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眺めて楽しい、食べて美味しい! エディブルガーデンのつくり方

眺めて楽しい、食べて美味しい! エディブルガーデンのつくり方

Derek Harris Photography/Shutterstock.com

自分で育てた野菜を収穫し、食べる楽しみは家庭菜園の醍醐味です。しかし、それだけではもったいない! 食べられる花‘エディブルフラワー’を取り入れれば、美しいガーデンとして、見る楽しみも加わります。今回は、食べられる花を取り入れた「エディブルガーデン」について解説します。育て方や美しく見せるガーデンデザイン、美味しい食べ方も必見です!

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エディブルガーデンとは・・・

エディブルガーデン(Edible garden)とは、「食べられる庭」という意味。野菜だけでなく、果物、ハーブ、エディブルフラワーなど、見た目も美しく、おいしい植物を栽培する庭のことをいいます。観賞価値がテーマの一つになっている点が、単なる野菜畑とは少し違いますね。

エディブルガーデンとは
Matthew J Thomas/Shutterstock.com

エディブルフラワーを詳しく知ろう!

エディブルフラワーを詳しく知ろう!
TexBr/Shutterstock.com

最近では、バラやチャイブなど美しい花でありながら、おいしく食べられる「エディブルフラワー」も出回るようになってきました。

エディブルフラワーは、野菜と同じように食用として栽培されており、そのまま生でも食べられるのですが、ドライフラワーにして利用されることもあります。美しい色や可愛らしい姿から、スイーツの飾りにしたり、サラダに散らしたり、加熱してコンフィチュール(ジャム)などにして食されます。その他、コンフィやコンポートなどにも利用されます。

コンフィ(フランス語:confit)は果物を砂糖に漬け込んだもので、保存性を高めるための調理方法です。コンポート(フランス語:compole)は、果物を水や砂糖水で煮たものを指します。ジャムに比べ、甘味が控えめで、さっぱりしています。

余談ですが、肉のコンフィは鴨、豚などに塩をすり込み、低温の油の中で、じっくりと火を通して作る料理です。

コンパニオンプランツで花や野菜を飾ろう! 気をつけなくてはいけないことは・・・

コンパニオンプランツで花や野菜を飾ろう! 気をつけなくてはいけないことは・・・
マリーゴールドとピーマンのコンパニオンプランツ
Alchemist from India/Shutterstock.com

エディブルガーデンづくりに当たって、注意したいのが病害虫対策です。口に入るものですから、農薬を使わず育てたいですよね。

そこで、おすすめしたいのが「コンパニオンプランツ」。「コンパニオンプランツ」とは、お互いの生長に良い影響を与え、共存し合うことができる2種類以上の植物の組み合わせを指します。

例えば、トマトとバジルを一緒に植えると、バジルの香りを嫌うアブラムシなどの害虫を寄せ付けません。また、キンレンカもバジル同様にアブラムシを寄せ付けない効果があるうえに、キンレンカ自体、花も葉も食べることができるエディブルフラワーです。その他、ネギ科のチャイブやパセリ、タイム、シソなどの香りの強いハーブも害虫が嫌うので、コンパニオンプランツに向いています。花同様の効果を持つものがあり、マリーゴールドやカモミールなどがよく知られています。

一方、一緒に植えてはいけない組み合わせも。イチゴとニラ、インゲンとキュウリやニンジンなどは、組み合わせると生育不良になるので気をつけましょう。

花やハーブを育てておいしく食べよう!こんな効能も・・・

キンレンカ

キンレンカのサラダ
キンレンカのサラダ
Geo-grafika/Shutterstock.com

キンレンカは前述の通り、花も葉も食べられるハーブです。別名はナスタチウム。虫を寄せ付けない効果があり、コンパニオンプランツに最適です。ツル性で寒さには弱いのですが、こぼれ種で翌年も増え、栽培も容易です。花の色は黄色、オレンジ、赤などがあり、葉っぱも斑入りのものなどがあります。

■育て方

3月から5月に種まきをします。種皮が固いため、1日、水につけた後、種まきすると発芽しやすくなります。発芽したら、1度だけ植え替えをします。ツル性なので、ツルが垂れてもよいハンギングに向いています。

■食べ方

花や葉、つぼみも食べられます。爽やかな辛味があり、欧米ではしばしばサンドイッチにして食されます。苦みがないので、漬物にしたり、お酒に漬けて香料に、また、サラダのスパイスにもなります。

■効能

抗酸化作用(体が錆びつかないように酸化を抑えること)による滋養強壮効果があるので、がんや生活習慣病などの予防になります。体質の弱い部分を栄養分で補い、体質改善して強い体をつくるため、老化防止効果があります。

バジル

バジルソースのスパゲッティ
バジルソースのスパゲッティ
Anna Shepulova/Shutterstock.com

トマトはバジルと一緒に植えると、バジルの香りが苦手なアブラムシがつきにくくなるため、コンパニオンプランツとして最適です。バジルは葉だけでなく茎も食べられます。生で食べきれないときは、バジルソースにすれば冷蔵保存できます。花が咲いた後は葉が堅くなってしまうので、こまめにつ摘心をしながら育てることが、長く収穫するコツです。

■育て方

苗は根鉢(根と根まわりについた土)を崩さないようにして植えます。

バジルの葉が大きくなったら、主枝の頂点を切り取ります。主枝の脇から枝が出て伸びて、たくさん収穫できます。こまめに葉を摘みましょう。霜にあたって茶色になるまで収穫可能です。

■食べ方

葉物ハーブは、常温ではすぐにしなびてしまうので、バジルソースにして保存しましょう。ニンニク、オリーブオイルを入れてかき混ぜたら出来上がりです。ビンやタッパーなどに入れて、冷蔵庫で2週間ほど保存できます。スパゲッティ、肉や魚、ジャガイモなどのソテーにも使え、おいしく食べられます。

■効能

強壮作用、鎮痛効果があるほか、便秘解消、不眠対策にもなります。体を芯から温めるため、肌の新陳代謝がよくなり、アンチエイジング効果も期待できます。

その他、コンパニオンプランツ向きのハーブには、エキナセア、オリーブ、ミント、ローズマリー、セージなどがあります。

自宅にエディブルガーデンをつくってみよう!

それでは、眺めて心地よい、食べておいしいエディブルガーデンのデザインをご提案しましょう。

イラストを参考にしてくださいね!

つるバラがシンボリックなシンメトリーのエディブルガーデン
つるバラがシンボリックなシンメトリーのエディブルガーデン。
左奥にはジューンベリー、実はジャムに。右奥にはオリーブ。こちらはコンフィに。バラやキンレンカの花は庭を彩りつつ、エディブルフラワーとして食卓も華やかに演出します。
バジルやマリーゴールドなどのコンパニオンプランツも植えて、農薬を使わず害虫予防を。

眺めがよいガーデンデザイン

上のイラストは、リビングから眺めたエディブルガーデンです。窓からきれいに見渡せるように、シンメトリーのデザインにしました。

正面のブルーの扉のサイドには実のなる木を植え、その脇にはコニファーを並べてイングリッシュガーデン風にしてみました。植栽部分はレンガを積んだ花壇スタイルで全体を統一。足元から少し高さを上げることで、手入れがしやすく、風通しもよくなり、病虫害予防にもつながります。

手入れがしやすい花壇のレイアウト

花壇内の構成も手入れや収穫がしやすいように、奥から手前にかけて草丈が低くなるように植物を選んでいます。例えばツルを伸ばして生育する豆類やトマト、キュウリなどは支柱を組んで奥へ、手前には害虫を寄せ付けないマリーゴールドやキンレンカなどを植えると、見た目にも華やかです。

また、花壇の際は、下のイラストのように芝生面の高さと同じレンガタイルを敷いておくと、芝刈り機が芝生のギリギリまで入るので、縁まできれいに刈ることができます。

花壇の断面図
花壇の断面図。
ハーブや花を手前に野菜を後ろにレイアウト。際はレンガタイルで芝刈りしやすく。

つるバラのアーチをシンボリックに! 物置小屋もステキなオブジェに!

ブルーの扉はガーデン用具をしまっておく物置小屋で、庭のセンターにレイアウトし、手前につるバラのアーチを設けることで、よりシンボリックに演出しました。物置小屋の屋根はかまぼこ型とし、つるバラのアーチのアールと揃え、よりフォトジェニックにしました。

庭の彩りがよくなるように、ハーブや野菜を花でステキに飾ったエディブルガーデン。ハーブやエディブルフラワーを上手に使って、サラダやジャム、コンフィやコンポートを作ってみましょう。採りたての野菜や果実には栄養がたっぷり含まれ、ハーブによっては滋養強壮、老化防止効果も期待できます。

庭を眺めて癒される! 作って楽しい! 食べておいしい! そして健康に! 一石二鳥どころか、三鳥、四鳥のエディブルガーデンに挑戦してみましょう。

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