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愛犬と一緒に手作り。干して美味しい、昔ながらのやさしいおやつ

愛犬と一緒に手作り。干して美味しい、昔ながらのやさしいおやつ

美味しさがギュッと凝縮された干し芋や干し柿は、やさしい味わいの秋のおやつ。干し芋は愛犬にとってもナチュラルで栄養豊富な美味しいおやつになります。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんに、ペットと一緒に手づくりしたい、干し芋と干し柿の作り方を教えていただきました。

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昔ながらのやさしいおやつ

手作り干し芋

「愛犬と一緒におやつ時間を過ごしたい!」「できれば手作りのおやつがいいな」と思うようになって、干し芋や干し柿に関心を持つようになりました。干し芋も干し柿も、昔からずっと愛されてきた自然派おやつですね。

干し芋や干し柿は、栄養と美味しさがぎゅっと詰まった食品です。素材そのままのやさしい味は、根強い人気を誇ります。私は、子どもの頃は干し柿があまり好きではありませんでしたが、大人になるにつれて、そのやさしい素朴な味がどんどん好きになりました。
秋の穏やかな空の下で、愛犬と美味しいものを作るという作業は、なんとも楽しい至福の時間です。さあ、秋本番、干し芋、干し柿を作るのに最適な季節です。ぜひ手作りしてみてはいかがでしょうか。

干し柿づくり

干し柿、干し芋はいつ頃から?

手作り干し柿

干し柿がいつ頃から食べられていたかというと、文献では、平安時代に祭礼用のお菓子としての記述があり、その後、千利休が茶菓子として用いていたり、戦国時代の武将たちに愛されていたりなど、その歴史は古いようです。

干し芋は、干し柿に比べるとそれほど歴史は古くありません。江戸時代後期に静岡県の御前崎で作られたのが始まりだそうです。

干し柿も干し芋も、干すことによって甘みが凝縮され、長く保存できるようになる、頼りになる食品です。そのままでは食べられない渋柿を、砂糖などの甘味料がまだ貴重だった時代に、甘いお菓子として、また保存食として、美味しい食べ物に変身させた先人たちの知恵は、ほんとうに素晴らしいですね。

干し芋と干し柿 犬が食べても大丈夫?

手作り干し芋

干し芋、干し柿を作る前に、犬は食べても大丈夫なのか調べてみました。

サツマイモは、炭水化物、カリウム、水溶性食物繊維を多く含んでいます。また、ビタミンB1,B2,C,Eとβカロテンを含みます。干し芋にする際に一度蒸しているので、消化吸収がよく整腸作用が期待できるそうです。さらに、天日干しをすることで、ビタミンの含有量も多くなります。

干し芋は、甘みが強く、かみごたえがあって、好きな犬も多いようです。我が家の愛犬あんも、大好きなおやつです。オーブントースターで少し焼くと、温かく柔らかくほんのり甘く、あんも「う〜ん美味しい〜」と思っているみたい。とても美味しそうに食べるので、ついついたくさん食べさせてあげたくなりますが、カロリーが気になるところです。

干し芋のカロリーは、100gあたり300kcal。ショートケーキ1個と同じくらいです。一日に犬に与えるおやつの量は、全体の食事量の10%ほどを目安にするとよいとされています。あんが一日に摂取したいカロリーは約700kcalなので、おやつは70kcal。干し芋では23gほどです。ほんのちょっとですね。小さくちぎって、お腹で詰まらせることがないように与えます。

一方の干し柿については、犬が食べるおやつとしてはあまり向いてないようです。カキそのものが、犬にとってはあまり消化のよいものではないなど、積極的に食べさせたい果物ではないからです。果糖が多く、干し柿となると、100gあたり276kcal。干し芋とほぼ同じですが、消化不良、肥満ということが心配になりますから、やはり避けたほうがよさそうです。

干し芋を作ろう

ドライフードネット
干し野菜を作るときなどに便利な「ドライフードネット」に入れて干し芋作り。

干し芋作りにおすすめのサツマイモは、人気の「安納芋」などのねっとりとした食感のものや、スイーツのように甘い「紅はるか」などがおいしくできるようです。

先日スーパーで「シルクスイート」というサツマイモを見つけました。シルクスイートは新しい品種で、「シルクのように滑らかな食感」が人気のお芋だそうです。今回、こちらのさつまいもで干し芋を作ってみました。「スルーっとしてふわっとした食感」なんて、どんなに美味しいでしょうか。でき上がりが楽しみ!

作り方

手作り干し芋
  1. サツマイモを2〜3本用意し、よく洗います。
  2. 炊飯器に入れて、水3合あたりのメモリまで入れて、スイッチを入れます。または、蒸し器で蒸します。
  3. 竹串を刺して、中心まで柔らかくなっていれば大丈夫です。
  4. 皮をむき、スライスします(皮付きでも大丈夫です。お好みで)。
    手作り干し芋
  5. ネットに入れて吊るします。
    手作り干し芋
  6. 2〜3日干してでき上がり。保存袋に入れて、冷蔵庫に入れます。
手作り干し芋

干し柿を作ろう

手作り干し柿

人間用に、干し柿も一緒に作りましょう。干し柿にするのは渋柿です。日光を浴びて、ゆっくりと水分を抜いていくうちに渋味が抜けて甘くなっていきます。

作り方は簡単! 皮をむいて、紐をつけて、干す、それだけです。

おいしく作るポイントは、低温で湿度が低い状態であること。ちょっとひんやり乾燥した陽気がベストです。だいたい気温15度を下回るようになったら干しどきのようです。週間予報で、15度以下で晴れの天気が続きそうなタイミングを見計らって干します。ちょうどその時に、よい渋柿が手に入ったらラッキー。美味しい干し柿を作りましょう。

作り方

  1. 渋柿と麻紐を用意します。
  2. 渋柿の皮をむきます。
    手作り干し柿
  3. ヘタのところに麻紐を結びつけていきます。
    手作り干し柿
    ヘタのところが「T字」になっていると、結びやすいです。干し柿用として出荷されたものは、ちゃんと「T字」に枝をカットされています。
  4. 煮沸消毒のために熱湯にさっとくぐらせます。ほんの数秒です。
  5. 風通しがよく日光が当たるところに吊るしておきます。
手作り干し柿

夜と雨の日は、部屋の中に入れます。4〜5日経って少し硬くなってきたら、やさしく揉みます。

1週間ほど経つと、中が柔らかく外が少し硬くなった状態になります。このくらいの半生も美味しいですね。様子をみながら、さらにもう1週間ほど干したらでき上がりです。干す期間はお好みで。

干している間は、カビに注意が必要です。毎日チェックして、カビそうになったら干すのはやめて冷蔵庫に入れます。半生状態のものは、なるべく早めに食べきるようにします。

愛犬と一緒にブレイクタイム

愛犬と干し芋

我が家の愛犬、柴犬のあんとは、だいたいいつも同じ部屋で過ごしています。同じ部屋にいるというのは、お互いの存在になんとなくホッとするような気持ちになるのですが、少々困ったこともあるんです。というのも、家事が一段落つき、「あぁ〜ちょっとクッキーでも食べようかな〜」なんて思っても、あんがいると食べられないのです。

ガサガサという袋を開ける音、冷蔵庫を開ける音など、おやつの気配を感じる音がすると、ぐっすり寝ていたはずなのに、あんははっと目を覚まします。あんに内緒でクッキーを食べようとしている私を、ソファーの上から首だけ起こしてじーっとみています。ただ黙って、眠たいのに、じーっとみています。「私にもちょうだい。」という顔ではなく、「あれーもうおやつの時間?」という顔です。

おやつを食べようかなと思ったとき、私はあんのあの顔を思い出して、こっそり一人でおやつにするのはちょっと気兼ねするようになりました。

おやつを食べるときは、いつもあんと一緒が基本です。おいしくできた手作りの干し芋を少し。安心して一緒に食べられるおやつがあると、あんも私も幸せなブレイクタイムです。干し芋、あんにも好評でした。

Credit

写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp

参考:『愛犬のためのホリスティック食材事典』

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