「葉が焼けて茶色くなってきた」「水やりしてもすぐにしおれる」——真夏から9月にかけて、クリスマスローズは一年で最も弱りやすい時期を迎えます。暑さに負けて株を傷めてしまうと、冬の花つきにも大きく影響が。この記事では、プロが実践する“残暑の守りのケア”を詳しくご紹介。さらに、2025年9月21日(日)には、ガーデンストーリーインスタライブにてクリスマスローズの専門家・横山直樹さんが、「酷暑・残暑の克服術」を伝授。同日午後1時からは、鳥取県米子市で「出張診察・即売会」も開催しました。
目次
クリスマスローズが夏に弱る理由

クリスマスローズは、冬から春にかけて花を咲かせる「冬咲き宿根草」です。そのため、真夏の高温多湿は大の苦手。特に8〜9月の残暑期は、「蒸れ」「葉焼け」「根腐れ」が一気に重なりやすい危険な季節です。こうした状況になると、クリスマスローズの株には以下のような症状が表れます。
- 高温と過湿/根が酸欠状態になりやすく、しおれや根腐れになる
- 強い直射日光 /葉が茶色に焼けたり、斑点が広がる
- 蒸れた環境 /病原菌や害虫が繁殖しやすくなる
花芽が形成されるのは、夏を越えた秋。ここで株を弱らせると、冬の花数が減ってしまいます。だからこそ「守りのケア」が重要です。
残暑を乗り切る置き場所の工夫
地植えの場合

- 落葉樹の株元や、北東側の明るい半日陰が理想です。
- 西日が強い場所では、遮光ネット(70%)を斜めに張って光を和らげましょう。
- 株元を落ち葉や堆肥、バークチップなどで覆う(マルチングする)と地温の上昇が防げます。
鉢植えの場合

- 直射を避けられる半日陰に置きましょう。
- 鉢を直に床に置くと熱がこもります。レンガや鉢台にのせて通気を確保。過湿を防ぐためには40〜50cmの高さに置くのが理想的。
- 黒いプラ鉢は熱を吸収するので、白い鉢カバーに入れて二重鉢にすると安心です。
水やりと湿度管理のポイント
基本は「表土が乾いたら朝にたっぷり」。土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から流れるまでしっかり与え、受け皿の水は必ず捨てること。暑いからといって、毎日たっぷり水をあげるのは禁物。鉢内に残った水分がお湯になって、根腐れの原因となります。
葉の整理と蒸れ対策

病斑や黄色くなった葉はハサミで早めに除去しましょう。風通しをよくするだけで病気のリスクは大きく減ります。ただし夏の強剪定はNG。葉を減らしすぎると光合成力が落ち、回復が遅れます。
夏の施肥はお休み、秋に備える
真夏の施肥は根を傷めやすいので、一切与えません。涼しくなり始める9月下旬〜10月、ヒガンバナの開花を目安にし、液肥から少量ずつ再開します。
病害虫への警戒と対処

- 根腐れや立ち枯れ/蒸れが主因。水やりの間隔を見直し、風通しを確保しましょう。腐って黒くなった部分は取り除き、殺菌剤を散布します。
- ナメクジに注意/枯れた葉や蒸れて傷んだ部分を食害します。見つけ次第捕殺するか、予防薬を近くに置くことで防げます。
9〜11月の回復プログラム

- 9月下旬:ヒガンバナの開花を目安に、液体肥料を再開。遮光ネットも外し、日照にも徐々に慣らしていきます。
- 10月:植え替え・株分けの最適期。根詰まりしている鉢はここでリフレッシュ。
- 11月:根の成長を促し、古葉取りなど、冬の開花に備える大切な充実期。
今日からできる残暑チェックリスト

□ 西日が当たらない場所に置いているか。
□ 鉢底を浮かせて風を通しているか。
□ 朝に水を与え、受け皿の水は残していないか。
□ 病気や枯れ葉を早めに取り除いたか。
□ 施肥は停止中(再開は9月下旬〜)。
専門家による「酷暑・残暑の克服術」セミナー&鳥取県出張診察・即売会開催!

残暑対策を押さえておけば、秋からの回復がスムーズになり、冬の花数にもつながります。さらに直接専門家から学べる機会もあります。
9月21日(日)午前10時から、クリスマスローズ専門家の横山直樹さんがガーデンストーリーのインスタライブにて「酷暑・残暑の克服術」を伝授。
また、同日午後1時からは、鉢を持ち込んだ方を対象に、横山さんが不調の原因を見極め、健全に育つように自ら植え替える「出張診察・即売会」も開催しました。
「酷暑・残暑の克服術」Dr.横山のクリスマスローズ&秋の球根クリニック
【日時】9月21日(日)
◾️10時〜10時45分/ガーデンストーリーインスタライブ
https://www.instagram.com/gardenstory.jp/
◾️13時〜15時/Dr.横山の診察開院&即売会
*診察ご希望の方は12時45分よりご来院順に診察整理券を配布します。
【参加費】無料(要別途植え替え料)。ご予約は不要です。お時間になりましたらご来院ください。お庭もご自由にご覧いただけます。
【場所】面谷内科・循環器内科クリニック
鳥取県米子市道笑町4丁目221-1
JR米子駅より徒歩約17分

Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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記事協力 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -

おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
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