えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『最新版 はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『最新版 はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-の記事
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宿根草・多年草

秋に輝きを増すグラスガーデンの魅力その2 日本で人気の高いグラス類
庭をワンランクアップさせるグラス類 その1でご紹介したペニセツムの仲間に引き続き、本記事でもグラスガーデンの魅力を綴ってみよう。ペニセツムは日本に紹介されて日が浅いが、今回は、もう少し古くから日本で人気のあったグラスを取り上げたい。ここで紹介するグラス類はどれも多年草なので、一度植えると、長年にわたって楽しめるのも魅力だ。 この写真は2004年に開催された「浜名湖花博」のガーデニングコンテストでグランプリをいただいた時の応募写真の一枚で、2階から撮影したものだが、ベアグラス、カレックス、フウチソウなどのグラス類が見える。それぞれ、庭の植え込みラインを縁取り、引き締める役割を果たしてくれている。この写真を撮影してから14年も経つが、現在の庭でも健在で、ガーデン風景には欠かせない存在になっている。 細葉が枝垂れるように伸びるベアグラス 細い葉が鉢から溢れるように枝垂れるベアグラス。元々この株は、ビニールポットの小さい苗を買ったものだが、数年で大きくなった。ベアグラスは明るく軽やかな色調が魅力なので、手前にニュージーランド原産のアステリア、そして後方に銅葉のニューサイランを配し、コントラストを出した。 手前左は似た葉に見えるがオリヅルラン。レンガと敷石の幾何学的な模様に対し、対照的なベアグラスの葉の曲線が生きている。 ベアグラスというと外来種のように聞こえるが、じつは日本を原産とする植物で、和名はオオシマカンスゲという。園芸品種の学名Carex oshimensis 'Evergold' がベアグラスの名前で流通しているようだ。丈夫だが、やや過湿に弱いので気をつけよう。 葉が長く垂れ下がるので、やや背の高い鉢に植えると、存在感があり、見映えがする。 美しい葉色のフェスツカ 前述したベアグラスと、ほぼ同時に流行ったのがフェスツカ・グラウカだ。シルバーグリーンの色合いが魅力のグラスで、単にフェスツカと呼ばれることも多い。ヨーロッパの寒冷地が原産地で、高温多湿には弱い。 日当たりがよく、水はけのよい所で育てる。鉢植えは軽石の鉢底石を多めに入れるとよい。上手く育てると大株になり、糸のように細い葉が長く伸びてカッコイイ。 園芸店で売られている苗は葉の長さがせいぜい20cm程度だが、大株になると50cmくらいになり、オーナメンタルグラスの貫禄が出る。 また、5月頃に出る花穂も楽しめる。タネを採取すれば実生も可能だ。 なんといっても、明るいシルバーグリーンの葉色が素晴らしく、1~2株があるだけで、庭がおしゃれで明るくなる。 雄大な印象を与える大型のパンパスグラス さて、次に紹介するのはパンパスグラス。南アメリカ原産のグラスだ。 僕はグラスの中でも、昔からパンパスグラスに憧れていた。もう25年以上経つが、オーストラリアのメルボルン駐在中に、あちこちの公園や住宅街で見かけた大株のパンパスグラスの雄大な姿が印象に残っている。 この大きな光沢のある穂が風になびく姿が、なんとも美しい。 帰国後、あんなに大きくなるものを狭い庭に植えてはイケナイとは思いながらも、通販で苗を購入したのは、20年以上も前のことだ。最初の数年は、だんだん育って株が大きくなるのが楽しみだったが、案の定、その後手に負えなくなってしまった。結局、堀り上げてチェーンソーで解体し、一部は職場の植物園に寄付した。その時のパンパスグラスは、今でも鉢植えで元気に育っている。 海外のガーデンで活躍する日本のグラス 日本ではおなじみの植物が、海外の庭ではガーデン素材として意外な注目を浴びていることがある。 例えば、秋のお月見の必需品である日本のススキ。 日本では、ススキをわざわざ庭に植える人は少ないが、メルボルンでは、日本のススキをかえって珍しがって、庭園に植えることもある。確かに、パンパスグラスを見慣れた目には、スマートで繊細に映る。 数年前に鳥取で行われた緑化フェアでも、イギリス人のポール・スミザーさん監修の庭にはススキの姿が。 また、イギリスのコッツウォルズ地方を旅行中に、日本のグラスが思わぬ使われ方をされていて驚いたことがある。フウチソウがこんなに一面にグラウンドカバーに使用されていたのだ。 僕の感覚では、鉢植えにして、その和の風情を楽しむものと思っていたので、とても新鮮だった。 もう一つ、オマケにタマリュウ。グラスと呼んでいいのか迷うが、日陰で育つので、グラウンドカバーに便利だ。我が家では、オーストラリアンレンガと組み合わせてこんな使い方をしている。 グラスは、ガーデンの主役にはなりにくい。しかし、グラスにしかないその容姿の持つパワーは計り知れない。ガーデンの脇役として、バラや華やかな草花たちを引き立ててくれる。あるいは、ガーデンの雰囲気を大きく変えて大自然の風景を蘇らせてくる。 今一度、グラスを植えて、ガーデンに輝きをプラスしてみませんか? Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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樹木

おしゃれな庭の主役に!いま注目のオージープランツ「ティーツリー(メラレウカ)」の種類と魅力
ティーツリー(メラレウカ) いまや、アロマですっかりお馴染みとなったティーツリー(ティートリー)オイルだが、正式にはメラレウカというオーストラリア原産の植物のオイルである。 このティーツリーオイルという名前は、オーストラリアの歴史を語るときに最も重要な人物の一人、キャプテン・クックに由来する。彼がオーストラリアに上陸した時に、お茶の代わりにこのメラレウカの葉を使用したと伝えられている。それでティーツリーと呼ばれるようになったそうだ。キャプテン・クックは海洋冒険家であり、ティーツリーの発見者で名づけ親なのだ。 フィッツロイ庭園にあるキャプテン・クックの生家。 ちなみに、メルボルンのフィッツロイ庭園には、キャプテン・クックの生家がある。1934年のメルボルン100年祭を記念して、イギリスにあった1755年建造の家を、フィッツロイ庭園内へ移築したものだ。 今回は、そんなメラレウカについてご紹介したい。 日本のガーデンでも人気のメラレウカ さて、メラレウカの中でも日本のガーデニング分野で特に人気が高いのは、葉の色がゴールドに近い、メラレウカ‘レボリューションゴールド’(Melaleuca bracteate ‘Revolution Gold’)だ。 最近は、庭木や寄せ植えに人気だ。魅力はなんといってもこの美しい葉の色だが、じつはフルーティーな香りも素晴らしいのだ。葉に触れると甘く漂う。ぜひとも庭に植えたい樹木だ。冬には、葉がいっそう鮮やかなゴールドに染まる。 冬の‘レボリューションゴールド’は、より鮮やかな黄金色の葉に。 メラレウカは耐寒性がやや弱い。横浜の我が家では、かれこれ20年ほど冬に枯れこむこともなく育っているが、東京の多摩地区あたりだと、冬に枯れこむことがあるようなので、庭植えにする際は注意してほしい。それでも、1度や2度雪に当たった程度なら平気だ。 雪をかぶったメラレウカ‘レボリューションゴールド’。 成長は比較的早く、4年程度で3mほどになる。下写真は地植えにして4年目の株の様子。 メラレウカ‘レボリューションゴールド’は、地植えだけでなく寄せ植えの主木としてもイチオシだ。葉色が明るく、幹が比較的まっすぐなので中心に使いやすい。 メラレウカの盆栽 ところで、僕がメルボルン駐在中に驚いたのが、このメラレウカの盆栽だ。最近、海外で「BONSAI」が人気だが、メルボルンにも盆栽協会があり、毎年展示会が開かれる。日本の松や真柏もあるが、なんとメラレウカまで盆栽になっているのだ。確かに、葉が小さく常緑で、枝も柔らかいので、盆栽に向いているかも知れない。興味のある方はぜひ、チャレンジしてみてほしい。 メラレウカの剪定 メラレウカ‘レボリューションゴールド’は刈り込みに強く、手入れも簡単だ。原稿を書くにあたり、ちょうど枝が伸びていたので、刈り込みのBefore & Afterの様子もご紹介しよう。刈り込みばさみで出っ張った枝を切るだけで、ほんの10分とかからない。手入れが楽な庭木なのだ。 剪定前と剪定後。 さて、この剪定枝は素敵な香りがするので、捨ててしまってはもったいない。花瓶に活けたり、輪ゴムなどでユーカリと纏めてスワッグにもできる。ラフィアで括って、約3分ででき上がり。 ほかの花と一緒に花瓶に活けて。 ユーカリと合わせてスワッグにしても爽やか。 そして、もう一つの剪定枝の活用として、ぜひ挿し木にしてみよう! 鹿沼土に挿しておくと、2カ月で根が生えてくる。極めて簡単だ。 発根したメラレウカの挿し穂。 どうです? メラレウカ‘レボリューションゴールド’って素敵でしょう? ‘レボリューションゴールド’だけじゃない!メラレウカの種類をご紹介 メラレウカには、よく知られている‘レボリューションゴールド’以外にも、たくさんの種類がある。ここではいくつかの品種をご紹介したい。 メラレウカ‘レッドジェム’ まずご紹介するのは、冬の赤い葉色と白い花が魅力的な、メラレウカ‘レッドジェム’(Melaleuca bracteata ‘Red Gem’)だ。 ‘レボリューションゴールド’よりも花が付きやすく、毎年5~6月に白い花を咲かせる。とても可愛らしい花だ。 赤みがかった葉と白い花のコントラストが可愛い。 この品種も‘レボリューションゴールド’同様に、スタイリッシュな庭のデザインに使用したい庭木だ。もちろん寄せ植えにも最適だ。 センダン(栴檀)‘フラッシュダンサー’の明るい葉と、後方に植えた‘レッドジェム’の赤く渋いコントラストが素敵。 メディカルティーツリー 続いて、アロマで人気のあるティーツリーオイルが採れる、メディカルティーツリー(Melaleuca alternifolia)だ。 葉が細く長く、風に靡く姿が美しい。そして花も純白でグリーンの葉に映える。まるでボトルブラシのような雰囲気ですね。 もちろん葉は素敵な香りがする。かなり成長が早いので、毎年こまめに剪定をしたほうがよい。‘レボリューションゴールド’や‘レッドジェム’のようなMelaleuca bracteaよりは耐寒性が強く、東京多摩地区でも育っているようだ。 メラレウカ‘タイムハニーマータル’ ここで、あまり日本に出回っていない珍しいメラレウカをご紹介しよう。花の色が変わっているメラレウカ‘タイムハニーマータル’(Melaleuca thymifolia)だ。 名前にハニーがつくくらいだから、花も目立つ。比較的背は低く、ニューサウスウエールズ州が原産なので寒さにはやや弱い。この写真は、東京・三田のオーストラリア大使館で撮影。やはり都内は暖かい。 メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’ そして最後にご紹介するのが、メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’(Melaleuca armillaris ‘Pink’)だ。魅力的なピンクの花を咲かせるメラレウカである。 さて、メラレウカの魅力、いかがだったでしょうか。アロマオイルとしてだけでなく、さまざまな魅力にあふれるメラレウカを使って、ガーデニング、コンテナガーデン、そして盆栽も楽しんでみませんか? *注:一般にはLeptospermum も広くティーツリーと呼ばれています。
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おすすめ植物(その他)

秋に輝きを増すグラスガーデンの魅力その1 ペニセツムの仲間
秋らしい美しさのあるグラスガーデン 秋風が吹き始めると、グラスは美しさを増す。そこで、今回と次回の2回に分けて、グラスガーデンについて紹介したいと思う。 グラスガーデンがブームになったのは、確か2003~4年頃だったと思うが、今でも人気は根強い。色とりどりの華やかな草花と比べると地味だが、だからこそ自然の奥深さを感じ、自然の持つエネルギーに心癒やされる。 グラスガーデンに欠かせない存在 ペニセツム(ペニセタム)の思い出 僕がぺニセツム‘パープルマジェスティ’に初めて出合ったのは、2004年に浜名湖で実施された花博の、ガーデニングコンテストの時だった。コンテナガーデン部門の予選を写真審査で通過し、本選会に行くことができた。材料を横浜や東京にある大型の園芸店を数点巡って調達し、前日に横浜から車で材料を積み込んで浜名湖に入り、現地でコンテナに植え込んだ。その中に、ぺニセツム‘パープルマジェスティ’を入れていた。これがその時の、本選会の写真だ。タイトルは「悠久の時」とした。古代植物のシダや、日本古来のイワシャジン、そして最新のぺニセツム‘パープルマジェスティ’を入れ、永い時代の流れに負けない美しさを表現したかったのだ。 結果は、残念ながらコンテナ部門では入賞しなかったが、別の作品がガーデニング部門で最優秀賞を獲得し、副賞でニュージーランド・クライストチャーチのガーデン巡りの旅行をいただいて夫婦で行くことができた。そんな思い出のぺニセツムなのだ。 このぺニセツムは前年の 「All-America Selections」の「Gold Medal Winner for 2003」に選ばれていて、当時は珍しかったのだ。初めて、都内の園芸店で見つけて、確か1株2,800円もしたと思う。賞品のニュージーランド旅行が掛かっていたので奮発した記憶がある。 ぺニセツム‘パープルマジェスティ’の美しい姿 このコンテスト以来、ぺニセツム‘パープルマジェスティ’のタネを毎年採取し、播いて育ててきた。タネは毎年大量に採取でき、発芽率も極めてよかった。 その3年後には、我が家でペニセツムでいっぱいのグラスガーデンを試みた。 鉢植えにしたこともあった。 毎年栽培しているが、その葉や穂の美しさに、飽きるどころかますます惹かれていっている。 さて、ペニセツムを栽培するにあたり、我が家はもちろん、退職後に相談員の仕事を始めた植物園の花壇にも随分と利用している。多くの来園者が、この黒光りする葉に驚きの表情を浮かべてくれる。 魅力的なペニセツムの仲間 さて、ぺニセツムの仲間には、‘パープルマジェスティ’以外にも魅力的な品種がある。ここでは代表的なものをいくつか紹介しよう。 パープルファウンテングラス まずは、ポピュラーなぺニセツムの仲間、パープルファウンテングラス(ペニセツム・セタケウム‘ルブラム’)だ。名前の通りに、濃い紫(茶)の葉と穂が、噴水のように放物線を描く。国内で大株を見かけることはなかったが、ロサンゼルス出張時に立ち寄ったディズニーランドで見つけたのがこの大株。お見事! その後、大株を育てたくて、冬に一旦温室に取り込み、春にもう一度地植えして2年生の大株づくりにチャレンジしてみた。ロサンゼルスの株には及ばないかもしれないが、まあまあ立派に育てることができた。 ペニセツム‘ファイヤーワークス’ もう一種、ぺニセツムで忘れてはいけないのが、ペニセツム‘ファイヤーワークス’。印象はまるで花火ですね。葉に浮かぶピンクのラインが魅力的。太陽に当たると、かなり色が濃くなる。 ‘ファイヤーワークス’も2年生の大株に挑戦してみたら成功した。大きいとカッコイイ! ペニセツムの増やし方 ‘パープルマジェスティ’はタネの採取で増えるが、パープルファウンテングラスと‘ファイヤーワークス’は、タネからの発芽が難しい。そこで、伸びた茎を10cm程度に切り、挿し芽を試みたら、簡単に成功した。 グラスの挿し芽なんて、あまり聞かないが、試したら成功したのだ。大切なのは何事もチャレンジすることだ。ガーデニングだって、チャレンジすると道は開ける。 チャレンジをすれば、成功の喜びは大きく、たとえ失敗しようと、何かしらの結果が見え、次には必ず喜びや達成感がある。タネを採取し育て、長年繰り返せば、その植物のより深い深淵なる魅力を見出すことができる。ペニセツムは、僕にそんな人生観に繋がる園芸の楽しさを与えてくれた植物だ。 長年に渡って、園芸の魅力を追求する楽しさを、ペニセツムの栽培で体験してみませんか? Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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樹木

レモンマートルの育て方とお茶の楽しみ【オージーガーデニングのすすめ】
レモンよりもレモンを感じる素敵な庭木、レモンマートル 今回紹介する樹木、レモンマートルは育てる人を幸せ感いっぱいにする「いいことずくめ」な植物だ。 これまで数々紹介してきたオーストラリアの樹木は、ユーカリをはじめティーツリー(メラレウカ)など、素敵な香りがするものが多い。このレモンマートルも、その一つ。香りの秘密は、シトラールという柑橘系の芳香成分の含有率が、果実のレモンやハーブのレモングラスなどよりも多いこと。植物の中で最も多いとされ、「レモンよりもレモン」といわれるのだ。ユーカリと同じフトモモ科の樹木で、シトロネラールという防虫作用のある成分も含まれており、ユーカリと同様に蚊よけの効果がある。 学名は、Backhousia citriodoraだが、この学名はイギリスの植物学者、ジェイムズ・バックハウスにちなんでつけられた。レモンマートルという名前は、葉の香りがレモンのようなので付けられた、分かりやすい名前だ。ちなみに、マートルとはギンバイカ(銀梅花)学名:Myrtus communis のこと。やはりフトモモ科の樹木だ。 こちらが、ギンバイカの花。甘い豊潤な香りを持つ。 Flowering Lemon myrtle tree. Photo/Tatters レモンマートルはオーストラリアの北東部クイーンズランド州の亜熱帯地域が原生地で、成長すると樹高約10mにも達する。 花が咲くと庭は甘い香りで満たされる レモンマートルは、葉の香りだけでなく、甘い花の香りも魅力的だ。僕自身、数年前に園芸店で開花株の香りに魅了されて、この株を連れ帰ってしまったのだ。 花は7月頃に咲く。白く可愛い花で、咲くと我が家の庭は、甘い香りに包まれる。葉は観葉植物としても美しいうえに、素敵なレモンの香りがして、花も清楚で見ているだけで癒やされる。さらには、レモンマートルは、日本でもハーブティーとしても人気が出てきた。オーストラリアでは以前から、かなりメジャーなハーブなのだ。 レモンマートルをハーブティーに 我が家でも時々、採りたてのレモンマートルの葉で、ハーブティーを入れる。 葉にナイフで切れ目を入れて、数分熱い湯に浸けるだけで、レモンの香りたっぷりのハーブティーが楽しめる。 もちろん、紅茶へレモン代わりにレモンマートルの葉を一枚浮かべても、酸味がないのにレモンの香りがする、しゃれた飲み物になる。暑い夏にはよく冷やし、ハチミツを加えて炭酸水で割ると、一気に暑さを忘れ、疲れた体もリフレッシュする。 レモンマートルの育て方8つのポイント この「いいことずくめ」のレモンマートルの育て方に触れておこう。 育て方を知るには、原生地の気候・自然環境を知ることだ。オーストラリアの北東部に位置するクイーンズランド州は、亜熱帯〜熱帯気候だ。このレモンマートルが自生するのは、グレートバリアリーフが広がる海岸沿い。 この地域の年間雨量は1,000〜2,000mmあり、オーストラリアでは多い方だ。ただし、雨は冬に多く降り、夏は乾燥する。つまり、日本の夏の蒸し暑さは苦手なのだ。 寒さには比較的強いが亜熱帯の植物なので、霜に当てたり、氷点下に温度が下がったりすると枯死することがある。関東以西地域の温暖な地域では地植えもできるが、関東以北では鉢植えにするのが無難だ。 比較的育てやすい植物だが、レモンマートルを育てるポイントは8つ。 寒さには弱いが、暑さに強い。ただし、蒸し暑さには弱い。水やりは控えめに。通常の植物は“表土が乾いたらたっぷり水を与える”だが、レモンマートルの場合は“葉が萎れかけたら、たっぷり水を与える”くらいの気持ちで。特に根腐れに注意。水はけのよい用土を使用する。プラ鉢より通気性があるテラコッタやスリット鉢がおすすめ。他のオーストラリアの植物同様に肥料は控えめに。使用する際は、弱めの肥料を!太陽には十分当てる。剪定は花芽を落とさないように、花後の7〜10月頃に行う。挿し木で増やせる。5~6月に鹿沼土などに普通の挿し木の方法でOK。挿し木についてはこちら。病害虫に比較的強いが、アブラムシとうどん粉病に注意。予防としては、風通しがよい日なたで育てることだ。 さあ、幸せ感たっぷりの香りを漂わせてくれる、こんな“いいとこずくめ”のレモンマートルを育ててみませんか?
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ストーリー

中欧5カ国を旅して出合った植物のある風景 後編
東欧諸国の風景と植物 2019年5月に中欧5カ国の旅に出た。5カ国とはスロバキア、チェコ、ハンガリー、ドイツ、オーストリアである。世界遺産を見て回るのが目的で、特にガーデニングとは関係のない旅であったが、どうしても気になるのは、街角や世界遺産の宮殿で見かける庭や植物である。前編では、中欧5カ国の旅のハンガリーとスロバキアに触れたが、後半は3カ国目のチェコ共和国からご紹介したいと思う。 チェコの美しい街並みに咲くマロニエ チェコの首都であるプラハというと、TVドラマの『のだめカンタービレ』のロケ地で有名だが、テレビで有名になったプラハ城の坂道と、ピアノコンクール決勝のスメタナホールは、観光先として押さえておいた。スメタナホールは、ラッキーなことに当日券が買えたのだ。 さて、前回も書いた通り、この旅ではニセアカシアやマロニエとよく出合った。プラハでも、日本ではあまり見かけないマロニエが彼方此方にあり、建物ととてもマッチしていた。 また、プラハでは、あまり花は見かけなかったが、市場でアザレアやペチュニアなどが売られていて、庶民的な風景を見ることができた。 ドレスデンに咲く花々 団体旅行は忙しい。プラハから、4カ国目のドイツのドレスデンへは日帰り旅行だ。ちなみに、プラハからドレスデンは片道およそ150kmである。 今回の旅行で見ることができた感動的な光景に、このバスの移動中に見た広大な菜種畑があった。視界いっぱいに果てしなく黄色い絨毯が広がるのだ。 植えられている菜の花は、もちろん菜種油用だ。生まれて初めて見る光景だった。菜の花だが、日本の菜の花よりも、少々小型のようだ。 ドレスデンは、建物がすべて黒くくすんでいて、天候の影響もあり一見すると少々暗い印象だった。しかし、街中で、こんな鮮やかなシャクナゲに出くわしたり、寒いはずなのに、地中海地方を思わせるオリーブやレモンの木があったりと、思いがけない出合いで暗い印象が一気に飛んでしまった。植物の持つ力は凄い。 また、ドレスデンの街では、前回記事の冒頭で触れた、サンザシもたくさん咲いていた。 世界遺産の街テルチ 再びチェコに戻って訪れたのが、世界遺産の街テルチ。この可愛らしい街に、これまた可愛らしい園芸店があった。季節のせいか、植物が日本の園芸店に比べ地味な印象である。 園芸店近くの道路沿いにあった花壇を映した一枚。個人的には好きですが、なかなか渋い植栽ですね。 そうそう、この街の雑貨屋で、こんなハンギングの鉢カバーも思い出土産に買ってしまった。今までも、海外を訪れたら日本にはない鉢カバーを結構買っているのだ。帰りは、この中に洗濯物を詰め込んで…。買い物も海外旅行の大きな楽しみである。 ミラベル庭園とハルシュタット さて、次に訪れたのはモーツァルトの街、ザルツブルク。オーストリアに入り、旧共産圏とは異なる、明るさと洗練された文化を感じた。 ザルツブルクといえば、外せないのはミラベル庭園ですね。上はミラベル庭園にある、パンジーの平凡な花壇。 この高い位置に配されたポットがカッコイイ。 そして、芝生に唐草模様のように植えられたこのような花壇が印象的だった。 さて、次は塩で有名なハルシュタット。今回の旅で、ちょっと意外だったのが、このハルシュタットの景色。これが本物の南アルプスなのだ。まさか、こんな素晴らしい光景が見られるとは! 事前の勉強不足が、かえって大きな感動に繋がったのだ。 そして、このハルシュタットは洗練された街なのである。街中には、何となく和の雰囲気を感じる園芸店もあった。 店内には、ちょっと目を引く素敵なものがあちこちにあった。 これらは芸術品とは言い難いが、なんともユーモラスな置物たち。 ちょっと欲しかったもの。羊歯の支柱だろうか? そして、街中ではこんなに巨大で素敵なイベリスの株を発見。 イベリスがこんなに大きくなるものだとは! 日本で大株栽培に挑戦したくなってしまった。 クレマチス・モンタナの絡む住宅。住む人がちょっと羨ましくなってしまう、素敵な佇まい。 ウィーンの風景とシェーンブルン宮殿 さあ、中欧5カ国の旅も残すところあとわずか。最終目的地はウィーンである。 今回の旅で、僕が最も楽しみにしていたのは、ウィーンフィルの新春コンサートが催されるウィーン楽友協会黄金のホールで、コンサートを聴くことだったのだ。チケットを事前に確保することができ、憧れの黄金のホールへ。演目のプーランクのオルガンコンチェルトのパイプオルガンの響きが、まるで夢の世界にいるようで、大満足だった。いつか、こんなホールで演奏してみたいものだ。 さて、今回の旅の庭のハイライトは、何といってもシェーンブルン宮殿である。 何しろ広い。この奥にはパンダのいる動物園もあるのだとか…。 この芝生の中の唐草模様のような植え込みは、ミラベル宮殿でも見られたが、花苗の数が少なくて済み、経済的で効果的? 全面花壇よりも、意外と管理が楽かもしれないなどと、余計なことを考えてしまう。 バラの季節には少々早かったが、満開時にはこの豪華な建物と相まって、その絢爛豪華な光景を想像するだけで楽しくなる。 ウィーンの街は、洗練されていて本当に素敵だった。自由時間が日曜日だったため、多くの商店は閉まっていたのだが、一際目を引いたのがフラワーショップ。あまりに素敵に見えて、思わずたくさんの写真を撮ってしまった。 僕は生け花の世界には疎いが、この中欧の旅では、あまり華やかな花に出合うこともなかったせいか、このウィーンの花がとても美しく感じられたのだ。 2回に渡ってお伝えした中欧5カ国世界遺産の旅は、いかがだっただろうか? 2018年に旅したコッツウォルズに較べれば、花に関しては地味な旅だったが、それぞれの歴史建造物と共に、長い間生き続けた樹木たちの存在価値を感じさせられた旅であった。帰国して、改めてまだ訪れたことのない、多くの日本の世界遺産と、その庭園や樹木の存在に興味が芽生えたのだった。
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おすすめ植物(その他)

夏花壇はトロピカルに! オススメのトロピカル花壇植物をご紹介
暑さも楽しむ夏花壇 夏の花壇といえば、ヒマワリやジニア、ニチニチソウなどを思い浮かべるが、ありきたりで面白くない。地球温暖化の影響で、ここ最近の日本の夏はまるで熱帯気候である。そんな暑い夏は、開き直って花壇もトロピカルにして、夏の気候を楽しんでしまおう。僕が緑化相談員をしている川崎市緑化センターでは、毎年、夏花壇はカラーリーフや熱帯植物を地植えにしてトロピカルムードを楽しんでいる。2019年のトロピカルガーデンを紹介しよう。 トロピカルガーデンを演出する花素材 夏花壇を演出する定番の花は、ストレリチアだ。別名、極楽鳥花(ごくらくちょうか)といわれるように、その姿は極楽鳥さながら。かつて、プラントハンターが南アフリカからヨーロッパに持ち込んだ時は、大変な人気だったそうだ。意外と耐寒性があり、冬は凍らないように防寒すれば、関東南部以西では露地で越冬する。横浜の我が家では、南側の軒下で20年以上越冬している。 南国ムードがあるカラーリーフで、耐寒性のある植物としては、ニュージーランド原産のコルディリネやニューサイランがある。これらの剣葉はシャープな雰囲気を醸し出す。 また、南国ムードを演出するには、やはり観葉植物が手っ取り早い。観葉植物は屋内でよく観賞されるものだが、屋外に地植えにして花壇の素材としてもよいのだ。 あとは、存在感のある銅葉のカンナや、秋には大きくなるハゲイトウを植えておくと、ボリュームが出る。 トロピカル花壇をつくるのに忘れてはいけないのが、カラーリーフの代表格のコリウスだ。挿し芽で簡単に増やせるし、成長も早く、剪定にも強いのでオススメのガーデニング素材。色や模様のバリエーションも豊富だ。 これらに加え、さらに熱帯花木のハイビスカスを植え込むと、トロピカルムードが一層盛り上がる。 トロピカル花壇のグラウンドカバーとアクセント これでほぼ花壇の骨格はできたので、後は隙間にアクセントとなるケイトウやグラスを植え、グラウンドカバーにヒポエステスやムラサキゴテン(紫御殿)、イポメアなどを植え込めば完璧だ。 これだけでも十分なのだが、ワンランクアップの少しおしゃれな花壇を演出するには、ダリアの‘黒蝶’や、銅葉のヘーベ、黒花のサルビアなどを植え込んでもよい。どれもシックな色合いが、色鮮やかなトロピカル花壇とよく似合う。 夏を楽しむトロピカル花壇、いかがだろうか? 10月頃にはグラス類が大きく茂り、観葉植物を取り去ると、素敵なグラス花壇に変身する。暑い夏を楽しむ一つのアイデアとして、ぜひ取り入れてみてほしい。 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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育て方

オージープランツの増やし方|挿し木の手順と発根を成功させるコツ
オーストラリアの豊かなガーデンライフ 代表的なオージープランツの一つ、グレビレア‘ムーンライト’。 僕は現在プロのガーデナーとして、日本の茶庭からオージーガーデンまで幅広い造園と、コンテナガーデンや花壇のデザイン制作、そして「バラの育て方」や「多肉植物のリース作り」などの講習会を幅広くさせていただいているが、やっぱり得意分野はオージープランツである。 ハーデンベルギア。 僕は30年前に、メルボルンに駐在員として5年間過ごし、オーストラリア人の豊かなライフスタイルにカルチャーショックを受けた。日本で最近ようやく話題になっている働き方改革が既に熟成され、現地の同僚たちは、当時の日本のサラリーマンでは考えられない、お金ではない豊かな生活を楽しんでいた。そんな5年間を過ごした傍らには、常にユニークなオージープランツがあった。毎週末のように仲間とバーベキューパーティーをした庭にはグレビレアやカンガルーポーが咲き、郊外にドライブに行けばツリーファーンやユーカリの林があり、花屋の店頭にはバンクシアが溢れんばかりに咲いていた。 ピンクのボトルブラシ。日本でもブラシノキと呼ばれて普及している。 帰国後、オーストラリアの植物を育て始めたが、その先には、いつもオーストラリアのライフスタイルへの憧れがあった。オージープランツを育てることで、豊かなライフスタイルを保持したかったのだ。オージープランツは、それだけでもちろん素敵だけれども、オージープランツの普及と共に、オージーライフスタイルも広めたいというのが本音である。 さて、本題に入ろう。日本で挿し木というと、キク、アジサイ、ツバキなどを思い浮かべるが、じつはオージープランツの多くは、挿し木で簡単に増やせるのだ。実際、僕は、家のオージープランツから挿し木でたくさんの苗木をつくり、職場の植物園で手ごろな価格で販売し、オージープランツの普及をさせてもらっている。 そこで、今日はオージープランツの挿し木について説明したい。 意外と簡単!オージープランツの挿し木方法 それでは早速、オージープランツの挿し木方法について解説しよう。6~7月が挿し木の適期だ。基本は、日本で一般的に行われているアジサイなどの挿し木と同じである。 右から、グレビレア‘ムーンライト’、ボトルブラシ(ピンク花)、ウエストリンギア、ボトルブラシ(緑花)、メラレウカ‘レボリューションゴールド’、ハーデンベルギアの6本の挿し穂。 写真は、挿し穂と呼ばれるもの。挿し穂とは、挿し木に利用する枝や茎のことで、これを土に挿して発根させ、挿し木苗をつくる。健康な株から勢いのよい枝を選んで挿し穂にするとよい。 用意するもの 挿し木にする枝、鹿沼土、活力剤、発根促進剤 挿し木の手順 まず、挿し木にする枝を集める。乾かないように、枝を切ったらすぐに水を入れたバケツに浸ける。 枝を10cm程度に切って挿し穂をつくる。挿し穂をつくる際は、葉からの過度な蒸散を防いで挿し穂の負担を軽くするため、大きな葉がある場合は半分程度に小さくするとよい。また、土に挿す部分に葉がある場合は取り除く。 つくった挿し穂を活力剤を入れた水に1時間程度浸ける。ここでは「メネデール」を使用した。 挿し床にする容器に鹿沼土を入れ、土を湿らせておく。 湿らせた鹿沼土に棒で穴をあけ、植え穴をつくる。 発根促進剤を挿し穂の先端に付ける。ここでは「ルートン」を使用。 発根促進剤の「ルートン」がしっかり付着した挿し穂。 穴に挿し穂を植え付ける。 植え付けたら、軽く押さえて倒れないようにする。 植物の名前が分からなくならないよう、それぞれの挿し穂に名札を立てる。 これで挿し床のでき上がり。この後、日陰で湿度を保つようにすると1~2カ月で発根する。 挿し木で育てた苗は、親の性質をそのまま受け継ぐ。実生に比べ、開花までの期間が短縮されるため、翌年には開花することも多い。 以下が挿し木1年後の姿。早いものは花をつける。 花芽を付けたグレビレア‘ムーンライト’の挿し木苗。 4年も経つと、どれも立派な姿になる。下の写真は、挿し木苗から育ったボトルブラシとメラレウカ‘レボリューションゴールド’。我が家の庭で大きく成長している。 ボトルブラシ。 メラレウカ‘レボリューションゴールド’。 この数年で、職場の川崎市緑化センターで、挿し木から育てたオージープランツの苗木を、おそらく数百本以上販売・普及してきたと思う。彼方此方で大きく育ち、開花している姿を想像するだけでウキウキする。仲間が増えるのは楽しいことだ。 これからも挿し木でオージープランツを増やし、オージープランツの普及を継続するとともに、豊かなオージーライフスタイルを広めていきたいと思う。
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ガーデン

中欧5カ国を旅して出合った植物のある風景 前編
2019年、中欧5カ国を巡る旅 2019年5月に中欧5カ国の旅に出た。5カ国とはスロバキア、チェコ、ハンガリー、ドイツ、オーストリアである。2018年に旅したイギリス・コッツウォルズのガーデン巡りとは異なり、世界遺産を見て回るのが目的で、特にガーデニングとは関係のない旅であった。とはいえ、どうしても気になるのは、街角や世界遺産の宮殿で見かける庭や植物である。きっと職業病のようなものだろう。じつは、旅に出る前に5年間ウィーンに駐在経験のある知人から、「あの辺のガーデニングは期待できないよ!」と言われていた。はて、結果は如何に? あまり話題にされることのない、中欧の植物&ガーデンを綴ってみたいと思う。 ヨーロッパで出合ったサンザシ まず、最初の訪問地はブラチスラバ。余り聴きなれない地名だが、れっきとしたスロバキアの首都である。5月とはいえ、寒波で最高気温が7~8℃という、真冬のような気候だった。 バスを降りてまず目についたのが、このサンザシ(山査子)である。街路樹なのだ。 僕の中でサンザシといえば、盆栽のイメージしかなかったのだが、まさかスロバキアの街路樹で遭遇するとは、驚きだった。 ところが、このサンザシには、その後の訪問地の数カ所で遭遇し、今回の旅で一番印象に残った植物となった。下はドレスデンで出合った満開のサンザシ。 そして、かのウィーンのシェーンブルン宮殿にもたくさんのサンザシが! 今までにも海外旅行で、日本の紅葉やヤツデ、アオキなどを見かけ、ちょっと嬉しい思いをしたことはあったが、盆栽のイメージしかなかったサンザシが、ヨーロッパの彼方此方に街路樹として登場したのは意外だった。なお、帰国後に調べてみると、西洋サンザシはメイフラワーと呼ばれ、ヨーロッパでは街路樹などによく使用されているとのこと。日本でもサンザシを街路樹に植えると素敵ではないだろうか。 さて、ブラチスラバは中世の街を思わせる美しく芸術的な街で、彼方此方に彫刻があった。 そして、そんな彫刻とともに街を彩るのが寄せ植えなどの花々。 レストランの前にはこんなポットが。植えられている花は平凡なペチュニアだが、スロバキアの言葉が書かれた樽の上に置く演出がユニークで面白い。 ブダペストの街を散策 2つ目に訪れた国はハンガリーのブダペストである。ドナウ川をはさみ、西岸のブダと東岸のベストが合併した街なのだそうだ。 ドナウ川ナイトクルーズは寒かったが、美しくライトアップされた街並みが素敵だった。もっとも、僕らが乗った2週間後に、このクルーズで事故があった。思い起こせば、救命具とか避難の説明はなかったような…。思い出すと恐ろしい。やはり海外旅行はリスクが伴う。 団体旅行で行くと、必ず「あら、あの花はなにかしら?」と誰からともなく、独り言のような声が必ず聞こえる。別段僕の身分は明かしていないのだが、つい、「ニセアカシアですね」とか、「マロニエじゃないですか?」などと得意げに答えてしまう。 そうです。ブタペストにはニセアカシアとマロニエがたくさん咲いていたのです。 ブダペストの街中で、らせん状に仕立てられたちょっと素敵なトピアリーに出合った。ヒノキ系だろう。ちょっと真似したい気持ちになる。 バルコニーのフレームを赤い花で飾るのはゼラニウム。ゼラニウムもヨーロッパの鉢植えでは定番の花ですね。 素朴な家々や草花が愛らしい ハンガリーのホロック村 3日目はブタペストから、約100km離れた、世界遺産のホロック村へ。人口がわずか340人の、ハンガリーで一番美しい村だそうだ。まだ、あまり日本の観光客が訪れない場所らしい。閑静で小雨も降り、しっとりとした落ち着いた街だ。 家々の壁面も素敵だ。思わずカメラを向けてしまった。 草花も素朴な佇まい。 枯れ木や標識などに、瓶やポットを飾るのがホロック風? 多肉の飾り方がユニーク。並べられているのは、サルの腰掛けだろうか? ホロック村はとても可愛らしい村だった。ただ、一日かけるのならブタペストに留まり、もう少し深く観光してもよかったかもしれない。海外旅行の日程を決めるのは、楽しいながら難しいものだ。 レドニツェ城の広大な庭園 4日目はブタペストを離れ、途中、レドニツェ城で庭園散策。 レドニツェ城と、ヴァルチツェ城で283㎢という広大な面積だそうで、東京23区の中でも大きい世田谷区が58㎢ほどだから、その5倍近くだ。如何に広大なのかが分かる。 このレドニツェ宮殿はリヒテンシュタイン家の夏の別荘として使われていたという。なんともスケールの大きな話だ。何しろ庭が広く、どこまでが全敷地なのだか分からない。 庭園は主にフランス式だ。季節的に花は少なかったが、きっと1カ月後に訪れたら素敵な花壇を見ることができると思う。 そして庭園の片隅には温室も! まさか、中欧の旅で温室に巡り合えるとは思わなかった。 真冬並の寒さの中で、熱帯の花メディニラ・マグニフィカがとても美しく感じられた。 温室の中では、可愛いミッキーマウスツリーとも出合うことができ、ちょっとホッとしたひと時であった。 意外なものと出合うと、やはり印象に残る。桐ダンスに使うキリの木が、こんな所に! 遠い異国で思いがけない植物との再会があるのも、旅の楽しみの一つだ。 あっという間に、前半の4日間が過ぎた。 次回は続きの旅で出合った植物のある風景を紹介しようと思う。お楽しみに! ⚫︎中欧5カ国を旅して出合った植物のある風景 後編
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宿根草・多年草

イングリッシュガーデンの名脇役! デルフィニウムが華やかに咲く庭づくり
イングリッシュガーデンを象徴するデルフィニウム かつてイングリッシュガーデンが流行り、ガーデニングブームが最高潮だった頃のガーデニングショーに行くと、必ずイングリッシュローズとデルフィニウムがたくさん使われていた。かくいう僕も、当時ガーデニングコンテストに応募する時は、デルフィニウムをよく使用した。 下の写真が、その時の応募写真(ガーデニング雑誌『園芸ガイド』にて2003年に開催されたコンテストで、グランプリをいただいた応募写真の一部)。やはり、ブルーの花が多数咲くデルフィニウムが主役になっていた。 あれから17年の歳月が流れ、ふと今年、職場である川崎市緑化センターの花壇に我が家のベンチを持ち込み、イングリッシュガーデン風の花壇を制作。デルフィニウムを中心に植栽したら、これが来園者に大好評なのだ。意外と一般の方々がデルフィニウムを見る機会は少ないようだ。 「外国の景色みたい!」「この花、日本でも育つのですか?」「ガーデンショーに来たみたい!」…、と感動の言葉を口にしてくださる。 正直なところ、時代遅れかなと心配したが、やはりデルフィニウムの豪華さや華やかさは、20年近い歳月を経ても衰えることがなく、多くの来園者が感動してくださり、このコーナーは毎日賑わっているのだ。わざわざ事務所に御礼を言いに来てくださる方もいらっしゃるほどだ。 デルフィニウムとは このデルフィニウム(学名:Delphinium)は、キンポウゲ科の植物で、原産地はヨーロッパ・北米なので、環境的に日本の夏の暑さは苦手だ。本来は多年草だが、日本の暖地では夏を越すことができず、一年草扱いされる。 イングリッシュガーデンの本場イギリスでは、多年草として栽培されるので大株に育ち、昨年イギリス旅行をした時には、彼方此方で2mを越すような巨大なデルフィニウムにたくさん出くわし、その大きさに圧倒された。 ちなみに、インターネットの情報によると、学名のDelphiniumの由来は、ギリシア語でイルカを意味するDelphisで、 これはつぼみの形がイルカに似ていることに由来するという。 そこで、手持ちの写真の中からつぼみの写真を探してみた。なるほど! 可愛いイルカだ。 ところで、豪華な花姿を持つデルフィニウムは、花径数cmの花が穂状に縦に並んで咲いているように見えるが、実はこの花は、花弁のように見えている部分は萼片である。本当の花は中心で、花弁が集まり小さく咲いているように見える部分なのだ。 また、デルフィニウムはバラの最盛期と同時期に咲き、バラとの見た目の相性がとてもよいことでも知られている。爽やかな白やブルーの花が、艶やかなバラを一層引き立ててくれる。 デルフィニウムの白とブルーは爽やかで、5月の新緑に映え心癒される色だ。 デルフィニウムの育て方とタネの採取方法 最後に、デルフィニウムの育て方についてご紹介しよう。 デルフィニウムは、春先に園芸店などでポット苗を入手することができるが、タネから育てるのも楽しい。発芽適温は15~20℃で、あまり暖かいと発芽率が落ちるので、関東地方では10月の中旬~下旬頃にタネを播くとよい。本葉が2~3枚になったら、3.5号ポットに移植して育苗する。日当たりのよいところであれば、冬でも成長するので、液肥を2週間に一回ほど施すとよい。 これは1月中旬の様子。 この後、花壇などに定植するが、その際には苗と苗の間に30cmほどの間隔が必要だ。植え付けの前に、土に腐葉土、堆肥、元肥をしっかり漉き込んでおこう。なお、この時期は寒さが厳しいので、霜柱の被害を防ぐために、植え付けたらマルチングで寒さ除けをしたほうが無難。あるいは、一旦7号鉢に鉢増しし、日当たりのよい軒下で育て、5月に花の色が判明してから花壇に植え付ける方法をとると、寒さ対策にもなり、配色デザインをきれいにまとめることができる。もちろん、そのまま鉢で楽しんでもOK。鉢植えの場合は、2週間に1回程度、液肥を与えるとよい。なお、倒れやすいので、支柱を添えるのをお忘れなく。 デルフィニウムのタネを採取する場合、必ずしも親世代のクローンができるとは限らないが、花後に採取し、ポリ袋に乾燥剤と共に入れて冷蔵庫の野菜室に保管し、10月に播くと、自家採取したタネで翌年の花を楽しむことができる。 併せて読みたい ・知っておきたい! 流行中の薔薇トレンドとオススメ品種10選 ・【初めてのバラ選び】河合伸志さんに教わる世界で最も厳しいADR認証 ・デルフィニウムを初夏の庭に咲かせよう!種類&育て方
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おすすめ植物(その他)

黒花はカッコいい! 令和の新しいスター花 ガーデニングにオススメの黒花12選
「カッコいい花」黒花 僕は黒が好きだ。黒い服を着こなすナイスガイに憧れる。かつて、黒という色は不吉な色とされ、バブル時代の「黒服」は、決してよいイメージではなかった。ところが、以前は紺色のスーツが定番だった学生の会社訪問の服装も、最近は黒のスーツに代わり、新入社員も黒のスーツが定番となった。黒服の似合う男は知的でカッコイイ。時代と共に、色のイメージも変化するものだ。 そして花の世界でも、平成の中ごろから、黒花は「カッコイイ花」として人気が出てきている。かつては黒い花が「気持ち悪い」とか「縁起が悪い」とか、「不気味」とかいって嫌われたのに、これは大きな変化だ。きっと、新しい令和時代には、黒花はトレンドな花となり、もっと人気が出るのでは? ということで、令和最初のレポートは「黒花特集」としよう。 一口に黒花といっても種類豊富 最近は、さまざまな黒花が簡単に入手できるようになった。 一般的に多くの人は、子どもの時は赤やピンクや黄色といった色とりどりの花が好きで、大人になると、ブルーガーデンやホワイトガーデンのように青花や白花、そしてハーブやバラなどの香るモノが好きになり、さらに黒花や緑花へと嗜好が変化するようだ。そして高齢化と共に、子どもの頃の趣向に再び回帰してゆくようにも思える。 中には花よりもシダとか、グラス類やリーフ系に走る人も多い。また、黒花は、こうしたシダとか、グラス類にもよく似合うのだ。黒花とシダやグラスとの組み合わせは、冷静で聡明な黒服の似合う男のような雰囲気が出る。 僕が最初に、カッコイイ黒花に出合ったのは、もう30年近く前のこと。その花がブラックキャット(学名:Tacca chantrieri )だ。園芸店で見つけて連れ帰ってしまった。しかし、一般家庭で育てるのは難しく、枯らしてしまった。今は職場の植物園の温室で育てているが、なかなか開花は難しい。 その後、さまざまな黒花を育てた。しかし、黒花といっても、本当の黒の花は少なく、多くは臙脂色だったりする。 ここでは、僕が育てた範囲で、「黒花」の「黒さ」ベスト12を以下に紹介する。 「黒い」花ランキングベスト12 12位:ツバキ‘ナイトライダー’ 草花ではないが、花木であるツバキにもこんなカッコいい黒花が咲く種類があるのだ。挿し木で比較的簡単に増やすことができる。 11位:サルビア 昭和時代のサルビアは赤が主流だったが、最近はさまざまな色が誕生しているようだ。 特に黒い花として流通しているのは、サルビア‘ディスコロール’。シルバーリーフがより一層黒花を引き立てる。 10位:チューリップ‘ブラック・ヒーロー’ チューリップも最近は黒花が増えた。写真は‘ブラック・ヒーロー’。チューリップを翌年も咲かせるには、花後すぐにタネができないように花を切り取り、お礼肥をしっかり与え、太陽に当てて球根を太らせるのが大切。6月末に葉が枯れたら掘り上げる。植え付けは秋冬に。 9位:ジャーマンアイリス‘ハローダークネス’ 青から、白、虹色、バイカラー(2色咲き)など、多くの色バリエーションがあるジャーマンアイリスの中にも、ベルベットのような質感の‘ハローダークネス’など黒花種も存在する。なお、球根の植え付けの際には深植えは禁物。やや青みがかった黒だが、気品あふれるジャーマンアイリスだ。 8位:ヤグルマギク‘ブラックボール’ 別名にコーンフラワーやセントーレアなどとも呼ばれるヤグルマギク。放射状の花形が矢車のようで、昭和時代に流行った一年草の矢車菊のことである(当時は矢車草とも呼ばれていたが、ヤグルマソウは別種)。青花のイメージが強い花だが、最近は黒花のタネも通販などで手に入れることができる。 7位:ダリア‘黒蝶’ かつては、黒ダリアでは‘ブラック・モナーク’という品種があったが、最近は入手することができず、‘黒蝶’が一般的。4月に球根を植えつけ、11月に掘り上げる。7月の花後に、一度バッサリと切り戻すと、秋にも花を楽しむことができる。 6位:カラー‘ホットチョコレート’ カラーも球根から育てることができ、4月に植え付けると7月には開花する。高温多湿を嫌うが、夏の管理をうまくすれば、翌年も咲かせることができる。‘ホットチョコレート’は、茎まで黒く全体的にシックな印象。 5位:フリチラリア・ペルシカ グレーがかった黒花が鈴のように枝垂れて多数開花する。秋から球根が販売されるので、10月に植え付けると、翌春には開花する。ただし、暑さや蒸れが苦手で、夏越しが難しい。 4位:ビオラ‘ブラックデライト’ 花の中央にちょこんと入る黄色い目がアクセントになる黒花のビオラ。すっかりお馴染みになった黒花だ。最近ではメジャーな品種になって、ホームセンターでも販売されている。花がら摘みと追肥の手入れが長く咲かせるコツ。 3位:クリスマスローズ黒花系 かつては‘ルーセブラック’が有名だったが、最近は八重咲き品種でも黒花が出回っている。花期も長く、品のある花だ。自家採取したタネからでは、黒花は咲きにくいため、株分けで増やすとよい。 2位:ペチュニア‘ブラックチェリー’ ペチュニアというと、ピンクとか白とか明るい色が多いが、こんな真っ黒な種類もあるのだ。雨に弱いのが難点。普通のペチュニア同様に、花がら摘みと追肥が長く咲かせるためのコツ。最近では、花びらが黄色く縁取られる八重咲きの黒花‘黒真珠’も人気だ。 1位:黒花タチアオイ ホリホックともいわれている。本当に非の打ち所のない黒である。光沢のある花弁も美しい。開花期は7月。タネから比較的簡単に育てられる。虫がつきやすいので、予防をしっかりとする必要がある。 以上、僕が、この20年ほどの間に育てた黒花だ。 今、こうしてリストアップして感じるのは、やはり黒花が随分と入手しやすくなり、一般化したことだ。きっと令和の時代には、また新しい黒花が誕生し、楽しませてくれることを期待したい。




















