春から初夏にかけての季節は、犬の抜け毛が多い時期です。「Stay Home」の期間を一緒に過ごす愛犬のために、換毛期のケアをしませんか? ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、アーユルヴェーダの考えに基づく、自然の恵みを利用したハーブパックの実践レポートをご紹介します。

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日本原産の柴犬、アンダーコートが抜ける季節

柴犬をはじめとする日本犬は、抜け毛が多いことで、飼い主をおおいに悩ませます。一年のうちでもっともよく抜ける春から初夏にかけての今の時期は、我が家でも、愛犬の柴犬の抜け毛がふわふわとフローリングの上を舞っていて、1日に何度も掃除をしなくてはいけない状況です。

犬の被毛は、大きく分けて、シングルコートとダブルコートの2種類があります。ダブルコートの場合は、外側にオーバーコート、内側にはそれよりも短くて柔らかいアンダーコート(下毛)と二層になっています。柴犬のようにダブルコートの被毛を持つ犬は、皮膚を水や紫外線から守るアンダーコートがモフモフとたっぷり生えています。

さて、四季のはっきりしている日本で生まれ育った柴犬は、人間が厚いコートを脱ぐように、冬の間寒さから身を守っていた冬毛をゴッソリと脱ぎ捨てます。「あら〜スリムになったわね〜」と言われるほど、見た目にも差がはっきりと分かるくらい毛が抜けるのです。

アンダーコートは、抜けてもそのままになっていることもあり、これを放っておくと匂いや皮膚トラブルの元になってしまいます。次に寒くなる前、冬毛の準備をするときのためにも、古い毛はしっかり脱ぎ捨てておくことが大切になります。そのためには、毎日のブラッシングと定期的なシャンプーが大切です。

おうちでシャンプー

犬のハーブパック

この換毛期の大事な時期は、念入りなレイキングもしたいということで、私はペットサロンでプロのトリマーさんにお願いしています。

今年は、緊急事態宣言によってペットサロンが休業されていましたので、自宅でシャンプーをすることにしました。抜け毛の少ない時期には、もちろん自宅でシャンプーをすることもありますが、仕上がりは、やはりプロのトリマーさんにはかなわないですね。

我が家の愛犬あんは、サロンでもおとなしく、シャンプーやドライヤーを嫌がることがないとトリマーさんから褒められます。きっと、トリマーさんが優しく、犬を不安な気持ちにさせないように接してくださるからだと思います。

自宅でも、暴れたり嫌がったりしません。シャンプーの時は、ちょっと目を細めたりして、気持ちよさそうにも見えます。

慣れた自分の家で、飼い主の手でシャンプーされることは、あんにとって、より安心した気持ちと嬉しい気持ちなのではないかと想像します。シャンプーの後のお掃除や何枚ものタオルの洗濯などが面倒で、つい「サロンに……」と思うところもありますが、あんの気持ちを思うと、飼い主が責任と愛情を持ってシャンプーすることは大事なことかなと思います。

ハーブパックとは?

ペットのハーブパック

以前、ペットサロンで体験したハーブパックが、自宅でもできるというお試しパックを見つけました。せっかくなので、ハーブパックにもトライしました。

ペットのハーブパック

ハーブパックとは、皮膚を健康に保つ作用と被毛を美しくする作用に優れたハーブのパウダーを、ぬるま湯で溶きペースト状にして犬の被毛に塗布するものです。

今回のパックで使われているハーブは、殺菌・消臭・虫よけハーブとして有名な「ニーム」と、被毛にボリューム・ハリ・つやを与え、抗菌作用のある「カシア」、保湿・消炎・皮脂コントロールをする「アロエベラ」です。ハーブが被毛を清潔に保ち、気になる匂いを軽減し、ダニ・ノミの予防にもなるとのことです。

ニーム
Dipak Shelare/Shutterstock.com

「ニーム」は、インドでは”ミラクルニーム”とも呼ばれ、数千年も昔から虫除けや、民間の治療薬として広く使われてきました。現在でもインドの家庭では常備薬としてニームが置かれていて、インドの伝統医学アーユルヴェーダでも重要な薬用ハーブとして活用されています。

じつは私も、愛犬あんの虫除けのために、鉢植えで何度かニームの木の栽培に挑戦しました。でも、冬を過ぎると元気がなくなり枯れてしまいました。ニームの木の栽培は難しいので、パウダーになったハーブパックでニームの効果を試してみようと思いました。

アーユルヴェーダをペットに

アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語のアーユス(Ayus/生命)とヴェーダ(Veda/科学)を組み合わせた「生命科学」という意味と、自己治療の科学 (Science of Self-Healing)という意味があるとされています。五千年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療です。世界四大医学(アーユルヴェーダ、中医学、チベット、ユナニ)の一つで、漢方の起源ともいわれているそうです。

アーユルヴェーダの基本は、植物やハーブなど自然の恵みから得たものを利用して、健康を増進させるという考えです。

あらゆる生物は、生まれつき外部からの刺激に対応して、健康を保とうとする働きを備えています。その働きを、「自然治癒力」といいます。自然治癒力が十分に働いていれば病気になることはなく、健康な状態を維持することができるということです。

自然の恵みを利用し、副作用などの心配がなく、そして身体に負担をかけることなく、日頃のお手入れに取り入れることができれば、犬も飼い主も、理想的で嬉しいことですね。

ハーブパックを実践

ペットのハーブパック

<手順>

  1. ハーブパウダーを溶いて、ハーブペースを作っておきます。
    ペットのハーブパック ペットのハーブパック
    柴犬(体重10kg)の場合、ハーブ(パウダー)25g+ぬるま湯250〜300mlを500mlのペットボトルに入れて、よく振って混ぜます。
  2. 1回目のシャンプーをします。
    ペットのハーブパック
  3. ハーブのペーストを犬の被毛に塗布します。
    ペットのハーブパック ペットのハーブパック
    犬のハーブパック
    本来は、「被毛を手で分けて皮膚に密着させるようにペーストを塗る」とされていますが、なるべく手短かに身体全体にさっと塗るようにしました。
  4. 2〜3分後、よく洗い流します。
    ペットのハーブパック
  5. 2度目のシャンプーをします。
  6. トリートメントをします。
  7. タオルドライをした後、ドライヤーで乾かします。
ペットのハーブパック

今回は、自宅では初めてのハーブパックでしたので、ペーストを少なめにして軽く塗布して洗い流しました。

気をつけて流したつもりでしたが、乾いたあとで見てみると、お尻の白い毛の辺りが、うっすら緑色が残っていました。これは、濡れたタオルで拭いたらすぐに落ちました。

オーガニックハーブということで、犬への刺激やアレルギーの心配は少ないとのことですが、初めて使う場合は、嫌がらないか、痒がらないか、アレルギー反応はないか、色が残らないか、十分にテストしてから使用しましょう。

ペットのハーブパック

ハーブパック後は、匂いもなく、全身ツヤツヤさらさらに。サロンのような!? 仕上がりでした。このハーブパックには、虫除けの効果もあるとのことですので、これからの季節にも続けて取り入れてみたいと思います。

Credit

写真・文/海野美規(Unno Miki)
パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp

参考文献:『柴犬』西東社
ホリスティックケア・カウンセラー養成講座 Vol.1、Vol.2

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