うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-の記事
-
アレンジ

紺碧のフラワーベースに似合う夏のアレンジ
Henry Deanの紺碧のフラワーベース いよいよ夏本番! 今年も暑くなる予報です。 夏は、見た目にも涼しいフラワーアレンジで楽しみたいですね。 もうだいぶ前になりますが、Henry Deanの青いフラワーベースを買いました。きれいな青、紺碧というのでしょうか、この青い色に惹かれました。 Henry Deanはベルギーの小さな町で始められた、吹きガラスのブランド。デザイナーのDean氏は、「旅と読書とモダンアート、そして何よりもガラスを愛し、日々の生活の中でふと浮かんだ映像をガラスによって表現し、多くの作品を作ってきた」そうです。この青いフラワーベースは、何からイメージしてデザインされたのでしょうか。 旅がお好きということですから、どこか景色のよいところ、例えば、コート・ダジュールの青い海? 南仏プロヴァンスの青い空? 私はまだ行ったことがないのですが、イタリアの青の洞窟も、きっとこんな深い青い色なのではないかしら〜と想像しました。 いつもは透明のガラスベースや、白い花器を使うことが多いのですが、今回は、このインパクトのある色付きのガラスのベースに似合う花アレンジをしたいと思います。 青いフラワーベースのアレンジ4つ 青いベースを使う時は、同色のブルー系の花を選ぶと、やはりまとめやすいです。ここでは、夏の青い花をメインにした3つのアレンジと、葉っぱだけのアレンジをご紹介します。 Type1 色が変化するブルースターとアジサイで <使った花> ブルースター アジサイ ブルースターという花は、初めはきれいな水色で、だんだんと薄紫から薄いピンク色に変化していきます。 ウエディングブーケのサムシングブルーとして使われるなど、とても人気のある花です。丸い花弁が可愛いですね。お庭で育てているという方も多いのではないでしょうか。 ブルースターの茎や葉をカットすると、ミルクのような白い液が出ますので、水で洗い流すようにします。 庭のアジサイはピークを過ぎて、だんだんアンティークカラーへと変化しはじめました。最盛期の爽やかなブルーも好きですが、ちょっと落ち着いたアンティークカラーもニュアンスがあって素敵なんですよね。色の変化が楽しめる2種類の花でアレンジしました。 それぞれの花はまとめて入れて、コンパクトに。 Type2 クレマチス‘ロウグチ’とブルースター <使った花> クレマチス‘ロウグチ’ ブルースター カリフォルニアライラック 青紫色のクレマチス‘ロウグチ’と、水色のブルースターを合わせました。 クレマチスの茎の動きを生かすところがポイントです。自由な動きを楽しんでください。 ブルースターは、まとめていくつかのグループにして入れます。 Type3 庭の花を足して その1 <使った花> クレマチス‘ロウグチ’ ブルースター 薄紫のサフィニア ミント アメリカノリノキ‘アナベル’ Type2のアレンジに、庭の花をプラス。ナチュラルな雰囲気になります。 自分で育てた花を少しプラスすると、より自分らしい花スタイルになる感じがして、私はとても好きです。 その2 <使った花> クレマチス‘ロウグチ’ ブルースター カリブラコア ビオラ アメリカノリノキ‘アナベル’ もう一つは、差し色に、濃いめのピンクを選んで合わせました。 数本入れるだけで、華やかになります。 Type4 グリーンを多めに <使った植物> ギボウシ ミント ブルーベリー ワイヤープランツ ヒペリカム アジサイの葉 など。 葉ものを中心に組み合わせました。 華やかさはありませんが、青いベースとの相性はよいと思います。夏らしい雰囲気になりますね。実のついたものを入れると、グリーン一色の中に変化が出ます。 ご紹介した4つのアレンジは、どれも投げ入れです。色の濃いフラワーベースですので、透明のものほど、ベースの中の茎の入り方が気にならず、ずっと気楽に生けられるのが嬉しいですね(透かすと見えるけれど…)。 アジュール(Azur)「紺碧」という色 今回使ったフラワーベースは、光に透けると、海の中のような、上から見た透明感のある美しい海のような、どこまでも抜ける高い空のような、そんな青い色です。 コート・ダジュール(Côte d'Azur)のアジュール(Azur)は、日本語で「紺碧」。アズールともいいます。 調べてみると、 「紺碧(こんぺき)とは、真夏の日差しの強い青空の色のような深く濃い青色のことです。濃い青色の『紺色』と強い青緑色の『碧色』と青を表す文字が繰り返されていることから、「紺碧の空」「紺碧の海」のように濃く美しい青の表現によく使われます」 (『伝統色のいろは』より) とあります。 「紺碧」とは、深く濃い、そして美しい「青い色」なのです。 ピーター・メイル氏の南仏プロヴァンス 紺碧の海、青い空といえば、コート・ダジュール、南仏プロヴァンス! 私は、ピーター・メイルさんの「南仏プロヴァンス」シリーズの大ファンでした。 『南仏プロヴァンスの12か月』『南仏プロヴァンスの木陰から』が出版されて少し経った頃、私はパリに住んでいました。この本が世界中で大ブームになっていると知り、日本から旅行に来る友人にお願いして、この本を持ってきてもらいました。当時のパリでは、今のようにインターネットもなく、日本のテレビ番組を見ることもできず、日本の新聞や雑誌、書籍類はとても高額で、現地で買う気にはなれませんでした。書籍や雑誌などは知り合いになった日本人同士で、貸したり借りたりしていたため、本や雑誌は貴重品でした。待望のこの『南仏プロヴァンス〜』が届き、毎日楽しみに読んだことをよく覚えています。 本では、外国人がフランスで暮らすにあたっての苦労が、ユーモアたっぷり皮肉たっぷりに描かれています。ちょうど私たちがパリで体験していることと重なり、「そうそう! フランスってそういうところあるよね〜」と、思い当たることがたくさんあり、クスッと笑ってしまう場面も多くて、とても面白く楽しく読みました。 毎日読み進めるにつれて、南仏プロヴァンスへの憧れもどんどん高まっていき、ぜ〜ったいプロヴァンスに行きたい! と思うようになりました。 この本の影響で、世界中でどれほどの人がプロヴァンスへと思いを馳せたのでしょうか。後から、プロヴァンスに観光客が押し寄せて大変なことになったと何かで知りました。やはりどの国の人も、同じことを感じるのだなと思ったことを覚えています。 この本を読むまでは、ニースやカンヌ、マルセイユなど有名な地名は知っていましたが、プロヴァンス地方の、エクサンプロヴァンス、レ・ボー、ニーム、カヴァイヨン、ボニュー、リュベロンなどはまったく知りませんでした。本のおかげでずいぶん詳しくなり、実際に旅行で訪れた際にも、なんだかとても親近感があって、初めて訪れた感じがしませんでした! は、ちょっと大袈裟ですね〜。 かの地への旅行中は毎日お天気がよく、カラッとした暑さで、「うんうん、南仏プロヴァンスはこういうところ」というのを実感しました。のどかで、全てのことに自信があって、いろいろな意味で豊かなところだなという印象を受けました。そう感じさせる著者のプロヴァンス愛が、読み手にもそのように思わせるのかもしれません。読んでいて愉しくなる一冊です。 初めて読んだ頃から、もう30年近くが経ちます。今読んだらまた違う感想を持つかもしれません。この夏は、ふたたび『南仏プロヴァンス〜』シリーズを読んで、プロヴァンスを旅している気分に浸りたいと思います。 ピーター・メイルさんは2018年1月に惜しまれつつ亡くなりました。遺作は翌年に出版された『南仏プロヴァンスの25年 あの頃と今』。こちらも読もうと本棚に入れてあります。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp
-
アレンジ

とっておきのベースに大好きな花を。北欧デザインのフラワーベースに活けるガーデニア
季節限定の花! ガーデニアを とっておきのフラワーベースに クチナシ、アナベル、アジサイなど、初夏の庭を彩る花が咲いています。 クチナシ、特に八重咲きのオオヤエクチナシ(ガーデニア)は、優雅でとても美しいですね。ガーデニアのファンの方は世界中にたくさんいらっしゃることでしょう。私も大好きな花の一つです。花びらの質感、白色の白さ、花びらの重なり方。完璧な美しさです! そして、香りにも魅了されてしまいます。 実家のキッチンの出入り口から庭に通じるところの階段沿いに、ガーデニアの木が1本あります。最初は小さな木で、花も2〜3輪ほどしか咲きませんでしたが、年々成長し、今ではたくさんの花が咲くようになりました。その階段をのぼるとき、花数が増えたのに比例して、ますます濃厚な香りに包まれます。ここを通るのが、家族だけなのがもったいないほどです。 大好きな花、お気に入りの花は、いつも使っている花瓶ではなく、ちょっとお洒落な、とっておきのベースに活けたいなという思いになります。 一年に一度、ほんの短い間だけ華麗に咲くガーデニアを、とびっきり素敵に活けるには、どんな花器が似合うかなと探してみました。 デザインチックなフラワーベースは難しい? デザインの素晴らしいフラワーベースに花を活けるとき、あまりにも個性的なベースだと、かえってデザインに呑まれてしまうということがあるなと思っていました。デザインを生かしきれないように感じてしまうのです。 じつは、今回のアレンジメントに使用した「アルヴァ・アアルト」のガラスのベースも、そんな風に感じていたフラワーベースの一つでした。 曲線のデザインが美しく、「なんて素敵なベース!!」と思い、買ってはみたものの、うーん、どうもしっくりする花活けになりません。この雲のような花びらのような独特な曲線を活かすにはどうしたらいいのかと、いつも迷ってしまいます。 この記事を読んでくださっている読者の方も、もしかすると、どう使おうかなと迷っている個性的な花瓶をお持ちではないでしょうか。 人気のフラワーベース、北欧デザインiittalaのガラスのベース 北欧のブランドiittala (イッタラ)から出されているこのガラスのフラワーベースは、フィンランドを代表するデザインの巨匠、アルヴァ・アアルト氏により1936年に発表された作品です。通称、「世界で一番有名で、一番美しい花瓶」。私が「雲のような形」と思ったこのフォルムは、フィンランドの湖の形、白樺の断面の形など諸説いろいろあるようです。 今でもイッタラの工房で、熟練の職人さんが7人がかりで、手吹きで制作されています。以前テレビ番組で、この工房が紹介されていました。職人さんが持つ長い棒の先に、この湖の形、雲の形の曲線がグニャ〜とでき上がっていく様子を、「わぁ、こんな風に作っているー」と、とても面白くワクワクしながら見ました。 色はいくつかあるようですが、私が持っているのは透明のクリアタイプ。ガラスのベースのよいところは、透明で清涼感があるところですが、水の中、茎が丸見えなのは注意を要するところです。 サイズは一番小さなものです。小スペースのところに少しの花を活けて飾れるので、小さな花を活けるのが好きな私にとっては、とても使い勝手がよいサイズです。それに、このフラワーベースは、このままサイドテーブルに置いておくだけでも雰囲気があります。 とはいえ、やはりお花を入れて楽しみたいですね。ちょっと使いどころが難しく感じていたアルヴァ・アアルトのベースですが、じつは、大好きな花や季節の花をポンと入れるだけで、ちゃんと魅せてくれるフラワーベース。とてもスタイリッシュに、素敵に花を引き立ててくれるのです。 花選びと活け方 一種活け、一色活けなど、シンプルなアレンジをご紹介します。花も、ガラスのベースも、どちらも美しく見えるようにアレンジしましょう。 <一種活け> 初心者さんなら、まずは一種活けがおすすめです。一種活けにすると、茎も同じ形状なので、水の中がごちゃごちゃに見えないところも利点です。どの花を活けるか、花選びがポイントになりますね。 もともと器が小さいですから、花の本数も少なくて大丈夫。カーブした器の形をうまく使って、花留めにしましょう。 *ガーデニア ガーデニアの葉はツヤツヤとしていて、明るい緑色。ここでは葉っぱも一緒に活けます。あまり背を高くしないようにしましょう。少し大きな花だと重たいので、器の縁に載せるような感じで入れて、留めるようにします。 *アジサイ 器の中にたっぷりの水を入れて、アジサイの花を活けます。器から、モリモリとアジサイが湧き出るようなイメージで、高低差をつけましょう。 今回は、白のアジサイを活けましたが、フィンランドの湖の形をイメージした器なら、水色のアジサイもぴったりではないでしょうか。 *アナベル アナベルだけでシンプルに活けます。フラワーベースの独特な輪郭を生かして、アナベルを入れましょう。撮影時はまだグリーンアナベルでした。 <一色活け> フラワーアレンジメントの時は、一色でまとめて活けるのもおすすめです。一色といっても、葉の緑色を入れると2色になってしまいますが、純白のガーデニアと、白いアジサイを合わせて、グリーンをアクセントにしました。 ガーデニアの香り、プルメリアの香り ガーデニアの香りは、甘く濃厚。どこか南の島のリゾート地でリラックスしているような気分になりませんか? 7年ほど前まで、私はシンガポールに住んでいました。シンガポールでは、街でよくプルメリアの木を見かけました。プルメリアの花の香りも、ガーデニアのような甘い優雅な香りです。熱帯性モンスーン気候のシンガポール。じっとり暑い中、木陰に入っていると、どこからともなく甘い香りが漂ってきて……あれはプルメリアの香りだったのかなと思い出されます。 湿気があり、暑さも増してくるこの季節、日本の初夏に咲く花ガーデニアは、南の国の花プルメリアと重なります。そういえば、一重咲きのクチナシとプルメリアは、花の形もなんとなく似ているようですね。 ガーデニアの花言葉は、初夏の風に運ばれてくる甘い香りから、「喜びを運ぶ」というのだそうです。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp
-
植物の効能

換毛期は犬の衣替え。おうちでシャンプー。アーユルヴェーダのハーブパックでサロンの仕上がりに!?
日本原産の柴犬、アンダーコートが抜ける季節 柴犬をはじめとする日本犬は、抜け毛が多いことで、飼い主をおおいに悩ませます。一年のうちでもっともよく抜ける春から初夏にかけての今の時期は、我が家でも、愛犬の柴犬の抜け毛がふわふわとフローリングの上を舞っていて、1日に何度も掃除をしなくてはいけない状況です。 犬の被毛は、大きく分けて、シングルコートとダブルコートの2種類があります。ダブルコートの場合は、外側にオーバーコート、内側にはそれよりも短くて柔らかいアンダーコート(下毛)と二層になっています。柴犬のようにダブルコートの被毛を持つ犬は、皮膚を水や紫外線から守るアンダーコートがモフモフとたっぷり生えています。 さて、四季のはっきりしている日本で生まれ育った柴犬は、人間が厚いコートを脱ぐように、冬の間寒さから身を守っていた冬毛をゴッソリと脱ぎ捨てます。「あら〜スリムになったわね〜」と言われるほど、見た目にも差がはっきりと分かるくらい毛が抜けるのです。 アンダーコートは、抜けてもそのままになっていることもあり、これを放っておくと匂いや皮膚トラブルの元になってしまいます。次に寒くなる前、冬毛の準備をするときのためにも、古い毛はしっかり脱ぎ捨てておくことが大切になります。そのためには、毎日のブラッシングと定期的なシャンプーが大切です。 おうちでシャンプー この換毛期の大事な時期は、念入りなレイキングもしたいということで、私はペットサロンでプロのトリマーさんにお願いしています。 今年は、緊急事態宣言によってペットサロンが休業されていましたので、自宅でシャンプーをすることにしました。抜け毛の少ない時期には、もちろん自宅でシャンプーをすることもありますが、仕上がりは、やはりプロのトリマーさんにはかなわないですね。 我が家の愛犬あんは、サロンでもおとなしく、シャンプーやドライヤーを嫌がることがないとトリマーさんから褒められます。きっと、トリマーさんが優しく、犬を不安な気持ちにさせないように接してくださるからだと思います。 自宅でも、暴れたり嫌がったりしません。シャンプーの時は、ちょっと目を細めたりして、気持ちよさそうにも見えます。 慣れた自分の家で、飼い主の手でシャンプーされることは、あんにとって、より安心した気持ちと嬉しい気持ちなのではないかと想像します。シャンプーの後のお掃除や何枚ものタオルの洗濯などが面倒で、つい「サロンに……」と思うところもありますが、あんの気持ちを思うと、飼い主が責任と愛情を持ってシャンプーすることは大事なことかなと思います。 ハーブパックとは? 以前、ペットサロンで体験したハーブパックが、自宅でもできるというお試しパックを見つけました。せっかくなので、ハーブパックにもトライしました。 ハーブパックとは、皮膚を健康に保つ作用と被毛を美しくする作用に優れたハーブのパウダーを、ぬるま湯で溶きペースト状にして犬の被毛に塗布するものです。 今回のパックで使われているハーブは、殺菌・消臭・虫よけハーブとして有名な「ニーム」と、被毛にボリューム・ハリ・つやを与え、抗菌作用のある「カシア」、保湿・消炎・皮脂コントロールをする「アロエベラ」です。ハーブが被毛を清潔に保ち、気になる匂いを軽減し、ダニ・ノミの予防にもなるとのことです。 「ニーム」は、インドでは"ミラクルニーム"とも呼ばれ、数千年も昔から虫除けや、民間の治療薬として広く使われてきました。現在でもインドの家庭では常備薬としてニームが置かれていて、インドの伝統医学アーユルヴェーダでも重要な薬用ハーブとして活用されています。 じつは私も、愛犬あんの虫除けのために、鉢植えで何度かニームの木の栽培に挑戦しました。でも、冬を過ぎると元気がなくなり枯れてしまいました。ニームの木の栽培は難しいので、パウダーになったハーブパックでニームの効果を試してみようと思いました。 アーユルヴェーダをペットに アーユルヴェーダとは、サンスクリット語のアーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/科学)を組み合わせた「生命科学」という意味と、自己治療の科学 (Science of Self-Healing)という意味があるとされています。五千年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療です。世界四大医学(アーユルヴェーダ、中医学、チベット、ユナニ)の一つで、漢方の起源ともいわれているそうです。 アーユルヴェーダの基本は、植物やハーブなど自然の恵みから得たものを利用して、健康を増進させるという考えです。 あらゆる生物は、生まれつき外部からの刺激に対応して、健康を保とうとする働きを備えています。その働きを、「自然治癒力」といいます。自然治癒力が十分に働いていれば病気になることはなく、健康な状態を維持することができるということです。 自然の恵みを利用し、副作用などの心配がなく、そして身体に負担をかけることなく、日頃のお手入れに取り入れることができれば、犬も飼い主も、理想的で嬉しいことですね。 ハーブパックを実践 <手順> ハーブパウダーを溶いて、ハーブペースを作っておきます。 柴犬(体重10kg)の場合、ハーブ(パウダー)25g+ぬるま湯250〜300mlを500mlのペットボトルに入れて、よく振って混ぜます。 1回目のシャンプーをします。 ハーブのペーストを犬の被毛に塗布します。 本来は、「被毛を手で分けて皮膚に密着させるようにペーストを塗る」とされていますが、なるべく手短かに身体全体にさっと塗るようにしました。 2〜3分後、よく洗い流します。 2度目のシャンプーをします。 トリートメントをします。 タオルドライをした後、ドライヤーで乾かします。 今回は、自宅では初めてのハーブパックでしたので、ペーストを少なめにして軽く塗布して洗い流しました。 気をつけて流したつもりでしたが、乾いたあとで見てみると、お尻の白い毛の辺りが、うっすら緑色が残っていました。これは、濡れたタオルで拭いたらすぐに落ちました。 オーガニックハーブということで、犬への刺激やアレルギーの心配は少ないとのことですが、初めて使う場合は、嫌がらないか、痒がらないか、アレルギー反応はないか、色が残らないか、十分にテストしてから使用しましょう。 ハーブパック後は、匂いもなく、全身ツヤツヤさらさらに。サロンのような!? 仕上がりでした。このハーブパックには、虫除けの効果もあるとのことですので、これからの季節にも続けて取り入れてみたいと思います。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp 参考文献:『柴犬』西東社 ホリスティックケア・カウンセラー養成講座 Vol.1、Vol.2
-
アレンジ

フレッシュハーブのシーズン到来! タッジーマッジー&ノーズゲイでリフレッシュ!
ハーブのブーケ ハーブが勢いよく茂る季節になってきました。庭でも、ベランダでも、きれいな黄緑色のミントの葉が、清々しい気分にさせてくれます。 「Tussie-mussie タッジーマッジー」という言葉を、どこかで耳にしたことがある方も多いと思います。呪文のようなこの言葉は、ハーブで作る香りのよい花束のことです。 中世のヨーロッパでは、街中の衛生状態が悪く、悪臭や不衛生な環境に悩まされ、伝染病も蔓延していました。人々は、自分の身を守るために、殺菌、抗菌、防臭効果のあるハーブを束にして持ち歩いていたといわれています。また、このブーケは悪霊から身を守るための魔除けとしても用いられていました。 今日、新型コロナウイルスの感染拡大の心配が続いています。現代ではタッジーマッジーを持ち歩くことは現実的ではありませんが、お部屋に飾ることはぜひ真似したいですね。元気のよい緑色の、フレッシュな香りのハーブが身近にあるだけで、気分がすっきりしますよ。 実家の庭でミントをたくさん摘んで帰るとき、車中はミントの爽やかな香りでいっぱい。眠気も吹っ飛び、気分爽快に車を走らせることができます。電車で帰るときも、混んだ車内の私の周りだけがすっきり爽やか。やはりミントの清涼感はすごいなと、いつも実感するのです。 それでは、ハーブの花束、タッジーマッジーと、香りの小さな花束、ノーズゲイの作り方をご紹介します。 ミントとマトリカリアのタッジーマッジー ミントの仲間は、ハーブの中でも特に生育が旺盛で、どんどん増えていきますね。広がりすぎて、ちょっと困ることもあるくらいです。庭にはアップルミント、スペアミント、ペパーミントが、毎年必ず新しい芽を出し、勢いよく繁っています。ですが、私のお気に入りの可愛い斑入りのパイナップルミントは、いつの間にかどこにも芽を出さなくなってしまいました。ミントは交雑しやすい植物ということですので、きっとアップルパイナップルミント(!?)になってしまったのでしょう。 タッジーマッジーは、持ち歩くことを考えると、本来はそれほどボリュームのあるものではありません。ですが、あれもこれもとたくさんのハーブを束ねていたら、ご覧のような大きなブーケになってしまいました。お部屋に飾るのでしたら、このくらい大きくてもいいですね。 <使ったハーブ> アップルミント スペアミント ペパーミント レモンバーム フェンネル マトリカリア ギリア アルケミラ・ロブスター シュンギクの花(黄色) <手順> 手で握る部分より下、または、花瓶の水に浸かる部分の葉っぱを、きれいに取り除いておきます。 アルケミラ・ロブスターをクッションにして、ミントやマトリカリア、ギリアなどを、配色よく組んでいきます。 組む時は、いつも一定方向に重ねていきます。そうすると、茎が螺旋状にまとまっていきます。 麻紐で結びます。緩めに結んで、少しでも風通しをよくしましょう。 茎を揃えてカットして、でき上がりです。 ガラスの器にポンと入れて飾ります。 タッジーマッジーの原形は、バラを中心にして、その周りを小花やハーブで囲んでラウンド形に仕上げるスタイルです。伝統的なスタイルにしてみるのもいいですね。 また、ヴィクトリア朝時代には、花言葉を通して、タッジーマッジーに秘密のメッセージを託して贈るということが流行したのだそうです。「わぁ〜ロマンチック〜」とも思いますが、花言葉を知らないで贈ったり、持ち歩いたりすると、誤解を招きかねませんね。花選びは慎重に、でも、ちょっとした謎解きクイズみたいで楽しそうとも思います。 ここで使った黄色いシュンギクの花には、「とっておき」という花言葉があるそうです。確かに、冬の間、お鍋の具材にならず、春まで畑でとっておかれたおかげで、こんなにも可愛らしい花を見ることができました。タッジーマッジーの秘密のメッセージに使うとしたら、どんな意味を込めるでしょうか。 ノーズゲイ 小さなハーブのブーケ 「Nosegay ノーズゲイ」は、「鼻先を飾る」という意味の小さなブーケです。ノーズゲイは、宮廷のサロン文化が花開いた18世紀になると、ピンのついた小さな容器に入れて洋服の胸元に取り付けるように変化し、のちにコサージュとなります。 小さなブーケは、香りのよい花やハーブを組み合わせて、可愛らしく作りましょう。 <使ったハーブ> スペアミント ラベンダー ニゲラ フェンネル ネモフィラ ダークベルグデージー <手順> タッジーマッジーと同じ要領で作ります。 ラベンダーを真ん中に集めたスタイルや、四方八方に散りばめたスタイルにしてみました。 小さなブーケですので、小さなガラスの器に入れて、本棚などに飾ってはいかがでしょうか。 ハーブのことが分かる可愛い児童書 『タッジーマッジーと三人の魔女―魔法の庭ものがたり』 みなさんは、『魔法の庭ものがたり』シリーズの児童書をご存じでしょうか。小学生くらいのお子さんが対象だと思いますが、ストレートのロングヘアの女の子と6匹の子猫が登場する、挿絵もとても可愛い本です。 主人公のジャネットは、ハーブ魔女トパーズの後を継いで、「ハーブの薬屋さん」になることを目指しています。トパーズからは、ハーブガーデン「魔法の庭」と薬草の本「レシピブック」、「トパーズ荘」を相続しました。 シリーズは20巻あり、ハーブのこと、ハーブティーのことなどをテーマに物語が展開します。その中に、『タッジーマッジーと三人の魔女』というタイトルのお話があります。 このお話の中で、ジャネットは村のフェスティバルでタッジーマッジーのお店を開きます。魔法の庭で摘んだハーブやバラを用意して、お客さんの希望するメッセージを託したタッジーマッジーをその場で作るというお店です。 こんなお店があったら、私も毎日でも通いたい! というより、私もこんなタッジーマッジー専門のお店を持ちたい! と思いました。とても素敵なアイデアのお店ですよね! この本では、ハーブのことなど、お子さんだけではなく大人も楽しめるお話になっています。おうち時間のおともにいかがでしょうか。 Credit アレンジ作成・写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp 参考:『魔法の庭ものがたり タッジーマッジーと三人の魔女』あんびるやすこ/作・絵
-
アレンジ

5月1日はスズランの日、大切な人に贈るスズランのガーデン風ブーケ
Jour des Muguets 5月1日はスズランの日 5月1日はスズランの日。フランス語でスズランはミュゲ(Muguet)といい、この日のことはJour des Muguetsといいます。 ヨーロッパでは、スズランは春のシンボル、幸せを呼ぶ花とされてきました。 スズランの日には、大切な人に、家族に、日頃お世話になっている人に、スズランの花束を贈り合うという、とても素敵な風習があります。 私の母は、5月1日が誕生日です。今年もこの日には、スズランの小さな花束を贈ろうと思っています。母の名前は五月。シンプルでちょっとチャーミングな名前だなとずっと思っていました。5月1日がスズランの花を贈り合う日だなんて、なんだかとっても素敵で特別な日のように感じています。 パリのスズラン 16世紀、ヨーロッパでスズランの栽培が始まって間もなく、スズランを贈る風習が生まれました。シャルル9世が宮廷の婦人方に贈ったのが始まりで、その後、19世紀末頃には、一般の人々の間でスズランを贈る風習が定着していったそうです。 パリ近郊の人たちは、森に自生しているスズランを摘み小さな花束にして、パリの街角でスズラン売りをします。この時ばかりは、「誰でもスズランを売ってもよい」ということになっているのだそうです。それにしても、森にはどれほどたくさんのスズランが咲いているのでしょう。ぜひスズランが群生しているところを見てみたいと思います。 パリのような大都会では、森のスズランは香りが高いこともあり、希少価値が高くなります。フランス国内の年間6,000万本のスズラン生産量のうち、85%は西部の温暖な地域で栽培されているそうです。 パリの街角に現れたスズラン売りの少年 随分前のことになりますが、私は一年ほどパリに住んでいました。その時に、私もスズラン売りの少年から小さな花束を買った思い出があります。 5月1日が近くなるとスズラン売りの少年がいると聞いていたので、どんな様子なのか、とても興味がありました。 当時住んでいたアパルトマンはバス通りに面していました。その通りの先の角に、ブーランジェリー(パン屋さん)がありました。アパルトマンの窓から、そのブーランジェリーがよく見えました。記憶は曖昧ですが、お昼頃だったか、ブーランジェリーの入口の横に可愛らしい男の子(小学校の高学年くらいだったか)が足元にバケツを置いて立っているのが見えました。「おー、あれが噂の……」とワクワクしながら、私は窓からしばらく様子を見ていました。バゲットを手にして店から出てきたおしゃれなマダムたちがスズランを1束ずつ買っているようでした。杖をついたムッシュも1束。やはりパリの人はスズランの花束を買うんだなと実感しました。あのスズランの花束は、昼食のテーブルに飾るのかな、それとも誰かに贈るのかなといろいろな光景が思い浮かびました。 私も売り切れてしまう前に買わなくてはと思い、急いで出かけました。1束10本ほどのスズランは、森のスズランかどうか分かりませんが、優しくてノーブルな香りがしたような気がします。「Merci ! メルシー」といってニコッとしたスズラン売りの少年の笑顔が、とても嬉しかったことが、おぼろげに思い出されます。 スズランのアレンジのアイデア 【その1】一種活け スズランの魅力は、なんといっても清楚な美しさですね。小さな鈴のような花は、どうしてこんなにも可愛らしい形をしているのかと思うほど、芸術的な美しさです。 この小さく可憐な花姿を魅せるアレンジを考えました。 一番は、あれこれ合わせずスズランを一種だけで活けること。それがやはりシンプルで美しいと思います。 飾る時は、ガラスの器に入れて、茎ごと見せるようにします。 <注意すること> 束ねる前に、葉と花を分けておきます(簡単に離れます)。そして、改めて葉と花を組み直します。そうすると、花が葉に隠れてしまわないで、きれいに見せることができます。 【その2】純白の一色活けで、小さなガーデン風ブーケに 純白のスズランに合わせて、白い花を集めて合わせてみましょう。 できれば、スズランのように優しい花がいいかなと思います。 ちょうど今頃の季節の、2011年4月、2018年5月に行われたイギリス・ロイヤルウエディング。この時のブーケは、どんな花が選ばれていたかを調べてみました。 キャサリン妃のブーケは、スズラン、ヒヤシンス、ナデシコ(英名スウィート・ウィリアム)、銀梅花、アイビーを合わせたもの。メーガン妃のブーケは、スイートピー、スズラン、アスチルベ、ジャスミン、アストランティア、ワスレナグサ、銀梅花だったそうです。 ハリー王子がプライベートガーデンで摘まれたお花も使われていたとか。ロマンティックですね〜。 私は、スズラン、SPバラ(‘スプレーウィット’)、クリスマスローズ、スカビオサを選んで、小さな花束にしました。 ポイントにしたのは、スズランを少し高めにして目立たせることと、庭で摘んで束ねたような雰囲気にすることです。 スズランのガーデン風ブーケ、大切な方へのプレゼントにしてはいかがでしょうか。 <手順> スズランの花と葉を分けておきます。バラの下の方の葉を取り除いておきます。それぞれの花を順番に束ねていきます。スズランは少し高めにして、目立つようにします。リボンで束ねます。 【その3】マグカップにカジュアルなアレンジ 花束に選んだ花を、白いマグカップにアレンジします。 カジュアルな雰囲気になります。 *スズランには毒がありますので、活けた水などをペットや小さな子どもが飲んだりしないようご注意ください。 グレース・ケリーのスズランのウエディングブーケ Caroline Picard (CC BY-SA 4.0) スズランのブーケと聞いて思い浮かべるのは、グレース・ケリーのウエディングブーケではないでしょうか。 グレース・ケリーはご存知の通り、モナコ公国の王妃。1956年4月18日に、モナコのレーニエ大公と結婚されました。 グレース・ケリーのウエディングドレスは、歴史上最も上品で美しいドレスの一つといわれ、50年以上もあとの2011年4月29日に結婚されたイギリス・キャサリン妃のドレスも影響を受けています。どちらもレースが美しくエレガントです。 そして何より注目したいのは、ブーケです。グレース・ケリーが手にしていたのは、大きなブーケではなく、小さく控えめなスズランのブーケなんですよね。 当時は、ブーケの代わりに小さな聖書を持って臨む花嫁もいたそうですが、グレース・ケリーもシルク、レース、パールで飾りつけた祈祷書を持ち、そして、スズランの小さなブーケを持っていました。4月18日といえばスズランの季節です。旬のスズランはどれほどか美しく、素晴らしい香りがしたことでしょうね。想像しただけでも、うっとりしてしまいます。 写真で見ると、このスズランの小さなブーケは、グレース・ケリーのクールビューティーさを一層引き立てているように思います。どんなに立派で大きなブーケでも、このスズランのブーケには勝てないのではないでしょうか。 エレガントなレースのドレスとともに、「あぁ! さすがグレース・ケリー!」と改めて魅了させられるのです。 参考:『花で巡るモナコ公国』藤田晃子/著(インフォレストパブリッシング刊)
-
暮らし

愛犬と一緒のおうち時間に、528Hzの曲でリラックス
愛犬と一緒におうち時間を楽しむ 「Stay Home」の今、愛犬と一緒におうち時間を過ごすことが多くなっています。愛犬たちは、一人で寂しくお留守番することもなく、家族とずっと一緒にいられて、嬉しく思っているのかな、それとも、一人の静かな時間が減って困ったなと思っているかな。などなどと、いろいろ想像をしています。 我が家の愛犬あんは、例えば3連休やお正月の時のような長いお休みが続くと、どうも自分のペースが乱れるらしく、休み明けは一日中睡眠時間に当てて、乱れたペースを整えるということをしているように見えます。その様子を見ていると、犬にも自分の生活のリズムというか、ペースというものがあるのかもと感じます。あっ、でもこれは、柴犬に特有の習性かもしれません。 犬も音楽でリラックス 音楽が人間にリラックス効果を示すことはよく知られていますね。同様に、音楽には犬や猫の心理状態も落ち着かせ、リラックスさせる効果があることが、近年の研究で分かってきているそうです。 犬がリラックスして留守番できるような音楽もあれば、元気がよすぎるのを少しおとなしくなってもらうための音楽など、場面ごとに適した音楽があり、ペット用のCDもあります。 あんは、とてもおとなしい性格で、お留守番の時もいたずらを一切しませんし、無駄吠えもありません。ですので、こういったCDを試してみたことがありませんでした。 一緒に過ごすおうち時間が長いこの時期は、心と体によい音楽を聴いて、一緒にリラックスできたらいいなと思います。 「ソルフェジオ周波数」と「528Hz」 インターネットで、174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、936Hzの9つの周波数は「ソルフェジオ周波数」と呼ばれていて、それらが含まれた音楽には癒やしの効果があるという記事を目にしました。 ソルフェジオ周波数の中でも注目されているのが528Hz。「愛の周波数」とも呼ばれているそうですが、その異名は、この周波数に不安や緊張を和らげ、幸福感をもたらす効果があることからです。この効果は論文にもまとめられており、自律神経の専門家である順天堂大学医学部の小林弘幸教授らの研究によると、528Hzと440Hzを用いた比較実験で、音楽を聴く前と後で唾液のストレスバイオマーカーを測定したところ、440Hzでは特に大きな変化は見られなかったのに対し、528Hzではストレス値を示すコルチゾールの値は大幅に減少し、幸福感をもたらすオキシトシンは増加するという結果が得られました。 音楽を聴いて心地よさや安心感を感じることはありましたが、医学的な見地から音にこんな効果があると知り、とても面白く思いました。 とはいえ、「周波数」と聞いても、なかなかピンとこないので、実際にどんな曲が「愛の周波数」なのかを探してみました。すると、教会で歌われる聖歌、アイルランドの歌手で音楽プロデューサーのエンヤの楽曲が挙げられました。 エンヤの楽曲は、聖歌に通じるものがあると、日本で大ヒットした当時に聞いたことがありました。確かに気持ちがすーっと落ち着きます。それは、このソルフェジオ周波数に秘密があったのだと分かり、納得しました。 9世紀から10世紀の間につくられた、ローマカトリック系の教会で歌われるグレゴリオ聖歌についても、その頃の音階がソルフェジオ周波数を持っていたのではないかといわれているそうです。 近年、ソルフェジオ周波数が注目を浴びたことで、グレゴリオ聖歌もまた人気があるとか。 ジョン・レノンもこの528Hzの音に注目していて、たくさん取り入れて作曲していたということはよく知られているそうです。 中でも、『Tomorrow Never Knows』というビートルズの曲は、528Hzの音だけを使って作曲された曲ということで、早速聴いてみたのですが、音痴(ということが関係するのかどうか)な私には、うーん、正直この曲はちょっとよく分かりませんでした。主旨が違いますが、「『Tomorrow Never Knows』ならミスチルの方がだんぜん好き!」と思ってしまいました。 ジョン・レノンでいえば、『イマジン』や『ハッピークリスマス』の方が、よく耳にする曲ということもあるのでしょうけれど、メロディーが心地よく感じます。ということは、『イマジン』も528Hzの曲なのではと、こちらのほうが私的にはその効果をはっきりと実感できる曲です。 愛犬と一緒に音楽を楽しむなら 犬にはこの528Hzの音はどう感じるのでしょうか。 「いぬのやすらぎ~愛の周波数528Hz」というタイトルのCDがあります。このCDに書かれている説明によると、 「この528Hzを含む音楽を聴かせることによって、心拍数と呼吸数が低下しリラックス効果が見られ鳴き止んだり、落ち着き寝始めるという行動の変化を確認することができました。」とあります。 このCDには、「カヴァレリア・ルスティカーナより 間奏曲」、「魔女の宅急便より『海の見える街』」「The Rose」などが収録されています。私はどれも好きな曲ばかりで、このCDを聴くと、とても穏やかな気分になります。部屋で一緒にいるあんも、同じように感じているように見えます。 このCDは、2015年に日本レコード大賞企画賞を受賞していますので、当時はきっと話題になり評判がよかったのかなと思います。 以前、「犬と飼い主は、お互いにストレスが伝わる」という研究結果があるとお伝えしました。 犬の心理状態は、飼い主に影響されやすいですから、飼い主がリラックスした状態であれば、犬も同じようにリラックスできます。 飼い主が音楽を聴いて心地よいと感じるなら、犬も安心して寛げるのではないでしょうか。 愛犬と一緒に音楽を楽しむのに、注意したいこともあります。 犬は人間よりも可聴域が広く、私たちには聞こえなくても、犬には「超音波」という高周波の音が聞こえているそうです。きっと好きだろうなと思って、クラシックやヒーリング音楽、ネイチャーサウンドなどを一緒に聴いても、落ち着かない様子を見せることもあるかもしれません。愛犬が好きそうかどうかよく観察して、音量にも注意して一緒に楽しみたいと思います。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp 参考文献: 『Effect of 528 Hz Music on the Endocrine System and Autonomic Nervous System /Kaho Akimoto, Ailing Hu, Takuji Yamaguchi, Hiroyuki Kobayashi 著/Scientific Research Publishing 『犬と人の生物学 夢・うつ病・音楽・超能力』スタンレー・コレン著 CD『いぬのやすらぎ~愛の周波数528Hz』Produced by ACOON HIBINO
-
アレンジ

和菓子と“ Vase d’Avril (4月の花器)”のアレンジで春色テーブル
パリの和菓子店とフランス語の和菓子の本 2020年は例年になく、桜の開花が早いですね。いよいよ春本番です。 この季節には、和菓子の世界も春爛漫になります。和菓子は、日本が誇る素晴らしい文化の一つです。海外でも大人気ですね。 私は今から27年前、1年ほどパリに暮らした時期がありました。まだEUが発足する前、通貨もフレンチフランが使われていた頃です。 当時からオペラ座の近くに、和菓子の老舗中の老舗『とらや』がありました。「TORAYA PARIS」のサイトを見ると、パリ店がオープンしたのは1980年。今年で40年になるとのことです。 私は小豆が大好きなので、和菓子には目がありません。パリといえばスイーツの宝庫で、キラキラ輝く美しい美味しいスイーツを、たくさん見たり食べたりしました。パリの極上のケーキを食べると、反動(?)なのか和菓子も食べたくなり、オペラ座近くのとらやに行っては、お汁粉やクリームあんみつなどをいただいていました。「あー、私はやっぱり日本人だ〜」とつくづく思い、ちょっぴりホームシックにかかってしまったこともありましたが、「とらやさんでお汁粉」が私の密かな楽しみでした。 そんな「TORAYA PARIS」で、とても素敵な本を見つけました。フランス語で書かれた「フルール・エ・ワガシ」という和菓子の本です。ピンクの表紙が上品で、「日本の和菓子らしいな」、「とらやさんらしいな」と思いました。 季節ごとに、 春は、桜 椿 桃 夏は、菖蒲 牡丹 藤 朝顔 秋は、菊 桔梗 紅葉 冬は、松 梅 水仙 南天 と日本の花をモチーフにしたお菓子、練り切り、お干菓子、薯蕷饅頭などが掲載されているのですが、例えば桜といっても一つだけではなく、その表現はじつに豊か。「初桜」「花衣」「花筏」「手折桜」と、桜が開花してから散っていくまで、そのときそのときの様子をイメージして銘がつけられたお菓子があるのです。一つの花に美しい瞬間をいくつも見いだす感性や雅やかな名づけも、和菓子の奥深さ、面白さの一端だなと思います。 もちろん、フランスのお菓子も芸術的で素晴らしいですが、このような四季折々の花を模して作られたお菓子は、そうそうないのではないでしょうか。自然の事象と結びついた、こんなにも美しいお菓子があるなんて、なんだかそれが私にはとても誇らしいのです。 4月といえば、「Vase d'Avril 4月の花器」 桜の季節、4月(今年は3月ですね!)にぴったりな器というと、その名前の通りの「4月の花器」は欠かせません。「4月の花器」というネーミングはご存じなくても、多くの方がきっとどこかで、一度は目にされているのではないでしょうか。または、お手元にお持ちの方もいらっしゃると思います。 「4月の花器 Vase d'Avril 」は、1992年に発表された、女性2人組のデザイナー、Tse&Tse associees(ツェツェ・アソシエ)のデビュー作品で、現在は、パリのポンピドゥー・センターの永久展示品となっている伝説の花器です。 21本の試験管が20個の留め金でつながれていて、全体を自由に動かすことができます。中央に寄せ集めたり、長く伸ばしたり。試験管の大きさは3パターンほどありますが、私が持っているのは、一番小さな「Petit」サイズです。 このサイズだと、ビオラのような茎の短い花や繊細な花を活けるのにちょうどよく、春の庭の楽しい雰囲気をそのまま器にアレンジできるところが、私はとても気に入っています。 この花器に花を活けていると、2人のデザイナーが「4月の花器」と名付けた訳が、よく分かるような気がします。心躍る4月にぴったりだなと思います。 今回は、この「4月の花器」を使って、春の花をアレンジしました。 <使った花> ルピナス ムスカリ クリスマスローズ スイセン(マウントフット) ヒヤシンス チューリップ ビオラ ラベンダー ルピナスの葉は明るい黄緑色ですので、全体に優しい雰囲気にまとまります。葉の色の選び方で印象が変わります。 <アレンジの手順> 難しい決まりはなく、ラフに入れていくだけ。背の高い花があったり、横を向いている花があったり、自由気ままな感じがいいなと思います。どうやって入れても素敵に見える! それがこの花器のよいところで、楽しいところです。 伸縮性のある花器ですが、横一列に伸ばさず、束ねて水を入れます。 ルピナスの葉を全体に入れます。 クリスマスローズやスイセンなど、大きな花を入れていきます。 ムスカリなど、小さな花を入れます。 全体のバランスを見ます。 この「4月の花器 プチ」は、それほど高さはないのですが、それでも全体を高めにすると、21本の試験管があるので大きなアレンジになります。 テーブルに飾るなら、向かい合った相手の顔が見えなくならないように、できれば低めにコンパクトにまとめたいですね。 美しい和菓子と春の花で、お茶の時間 なかなか外へ出かけられないこの春。庭の花と美しい和菓子で、おやつの時間を楽しんではいかがでしょうか。 少し前の日本経済新聞の週末版に、「ネオ和菓子」について紹介されていました。「四季や自然を表現する和菓子の文化や製法を大切に引き継ぎながら、素材の和洋を問わないスタイリッシュで独創的な『ネオ和菓子』は、新世代の職人が創り出した現代に合った和菓子」ということでした。ドライイチジクやクルミなどが入った羊羹は、漆器に描かれた絵のような美しさで、とても印象的。どんな味がするのかな、と想像するだけでもワクワクしました。 ネオ和菓子のビジュアルに負けない、元祖アート作品ともいうべき練り切りは、やはり普遍の美しさです。桜、梅、桃など、季節の花を、こんなにも巧みに、色といい形といい、上手に作られているなと感動してしまいます。 私は、和菓子に魅せられて、6カ月ほど和菓子教室に通ったことがあります。あの美しい練り切りはどうやって作られているのか、興味があったからです。初めて作ったのはウグイスでした。初心者にはハードルが高く、難しかったです。いかがでしょうか、ウグイスに見えますか? 私としては可愛くできたと、納得の出来栄え!? です。 春の花を飾り、桜の花や菜の花のお菓子をいただくなんて、ちょっと風流なお茶の時間です。 Credit アレンジ作成・写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 http://www.annegarden.jp
-
アレンジ

おやつのテーブルに飾るユキヤナギと小さな花のリース 〜ヘレンド風に〜
おやつのテーブルを楽しむ 皆さんは、おやつの時間を楽しんでいらっしゃいますか? 一日の中で、ほっと一息のおやつの時間は、とても大切ですね。何か作業をしているとき、「あーここまでやったらお茶にしようー」と、おやつの時間を目標にして、もうひとふんばり頑張れたり、うまく作業が進んでいないときは、このお茶の時間がよい気分転換に。お茶と甘いもので、頭も気分も幸せ気分に満たされて、おやつの後は効率がぐんと上がります。 自宅での一人おやつの時間では、手軽につまめるクッキーか甘いお饅頭、そしてお気に入りのカップに美味しいお茶があれば、私はそれだけで十分嬉しいティータイムです。 カップとお皿も含めて、お茶まわりの小物が充実していると、さらに愉しい時間になります。せっかくなので、テーブルにはお花も一緒に飾りませんか? あまり立派な大きなアレンジだと仰々しくなりますから、小さく、でもテーブルが明るく華やかになるようなものがいいですね。それと、簡単にできるのが一番です。 家族やお友達と一緒なら、少し気の利いたアレンジにすると、おやつ時間がいっそう愉しくなります。今回は、春の花ユキヤナギを使って、ティータイムのアレンジにちょうどいい、愛らしいテーブルリースを作ります。 アレンジに使った花 ユキヤナギは枝が柔らかいので、丸めやすい花材です。このアレンジは、ベースを使わず、ユキヤナギの枝だけで作ります。 水を入れることができる程度の、少し深さのあるコンポート皿に入れて飾ります。 リースに合わせる花はお好みで。私は、ヘレンドの器に描かれているような、優しいペールトーンの色でまとめました。 ユキヤナギ 1〜2本 アオモジ 1本 スイートピー 1本 ストック 1本 スイセン 数本 ビオラ 数本 プリムラ 数本 アレンジの作り方 長めのユキヤナギの枝を1本選びます。 器の大きさよりも一回り小さめに丸くして、リースのベースを作ります。 枝の端を絡めて留めます。 留められなかったら、麻紐やワイヤーなどを結んで留めます。 ユキヤナギのベースに、ユキヤナギの枝を重ねて絡ませていきます。 水を張った器に入れます。 アオモジやストックなどの花を入れていきます。 優しいペールトーンの、春らしいテーブルリースの完成! ユキヤナギとアオモジだけでまとめれば、また違う雰囲気に。 ハンガリーの名陶 ヘレンド お茶の時間に欠かせないアイテムの一つに、もちろん茶器があります。日常使いとお客様用と、シーンによって使い分けをされているかと思いますが、どちらにしてもこだわりを持って揃えている方が多いのではないでしょうか。私は、小さな草花のモチーフが絵付けされたカップ&ソーサーが好きです。 私が以前住んでいたことのあるハンガリーには、3つの陶磁器ブランドがあります。 ハンガリー最古のHollohaza(ホロハーザ)、Zsolnay(ジョルナイ)、そしてHerend(ヘレンド)です。 ヘレンドは、オーストリア=ハンガリー二重帝国時代のフランツ・ヨーゼフ皇帝夫妻にとても愛され、後発ながらヨーロッパの各博覧会で賞を獲得して成長していきました。 特に、“ビクトリアブーケ”は、1851年のロンドンの博覧会で、ヴィクトリア女王の目に留まり、英国王室のディナーセットとして使われるようになりました。それを機に、ヘレンドの名前は全世界に広まっていきました。“ビクトリアブーケ”は、今でも人気のシリーズです。 ヘレンドの工房があるヘレンド村は、ハンガリーの首都ブダペストから車で2時間弱のところにあります。ヘレンドの博物館、工場、ショップ、レストランがあり、見学用の工房では、すべての工程を、順を追って見学できるようになっていました。実際に絵付けをしているところも見ることができるので、観光客にとても人気があるようです。 私も、ハンガリーに渡って初めて郊外にドライブしたのがヘレンド村。それからも、日本からやってきた友人知人を何度も案内しました。近くにバラトン湖があり、のんびりしたよいところです。ブダペストにご旅行の際には、ヘレンド村にもぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。 ブダペストの小さな絵付け教室 ハンガリーに暮らしていた当時、ブダペストに駐在する日本人の間で、絵付け教室が密かに人気を集めていました。教室とはいっても、オープンな生徒募集をするのではなく、運よく空きが出れば入れるというシステム。私もなんとかして習いたいと思い、ずいぶん長く空きが出るのを待ちました。 この絵付け教室は、ヘレンドの絵付け職人をだった方が、ご自宅で開いているものでした。先生とのレッスンは、週に1回1時間程度で、生徒は一人か二人。先生はとても優しく穏やかで、真っ白な口髭の小柄なハンガリー人おじいちゃんでした。 レッスンといっても、生徒が持参してきた真っ白なカップやプレート(生徒の間では“白ヘレンド”と呼ばれていました)に、先生のデザインのファイルから生徒が希望するものを選んで、先生に絵付けをしていただく。私たち生徒はそれをじっと見学するというものでした。 先生は、耳が不自由でいらっしゃいました。アトリエはいつも静寂に包まれていました。音楽もラジオも、会話もなく、アトリエは何の音もありません。ただ、先生の筆のカリカリという音だけが静かに響いていました。先生と会話するときは、英語の筆談で。訪問者(次の生徒や郵便配達人)が来ると、呼び鈴のランプがついて、先生に知らせる仕組みになっていました。 冬は、外の小径を歩く人が雪を踏み締めるサクッサクッという音や、庭木の枝から雪がバサッと落ちる音が聞こえ、春や秋は鳥の声がとてもよく聞こえました。この静かな空間の静かな時間が、私はとても気に入っていました。あまりに静かで、ついうとうとしそうになったりしましたが。 さて、肝心な絵付けはというと、先生の職人技を間近で見ることができたことは、たいへん貴重な経験となったのですが、実際に私が筆を持ったのは、窯に入れる前に、絵付けが施された器の底に日付と自分の名前を書くときだけ。先生の素晴らしい技術を目の当たりにすると、絵付けというものは、そうそう一朝一夕でできるものではないということがたいへんよく分かりました。 先生に絵付けをしていただいた6客分のディナーセットは、スープ皿とスープサーバーポットを残してほぼ完成しました。 一つひとつのモチーフを、決して手を抜くことなく、丁寧に丁寧に描かれた器の中の絵を見ると、今でも、優しい先生とアトリエの静かな佇まいを思い出します。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 https://www.annegarden.jp/ 参考:『旅名人ブックス ハンガリー”千年王国”への旅』日経BP社
-
暮らし

飼い主も愛犬も、一緒に過ごす庭時間でストレス解消
「動物の5つの自由」とは? 「動物の5つの自由」ってご存じでしょうか。「5つの自由」とは、次の項目のことです。 飢えと渇きからの自由 不快からの自由 痛み・傷害・病気からの自由 恐怖や抑圧からの自由 正常な行動を表現する自由 この「5つの自由」は、1960年代のイギリスで、家畜の劣悪な飼育管理を改善させ、家畜の福祉を確保させるために、その基本として定められました。 現在では家畜のみならず、ペットなどの動物の福祉の基本として世界中で認められています。 動物福祉とは「動物が精神的・肉体的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和している」ということ。自分の思うままに、気の向いた時だけかわいがることは、動物福祉が満たされているとはいえないとされています。 この5つの項目を見て最初に考えたのは、「生き物にとってごく当たり前」ということです。でも、もしかしたら気がつかないうちに、その自由を侵していることがあるかもしれないと思い至りました。例えば、散歩中に、ついついあれはダメこれはダメと言って、匂いを嗅いでいるところを急かしてしまったり、急に座り込んでしまったときに、理由を考えず、無理に立たせてリードを引っ張ってしまったり。こんなとき、彼らはとても悲しい気持ちになっているのかもしれません。 犬だってストレスを感じる 私たち人間や犬などの生命体には、身体を常に一定の安定した状態に保とうとする働き、ホメオスタシス(恒常性)があります。このホメオスタシスのおかげで、外部環境や精神的な緊張によって乱された体内の変化も元の状態に戻ることができます。 一般的には、この乱されたときの体内に起こる変化や、それを元に戻そうとする反応を「ストレス反応(ストレス)」と呼びます。ストレスには大きく分けて、暑さ、寒さ、騒音などの物理的・化学的ストレス、疲労や病気などの生理的ストレス、不満や自信喪失、挫折感、不安などの心理的ストレスがあります。 「5つの自由」で示されている自由が守られなければ、犬などの動物にとっては「ストレス」となってしまいます。 なんらかのストレスを抱えた犬は、首回りやしっぽの付け根が緊張していたり、しっぽを丸めて股の間に入れたままになっていることがあります。我が家の愛犬あんも、病院の診察台の上に立つとかなり緊張するようで、先生から「随分と首が凝ってますね」と言われます。こういう緊張状態が続くと、身体的な滞りができて体調不良になったりするのだそうです。人間と同じですね。 過度にストレスを与えないことや、それを軽減してあげることは、健全な精神と健康を保つためにとても大切なこと。そして飼い主も同じように、過度なストレスを受けないように、その原因を取り除くことを心がけていきたいものです。 ストレスはお互いに伝わる 2019年の夏頃の朝日新聞に、興味深い記事が掲載されていました。 「ストレス 飼い犬へ以心伝心」という見出しで、飼い主がためているストレスは飼い犬に伝わるという研究結果を、スウェーデンの研究者が英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表したというものでした。 内容はというと、「室内で飼われていたボーダーコリー25匹と、シェットランド・シープドッグ33匹、それぞれの飼い主の計58組について、ストレスの変化を1年にわたり調査した。ストレスを感じると分泌される『コルチゾール』がどれくらい毛髪に含まれているか調べたところ、季節や運動量にかかわらず、飼い主のコルチゾールが多いと、犬も同様に多かった」というものでした。 ずっと一緒にいると、言葉は通じなくても、愛犬はやはり分かっていたのです。このような研究結果が出て、「そうでしょ、そうでしょ」と納得する飼い主がほとんどではないでしょうか。もちろん私もそう感じていました。 庭時間でストレス解消 飼い主の責任として、私のストレスが愛犬あんに伝わらないように、また、あん自身のストレスがたまらないようにしてあげなくてはと思います。 それにはやはり、リラックスできる時間が大切。あんにとっても、もちろん私にとっても、一番の気分転換になるのは外に出ることだと思います。普段、特に冬は家に閉じこもりがちになりやすいので、積極的に外に出る機会を作ろうと心がけています。 温かなお日様の光を浴びて、穏やかな風に吹かれ、風の音を聞き、植物に触れて過ごすことが、きっと何よりのストレス発散になるのではないでしょうか。毎日公園に散歩に出かけますが、限られた時間では十分とはいえないでしょう。時間に追われることなく、ゆっくりのんびり心ゆくまで、外の空気に触れることが理想です。幸い、私は近くに実家があり、あんを連れて一緒に出かけることができます。実家に着くと、あんは庭に飛び出していきます。そして、草の匂いをかいだり、空を見上げたり、芝生の上で気持ちよさそうに寛ぎます。 今の時期は、植物の芽が出てきたり、花が咲き出したり、少しずつ色づいてきて、とても楽しい気分になりますね。庭にはいろいろな植物があって、あんも興味津々で、ウロウロと探検するのが楽しいようです。先日は、黄色のクロッカスが咲いているのを見つけて、私に教えてくれました。真っ赤なアネモネの花を覗き込んで、しばらく匂いを嗅いでいたこともあります。あんはアネモネを見て、何を思うのでしょうか。 庭で過ごすときに、一つ気を付けたいことは、中にはスイセンの球根のように、犬にとって有毒な植物もあるということ。危険なものには近づかないようにすることが大切です。 私も、庭に出て、咲いている花を少し摘んで小さな器にアレンジし、写真を撮って過ごすことがとても好きです。また、母と一緒に種まきをしたり、球根を植えたり、花苗を植えたりするのも、とても愉しい時間です。 先日、オリーブの木とラベンダー、シルバーレース、パンジー、プリムラを合わせて寄せ植えを作りました。オリーブの木とラベンダーを合わせると、南仏プロバンスのような雰囲気になります。 でき上がりもとても気に入って、ウキウキした気分で写真を撮っていると、あんがボールを持って鉢に寄ってきました。「わぁ、きれいね!」と言ってくれた? かどうかは分かりませんが、私が楽しそうに嬉しそうにしていたのが伝わって、あんも上機嫌になったように思いました。やはり以心伝心なのです。 これからも、愛犬あんと庭で一緒に過ごす時間を大切にしていきたいと思います。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 https://www.annegarden.jp/ 参考:ホリスティックケア・カウンセラー養成講座テキスト 「動物の5つの自由」日本アニマルウエルネス協会 http://www.j-awa.jp/philosophy/index.html ペット関連メディアのご紹介 わんちゃんホンポ https://wanchan.jp/ 『わんちゃんホンポ』は、犬と飼い主さんを応援する犬専門の情報メディアサイトです。犬を飼うための知識やしつけ、お手入れ、仕草でわかる気持ちなどの情報を掲載しています。また、獣医師監修の犬の病気の情報、犬が食べてはいけないものなど、犬の健康面でもさまざまな情報をお届けしております。
-
レシピ・料理

いつも一緒にいてくれる愛犬に感謝を込めて、手作りバースデーケーキをプレゼント
愛犬あん6歳の誕生日 我が家の愛犬、柴犬のあんは、2月12日で満6歳となります。一緒に暮らし始めて6年。最初の2年くらいは、いたずら盛り、元気いっぱいで運動量も多く、私は毎日ヘトヘトでした。大人になるにつれてだんだん落ち着き、今ではいたずらをすることはなくなりました。 散歩の様子も変化してきました。今日は散歩の気分じゃないから早く切り上げよう~とか、お天気がいいからのんびりベンチに座ろうよ~というように、私もあんも、ゆとりを持って散歩を楽しめるようになっています。 あんとの暮らしは、毎日嬉しいことの連続です。朝起きて、おはようと声をかけて、散歩に行って早朝の空気を吸って、徐々に昇ってくる太陽の光を浴びて…。ソファーに並んで座ってゆっくりテレビを見て、夜は、あんの温もりを感じながらぬくぬくと眠る。あんと一緒に過ごす日々は、ささやかな幸せに包まれているんだなと、あらためて気付かされます。 そんな愛犬あんへの感謝の気持ちを込めて、手作りのバースデーケーキで誕生日をお祝いします! 初めて犬用のバースデーケーキを買ったのは、あんの1歳の誕生日の時。あんは初めて見るケーキにとても喜んで、黒い鼻に白いクリームをつけたとぼけた顔が今でも印象に残っています。 そのときのケーキをイメージして、今年は手作りのケーキでお祝いします。もちろん、犬が食べても大丈夫な材料で作ります。旬のいちごを飾った、ノンシュガー、ノンオイルのヘルシーケーキです。 手作りバースデーケーキの材料(12cm丸型1台分) スポンジ 米粉(薄力粉) 40g 卵(全卵) 2個 牛乳(ヤギミルクや豆乳でも) 15cc デコレーション 無糖ヨーグルト 200g イチゴ、キウイなど犬が食べてもよいフルーツ さぁ、作ってみましょう! 手順 ヨーグルトを水切りしておきます。 コーヒーフィルターを使うと簡単に水切りできます。少し硬めのヨーグルトにしたいので、冷蔵庫に入れて半日くらい水切りします。 卵をボウルに割り入れて、ハンドミキサーで泡立てていきます(共立て)。 湯煎にかけながら、もったりするまで泡立てます。 牛乳を湯煎にかけて人肌くらいに温めておき、泡立てた卵の中に入れて混ぜます。 米粉をふるいにかけて、3の中に入れてゴムべらで混ぜます。 型に流し入れ、180℃に予熱したオーブンで、17~20分ほど焼きます。 焼き上がったら、網の上で冷まします。 冷めたら、2枚にスライスします。 1枚のスポンジの上面に、水切りしたヨーグルトを塗ります。 水切りヨーグルトを塗った上に、フルーツを小さくカットして散らします。 今回は、旬のイチゴとキウイにしました。リンゴやバナナなどもいいですね。 もう一枚のスポンジをのせて、表面に残りのヨーグルトを塗ります。 イチゴとキャンドルを飾ってでき上がり。 犬もデザートは別腹かどうか分かりませんが、あん(11kg)には、一日に与える量としては、6等分にカットしたものを1つか2つくらいまでにしました。通常のご飯を食べなくなると困りますし、多量摂取は肥満にもつながります。食べ過ぎに注意して与えましょう。冷蔵庫で2、3日は保存できます。 犬が食べてよいイチゴの量 作る前は、旬のイチゴをたっぷりはさんで、デコレーションのイチゴもたくさんのせよう! と思っていたのですが、イチゴには、犬にはあまり歓迎されない成分キシリトールが含まれていることを知りました。 「摂取量によっては、低血糖を引き起こし、次に肝機能に異常、悪化すると肝機能不全になり、その結果、中毒症状(嘔吐、下痢、けいれんなど)が表れ、症状が酷いと最悪の場合は死に至ることもある」ということです。 それではどれくらいの量でこのような症状が出るかというと、米国では10kgの犬が1,000mg以上を摂取した場合に低血糖を起こすとされ、1,000mgを超えるキシリトールを摂取するには、2.5kgのイチゴを食べなくてはいけないという計算になるそうです。いくらなんでもそんなに食べることはないですし、食べさせるなんてこともしませんので、1粒、2粒ならば心配ないでしょう(もっと小さな犬であれば、もっと少量になります)。 しかし、そのようなことを踏まえ、食べる時は飾ったイチゴは取り除き、あんにはイチゴ少なめケーキにして与えます。 どこでも一緒が理想。盲導犬がどこでも行けるような環境に 二十数年前パリに住んでいたときのことです。レストランに入って料理が運ばれてくるのを待っていたら、センスのよい服装のご年配のカップルと一緒に、大きな犬が、いかにも通い慣れたような軽やかな足取りで、混み合うお店に入ってきました。カップルは案内された席につき、犬はいつもの定位置という様子でテーブルの下に入りました。テーブルクロスで隠れてしまったので犬の様子は分かりませんでしたが、時々鼻先が覗くことがあるだけで、あとは、静かに大人しく過ごしていました。 パリのレストランでは、小さな子どもはNGだけど犬はOKというカルチャーがあると聞きます。確かに、レストランに子どもさんではなく、犬が一緒という光景はよく目にしました。二十数年前、いいえ、きっとそれ以上前から、犬は飼い主と一緒に飲食店に出入りすることを許される環境だったのだろうなと思います。 先日、週末のお昼をいただこうと、お蕎麦屋さんに入りました。お昼時の人気のお蕎麦屋さんですから、もちろん満席。やっと私たちの順番がきて案内される時、「お隣の席にワンちゃんがいますので」と言われました。隣のテーブルの下を見ると、大きなラブラドールの盲導犬が待機中でした。テーブルとテーブルとの間隔が狭く、私は、盲導犬のしっぽを踏まないように、体に足が当たらないように気をつけて奥の席に座りました。 私は「今日は一緒にお蕎麦屋さんに来たのね」と話しかけたくなりましたが、仕事中は触ったり声をかけたりしてはいけないと聞いたことがあったので、そっとしておきました。 ここのところテレビで日本盲導犬協会のCMを見ることがあります。「きみと一緒だから、どこへでも行けるのに。きみと一緒だから、行けないところがある」という「受け入れ拒否」がテーマのものです。盲導犬はしっかり訓練を受けていて、それはそれは重要な働きをして、目の不自由な方のパートナーとなっています。それなのに、まだまだ一緒に飲食店に入れないことがあるというのは、とても残念です。先日のお蕎麦屋さんのように、お店の方の理解と、居合わせたお客さんの理解が、もっともっと広がらなくてはいけないと思います。 最近では、ドッグカフェでなくても、テラス席などにはペットとしての犬同伴が可能なお店が増えてきました。ペットの犬同伴と、盲導犬の同伴とでは、意味合いはまったく違います。ですが、盲導犬も犬ということで括られてしまうと、ペットとしての犬が、飲食店で暴れたり吠えたり、落ち着きなくしていたら、犬はなんでも、飲食店に入るのはダメ! ということになってしまいます。 犬が家族の一員であり、また社会の一員でもあるということを、犬の飼い主はしっかり自覚しなくてはいけません。パリの犬たちのように、「犬、飲食店だって大丈夫!」というイメージになると、盲導犬もパートナーの方も安心して飲食店に入れるようになれるかなと思います。 犬を愛する者として、盲導犬がもっともっと広く理解されて、活動しやすい社会になるように、せめて、一般の犬と飼い主ができることはしよう。日本盲導犬協会のCMを見て、そんなことを考えました。 Credit 写真・文/海野美規(Unno Miki) フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。 https://www.annegarden.jp/ 参考: 『愛犬のためのホリスティック食材事典』(日本アニマルウェルネス協会監修) 「日本盲導犬協会」 http://www.moudouken.net/special/ac/





















