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【秋の宿根草】黒芯が映える小花 ‘インヤン(陰陽)’で大人シックに|実例3選

【秋の宿根草】黒芯が映える小花 ‘インヤン(陰陽)’で大人シックに|実例3選

レースフリルのような軽やかな花弁に、黒い花心のコントラストがおしゃれなポットマム‘インヤン’。その名の由来は陰陽(Yin-Yang)。相反するものが補い合って調和するという意味をもつ宿根草です。花径2〜3cmほどの小花ながら、1株で映えるバランス美を持ち、庭に、寄せ植えに、静かな品と強さを添えます。空間をキリッと引き締め、大人シックを完成させる ‘インヤン’のコーディネートをエム・アンド・ビー・フローラの難波良憲さんに教わります。

秋の宿根草、ポットマム‘インヤン’とは?

ポットマム‘インヤン’

ポットマム‘インヤン’

◾️宿根草/翌年以降も季節になると花を咲かせる多年草の一つ。耐寒性強。
◾️花の特徴/黒い花心(ブラックアイ)と繊細なレースのようなフリル花弁のコントラストが美しいスプレー咲きの小菊。切り花の世界的高評価品種群から、エム・アンド・ビー・フローラが日本の庭でも栽培しやすい品種を選抜。
◾️開花期/秋
◾️草丈/初年度は50cm以下。翌年以降は50〜60cmに。
◾️花径/2〜3cm。枝分かれしてスプレー状にたくさん咲く。
◾️花色/白、ピンク、パープル、スモーキー(オレンジ)、クリーム(黄色)
◾️栽培/庭植え、鉢植え、どちらも可。半日陰〜日向で水はけのよい場所であれば、非常に丈夫に育つ。
◾️管理/初年度は鉢植え、翌年以降はボリュームアップするので庭植えがおすすめ。花後は地際で切り戻し、冬越しさせる。寒冷地では株元を落ち葉や敷き藁でマルチするとよい。
◾️梅雨前の切り戻し/翌春以降、再び芽吹いたら、梅雨前に一度、株元15cm程度で切り戻すと、秋にきれいな株姿で咲く。

ふんわり可愛いラウンドブーケのような寄せ植え

ポットマム‘インヤン’の寄せ植え
  • 鉢サイズ/8〜9号
  • 花材
    • ポットマム‘インヤン’白・ピンク 各2〜3ポット
    • ユーフォルビア‘グリッツ’ 1〜2ポット
    • ヨウシュコバンノキ 3〜4ポット
    • オレガノ‘ミルフィーユリーフ’ 3〜4ポット
ポットマム‘インヤン’の寄せ植え
ユーフォルビアの白い花(苞)で、全体にベールをかけるようなイメージで組み合わせる。

<作り方のコツ>

 ‘インヤン’とユーフォルビアをポットから出し、株分けできるものは株分けして小さな株にします。‘インヤン’の間からユーフォルビアの小さな白い花(苞)が出るように隣り合わせて組んでいくと、軽やかさが生まれます。丸い形のラウンドブーケを意識して、中央が高いドーム状になるように。鉢縁にヨウシュコバンノキ、オレガノ‘ミルフィーユリーフ’を交互に植えます。これらの丸葉は鉢のエッジを柔らかくぼかす効果があります。

ヨウシュコバンノキ
柔らかなベージュカラーのヨウシュコバンノキがエッジを柔らかく。

クリスマスにもぴったりの白×グリーンの寄せ植え

ポットマム‘インヤン’の寄せ植え
  • 鉢サイズ/7〜8号
  • 花材
    • ポットマム‘インヤン’白 2ポット
    • セロシア(グリーン) 1ポット
    • トウガラシ‘パープルフラッシュ’ 1ポット
    • ハツユキカズラ 1ポット
    • オレガノ‘ミルフィーユリーフ’ 1ポット
    • ジュズサンゴ‘カスリ’ 1ポット

<作り方のコツ>

一番背の高いセロシア(グリーン)を後方中央に。縦のラインを作り出す役目なので、カレックスなどでも代替可。そのサイドに主役の‘インヤン’を配置。その株元にオレガノ‘ミルフィーユリーフ’を株分けして小分けに植える。中央にトウガラシ‘パープルフラッシュ’とハツユキカズラを植えて、茎を絡ませる。一番手前にジュズサンゴ‘カスリ’を植えて、ふんわり整える。

白の斑入り葉を組み合わせてふんわり感を出しながらも、‘インヤン’の黒い花心がキリッと締め役に。ジュズサンゴ‘カスリ’は晩秋に向かって赤い実をつけるので、クリスマスっぽい雰囲気がアップ。

カレックス
セロシアの代わりにカレックス‘エベレスト’もおすすめ。Jcaley/Shutterstock.com
ジュズサンゴ
赤い艶やかな実が美しいジュズサンゴ。SAI A.D.A/Shutterstock.com

5ポットで完成! イエロー×ブルーのカジュアル寄せ植え|How To

ポットマム‘インヤン’の寄せ植え
  • 鉢サイズ/7〜8号
ポットマム‘インヤン’の寄せ植えの花材
  • 花材
    • ポットマム‘インヤン’クリーム
    • アルテルナンテラ‘パープルプリンス’
    • コウシュンカズラ
    • トウガラシ‘パープルフラッシュ’
    • ヘミジギア‘マーブルキャンディ’

<作り方>

ポットマムを分ける

① ポットマムは1ポットに2芽挿してあることが多く、簡単に2株に分けられます。株を分けて大きさバランスが整うように組み直すと、形よくまとまります。

鉢に植え付け

② ‘インヤン’を中央に、その後ろにアルテルナンテラ、サイドにトウガラシとヘミジギアを配植。花の顔、葉模様がよく見えるように、やや前傾姿勢で植え込むのがポイント。

鉢に植え付け

③ コウシュンカズラの株を寄せ植えスペースに合わせ、苗を開いて形を作り、植え込みます。

整える

④ 茎を整えて完成!

寄せ植えのメンテナンス

  • 水やり:表土が乾いてから鉢底穴から流れるまで。過湿は根腐れの元。
  • 追肥:開花期は2週間に1回の液肥 or 緩効性肥料を置き肥。
  • 花がら摘み:‘インヤン’は「頭だけ」こまめに摘むと次の花が上がる。

秋の庭に新たな彩りをもたらす‘インヤン’

ポットマム‘インヤン’

黒い花心と繊細な花弁——コントラストが空間を引き締めつつ、主張がやさしく、小花でも写真映え。グリーンや実もの、斑入り葉とも調和し、丈夫で宿根、翌年はボリュームアップして見応えがアップします。

陰と陽が寄り添う花‘インヤン’。

ひと鉢で、秋のしつらえが凛と整いそうです。

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