アロマオイルとして人気の高いティーツリーオイルは、メラレウカという木から採れます。メラレウカは、じつは日本でも栽培でき、庭木や寄せ植えの素材としても魅力的な樹木。オーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、神奈川県の自宅の庭で25年間、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主、遠藤昭さんが、メラレウカの魅力と種類をご紹介します。

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ティーツリー(メラレウカ)

ティーツリー(メラレウカ)

いまや、アロマですっかりお馴染みとなったティーツリー(ティートリー)オイルだが、正式にはメラレウカというオーストラリア原産の植物のオイルである。

このティーツリーオイルという名前は、オーストラリアの歴史を語るときに最も重要な人物の一人、キャプテン・クックに由来する。彼がオーストラリアに上陸した時に、お茶の代わりにこのメラレウカの葉を使用したと伝えられている。それでティーツリーと呼ばれるようになったそうだ。キャプテン・クックは海洋冒険家であり、ティーツリーの発見者で名づけ親なのだ。

キャプテン・クックの生家
フィッツロイ庭園にあるキャプテン・クックの生家。

ちなみに、メルボルンのフィッツロイ庭園には、キャプテン・クックの生家がある。1934年のメルボルン100年祭を記念して、イギリスにあった1755年建造の家を、フィッツロイ庭園内へ移築したものだ。

今回は、そんなメラレウカについてご紹介したい。

日本のガーデンでも人気のメラレウカ

さて、メラレウカの中でも日本のガーデニング分野で特に人気が高いのは、葉の色がゴールドに近い、メラレウカ‘レボリューションゴールド’(Melaleuca bracteate ‘Revolution Gold’)だ。

メラレウカ‘レボリューションゴールド’

最近は、庭木や寄せ植えに人気だ。魅力はなんといってもこの美しい葉の色だが、じつはフルーティーな香りも素晴らしいのだ。葉に触れると甘く漂う。ぜひとも庭に植えたい樹木だ。冬には、葉がいっそう鮮やかなゴールドに染まる。

冬の‘レボリューションゴールド’
冬の‘レボリューションゴールド’は、より鮮やかな黄金色の葉に。

メラレウカは耐寒性がやや弱い。横浜の我が家では、かれこれ20年ほど冬に枯れこむこともなく育っているが、東京の多摩地区あたりだと、冬に枯れこむことがあるようなので、庭植えにする際は注意してほしい。それでも、1度や2度雪に当たった程度なら平気だ。

雪をかぶったメラレウカ‘レボリューションゴールド’
雪をかぶったメラレウカ‘レボリューションゴールド’。

成長は比較的早く、4年程度で3mほどになる。下写真は地植えにして4年目の株の様子。

メラレウカ
メラレウカの寄せ植え

メラレウカ‘レボリューションゴールド’は、地植えだけでなく寄せ植えの主木としてもイチオシだ。葉色が明るく、幹が比較的まっすぐなので中心に使いやすい。

メラレウカの盆栽

メラレウカの盆栽

ところで、僕がメルボルン駐在中に驚いたのが、このメラレウカの盆栽だ。最近、海外で「BONSAI」が人気だが、メルボルンにも盆栽協会があり、毎年展示会が開かれる。日本の松や真柏もあるが、なんとメラレウカまで盆栽になっているのだ。確かに、葉が小さく常緑で、枝も柔らかいので、盆栽に向いているかも知れない。興味のある方はぜひ、チャレンジしてみてほしい。

メラレウカの剪定

メラレウカ‘レボリューションゴールド’は刈り込みに強く、手入れも簡単だ。原稿を書くにあたり、ちょうど枝が伸びていたので、刈り込みのBefore & Afterの様子もご紹介しよう。刈り込みばさみで出っ張った枝を切るだけで、ほんの10分とかからない。手入れが楽な庭木なのだ。

剪定前と剪定後
剪定前と剪定後。

さて、この剪定枝は素敵な香りがするので、捨ててしまってはもったいない。花瓶に活けたり、輪ゴムなどでユーカリと纏めてスワッグにもできる。ラフィアで括って、約3分ででき上がり。

メラレウカを活ける
ほかの花と一緒に花瓶に活けて。
メラレウカのスワッグ
ユーカリと合わせてスワッグにしても爽やか。

そして、もう一つの剪定枝の活用として、ぜひ挿し木にしてみよう! 鹿沼土に挿しておくと、2カ月で根が生えてくる。極めて簡単だ。

メラレウカの挿し穂
発根したメラレウカの挿し穂。
メラレウカ

どうです? メラレウカ‘レボリューションゴールド’って素敵でしょう?

‘レボリューションゴールド’だけじゃない!
メラレウカの種類をご紹介

メラレウカ

メラレウカには、よく知られている‘レボリューションゴールド’以外にも、たくさんの種類がある。ここではいくつかの品種をご紹介したい。

メラレウカ‘レッドジェム’

まずご紹介するのは、冬の赤い葉色と白い花が魅力的な、メラレウカ‘レッドジェム’(Melaleuca bracteata ‘Red Gem’)だ。

メラレウカ‘レッドジェム’

‘レボリューションゴールド’よりも花が付きやすく、毎年5~6月に白い花を咲かせる。とても可愛らしい花だ。

メラレウカ‘レッドジェム’
赤みがかった葉と白い花のコントラストが可愛い。

この品種も‘レボリューションゴールド’同様に、スタイリッシュな庭のデザインに使用したい庭木だ。もちろん寄せ植えにも最適だ。

メラレウカと栴檀
センダン(栴檀)‘フラッシュダンサー’の明るい葉と、後方に植えた‘レッドジェム’の赤く渋いコントラストが素敵。

メディカルティーツリー

続いて、アロマで人気のあるティーツリーオイルが採れる、メディカルティーツリー(Melaleuca alternifolia)だ。

ティーツリー(メラレウカ)

葉が細く長く、風に靡く姿が美しい。そして花も純白でグリーンの葉に映える。まるでボトルブラシのような雰囲気ですね。

メディカルティーツリー

もちろん葉は素敵な香りがする。かなり成長が早いので、毎年こまめに剪定をしたほうがよい。‘レボリューションゴールド’や‘レッドジェム’のようなMelaleuca bracteaよりは耐寒性が強く、東京多摩地区でも育っているようだ。

メラレウカ‘タイムハニーマータル’

ここで、あまり日本に出回っていない珍しいメラレウカをご紹介しよう。花の色が変わっているメラレウカ‘タイムハニーマータル’(Melaleuca thymifolia)だ。

メラレウカ‘タイムハニーマータル’

名前にハニーがつくくらいだから、花も目立つ。比較的背は低く、ニューサウスウエールズ州が原産なので寒さにはやや弱い。この写真は、東京・三田のオーストラリア大使館で撮影。やはり都内は暖かい。

メラレウカ‘タイムハニーマータル’

メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’

メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’

そして最後にご紹介するのが、メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’(Melaleuca armillaris ‘Pink’)だ。魅力的なピンクの花を咲かせるメラレウカである。

さて、メラレウカの魅力、いかがだったでしょうか。アロマオイルとしてだけでなく、さまざまな魅力にあふれるメラレウカを使って、ガーデニング、コンテナガーデン、そして盆栽も楽しんでみませんか?

*注:一般にはLeptospermum も広くティーツリーと呼ばれています。

Credit


写真&文/遠藤 昭
「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。
ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/

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