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【収穫の喜びも!】子どもと孫と一緒に楽しむガーデニング「家族の思い出を作る植物」7選

【収穫の喜びも!】子どもと孫と一緒に楽しむガーデニング「家族の思い出を作る植物」7選

ガーデニングは、子どもや孫と一緒に楽しむことで、さらに豊かな記憶に残る時間になります。収穫の喜びを分かち合い、長く心に残る家族の思い出を育む——そんな願いを叶える植物を厳選しました。この記事では、ガーデニングプロデューサーの遠藤昭さんが自身の体験も交えながら、小さなお子様も大人も夢中になれる、特別な「家族の思い出が残る植物」を7種類ご紹介します。さあ、一緒にガーデニングを始めましょう!

子どもとガーデニングの趣味を共有してみよう!

ガーデニング
私がガーデニングを始めて今年で30年。

ガーデニングが流行して「流行語大賞」に“ガーデニング”という言葉がエントリーしたのが1997年で、早29年。29年といえば、ほぼ一世代が入れ替わる年数ですね。当時、ガーデニングブームを牽引していた世代の多くは、今還暦を越え、孫のいる世代になっているはず。僕自身もその世代で、自分がガーデニングに興味を持った頃は、子どもと共通の趣味を持ち、一緒に楽しみたいという願望がありました。しかし、その頃は自分も仕事が忙しく、子どもたちは塾通いの年齢で、それどころではなかったのです。

ガーデニング
オーストラリアに駐在した経験から、帰国後多くのオージープランツ(オーストラリア原産の植物)を育てることに夢中だった。

今、自分が孫を持つ年齢になり、自分自身の子育てでは叶わなかった“子供とのガーデニングの趣味”の共有が、孫とならできそうな気がして、孫が我が家に来たときには実際に実践しています。そこで今回は、小さなお子さんやお孫さんが喜ぶとともに、大人にとっても楽しめる植物をセレクトしてご紹介します。

大人も子供も喜ぶ“珍しくて可愛い植物”おすすめ7選

おすすめ1 ミッキーマウスの木

ミッキーマウスの木

ご覧のとおり、実のフォルムがミッキーマウスに似ているから、この名前がついています。写真を見るとなるほど! と思いますね。僕が初めて出会ったのは、かつて相談員として勤務していた植物園の温室でしたが、来園する子どもたちに説明すると、目をキラキラ輝かせて喜んでいました。植物にキャラクターの名前が付くのは珍しいことですね。

ミッキーマウスの木

これは、たまたま東欧のチェコを旅行していて、レドニツェ城の温室で撮影した写真です。

「ミッキーマウスの木」と呼ぶのは日本だけかと思っていたのですが、チェコで出会い、この国でも「Micky mouse tree」の名に驚き、感動しました。

もともと、南アフリカのオクナ科という、あまり日本では親しみの無い科の植物ですが、近年「ミッキーマウスの木」として急に知られるようになり、通販サイトでも苗が買えるようになりました。ミッキーさんが実るなんて夢いっぱいですね。

鉢でも育てやすい低木で、樹高が1~2mとされていますが、現地では6mに達することもあるようです。耐寒温度が日本では10℃程度とされていましたが、近年は暖地なら露地で越冬するという説もあります。まだデータが少ないので断言はできませんが、南アフリカ原産で、オーストラリアやニュージーランドでも改良品種が栽培・販売されていますから、オージープランツ並みにもう少し寒くても越冬できそうな気がします。

ミッキーマウスの木

南アフリカでは9~11月(つまり春)に開花し、日本の温室でも1月に開花。2~3月には、ミッキーマウスに似た赤と黒の実が楽しめます(写真は1月に温室で撮影)。

花弁は5枚でよい香りがします。

温室でない場合には、開花は3月頃からで実が黒くなるのは6月頃からです。比較的長期間、次々と咲き続けます。

ミッキーマウスの木

温室栽培の2月末の状態です。花と実が両方見られます。

ミッキーマウスの木

2月の内は、実がまだ緑色です。段々と黒く色づきます。開花から3カ月間、観察を楽しめるのも子供への花育にも適しているのではないでしょうか。

和名:ミッキーマウスノキ
学名:Ochna serrulata
その他の名前:ミッキーマウスツリー、オクナ・セルラタ
英名:mall-leaved plane, carnival ochna, bird’s eye bush, Mickey mouse plant or Mickey Mouse bush
科名 / 属名:オクナ科 / オクナ属
原生地:南アフリカ

ミッキーマウスの木

この写真では、実の1つはまだ緑色ですね。これが他の実のように次第に黒く色づきます。

ミッキーマウスの木

たくさん咲くと賑やかで楽しい雰囲気です。

【育て方】

基本的に鉢植えで育てます。4月頃からは屋外の日当たりのよい場所で育てます。一般の鉢物同様に夏の直射日光や西日は避け、真夏は半日陰で風通しのよい場所での栽培が適しています。土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。日当たりが悪いと開花しにくくなるので注意しましょう。11月頃からは屋内の日当たりのよい場所に移します。屋内で育てる場合の注意として、ガラスの窓際や暖房機の近くなどの、温度変化の多い場所は避けます。

次に、子供や孫が喜ぶ植物は実の成る果樹です。トマトやキュウリなども喜ばれますが、果樹のほうが、収穫の歓びを感じるようです。余談ですが、ガーデニングに興味を示さないご主人やお子さんに庭に目を向けさせるには、私の長い経験上、ブルーベリー、レモン、ミカンなどの果樹はとても効果的です。子供も男性も、果物が好きなようです。そして果物の最大の魅力は、「ブルーベリーが実ったから、ブルーベリー狩りに来ない?」あるいは「ミカン狩りに来ない?」と孫を誘う「強力なネタ」になるのです。

おすすめ2 ブルーベリー

ブルーベリー

果物の中でも特に、背の低い子どもが手軽に摘んで親しめるブルーベリーがおすすめNo.1です。1粒が小さい点でも小さなお子さんには摘みやすいです。また、ブルーベリーは鉢植えでも育てられるのも手軽に始められるのも魅力です。

ブルーベリーの花と紅葉

そして、果実を楽しむのはもちろんですが、5月に咲く鈴のような白い花も愛らしく、秋の紅葉も楽しめます。

【育て方】

3つの大切なポイントは

  1. 酸性土を好む 
  2. 2株以上植えると受粉しやすい 
  3. 日当たりのよい場所で育てる

ことです。

多くの植物は、pH5.5〜6.5の用土で育ちますが、ブルーベリーの場合、酸性の用土を好むのでpH5.0が最適とされています。ですので、お手持ちの培養土にピートモスを混ぜて調整するか、ブルーベリー専用の土を利用すると失敗がありません。

ブルーベリー「ティフブルー」
今年購入して実が色づき始めた「ティフブルー」。

そして、苗を購入する際に覚えておくとよいのが系統です。

ブルーベリーには、大きく分けると3つの系統があり、ラビットアイ系、ハイブッシュ系、サザンブッシュ系に分かれます。栽培の際は、同じ系統の異なる2品種を選ぶと実つきがよいです。

初心者の方におすすめなのは、育てやすく実つきがよいとされるラビットアイ系の組み合わせ。ラビットアイ系のおすすめの組み合わせは、「ティフブルー」と「パウダーブルー」で、どちらも育てやすく、収穫量も多い品種です。

ブルーベリー栽培
採取してすぐ新鮮な果実を食べられるのもブルーベリーの魅力。

枝ぶりが華奢で扱いやすいので、鉢植えにしてマンションのベランダでも育てることができます。鉢増し(一回り大きい鉢に植え替えること)は1~2年に1度、2月頃に行います。施肥は3月と9月に施します。

おすすめ3 レモン

レモン栽培

この20年ほどで、レモンが家庭の庭木としてすっかり定着しましたが、レモンの“お洒落感”は小さな子どもでも分かるようで、ミカンの栽培より楽しいようです。

何より、採りたてのレモンは、紅茶蜂蜜レミン、レモンスカッシュ、レモンソルト、そしてレモン胡椒など……。さまざまな料理やお菓子にも使用できて、とても重宝するうえ、豊かさを運んでくれる果樹です。その喜びをぜひ子どもとお孫さんとで共有してください。

レモン栽培

苗木は、年中見つかりますが、秋から年内に数個ほど実の成っている10号鉢程度の苗を購入して育て始めれば、数年で大量に収穫できます。我が家では、毎年100個ほど収穫して20年以上になります。そして子どもや孫が成長しても「思い出」のレモンの木は寿命が長いので、次の世代も楽しめるのというのも大きな魅力です。

おすすめ4 ミカン

ミカン栽培

最も親しみのある果物で、柑橘類は本当に種類が多いですね。我が家で育てているのは、「温州ミカン」。私の果樹栽培歴25年間に、柿、桃、梅、梨、巨峰など、いろいろ挑戦してきましたが、木が大きくなりすぎたり、虫がついたり、病気になったり……。そのなかでも、ほぼ放っておいても毎年確実に収穫できているのが、レモンとミカンなのです。

ミカンの収穫

比較的低い所に実るので、子どもも直にもぎ取る体験が自宅でできます。一度経験したら忘れられないのか、孫は毎年ミカンの収穫時期になると遊びにくる恒例行事となっています。

ここまで花木と果樹を紹介してきましたが、もっと簡単に手軽に短い期間で育てることができ、学べるのが草花です。

草花のなかで小さな子どもに人気なのは、やはり学校の教材で扱う、ヒマワリ、アサガオ、チューリップの3種が圧倒的です。学校で育てたり学んだりする前に、自宅で栽培を経験しておけば得意科目になります。

おすすめ5 ヒマワリ

ヒマワリ

学校花壇の代表ですね。誰にもヒマワリを育てた思い出はあるのではないでしょうか?

大人にとっても、元気の出る花ですね。そして、ある世代の人々には映画の『ひまわり』が思い出かもしれません。ヒマワリといえども最近は進化していて大きな花からコンパクトな品種、シックな花色などバリエーションが豊富で、大人も栽培を楽しめます。

おすすめ6 アサガオ

アサガオ

アサガオも学校の夏の教材や宿題の定番ですね。種まきから発芽、つるが伸び、花が咲き、種子ができるまでの植物の一生を短期間で観察できるという、花育にぴったりの植物です。また、プランターで育てられるので、栽培が手軽に始められるという点や、早朝に鮮やかな花が咲くことは家族でも話題にしやすいという利点がいっぱいです。

アサガオ
雨樋を伝って2階まで伸びて咲くアサガオ。

大人は子どもの頃の記憶を思い出しながら、改めて家族でアサガオを育ててみるのはいかがでしょうか。

おすすめ7 チューリップ

チューリップ

チューリップほど、小さなお子さんから大人まで咲いたときの喜びを得られる、バラエティ豊かな植物は他にはないのではないでしょうか? 私自身、幼稚園生の頃、母と初めて植えた球根がチューリップだった記憶があります。「咲いた、咲いた、チューリップの花が♪」

チューリップ
庭に咲いた花を部屋に飾るのも贅沢な楽しみです。

小さい時の思い出は、いつか蘇り、大人になって、チューリップの球根を「大人買い」して、思う存分、育てた事があります。それはそれは楽しい体験でした。

大人買いしたチューリップ栽培のレポートは、下記の記事をぜひご覧ください。

庭で過ごした家族との思い出が未来につながる

子どもとガーデニング

子どもと孫と一緒に育ててみたい種類は見つかりましたか?

今回は7種を紹介しましたが、決して子どもや孫とだけではなく、どれもどんな世代が育てても楽しい思い出ができる魅力的な植物です。子どもの頃に植物と触れ合う喜びを感じた体験は、きっと大人になって、いつか記憶が蘇り、植物に触れ合う豊かな人生へと導いてくれるでしょう。実体験した私が保証します。

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