うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-の記事
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アレンジ

バレンタインの季節。チョコレートの黒い箱に、チョコレート色の花とハボタンでビターなアレンジ
バレンタインのチョコをイメージして もうすぐバレンタイン。チョコレート好き、スイーツ好きの方にはワクワクのシーズンですね。私は、義理チョコにも本命チョコにもすっかり無縁ですが、今年はどんなチョコレートが登場するかなと、デパートのチョコレート特設コーナーを見て回るのがこの季節の楽しみです。 さて、バレンタインシーズンには、花アレンジもチョコレートをテーマに楽しんでみませんか。今回のアレンジレッスンでは、チョコレート色の器、チョコレートが入っていた箱などを使ったアレンジのアイデアを3種類ご紹介。アレンジは、ビターチョコレートをイメージした、シックな色の組み合わせで作ります。 チョコレート色の器とチョコレートの黒い箱 アレンジメントを作るにあたり、まずはチョコレート色の器を集めてみました。 家の中を探してみると、チョコレート色のレザー素材の小さな箱、コーヒーやココアが入っていた缶や箱、そして、チョコレートが入っていた浅めの黒い箱などがありました。私はいつか何かに使えるかも~と思うと、箱や缶を捨てられない性分で、いつの間にかたくさん集まってしまいました。 これらの缶や箱をアレンジの器に使いましょう。チョコレート色や、チョコレートが入っていた黒い箱は、シックで大人っぽいアレンジに仕上がります。今回は、浅いチョコレートの箱、チョコレート色のキューブ形の箱、コーヒーの入っていた空き缶の3つに、それぞれアレンジをしてみました。 それぞれのアレンジで使った花 <浅いチョコレートの箱のアレンジ> ・ハボタン ・チョコレートコスモス ・スカビオサ ・ビオラ ・プリムラ ・シルバーレース チョコレートが入っていた黒い箱を器にアレンジを作ります。浅い箱は、花を活けるのにはちょっと難しいかもしれませんが、器に合う花を選ぶと可愛らしくアレンジできます。この時期に庭に咲く花は、茎が短いものが多いので、そんな花を使うのも一つの方法。花苗として売られているハボタンやプリムラなども使います。 我が家の庭には、小ぶりのハボタンの苗物があります。色もきれいですし、アレンジするにはサイズがちょうどよくて使いやすいです。 アレンジには、そのまま使ったり、葉を一枚一枚切り取って使います。浅い器だからこそできる使い方です。葉を重ねることで、葉色のグラデーションを楽しむこともできますよ。葉の一部が水に入っていれば長持ちしますので、水から出ないよう注意します。 その他、人気のチョコレート色やブラック系などの、シックな色のビオラやパンジー、スカビオサなどを選んでアレンジすると素敵です。チョコレートコスモスは、名前の通りチョコレート色が美しいですね。 <チョコレート色のキューブ形の箱のアレンジ> ・チョコレートコスモス ・スカビオサ ・ギリア ・ビオラ 器と花をチョコレート色のお揃いにしたアレンジです。チョコレートコスモスと黒系スカビオサをメインにしました。差し色として鮮やかなブルーのギリアを合わせて、少し軽やかな印象に。アレンジを作る際には、グルーピング(同じ色をまとめる)すると、すっきりまとまります。 <コーヒーの入っていた空き缶のアレンジ> ・パンジー ・ビオラ ・キヌサヤエンドウ シックな色のコーヒーの空き缶には、明るい色の花をアレンジしました。 それぞれのアレンジの手順 <浅いチョコレートの箱のアレンジ> 紅茶の入っていた浅く丸い缶を「落とし」とし、この缶に水を入れて花を活けていきます。 ハボタンの枝を高低差をつけて入れます。 ハボタンの葉を1枚ずつ入れていきます。 葉の間に、シルバーレース、チョコレートコスモス、スカビオサ、ビオラ、プリムラを入れていきます。 アレンジができ上がったら、浅いチョコレートの箱の中にセットします。 アレンジ前に箱の中に缶をセットしてから活け始めても、どちらでも構いません。 <チョコレート色のキューブ形の箱のアレンジ> キューブ形の箱にちょうど入るガラスの小さな器をセットして水を入れます。 チョコレート色の花(チョコレートコスモス、スカビオサ)を合わせてアレンジします。 ビオラ、ギリアを入れます。 <コーヒーの入っていた空き缶のアレンジ> コーヒーの缶の中に直接水を入れます。 明るい色のパンジーやビオラを入れます。 アクセントに、庭で栽培しているキヌサヤエンドウも入れました。 ウィーンの伝統菓子“ザッハトルテ”は、今も昔もチョコレートケーキの王様 チョコレートケーキで思い出すのは、ウィーンの銘菓「Sachertorte(ザッハトルテ)」です。私が以前住んでいたハンガリーの首都ブダペストから車で3時間のウィーンに、ザッハトルテで有名な「Hotel Sacher(ホテル・ザッハー)」と「Demel(デメル)」がありました。 ウィーンを初めて訪れた際には、本場で本家本元のザッハトルテを食べるのが楽しみの一つでした。「わぁ、これが本場で食べるザッハトルテ!」と感動しながら味わっていただきました。お味はというと、きっと美味しかったのでしょうけれど、正直なところどうだったかよく覚えていなくて、今思えば、ウィーン、カフェ・ザッハー、ザッハトルテ、アインシュペンナー(日本で言うウィンナーコーヒー)、もうこれだけで雰囲気に酔いしれてしまったようです。 ザッハトルテは、1832年にオーストリアの宰相メッテルニヒのリクエストで、当時16歳だったフランツ・ザッハーが初めて作りました。チョコレート風味の「ザッハマッセ」と呼ばれる生地に、アプリコットジャムを塗り、「ショコラーデン・グラジュール」というチョコレートフォンダンでコーティングしたケーキです。 フランツ・ザッハーはザッハトルテで財を成し、その後息子がホテル・ザッハーを開業し成功します。そのまた息子の代に経営難に陥った時、ウィーン王室御用達のケーキ店デメルが、ザッハトルテを販売してもよいという条件で資金援助をし、レシピも手にしました。 その後、ザッハー家はデメル家に対してザッハトルテの名称の使用を禁じる裁判を起こし、7年もの間争いました。結果として、オリジナルを名乗るのはザッハーであるが、デメルも「デメルのザッハトルテ」として販売してよいこととなりました。 今ではいろいろなお店で「ザッハトルテ」の名前を目にしますが、大変な歴史があったことに驚きます。 4年前に蔵前に初上陸して以来話題の「DANDELION CHOCOLATE(ダンデライオン チョコレート)」。今年の1月からバレンタインデーの少し後まで、カフェのメニューにザッハトルテが登場するとネットニュースで知りました。 DANDELION CHOCOLATEといえば、カカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して行うBean to Bar(ビーントゥバー)で製造しているブランドです。2000年代後半からアメリカでBean to Barがクラフトチョコレートのムーブメントを興しました。 そんな新しいコンセプト、新しい考え方のチョコレートブランドが、200年近く前の古典的なチョコレートケーキを手がける! ということに、私は少し意外な感じがしました。この伝統的なクラシックなスタイルのチョコレートケーキは、色褪せることなく、これまでもこれからもずっと変わらずに世界中で愛され続けるケーキであることは間違いないでしょう。 若いチョコレートブランド流のザッハトルテ。う~ん、ぜひ食べてみたいです。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 https://www.annegarden.jp 参考:『お菓子の由来物語』(猫井登著・幻冬舎刊)
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レシピ・料理

愛犬のご飯にも! 冷え性に効果的な手作り蒸しショウガパウダー
冷えは万病のもと 愛犬の冷え性にも注意 寒さも本番となっています。我が家の愛犬あんは、日本土着の犬種、柴犬なので、一般的には寒さに強いとされています。ところが、犬の生活環境も変化していて、暖房のきいた温かい部屋で過ごすことが多くなったため、寒さに弱い柴犬もいるようです。我が家の柴犬あんも寒がりらしく、暖かい部屋から外に出ると、ブルブル震えたり、くしゃみをしたり、肉球が冷たくなったりしています。あんも冷え性なのかなと心配になります。冷えは万病のもとといわれますから、日頃から気をつけたいですね。 冷え対策に効果的なのが、体をポカポカ温めてくれる食材としてよく知られているショウガ。ショウガは、犬や猫でも取り入れることができる食材で、感染症、嘔吐、食欲不振、過敏性腸炎などの治療補助に用いられているそうです。 先日、あんの定期検診に行った際、獣医の先生から「ショウガをほんの少しご飯に混ぜるといいですよ」というお話を聞きました。我が家でも、あんのご飯にさっそく取り入れることにしました。 今回は、ショウガを犬との暮らしに取り入れやすい方法や、どのくらいの量を摂取したらいいかなどをご紹介します。 冷え性には、蒸しショウガのパウダー ショウガといっても、そのまま食べる「生」の場合と、加熱して食べる場合とでは、用途や効果が違います。 中国では生のショウガを「生姜(しょうきょう)」、乾燥したものを「乾姜(かんきょう)」と呼んで区別しています。 生のショウガは、血行をよくして体を即座に温め、発汗を促し熱を出す成分「ジンゲロール」が多く含まれています。寒さが招く風邪の寒気や節々の痛みに有効で、解熱作用も期待できます。このジンゲロールがショウガの辛みの主成分です。 ショウガを加熱したり乾燥させて調理すると、辛み成分のジンゲロールが「ショウガオール」という成分に変身します。生のショウガにはショウガオールがほとんど含まれていないそうです。このショウガオールは血行を改善し、体を芯からじんわり温めるので、胃腸の弱い人や慢性的な冷え症の人におすすめです。 ショウガオールを有効的に摂取するには、「蒸しショウガ」がよいといわれています。蒸しショウガは、ショウガを蒸し、天日干しで乾燥させて作ります。その際、「蒸気が上がった蒸し器で30分蒸す」ことがポイントです。 でき上がった蒸しショウガは、細かくパウダー状にすると使いやすいということで、私もさっそく蒸しショウガのパウダーを作ってみました。 蒸しショウガのパウダーの作り方 ショウガをきれいに洗って、2mmくらいの厚さにスライスする。 蒸し器に、重ならないように並べる。 蒸気が上がった蒸し器で30分蒸す。 ザルなどに並べて天日干しにし、乾燥させる。 乾燥したら、ミルサーやフードプロセッサーなどで細かくして完成。 しっかり乾燥させないと、保存中にカビが発生することもあるので注意します。 ご飯に添えて。初めはごく少量から こうして作った蒸しショウガのパウダーは、人間用としては、お味噌汁に入れたり、ジンジャーティーにしたり、サラダに振りかけたり、いろいろなお料理に活用できますね。犬にも同様に、ご飯に添えて与えます。 与える量の目安としては、体重11kgのあんの場合、小さじ1/5くらいにしています。参考にしているレシピ本には、一日に耳かき2~3杯までとありました。犬の体重に合わせて、はじめはごく少量から与えて、様子をみましょう。与えすぎは下痢や軟便になったり、不整脈になったりすることもあるそうです。また、体質によって合わない犬もいるといいます。くれぐれも様子をみながら、慎重に使ってください。 この日あんに作ったメニューは、鶏もも肉と、白菜、にんじん、長いもなどの野菜を入れた卵とじスープです。ここに、小さじ1/5弱ほどの蒸しショウガのパウダーを添えました。 細かくしきれなかった小片は、やはり固いし辛さがあって、あんは「いやー」という顔をして出してしまいました。パウダー状になっていれば、お肉などと一緒に食べてくれますので、きれいなパウダー状になったところを与えるとよいと思います。 冬は犬も水分をあまり摂らなくなるので、汁の多い温かいスープ風のメニューがおすすめ。ジンジャーパウダープラスで、よりポカポカです。 愛犬との暮らしで冷え性が解消⁉︎ 冷え性でお悩みの方は多いと思います。私もかつてはたいへんな冷え性でした。日中は、背中にカイロを貼り厚着をして過ごしました。夜は、手足が氷のように冷たくて、お風呂で温まってすぐにベッドに入っても、足がひんやりしてなかなか眠れませんでした。夜中にも目が覚めたりして、湯たんぽが必需品でした。 それが、6年ほど前、あんが我が家の家族になってから、冷え性で悩むことがなくなりました。 愛犬との一日は、1時間の朝の散歩から始まります。夕方も1時間。多い時は1時間半の散歩です。夏は涼しい夜明け前に、冬は夜明けとともに家を出て、広い駿府城公園をぐるり1周してきます。 それまでは、毎日継続する運動をしていませんでした。これではいけないと思い、ウォーキングをした時期もありましたが、暑いなぁ~、寒いなぁ~、雨だ! と、なんだのかんだの理由をつけてサボることも多くありました。 犬との散歩は、暑くても寒くても、夜でも、雨でも、どんなことがあっても絶対に行かなくてはなりません。相手は生き物ですから、放っておくわけにはいかないのです。 そんな暮らしを続けていたら、いつの間にか、カイロはいらなくなり、手足はいつもポカポカ。すっかり体質が変わっていました。 これは毎日(一日も欠かさず!)継続的に体を動かすことによって、血流改善、脂肪燃焼、基礎代謝向上という効果を得られたということのようなのです。 ともすると、犬の散歩は運動にならないといわれたりしますが、外の空気に触れて、愛犬と一緒に歩くことが、何よりも健康的なよい時間になっているのは確かです。 愛犬のぬくもり 愛犬と暮らすようになってから、湯たんぽをまったく使わなくなりました。血流改善の結果なのでしょうか、足が冷たいということがありません。 それともう一つは、湯たんぽの代わりに、もっと暖かくてモフモフした可愛い助っ人がいるからです。それは愛犬のあんです。あんが湯たんぽになってくれるので、一晩中、そのぬくもりに包まれて、心も体もポカポカぬくぬく状態でいられるのです。 犬の体温は38℃ほど。この温度が最高に心地よくて、安心して朝までぐっすり眠ることができます。私にとって、愛犬あんのぬくもりは、世界で一番の幸せではないかな(‼︎)と思うほどです。 まだまだ寒さは続きます。私にはあんがいるので、どんなに寒い夜も安心です。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 https://www.annegarden.jp 参考: 『薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』(喩静、植木もも子監修・西東社刊) 『犬ごはんの教科書』(俵森朋子著・誠文堂新光社刊)
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アレンジ

新春 黄色の花アレンジで華やかに開運祈願!
旧正月の縁起のよい飾り 金柑(キンカン)の鉢植え 新年やお祝い事に縁起のよい色というと、紅白、金、銀色となりますが、もう一つ、黄金色から連想される黄色も縁起のよい色とされています。中華圏のお正月である春節(旧正月)では、赤と黄色のアイテムが街中にあふれます。 私が以前住んでいたシンガポールは、中華系民族が7割を占めているということから、春節のお祝いは一年の中で最も華やかでした。 中華系の方々は、開運アイテムや縁起かつぎ、風水に基づいた考え方を大事にされています。春節に飾るものは、縁起のよいラッキーアイテムばかりです。その中で私が興味を持ったのは、大きな金柑の鉢植えでした。 春節の時期になると、日本の門松のように、コンドミニアムやショッピングセンター、公共施設、ビジネスタワー、ホテルなどのエントランスに、大きな金柑の鉢植えが対で置かれていました。しかも、金柑(ミカンほどの大きさでしたが…)がいっぱいに実っている木なのです。 シンガポール人の友人に聞くと、「オレンジ色を黄金に見立てて、お金持ちになれますようにって祈るのよ」ということでした。ミカンは柑橘の「橘」の俗字が「桔」なので、転じて「吉」の意味になるそうで、金柑は「吉祥と富をもたらす縁起のよい木」なのだそうです。 上の写真は、ワンラッフルズキーにあるビジネスセンターのタワービルのエントランスに飾られていた、立派な金柑の鉢植えです。ご利益がいっぱいありそうなビッグサイズでした。 お正月に黄色の花はいかが? 今年のお正月は、富と幸運を祈って、黄色の花を飾ってはいかがでしょうか。黄色の花は部屋も明るくなり元気が出ますね。運気がアップすること間違いなし! という感じがします。 この季節の黄色の花というと、チューリップ、スイトピー、スイセン、フリージア、ヒヤシンス、ラナンキュラスなど。どれも早春にふさわしい球根の花です。私は球根の花が大好きなので、一年で一番好きな花が揃うこの時期は、花選びも花を活けるのもウッキウキ! テンションが上がります。 アレンジに加えた金柑は、庭から。まだ色づきが足りないのですが、数本切って使いました。 風水的に器を選ぶとしたら せっかくなので、器もラッキーアイテムにこだわってみようと思い、風水的にはどんな器を選んだらいいか調べてみました。 まずは、ガラスの花器。 風水では、水はお金を表すということで、水が見えるようにガラスの器に花を活けると金運アップに効果的なのだそうです(金運ばかりで恐縮です)。ただし、水が濁っていると逆効果で、悪い運気をもたらしてしまうので、こまめに水を替えることが大事だそうです。 水がきれいなことは花にとっても大切です。ガラスの花器に活けたら、他の素材の器よりも気をつけて、いつも清潔にクリアにしておきたいですね。 そのほか、開運に相性がよい、黄色との色の組み合わせは、黄色+白、黄色+茶色、黄色+金色なのだそう。白い器でしたら、合わせやすくアレンジもしやすいです。 私の場合は、以前購入した、翡翠に似たペールグリーンのガラスの器があったので、こちらを使うことにしました。翡翠色もとても好まれる色ですね。この器は20年ほど前に、きれいな色のガラスだなと気に入って買ったもの。後から、そういえば翡翠色みたいに見える~と気がつき、嬉しくなりました。 開運! 黄色の花のアレンジ 使った花 金柑の実付き枝 黄色のラナンキュラス 黄色のチューリップ <大きなほうのアレンジ> 翡翠色の器 花留めとして、小石、ヒムロスギ この翡翠色の器は、口径が広いボール型で、花が留まらずアレンジしにくいのです。特に、金柑は実が重く、器からひっくり返って出てしまって扱いが難しい花材です。 そういう場合は、器の底に小石を入れて滑り止めにしましょう。 また、アレンジのデザインにひびかないような、何か枝物や葉物を入れてクッションにすると、いい具合に枝が落ち着きます。 今回は、クリスマスリースで使ったヒムロスギがあったので、数本入れました。ヒムロスギのように、葉がふさふさしていて、水に浸かっても葉が傷みにくいものは、クッション用としても重宝します。 ヒムロスギを入れて、金柑の枝を入れ、ラナンキュラスとチューリップを入れていきます。 バランスを見ながら整えて、黄色のアレンジのでき上がり。 <小さなほうのアレンジ> ブック型のガラスの器 同じ花材で、もう一つ、小さなアレンジを。ソファーのサイドテーブルに飾りたいと思い、コンパクトにしました。 縁起物の仏手柑(ブッシュカン)を添えて 「仏手柑」をご存じでしょうか。ミカンや柚子などと同じ柑橘系のフルーツで、千手観音を思わせる姿から、こういう名前がついたそうです。縁起物としてお正月に飾ります。 中身は少ないですが、皮をマーマレードなどにして食べることができるそう。ですが、うーん、この手のようなところを切ってマーマレードにするのは、ちょっと勇気がいるような気もします。美味しいかな? お正月には、花アレンジの脇に添えて楽しみましょう。ほんのりやさしい柑橘の香りがします。 仏手柑の他、「しし柚子(鬼柚子)」という、文旦ほどの大きさの柑橘も、邪気を払う縁起物としてお正月に飾ります。 仏手柑もしし柚子も、きれいな黄色で、形もユニーク、そして大きい! どちらも見た目に楽しくて、お正月に笑顔になれる柑橘ですね。 シンガポール 風水に沿った街づくり シンガポールは、中国、香港と並んで風水大国といわれています。風水に基づいて、あの美しい街がつくられているのです。 シンガポールといえば、マーライオン。マーライオンもまた、風水によって向きと位置を決められました。そこで、マーライオンと風水について調べてみました。 シンガポールは、スマトラ島から海を渡りこの地を訪れた王子が獅子と出会ったことから、獅子の街を意味する名前をつけたという伝説があり、マーライオンはその伝説を受け継いで、シンガポールの象徴となったということです。マーライオンの像は1972年につくられましたが、国が発展する中で、周りに大きな建物や道路や橋ができ、マーライオンは橋で目の前を塞がれてしまいました。ちょうどその頃、アジア通貨危機がアジア各国を襲い、シンガポールも国内の経済が低迷していました。ある風水師がマーライオンの移転をアドバイス、2002年に現在の場所に落ち着きました。 現在のマーライオンは、繁栄の象徴である東の方向を向き、財を表す水を勢いよく吐き出しています。シンガポールは、マーライオンの移転後、めざましい発展を遂げています。 なるほど、マーライオンは風水的に意味のある方角に位置して、シンガポールという国を守っているのですね。マーライオンの周りは、いつも多くの観光客で賑わっていて、活気で満ちています。 風水とシンガポールの街の関係を知ると、とても興味深く、感心することばかりです。何か暮らしの中で、風水を取り入れることができることがあれば真似してみたいなと思います。 まずは、黄色の花アレンジで実践です! Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp 参考:『英国式風水で幸せになるインテリア術』工藤沙美著
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植物の効能

寒い季節は愛犬の水分量に注意。オシッコトラブルにはクランベリーで
寒くなった! 愛犬あんが水をあまり飲まなくなった いよいよ寒い季節となりました。暑いのが苦手な我が家の愛犬あんは、気温が 15℃を下回ると、俄然元気が出てきて、朝と夕方の散歩がとても楽しいようです。散歩から帰り、お茶を薄めたぬるま湯(緑茶のフットバス)で頭から足先まで全身を拭くと、満足そうな顔でゆったりと休憩モードになります。一休みしたところで、おやつタイム。そしていつもここでお水を飲むはずなのですが、この時期になると、水をあまり飲まなくなります。夏はガブガブ飲んでいたのに、今は飲んだとしてもちびちびと少量です。 食後もあまり飲みません。犬も寒くなると、自然と水分を摂らなくなってしまうようで、少し心配になります。 犬が水を飲まない理由 犬が水を飲まないのには、いくつか原因があるようで、例えば、口の中に何か疾患があるとか、何かの病気を抱えていることもあったり、シニア犬では、喉の乾きに鈍感になっていることもあったり。こういう場合は、しっかり獣医師に診ていただかなくてはなりません。 また、犬の散歩中に、知り合いの方からこんな話を聞きました。その方は、あんと同じ犬種、柴犬Rくんの飼い主さん。「あんちゃん、昨日の台風の時、ずっと寝ていたでしょう」と言われました。確かに、台風の接近の前から通り過ぎるまで、あんはソファーの上で丸くなり、時々寝返りをうつくらいしか動きませんでした。ポカポカのよいお天気の日のお昼寝とは明らかに違って、 寝ているといってもリラックスしている感じではありませんでした。Rくんも、ご飯の時以外ずっと寝ていたと言っていました。なんでも、犬がオオカミだった頃、嵐や低気圧がやってくることを察知すると、なるべく体力を奪われないようなところで丸くなって、嵐の通り過ぎるのをじっと待ったということなのです。 台風など極端な低気圧の時は、人間でも体調を崩す人がいます。私も雨が降りそうな時や、雨が続くと頭痛がします。人間より耳がよい犬にとっては、気圧や風の音などに対する感受性が、人間よりはるかに強いので、受けているダメージもはるかに大きいのではないかということです。自律神経のバランスを崩し、頭痛、めまい、貧血、食欲不振、下痢、嘔吐などの症状が出る犬もいるようです。 こんな時にはトイレもしません。あんが子犬の頃は、家の中の決められたところでトイレをしていましたが、 2歳を過ぎた頃からまったく家ではしなくなりました。トイレのために外に出られないからか、体調が悪くて歩きたくないからでしょうか。台風の日、雨の日、寒い日は、犬なりに、本能的に水分は控えようと思っているのかなと思います。 犬に必要な一日の水分量は? 犬が一日に必要とする水の量はどのくらいかと調べてみました。 健康的な犬の一日分の飲水量は、「体重1kg につき50mlから60ml を目安にするとよい」とのことです。あんは、だいたい体重が11kgですので、600ml程度は飲まないといけないということになります。500ml のペットボトル 1 本分とは、意外と多い! このところの、あんの水を飲む様子を見ていると、ぜんぜん足りていません! もっと飲むように勧めなくてはなりません。 犬は、コーヒーや紅茶、ジュースなどを飲むことはなく、水分といえば、”水”。ほかに飲ませてよい水分といえば、ヤギミルクなど、限られたものしかありません。代わりに、食事の中で工夫することがおすすめです。例えば、おかゆやスープなど、汁が多めのご飯にすると、水分をより摂りやすくなります。冬は、温かいスープ多めのおかずで、水分補給とポカポカ冷え対策をするとよいですね。 こちらの記事も参考にどうぞ。 ●愛犬のための手づくりごはん2・ヘルシーぽかぽか「鶏団子鍋」 ●愛犬に魚を食べさせたい! チキン風味のお粥に焼き鮭を添えた手作りごはん オシッコのトラブルにクランベリー 水は、成犬の体重の約 60~70%を占め、10%の水分が不足しただけで死を招くことさえある、生命にとっては必須です。もちろん人間も、すべての生き物にも、なくてはならないものだということは、いうまでもありませんね。 また、犬に多いとされる病気の一つの結石症は、十分な水を摂って排泄することが大切で、水分不足になると事態はどんどん悪化してしまうそうです。 そして、雌犬やシニア犬で心配なのは、膀胱炎です。トイレを我慢したり、水分量が少なくなったりする冬は、免疫力が落ちることも加わって、膀胱への細菌感染のリスクが高まります。 こういった排尿の不調で起こる膀胱炎などの感染症や、オシッコが出にくくなる尿石症などのトラブルには、クランベリーが効果を発揮するといわれています。 「クランベリーに多く含まれているキナ酸は、体内で馬尿酸という酸性物質になり、尿中に排泄されます。これはアルカリ尿を正常な状態の ph に近づけると言われています。アルカリ性の尿は、感染を起こしやすく、結石もできやすくなります。そのようなときに、クランベリージュースやビタミンCが多いものを摂取するとアルカリ尿が酸性化することにより、尿路感染や尿路結石の予防となります」 (MEDICAL HERB41 特集「クランベリー」/日本メディカルハーブ協会より) クランベリーはとても頼りになるハーブの一つです。 そもそも、クランベリーって? クランベリーは、北アメリカ北部、東部が原産。ツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属の果樹です。この赤い実が、可愛いだけではなく、前述のような優れた成分を含んでいるなんて驚きです。 クランベリーは、アメリカやカナダではポピュラーな果実で、クリスマスや感謝祭の七面鳥の料理には欠かせないクランベリーソースが有名ですが、お菓子やパンにもよく使用されています。スーパーなどで冷凍の袋入りで買うことができ、とても身近な食材です。 クランベリーソースといえば、私は、ハンガリーに住んでいた頃に、あのIKEAのカフェテリアで食べた、スウェーデン風ミートボールに赤いソースが添えられていたのを思い出します。てっきりクランベリーソースだと思っていましたが、じつは、リンゴンベリーという植物のソース(ジャム)でした。 リンゴンベリーとは、コケモモのこと。クランベリーと同じツツジ科スノキ属の植物であること、どちらも寒冷地で育つことは同じで、とても近い兄弟のような植物だそうです。クランベリーはアメリカ・カナダなどで大量に栽培されているのに対し、リンゴンベリーは栽培されているというより、スカンジナビア地域で自生しているというところが、大きく違う点です。 どちらにしても、肉料理に欠かせない赤いソースは、ツツジ科植物の可愛い赤い実で作られていることを知りました。 先日、お花屋さんの前を通りかかったら、クランベリーの鉢植えが並んでいました。リンゴのように丸く、まだこれから赤みが増していくのかなという色合いも、なんだかリンゴに似ていてとても可愛い! これはぜひ育ててみたいと思い、一つ買って帰りました。 クランベリーには多くの種類があって、食用になるものと、観賞用のものとがあるそうですが、「クランベリーは生食ではおいしくないのでジャムなどに加工してください」とお店のラベルに書いてありました。これもジャムになるのかなと、今は小さな鉢植えのクランベリーが大きく育って、赤い実をたくさんつけているのを思い浮かべたら、ちょっとワクワクします。あっ、でもこれは観賞用でしょうか。 愛犬の食事に取り入れやすい クランベリー入りのおやつ 犬の場合も同じ効果が期待できるとして、クランベリー100%の粉末がカプセルに入ったサプリメントがあったり、クランベリーエキス入りのビスケットもあります。 カプセルに入った粉末は、おかずの上にふりかけたりして与えることができます。ヨーグルトに混ぜてもいいそうですよ。手作りのお菓子に入れてもいいですね。 クランベリー入りのビスケットは手軽に取り入れることができて嬉しいです。味もおいしいようで、あんはよく食べます。 ドッグフードに入っているものもありますので、お店で選ぶときに、ぜひチェックしてみてください。 あんは、今のところオシッコトラブルはありません。もしこれから先、あんにオシッコのトラブルが起こったときには、もちろん、かかりつけの獣医の先生に診ていただくのは当然ですが、クランベリーのサプリメントがあるということを頭の隅に置いておきたいと思います。 注意: 疾患のある場合や、薬を服用中の場合、ハーブでは対処できない深刻な場合は、必ず専門の医師に相談してください。 ハーブを使用する際は専門家に相談してください。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 https://www.annegarden.jp 参考: 『ホリスティックケアカウンセラー養成講座テキスト』 『メディカルハーブの事典』(林真一郎編・東京堂出版刊)
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アレンジ

【Christmas Crafts】スーパーで材料調達可能 オレンジポマンダーの香り飾り
大好きなクリスマスの香り クリスマスといえば、ツリー、ケーキ、サンタクロース、トナカイ、クリスマスソング、パーティーなど、たくさんのキーワードが思い浮かびますね。 クリスマスのどんなことがいちばん好き? と聞かれたら、私は迷わず「香り!」と答えます。リースやツリーを作るときのモミやスギの香り。シュトーレンやクリスマス・ティー、ホットワインの、フルーツとナッツ、シナモン、クローブなどのスパイスの香りです。 美味しそうな香りでもあり、元気になる香りでもあります。 シュトーレンをカットして、クリスマス・ティーを淹れると、リビングルーム中にクリスマスの香りが広がって、年末の忙しい中でもゆったり落ち着いた気分になれます。そして家中が、ワクワクとした、なんだかとても幸せな空気に満ち溢れます。 この幸せなクリスマスの香りをぎゅっと凝縮したのが、オレンジポマンダーなんですよね。私はこの香りに包まれたくて、毎年必ずオレンジポマンダーを作ります。 今年はぜひご一緒に作りませんか? でき上がったオレンジポマンダーをメインに、クリスマスアレンジをするのもおすすめです。 オレンジポマンダーって? そもそもオレンジポマンダーって何? と思われる方も多いかもしれませんね。 ポマンダー(Pomander)は、匂い玉のことで、生のオレンジに、クローブというスパイスをホール 状のまま隙間なく刺して、シナモンなどのスパイスをまぶして乾燥させたものです。オレンジとスパイスの香りがマッチして、とても心地よい香りになります。それに、リボンを結んで飾るので、見た目にも可愛らしいものです。 オレンジポマンダーの歴史は古く、イギリスでは16〜17世紀のエリザベス朝時代の肖像画にも描かれています。貴族たちが、細かい穴のあいた金属製の球形のケースにハーブや練り香料を入れて、腰から下げている様子が描かれているのです。今から500 年も前からあったのですね。 イギリスやヨーロッパの貴族たちは、ペストなど当時流行していた病気の予防や魔除けのために、 このポマンダーをお守りのように携帯していました。貴族から庶民の間に広まる過程で、金属製の球形のケースから、より庶民の手に入りやすいオレンジなどのフルーツを使って作るポマンダーに変化していきました。 果物は手に入れやすくても、クローブなどのスパイスは、当時はとても貴重品だったと思いますので、庶民といっても、お金持ちや権力のある人たちだけのものだったのかなと想像します。それとも、クローブは、身近に存在する植物だったのかなと、クローブについてもどんどん興味が湧いてきました。 クローブについて調べてみると、歴史は紀元前4,000年頃まで遡り、ミイラ作りに使用されていた記録があります。ヨーロッパでは、6世紀頃には貴族たちの間に広まり、15~16世紀の大航海時代を経て、18世紀の終わり頃にフランスがモーリシャスなどでクローブ栽培を盛んに行うようになって、各地で大農園が開かれ、一般に広まっていきました。 クローブの力とは? オレンジポマンダーの主な材料は、オレンジとクローブ。クローブは、インドネシア・モルッカ諸島を原産とする常緑の小高木です。私たちがスパイスとして目にするものは、8~9月、つぼみが緑色から黄色、黄色から紅色になった頃に採取したものです。和名は丁子(ちょうじ)といい、釘のような独特な形をしています。 刺激的なスパイシーな芳香が特徴で、強い香りは百里離れていても届くという意味で「百里香」 とも呼ばれています。お料理で使っている方も多いのではないでしょうか。 クローブの粉末は、伝統医学で芳香性健胃薬として用いられた歴史があったり、歯痛や頭痛の薬としても利用されてきました。そういえば、子供の頃通っていた歯医者さんのあの独特な匂いは、 クローブだったのだなと、ふと香りの記憶が蘇りました。クローブには、強力な殺菌力と防腐作用があります。エジプトのミイラは、じつはオレンジポマンダーの作り方と同じ。オレンジも、通常だったらそのままにしておくと腐ってカビが生えますが、クローブのおかげで腐らず、「オレンジのミイラ」になります。 こちらは、昨年と一昨年、そして今年作ったオレンジポマンダー。右から古い順に並んでいます。一昨年に作ったものは、すっかりオレンジがミイラ化しています。元のオレンジはほぼ同じくらいのサイズだったのに、年々小さくなってきました。 オレンジポマンダーの作り方 <材料> オレンジ クローブ(ホールで) シナモンパウダーなどお好みのスパイス マスキングテープ(リボンと同程度の幅のもの) リボン <手順> オレンジに、十文字にテープを貼ります。 でき上がったらテープを剥がしてリボンを結ぶので、テープはリボンと同じくらいの幅にします。 クローブを刺していきます。 袋の中にクローブを刺したオレンジを入れて、材料のスパイスをまぶします。 テープを剥がし、同じところにリボンを巻いて結んで、でき上がり。 クローブの頭の向きを揃えること。隙間なく順序よく並べること。この2点に注意すれば、見栄えよく、きれいに仕上がります。 よく乾燥させてから飾りましょう。 ポマンダーと一緒に、香りのクリスマスアレンジ ポマンダーは、部屋に吊して楽しまれていたそうですが、乾燥するまでは、オレンジの果汁が出たり、オレンジの重みがありますので、よく乾燥してから飾ったほうがよいでしょう。乾燥後も、スパイスが飛び散ったりするので、私はモミやスギの枝と一緒に器に入れて飾ります。 <アレンジの手順> 器にスギの枝を敷きます。 ポマンダーを置きます。 空いているところに、松ぼっくり、シナモンスティック、アニス、姫りんごなどをお好みで添えます。 モミ、スギの代わりに、ローズマリーやユーカリなどもいいですね。お好きなグリーンでアレンジしてください。 ヨーロッパ各国のおいしいクリスマスのケーキ クリスマスに欠かせないものといえば、やはりクリスマスケーキですね。有名パティスリーやショコラティエ、ホテルブティックなどでは、アート作品のようなケーキがお目見え、年々、その芸術度が増しているように思います。これは食べてもいいの? と、ナイフを入れられないこともしばしば。 クリスマスケーキは、国によっていろいろなものがありますね。ドイツのシュトーレン、イギリスのクリスマスプディング、フランスのブッシュドノエル、イタリアのパントーネ。 どれも、日本でもよく知られるようになって、とても人気があります。私は、なんといってもシュトーレンがいちばん好きです。一年中あればいいのにと思うくらいです。オレンジやレモンなどのフルーツと、ナッツ、そしてクローブやシナモンなどのスパイス。これらがミックスされたら、これはもう、私の大好きなクリスマスの香りです。 私が2年間暮らしたことのあるハンガリーにも、伝統的なクリスマスのケーキがありました。「ベイグリ」という名前です。これは、パンのような生地に、ケシの実やくるみのフィリングを巻いてロールケーキのようにした焼き菓子です。ケシの実のほうを「マーコシュ・ベイグリ」、くるみのフィリングのほうを「ディオーシュ・ベイグリ」といいます。 クリスマスシーズンに手作りするのが伝統で、家庭ごとに味が違うのだそうです。 シュトーレンやベイグリなどのお菓子にはどれも、ドライフルーツやナッツ類が入っていて、長期保存可能な焼き菓子です。この時期にこのようなお菓子が多いのは、寒い冬を越すための昔の人の知恵でもあり、家族が揃う一年で一番大切な日のための贅沢なお菓子でもあったとのことです。 ハンガリーで初めて迎えたクリスマスに、夫の職場のハンガリー人スタッフのお一人、リヴィアさんから、ケシ味とクルミ味、それぞれ1本ずつのお手製のベイグリをいただきました。 どちらも風味抜群で、日本人にも程よく甘さ控えめ。とてもおいしいお菓子でした。シュトーレンのように薄くカットして、クリスマスまでの間に少しずつ食べていきます。 受け継がれてきたベイグリのレシピは、「お母さんの味、おばあちゃんの味として、これからもずっと大切にしていかなくちゃね」とリヴィアさんがお話ししてくれました。ブダペストに来て初めてのクリスマスに、心のこもった手作りのベイグリをいただいて、心もおなかもとても幸せになりました。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp
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アレンジ

【Christmas Crafts】北欧フィンランドのヒンメリと100gフライングリース
「ヒンメリ」って? 「ヒンメリ」ってご存じですか? 細い藁でできていて幾何学的な形をした、とても繊細な北欧の装飾品です。窓辺や天井から吊されて、ゆらゆらと揺れているヒンメリの様子は、北欧雑貨店などでご覧になったことがあるかと思います。 私はヒンメリを見るたびに、きちんとデザインされてスタイリッシュという感じと、素朴で優しい感じ、その両面を持ち合わせているような、不思議な魅力を感じていました。 そして、こんなに素敵なヒンメリは、どうやって作るのかな、どんな材料で作るのかなと、ずっと興味を 持っていました。 先日、ふらりと入った北欧雑貨のお店で、1週間後にヒンメリを作るワークショップがあると聞き、後日参加してきました。ワークショップでは、作り方をはじめ、ヒンメリのことをいろいろと教わりました。今回は、そんなヒンメリの話と、ヒンメリと一緒に飾りたいクリスマスのミニミニフライングリースをご紹介したいと思います。 ヒンメリは、北欧フィンランドの伝統な装飾品 ヒンメリは、フィンランドの冬至のお祭り「ヨウル Joulu」の伝統的な装飾品です。1150 年頃に田園地方で始まったとされているそうで、それはそれは長い歴史のあるものと知り、まず驚きました。 家族で作ったヒンメリを天井から吊し、 天へとつながる道を作る。「ヒンメリ」とは、スウェーデン語の Himmel (天)が語源です。ヒンメリを飾り、翌年の豊穣と太陽の復活を心待ちにしながら長い冬を過ごします。私も短い間でしたが、中欧ハンガリーに住んでいたときに、「冬の寒さ、長さ、暗さ、雪に閉ざされた暮らし」という感覚を少しだけ経験しました。太陽の光がこんなにもありがたいものだったかと、改めて感じたものでした。 ヒンメリの材料となるのは、ライ麦の藁です。その年に収穫された新しい藁には、穀物の精霊が宿っていて、幸せを引き寄せると信じられてきたそうです。 1800年代の終わり頃、クリスマスツリーが入ってきてフィンランドでも流行したため、ヒンメリが衰退しかかった時期もあったそうです。いろいろな方々の努力で復活し、アーティストたちによって新しいデザインなどが生まれ、現在のヒンメリのように多様化していきました。 ヒンメリが消えてしまわないでよかったと、多くのフィランドの人々が胸をなで下ろしていることでしょう。そして、もしその時になくなってしまっていたら、遠い日本で、私たちはこの素敵なヒンメリを目にすることはできませんでした。 ヒンメリを作ってみよう ヒンメリは、ライ麦などの麦穂の茎と糸で作ります。 最近では、プラスチックのストローを使った作り方もよく紹介されています。お洒落なストローもたくさんあって、入手しやすく手軽に作れるという点はよいのですが、ヒンメリの本来の意味を知ると、やはり藁を使って作りたいものですね。 ライ麦の藁と糸など材料がセットになったものも販売されていますので、ぜひ本物の藁で作ってみてはいかがでしょうか。 ヒンメリの素朴で優しい印象は、藁で作られていることからくるのだと思います。 作り方は、カットした藁に長い針を使って糸を通し、つなぎ合わせていくという具合なので、作業自体は簡単です。けれども、糸を通す順番を一筆書きにしていくところが、頭がこんがらがってしまい、ちょっと難しいと感じました。それでも、初心者でも教えていただきながら1時間ほどで完成したので、コツを掴めばいろいろと作れそうです。 ヒンメリを初めて作るなら、まずは、基本の八面体をマスターするとよいということでした。八面体を作れるようになれば、基本の形を大きくしたり小さくしたりとサイズを変えたり、基本形をいくつもつなぎ合わせてデザインしたりと、いろいろなアレンジも考えられます。 日本国内にも、ヒンメリの作家さんがいらっしゃるそうで、ワークショップの会場だった店内には、見事なヒンメリが飾られていました。私が作ったヒンメリよりもさらに細い藁と糸で作られ、複雑な構造で繊細で、とても美しいものでした。 こんな素敵なヒンメリを作れたらいいなと思いましたが、私は基本の八面体を作るのが精一杯。 これが作れただけでも大満足でした。 ここではヒンメリの作り方を詳しく解説することはしませんが、ヒンメリのキットの中には、大抵基本の八面体の作り方を解説したものが入っています。また、インターネットでもヒンメリの制作動画などが配信されていますので、詳しい作り方はそちらも参考にしていただければと思います。 ●こちらの記事もどうぞ『手づくりの可愛い装飾「ストロースターオーナメント」のつくり方』 吊す、といえばフライングリース ヒンメリを作りながら、今年のクリスマスはフライングリースにしよう! と決めました。フライングリースも、ヒンメリと同じく天井から吊して飾ります。クリスマスの飾りとしても魅力的なフライングリースですが、じつは、意外と吊す手段が難しいもの。ちょうどいい場所がなかったり、天井に金具を取り付けられなかったり、なかなか吊すことができないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。大きなリースともなれば、それなりに重量もあるので、安心して吊すことは難しいですね。 憧れのフライングリースを手軽に吊せるように、小さくて軽いミニミニフライングリースにしてみましょう。今回ご紹介する小さなリースは、オーナメントを入れても100g以内で作ることができました。 フライングリースは小さなものをいくつか作り、長さを変えて吊すと楽しいですよ。 私は、ヒンメリと一緒に飾ってみました。 100gのミニミニサイズのフライングリースの作り方 材料 ヒムロスギ ローズマリー フランネルフラワーの葉 ユーカリの実 巻き付け用の細ワイヤー アクセサリーを作る時に使う細いワイヤーを使いました。手芸店で購入できます。 オーナメント ワイヤーのベース 直径10cm ベースがあると作りやすいですが、なくても大丈夫です。 手順 ヒムロスギなどを3~5cm程度にカットしておきます。 リースのベースに、吊すための紐やリボンを、バランスをとりながら付けます。 ベースに沿ってヒムロスギを巻き付けていきます。 ぐるりと一周巻き付けます。 ローズマリーなど、ヒムロスギ以外の植物をところどころに入れ込みます。 オーナメントを付けてでき上がり。 オーナメント リースのオーナメントは、軽くて、なるべくナチュラルな雰囲気のものを選びました。 ここで使っているのは、フィンランド「lovi(ロヴィ)」社の白樺のプライウッドで作られたボール状のものです。木の優しい風合いがとても気に入りました。ヒンメリの藁とも合いそうです。 フライングリースとヒンメリを吊そう ヒンメリやフライングリースを吊すのには、マスキングテープを使います。吊す天井や梁などの色に合うようなマスキングテープを用意します。マスキングテープには、いろいろなサイズがありますが、幅が広めのテープであれば強度が増します。貼り付ける際は、強度を上げるため3回ほど重ねて貼ります。テープは念のため試し貼りをしてから使いましょう。 フィンランドはアジア系にルーツ? フィンランド人は、1世紀ごろに今のロシアのウラル地方から移住してきた民族といわれています。フィンランド語はウラル語族に属するといわれているのですが、「ウラル語族」!? と聞いて、ハンガリー語もウラル語族であったことを思い出しました。ウラル語族というと、中央アジアの国々と同じ系統の言語を話す民族で、ハンガリーもフィンランドも、もともとはアジア系の血を引くのだそうです。寒い地方に住み着いたのがフィン人、住みやすい土地に住み着いたのがフン族(マジャール人)という話を、ハンガリーに住んでいた時に聞いたことがありました。これらの国は、ヨーロッパのなかでは珍しく、アジアにルーツがある民族とされているそうです。 フィンランドの人々は、古くから自然を崇拝し、精霊信仰に基づいた生活を送ってきました。そんなところは、日本と共通している点です。 そういえば、日本でも、その年に収穫した稲穂でしめ飾りを手作りしてきました。お正月は、豊穣や幸福を運んでくれる歳神様をお迎えするための行事ですから、ヨウルと同じ考え方のように思います。そう思うと、なんだかフィンランドが近く感じられて嬉しくなりました。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp 参考:『フィンランドの伝統装飾 ヒンメリ』おおくぼともこ著/プチグラパブリッシング 『お正月の行事を知ろう|お正月の過ごし方』 https://www.kyosei-tairyu.jp/osyougatu/ 編集部でヒンメリとフライングリースを作ってみました(動画)!
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レシピ・料理

愛犬と一緒に手作り。干して美味しい、昔ながらのやさしいおやつ
昔ながらのやさしいおやつ 「愛犬と一緒におやつ時間を過ごしたい!」「できれば手作りのおやつがいいな」と思うようになって、干し芋や干し柿に関心を持つようになりました。干し芋も干し柿も、昔からずっと愛されてきた自然派おやつですね。 干し芋や干し柿は、栄養と美味しさがぎゅっと詰まった食品です。素材そのままのやさしい味は、根強い人気を誇ります。私は、子どもの頃は干し柿があまり好きではありませんでしたが、大人になるにつれて、そのやさしい素朴な味がどんどん好きになりました。 秋の穏やかな空の下で、愛犬と美味しいものを作るという作業は、なんとも楽しい至福の時間です。さあ、秋本番、干し芋、干し柿を作るのに最適な季節です。ぜひ手作りしてみてはいかがでしょうか。 干し柿、干し芋はいつ頃から? 干し柿がいつ頃から食べられていたかというと、文献では、平安時代に祭礼用のお菓子としての記述があり、その後、千利休が茶菓子として用いていたり、戦国時代の武将たちに愛されていたりなど、その歴史は古いようです。 干し芋は、干し柿に比べるとそれほど歴史は古くありません。江戸時代後期に静岡県の御前崎で作られたのが始まりだそうです。 干し柿も干し芋も、干すことによって甘みが凝縮され、長く保存できるようになる、頼りになる食品です。そのままでは食べられない渋柿を、砂糖などの甘味料がまだ貴重だった時代に、甘いお菓子として、また保存食として、美味しい食べ物に変身させた先人たちの知恵は、ほんとうに素晴らしいですね。 干し芋と干し柿 犬が食べても大丈夫? 干し芋、干し柿を作る前に、犬は食べても大丈夫なのか調べてみました。 サツマイモは、炭水化物、カリウム、水溶性食物繊維を多く含んでいます。また、ビタミンB1,B2,C,Eとβカロテンを含みます。干し芋にする際に一度蒸しているので、消化吸収がよく整腸作用が期待できるそうです。さらに、天日干しをすることで、ビタミンの含有量も多くなります。 干し芋は、甘みが強く、かみごたえがあって、好きな犬も多いようです。我が家の愛犬あんも、大好きなおやつです。オーブントースターで少し焼くと、温かく柔らかくほんのり甘く、あんも「う〜ん美味しい〜」と思っているみたい。とても美味しそうに食べるので、ついついたくさん食べさせてあげたくなりますが、カロリーが気になるところです。 干し芋のカロリーは、100gあたり300kcal。ショートケーキ1個と同じくらいです。一日に犬に与えるおやつの量は、全体の食事量の10%ほどを目安にするとよいとされています。あんが一日に摂取したいカロリーは約700kcalなので、おやつは70kcal。干し芋では23gほどです。ほんのちょっとですね。小さくちぎって、お腹で詰まらせることがないように与えます。 一方の干し柿については、犬が食べるおやつとしてはあまり向いてないようです。カキそのものが、犬にとってはあまり消化のよいものではないなど、積極的に食べさせたい果物ではないからです。果糖が多く、干し柿となると、100gあたり276kcal。干し芋とほぼ同じですが、消化不良、肥満ということが心配になりますから、やはり避けたほうがよさそうです。 干し芋を作ろう 干し芋作りにおすすめのサツマイモは、人気の「安納芋」などのねっとりとした食感のものや、スイーツのように甘い「紅はるか」などがおいしくできるようです。 先日スーパーで「シルクスイート」というサツマイモを見つけました。シルクスイートは新しい品種で、「シルクのように滑らかな食感」が人気のお芋だそうです。今回、こちらのさつまいもで干し芋を作ってみました。「スルーっとしてふわっとした食感」なんて、どんなに美味しいでしょうか。でき上がりが楽しみ! 作り方 サツマイモを2〜3本用意し、よく洗います。 炊飯器に入れて、水3合あたりのメモリまで入れて、スイッチを入れます。または、蒸し器で蒸します。 竹串を刺して、中心まで柔らかくなっていれば大丈夫です。 皮をむき、スライスします(皮付きでも大丈夫です。お好みで)。 ネットに入れて吊るします。 2〜3日干してでき上がり。保存袋に入れて、冷蔵庫に入れます。 干し柿を作ろう 人間用に、干し柿も一緒に作りましょう。干し柿にするのは渋柿です。日光を浴びて、ゆっくりと水分を抜いていくうちに渋味が抜けて甘くなっていきます。 作り方は簡単! 皮をむいて、紐をつけて、干す、それだけです。 おいしく作るポイントは、低温で湿度が低い状態であること。ちょっとひんやり乾燥した陽気がベストです。だいたい気温15度を下回るようになったら干しどきのようです。週間予報で、15度以下で晴れの天気が続きそうなタイミングを見計らって干します。ちょうどその時に、よい渋柿が手に入ったらラッキー。美味しい干し柿を作りましょう。 作り方 渋柿と麻紐を用意します。 渋柿の皮をむきます。 ヘタのところに麻紐を結びつけていきます。 ヘタのところが「T字」になっていると、結びやすいです。干し柿用として出荷されたものは、ちゃんと「T字」に枝をカットされています。 煮沸消毒のために熱湯にさっとくぐらせます。ほんの数秒です。 風通しがよく日光が当たるところに吊るしておきます。 夜と雨の日は、部屋の中に入れます。4〜5日経って少し硬くなってきたら、やさしく揉みます。 1週間ほど経つと、中が柔らかく外が少し硬くなった状態になります。このくらいの半生も美味しいですね。様子をみながら、さらにもう1週間ほど干したらでき上がりです。干す期間はお好みで。 干している間は、カビに注意が必要です。毎日チェックして、カビそうになったら干すのはやめて冷蔵庫に入れます。半生状態のものは、なるべく早めに食べきるようにします。 愛犬と一緒にブレイクタイム 我が家の愛犬、柴犬のあんとは、だいたいいつも同じ部屋で過ごしています。同じ部屋にいるというのは、お互いの存在になんとなくホッとするような気持ちになるのですが、少々困ったこともあるんです。というのも、家事が一段落つき、「あぁ〜ちょっとクッキーでも食べようかな〜」なんて思っても、あんがいると食べられないのです。 ガサガサという袋を開ける音、冷蔵庫を開ける音など、おやつの気配を感じる音がすると、ぐっすり寝ていたはずなのに、あんははっと目を覚まします。あんに内緒でクッキーを食べようとしている私を、ソファーの上から首だけ起こしてじーっとみています。ただ黙って、眠たいのに、じーっとみています。「私にもちょうだい。」という顔ではなく、「あれーもうおやつの時間?」という顔です。 おやつを食べようかなと思ったとき、私はあんのあの顔を思い出して、こっそり一人でおやつにするのはちょっと気兼ねするようになりました。 おやつを食べるときは、いつもあんと一緒が基本です。おいしくできた手作りの干し芋を少し。安心して一緒に食べられるおやつがあると、あんも私も幸せなブレイクタイムです。干し芋、あんにも好評でした。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp 参考:『愛犬のためのホリスティック食材事典』
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ピンク色のカボチャとバラでスイートなハロウィンアレンジ
いよいよ秋本番! 今年のハロウィンはピンクで 10月31日はハロウィンですね。もうすっかり日本でも定番のイベントとなりました。小さなお子さんがいる家庭では、今年はどんな風に、ハロウィンのデコレーションをしようかと楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。 ハロウィンといえば、カボチャのオレンジ色とお化けの黒がメインカラーですが、年々バリエーションが増えていて、いろいろなアイデアが見られます。 例えば、Pinterestを覗いてみると、ここのところピンクのカボチャを多く目にするようになりました。“ピンクのカボチャ”は、ペイントで変身させたカボチャです。私も白いカボチャをピンク色に塗ってみました。今回は、可愛らしいピンクパンプキンとピンクのスプレーバラを使って、スイートなハロウィンアレンジをご紹介します。 ハロウィンカボチャの楽しみ方の注意点 カボチャの準備 ハロウィン用のカボチャはいろいろあります。カボチャらしい凹凸があるものや、オレンジの ようにツルッとしたもの。形はというと、丸いものから、細長いもの、ひょうたんのような形もあったり、岩のように巨大なサイズのカボチャもありますよね。色は、オレンジ、黄色、緑、白などさまざまです。 人気のあるカボチャは、早々に売り切れることもあるので、早めに購入しておいたほうが安心です。といっても、あまりに高温多湿な時期に購入してしまうと、本番までに傷んでしまうこともあり、 購入のタイミングが難しいところでもあります。 おばけランタンのようにくり抜いたり、カービングを施すと、傷みが早くなりますので要注意です。早めに準備をしておきたいという方は、よくできたフェイクのカボチャもあります。ペイントするのであれば、フェイクかぼちゃでも十分楽しめます。 カボチャをペイントしてみよう! ペイントの準備 DIY 用に買っておいた「アニー・スローン」の塗料を使いました。 アニー・スローンの塗料は、美しいビロードのような質感と、光沢を抑えたマットな仕上がりが特徴です。水性塗料なので扱いやすいのも嬉しいところ。建築材料の揮発性有機化合物の含有率が非常に低いということで、ほとんど無臭という点も気に入っています。 カボチャをペイントしてみよう! 基本の手順 「アニー・スローン」の塗料は、使う分だけ取り出して、すぐにそのまま塗れます。ツートンカラーにする場合は、マスキングテープを貼ってから塗ります。カボチャのデコボコの溝に塗料が入り込んでしまうので、マスキングテープは溝に合わせてぴったりと貼ります。 もっと簡単なペイントアイデア ブラシや特別な塗料を使わずに、ちょっとだけペイントしたいという場合は、アクリル絵の具と楊枝などを使ってもいいですね。楊枝の丸いほうを使って、ゴールドのアクリル絵の具でドットのライン模様を描いてみました。 小輪でたっぷりのスプレーバラと秋の花ケイトウでアレンジ 今回はトレイに乗せてデコレーションしたいので、花のアレンジは小さめに仕上げます。1本に3~4輪ついているスプレーバラを使うと、小輪のバラがたっぷりのアレンジに仕上げることができます。 同じピンクでも、少しニュアンスの違うスプレーバラを2種類選びました。色の濃いほうは、‘スプラッシュセンセーション’という名前で、カップ咲きのギザギザの花びらが特徴です。‘ファンシーローラ’のピンクはとても上品で優しい色合いです。どちらも、小さいながら存在感のある素敵なバラでおすすめです。 【使った花材】 ・‘ファンシーローラ’(SPバラ) ・‘スプラッシュセンセーション’(SPバラ) ・センニチコウ ・ケイトウ 【アレンジの手順】スプレーバラのアレンジ ガラスの器(直径8cm高さ6cm)に、バラを枝ごとに小分けにして入れていきます。こんもりドーム形になるようにします。 センニチコウは頭が少し飛び出すようにすると、動きが出ます。 表面はフラットに整えず、高低差をつけてデコボコにします。 【アレンジの手順】ケイトウのアレンジ バラだけではなく、何か季節感がプラスできるといいなぁと思い、秋の花の代表、ケイトウを使いました。バラのアレンジとは違うシルエットに、縦長に活けます。ガラスの器(直径8cm高さ6cm)に、垂直にケイトウを入れます。 柳の華奢なトレイにカボチャと一緒にアレンジ ガラスの器に活けた花とペイントしたカボチャを、一緒にトレイに乗せます。 トレイがあると、その上で一つのデコレーションが完成します。そして、トレイごとどこへでも移動させることができます。テーブルの上に置いたり、サイドテーブルに飾ったり、とても重宝です。 ここで使ったのは、リトアニアの小さな村の職人さんが手作りした柳のトレイです。フラワートレイという名前で紹介されていました。織るようなイメージで編んだという模様が、華奢でとても美しいトレイです。 本来は、摘んだ花を乗せて運ぶ用途のものなのかな、それでフラワートレイというのかな…と想像を巡らせています。 小さなバラのアレンジとホウキのようなケイトウ、それに小ぶりなカボチャ2つを乗せて、ハロウィンのデコレーションの完成です。 10月のブダペストは少し寂しく 10月の日本といえば、オレンジ色のカボチャをいたるところで目にします。ディスプレイもお菓子のパッケージも、いろいろなものがハロウィン仕様になっていますよね。 ヨーロッパはアメリカの文化は受け入れにくいという気風のせいか、ハロウィンの盛り上がりは日本ほどではないようで、特に十数年前のハンガリーでは、ジャック・オー・ランタンや、インテリアやディスプレイでハロウィンカボチャを見ることはほとんどなかったと思います。 私は、今から 15 年ほど前にハンガリーに住んでいました。ハンガリーの秋の訪れは早く、あっという間に寒い冬へと変化していきました。10 月になると、ブダペストの晩秋の、広く大きなドナウ河と小雨の降るひとけのない鎖橋を初めて見たときのことを思い出します。 私が初めてハンガリーの首都、ブダペストに降り立ったのは 10 月中旬のことでした。その年の日本は残暑が厳しく、10 月に入っても薄物の洋服で十分な気候でした。その感覚で出発してしまったので、ブダペストに到着してあまりの寒さに驚きました。船便で送ったダウンコートや厚手のセーターが手元に届くまで、まだまだ日数がかかり、スーツケースで持ってきた秋物の服ではこと足りず……。私は早速風邪をひき、1週間寝込んでしまいました。 風邪気味にもかかわらず、到着の翌日に初めてのブダペスト市内の観光に出かけました。ドナウ 川にかかる鎖橋は、勇壮で美しくて、圧倒されました。国会議事堂も、王宮も、世界文化遺産に登録されたブダペストの街並みは、それはそれは立派で威厳があり素晴らしいものでした。 その日は、あいにくの小雨の、しかも祝日ということで、市内の中心部なのに、有名な観光スポットなのに、人がちらほらで店も閉まっていて、なんとなくうら寂しい。古くどっしりとした石造りの建物は、暗く重苦しく感じました。 「あぁ、東欧の国に来ちゃったんだな」「ここで暮らすんだな」と思うと、体調が悪いことと重なって、とても心細い気持ちになりました。これが私のハンガリー暮らしの第一歩でした。 ブダペストに初雪が降り、長い冬が始まったのは、それからひと月もしないうちでした。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp
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レシピ・料理

犬が食べてよいフルーツといけないフルーツ【手づくりおやつのノンシュガーアップルマフィン】
犬はフルーツを食べてもよい? 味覚の秋。ブドウ、ナシ、リンゴ、ミカンなど果物の美味しい季節ですね。 私はフルーツが大好きですので、我が家にいる柴犬あんと一緒に美味しいフルーツを食べたいな、あんにも美味しいフルーツを食べさせたいなといつも思ってしまいます。テレビの映像で、こたつでおじいさんと仲よくミカンを食べているシーンや、リンゴを丸ごと豪快に食べている大型犬などを時々見かけます。 あんは、フルーツはあまり好んで食べません。気が向くと、小さくカットしたリンゴを1つ2つ食べる程度です。だから、フルーツ好きな犬が羨ましいなと思うのです。 ところで、そもそも犬は果物を食べてもいいのかなとふと思い、調べてみました。 犬が食べてもよいというフルーツで身近なものとしては、バナナ、リンゴ、イチゴ、ミカン、ブルーベリー、ナシ、スイカなどが挙げられています。 『元気で丈夫な子にするための「手作り犬ごはん」食材帖』には、以下のような記述があります。 「ビタミン、ミネラル、食物繊維などのほか、健康維持に役立つフラボノイド類やポリフェノール類、カロテノイドなどを含んでいます。低カロリーながら果糖を含み、甘みがあるので、好む犬が多いようです。果糖は腸での吸収が遅く、消化のスピードがゆっくりになるため、血糖値の上昇がゆるやか。その反面、果物は中性脂肪に変わりやすいので、摂取カロリーの10%以内に収めて与える必要があります。」 やはり、甘くて美味しいフルーツは、好きだからといっても食べ過ぎは禁物ですね。そして、中毒やアレルギーを引き起こす成分が入っているフルーツもあるので、気をつけて与えたいものです。 犬が食べてはいけないフルーツ「ブドウ」 ブドウは、玉ねぎやチョコレートと同様、中毒症状を引き起こす食べ物と分かってきました。 ブドウの危険性は、2000年代に入ってからアメリカやイギリスで、ブドウを大量に食べた犬が中毒症状を引き起こした、という報告があったことで認識されるようになったそうです。ブドウのどんな成分が影響しているのかは、まだ解明されていないようですが、腎不全を引き起こし、場合によっては重症化し死亡してしまうという報告もあるとのことですから、絶対に与えないようにしましょう。 その一方で、ブドウに危険性はないという意見もあるようで、どう考えればよいか分からなくなりますが、飼い主としては、危険かもしれないという食物はやはり避けたいものです。 干しぶどうは、成分が凝縮されているので、少量でも危険! レーズンパンからポロっと落ちた干しブドウを、愛犬が食べてしまうことがありえなくはありません。身近にある食材ですので、十分に気をつけないといけないですね。 どのくらいの量のブドウを食べたら中毒症状が出るかとか、中毒症状が出るまでの時間などは、それぞれの犬によって違うので、少量であっても与えないようにということです。また、ブドウを食べても全く症状の出ない犬もいるようで、まだまだ分からないことだらけです。もし愛犬が食べてしまったら、すぐに病院へ連れて行くことが大切です。 我が家の犬は、勝手に何かを食べることはしないのですが、丸いボール状のものが大好きなので、ブドウをボールのようにして遊んでいるうちに中毒を引き起こしてしまうなんてことがあるかもしれません。床にブドウが落ちていることはそうそうありませんが、屋内に犬がいる場合は、こういう危険があることをいつも頭に入れておきたいと思います。 手づくりおやつ「ノンシュガーのリンゴたっぷりマフィン」 愛犬にフルーツを食べて欲しいなと思い、フルーツを使ったおやつを作りました。ノンシュガーでリンゴの美味しさそのままの、アップルマフィンです。 リンゴは栄養価が高く、整腸作用のある水溶性食物繊維のペクチン、利尿作用のあるカリウム、効率のよいエネルギー源になるブドウ糖や果糖が豊富なフルーツです。まさに「1日1個のリンゴは医者いらず」ですね。 リンゴをしっかり味わえることと、食べやすくするために、リンゴはなるべく小さな角切りにして、たっぷりと入れるのがコツです。 犬に与えるときは、小さくちぎって、喉に詰まらせないように注意してくださいね。また、与える量にも気をつけてください。 【材料】 リンゴ 1/2個 卵 1個 ヨーグルト 大さじ2 オリーブオイル 小さじ1 薄力粉 100g(米粉でも代用可) ベーキングパウダー(アルミフリー) 小さじ1 【作り方】 リンゴを3~4mm角くらいの大きさにカットしておく。 卵→ヨーグルト→オリーブオイルを順に入れてよく混ぜる。 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるって混ぜ合わせる。 カットしておいたリンゴを混ぜる。 マフィン型に敷紙をセットして生地を入れる。 180℃のオーブンで25分焼く。 ノンオイルでもよいのですが、オリーブオイルを少量入れました。オリーブオイルは、よく知られているように、悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにする油です。カロリーが気になっていたり、投薬中のワンちゃんには油を入れないで作ってください。 あんの散歩の楽しみ 「季節限定、柑橘ボールはちょっと危険も」 我が家の柴犬あんの朝の散歩は、自宅からほど近い駿府城(すんぷじょう)公園へと行きます。お堀に沿って、「家康公の散歩道」という遊歩道が整備されています。散歩道の両側にツツジ並木が続き、そのツツジの上に枝が出るように夏ミカンの木が植えられています。 ゴールデンウィークの頃には、ツツジの花が咲き、とてもきれいな散歩道です。ツツジに続いて夏ミカンの花も咲き、甘いよい香りが家康公の散歩道に広がります。早朝の清々しい空気の中に漂う夏ミカンの花の香りは、まさに天然のアロマセラピーです。 花の後は、小さな実がたくさんつくのですが、大きくなる過程で、道路にポツポツと実が落ち始めます。はじめは小さな実が、だんだん落ちている実も大きなものになっていきます。柑橘類は、強風などによって振り落とされる物理的落果と、樹の特性や栄養条件が原因になる生理的落果があるとのこと。6月にこの生理的落果が発生しやすいことから、「ジューン・ドロップ」というそうです。 そう、それで、その落ちた実をボールのようにして、散歩の帰り道、あんと柑橘ボール蹴りをするのがこの時期の楽しみとなっています。 ところが、何しろこの柑橘ボールは、夏ミカンの青い実です。あんが、ガブっとちょっと強めに噛んでしまうと、かなり苦かったらしく、「うえーっ」という感じで、舌でペッペッという仕草をします(最近になって、オレンジには犬が中毒を起こす「ソラレン」という天然毒素が含まれていると知りました。夏ミカンも同じ柑橘類ですから、皮をかじったりしないように注意しないといけません)。 あんは、一度苦い思いをすると、次からは噛まずに鼻先や足でとめるようにするのですが、興奮してくると、ついガブっとしてしまいます。こんな風に柑橘ボール蹴りをしながら小走りすると、寄り道もせず夢中で柑橘ボールを追いかけるので、いつもより早く家に着き、私はちょっと時短ができて嬉しくもあり、柑橘ボール、大歓迎。ほどよくランニングもできて楽しい散歩時間ですが、天然毒素が心配です。 10月の夏ミカンの実は、普通のミカンくらいの大きさまでに成長してきました。生理的落果をしたはずですが、青々とした実がたくさんなっています。今の時期は、家康公の散歩道に柑橘ボールの姿はなく、あんは少し残念そうです。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp
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アレンジ

毎日の花飾りに使うガラス器 ダリアを3タイプの器にアレンジ
一年を通じて重宝するガラスの花器 ガラスの花器は、夏はもちろん、一年を通して重宝に使えるフラワーベースです。大きなもの、小さなもの、背の高いもの、直線的なもの、丸みのあるもの、シンプルなもの、デコラティブなものなど、いろいろなバリエーションがありますね。ガラス製の器に活けると、どんな花でも間違いなく映えます! だから私は大好きです。 まだまだ残暑が厳しい時期ではありますが、ガラスのベースを使って初秋の花を飾り、涼しく楽しみましょう。 花器の水替えを朝の習慣にしましょう ガラスの花器で一番気になるのは、中が透けて見えること。茎の見え方、水の見え方に気を配りたいところですね。ガラスの器は、透明感がポイントになりますから、水が新鮮であることはとても重要です。 ところが、夏は毎日水を替えても、夕方には濁って見えることがあります。エアコンの効いた部屋であれば、それほど濁らないのですが、それでもやはり気になりますよね。 ある雑誌で「朝の儀式」というテーマの連載がありました。そこには、各分野で活躍されている素敵な女性たちの、朝の時間の過ごし方が紹介されていました。「庭の手入れをする」とか「花を活ける」「花瓶の水を替える」と挙げている方々もいらっしゃいました。それを読んで、やはり朝は植物に触れる人が多いのだなぁと思いました。 花瓶が1つでも2つでも、大きくても小さくても、必ず部屋に花が活けてある、花のある暮らしをしているのっていいなと思いますし、その花瓶の水を替えることから、その日一日をスタートさせるのは、とても気持ちのよいことだなと思います。ぜひ、花を活けることとセットで、朝の水替えを習慣にしていけるといいですよね。 私はといえば、コップ一杯の白湯を飲んで、犬を起こして散歩に行くことから一日が始まります。 ガラスの器の中に入れる水の量 じつは、花器に入れる水の量に、茎が腐らず、水が濁りにくくなるコツがあります。花器にたっぷりの水を入れて花を活けると、水に浸かっ ている茎の面積が大きいため、バクテリアが繁殖しやすく、水が腐りやすくなります。 暑い季節は、気温(室温)が上昇すると、花瓶の水の温度も上がってぬるくなります。このぬるい水が、バクテリアが繁殖するのに好条件となってしまうのです。バクテリアが繁殖した水に花を活けていると、バクテリアが茎に入り込み、植物が水を吸いづらくしてしまうのです。 花それぞれには、適切な水の量があります。花器に数センチ程度の「浅水」に適している花と、たっぷりの水を入れる「深水」に適している花に分けられます。 「浅水」に適している花は、茎にうぶ毛が生えているヒマワリやガーベラ、ダリアなどのキク科の植物、茎が柔らかいカラー、それからカーネーションやトルコキキョウなども浅水にします。また、チューリップ、ヒヤシンスなどの球根花は、吸収がよすぎて早く咲き終わってしまうので、浅水にしたほうがゆっくり楽しめます。 「深水」に向いている花は、アジサイやライラック、バラといわれています。その他、細くて硬い茎は、深水でも大丈夫なようです。 できれば、毎日の水替えの時に合わせて「切り戻し」(茎の切り口を1~2cmカット)をすると、切り口が新鮮に保てます。その際、水中で切る(「水切り」をする)とより効果的です(切り口から空気が入ると導管内で気泡となり、水の移動が止まってしまうことがあるため)。 花器の中の水の量と、水替えや切り戻しをして、いつも清潔にすることが大切です。 ダリアを使った3つのガラス器のアレンジ 秋に見頃を迎えるダリアは、2000年頃から切り花として盛んに流通するようになったそうです。大輪の華やかなダリア、ポンポン咲きのカラフルなダリア、どのタイプも目を引く美しい花ですね。世界中の人々に人気があるのもうなずけます。 中輪でスイレン咲き、淡いフラミンゴのような色の‘ムーンワルツ’という素敵な名前のダリアを、3つのガラスの器に活けてみました。 タマゴ形の大ぶりな器に「一種活け」 中輪のダリアで、茎も長めの50cmというサイズ。長さを生かして、高さのある器にダリアだけを一種、活けました。 存在感のある花ですので、一種活けでもボリュームたっぷりです。花同士がなるべく重ならないように、あちこち向くようにすると、花びらが蒸れず、平面的な印象にもなりません。 ダリアは高温多湿が苦手ですので、まだ気温が高い季節でしたら、風通しをよくするように気をつけます。 口のつぼまった器に「ナチュラルにアレンジ」 ダリアは、庭に咲く花ともよく合いますので、色が緑色に変化してきたアナベルとセージ、少し小ぶりなオレンジ色のダリアと合わせてアレンジしました。 口径が広く低い器に「短くカットしてアレンジ」 アナベルと、オレンジ色のダリア、白のダリアと、ムーンワルツの3色のダリアを、こんもりとドーム形にまとめました。 私の好きな球形のガラスの器 いろいろあるガラスの花器の中で、私が一番好きなものはというと、球形の丸い器です。丸いフォルムが優しい雰囲気で、意外とどんな花にも似合います。 このボール形の器は、イギリス人フラワーデザイナーのジェーン・パッカーさんが来日してレッスンをされた時に使われたものです。東京・銀座にジェーン・パッッカーフラワースクールがあった頃、ご本人が来日して直接指導してくださるというレッスンを、私は2度ほど受講したことがあります。その2回とも、この球形の器を使ってのレッスンでした。 一回は、チューリップを使ったアレンジ、もう一回はトピアリー風のアレンジだったか、こちらは記憶が曖昧なのですが、チューリップのアレンジのほうは大好きなデザインでしたので、今でもよく覚えています。もう10年以上前のことになるでしょうか。 ジェーン・パッカーさんは、ロイヤルウエディングのブーケを手がけたり、ロンドンオリンピックのヴィクトリーブーケもデザインされて、世界的にとても人気のあるフラワーデザイナーでした。 初めてジェーン・パッカーさんのアレンジを見たとき、これまでのフラワーアレンジメントとはぜんぜん違うスタイルで、とても驚きました。そのときの印象は、「葉っぱがない!」「花がいっぱい!」。バラの花首だけを揃えて活けるデザインや、同じ種類で同じ色の花を集めて活ける(グルーピング)デザインは、ジェーン・パッカーさんの特徴的なスタイルといわれています。 とても華やかで可愛らしく、フェミニンな雰囲気のアレンジに、私はすっかり魅了されてしまいました。 ジェーン・パッカーさんは、世界中の人に新しい素敵な花の世界を広げてくださり、2011年に若くしてこの世を去ってしまいました。 気取らない毎日の花活けには、小さなガラスの器で 私は、庭で摘んだ花などを活けるのが好きです。小さなガラスの器に小さな花を活けるのは、毎日気軽に楽しめる、気取らない花アレンジです。こういうアレンジには、ガラスの器がとても重宝します。 いつも母は、庭に咲いている花を3~4本摘んで、コップやおまけで付いてきたようなワイングラスにポンと入れて、テーブルや台所の窓辺に飾っています。 子どもの頃からその様子を見てきた影響でしょうか。私もいつの間にか、母がしている、ガラスに小さな花を活ける習慣を真似するようになっていました。 じつはこのスタイルが、一番心地よい私の花活けのスタイルのように思っています。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp





















