新春 黄色の花アレンジで華やかに開運祈願!
新しい年を迎えるお正月は、特別な日にふさわしい縁起のよい花を使った華やかなアレンジメントを飾り、フレッシュに迎えたいものですね。フラワースタイリストの海野美規さんによる今回のウェブ上アレンジレッスンでは、そんなお正月にぴったりの、運気をアップしてくれる黄色をたっぷり使った黄色の花アレンジを教わります。お正月の花飾りに取り入れてみてはいかがでしょうか?
目次
旧正月の縁起のよい飾り 金柑(キンカン)の鉢植え
新年やお祝い事に縁起のよい色というと、紅白、金、銀色となりますが、もう一つ、黄金色から連想される黄色も縁起のよい色とされています。中華圏のお正月である春節(旧正月)では、赤と黄色のアイテムが街中にあふれます。
私が以前住んでいたシンガポールは、中華系民族が7割を占めているということから、春節のお祝いは一年の中で最も華やかでした。
中華系の方々は、開運アイテムや縁起かつぎ、風水に基づいた考え方を大事にされています。春節に飾るものは、縁起のよいラッキーアイテムばかりです。その中で私が興味を持ったのは、大きな金柑の鉢植えでした。
春節の時期になると、日本の門松のように、コンドミニアムやショッピングセンター、公共施設、ビジネスタワー、ホテルなどのエントランスに、大きな金柑の鉢植えが対で置かれていました。しかも、金柑(ミカンほどの大きさでしたが…)がいっぱいに実っている木なのです。
シンガポール人の友人に聞くと、「オレンジ色を黄金に見立てて、お金持ちになれますようにって祈るのよ」ということでした。ミカンは柑橘の「橘」の俗字が「桔」なので、転じて「吉」の意味になるそうで、金柑は「吉祥と富をもたらす縁起のよい木」なのだそうです。
上の写真は、ワンラッフルズキーにあるビジネスセンターのタワービルのエントランスに飾られていた、立派な金柑の鉢植えです。ご利益がいっぱいありそうなビッグサイズでした。
お正月に黄色の花はいかが?
今年のお正月は、富と幸運を祈って、黄色の花を飾ってはいかがでしょうか。黄色の花は部屋も明るくなり元気が出ますね。運気がアップすること間違いなし! という感じがします。
この季節の黄色の花というと、チューリップ、スイトピー、スイセン、フリージア、ヒヤシンス、ラナンキュラスなど。どれも早春にふさわしい球根の花です。私は球根の花が大好きなので、一年で一番好きな花が揃うこの時期は、花選びも花を活けるのもウッキウキ! テンションが上がります。
アレンジに加えた金柑は、庭から。まだ色づきが足りないのですが、数本切って使いました。
風水的に器を選ぶとしたら
せっかくなので、器もラッキーアイテムにこだわってみようと思い、風水的にはどんな器を選んだらいいか調べてみました。
まずは、ガラスの花器。
風水では、水はお金を表すということで、水が見えるようにガラスの器に花を活けると金運アップに効果的なのだそうです(金運ばかりで恐縮です)。ただし、水が濁っていると逆効果で、悪い運気をもたらしてしまうので、こまめに水を替えることが大事だそうです。
水がきれいなことは花にとっても大切です。ガラスの花器に活けたら、他の素材の器よりも気をつけて、いつも清潔にクリアにしておきたいですね。
そのほか、開運に相性がよい、黄色との色の組み合わせは、黄色+白、黄色+茶色、黄色+金色なのだそう。白い器でしたら、合わせやすくアレンジもしやすいです。
私の場合は、以前購入した、翡翠に似たペールグリーンのガラスの器があったので、こちらを使うことにしました。翡翠色もとても好まれる色ですね。この器は20年ほど前に、きれいな色のガラスだなと気に入って買ったもの。後から、そういえば翡翠色みたいに見える~と気がつき、嬉しくなりました。
開運! 黄色の花のアレンジ
使った花
- 金柑の実付き枝
- 黄色のラナンキュラス
- 黄色のチューリップ
<大きなほうのアレンジ>
- 翡翠色の器
- 花留めとして、小石、ヒムロスギ
この翡翠色の器は、口径が広いボール型で、花が留まらずアレンジしにくいのです。特に、金柑は実が重く、器からひっくり返って出てしまって扱いが難しい花材です。
そういう場合は、器の底に小石を入れて滑り止めにしましょう。
また、アレンジのデザインにひびかないような、何か枝物や葉物を入れてクッションにすると、いい具合に枝が落ち着きます。
今回は、クリスマスリースで使ったヒムロスギがあったので、数本入れました。ヒムロスギのように、葉がふさふさしていて、水に浸かっても葉が傷みにくいものは、クッション用としても重宝します。
ヒムロスギを入れて、金柑の枝を入れ、ラナンキュラスとチューリップを入れていきます。
バランスを見ながら整えて、黄色のアレンジのでき上がり。
<小さなほうのアレンジ>
- ブック型のガラスの器
同じ花材で、もう一つ、小さなアレンジを。ソファーのサイドテーブルに飾りたいと思い、コンパクトにしました。
縁起物の仏手柑(ブッシュカン)を添えて
「仏手柑」をご存じでしょうか。ミカンや柚子などと同じ柑橘系のフルーツで、千手観音を思わせる姿から、こういう名前がついたそうです。縁起物としてお正月に飾ります。
中身は少ないですが、皮をマーマレードなどにして食べることができるそう。ですが、うーん、この手のようなところを切ってマーマレードにするのは、ちょっと勇気がいるような気もします。美味しいかな?
お正月には、花アレンジの脇に添えて楽しみましょう。ほんのりやさしい柑橘の香りがします。
仏手柑の他、「しし柚子(鬼柚子)」という、文旦ほどの大きさの柑橘も、邪気を払う縁起物としてお正月に飾ります。
仏手柑もしし柚子も、きれいな黄色で、形もユニーク、そして大きい! どちらも見た目に楽しくて、お正月に笑顔になれる柑橘ですね。
シンガポール 風水に沿った街づくり
シンガポールは、中国、香港と並んで風水大国といわれています。風水に基づいて、あの美しい街がつくられているのです。
シンガポールといえば、マーライオン。マーライオンもまた、風水によって向きと位置を決められました。そこで、マーライオンと風水について調べてみました。
シンガポールは、スマトラ島から海を渡りこの地を訪れた王子が獅子と出会ったことから、獅子の街を意味する名前をつけたという伝説があり、マーライオンはその伝説を受け継いで、シンガポールの象徴となったということです。マーライオンの像は1972年につくられましたが、国が発展する中で、周りに大きな建物や道路や橋ができ、マーライオンは橋で目の前を塞がれてしまいました。ちょうどその頃、アジア通貨危機がアジア各国を襲い、シンガポールも国内の経済が低迷していました。ある風水師がマーライオンの移転をアドバイス、2002年に現在の場所に落ち着きました。
現在のマーライオンは、繁栄の象徴である東の方向を向き、財を表す水を勢いよく吐き出しています。シンガポールは、マーライオンの移転後、めざましい発展を遂げています。
なるほど、マーライオンは風水的に意味のある方角に位置して、シンガポールという国を守っているのですね。マーライオンの周りは、いつも多くの観光客で賑わっていて、活気で満ちています。
風水とシンガポールの街の関係を知ると、とても興味深く、感心することばかりです。何か暮らしの中で、風水を取り入れることができることがあれば真似してみたいなと思います。
まずは、黄色の花アレンジで実践です!
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp
参考:『英国式風水で幸せになるインテリア術』工藤沙美著
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