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【夏枯れ対策】ワスレナグサに似た青い花「アンチューサ」を日本の気候で上手に育てる方法

【夏枯れ対策】ワスレナグサに似た青い花「アンチューサ」を日本の気候で上手に育てる方法

Esin Deniz/Shutterstock.com

ワスレナグサに似た美しい青い花を咲かせる「アンチューサ」。「多年草と聞いていたのに、夏に枯れてしまった」と悩む方も多いのではないでしょうか。実は高温多湿を嫌うため、日本の気候で長く楽しむには環境づくりに少しコツがいります。
この記事では、大切な株を守るための「夏枯れ対策」を中心に、失敗しない育て方やお手入れのポイントを分かりやすく解説します。アンチューサの特性を知って、庭に美しいブルーのアクセントを添えてみませんか?

アンチューサの基本情報

アンチューサ
HGalina/Shutterstock.com

植物名:アンチューサ
学名:Anchusa
英名:bugloss、alkanet
和名:ウシノシタグサ(牛の舌草)
その他の名前:アフリカワスレナグサ、アンクサ、アルカネット、アレチウシノシタグサ、高性ワスレナグサ、宿根ワスレナグサなど
科名:ムラサキ科
属名:ウシノシタグサ属
原産地:ヨーロッパ~南アフリカ
形態:宿根草(多年草)・一年草・二年草

アンチューサの学名はAnchusaで、そのまま流通名になっています。和名は種類によりアレチウシノシタグサ、アフリカワスレナグサなど。ムラサキ科ウシノシタグサ属の植物で、原産地はヨーロッパ~南アフリカ。寒さには強い一方で、高温多湿を嫌う性質を持っています。

アンチューサ
tamu1500/Shutterstock.com

アンチューサは約35種が確認されており、一・二年草、または多年草で、種や園芸品種によってライフサイクルが異なります。高温多湿に弱く、夏越しできずに枯死するケースがあるため原産地では多年草でも、国内では一年草扱いにされている場合もあるようです。草丈は20〜150cmで、種や園芸品種によって幅があるので、購入時にラベルで確認しておくとよいでしょう。

ハーブとしても利用されるアンチューサ・オフィシナリス。BestPhotoStudio/Shutterstock.com

アンチューサの花や葉の特徴

アンチューサ
fotomaton2023/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:4〜6月
草丈:20〜150cm
耐寒性:強い
耐暑性:やや弱い
花色:青、紫、ピンク、白

アンチューサの開花期は4〜6月で、花色はブルー。ほかに、ピンクや白などの花を咲かせる品種もあります。花茎を長く立ち上げて、ワスレナグサに似た5弁花を多数咲かせます。直立性で草丈が高くなるので、初夏から夏にかけての庭のアクセントとして活躍。茎葉には産毛があり、葉は細長くて先端がややとがるのが特徴です。耐暑性が弱く、夏越しは難しいですが、こぼれ種で増えるほど強健なので、夏越しできずに枯れたとしても、採種して種まきすれば翌年も楽しめます。

アンチューサの名前の由来と花言葉

アンチューサ
Kabar/Shutterstock.com

アンチューサという名前は学名から。この名はギリシャ語で「口紅」や「化粧品」を表す言葉に由来するとされ、かつてはこの属の植物の一部の根が口紅などの化粧用の顔料に利用されていたことにちなみます。和名のウシノシタグサは、表面に産毛が生えてザラザラとした葉を、牛の舌に見立てて名づけられました。

アンチューサの花言葉は「真実の愛」「真実」「大切な思い出」など。ただし「あなたが信じられない」というものもあるので、贈答に利用する場合は相手を嫌な気分にさせないように配慮すると安心です。

アンチューサの代表的な種類と品種

アンチューサ
branchesaroundme/Shutterstock.com

アンチューサの人気の種類や園芸品種についてご紹介します。

アンチューサ・アズレア‘ドロップモア’

アンチューサ・アズレア
アンチューサ・アズレア。tamu1500/Shutterstock.com

アレチウシノシタグサの和名を持つアンチューサ・アズレアは、短命な多年草で、耐寒性が高く、アンチューサの中では育てやすい種類です。よく流通している‘ドロップモア’は発色のよいブルーが印象的な園芸品種で、花期は4~6月。花径2cm程度の花を咲かせ、草丈90~150cmになります。

アンチューサ・アズレア‘フェイザム プライド ストレイン’

アンチューサの小型改良種で、草丈は60~90cm。冴え冴えとした濃いブルーで花が大きく存在感があります。普通種の半分ほどの草丈で、花つきがよく草姿がよくまとまるのが特徴です。

アンチューサ・レプトフィラ‘タッセルブルー’

アンチューサ・レプトフィラ
原種のアンチューサ・レプトフィラ。Guillaume Angleraud/Shutterstock.com

トルコ原産の一年草レプトフィラを元にした園芸品種。花径2cmほどのワスレナグサに似た淡いブルーの花を咲かせます。草丈は20〜40cmほどでコンパクトにまとまるため、ほかの草花と合わせやすいのも魅力です。種まきから4カ月ほどで開花する早生品種。

アンチューサ・オフィシナリス

アンチューサ
Ritvars/Shutterstock.com

学名はAnchusa officinalisで「薬用の」という意味を持っています。アルカネットとも呼ばれ、葉や花は食用やポプリの材料などにも利用されてきました。花期は6~10月で、花径6~8mmの花を次々に咲かせます。草丈は30~60cm。多年草または二年草です。

アンチューサの栽培12カ月カレンダー

アンチューサ
Konstantinos Livadas/Shutterstock.com

開花時期:4〜6月
植え付け・植え替え:3〜4月、10~11月
肥料:3月頃(鉢植え)、10月頃(鉢植え)
種まき:10月頃

アンチューサは種まき、または苗の植え付けからスタートします。

種まきからスタートする場合は10月頃に種まきし、育苗して12月までには植えたい場所に定植します。寒冷地ではポット苗のまま冬越しさせて3〜4月に植え付けるとよいでしょう。

苗の植え付けからスタートする場合は、秋または春に花苗が出回るので、4月までには植えつけます。4〜6月に開花した後に一・二年草は枯死しますが、多年草は越年し、翌年も開花するので、入手した種や園芸品種の分類を確認して管理しましょう。

アンチューサの栽培環境

アンチューサ
Ilona Lablaika/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所が最適です。日当たりが悪い場所では間伸びして頼りない草姿になり、花つきが悪くなることがあるので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】高温多湿の環境が苦手で、粘土質の土壌や水場に近く低い場所など、水はけが悪くジメジメとした環境を嫌います。地植えにする場合は、水はけ・水もちがよくバランスの取れた土壌づくりがポイント。有機質資材をすき込んでふかふかとした土壌にし、周囲より少し土を盛って高くしておくと水はけがよくなります。

耐寒性・耐暑性

アンチューサの耐寒温度は種類によっても異なりますが、およそマイナス15~30℃と、寒さには強い植物。一方で高温多湿には弱いため、多年草タイプでも日本では夏越しできずに枯れてしまうことも多いです。夏越しさせる場合は、風通しのよい半日陰の涼しい環境で管理します。暖地では一年草と割り切って夏まで楽しむのも気軽です。

アンチューサの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【庭植え】

植え付けの1カ月ほど前に、苦土石灰を表土がうっすらと白くなる程度に散布してよく耕しておきます。さらに植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌をつくっておくとよいでしょう。植え付けの少し前に土壌改良資材や肥料などを施しておくことで次第に分解して土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。

水やり

水やり
Zoom Team/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。

真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後はほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥していたら、水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただしアンチューサは多湿を嫌い、いつもジメジメとした状態にしておくと根腐れの原因になってしまうので注意。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。

肥料

肥料
New Africa/Shutterstock.com

【地植え】

痩せ地でも育つので、植え付けの際に元肥を施してあれば必要ありません。ただし、株に勢いがない場合は液肥を与えて様子を見ましょう。

【鉢植え】

10月と3月に緩効性肥料を株まわりに施し、土に馴染ませておきます。

注意する病害虫

アブラムシ
schankz/Shutterstock.com

【病気】

アンチューサの栽培では、特に病気の心配はありません。

【害虫】

アンチューサに発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。

アンチューサの詳しい育て方

種まき

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

アンチューサは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。

アンチューサの種まき適期は10月頃です。3号ほどのポリポットに市販の草花用培養土を入れて水で湿らせておきます。種子を播いて薄く覆土し、発芽までは半日陰の場所に置いて、乾燥しないように管理しましょう。

発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所へ移動します。本葉が2〜3枚出始めたら、10日に1度を目安に、液肥を与えると生育がよくなります。根がよく張ってしっかりした株に育ったら、植えたい場所に定植してください。

苗の選び方

アンチューサ
FatimeBarut/Shutterstock.com

花苗店で苗を購入する際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。葉色が冴えないものや虫食いの跡があるもの、水切れしているものなどは避けたほうが無難です。

植え付け・植え替え

アンチューサの植え付けの適期は、3〜4月(花苗店で購入した苗、または寒冷地などで秋に種まきしてポット苗の状態で冬越しした苗を定植するのによいタイミング)か、10〜12月(温暖地などで秋に種まきした後、育った苗を定植するのによいタイミング)です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、アンチューサの苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、十分に間隔を取っておきましょう。あまり密に植え付けると、風通しが悪くなって株が蒸れることがあるので、余裕を持たせておきます。

地植えの場合、数年は植えたままにしてもかまいません。しかし、大株に育って込み合ってきたら掘り上げ、株分けして植え直し、株の若返りをはかるとよいでしょう。

【鉢植え】

6〜8号鉢を準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。苗を鉢に仮置きし、高さを決めます。苗をポットから出してみて根が白く回っているようなら、軽く根鉢をくずしてから植え付けましょう。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根鉢を丁寧にくずし、新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。

日常の手入れ

支柱
NinaMalyna/Shutterstock.com

【風対策】

アンチューサは草丈が高くなるので早めに支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。

【花がら摘み】

アンチューサは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取り、花が終わった花茎は切り戻します。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。

ただし、種子を取りたい場合は花がらを摘まずにそのままにしておきます。

切り戻し

アンチューサ
TAMER YILMAZ/Shutterstock.com

基本的に春~初夏に開花する一年草扱いですが、種類によっては切り戻すことで秋まで長く楽しめるものもあります。宿根草タイプで夏越しに挑戦する場合は、草姿が乱れてきたら切り戻し、風通しをよくして夏越しさせます。地際から草丈の半分の高さを目安にカットしましょう。

夏越し

敷きワラ
xpixel/Shutterstock.com

高温多湿に弱いアンチューサは、夏越しが難しいため、暖地では無理に夏越しさせず一年草と割り切ると気軽に楽しめます。夏越しに挑戦する場合は、蒸れと暑さに注意しましょう。

【地植え】

一日中、日差しが強く照りつける場所では遮光ネットを張り、株元に敷きワラをして暑さ対策をするとよいでしょう。

【鉢植え】

強い日差しが照りつけ続ける暑い環境にさらされると弱るので、風通しのよい涼しい場所で管理しましょう。

増やし方

ガーデニング
Nataly Studio/Shutterstock.com

アンチューサは株分け、種まきで増やすことができます。

【株分け】

多年草タイプのアンチューサは株分けで増やすことができます。株分けの適期は3〜4月です。大きく育った株を掘り上げて、地際から出ている茎を4〜5本ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。

【種まき】

種子を採取する場合は、花がら摘みをせずにそのまま置いておき、十分に熟したら採種します。採種した種子は、10月頃の種まきの適期に播きましょう。種まきの方法は、「種まき」の項を参照してください。

アンチューサの特徴を知り可憐な花を楽しもう

アンチューサ
Anna50/Shutterstock.com

花茎を長く立ち上げ、深いブルーの花を多数つけるアンチューサは、華やかな草姿で庭のアクセントとして活躍します。夏越しが難しい一面もありますが、こぼれ種で増えるほど強健なので、種まきして毎年開花を楽しむのも一案です。ぜひアンチューサを庭やベランダに 取り入れてみてください。

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