失敗しないカロライナジャスミンの育て方|剪定時期とつるを綺麗に誘引するコツ
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庭いっぱいに甘い香りと鮮やかな黄色い花を届けてくれるカロライナジャスミン。フェンスやアーチに絡ませて、おしゃれな目隠しや緑のカーテンとして楽しむガーデナーも増えています。
しかし、旺盛に伸びるつるの仕立て方や、翌年もたくさん花を咲かせるための剪定時期にはちょっとしたコツが必要です。また、「名前にジャスミンとつくけれど、お茶にして飲めるの?」という疑問や毒性についても気になるところ。
今回は、カロライナジャスミンを美しく健康に育てるための管理方法や、つるの誘引方法、失敗しない剪定のタイミングまで分かりやすく解説します。
目次
カロライナジャスミンの基本情報

植物名:カロライナジャスミン
学名:Gelsemium sempervirens
英名:Carolina yellow jasmine、false jasmineなど
和名:カロライナジャスミン
その他の名前:ゲルセミウム、イエロージャスミン、ニセジャスミン、イブニングトランペットなど
科名:ゲルセミウム科
属名:ゲルセミウム属
原産地:北アメリカ南西部、亜熱帯・熱帯アメリカ
形態:常緑つる性低木
カロライナジャスミンの学名はGelsemium sempervirens (ゲルセミウム・センペルヴィレンス)。ゲルセミウム科ゲルセミウム属のつる植物で、原産地は北アメリカ南西部、亜熱帯・熱帯アメリカ。暑さに強い一方で寒さにはやや弱く、耐寒温度はマイナス5℃ほど。一般地では周年戸外で管理できますが、寒冷地では寒さ対策が必要です。常緑性のため冬でもみずみずしい葉姿を保ちます。花が芳香を放つことがジャスミンに似ていることからこの名前が命名されましたが、ジャスミンの仲間とはまったく異なる植物です。
満開のカロライナジャスミンの蜜を吸うミツバチ。Phoscar/Shutterstock.com
カロライナジャスミンの花や葉の特徴

園芸分類:庭木
開花時期:4〜6月
樹高:約7m(つるの長さ)
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
花色:黄
カロライナジャスミンの開花期は4~6月で、花色は黄色。花径2~3cmの5弁花が枝葉に密について咲きます。花の香りはハゴロモジャスミンに似ているものの、控えめに香るので匂いがきついと感じることはないでしょう。葉は先の尖った楕円形で光沢があり、冬には褐色に変化します。
フェンスへの誘引などで楽しめるつる植物

カロライナジャスミンはつるを旺盛に伸ばして生育するので、つるを仕立てる構造物が必要です。庭植えの場合はフェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラなどに誘引させるのがおすすめ。鉢栽培ではあんどん支柱や鉢用のミニオベリスクを設置してつるを仕立てるとよいでしょう。
地植えの場合は関東地方以西がおすすめ

病虫害の心配が少なく育てやすい植物ですが、寒さにやや弱く、耐寒温度はマイナス5℃ほどのため、寒さが厳しい地域では鉢栽培にするか晩秋に鉢上げし、冬は暖かい室内や温室などで冬越しさせましょう。
カロライナジャスミンは毒性に注意

名前に「ジャスミン」という名前がつくので「ジャスミンティーのように飲用できるのかな」とイメージするかもしれません。しかし、美しい姿に反して全草に毒を持つので、取り扱いには注意が必要です。決して飲用しないでください。樹液が皮膚につくとかぶれることがあるので、作業の際には長袖長ズボン、ガーデングローブを着用しておきましょう。
カロライナジャスミンの名前の由来と花言葉

カロライナジャスミンという名前は、アメリカのノースカロライナ州やサウスカロライナ州に自生し、ジャスミンのようによい香りのする花が咲くことから。また、属名のGelsemiumは、イタリア語でジャスミンを意味する「gelsomino」に由来するとされています。
カロライナジャスミンの花言葉は、「甘いささやき」「長寿」「素直」「気立てのよさ」など。「甘いささやき」は花に芳香があることから。「長寿」はアメリカでは偏頭痛や喘息に効果のある薬草として用いられたことに因んでいます。敬老の日に、花言葉を添えてカロライナジャスミンの花鉢を贈るのもおすすめです。ただし、毒性があることには留意しましょう。
ジャスミンという名前を持つ主な植物
カロライナジャスミンは、「ジャスミン」という名前がついていても、ゲルセミウム科の全く別の植物。このように、香りのよい花にはジャスミンという名前を持つものが多くあります。代表的なものをいくつかご紹介します。
マツリカ

モクセイ科ソケイ属。一般的なジャスミンとして知られ、ジャスミンティーの香りづけなどにも利用される種。アラビアンジャスミンやピカケなどとも呼ばれます。半つる性の常緑低木で、夏の夕方から早朝に咲き、時間とともにピンク色を帯びる一日花です
ハゴロモジャスミン

モクセイ科ソケイ属。半常緑のつる植物で、外側が薄いピンク色の香りのよい白い花を咲かせます。ジャスミンの仲間では比較的寒さに強く、暖地では庭植えも可能なことからガーデナーからの人気も高い種類です。
スタージャスミン

キョウチクトウ科テイカカズラ属。ジャスミンとはまったく異なる種類で、有毒なので口にしてはいけません。常緑つる性低木で、生育旺盛でよくつるを伸ばし、開花期には香りのよい白い花を一面に咲かせます。
マダガスカルジャスミン

キョウチクトウ科シタキソウ属(ステファノティス属)。常緑つる性低木で、春から夏にかけて咲く純白の花に爽やかな香りがあります。革質の葉は厚みがあってつややか。寒さに弱いため、あんどん仕立てなどの鉢植えでよく出回りますが、霜が降りない暖地では地植えも可能です。有毒なので、口にしないよう注意しましょう。
カロライナジャスミンの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4〜6月
植え付け・植え替え:4月下旬〜5月上旬、9月〜10月上旬
肥料:2月頃、6月頃、9月頃
剪定:4月下旬~7月
カロライナジャスミンの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい環境を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、花つきが悪くなってしまうので注意しましょう。
【日当たり/屋内】日当たりが悪いと花数が少なくなるため、基本的には屋外で管理しますが、寒さが厳しい地域では鉢栽培にして室内で越冬させるのが無難です。室内では南や東向きの窓辺など、日当たりのよい場所で管理するとよいでしょう。
【置き場所】水はけ・水もちのよい肥沃な土壌を好みます。また、つる性の植物のため、棚やフェンス、ポールなどに添わせて仕立てる必要があります。植え付ける場所に応じて、つるを支えるための園芸資材を準備しておきましょう。
耐寒性・耐暑性
暑さには強い一方で寒さにはやや弱く、耐寒温度はマイナス5℃前後。関東以西の太平洋側など温暖地では戸外で越年できますが、冬に寒風が吹きつける環境は植え場所には向いていません。寒冷地では晩秋に室内に移動するか、生育期は地植えにし、寒くなる前に鉢上げして室内に取り込むとよいでしょう。
カロライナジャスミンの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50㎝程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。
真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。
【地植え】
植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後はほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、水切れに注意します。冬は表土が乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。
肥料

【地植え、鉢植えともに】
2月頃に緩効性化成肥料を株まわりに施し、土によくなじませます。春からの生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。
6月頃、開花が終わったら緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。たっぷりと花を咲かせることで、株がエネルギーを消耗するので、体力を回復させる目的で与える肥料で、「お礼肥(おれいごえ)」といいます。「たくさんの花を咲かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて、肥料をあげてください。
また、花芽分化後の9月頃に追肥として緩効性化成肥料を与え、土によくなじませます。
注意する病害虫

【病気】
カロライナジャスミンの栽培では、病気にかかる心配はほとんどありません。
【害虫】
カロライナジャスミンに発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
カロライナジャスミンの詳しい育て方
苗の選び方
苗を購入する際は、下葉が黄色くなったり落ちたりしているものは避け、葉の色艶がよく、茎がしっかりとしたものを選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

カロライナジャスミンの植え付け・植え替えの適期は、4月下旬〜5月上旬か、9月〜10月上旬です。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。つるが伸びていれば、フェンスや棚など、つるを伸ばしたい方向へ誘引しておきましょう。最後にたっぷりと水を与えます。
温暖地の場合は、健全に育っていれば植え替えの必要はありません。寒冷地では10月頃に鉢に植え替える「鉢上げ」をします。株元から20〜30㎝のところまで切り戻し剪定をした後に掘り上げ、根鉢よりも1〜2回り大きい鉢に植え替えます。手順は、【鉢植え】の項目を参考にしてください。越年後、霜が降りる恐れがなくなる4月下旬〜5月上旬頃に再び庭に植え付けます。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は8〜10号鉢とつるを支えるための支柱を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、棒などでつつきながら培養土を足していきます。支柱を設置してつるを誘引したのち、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
鉢植えで楽しんでいる場合は、放置していると根詰まりしてくるので、2年に1度は植え替えるとよいでしょう。植え替えの前に、水やりを控えて鉢内の土を乾燥させておくと作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、根鉢を少しずつ崩していきます。不要な根を切り取り、1/3くらいまでを目安に根鉢を小さくしましょう。これ以上大きくしたくない場合は同じ鉢を用い、もう少し大きくしたい場合は2回りくらい大きな鉢を用意し、植え替えます。
剪定

カロライナジャスミンの剪定は、花が終わった後すぐに行います。8月には翌年の花芽がつくので、その前には終わらせるようにしてください。
基本的には込み合いすぎている場所を適宜間引くようにして切り取り、風通しをよくします。つるが旺盛に茂りすぎて樹形を乱していたり、勢力を伸ばしすぎてほかの植物に悪い影響を及ぼしたりしていれば、株全体の2/3くらいまでを目途に切り戻してかまいません。
冬越し
温暖な地域では、戸外でも越冬できます。地植えの場合はバークチップなどを表土に敷き詰めて寒さ対策をし、鉢植えの場合は霜が降りない軒下などに移動しておきましょう。
寒冷地では寒くなる前に鉢上げして室内または温室に取り込み、日当たりがよく暖かい場所に置いて越冬させます。越年後は、遅霜の心配がなくなった4月下旬〜5月上旬頃に屋外に出しましょう。地植えで楽しみたい場合は、土づくりをして植え付けます。
増やし方

カロライナジャスミンは挿し木で増やします。挿し木とは、枝葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木ができないものもありますが、カロライナジャスミンは挿し木が可能です。
カロライナジャスミンの挿し木の適期は6〜7月です。春から伸びた若くて勢いのある枝を選び、3〜4枚葉をつけて切り取ります(挿し穂)。市販の園芸用の培養土を黒ポットなどに入れて十分に湿らせ、挿し穂を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理しましょう。発根したら日当たりのよい場所へ移動して育苗し、鉢増ししながら育成します。十分に育ったら、植えたい場所に定植してください。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。
カロライナジャスミンの誘引方法(つるの巻き方)

カロライナジャスミンはつるを他者に絡ませながら生育するので、フェンスやアーチ、オベリスク、パーゴラなどに仕立てるのがおすすめです。ここでは、つるの誘引の仕方についてご紹介します。
放任でも問題はない
根付いた後はつるを伸ばして自力で他者に絡みながら伸びていくので、放任しても構いません。つるを仕立てる構造物からはみ出すほど強く伸びる枝があれば、切って調整します。枝に葉が密について旺盛に茂るので、フェンスなどの面を埋めやすく、目隠しとして利用することもできます。
つるを巻きつけた後はやさしく固定する
植え付け後、新芽が出始めた頃に、フェンスやパーゴラ、アーチなどへ誘引したい方向へつるをビニタイや麻ひもなどでとめておくと、あとは自力で這い上がっていきます。開花後に深めに切り戻した場合も、伸ばしたい方向へ誘引しておくとよいでしょう。
鉢植えの場合の仕立て方

鉢植えの場合は、支柱やあんどん仕立て用の支柱、鉢用のオベリスクなどを鉢に設えてつるを誘引します。フェンスやパーゴラなどの近くに鉢を置いて絡ませてもかまいません。
カロライナジャスミンの育て方を理解して美しい花を楽しもう

カロライナジャスミンはつるを伸ばして生育するのでアーチやオベリスク、フェンスなどに絡ませて、縦の空間をダイナミックに彩りたい時に重宝します。黄色い花が愛らしく、優しい芳香を漂わせるカロライナジャスミンを、庭に取り入れてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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