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【今が買い時!】初心者にもおすすめの宿根草ラナンキュラス・ラックスで作る、映える春の庭
春の訪れを知らせる「ラナンキュラス・ラックス」は、今が苗の買い時。初心者でも育てやすく、春の庭を彩る宿根草としてトップの人気を誇るこの花を、庭に取り入れてみませんか。草丈が高く花つき豪華で、SNS映えする美しい庭をつくりたい人にもぴったり。その魅力や育て方のコツを、栽培歴6年以上の面谷ひとみさんの事例とともにご紹介します。春の庭準備を始めましょう!
目次
春の庭を彩るラナンキュラス・ラックスの魅力と育て方のポイント
私が暮らす山陰の年明けは、たいていは雨か雪。冬に青空が見られることはほとんどなく、東京の大学へ通う娘のところへ行くようになって、関東では冬も毎日お日様が見られることに驚きました。寒くて薄暗い冬を長く過ごしていると、明るい日差しがさす春が恋しくてたまりません。春の訪れは、光の色が変わる瞬間で分かります。光が春色になったら、庭もそれに合わせてパッと華やかにしたくなります。そんな気持ちに応えてくれるのが、ラナンキュラス・ラックスです。
ラナンキュラス・ラックスは桜と同じ頃に開花する宿根草。ちょうど今頃、1月初旬から花が咲いた開花株が店頭に並びます。1ポット数千円するので、草花の苗の中では高めですが、一度育ててみればその価値は余りあることが分かります。宿根草ですから毎年、季節になると花を咲かせてくれるのは当然ですが、地植えにすると2年目は株の大きさが倍以上になります。3〜5月まで次々に花を咲かせ、1株で優に100輪は咲くでしょうか。この点がチューリップなどの春の球根花との違いで、とにかく1株で豪華。草丈は60〜70cmほどになり、春先の庭ではとても存在感があります。草丈が高いのですが、株元の茎は太くしっかりしており、それでいて風に揺れるような抜け感があり、ふわふわ優しい大きな花束のような草姿も絵になります。
ラナンキュラス・ラックスが初心者にもおすすめの理由
ラナンキュラス・ラックスを育て始めて6〜7年になりますが、害虫の被害を受けたことがありません。パンジーやビオラ、デルフィニウムはダンゴムシやナメクジ、ヨトウムシなどに食べられて花がボロボロになることがありますが、そばに植えてあるラックスは被害を受けません。また、花びらが薄く繊細な植物は、開花後に強い雨に当たると花がクシャッとなって復活しないことがありますが、ラックスは繊細に見えて雨を弾き、雨にも負けずに綺麗な花を咲かせてくれるのも大きなポイント。ラックスの名前は「ワックス」からきているのですが、その名前の通り、「耐雨性」にも優れており、最近の激烈な雨にも耐えてくれます。植えっぱなしで夏越しも冬越しもするので、初心者にもおすすめです。
地植えで楽しむラナンキュラス・ラックスの育て方
庭のさまざまなエリアに植栽しているラナンキュラス・ラックスをご紹介します。ここは駐車場に面した東側の花壇で、通りからも見える場所なのでラックスをたくさん植え、春が来た喜びを道ゆく人も感じられるようにしました。ラックスは花びらにツヤツヤとした光沢があり、日に当たると輝くように花色が浮かび上がります。
ラナンキュラス・ラックスの育て方のコツは水はけ
ラナンキュラス・ラックスの育て方のコツは、何よりも水はけ。もともと球根植物なので、湿った環境を嫌います。この花壇も地面より10〜15cmほど高く盛り土をし、水はけをよくしています。わずかな段差のようですが、植物の生育環境には確実に違いが出ます。
ラナンキュラス・ラックスは花壇後方の色彩構成に活躍
ここはクリニックの待合室から眺められる主庭です。濃いブルーのデルフィニウムに合わせて、イエロー系のラナンキュラス・ラックスを植栽しました。この植栽帯は道路側へ向かって地面が緩やかに高くなっており、雨が降っても水がすぐにはけるので、ラナンキュラス・ラックスの栽培環境としては好適です。草丈が高くある程度まとまった色を提供してくれるので、花壇の後方の色彩構成に大活躍します。
ラナンキュラス・ラックスは2年目以降に本領発揮
ラナンキュラス・ラックスは地植えにすると2年目以降は株の大きさが2倍以上になります。株の大きさにともない花数が増えるのはもちろんなのですが、充実した株に咲く花は花色がグッと深みを増し、一年目とはまったく違う表情を見せます。庭にスペースの余裕があれば、ぜひ地植えをお勧めします。
こちらは先ほどの植栽帯の向かい側、高さ約40cm、奥行き1m、長さ8mほどの花壇です。こちらはテーマカラーを淡いピンクとブルーにし、ピンク系のラナンキュラス・ラックスを花壇後方へ植栽しました。ラナンキュラス・ラックスには‘アリアドネ’や‘アウラ’、‘ヴィーナス’など、ふわっと儚げなピンクの花が多く、春の優しい光によく似合います。この花壇では3カ所にラナンキュラス・ラックスを配置しています。
ラナンキュラス・ラックスの開花期と合う春の花
ラナンキュラス・ラックスの手前には草丈の低いネメシア(右上)やネモフィラ(右下)、クリスマスローズ(左)などを植栽。ペールトーンの花色でまとめて優しい雰囲気にしました。ネメシアとネモフィラは一年草、クリスマスローズは宿根草です。ちょうどラナンキュラス・ラックスの開花と同じ3〜5月に庭を彩ってくれます。
寄せ植えで楽しむラナンキュラス・ラックス
ここは建物に沿った小道の庭で、診察や治療を受ける患者さんから一番よく見える場所なので、一番の見どころを作るようにしています。八角形の高さのある大鉢にラナンキュラス・ラックスを寄せ植えにしました。スイートアリッサムやハナカンザシ、シレネなどの小花が株元にふわふわ咲き群れ、ラックスの花を引き立てます。
小道の庭の入り口にも、中くらいのラナンキュラス・ラックスの寄せ植え鉢を置きました。小道のようなスペースの限られた庭では、鉢植えの花を取り入れると高低差ができ、風景に変化が生まれます。植木鉢を庭の中におくときは、周囲の地植えの花ともコーディネートすると、狭くても目を引くコーナーが作れます。ここでは紫色のラナンキュラス・ラックス‘ディーバ’に合わせ、紫系のパンジーやキンギョソウ‘ブランルージュ’などを周囲に地植えし、花色が繋がるようにしました。
ラナンキュラス・ラックスの夏越し・冬越し
ラナンキュラス・ラックスの花は5月くらいまでが見頃。私の庭ではバラと交代になるように花茎を切ってさっぱりさせます。そのまま地植えの箇所もありますが、主に東側の花壇や寄せ植えの鉢は、バラと合わせる草花に入れ替えるため、ラックスは鉢上げして北側のバックヤードへ。やがて緑の葉も枯れ、地上部は何もなくなりますが、休眠しているので心配ありません。これは地植えのままの株も同じで、地上部がなくなり次の季節の宿根草に席を譲ってくれるので、好都合です。地上部がなくなったら、鉢上げした分も水やりはせず自然の降雨のみで風通しよく管理します。秋になると再び目覚めて写真のように葉っぱが展開してきます。葉が出てきたら緩効性の置き肥を株元に施肥し、冬〜早春に再び地植えや寄せ植えします。私は鉢上げした分は花が咲く直前に植え込みします。
米子では冬は雪が積もることがありますが、植えっぱなしの株も全く問題なく、春になると毎年盛大に咲くので、これといった冬越し対策はしていません。ラナンキュラス・ラックス‘ムーサ’はもう植栽から6年以上経過しており、奥行き35cmしかない花壇に植えっぱなしですが、見事な花つきでバラの前のシーズンの主役を担ってくれます。
ラナンキュラス・ラックスは、その華やかさと丈夫さで、春の庭を彩る主役になれる花です。初心者でも育てやすく、毎年美しい花を楽しむことができます。ラナンキュラス・ラックスで、庭をさらに輝かせてみてはいかがでしょうか?
Credit
話 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
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撮影 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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