や寄せ植えで、花と花をつなげる存在として重宝します。栄養系の‘ダイアモンドフロスト’が有名ですが、実生系の品種も販売されています。樹液が皮膚につくとかぶれることがあるので注意しましょう。

ユーフォルビア
白い小花は、他の植物とも合わせやすい。Open_Eye_Studio/Shutterstock.com

■ 学名:Euphorbia
■ トウダイグサ科
■ 草丈:50~100cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:強

11.ポーチュラカ

ポーチュラカ
smileimage9/Shutterstock.com

乾燥に強く、ピンクや黄色など明るい花色が多いのが特徴のポーチュラカは、夏の定番花の一つ。基本的に午前中にしか咲かない花ですが、最近では午後にかけて長く咲く品種が作出されています。匍匐性なので、グラウンドカバープランツとしてもおすすめです。

ポーチュラカ
匍匐性のポーチュラカはハンギングにも。Botond Horvath/Shutterstock.com

■ 学名:Portulaca oleracea
■ スベリヒユ科
■ 草丈:20~30cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:中

12.マツバボタン

マツバボタン

前出のポーチュラカの仲間ですが、葉が松葉のように細いのが特徴です。こちらも品種改良が進み、夕方まで咲き続く品種も登場しています。匍匐性なので、グラウンドカバープランツとして、また寄せ植えの縁取りにもよく使われます。こまめに摘心をすることで、花数多く育てることができます。

マツバボタン
黄色いおしべが目立つ白花も可愛い。

■ 学名:Portulaca grandiflora
■ スベリヒユ科
■ 草丈:30~50cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:中

13.ベゴニア

ベゴニア

ベゴニアの中でもガーデナーにおなじみのベゴニア・センパフローレンスは、艶のある葉と鮮やかな花色が印象的で、暑さや乾燥に強く、花が長期間楽しめる種類です。最近はより耐暑性に優れた品種も登場し、夏花壇では欠かせない存在になっています。花がらが葉に落ちると傷む原因になることがあるので、こまめに取り除くとよいでしょう。

ベゴニア
花壇の手前の彩りに。mcajan/Shutterstock.com

■ 学名:Begonia
■ シュウカイドウ科
■ 草丈:20~70cm
■ 耐雨性:強
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:強

14.アゲラタム

アゲラタム

ふわふわとした青や白の花が涼しげなアゲラタム。夏花壇に爽やかさをプラスする花の一つです。矮性種から高性種まであるので、花壇後方の植栽や縁取り、コンテナ栽培など、シーンに応じて使い分けるとよいでしょう。大きくなりすぎたら切り戻しを。

アゲラタム
高さがある品種は花壇の後方に植えても。東京都の夢の島公園花壇にて撮影。

■ 学名:Ageratum
■ キク科
■ 草丈:20~60cm
■ 耐雨性:強
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:中

15.ケイトウ

ケイトウ

夏から秋にかけて楽しめるケイトウ。寄せ植えや花壇には、ふわふわとした円錐形の穂を持つ羽毛咲き種がよく使われ、枝分かれした槍状の花穂をつけるノゲイトウも人気があります。過湿に弱いので、水はけのよい土で育てましょう。また葉も美しく、銅葉系の品種が暑さに強い傾向があります。

ケイトウ
ケイトウだけでまとめた花壇でも、こんなに色鮮やか。Moolkum/Shutterstock.com

■ 学名:Celosia argentina、Celosia cristata
■ ヒユ科
■ 草丈:25~80cm
■ 耐雨性:弱
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:強

16.トウガラシ(観賞用)

トウガラシ
Sann von Mai/Shutterstock.com

丸形や細長い形など、さまざまな形や色を持つ果実が花壇や寄せ植えのアクセントになるトウガラシ(観賞用)。暑さや乾燥にも強く、夏の高温期でもよく生育します。肥沃な土壌を好み、肥料が切れると生育が鈍るので、多めに追肥をするとよいでしょう。

トウガラシ
真っ黒な葉を持つ‘ブラックパール’は花壇の引き締め役としても活躍。

■ 学名:Capsicum
■ ナス科
■ 草丈:20~60cm
■ 耐雨性:強
■ 耐乾性:中
■ 耐陰性:中

17.カンナ

カンナ
guentermanaus/Shutterstock.com

トロピカルな雰囲気満点のカンナは、鮮やかに咲く大きな花はもちろん、斑入り葉や銅葉など、美しい葉も観賞できます。暑さや乾燥に強く、インパクトのある株姿なので、夏花壇のアクセントにぴったり。咲き終わった花房は、茎ごと切り取るとよいでしょう。

カンナ
春から伸び始める大きく美しい葉もカンナの魅力の一つ。mantinov/Shutterstock.com

■ 学名:Canna
■ カンナ科
■ 草丈:40~200cm
■ 耐雨性:強
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:強

18.コリウス

コリウス

カラーリーフの中でも代表的な存在のコリウス。高温に強く直射日光の下でも美しい葉を保ち、夏花壇の彩りや寄せ植えのアクセントに欠かせない存在です。葉が小さいものは雨や風に強く、葉が大きいものは耐陰性に優れる傾向があるので、場所に応じて使い分けるとよいでしょう。

コリウス
寄せ植えのアクセントにも効果的。Del Boy/Shutterstock.com

■ 学名:Solenostemon
■ シソ科
■ 草丈:70~80cm
■ 耐雨性:中(一部強)
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:中(一部強)

19.ニューサイラン

ニューサイラン
Manfred Ruckszio/Shutterstock.com

すらっとした長い葉を株元から立ち上げる独特の姿を持つニューサイランは、花壇の中でも存在感があり、アクセントとしても活躍します。3mにも達するような大型種からコンパクトに育つ小型種までありますが、大きく育つ品種を植える場合にはスペースを十分に確保し、水はけのよい土で育てましょう。

ニューサイラン
大株に育ったニューサイランは花壇の中でもインパクト抜群。横浜市の新港中央広場にて撮影。

■ 学名:Phormium
■ リュウゼツラン科
■ 草丈:30~300cm
■ 耐雨性:中
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:強

20.スティパ

スティパ
effective stock photos/Shutterstock.com

風になびく軽やかな姿のグラス類は、花壇に加えるとぐっとこなれた印象になる、ナチュラルガーデンには欠かせない存在。細い葉と美しい穂を持つスティパは、高温乾燥に強く、観賞価値の高いオーナメンタルグラスです。過湿を嫌うので、日当たり、水はけのよい場所で育てましょう。こぼれダネでもよく増えるので、増えすぎないように注意が必要です。

グラスガーデン
ブッドレアやエリンジウムのつなぎとしてグラスを配したガーデンの一例。J Need/Shutterstock.com

■ 学名:Stipa
■ イネ科
■ 草丈:30~40cm
■ 耐雨性:強
■ 耐乾性:強
■ 耐陰性:中

今回この記事でご紹介した20種のほかにも、暑さに強い夏花はまだまだあります。ぜひ『夏花による緑化マニュアル』などもチェックして、夏の花壇を美しく彩ってみましょう!

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Credit


写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

協力:東京都農林総合研究センター

参考文献:『夏花による緑化マニュアル』(東京都農林総合研究センター)

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