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【春の庭づくり】おしゃれな庭づくりに必須のブルーの小花ベスト8
ブルーの小花は、可憐で、庭を上品に演出してくれるマスト中のマストバイプランツ。群生して咲かせれば、まるで庭が水をたたえた湖のような神秘的な雰囲気に。どんな花とも相性がよく、寄せ植えにも使い勝手抜群です。「365日花あふれる庭作り」をテーマに、これまでたくさんの花を育ててきたガーデニストの面谷ひとみさんに、春におすすめのブルーの小花をセレクトしていただきました。
目次
春の3大ブルーは、ネモフィラ、ワスレナグサ、オンファロデス
春に咲くブルーといえば、ネモフィラ、ワスレナグサ、オンファロデス。ネモフィラは茨城県の「国営ひたち海浜公園」で有名な花です。4月に丘一面に咲く淡いブルーの花景色は青空につながり、そのインフィニティーブルーの幻想的な世界は絶景と称されます。庭ではそこまで盛大でなくても、やはりある程度群生させるようにまとめて咲かせると存在感が出ます。ワスレナグサやオンファロデスも同様です。
ベイビー・ブルー・アイズとも呼ばれるネモフィラ
■Plants Data
ネモフィラ/一年草・草丈10〜20cm・開花期4〜5月
上の写真は、ネモフィラをところどころに群生させるように植えた春の庭です。こんもりふんわり茂って、ブルーの小島が浮かぶように咲いてくれます。草丈が低いので、植栽帯の奥ではなく手前に配置するとよいでしょう。英名は「ベイビー・ブルー・アイズ」。澄んだ赤ちゃんの目のようなピュアな花色は春の柔らかい光によく似合います。ネモフィラにはいくつかの品種がありますが、この水色の花は‘インシグニス・ブルー’という品種で、中心がほんのり白く抜けるため軽やかな印象です。ひたち海浜公園に咲くネモフィラの品種も同様です。
黒花のネモフィラ‘ペニー・ブラック’
やや黒みを帯び、水色の品種より小輪で草丈も低いのがネモフィラ‘ペニー・ブラック’です。花弁の縁が白く縁取られる覆輪(ふくりん)という模様が特徴。黒っぽい色合いで引き締め役としても活躍し、軽やかな印象もあり、小輪ながら植栽の中で存在感を発揮します。この花が咲く頃はパンジー&ビオラがこんもり茂ってきますが、それらの間に‘ペニー・ブラック’を植栽しておくと、抜け感が出て軽やかな印象になります。
こぼれ種でよく増えるワスレナグサ
■Plants Data
ワスレナグサ/一年草・草丈30〜50cm・開花期3月下旬〜6月上旬
ワスレナグサはブルーの小花がチラチラと咲き、素朴でとても可愛らしい春の花です。春のはじめは下の写真のように草丈が小さいのですが、季節が進むにつれ分枝しながら旺盛に茂って膝丈くらいまで大きくなり、青い海原のように咲き広がります。
2年目以降はこぼれ種でとてもよく増えます。増えるのは嬉しいことでもありますが、放っておくと庭中がワスレナグサ畑になって、他の草花の生育に影響を及ぼすことがあります。場所によっては草丈の小さいうちに間引いて移植したり、数をコントロールしたほうがいいでしょう。
半日陰を可憐に彩るオンファロデス
■Plants Data
オンファロデス /宿根草・草丈20〜30cm・開花期4〜6月
ワスレナグサを少し大きくしたようなオンファロデスの水色の花は、庭でよく目立ちます。左のブルーは‘チェリーイングラム’、右の2色咲きは‘スターリーアイズ’。ワスレナグサは一年草でどんどんこぼれ種で増えるのに対し、オンファロデスは少しずつ株が大きくなっていく宿根草なので、大事に育てて増やしてきました。一気に増えるわけではないので、コントロールしやすい花です。
明るい緑の葉は葉焼けしやすいので、落葉樹の下など半日陰になる場所でよく育ちます。ピンクのアネモネやチューリップなど、少し大きめの花と合わせると、とても愛らしいシーンが生まれます。
一推し品種! 開花期間が長くコンパクトなデルフィニウム‘チアブルー’
■Plants Data
デルフィニウム‘チアブルー’/宿根草・草丈約40cm・開花期4〜6月、10〜11月
一般的なデルフィニウムより早く咲き始め、草丈もコンパクトな改良品種が‘チアブルー’。開花期間が非常に長く、チューリップとの組み合わせや、バラとの競演も楽しめます。さらに、夏越しがうまくいけば、秋にももう一度咲いてくれるパフォーマンスのよさ、そして目を引く鮮やかなブルー、上向きで華やかな花が評価され、ヨーロッパで最も権威のある植物の審査会で2021年ゴールドメダルを受賞しました。優秀な品種を掛け合わせており、丈夫で育てやすいのも魅力。遠くにあっても目を引き、春の新たな定番としておすすめの花です。本来は宿根草ですが、夏越し・冬越しができない場合は一年草として楽しみます。
名脇役として活躍するブルーの小花
庭ではバラのように主役として目を惹きつけるもののほかに、脇役も大事なキャスト。庭を主役級の花ばかりで構成すると、見所が渋滞して全体の調和がとれなくなりがちです。主役を上手に引き立て、より美しさを際立たせてくれる名脇役のブルーの小花をご紹介します。
ふわふわ繊細に咲くアスペルラ・オリエンタリス
■Plants Data
アスペルラ・オリエンタリス/一年草・草丈約30cm・開花期4〜7月
タマクルマバソウとも呼ばれる淡い青紫色の花は、全体的に華奢な雰囲気。葉も茎も細く繊細で、決して主張しすぎることなく名脇役として活躍します。よく分枝してこんもり茂り、チューリップやバラの株元をふんわり彩り、優しい雰囲気を演出してくれます。
華やかなピンクのバラ‘ジャック・カルティエ’にパッと目を惹かれるものの、株元の小花もよい仕事をしてくれています。小花が咲いているか否かで、このシーンの印象はだいぶ変わります。試しに手で株元の花を隠してみてください。バラはきれいですが、それだけだとずっと眺めていたい風景になるでしょうか。いろいろな花が共演してこそ、うっとり見入ってしまうシーンができあがるものです。デルフィニウム‘チアブルー’の青も効いています。
驚異的な花もちと強さでコスパ最強! ゲラニウム‘ビルウォーリス’
■Plants Data
ゲラニウム‘ビルウォーリス’/宿根草・草丈30〜50cm・開花期4〜11月
さまざまな品種があり、小花がかわいいゲラニウムですが、なかでも‘ビルウォーリス’は春から秋遅くまでずーっと長く咲いてくれ、暑さにも寒さにも強く、さらに年々株が太るうえに、こぼれ種でも増える! というメリット満載、コスパ最強の宿根草です。濃い青紫色の花は花径2cmほどで、いろいろな植物と合わせやすいのも魅力。
グラウンドカバーとして活躍してくれるブルーの小花
グラウンドカバーとは這うように広がって生育し、地面を覆うように咲く性質を持った植物のこと。ブルーの小花でふわふわ地面が青く染まるなんて、それだけでロマンチックだと思いませんか。ブルーの小花のグラウンドカバープランツをご紹介します。
こぼれ種でよく増えるイオノプシジウム
■Plants Data
イオノプシジウム /一年草・草丈5〜10cm・開花期3〜6月
ごく淡い水色の花が咲き広がるイオノプシジウム。こぼれ種でよく増え、レンガの間などからも花を咲かせます。原種で丈夫なので、これといったケアをしなくても毎年よく咲いてくれます。
植えっぱなしで毎年よく咲くベロニカ
■Plants Data
ベロニカ/宿根草・草丈5〜10cm・開花期3〜5月
淡い青紫の‘マダムマルシア’や濃い青色の‘オックスフォードブルー’などの品種があります。植えっぱなしで毎年よく咲き、次第に株が大きくなってこんもり茂ります。花が株を覆うように咲く姿も見事です。花壇の縁取りや寄せ植えにも好適。
面谷さんの庭を舞台にした新刊書籍『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)には、今回ご紹介したブルーの小花を含め、一年を通じて花を咲き継がせるテクニックが満載! 参考にして春からの庭作りを楽しんでください。
2023年5月の「365日 花あふれる庭」の様子を動画で公開中!
Credit
話 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
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撮影・取材・まとめ / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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