ピンク色のカボチャとバラでスイートなハロウィンアレンジ

10月31日、ハロウィンが近づいてきましたね。今年のハロウィンはどんな演出をしようかしら? と、悩んでいるあなたに、最近SNSなどで多く見かけるピンクのカボチャを主役にしたフラワーアレンジはいかがでしょうか。形のいいカボチャをピンクにペイントして、秋らしい花材を使った部屋飾りの作り方やコツを海野美規さんに教わります。今年らしい新鮮なハロウィンの演出を手作りで用意してみませんか?
目次
いよいよ秋本番! 今年のハロウィンはピンクで

10月31日はハロウィンですね。もうすっかり日本でも定番のイベントとなりました。小さなお子さんがいる家庭では、今年はどんな風に、ハロウィンのデコレーションをしようかと楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
ハロウィンといえば、カボチャのオレンジ色とお化けの黒がメインカラーですが、年々バリエーションが増えていて、いろいろなアイデアが見られます。
例えば、Pinterestを覗いてみると、ここのところピンクのカボチャを多く目にするようになりました。“ピンクのカボチャ”は、ペイントで変身させたカボチャです。私も白いカボチャをピンク色に塗ってみました。今回は、可愛らしいピンクパンプキンとピンクのスプレーバラを使って、スイートなハロウィンアレンジをご紹介します。
ハロウィンカボチャの楽しみ方の注意点
カボチャの準備

ハロウィン用のカボチャはいろいろあります。カボチャらしい凹凸があるものや、オレンジの ようにツルッとしたもの。形はというと、丸いものから、細長いもの、ひょうたんのような形もあったり、岩のように巨大なサイズのカボチャもありますよね。色は、オレンジ、黄色、緑、白などさまざまです。
人気のあるカボチャは、早々に売り切れることもあるので、早めに購入しておいたほうが安心です。といっても、あまりに高温多湿な時期に購入してしまうと、本番までに傷んでしまうこともあり、 購入のタイミングが難しいところでもあります。

おばけランタンのようにくり抜いたり、カービングを施すと、傷みが早くなりますので要注意です。早めに準備をしておきたいという方は、よくできたフェイクのカボチャもあります。ペイントするのであれば、フェイクかぼちゃでも十分楽しめます。
カボチャをペイントしてみよう!
ペイントの準備

DIY 用に買っておいた「アニー・スローン」の塗料を使いました。 アニー・スローンの塗料は、美しいビロードのような質感と、光沢を抑えたマットな仕上がりが特徴です。水性塗料なので扱いやすいのも嬉しいところ。建築材料の揮発性有機化合物の含有率が非常に低いということで、ほとんど無臭という点も気に入っています。
カボチャをペイントしてみよう!
基本の手順

「アニー・スローン」の塗料は、使う分だけ取り出して、すぐにそのまま塗れます。ツートンカラーにする場合は、マスキングテープを貼ってから塗ります。カボチャのデコボコの溝に塗料が入り込んでしまうので、マスキングテープは溝に合わせてぴったりと貼ります。

もっと簡単なペイントアイデア

ブラシや特別な塗料を使わずに、ちょっとだけペイントしたいという場合は、アクリル絵の具と楊枝などを使ってもいいですね。楊枝の丸いほうを使って、ゴールドのアクリル絵の具でドットのライン模様を描いてみました。
小輪でたっぷりのスプレーバラと秋の花ケイトウでアレンジ

今回はトレイに乗せてデコレーションしたいので、花のアレンジは小さめに仕上げます。1本に3~4輪ついているスプレーバラを使うと、小輪のバラがたっぷりのアレンジに仕上げることができます。
同じピンクでも、少しニュアンスの違うスプレーバラを2種類選びました。色の濃いほうは、‘スプラッシュセンセーション’という名前で、カップ咲きのギザギザの花びらが特徴です。‘ファンシーローラ’のピンクはとても上品で優しい色合いです。どちらも、小さいながら存在感のある素敵なバラでおすすめです。
【使った花材】
・‘ファンシーローラ’(SPバラ)
・‘スプラッシュセンセーション’(SPバラ)
・センニチコウ
・ケイトウ
【アレンジの手順】スプレーバラのアレンジ

ガラスの器(直径8cm高さ6cm)に、バラを枝ごとに小分けにして入れていきます。こんもりドーム形になるようにします。
センニチコウは頭が少し飛び出すようにすると、動きが出ます。
表面はフラットに整えず、高低差をつけてデコボコにします。
【アレンジの手順】ケイトウのアレンジ
バラだけではなく、何か季節感がプラスできるといいなぁと思い、秋の花の代表、ケイトウを使いました。バラのアレンジとは違うシルエットに、縦長に活けます。ガラスの器(直径8cm高さ6cm)に、垂直にケイトウを入れます。
柳の華奢なトレイにカボチャと一緒にアレンジ

ガラスの器に活けた花とペイントしたカボチャを、一緒にトレイに乗せます。
トレイがあると、その上で一つのデコレーションが完成します。そして、トレイごとどこへでも移動させることができます。テーブルの上に置いたり、サイドテーブルに飾ったり、とても重宝です。

ここで使ったのは、リトアニアの小さな村の職人さんが手作りした柳のトレイです。フラワートレイという名前で紹介されていました。織るようなイメージで編んだという模様が、華奢でとても美しいトレイです。
本来は、摘んだ花を乗せて運ぶ用途のものなのかな、それでフラワートレイというのかな…と想像を巡らせています。

小さなバラのアレンジとホウキのようなケイトウ、それに小ぶりなカボチャ2つを乗せて、ハロウィンのデコレーションの完成です。

10月のブダペストは少し寂しく
10月の日本といえば、オレンジ色のカボチャをいたるところで目にします。ディスプレイもお菓子のパッケージも、いろいろなものがハロウィン仕様になっていますよね。
ヨーロッパはアメリカの文化は受け入れにくいという気風のせいか、ハロウィンの盛り上がりは日本ほどではないようで、特に十数年前のハンガリーでは、ジャック・オー・ランタンや、インテリアやディスプレイでハロウィンカボチャを見ることはほとんどなかったと思います。

私は、今から 15 年ほど前にハンガリーに住んでいました。ハンガリーの秋の訪れは早く、あっという間に寒い冬へと変化していきました。10 月になると、ブダペストの晩秋の、広く大きなドナウ河と小雨の降るひとけのない鎖橋を初めて見たときのことを思い出します。
私が初めてハンガリーの首都、ブダペストに降り立ったのは 10 月中旬のことでした。その年の日本は残暑が厳しく、10 月に入っても薄物の洋服で十分な気候でした。その感覚で出発してしまったので、ブダペストに到着してあまりの寒さに驚きました。船便で送ったダウンコートや厚手のセーターが手元に届くまで、まだまだ日数がかかり、スーツケースで持ってきた秋物の服ではこと足りず……。私は早速風邪をひき、1週間寝込んでしまいました。

風邪気味にもかかわらず、到着の翌日に初めてのブダペスト市内の観光に出かけました。ドナウ 川にかかる鎖橋は、勇壮で美しくて、圧倒されました。国会議事堂も、王宮も、世界文化遺産に登録されたブダペストの街並みは、それはそれは立派で威厳があり素晴らしいものでした。

その日は、あいにくの小雨の、しかも祝日ということで、市内の中心部なのに、有名な観光スポットなのに、人がちらほらで店も閉まっていて、なんとなくうら寂しい。古くどっしりとした石造りの建物は、暗く重苦しく感じました。
「あぁ、東欧の国に来ちゃったんだな」「ここで暮らすんだな」と思うと、体調が悪いことと重なって、とても心細い気持ちになりました。これが私のハンガリー暮らしの第一歩でした。
ブダペストに初雪が降り、長い冬が始まったのは、それからひと月もしないうちでした。
Credit
写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp
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