えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-の記事
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樹木

庭に咲いたプルメリアの香りで気分はハワイ
ハワイをイメージする花、プルメリア プルメリアというと、ハワイを思い浮かべる方が多いのではないだろうか。リゾート地のハワイも、今年は行きたくてもコロナ禍では諦めざるを得ません。そこで、今回はプルメリアの花をご紹介して、あなたも僕も、せめて気分はハワ~イ。 ハワイというと、日本人には憧れ感が強くあるようだ。古くは「トリスを飲んでHawaiiへ行こう‼︎」キャンペーンもあり、1980年代初頭には新婚旅行の行き先人気ナンバーワンだった。そんな憧れ感は、プルメリアの花にも抱いている方が多いようだ。実際、僕の友人で、毎年夏にハワイに行っていた女性から、「今年はハワイに行けないから、せめてプルメリアの花を家に飾りたいけれど、手に入らないかしら?」と聞かれたり、お客様の中で、「ハワイで見た思い出の花を家で眺めたいので、開花したプルメリアの鉢を毎年、届けてほしい」というオーダーを受けたりした。 挿し穂から育てた我が家のプルメリア 上写真は、6年前にハワイに行った時に、土産物屋で購入した挿し穂(当時は検疫を受ければOKだったが、今はウイルス病の危険があり禁じられている)。ビニールにパッケージされた状態で販売されていた。 そして、その挿し穂から育てて咲いた花だ。なんて美しいことか。 僕自身も2004年に初めてハワイ旅行をして以降、土産物屋で買った挿し木用の挿し穂からプルメリアを育て始め、幾度か枯らした経験を持つ。しかし、それでも懲りずに現在、3色3鉢のプルメリアを育てていて、今年は2株が開花中だ。2株が開花したのは今年が初めてだ。今年は、コロナ禍で家にいた時間が長く、十分な世話をすることができた結果だと思う。植物は必ず努力に報いてくれる。 プルメリアの特徴は? そんな思い出もある栽培中のプルメリア(学名:Plumeria)だが、キョウチクトウ科の植物で、確かにキョウチクトウに似ている。樹液が白く毒性を持つところも共通している。1mくらいの高さに成長しないと開花しないといわれていたが、最近は小型の改良品種もあるようだ。我が家では昔ながらの品種で樹高2mを超える。 プルメリアの花の魅力と咲かせるテクニック プルメリアの最大の魅力は、甘い香り。ハワイを思い出させる贅沢な癒やしの香りだ。 この季節、まだ暑く蚊も多く、度々、庭に出て香りを楽しむというわけにはいかないので、今年は切り花にもしてみた。リビングに甘い香りが漂う。 そして、花はポロリと落ちるので、水に浮かべると、しばらく香りが楽しめる。 かれこれ15年以上育てているが、開花するのは3年に1回くらいである。それも9月以降だ。熱帯花木の多くは枝が充実しないとつぼみを持たないといわれている。実際、我が家のハイビスカスやデュランタも9月以降が花の盛りになる。 プルメリアも気温が上がってくる5月頃からようやく成長しはじめ、8月から9月頃には枝が充実し、そしてつぼみを持つ。このつぼみを持つタイミングで寒くなる前に開花できるか否かが決まるようだ。 今までに開花しなかった年でも、9月頃につぼみが確認できるが、結局、寒くなり開花に至らず、つぼみのまま落ちてしまうことを何回か経験した。 今年も、9月19日の段階で3本の枝に小さなつぼみが見えるが、これを屋内で管理しても我が家のリビングルームの環境では難しいと思う。夜間、プルメリアのために暖房を入れる余裕はない。15℃くらいで成長は止まってしまう。冬も常に20℃以上の温室があれば解決するのだろうが、一般家庭でその環境を保つことは難しい。 プルメリアを咲かせる栽培のポイント では、どうしたらプルメリアを咲かせることができるのか? 今までの15年余りの経験から、プルメリアを咲かせるための育て方をまとめてみよう。 一言で言ってしまえば「成長を促す」ことである。まず、暖かくなって短期間で枝を充実させるためには、太陽によく当てて光合成を盛んにさせることだ。春先から直射日光に慣らしておけば、葉焼けすることはないようだ。 次は用土だが、幹も多肉植物のように水分を蓄えているようで、乾燥には強く、過湿に弱いので、水はけのよい用土に植えること。僕は鉢底の軽石を多めに入れ、水はけをよくしている。 乾燥に強いので、やや乾燥気味に育てたほうが丈夫に育つようだ。水をたっぷり与えてしまうと徒長気味になり、幹や葉が軟弱な感じに育ってしまう。特に冬は乾燥気味に育てないと根腐れを起こしやすい。最後は肥料だが、やはり開花のためには、成長期にリン酸をしっかり施す。今年の成長期は、マグアンプと液肥だけで育てて開花に成功した。 剪定だが、日本で育てる場合、冬は屋内に取り込むので、10月頃に切り詰めることになり、そこから春に新芽が出るが、1年目の枝には花は付きにくい。したがって、冬に屋内に取り込む際に、2年先を見越して小さめに剪定する必要がある。 プルメリアの株を増やす挿し木の手順 最後に増やし方だが、挿し木で増やせる。3~6月頃、または屋内に取り込むサイズに切る場合は9月に、余分な枝を20cm程度に切り、葉を落とす。そして、数日間は日陰で乾燥させて、鹿沼土などに挿すと2カ月程度で新芽が出てくる。挿し木は、親の性質を引き継ぐので開花しやすいというが、それでも3年はかかる。 プルメリアの挿し木の手順 余分な枝を切り取る。切り口の白い液には毒性があるので、作業はビニール手袋などを使用するとよい。 1本を20~30cm程度に分ける。 葉を落とし、数日間、切り口を乾燥させる。 鹿沼土に挿す。 以上がプルメリアの僕の経験からの育て方だ。正直、開花させる難易度は高いが、だからこそ開花の感動も大きい。人間は手に入らないものに憧れる傾向があるが、まあ、僕自身がプルメリアに憧れるのは、「咲かせるのが難しい」からなのかも知れない。だからこそ、闘志が湧くのだ。思えば、僕のオージーガーデニングへの熱意は、そこに存在する。 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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宿根草・多年草

イングリッシュガーデンの名脇役「アカンサス」の魅力と育て方
アカンサスのプロフィール 学名:Acanthus 和名:ハアザミ(葉薊) 科名 :キツネノマゴ科 属名:ハアザミ属(アカンサス属) 庭に一株あるだけで、イングリッシュガーデン的でアーキテクチャルな雰囲気を醸し出す宿根草だ。常緑で光沢のある葉は、冬枯れの庭に潤いを与えてくれる。その存在感のあるフォルムは、古代ギリシャ時代から建築デザインにも使われ、ローマ時代は、この葉のモチーフをコリント式の柱の装飾に用いたとされる。紀元前の昔から、この美しい葉は人々に芸術創造へのインスピレーションを与えたのだろう。アカンサスはギリシャ語で棘を意味し、ギリシャの国花でもある。 英国旅行中、シシングハースト・カースル・ガーデンで見かけたアカンサス。イングリッシュガーデンの定番植物だ。 冬も葉が美しいアカンサス・モリス 地中海沿岸が原産地でポルトガル、イタリア、シチリア島、ユーゴスラビアから北アフリカで約20種見られる。日本でアカンサスと呼ばれている品種は、ポルトガルからイタリアに分布するアカンサス・モリス(Acanthus mollis)で、明治時代に渡来したようだ。従って、もともとは冬に温暖湿潤で夏に乾燥する気候で育っていた。それゆえに、冬の緑がきれいなのだ。 地中海式気候が原産地の草花は、冬は緑で、夏に休眠するものが多い。アカンサスは耐寒性も耐暑性もあるが、鉢植えや暑い地域だと夏枯れして葉を落とすこともある。しかし、秋には復活する。 葉は60cmほどに伸びるので、株の直径は1m以上になる。花茎は180cmほどの高さまで伸びるので、育てる際は、ある程度のスペースの確保が必要だ。開花期は関東地方で6月。 アカンサスの迫力の姿 アカンサスの魅力は、大きな切れ込みのある葉と共に、この巨大な花茎だ。決して鮮やかな美しい色彩ではないが、一本一本が芸術的な形で、林立するとさらにカッコイイ。細部を見ると、花はクジラが口を開けて舌をベロンと出しているような奇妙な形だ。 上のほうにクジラの頭のような淡い黒紫色グラデーションの萼(がく)が、下には棘の生えたあごのような苞があり、その間から白~ピンクの花弁がペロンと出ているようだ。この下顎の棘が、ギリシャ語のアカンサスという名前の由来なのだろう。また、この花茎は乾かしてドライフラワーにも使える。 アカンサスの育て方 場所と土壌 育てる場所としては、日当たりがよく、肥沃で湿潤だけれども水はけのよい土を好む。日陰でも育つが、花付きが悪くなる。一度、植えて根を張ってしまうと、太い根なので、移植が難しくなる。なので植える時は、大きくなる植物ゆえに、慎重に場所を考えたほうがよい。植え付けは春か秋が適している。十分に深く大きな穴を掘り、土に堆肥や腐葉土を漉き込んでから植え付けると、その後の成長を助ける。 日頃の管理 地植えの場合は、水やりの必要はない。鉢植えの場合、成長期の春と秋に乾燥させないよう気をつける。肥料は成長期の春と秋に、発酵油粕を施す。 増やし方 アカンサスの株は比較的ゆっくりと成長するので、秋または春に地上部に葉芽が見える部分の根を切り取ることで株分けできる。あるいは、晩秋または初冬に、根挿し(根伏せ)で増やすことができる。10cm程度の長い太い根の部分を切り、地中に横にして植えておくと春に発芽する。我が家のこのアカンサスは、地植えで20年以上経つが、ほとんど放置状態で、時々、株が大きくならないように周りに出てくる小さな株を掘り上げて、鉢に植え、欲しい人に差し上げている。 また、実生も可能だ。アカンサスの種子を発芽させるには、1〜2日水に浸した後に、10~15℃で育てる。通常21日から25日で発芽する。ただし、開花するまでには2年以上かかるので、根気が必要だ。 病害虫は、ほとんど見られない。こんなに丈夫で長もち、手間いらずのアカンサス。ちょっと庭の雰囲気を変えてみたいと思っているあなたへ。アカンサスを一株植えてみませんか? Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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宿根草・多年草

令和に期待の花「ヘメロカリス」魅力と育て方
ヘメロカリスのプロフィール 学名:Hemerocallis 俗名:Daylily(デイ・リリー) 科名:ワスレグサ科 属名:ワスレグサ属(ヘメロカリス属) 原産地:東アジア ヘメロカリスは、あまり日本では馴染みがないが、じつは日本のニッコウキスゲやノカンゾウがその仲間で、欧米では「Daylily」という俗名で親しまれている。名前の通り一日限りの花だが、次々と咲き継ぎ、6~7月の梅雨の鬱陶しい時期に、オレンジ、イエロー、レッドの花色で庭を明るくしてくれる。 スーパー・パーフェクト・プランツのヘメロカリス 僕がこの花に初めて出合ったのは随分昔だが、2006年4月にオーストラリアで開催された「メルボルン・インターナショナル・フラワーショー」の会場で、出展していたヘメロカリスの専門店でのことだ。その品種の多様性に驚嘆し、日本では見かけない八重咲き品種の球根を思わず2品種ほど購入して持ち帰ったのだ。メルボルンとは季節も逆だし、日本で発芽するか心配だったが、6月には感動の開花を見せてくれた。 それ以降、なんと14年間も鉢に植えっぱなしで、毎年開花してくれる。まさしくスーパー・パーフェクト・プランツなのだ。丈夫で長持ち、手間いらず、しかも花が美しい。もともと東アジアの原産なので、日本の気候にも合っているはずだ。それなのに人気が出ないのはなぜだろうと、長年不思議に思っている。 園芸の世界では、時代ごとに花のブームがあるが、ブームになるものの共通点は、品種が多様性に富み、品種改良が簡単で比較的育てやすいことだ。 古くはハナショウブ、サクラソウ、そして菊やツバキ。最近ではバラ、クレマチス、クリスマスローズなどなど。 この条件からしても、ヘメロカリスはぴったり。近い将来、日本でも人気が出て、「令和の花」になることを期待している。 ヘメロカリスの育て方 植え付けの場所 ヘメロカリスは、日本では仲間のニッコウキスゲなどが霧ヶ峰でも自生しているように、痩せた土地でも育つが、やはり園芸種を立派に育てて花をたくさん咲かせるには、水はけのよい肥沃な土壌が望ましい。また、日照が必要で6時間以上の確保が望ましく、日陰では開花しにくい。鉢植えの場合は、水はけをよくするために必ず鉢底石(軽石)を入れ、園芸用土で育てる。地植え、鉢植えとも夏の水切れには注意すること。 植え付けの時期と植え付け方 9月の彼岸過ぎがヘメロカリスの植え付けの適期だ。ただし、冷涼地では早めに植え付けるか、春に植え付けるとよい。 また、比較的大きく成長する植物なので、植え付ける際は少なくとも30~40cmは間隔を空け、深さ30cmぐらいまで培養土を入れてから、根と茎の境目が2~3cmほど土中に埋まるようにして、最後にたっぷり水を与える。 日常の管理 地植えは、ほとんど放置状態でも咲いてくれるが、4~5月頃に発酵油粕を与えると、より元気に育ち花付きもよくなる。鉢植えの場合は、4~5月頃と9~10月頃に緩効性化成肥料の置き肥が効果的。鉢植えの水やりは、表面が乾いたらたっぷりと与え、開花期から夏の水切れに注意。冬は控えめに。花後には花がら摘みを行う。 増やし方 3~4年で大株になるので、通常3~4株に株分けができる。株分けの適期は秋の彼岸前後。種子から育てることもできるが、開花するまで3~4年はかかる。 病害虫 多彩な花色で注目のヘメロカリス 近年、日本でも欧米で比較的ポピュラーな園芸草花は、ほとんど入手できるようになった。最近このヘメロカリスも、通販での扱いが増えているので、まだまだこれから普及する余地のある花だと思う。珍しい品種でも海外通販で正しい手続きをすれば入手できるので、チャレンジ精神のある人には面白い花ではないだろうか。 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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樹木

素晴らしき我が友! モッコウバラの思い出
丈夫で長持ちのバラ、モッコウバラ 毎年、ゴールデンウィーク頃に見頃を迎え、バラなのに棘がなく、常緑の葉を持つのがモッコウバラ。小さな八重の花が重なり合うように咲く姿は豪華でもあり可憐でもある。 一般にバラというと、病害虫とか「育てるのが難しい」というイメージだが、このモッコウバラは育てやすく、丈夫で長持ちなので、ガーデニング初心者にもぴったりだ。 育て方については、園芸研究家の矢澤秀成さんが監修する『モッコウバラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します』で、完璧なレポートがまとまっているので、ここでは、モッコウバラとの長い付き合いで感じた魅力についてレポートします。 四半世紀を共にしたモッコウバラ 僕はかれこれ、ガーデニングを25年近く趣味として自宅で楽しみ、そして10年間はプロとして親しんできたが、最も付き合いの長い植物の一つがモッコウバラだ。改めて振り返ってみると、モッコウバラとは25年近く付き合ったことになる。そして、必ず年に一度は花を咲かせ、僕を幸せな気分にして元気付けてくれた。25年間も毎年一度は会う友人なんて、なかなかいないもの。ちょうどモッコウバラの季節なので、友人以上に親しい関係の我が家のモッコウバラの思い出を綴ってみたいと思う。 モッコウバラとの運命の出合い! 僕が、初めてモッコウバラと出合った日のことは、今でも鮮明に覚えている。今の住まいへ1995年のゴールデンウィークに引っ越してきて、その直後の「母の日」に、近所の園芸店にカーネーションを見に行った。その時、開花中の可憐で小さな黄色い八重咲きの花をいっぱい咲かせている鉢植えに目が行った。当時の僕は、まだガーデニング初心者だったし、モッコウバラも今ほど一般的ではなかった。僕はその花を初めて見たし、それがキモッコウバラであることも、その時、初めて知った。 店の主人が、「このバラは棘がなく、常緑で、これからの庭づくりには最適で、これから必ず人気が出る、“モダンな植物”」であることを熱く説明してくれた。母の日のプレゼントにはカーネーションよりも「コレだ!」と直感した。これなら毎年咲いてくれるので、毎年、プレゼントを買わなくてすむではないか! 大体毎年、母の日に買ったカーネーションの鉢植えはすぐに枯れてしまうことを、その時、すでに学習していたのだ。そして迷わず、僕はカーネーションの代わりに、このキモッコウバラを連れ帰ったのである。あの時、買った後も、店主は「花が終わったら骨粉などをお礼肥に与え、剪定も一般のバラとは異なる時期で、花後にするとよい」と教えてくれた。 持ち帰ったモッコウバラの鉢植えを、開花中は部屋の中で楽しんだが、花後に地植えにした。それからすくすく育ち、隣家との壁際にアーチを立てて絡ませた。 モッコウバラが咲く思い出写真 今、写真が残っているのは、鉢植えを買ってから10年経過した2005年からである。ちょうど、僕がガーデニングにのめり込み始めた頃である。その後、10年くらいは、モッコウバラの咲く風景が楽しみで、毎年、4月下旬から5月上旬にかけて、たくさんの写真を撮った。今回、そんな思い出の写真の中でも、最も「思い出に浸ってしまう」写真が、愛犬メルだ。 愛犬メルは、もう10年以上も前に星になってしまったが、モッコウバラのカチューシャを乗せた写真は、今でもピアノの上に飾ってある。花が美しいのは、思い出があるからだといわれるが、モッコウバラを見ると、愛犬メルを思い出すのだ。 愛犬は歴代何匹かいるのだが、メルは最も僕を慕ってくれて、元気のいい犬だった。毎朝、クタクタになるほど一緒に走ったことも思い出す。 古いデジタルカメラなので、写真はイマイチだが、これが10年目のモッコウバラだ。だいぶ大きく成長しているが、奥にはまだ、隣家との境にあるフェンスが見える。 雑誌に掲載された、お気に入りの一枚 これは僕が撮った、モッコウバラが映る代表的な写真だ。2007年の景色だが、手前にブルー系のロベリアの鉢を並べ、左横にホスタ‘寒河江’の大鉢をアクセントに置いてみた。じつはこの写真は、翌2008年のNHKテキスト『趣味の園芸』5月号「モッコウバラ特集」に掲載されたもの。右に咲くピンクの花は、オーストラリア原産のピティロディア‘フェアリーピンク’だ。 もう13年も前の写真だが、こうして改めて見ると、当時流行のコニファー‘ゴールドクレスト’があったりして、思わず笑ってしまう。 年々大きくなり庭の景色が変わる 2008年になると、支柱だけでは支えきれなくなり、枝を絡ませるためにフェンスを設置したことが分かる。前年まであったベンチは移動し、大鉢が登場。年ごとに大分、雰囲気が変わるものだ。 さらに1年が経過し、株のボリュームが出てきた。花数も増えて存在感が増してきた。 2009年にはジャスミンの花も寄り添い咲いて、かなりジャングル状態に。庭は足の踏み場もないほどに鉢がいっぱい。 2010年は暑い年で、4月18日には早くもつぼみが膨らんでいた。こんなつぼみのモッコウバラも可愛い。 栽培15年が経ち、生育は衰えず見事に開花 2011年には溢れんばかりのボリューム。モッコウバラも16年目ともなると豪華だ。 我が家は公道から3mほど高台にあるのだが、道行く人たちからも、「見事ですね~」と褒められる。 2012年になり、この年は純白の牡丹とのツーショットが残っていた。モッコウバラと牡丹は毎年、ほぼ同じ時期に開花する。大輪の牡丹と小花をたくさん咲かせるモッコウバラは対照的で、こんな写真の構図は、お互いを引き立てる。この年は、なかなかの圧巻だ。 お隣さんも開花中はきれいな景色の出現に喜んでくれていたが、花後は汚いので、すぐに剪定をするように心がけていた。地植えにして15年以上、毎年、よく伸びてかなり暴れるようになったので、花後は思い切ってバッサリ切り詰めていた。 モッコウバラから後継者へバトンタッチ 2013年は、とても忙しい年だった。 植物園の相談員をやりながら、自営の庭づくりの仕事も手がけ、まさしく「紺屋の白袴」状態で、自分の庭は荒れ放題? それにしても、1年前に、あれほど切り詰めたのに、こんなにボリュームいっぱい! そろそろ、狭い我が家で育てるのには限界を感じ始めた。 写真の記録は、なんと2014年の、少々荒れた姿が最後になった。その後、2~3年は、何とか世話をしたのだが、とうとう一昨年には形も乱れ、手に負えなくなり、伐採して新しいバラを植えた。 モッコウバラが教えてくれたこと 振り返ってみると、かれこれ25年近くモッコウバラと人生を共にしたことになる。あの1995年の母の日に一目惚れした時は、まさかこんなに長い付き合いになるとは思っていなかった。 最後に、以前モッコウバラが植わっていた場所の直近の様子です。地中にはモッコウバラの根が残っているため、同じ場所にはバラを植えることができなかった。なので、少し位置を左にずらして、妻が好きな最近人気の‘ブラン・ピエール・ド・ロンサール’を植えた。 間もなく開花して、モッコウバラとはまた異なった美しい景色を作り出してくれることだろう。そしてまた、新しい未来が繰り広げられるはずだ。 僕にとって、庭の思い出は、決してモッコウバラに限らない。我が家のさまざまな植物それぞれに長い思い出がある。結局は、「庭は人生を映すものだな」と、この歳にして感じている。明日の自分はどうなるか判らないけれど、出来ることは、今日という日を大切に生きること。花たちは、力いっぱい愛でてあげると、必ず、僕らにエネルギーと明るい未来を与えてくれる。25年間、人生を共に歩んだモッコウバラが、教えてくれたことだ。 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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多肉・サボテン

多肉植物の黒法師(クロホウシ)がカッコいい季節到来!
海外で見つけたカッコいい黒法師 日本における近年の多肉植物ブームの中でも、人気で異彩を放っているのが黒い葉の黒法師だ。僕が初めて本格的な黒法師に出合ったのはニュージーランドだった。クライストチャーチの庭巡りに行ったときに、訪問した家の庭に巨大な黒法師があった。当時、日本にもあったが、こんなデカイ黒法師は初めてで、その存在感とカッコよさに圧倒された。それ以来、黒法師に魅せられて我が家でも育てている。 メルボルンでは乾燥に耐える黒法師に感動 その後、やはり日本ではなく、オーストラリアのメルボルンで行われていた「インターナショナル・フラワーショー」の展示で、豪快な姿の黒法師に出会い、その同じ旅行で訪れた、メルボルンのフィッツロイ公園内でも、花壇に植えられた黒法師に圧倒された。 今でも、この写真を撮った時の興奮は憶えている。さらにその3年後に、再びメルボルンを訪れた時には、厳しい水不足で、彼方此方の花壇に水不足でも育つ黒法師が植えられていたのが印象的だった。あたかも黒い花のように花壇に活用されていたのだ。 自宅の庭で育てる黒法師 ところで、我が家の黒法師だが、一度、枯らしたこともあるが、挿し木苗で生きながらえている。一鉢の黒法師を置くだけで、カッコいい雰囲気が出るのだ。黒花と同じように雰囲気を引き締め、スタイリッシュなコーナーができ上がる。 また、多肉植物の寄せ植えにも一株混ぜるだけで、ぐっと雰囲気が変わる。花のようにも見えるところが、「黒花効果」を生み出すのかもしれない。 また、黒法師を和風に飾るのも、意外性があっておしゃれだ。 赤い花がよく似合う。カランコエとカンガルーポーとのツーショット。 いろいろな使い勝手があって楽しい黒法師だ。 黒法師の性質とは? ところで、黒法師はアエオニウム属でカナリア諸島の原産だ。 これまでも度々書いてきたが、植物を育てるときには、その原産地の気候や環境を知ることが大切だ。 現地の気候は、夏は乾燥し冬は湿潤な地中海性気候だ。したがって、本来は夏には休眠し、冬に成長する冬成長型の多肉植物だ。しかし、日本の冬は寒いので、実際に成長するのは秋と春で、冬は寒さに耐えるように水分も少なく身を引き締める。冬に温室で栽培すると冬もグングン成長する。 春に暖かくなると成長期に入る。しかし夏に休眠に入ると葉を落とし小さくなるが、心配して水をやると根腐れを起こして枯れてしまうので注意。夏は風通しのよい所で水やりは月に2回程度で十分。 秋は成長期なので、表面が乾いたらたっぷり水を与えると、グングン成長する。自生地だと冬も成長するが、日本の寒さでは休眠に入る。 多くの人が冬に寒さが心配で、家の中に入れてしまうが、家の中は太陽の光が弱かったり当たらない場合が多く、黒い葉が緑色になってしまうことがある。マイナス1~2℃までは耐えるので、東京あたりなら屋内に置くより、南側の軒下で十分に太陽に当てたほうが丈夫に育つようだ。そして、冬は乾燥させた状態で育てる。これも大切。 黒法師の増やし方 増やし方について少し触れておこう。 他の多肉植物のような、一枚の葉を挿し葉(置き葉)にして増やすことは難しく、挿し木にしたほうがよい。 作業の適期は、4~5月、または9~10月。この場合、挿し穂は10cm程度に切り、風通しのよい日陰で1週間程度、清潔な空の素焼きの鉢に挿し穂のみ入れ、切り口を乾かす。そして、鹿沼土などの挿し木用土に植え付ける(上写真がその状態)。 挿し穂のみを空の素焼き鉢に入れたまま3週間程度かけて発根させる方法もあるが、僕の場合は、1週間後に植える方法を推奨する。 この時、幹の部分は上下を間違えないように! その後、2~3週間は水を与えずに日陰で管理する。十分に発根が確認されて、初めて多肉用の培養土に植え付けること。 黒法師栽培歴15年の今も黒法師好き 今回、黒法師をレポートするにあたり、十分な写真があるかな? と心配だったのだが、PC内を検索したら、出るわ出るわ、たくさんの黒法師の栽培思い出写真がヒットして、選ぶのに苦労するほどだった。 自分でも、このレポートを書きながら黒法師の魅力を再認識した次第です。 楽しくてカッコいい黒法師を、皆さんも育ててみましょう! ガーデニングがもっと素敵に楽しくなりますよ! Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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おすすめ植物(その他)

春の到来は黄色い花が知らせてくれる
「春は黄色い花からやってくる」 Nata Studio/Shutterstock.com 「春は黄色い花からやってくる」と言われるのをご存じだろうか? 確かに、自然界の植物を見渡すと、春に真っ先に咲くロウバイを始めとし、黄色い花が多い。今回はそんな春を告げる黄色い花にスポットを当ててみよう。 ロウバイ(蝋梅) 花弁すべてが黄色一色のソシンロウバイ。backpacking/Shutterstock.com まずはロウバイだ。 学名:Chimonanthus praecox和名:ロウバイ(蝋梅)科名 / 属名:ロウバイ科 / ロウバイ属 ロウバイは名前の通り、ロウ(蝋)で作った造花のような花だ。春一番に黄色い花を咲かせ、その高貴な香りで親しまれている。早いものは12月中に咲き始め、2月頃まで楽しめる。中国原産の落葉低木で、日本には江戸時代の初期に渡来したとされる。他の花に先駆けていち早く咲くので、生け花や庭木としても好まれている。 花の中心が茶褐色をしたロウバイ。 ロウバイは大きく2つの品種に分けられる。花の内側が茶褐色をした、いわゆるロウバイと、花弁すべてが黄一色のソシンロウバイで、一般に出回っているものはソシンロウバイが多い。 樹高は4m程度まで大きくなり、碧空を背景に咲くロウバイは美しい。耐寒性、耐暑性とも強く、初心者におすすめの花木だ。かなり大きくなるので、鉢植えには難しく、庭木として楽しむことをおすすめする。 半日陰から日向でよく育ち、土壌もあまり選ばないので育てやすいが、過湿は嫌うので水はけのよい所に植える。 施肥は、4~5月の成長期と12月に寒肥(かんごえ、かんぴ)を。化成肥料より発酵油粕のほうがよいだろう。 苗の購入は、やはり開花苗で。花を確かめられる時期にポット苗を購入し、寒さの和らぐ2月中旬から3月に地植えにする。 増やし方は種子からでもいいし、挿し木でも増やすことができる。 ロウバイの香りは言葉では表現できないほど魅力的なので、ぜひ、実際の生の香りを味わってほしい。 フクジュソウ(福寿草) さて、次に春を告げる花は福寿草だ。 学名:Adonis ramosa和名:フクジュソウ(福寿草)科名 / 属名:キンポウゲ科 / フクジュソウ属 フクジュソウは日本原産で、本州から北海道に広く分布する山野草だ。私事だが、僕のオヤジの名前が福寿で、僕にとって、とても親しみのある花なのだ。オヤジも「明るく、おめでたい性格」だったが、フクジュソウも、福寿というおめでたい名前のため、お正月の鉢ものとして人気で、東京近辺の自然環境下では開花は立春頃だ。 東京近辺では、降雪の季節と重なり、時として雪の中から黄色い花を覗かせる素敵な光景に巡り合えることがある。葉はニンジンの葉に似ている。 育てる環境としては、落葉樹の下や明るい木もれ日の当たる所が適している。鉢植えの場合、冬は午前中に日が当たる場所に置くこと。梅雨時期に葉が枯れるので、その後は軒下や棚下などへ移動し、休眠させる。 鉢植えの水やりは、表面が乾いたらたっぷり、という草花栽培の定石通りだ。 スイセン(水仙) 次の黄色い花は、ペチコートスイセンと呼ばれるナルキッスス・バルボコディウムだ。 学名:Narcissus bulbocodiumその他の呼び方:ペチコートスイセン、原種スイセン科名 / 属名:ヒガンバナ科 / スイセン属(ナルキッスス属) ナルキッソスと聞くと、ギリシャ神話の美少年や、ナルシストを思い浮かべる方も多いと思うが、まさしく春一番に咲く美少年的な美しさを備えた原種水仙なのである。 ナルキッスス・バルボコディウムは原種スイセンの代表種で、ヨーロッパや北アフリカに広く分布する。ギリシャ神話とも地理的に合致するのだ。原生地の地中海式気候は冬に湿潤で夏は乾燥するため、このナルキッソスも乾季明けの秋から葉を伸ばし、早春に黄色い花を咲かせ、初夏には葉を落とし、夏は休眠する。 ペチコートスイセンの原生地は地中海式気候で、雨期と乾季がはっきりしており、雨期に成長する植物だ。鉢植えの場合、生育期は日当たりのよい場所で育てる。冬は厳しい寒さに当たると花芽が傷むので、東京近辺では、南側の軒下など寒さに当たりにくい場所で育てる。 鉢植えの場合は、肥料は生育期に2週間に1回、液体肥料を施す。 ミモザ (ギンヨウアカシア) さて、次の黄色い春を告げる花は、お馴染みのオージープランツのミモザだ。 学名:Acacia baileyana和名:ギンヨウアカシア その他の名前:ミモザ科名 / 属名:マメ科 / アカシア属 毎年、バレンタインデーには開花する。早春の青空に黄色い可憐な花が舞い、葉も銀葉で明るく美しく、春を感じて心ウキウキさせてくれる魅力的な花だ。 Marina VN/shutterstock.com 日本では一般にミモザと呼ばれ、銀葉アカシア=Acacia baileyanaがミモザとして知られているが、もともと、アカシアはじつに多くの品種が世界中に分布するといわれる。多くがオーストラリア原産で、現地ではワトル・ツリー(wattle tree)と呼ばれている。 ボンボリ状の可愛らしい黄色の花と、ミモザという響きも素敵で、近年、庭木としても人気だ。マメ科植物なので、痩せた土地でも育つのも魅力だ。 スワッグを作るのも楽しい。 アカシアについては、『【ミモザ】庭に春を呼ぶ!育てやすい種類と挿し木・タネ播き・育て方』、また、スワッグの作り方は『ミモザのスワッグを作ろう! 簡単にできる、春を告げる黄色のスワッグ』も参考に。 菜の花(ナバナ) masa44/shutterstock.com さて次は、誰もが春の花といえば思い浮かべる、菜の花だ。 ロウバイにも負けないほど、春の早い時期に咲き出す。「菜の花」とは、アブラナ科アブラナ属の植物の一般総称で、地中海沿岸が原産地とされ、日本には弥生時代に中国から渡来し、日本全国に広がったといわれている。しかし、菜の花に関してはさまざまな説があるので、ここでは、「春を告げる黄色い花」としての紹介にとどめよう。 菜の花は、用途によって食用、観賞用、菜種油用と大きく3つに分けられ、それぞれ品種が異なる。食用の菜の花は、菜花(ナバナ)とも呼ばれ、若い茎や、つぼみを食べる。 料理方法としては、おひたしとか、からし和えとか、家庭でもお馴染みだ。桜のシーズンに黄色い畑が広がる光景は、何とも日本的で美しい。ところで、一般的に菜の花といわれているのは西洋ナバナだ。 学名:Brassica rapa L.(和種ナバナ) Brassica napus L.(洋種ナバナ)和名:ナバナ、菜の花 英名:Rape原産地:地中海等諸説あり科名 / 属名:アブラナ科 / アブラナ属 菜の花畑は、多くの日本人にはお馴染みだが、広くヨーロッパやアメリカでも、主に菜種油の原料として栽培されている。ドイツのドレスデンを旅行中に、実に広域に広がる菜の花畑に出くわした。見渡す限り黄色の菜の花畑は、なかなか感動的だ。そして、花も日本の菜の花よりも小さかった。 ミッキーマウスツリー さて、「春は黄色い花から」の最後は、子(ねずみ)年にちなんで、ミッキーマウスツリーをご紹介しよう。 耐寒性があまりないので温室栽培だが、1月頃に黄色い花を咲かせ、やがて実がなると、あのミッキー君に似ているのだ。Ochana serrulataが正式名称で、南アフリカの原産。子どもたちに人気の花だ。干支にちなんで、今年はカワイイ、ミッキーマウスツリーも育ててみませんか?
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寄せ植え・花壇

お正月の寄せ植えで新年を祝う! おすすめ花材と作り方
生花とは違う雰囲気をお正月の寄せ植えで演出 yoshi0511/Shutterstock.com お正月を迎える準備は進んでいますか? やはり日本のお正月は、クリスマスと違って、長い日本の伝統に培われたホッとできるよさがありますね。正月飾りの準備が整ったら、次はガーデニングブームで普及した「コンテナガーデン」=寄せ植え(一つの鉢の中に数種の植物を一緒に植える方法)でお正月を演出してみませんか? ここ数年、年末に向かうこの時期には、勤め先である神奈川の「川崎市緑化センター」でお正月の寄せ植え講習会を実施したり、自宅にある季節の寄せ植えを「正月風」に手を加えてアレンジしたりしています。今回は、そんなお正月の寄せ植えをご紹介しましょう。 まずは初心者向け!基本のお正月の寄せ植えについて 鉢のサイズは、7号(直径21cm)を使用しています。 材料は、松、南天、葉牡丹、パンジー、アリッサム、ノースポール、そしてお正月らしさを出すために、笹またはトクサでピラミッドを作り、水引を梅結びにして飾ります。 水引は赤白よりも金銀のほうが上品に見えます。 次は中級者向け!お正月の寄せ植え例 寄せ植え タイプA 寄せ植え タイプB 鉢のサイズは、9号(直径27cm)を使用しています。 使用した植物は、タイプAは、松、千両、南天、葉牡丹、カルーナ、シクラメン、パンジー、ストック。タイプBは、カルーナの代わりにヤブコウジを使用。 松、南天、千両などの木ものを後方に配置し、全体を丸くまとめます。植え込む時は、花の向きに注意し、葉牡丹はやや前に傾けるのがコツ。講習会の時には、よく「お花が見る人に微笑みかけるような角度に!」と説明しています。 そして同じく中級者向けで、少々、遊び心のある寄せ植え。 主催者から門松も入れてほしいというリクエストがあり、門松作りから実施しようと思ったのですが、材料調達や制作の難易度・時間を考え、既製品の門松を使うことにしました。使用した材料は、既製品の門松(松・造花の梅・扇子付き)、南天、ヤブコウジ、ストック、シクラメン、葉牡丹、プラチナケールです。そして、水引を輪にしました。ここでテクニックと時間があれば、梅結びを作ると、より正月感がアップします。 お正月の寄せ植えの作り方 手順1 鉢底ネットを敷き、水抜き穴から用土がもれないようにします。 手順2 鉢底石を2cm厚ほど敷きます(草花を植え込む場合は赤玉土大粒でOK)。 手順3 仮置きをしてみて、苗の配置のバランスをチェック。 手順4 培養土を入れますが、その際一番大きなポットで高さ調整します。水やりの時に用土が流れ出ないように、鉢の縁から2cmほどウォータースペースを確保できる高さにします。 手順5 黒ポットから抜き取った苗の根鉢を崩さずに、仮置きの通りに鉢の中に配置していきます。 手順6 土入れで培養土をすくい、根鉢の隙間に用土を入れていきます。 手順7 突き棒(割り箸など)でしっかり土を漉き込み、根鉢と根鉢の間に隙間がないようにします。 お正月の寄せ植えが完成! お正月のイメージを作る寄せ植えの演出法 では、ここからはいくつかお正月らしさをアップする演出アイテムをご紹介しましょう。 秋以降に作ってあった日常の寄せ植えに、割った竹を3本、鉢の縁沿いに立て、上でまとめてピラミッドを作り、両脇に門松を配置してお正月を演出。 職場の植物園にある松の盆栽を借用し、大きな寄せ植えを制作。頂点の飾りは、縄を梅結びに。 カワイイ小物を活用するのも、この時期ならでは。 お正月向きの寄せ植えに使う植物 最後に、正月の寄せ植えに向いている植物を紹介しましょう。 松(マツ) 松は「祀る」につながる樹木であり、古くから中国でも生命力、不老長寿、繁栄の象徴とされ、日本でもおめでたい樹木として、正月に門松を飾る習慣ができました。 『年末の贈り物にも。モダンな部屋にも似合う根引松の松飾り』 南天(ナンテン) 難を転じて福となすといわれる縁起木で、庭木として古くから親しまれていますね。 写真は、庭の南天の実を投げ入れ。 『赤い実がきれいなナンテン(南天)の育て方は? 花言葉や特徴・代表的な品種をご紹介!』 千両(センリョウ) 万両とともに「千両、万両」と称される、商売繁盛の縁起木ですね。 藪柑子(ヤブコウジ) 十両(ジュウリョウ)とも呼ばれる縁起木で、最近は斑入りが人気です。 シクラメン 寄せ植えに使用されるのは、冬の屋外でも育てられるガーデンシクラメンです。 『冬の庭に貴重な花「ガーデンシクラメン」を育てよう』 葉牡丹(ハボタン) 昔から、お正月といえば葉牡丹。キャベツのように巨大品種から、寄せ植えに使いやすい極小サイズまで、サイズも色もさまざまあります。 『カラーリーフ「葉牡丹(ハボタン)」は冬の寄せ植えの大切なワンポイント、特徴的な5種類をご紹介!』 パンジー&ビオラ 今や、冬花壇の女王さま! 花色も単色から虹色まで、動物の顔のようにも見える可愛い花形、寒空の下で次々と花を咲かせる丈夫な品種など、本当にたくさんの種類が出ていますね。 『千変万化の個性を競い合う個人育種パンジー&ビオラ最先端レポート①』 オリジナルのお正月用寄せ植えを作ろう! 年末にかけて忙しい時期ですが、暖かい日にほんの2~3時間で、お正月前にオリジナルの寄せ植えを作って、新年を気持ちよく迎えてみましょう。
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おすすめ植物(その他)

秋色に燃える花壇と、花壇を彩るおすすめ植物
川崎市緑化センターにつくった秋色花壇 秋は紅葉をイメージさせるオレンジ、黄色、茶色などで花壇も染めてみたらどうだろう? さらに、黒系や紫色も似合うかもしれない。そんな思いで、秋色花壇を職場である川崎市緑化センターにつくってみた。芝生の中につくったL字型の花壇だ。やはり生き生きとした緑の芝生は、秋色の花壇を鮮やかに引き立てる。 これはその花壇を真正面から写した様子だが、活躍しているのはほとんどがカラーリーフ。銅葉や、ほぼ黒といっていい葉色のカンナが、オレンジや赤い花を咲かせている。黄や赤に見えるのは、ハゲイトウやコリウス。そして地際付近の黒い株はイポメアや銅葉バジルだ。以前の記事でご紹介した黒いペニセツム‘パープルマジェスティ’も取り入れてみた。パンパスグラスのシルバーの葉も存在感がある。さまざまな植物が秋色に映える。 同じ花壇を斜め前から。アマランサスという、一時健康食品として話題になったヒユ科植物が、象の鼻のような形に赤い実をつけている。 アマランサスは赤花だけでなく白花(グリーン)も使用している。 秋色花壇で活躍する植物たち それでは、この花壇で活躍している植物を、それぞれのシーンとともにご紹介しよう。 イポメアとハゲイトウの織りなす色彩 赤とオレンジと黒の世界がカッコイイ。黒い葉のイポメアはヒルガオ科サツマイモ属の植物で、秋には芋ができる。この芋を保存して植え付けると、翌年も芽が出てくる。サツマイモ同様につるを挿せばすぐに根が出る丈夫な植物だ。生育旺盛なので花壇の隙間を埋めるのに便利な植物だ。黒はどんな色の花も葉も引き立ててくれる。 オレンジ系の葉はハゲイトウ。ハゲイトウは大きくなるので、大型の花壇に使いやすい。秋色花壇には欠かせない植物だ。手前にはコリウスも見える。 ハゲイトウは、黄やオレンジ、そして赤、あるいはミックスなど、葉色が非常に変化に富んでいるので、使い方次第でさまざまな表現ができる。タネから比較的簡単に育てることができるのも嬉しい植物だ。 さまざまな種類のケイトウ ハゲイトウをご紹介したついでに、本来のトサカケイトウも紹介しておこう。昔は、鶏頭という名前の通り、このような鶏のトサカに似た姿のものが中心だったと思う。この色合い、なかなか渋いですね。 そして最近は、このロウソク状の小型の羽毛ケイトウが人気のようだ。銅葉カンナによく似合う。 インパクト抜群のカンナ 銅葉のカンナのアップだ。大きな銅葉は存在感がある。 存在感のある銅葉カンナだが、さまざまな花に似合う。これは、赤いハゲイトウと、白いダリア、そしてペニセツム‘パープルマジェスティ’がお互いを引き立てるワンシーン。白い花は色のぶつかり合いを緩衝してくれる。 ダリアは7月頃に一度咲き、切り戻すと10月頃にもう一度咲いてくれる。秋色花壇には、こんな‘黒蝶’の色彩も素敵だと思う。 ●ダリアについては、こちらでもご紹介『寄せ植えや花壇に活躍「ダリア」の種類と上手な育て方』 個性的な咲き姿のアマランサス 次に紹介したいのがアマランサスだ。通販カタログを眺めていたところ、面白そうな咲き方だったので、思わず購入して育ててみたものだ。かなり大きくなり、花の重みで株が倒れるので支柱が必要だ。 先述の通り、アマランサスには赤花と白花(淡いグリーン)とがある。 こちらは赤花だ。濃厚な色合いが秋花壇によく似合う。 そして白花。実際は爽やかな淡いグリーンの色合い。 花壇の色彩を引き締める銅葉のバジル 花壇の色調として黒い葉が欲しい時は、この銅葉バジルが便利だ。銅葉とはいうものの、かなり黒く、ほとんど黒葉といっていいほど。バジルなので香りも強く、料理にも利用できる。そして淡い色の花も咲かせてくれる。 赤と黄色のコリウスと緑にピンクが混じるイレシネ(手前)に挟まれて、バジルの葉の黒が際立ちカッコイイ。 黒い葉は花やカラーリーフを引き立てる。上2枚は銅葉バジルではないが、同じく黒い葉を持つイポメアを使った花壇の一角。オレンジ色の黄花コスモスや、センニチコウやハゲイトウなどの色彩が、黒い葉を背景により印象的に映る。 四季折々の花壇 秋色花壇では、さまざまな植物たちが、それぞれに人間が考える以上の演出で個性と創造性に満ちた風景を描いてくれる。僕らガーデナーは、植物の葉や花の色、大きさなど、大雑把な特性を捉えて選ぶだけ。あとは太陽と水と養分を欠かさずに大切に育てさえすれば、期待に応えてくれるのだ。 花壇づくりの醍醐味は、人間が考えた花壇の完成風景を植物たちに託し、その思いと生育への力の入れ具合が、まるで鏡のようにでき上った風景に反映されるところではないだろうか。 さて、そろそろ春色花壇を考える時期。花壇は休むことのない、一個の生き物のようだ。次にはどんな風景を見せてくれるだろうか? Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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宿根草・多年草

秋に輝きを増すグラスガーデンの魅力その2 日本で人気の高いグラス類
庭をワンランクアップさせるグラス類 その1でご紹介したペニセツムの仲間に引き続き、本記事でもグラスガーデンの魅力を綴ってみよう。ペニセツムは日本に紹介されて日が浅いが、今回は、もう少し古くから日本で人気のあったグラスを取り上げたい。ここで紹介するグラス類はどれも多年草なので、一度植えると、長年にわたって楽しめるのも魅力だ。 この写真は2004年に開催された「浜名湖花博」のガーデニングコンテストでグランプリをいただいた時の応募写真の一枚で、2階から撮影したものだが、ベアグラス、カレックス、フウチソウなどのグラス類が見える。それぞれ、庭の植え込みラインを縁取り、引き締める役割を果たしてくれている。この写真を撮影してから14年も経つが、現在の庭でも健在で、ガーデン風景には欠かせない存在になっている。 細葉が枝垂れるように伸びるベアグラス 細い葉が鉢から溢れるように枝垂れるベアグラス。元々この株は、ビニールポットの小さい苗を買ったものだが、数年で大きくなった。ベアグラスは明るく軽やかな色調が魅力なので、手前にニュージーランド原産のアステリア、そして後方に銅葉のニューサイランを配し、コントラストを出した。 手前左は似た葉に見えるがオリヅルラン。レンガと敷石の幾何学的な模様に対し、対照的なベアグラスの葉の曲線が生きている。 ベアグラスというと外来種のように聞こえるが、じつは日本を原産とする植物で、和名はオオシマカンスゲという。園芸品種の学名Carex oshimensis 'Evergold' がベアグラスの名前で流通しているようだ。丈夫だが、やや過湿に弱いので気をつけよう。 葉が長く垂れ下がるので、やや背の高い鉢に植えると、存在感があり、見映えがする。 美しい葉色のフェスツカ 前述したベアグラスと、ほぼ同時に流行ったのがフェスツカ・グラウカだ。シルバーグリーンの色合いが魅力のグラスで、単にフェスツカと呼ばれることも多い。ヨーロッパの寒冷地が原産地で、高温多湿には弱い。 日当たりがよく、水はけのよい所で育てる。鉢植えは軽石の鉢底石を多めに入れるとよい。上手く育てると大株になり、糸のように細い葉が長く伸びてカッコイイ。 園芸店で売られている苗は葉の長さがせいぜい20cm程度だが、大株になると50cmくらいになり、オーナメンタルグラスの貫禄が出る。 また、5月頃に出る花穂も楽しめる。タネを採取すれば実生も可能だ。 なんといっても、明るいシルバーグリーンの葉色が素晴らしく、1~2株があるだけで、庭がおしゃれで明るくなる。 雄大な印象を与える大型のパンパスグラス さて、次に紹介するのはパンパスグラス。南アメリカ原産のグラスだ。 僕はグラスの中でも、昔からパンパスグラスに憧れていた。もう25年以上経つが、オーストラリアのメルボルン駐在中に、あちこちの公園や住宅街で見かけた大株のパンパスグラスの雄大な姿が印象に残っている。 この大きな光沢のある穂が風になびく姿が、なんとも美しい。 帰国後、あんなに大きくなるものを狭い庭に植えてはイケナイとは思いながらも、通販で苗を購入したのは、20年以上も前のことだ。最初の数年は、だんだん育って株が大きくなるのが楽しみだったが、案の定、その後手に負えなくなってしまった。結局、堀り上げてチェーンソーで解体し、一部は職場の植物園に寄付した。その時のパンパスグラスは、今でも鉢植えで元気に育っている。 海外のガーデンで活躍する日本のグラス 日本ではおなじみの植物が、海外の庭ではガーデン素材として意外な注目を浴びていることがある。 例えば、秋のお月見の必需品である日本のススキ。 日本では、ススキをわざわざ庭に植える人は少ないが、メルボルンでは、日本のススキをかえって珍しがって、庭園に植えることもある。確かに、パンパスグラスを見慣れた目には、スマートで繊細に映る。 数年前に鳥取で行われた緑化フェアでも、イギリス人のポール・スミザーさん監修の庭にはススキの姿が。 また、イギリスのコッツウォルズ地方を旅行中に、日本のグラスが思わぬ使われ方をされていて驚いたことがある。フウチソウがこんなに一面にグラウンドカバーに使用されていたのだ。 僕の感覚では、鉢植えにして、その和の風情を楽しむものと思っていたので、とても新鮮だった。 もう一つ、オマケにタマリュウ。グラスと呼んでいいのか迷うが、日陰で育つので、グラウンドカバーに便利だ。我が家では、オーストラリアンレンガと組み合わせてこんな使い方をしている。 グラスは、ガーデンの主役にはなりにくい。しかし、グラスにしかないその容姿の持つパワーは計り知れない。ガーデンの脇役として、バラや華やかな草花たちを引き立ててくれる。あるいは、ガーデンの雰囲気を大きく変えて大自然の風景を蘇らせてくる。 今一度、グラスを植えて、ガーデンに輝きをプラスしてみませんか? Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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樹木

おしゃれな庭の主役に!いま注目のオージープランツ「ティーツリー(メラレウカ)」の種類と魅力
ティーツリー(メラレウカ) いまや、アロマですっかりお馴染みとなったティーツリー(ティートリー)オイルだが、正式にはメラレウカというオーストラリア原産の植物のオイルである。 このティーツリーオイルという名前は、オーストラリアの歴史を語るときに最も重要な人物の一人、キャプテン・クックに由来する。彼がオーストラリアに上陸した時に、お茶の代わりにこのメラレウカの葉を使用したと伝えられている。それでティーツリーと呼ばれるようになったそうだ。キャプテン・クックは海洋冒険家であり、ティーツリーの発見者で名づけ親なのだ。 フィッツロイ庭園にあるキャプテン・クックの生家。 ちなみに、メルボルンのフィッツロイ庭園には、キャプテン・クックの生家がある。1934年のメルボルン100年祭を記念して、イギリスにあった1755年建造の家を、フィッツロイ庭園内へ移築したものだ。 今回は、そんなメラレウカについてご紹介したい。 日本のガーデンでも人気のメラレウカ さて、メラレウカの中でも日本のガーデニング分野で特に人気が高いのは、葉の色がゴールドに近い、メラレウカ‘レボリューションゴールド’(Melaleuca bracteate ‘Revolution Gold’)だ。 最近は、庭木や寄せ植えに人気だ。魅力はなんといってもこの美しい葉の色だが、じつはフルーティーな香りも素晴らしいのだ。葉に触れると甘く漂う。ぜひとも庭に植えたい樹木だ。冬には、葉がいっそう鮮やかなゴールドに染まる。 冬の‘レボリューションゴールド’は、より鮮やかな黄金色の葉に。 メラレウカは耐寒性がやや弱い。横浜の我が家では、かれこれ20年ほど冬に枯れこむこともなく育っているが、東京の多摩地区あたりだと、冬に枯れこむことがあるようなので、庭植えにする際は注意してほしい。それでも、1度や2度雪に当たった程度なら平気だ。 雪をかぶったメラレウカ‘レボリューションゴールド’。 成長は比較的早く、4年程度で3mほどになる。下写真は地植えにして4年目の株の様子。 メラレウカ‘レボリューションゴールド’は、地植えだけでなく寄せ植えの主木としてもイチオシだ。葉色が明るく、幹が比較的まっすぐなので中心に使いやすい。 メラレウカの盆栽 ところで、僕がメルボルン駐在中に驚いたのが、このメラレウカの盆栽だ。最近、海外で「BONSAI」が人気だが、メルボルンにも盆栽協会があり、毎年展示会が開かれる。日本の松や真柏もあるが、なんとメラレウカまで盆栽になっているのだ。確かに、葉が小さく常緑で、枝も柔らかいので、盆栽に向いているかも知れない。興味のある方はぜひ、チャレンジしてみてほしい。 メラレウカの剪定 メラレウカ‘レボリューションゴールド’は刈り込みに強く、手入れも簡単だ。原稿を書くにあたり、ちょうど枝が伸びていたので、刈り込みのBefore & Afterの様子もご紹介しよう。刈り込みばさみで出っ張った枝を切るだけで、ほんの10分とかからない。手入れが楽な庭木なのだ。 剪定前と剪定後。 さて、この剪定枝は素敵な香りがするので、捨ててしまってはもったいない。花瓶に活けたり、輪ゴムなどでユーカリと纏めてスワッグにもできる。ラフィアで括って、約3分ででき上がり。 ほかの花と一緒に花瓶に活けて。 ユーカリと合わせてスワッグにしても爽やか。 そして、もう一つの剪定枝の活用として、ぜひ挿し木にしてみよう! 鹿沼土に挿しておくと、2カ月で根が生えてくる。極めて簡単だ。 発根したメラレウカの挿し穂。 どうです? メラレウカ‘レボリューションゴールド’って素敵でしょう? ‘レボリューションゴールド’だけじゃない!メラレウカの種類をご紹介 メラレウカには、よく知られている‘レボリューションゴールド’以外にも、たくさんの種類がある。ここではいくつかの品種をご紹介したい。 メラレウカ‘レッドジェム’ まずご紹介するのは、冬の赤い葉色と白い花が魅力的な、メラレウカ‘レッドジェム’(Melaleuca bracteata ‘Red Gem’)だ。 ‘レボリューションゴールド’よりも花が付きやすく、毎年5~6月に白い花を咲かせる。とても可愛らしい花だ。 赤みがかった葉と白い花のコントラストが可愛い。 この品種も‘レボリューションゴールド’同様に、スタイリッシュな庭のデザインに使用したい庭木だ。もちろん寄せ植えにも最適だ。 センダン(栴檀)‘フラッシュダンサー’の明るい葉と、後方に植えた‘レッドジェム’の赤く渋いコントラストが素敵。 メディカルティーツリー 続いて、アロマで人気のあるティーツリーオイルが採れる、メディカルティーツリー(Melaleuca alternifolia)だ。 葉が細く長く、風に靡く姿が美しい。そして花も純白でグリーンの葉に映える。まるでボトルブラシのような雰囲気ですね。 もちろん葉は素敵な香りがする。かなり成長が早いので、毎年こまめに剪定をしたほうがよい。‘レボリューションゴールド’や‘レッドジェム’のようなMelaleuca bracteaよりは耐寒性が強く、東京多摩地区でも育っているようだ。 メラレウカ‘タイムハニーマータル’ ここで、あまり日本に出回っていない珍しいメラレウカをご紹介しよう。花の色が変わっているメラレウカ‘タイムハニーマータル’(Melaleuca thymifolia)だ。 名前にハニーがつくくらいだから、花も目立つ。比較的背は低く、ニューサウスウエールズ州が原産なので寒さにはやや弱い。この写真は、東京・三田のオーストラリア大使館で撮影。やはり都内は暖かい。 メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’ そして最後にご紹介するのが、メラレウカ・アルミナリス‘ピンク’(Melaleuca armillaris ‘Pink’)だ。魅力的なピンクの花を咲かせるメラレウカである。 さて、メラレウカの魅力、いかがだったでしょうか。アロマオイルとしてだけでなく、さまざまな魅力にあふれるメラレウカを使って、ガーデニング、コンテナガーデン、そして盆栽も楽しんでみませんか? *注:一般にはLeptospermum も広くティーツリーと呼ばれています。





















