えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『最新版 はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『最新版 はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
遠藤 昭 -「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー-の記事
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宿根草・多年草

【ハナショウブ(花菖蒲)】令和時代にも注目したい、色彩豊かな日本の伝統園芸植物
見直される日本の伝統園芸 「初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」 新しい年号「令和」の出典である万葉集の歌では、「梅」と「蘭」が登場し、令和時代は、日本の古典園芸が見直される予感がする。平成時代は「イングリッシュガーデン」に圧倒されてしまった日本の伝統園芸だが、しかしそこには、西洋の園芸にはない魅力が存在する。それは、日本の気候風土と日本人独特の感性のきめ細やかさ、奥ゆかしさが創り出した芸術的な美しさだ。長い歳月をかけて作出されたさまざまな品種には、文学的な名前が付けられ、詩歌にも歌われて、当時の園芸愛好家たちの知的レベルの高さがうかがえる。 梅雨の煌き ハナショウブ さて、これから迎える梅雨に咲く花といえば、紫陽花とともに、忘れてはいけないのがハナショウブ。ニホンサクラソウのように、何となく年寄り臭いイメージを持つ人が多いかもしれないが、ニホンサクラソウ同様に奥が深いのだ。これから初夏は、各地の植物園でハナショウブ展が開催されるタイミングなので、ぜひその魅力を再発見してほしい。 定年退職してからの植物園勤務を契機に、ツバキ、サクラソウ、サツキ、ハナショウブ…と、季節とともに伝統園芸の洗礼を受け、そして、日々さまざまな園芸相談も受けているのだが、自分の脳内で、園芸世界が宇宙誕生のビッグバンの如く爆発しているような感覚である。園芸世界は宇宙のように広く果てしない。その宇宙のような世界でも、燦然と一等星のように輝く星の一つが、ハナショウブなのだ。 ハナショウブは梅雨空のもとでも、碧空のような鮮やかな青色系を中心に、華麗優美な花姿を見せてくれる。江戸時代を中心に、日本各地で数多くの品種が育成され、その数は2,000種以上とも、また咲き方や絞り、覆輪の組み合わせを含めると5,000種以上ともいわれるほど。梅雨時のしっとりとした風情と、多彩な花の形や花弁の色・柄のバリエーションが魅力の花だ。 ハナショウブとよく似た花の見分け方 ハナショウブは、よくアヤメやカキツバタ、ショウブ、さらに最近はジャーマンアイリスとも混同されるようだが、それぞれ違いがある。まず、ショウブは菖蒲湯に使用されるもので、花はガマの穂のような形状をしており、観賞に向く花ではない。ハナショウブは、葉がショウブに似ていたので、ハナショウブと呼ばれるようになったとのこと。 花を見て、よく似た花を咲かせるアヤメやカキツバタと見分けるには、花弁の根元に注目するとよい。ハナショウブは花弁の根元に黄色い部分が見える。アヤメは花弁に独特の網目模様が見える。カキツバタは花弁の根元に白い目のような模様が見える。一方、最近、増えているジャーマンアイリスは、花が大きく派手で、ハナショウブの持つ独特な繊細さや、しっとり感がない。 上の3枚はジャーマンアイリス。黒花はカッコいいが、しっとりとした優美さはない。 そして、ハナショウブの花の特徴は、花弁の根元に黄色い部分が見えることだ。 ‘勇獅子’という江戸系で垂れ咲きの六英花。花弁の根元が黄色いことが分かる。 種類豊富なハナショウブの系統と品種 ハナショウブの品種は、大きく分けて、花の咲き方と、かつて栽培が盛んだった品種の育成地で分類されることが多い。 花の咲き方は、花弁を基準に、「三英咲き(さんえいざき)」と呼ばれる3枚の花弁が大きく目立つものと、6枚の花弁が広がる「六英咲き(ろくえいざき)」、そして「八重咲き」などがある。 また、品種の育成地によって、「江戸系」、「伊勢系」、「肥後系」の3タイプに大別されるが、これらの交配種もあり、さらに、種間交配によって育成された黄花品種や、アメリカなど海外で育成された品種もある。 江戸系のハナショウブ 江戸中期頃に初のハナショウブ園が葛飾堀切に開園し、歌川広重によって堀切のハナショウブが築山などと共に浮世絵に描かれた。浮世絵を通して、江戸系のハナショウブは屋外で遠目に観賞されていたことが分かり、屋内で観賞する肥後系や伊勢系とは異なる特徴が生まれたと考えられる。こうした観賞方法にも品種改良の方向性が見え、江戸系は色とりどりの多彩な色調で、鉢植えより庭植えにして群生させると映える品種が多いそうだ。 ‘相生’。三英咲き(さんえいざき)と呼ばれる3枚の花弁が特徴。 伊勢系のハナショウブ 一方、伊勢系や肥後系は、屋内観賞用に品種改良が重ねられた。伊勢系のハナショウブは花弁が垂れるのが特徴で、伊勢ナデシコ、伊勢ギクと共に、伊勢三花と呼ばれるに至った。花弁が3枚の三英花(さんえいか)が多い。 肥後系のハナショウブ 肥後の国(現在の熊本県)で室内観賞向きに栽培されてきた品種である。肥後熊本藩主細川斉護が、藩士を菖翁のところに弟子入りさせ、満月会によって現在まで栽培・改良が続けられている。門外不出という会則を現在も厳守している点が、他系統には見られない掟である。花が大きく豊潤な印象で、花弁が6枚の六英花(ろくえいか)が多い。 長井古種系のハナショウブ 江戸に持ち込まれる以前の原形を留めたものとされ、江戸後期からの品種改良の影響を受けていない、江戸中期以前の原種に近いものとされている。長井古種系と他系の品種を掛け合わせて作られた新品種を「長井系」としている。 その他の品種 ハナショウブには、日本国内だけでなく、海外で改良された品種もある。下の2つはアメリカで作出された品種だ ツバキなどと同様に、海外で育種された花は、大ぶりのものが多い印象だ。 ハナショウブの育て方 ハナショウブを育てるにあたっては、次のようなポイントを押さえておこう。 水やり 菖蒲園を見学に行くと、ハナショウブは水に浸かった状態で栽培されているので、ハナショウブは常に水に浸かっていないといけないと考えがちだが、これは主に修景効果のためであって、じつは水に浸けておく必要はなく、鉢植えや花壇で育てることができる。ただし、つぼみを持ってから開花期の間は水分を十分に必要とするので、鉢を腰水につけておくとよい。展示の修景効果とも一致するわけだ。 用土 用土は赤玉7、腐葉土3とする。市販の草花用培養土でもよい。 施肥 植え付け、株分け時には与えないが、根が安定した秋以降の施肥は必要。秋の彼岸頃に株を太らせるために施肥すると、翌年、よい花が咲く。早春の芽が出る頃の芽出し肥、花後のお礼肥も忘れずに。 育て方のポイント 定期的(鉢植えは毎年)な植え替え、施肥、そして、特に花の時期は乾燥に弱いので、十分に水やりをする。 ハナショウブの増やし方 ハナショウブを増やす前に、まず、伝統園芸品種の増やし方の鉄則を覚えておきたい。ニホンサクラソウにしてもハナショウブにしても、品種保存のためには、交雑を避けるために種子繁殖は行わず、株分けで増やすのが基本だ。 株分けの時期は花後の7月。今年咲いた芽には来年は咲かないので、切り捨てる。他の芽を切り分け、7号鉢に3芽ずつ植え付ける。その際、根を切らないように注意する。この時、株の表と裏があるので、葉脈が1本ある表を内側、裏を外側にして、鉢の中心に浅植えにする。元肥は、株分け時には与えなくてよい。植え替え直後は、特に水切れに注意が必要。 株分け作業の手順 株分け作業は次の通り。 花後に鉢から株を取り出し、根鉢を崩して棒などで突きながら土を落とす。 株を切り分ける。その際、今年咲いた花芽は翌年は咲かないので切り捨て、葉を長さ25cmほどに切り詰める。 .鉢の表面につける名札が紛失した場合に備え、鉢の底にも名札を入れる(一緒に埋めておけば、万が一名札が紛失しても、掘り起こせば判明するのだ)。そして、その上に鉢底石を入れる。 鉢底石の上に、用土を入れる。ハナショウブの表裏を確認し、植え付けの向きを決める。ハナショウブは裏側から芽が出るので、植え付けの際は裏を外側に。表裏は葉の葉脈の有無で見分け、葉脈が1本走っているほうが表。 植え付けの向きを確認したら、7号鉢に3芽ずつ、浅めに植え付ける。そして、根が隠れる程度まで用土を足して植え付け終了。葉はまとめて縛っておくとよい。 植え付け後は水切れしないように注意し、しっかりと根付くまで養生させる。 平成時代はガーデニングブームだったが、令和の時代は、万葉から平成の悠久の歳月で培われた、さまざまな日本の園芸文化が進化し、花開くことを願っている。さて、ハナショウブは、みなさんにとっても令和の星になれるのだろうか? 併せて読みたい ・【ニホンサクラソウ(日本桜草)】清楚で美しくユニークな名前を持つ伝統植物の魅力 ・オージーガーデニングのすすめ オーストラリアの青い空と海を映す「ブルーレースフラワー」 ・どんな花が咲くのかな? 変化朝顔のタネを播いて咲かせてみました Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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おすすめ植物(その他)

平成園芸を彩った三種の神器「バラ」「クレマチス」「クリスマスローズ」
園芸からガーデニングが生まれた「平成」の時代 間もなく平成という時代が終わろうとしている。平成時代は、正しくガーデニングの時代だった。それは“園芸”が“ガーデニング”と呼ばれるようになり、内容的にも大きく変化した変革の時代だった。平成が幕を閉じ、年号が令和に代わるこの機に当たり、平成時代の園芸を振り返ってみたい。 昭和時代、園芸は「盆栽・菊・洋蘭」に代表される男性の趣味の世界が中心だった。それが、平成時代が終わろうとしている現在は、ガーデニングは女性中心の世界に大きく変化した。園芸の世界でも、平成時代に男女平等社会が進んだのだ。 さて、それはいつから始まったのだろうか? 一つの大きなきっかけとされているのが、1990年、つまり平成2年の大阪花博、正式には「国際花と緑の博覧会(The International Garden and Greenery Exposition, Osaka, Japan, 1990)」、俗にいう「花の万博」「花博」「EXPO'90」である。この花博のテーマが「花と緑と人間生活のかかわりをとらえ 21世紀へ向けて潤いのある豊かな社会の創造をめざす」であり、何と、2,312万人もの入場者があった。この花博で多くの家庭園芸向きの西洋の草花が紹介され、女性たちが園芸の世界に入るきっかけになったようである。 また、第1回目の世界らん展日本大賞が開催されたのが1991年(平成3)で約40万人の来場者があった。この世界らん展日本大賞は、2019年(平成31)には、「世界らん展2019 花と緑の祭典」へと進化した。この世界らん展も、かつて男性中心だった蘭の世界に女性が「見学」に来る大きなきっかけになった。 さらに当時は、NHK『趣味の園芸』も全盛時代で、1989年(平成1)のテキスト発行部数は毎号90万部と、現在の13万5千部とは比較にならないほど、園芸番組の人気があったのだ。 やがて、『園芸ガイド』や『BISES』等の園芸分野の雑誌が発行され、1997年(平成9)には「ガーデニング」が流行語大賞を受賞し、1999年(平成11)には第1回国際バラとガーデニングショウが開催され、ガーデニングが大ブームとなった。このガーデニングブームを牽引したイベントも昨年、2018年(平成30)に20回で幕を閉じた。平成と共に生きたイベントだった。 平成を彩った3つのガーデンプランツ 「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」 僕も『趣味の園芸』テキストは、この40年余り購読しており、他の園芸雑誌もよく購読したが、平成時代の人気記事は「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」だったように思う。実際、出版関係者から、この「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」を特集すると販売部数が伸びると聞いたことがある。 何故、バラ、クレマチス、クリスマスローズの3種のガーデンプランツは人気が出たのだろうか? かねてより人気の園芸植物である菊や蘭に共通するところは、品種数が多いことである。その点、この3種は、その要件を満たしているのだ。そしてブームに火をつけたのが、女性向け園芸雑誌である。その購読者の多くの女性たちが、これらのガーデンプランツを庭に取り入れ、お洒落なガーデンライフスタイルを実践したのだ。 そして、もう一つの平成園芸の背景は、最近のSNSの「インスタ映え」という言葉があるように、インターネットが一般化したことによるネット通販の普及や、ホームセンターの台頭による流通革命だろう。バラやクレマチス、クリスマスローズのような品種の多い植物は、店頭在庫を抱えるには適さず、ネットを通して購入するのに向いている。ネットの普及が、「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」を平成園芸三種の神器にのし上げたといっても過言ではないと思う。 僕は十数年前から、この「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」を、「平成園芸三種の神器」と呼んでいる。ガーデニングブームに乗ったガーデン愛好家たちも、この3種は平成時代の必須植物と捉え、競って買って育てていたようである。僕自身は、流行は追わない主義なのだが、ふと気づいて見ると、自分の平成時代のブログ『男庭日記』には、オージープランツの次に「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」の記事が多くアップされているのである。 まあ、この三種の神器のお陰で、僕自身も平成園芸を楽しませていただいたのだ。ということで、平成最後のGarden Storyの記事は、この平成園芸の時代を共に駆け抜けた、我が家の平成園芸三種の神器「バラ・クレマチス・クリスマスローズ」の写真でお送りしたい。 バラが彩った、平成の我が家の庭風景 まず、僕が大切にしてきたバラが、母が遺したこの‘クィーン・エリザベス’だ。もともと、僕が高校生の頃に、タキイの通販で購入し、挿し木苗を分けてもらった。既に30年以上経ち、平成という時代を共に生きた大切なバラだ。鉄砲虫に食われ瀕死の時期もあったが、復活した。 キモッコウバラも平成の代表的なバラだ。 純白の花を咲かせる‘アイスバーグ’は、オーストラリアに暮らしていた時代の思い出のバラ。オーストラリアで一番多く見かけたバラが、この‘アイスバーグ’だ。オージープランツ感覚で「思い出」と共に育てた。 つるバラの魅力は、アーチ仕立てなどにすると、狭い庭でも空間を有効に使用できること。このアーチに絡めた‘スーベニール・ドゥ・ドクタージャメイン’は香りが素晴らしい。 そしてバラは、デルフィニウムと共に、イングリッシュガーデンらしさを醸し出すには最適だった。 クレマチスが彩った、平成の我が家の庭風景 つる植物であるクレマチスも、庭の空間演出に欠かせないガーデン素材だ。品種のバリエーションも多く、僕のガーデンにもいくつもの品種が育っている。 しかし、こうして写真で振り返ってみても、バラとクレマチスは改めて相性の良い植物だと思う。たくさんのツーショット写真がある。 なお、クレマチスはバラの季節以外にも、1月のアンシエンシス(アンスンエンシス)、3月のアーマンディなど、花のない時期に咲いてくれる品種があるのも魅力だ。 クレマチス・アーマンディはいち早く春の訪れを知らせてくれる。成長が速いので大きくなりすぎないように注意が必要。 クリスマスローズが彩った、平成の我が家の庭風景 そして、バラとクレマチスとは開花の季節が異なるが、もう一つ平成時代にブームを引き起こしたのがクリスマスローズだ。まず、クリスマスローズという名前が魅力的である。そして、常緑で、花の少ない冬から春にかけて、さまざまな色や形の花が庭を華やかにしてくれるので、ガーデニングの素材として人気が出たのだ。さらに、交配で新品種を自分で簡単に作り出せるところも人気の秘密だろう。 平成の我が家のクロスマスローズのある景色をご紹介しよう。 我が家のクリスマスローズは、平成を駆け抜けて大株に育ってくれた。令和の時代も楽しみだ。 室内で楽しむガーデンプランツ これら平成園芸三種の神器は、ガーデンではもちろん、部屋の中でも楽しめる。 庭のバラを切り花にして活けるのも、ガーデニングの醍醐味の一つ。日差しが強い時期は、切り花のほうが長もちすることもある。 クリスマスローズを苔玉にするのも楽しい。白花のクリスマスローズには、楚々とした魅力がある。 クリスマスローズは、終わりかけた花を切り取った後、もったいないので生け花にしてもおしゃれな雰囲気。 バラ・クレマチス・クリスマスローズの育て方カレンダー 最後に、僕の庭でのバラ・クレマチス・クリスマスローズの栽培の年間スケジュールを簡単にご紹介しようと思う。育てている品種や環境によっても違いが出るが、これを栽培の際の一助とし、平成時代のガーデニングを象徴するガーデンプランツ、バラ・クレマチス・クリスマスローズを楽しんでもらえれば幸いだ。 バラ・クレマチス・クリスマスローズの育て方(年間管理) バラ クレマチス クリスマスローズ 1月 施肥(寒肥)・剪定 大苗植え付け・鉢植え替え たくさんの系統があり、花期等、それぞれ異なった特徴がある。施肥(寒肥) 葉切りと施肥 つぼみに光を当てる、霜よけ 1,000倍の液肥 2月 施肥(寒肥)・剪定 大苗植え付け・鉢植え替え 落葉性タイプは、剪定やつるの整理。旧枝咲き、新枝咲き、新旧両枝咲きにより、剪定は異なる 開花 寒肥 交配育種 3月 追肥 アーマンディ開花 追肥 露地植え付け 鉢増し 花がら摘み 4月 病害虫対策(うどん粉病) 旧枝咲きは4~5月に開花が多い。新旧両枝咲きは主に4月下旬~10月に開花 お礼肥 病害虫予防 種房の袋かけの準備 5月 病害虫対策(うどん粉病・黒星病・アブラムシなど) モンタナ開花 タネの採取・病害虫対策 (ダニ・アブラ虫防除など) 6月 追肥・花がら切り、挿し木 病害虫対策 カザグルマ開花 白万重開花 追肥・挿し木の適期 夏越しの準備 日よけ対策 肥料切り 7月 病害虫対策 鉢バラの暑さ対策 花後の剪定で年2~4回楽しめる 直射日光からの遮光方法 8月 病害虫対策 暑さ対策 水切れ注意・花芽形成 9月 追肥・夏剪定 病害虫対策‘ 剪定 タネ播き・株分け 鉢増し 10月 つるバラシュート仮誘引 花がら切り 病害虫対策 シルホサ開花 追肥 施肥 日向へ移動 生育期 11月 大苗植え付け・鉢植え替え 花がら切り 植え替え(休眠期に実施) 古い葉を切る(無茎種のみ) 12月 大苗植え付け・鉢植え替え つるバラ剪定 アンシエンシスなど冬咲き系開花 ニゲル種開花 施肥 つぼみに光を当てる 僕自身が、平成時代にガーデニングに目覚め、趣味で楽しみ、そして定年退職後の平成最後の10年間はプロとして、植物と向き合ってきたが、やはり、「バラ・クリスマスローズ・クレマチス」の三種の神器のお陰で、豊かなガーデニング生活が送れたと思う。 令和の時代には、また新しい植物たちが登場し、人気が出て「令和園芸三種の神器」が誕生するのが楽しみだ。 *注 三種の神器とは? 天皇が皇位の璽 (しるし) として代々伝えた3種の宝物、八咫鏡(やたのかがみ)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)・八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)のこと。 また、1950年代の家電三種の神器は、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫。現在の新・三種の神器は、食洗機・全自動洗濯機・掃除ロボットを指すことが多い。 併せて読みたい ・三大ガーデンプランツの一つ、クリスマスローズの魅力を探る ・バラを育てたい! 初心者さん必見 バラの種類・育て方・病気などを解説 ・宿根草ショップの店長が教える! バラと組み合わせるクレマチスのおすすめ品種 ・クレマチスのスクリーン仕立てで小さな庭も花いっぱい! Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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宿根草・多年草

【デンドロビウム・キンギアナム系】オーストラリア原産のラン 魅力と育て方
簡単に育てられるラン キンギアナム系 洋ランというと、豪華な花を咲かせる反面、温室がないと立派な花を咲かせることが難しい、というイメージがありますが、今回紹介するキンギアナムは別。ごく一般の家庭でも、簡単に育てることができるランなのです。一般的にキンギアナムと呼ばれているものは、デンドロビウム・キンギアナム(Dendrobium kingianum)の交配種の、キンギアナム系のことを指します(以下キンギアナム)。 キンギアナムは、オーストラリアを原産とし、寒さにも暑さにも比較的強いランです。原生地では岩や木に着生して育つので、肥料もあまり必要としません。丈夫で育てやすく、花を咲かせやすいうえ、香りも素敵で、初心者にはもってこいの植物です。 実際に、我が家のキンギアナムは購入して20年ほどになりますが、日々の水やりと、冬に屋内に取り込むくらいの手入れしかしていません。ほとんど放置状態でも、毎年花を咲かせてくれる優等生です。 花色は白、ピンク、黄色。香りは白花が一番 キンギアナムの花色は白が中心ですが、ピンク系もあり、最近では黄色い花を咲かせる交配種も登場しているそうです。清楚な白花も、愛らしいピンク系の花も、どちらも異なる表情を持ち、魅力的。僕のガーデンには両方の株がありますが、香りは白が圧倒的に強いため、香りを楽しみたいなら白花がオススメです。 屋外で育てられるのが嬉しい! キンギアナム そして、このキンギアナムの最も素晴らしい特長は、屋外で栽培できること。普通、洋ランは部屋の中で楽しむものですが、キンギアナムは屋内での栽培はもちろん、開花期には屋外のガーデニング素材としても、素敵な役割を演じてくれます。4月に入り、霜が降りなくなったら外に出して、鉢植え植物として、他の草花と一緒に庭の一部を飾ることができるのです。異国情緒を感じさせてくれるキンギアナムの花は、新鮮なガーデンを演出する素材として活躍することと思います。 キンギアナムは春から初夏にかけて花を咲かせます。花が小さく、一つひとつの花にはさほど華やかさはありませんが、伸ばした花茎に花がまとまって房咲きになるので、株が大きくなると、たくさんの花が集まり、なかなか豪華な眺めをつくってくれます。 ガーデニングの素材としてばかりではなく、花房を切り花にしても絵になりますね。 もちろん、室内に置いても楽しめます。 季節がよい時は日に当てよう! キンギアナムの育て方 育て方は簡単で、栽培のコツはできるだけ日の当たる場所で管理すること。冬の間は室内に取り込みますが、霜に当たる心配がなくなり、桜が開花する頃に外に出して直射日光に当てましょう。この頃から太陽にしっかり当てて育てると、夏も葉焼けをせずに丈夫に育ちます。ただし、真夏は直射日光の当たる場所に置くと、鉢内の温度が上がってしまうため、木漏れ日が当たる程度の半日陰がよいでしょう。霜が降り始める11月末くらいまでは屋外で育ててから、屋内の日当たりのよい場所に取り込みます。少し寒さに当てたほうが、花芽が多く出るようです。 水やりは、春に花芽が出たら多めを意識して、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。夏の間もしっかり水やりをします。秋に成長がとまるため、冬の間は水を控えめにします。そして花芽が出てきたら水やりを再開して、しっかりと水を与えます。 キンギアナムはもともと岩や木に着生して育つ植物なので、肥料はあまり必要としませんが、花後の5~7月頃の成長期には発酵油粕などを施します。液肥の場合は種類によっても異なりますが、2,000倍に薄めて2週間に1度、施肥する程度で十分です。 病害虫にも強いですが、時々、アブラムシやカイガラムシがつくことがあります。また、植え付ける用土は水苔が扱いやすく、2年に1回ほど鉢増しをすると、大株に育ちます。 ランの栽培は難しいからとても無理、と思っている人がいるなら、ぜひこのキンギアナムの栽培に挑戦してみてください。思った以上に簡単に栽培でき、可愛らしい花と豊かな香りを楽しむことができます。 併せて読みたい ・ガーデンズ・バイ・ザ・ベイとシンガポール植物園でランを巡る旅 ・観葉植物生産者がオススメする、花がなくても楽しめるラン6選 ・オージーガーデニングのすすめ スタイリッシュな植栽に不可欠な葉物「ニューサイラン」
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宿根草・多年草

【ニホンサクラソウ(日本桜草)】清楚で美しくユニークな名前を持つ伝統植物の魅力
可憐な日本の伝統植物 ニホンサクラソウとは 「さくらそうを知っていますか?」と問われたら、ガーデナーの多くはセイヨウサクラソウのプリムラ・マラコイデスや、プリムラ・ジュリアンを思い浮かべると思う。しかし、ここでのテーマは、日本桜草である。 これがサクラソウ科サクラソウ属のニホンサクラソウ。品種は‘墨染川’。 こちらがガーデニングでもおなじみのセイヨウサクラソウで、一般によく出回っているプリムラ・マラコイデス。 残念ながら、ニホンサクラソウを園芸店の店頭で見かけることは滅多にない。特に、多くの品種にお目にかかれる機会といえば、各地の植物園などで春に「サクラソウ展」を実施している時くらいかもしれない。恥ずかしながら、僕も植物園に勤務する以前は、ニホンサクラソウがこれ程までに魅力あふれる草花であることを知らなかった。その魅力に初めて触れた時は、ちょっとしたカルチャーショックだったのだ。日本の伝統園芸の素晴らしさ、奥深さを知らなかったのである。 ガーデニングブーム以降、西洋の草花が主に人気だが、4〜5月は、全国各地の植物園などで「サクラソウ展」が開催される。一度展示を覗いてみて、日本の伝統園芸文化の魅力を再認識するのをオススメしたい。ちなみに、ニホンサクラソウの花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「早熟と悲哀」「初恋」だという。 美しい姿と名前を持つニホンサクラソウの魅力 ニホンサクラソウの魅力は、他の日本の伝統的な植物であるハナショウブやツバキと同様に、まずはその品種のバリエーションの豊富さにある。と同時に、繊細で清楚な花姿の美しさ、そして品種名の面白さも大きな魅力である。それは江戸時代の園芸文化のレベルの高さと、日本人の感性の豊かさを物語っている。栽培の歴史がある植物の一つだ。 もともと日本の各地の河川敷や湿原に自生(野生化)していたニホンサクラソウは、江戸時代に園芸植物として、武士の間でも人気が高まり、競って品種改良がなされたという。現在、「日本サクラソウ会」の認定品種が300種余りあるが、他にも多くの品種が存在する。多様な伝統品種の数々の存在は、江戸時代に品種改良が盛んに行われていたことを現代にうかがわせる。また、それらの品種に与えられた名も個性豊かで面白い。 多様な品種が一堂に会するサクラソウ展 これからの季節、全国各地の植物園などで開催されるのが、ニホンサクラソウの品種を集めた展示「サクラソウ展」だ。「サクラソウ展」では、ポピュラーな品種から珍しいものまで、種類豊富なニホンサクラソウのさまざまな品種を一度に見ることができる絶好の機会だ。 これは、僕の勤務先である「川崎市緑化センター」の過去の「サクラソウ展」の様子だ。2019年は、4月9日(火)から5月6日(月・祝)まで展示が行われる(月曜定休、開園9:00~16:30 入場無料)。春になると、全国各地で開催されているので、ぜひ地元の展示会を調べて足を運んでみてほしい。きっと、心に響く名前や姿を持つ品種と出合えるはずだ。 美しいニホンサクラソウの品種 ニホンサクラソウにはたくさんの品種があるが、ここでは、その個性豊かな品種の中から、代表的な品種をいくつか紹介しようと思う。その前に、品種の説明文についてちょっと説明しておきたい。ニホンサクラソウの説明文には、「僅長柱花 短柱花 ひら咲き 広浅かがり弁……」というような独特の言葉が登場する。長柱花、短柱花とは、雌しべと雄しべとの位置関係などを表し、品種の同定をしていく際には決め手の一つとなるようだ。 世の中に知らない世界は多いけれど、お仕事で「サクラソウ展」に展示する品種に疑問があり、同定作業をする時には、見た目の姿とともに、花を解体して品種の確認をすることがある。とても根気のいる作業だが、これがなかなか面白い。 サクラソウの一つの魅力が、名前の面白さである。下に紹介する品種も、ぜひ写真と名前をじっくり見比べて、そのネーミングの妙を楽しんでもらいたい。 ‘赤蜻蛉’と‘白蜻蛉’ それでは、名づけが分かりやすい品種から紹介していこう。まずは‘赤蜻蛉’と‘白蜻蛉’。 古典的な品種で、切れ込みの入った花弁がトンボみたいですね。平咲き・受け咲き。 ‘宇宙’ 江戸時代の後期に作出された品種。広い桜弁。このような咲き方を抱え咲きという。花弁の裏側は、極薄い紫ピンク。 ‘北斗星’ 上の写真が‘北斗星’です。この花弁を粗かがり弁といい、平咲き。雪の結晶みたいなので北斗星と名づけられたのだろうか? ‘許の色’ 「許しの色」だそうな。基部の細い広桜弁。浅抱え咲き。明治時代の作出。 ‘松の雪’ 松の雪、この命名の描写が凄いですね。まさしくこの広い花弁に掛かるわずかな緑を表している。浅盃咲き。 ‘美女の舞’ 美しい花弁です。本当に美女のよう。 ‘銀覆輪’ つかみ咲きという咲き方で、花弁の裏側は紅い桜弁。花弁の裏側は紅糸覆輪、表は白色。 ‘紫光梅’ 梅弁先、受け咲きという咲き方。花弁は紫で珍しい。 ‘明烏’ この「明烏」という言葉だが、明け方のカラスの意味は、お分かりだろうか? 男女の情愛の夢を引き裂く……カラスの一声⁈ 夜明けのコーヒーも不味くなりますな。 ‘窈寵’ ‘窈寵’という品種名、皆さんは読めますか? じつは、ニホンサクラソウを愛でるには、知性と教養が必要とされるのだ。作出者の名前で単純に命名されていることが多いイギリス生まれのバラとは大違いである。ちなみに、この品種名の「窈寵(ヨウチョウ)」とは、「美しくしとやかで、上品で奥ゆかしい」という意味を表す言葉。確かに、ニホンサクラソウの展示を見に来られるお客さまには、他の植物の展示会に比べて「美しくしとやかで、上品で奥ゆかしい」方が多く見受けられるように思うのは、気のせいだろうか? 八重咲きのニホンサクラソウ 最近は、八重の品種も作出されていて、「えっ⁉ これもニホンサクラソウ?」と驚くばかり。 ‘以心伝心’という品種。濃いピンクに八重の花。 ‘甘えん坊’。花のイメージが浮かぶだろうか? そして‘狸囃子’。 まあ、これらの八重咲き品種は、ニホンサクラソウの独特の可憐さ、奥ゆかしさなどは、あまり感じられないかもしれない。日本の園芸植物の伝統も、やがて、進化し変化していくのだろうか? ここでは紹介しきれなかった品種写真を、下に掲載しておきたい。 幅広い品種があり、それぞれに個性豊かで可憐な花姿と、創造性にあふれた名を持つニホンサクラソウ。ぜひ一度、「サクラソウ展」などに足を運んで、和の植物の魅力をじっくりと味わってほしい。 併せて読みたい ・日本原産の美しい花木 ツバキの魅力を再発見! ・【ハナショウブ(花菖蒲)】令和時代にも注目したい、色彩豊かな日本の伝統園芸植物 ・ジュリアンとサクラソウを使った初春の寄せ植え〜お手軽“つくろう”レシピ〜 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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樹木

日本原産の美しい花木 ツバキの魅力を再発見!
日本を代表する花木の一つツバキ ツバキ(椿)といえば 学名にもCamellia japonicaとなっているように、明らかに日本原産であることが示される、まさしく日本を代表する世界に誇る花木だ。 その美しさから、万葉の時代より日本人に親しまれ、美術や詩歌の題材として多く取り上げられてきた。江戸時代からの園芸人気で品種改良が進み、その後も日本人の文化と深く関わってきたツバキは、国内で2,200種以上もの品種があるといわれている。 ひと昔前は庭木としても人気だったが、このところ洋風ガーデンでバラなどに押されたり、木につきやすいチャドクガが嫌われたりと、低迷しているようだ。しかし、ツバキは多少の日陰でも育ち、常緑で、花のない冬から春に美しい魅力的な花を咲かせることに加え、丈夫で育てやすく、品種も多いので見直したい庭木だ。 「落椿(おちつばき)」という俳句の季語があるが、ツバキは花弁がハラハラと散ることはなく、潔く花ごと落ちるので、武士道の美学に共通するともいわれる。ただし、病気の見舞いなどにはタブーなので注意しよう。緑の苔に落ちるツバキや、サクラの花びらと共に地表に描かれる自然の絵画は、ツバキならではの正しく「落椿」であり、他の花木には真似できない花後の美しさである。 ツバキの美しさに触れる全国の椿展 3月頃には、ツバキの展示会が全国各地で開かれる。その多くは「切り花」での展示であるところが、花木であるツバキならではの展示会の面白さだ。僕の職場である「川崎市緑化センター」も、毎年展示会を実施しているが、展示会の度に、ツバキの魅力をより引き出せるよう、いろいろな工夫をする。 このように、さまざまな展示方法が考案され、発展してきたのも、ツバキの持つ美しさ故なのだと思う。ツバキの美しさに、人の美的感性が刺激され、ツバキをより一層美しく見せようと働くのである。 表は美しく華やかなこの椿展だが、ツバキは切り花ではあまり日もちがしないので、裏方は毎朝、大量の花を切り取って、マジックで葉の裏に品種名を書き、名札をつけ…と、じつは大変なのだ。 あまり知られていない、ガーデニングに適した海外の品種 ツバキというと和のイメージが強いが、ツバキは海外でもガーデンプランツとして人気が高い。18世紀にヨーロッパに渡り、19世紀には冬から春を彩る園芸植物として大流行したツバキは、欧米でも"カメリア”という名で親しまれている。芸術の世界でも好んで取り上げられ、ジュゼッペ・ベルディのオペラ『椿姫』は特に有名である。春の寒い季節にも常緑で花を咲かせる椿は世界中で人気なのだ。 海外へと渡った日本のツバキは、その後、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの先進国でも品種改良が進んだ。各国で生み出されたツバキの品種を見比べてみると、それぞれの文化特性が花姿に反映されて面白い。このように現在のツバキには、海外から逆輸入された魅力的な品種も多いが、日本のガーデナーには意外と知られていないようだ。 そこで、ここでは海外で人気の主な品種を紹介しよう。 一押しのお気に入り! 黒椿の‘ナイトライダー’ ニュージーランドで作出された黒系の品種で、カッコイイ黒いツバキだ。名前はワイルド系だが、小輪で渋く紳士的な気品が漂う。 ツバキらしからぬ名前の‘青い珊瑚礁’ どうです? ツバキのイメージが変わりませんか? ちなみにこれは外来種ではなく、鹿児島県種子島の山中で発見されたヤブツバキの園芸品種。紫がかる珍しい花色が、なんとも魅惑的だ。 巨大輪! ‘コーラル・ピンク・ロータス’ 1955年にカリフォルニアで作出された、アメリカらしい巨大輪のツバキで、花径は20cmもある。大体、外来種は大輪で派手な色彩を持つものが多い。 常夏の島の名を持つ‘ハワイ’ カーネーション咲きで、1961年にアメリカで発表され、日本へは1964年にアメリカ・カリフォルニアのサクラメント市より、日本椿協会の展示会に送られてきたことで紹介された。上品で優雅なツバキだ。 ベルギー生まれの‘エンペラー・オブ・ルシア’ ベルギー生まれの‘エンペラー・オブ・ルシア’は、赤と白の混ざった花びらが幾重にも重なってとても華やかだ。エンペラーの貫禄がある大輪。 ニュージーランド生まれの‘バーバラ・クラーク’ ‘バーバラ・クラーク’。ニュージーランドで1958年に作出されたセミダブル小輪のツバキで、樹形も小型。日本の狭い庭には似合いそうだ。 これもツバキ!? 驚きの超巨大輪 ‘ショーガール’という艶やかな品種名。アメリカで作出された超巨大輪の、名前の通りに華々しい花だ。 ショーガールに似た印象の‘ドリームガール’。これもいかにもアメリカらしいツバキですね。この品種も迫力の大きさ! ‘ミセス・D.W.デービス’。アメリカ作出の超巨大輪が続くが、20cmほどもある大きさなのだ。やはり花にはお国柄が出るものだ。日本の‘侘助’とは対照的な花だ。 赤白の斑模様がおしゃれな‘アドルフ・オーデュソン’ ‘アドルフ・オーデュソン’。フランスで作出された古い品種で、春の寒い季節にも常緑で花を咲かせるツバキはヨーロッパではかなり有名なようだ。この赤白の斑模様は、エキゾチックに映ったのではないだろうか? 早咲き品種だ。 ‘デビー’。カーネーション咲きの豪華なツバキだ。ニュージーランドで作出。 ‘ホプキンズ・ピンク’。牡丹咲きのアメリカの品種だが、珍しく小輪で可愛い。 以上、海外品種を紹介しきたが、和風の庭だけでなく、洋風のガーデンにも合いそうなツバキもたくさんあることがお分かりいただけたと思う。ツバキ=和の庭という先入観を捨てて、冬から春の庭を彩ってくれる、魅力的なツバキを庭に植えてみてはいかがだろうか? 魅惑的な日本の品種 これまでは海外生まれのツバキを中心に紹介したが、もちろん日本の伝統文化の結晶である、日本で生まれたツバキは負けてはいない。ここには載せきれないほどたくさんの魅力的な品種があるが、オススメのツバキ品種の花写真だけでも紹介したい。個性豊かな花の中から、好みの花を見つける助けにしてもらえればうれしい。 まだまだ、紹介しきれない魅力あふれるツバキがたくさんある。ぜひ、お近くのツバキの名所や展覧会で、生のツバキの魅力を堪能してはいかがだろうか? きっと、日本人ならではの感性と知的好奇心を刺激して、バラとはまた異なる、素敵な世界に誘ってくれるだろう。 併せて読みたい
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アレンジ

ミモザのスワッグを作ろう! 簡単にできる、春を告げる黄色のスワッグ
スワッグ作りに適した花材、ミモザ リースよりも手軽に楽しめる壁飾りとして、近年人気が高いスワッグ。ドライになっても可愛らしい花を保つミモザは、スワッグ作りに最も適した花木の一つだ。春が近づき、そのミモザの季節がやってきたので、今回は、ミモザのスワッグの作り方をご紹介しよう。スワッグについては、『オリジナルのお正月飾り!素敵な「スワッグ」の作り方』で解説しているので、そちらもぜひ参照してほしい。 日本で一般的にミモザと呼ばれている植物は、オーストラリア原産のAcacia baileyanaで、ギンヨウアカシアと呼ばれる品種である。名前の通り、葉がシルバーグリーンで美しい。春早くに株を覆うほどに咲く、鮮やかな黄色の丸い花も素晴らしい。同じくミモザと呼ばれるフサアカシアと混同しやすいが、フサアカシアは耐寒性が弱いため、日本で見かけるミモザは多くがギンヨウアカシアだ。また、ギンヨウアカシアはフサアカシアよりもややコンパクトに育つので、庭木としても扱いやすい。 国際女性デー(3月8日)にはミモザを贈ろう 最近、ミモザが注目されている理由の一つが、3月8日の国際女性デー。国際女性デーは欧米で女性の自由と平等を掲げる日とされ、この日イタリアでは、男性から女性に感謝の気持ちを込めてミモザを贈る習慣があり、ミモザの日とも呼ばれているのだ。日本でも、ボチボチこの習慣が広まる兆しが見えている。 「バレンタインのお返しはホワイトデー」もいいが、商業ベースで今一つ盛り上がらないところもある。3月8日の国際女性デーにミモザのスワッグを贈るとフェミニストみたいでカッコイイ! ではないか。男性諸氏には、ぜひオススメしたい。 ミモザのスワッグの作り方 ミモザの枝を束ねるだけの手軽さで、ミモザの魅力を長く楽しめるスワッグ。僕のガーデンでも他の花に先駆けて咲き出すミモザのスワッグを壁に飾れば、鮮やかな黄色の色彩とも相まって、家の中が春らしく明るくなる。 では、早速ガーデンの植物も使って、スワッグを作ってみよう。 使用する花材 ミモザの枝と、ユーカリ、ドドナエア、ラベンダーなどお好みの植物をチョイス。 使用する材料 ラフィア、麻ひも、麻テープ、ビニタイ。 スワッグの作り方 花材を並べる まず、ミモザなど使用する花材を揃えて置く。完成図をイメージして、色や葉の形を考えながら、いろいろ並べ替えて試してみよう! 一番下には、長い枝ものや、大きくて平らな安定する葉を敷き、見せたいもの、小さなものは上に重ねて置くとよい。 花材を切り揃える 材料がバランスよくまとまったら、それぞれの長さに花材を切り揃える。この時、はみ出した余計な枝は、切り落としておくとバランスが取りやすい。 根元をビニタイで固く結ぶ 逆さに吊るしても枝や葉が抜け落ちないように、ビニタイを用いてしっかりと固く結ぶ。 麻テープで株元を覆う 麻テープを結び目から枝元の部分にかけて巻きつけると、バラバラな印象の根元がすっきり! 麻ひもで縛り、輪を作る 麻テープの上から麻ひもを巻いてしっかりと縛る。残った麻ひもの両端を結び、壁に吊るす際に掛けられるよう、輪を作っておく。 ラフィアでリボンを作る 仕上げに、根元付近へラフィアをリボン状に結ぶ。リボンの向きが逆さにならないように注意。ミモザのスワッグはこれで完成。 一つひとつ表情が異なる、手づくりのミモザのスワッグ。壁飾りとしてはもちろん、エントランスに置いて玄関飾りとしても可愛らしい。 ミモザのスワッグ バリエーション ギンヨウアカシアの代わりに、パールアカシアを使っても同じようにスワッグを作ることができる。パールアカシアは、ギンヨウアカシアとそっくりな花を咲かせるが、切れ込みの入った葉ではなく、柔らかな質感の丸い葉を持つ丸葉系アカシアだ。 また、ユーカリとミモザだけのシンプルなバージョンもよく作る。2種類の枝をまとめて束ねるだけでいいので、3分間あれば完成するとても手軽なスワッグだ。 スワッグ作りに使用した植物 オマケに、今回のスワッグに使用した植物の特徴を紹介しておこう。庭のある人は、来年以降のために植えておくと便利だ。ラベンダーなどは鉢植えでも育てやすい。 ミモザ(ギンヨウアカシア) 今回のスワッグの主役であるギンヨウアカシア。丈夫で育てやすいが、枝が細く折れやすいので花後に適宜剪定を。 『オージーガーデニングのすすめ 春を告げる「アカシア(ミモザ)」』 ユーカリ オージープランツの中でも代表的な存在であるユーカリは、銀色がかった葉が美しく、スワッグやリース作りに重宝する。成長が速く高木になる。 『オージーガーデニングのすすめ「ユーカリ」』 ドドナエア ドドナエアは、夏の葉は明るいグリーンだが、冬には葉の色が赤から黒に染まる。スタイリッシュでモダンな庭演出にぴったりの庭木だ。 『オージーガーデニングのすすめ 「ドドナエア」』 ラベンダー ハーブとしてもお馴染みのラベンダー。オーストラリア原産ではないが、他のオージープランツ同様に多湿を嫌うので、水はけのよい環境で育てよう。 今回は、僕の好きなオーストラリアの植物を使ったスワッグを紹介したが、それぞれに自分の好きな植物で、個性的なミモザのスワッグを作ると楽しい。 簡単に作れるミモザのスワッグを、3月8日の国際女性デーに、お友達にプレゼントしてみませんか?
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ガーデニング

冬の土づくりはガーデニングの必須作業! 手作り堆肥と土壌改良の方法
美しい初夏の庭をつくる大事なガーデニング作業 日本のガーデニング愛好者は、四季の変化を楽しむことができ、それぞれの季節の庭仕事も楽しめるので幸せである。そして、日本で庭が最も華やかで美しい季節は、緑に溢れ、一年草などの草花が咲き乱れる、初夏のバラの季節だろう。 その最も美しい、待ち望んだ花いっぱいの庭の季節を満喫するには、寒い冬の今から準備を進めなければならないのだ。冬の庭仕事といえば、バラの剪定や植え替えなどが、まず頭に浮かぶ。だが、バラの季節の庭を、もっと素敵に華やかにつくり上げるためには、バラの周りを彩るデルフィニウムなどの草花の準備も忘れてはならない。それに加えて大切な作業が土づくりだ。 冬の土づくり作業とは ガーデニングは寒い冬の間でも、やることが実はたくさんあるのだ。我が家では、妻は鉢植えのバラの剪定や植え替えをし、僕は落葉樹の剪定や、古い土を再生するために、ビニールシートに土を広げて土づくりをするのだ。園芸作業って、まあ、独り黙々とやるより、妻と2人のほうが断然楽しい。寒い冬も夫婦でガーデニング! 今回は冬の園芸作業として、土づくりの方法、及び土づくりを楽しむためのさまざまな用土材料について触れてみたいと思う。 ホームセンターに行くと、実にさまざまな園芸用土が販売されていて便利だが、料理でいえばインスタント調味料みたいで面白くない。やはり自分で工夫して用土もつくると、園芸がもっと面白くなる。オリジナルな土づくりも園芸の楽しみの一つだ。料理と同じで、自分の感性でつくり上げるのが楽しいのだ。それに、園芸用土を購入して、それを使い捨てにするとゴミ処理にも困る。 土づくりの基本「天地返し」 冬の園芸作業に、「天地返し」と呼ぶ作業がある。それは、寒風に土を曝して土の中の害虫や病原菌を駆除することだ。僕は毎年この時期に、コンポストの中に溜まったゴミ(堆肥)と使い古しの土を寒風に曝す。前年度に使用した鉢の土や、コンポストの堆肥の「天地返し」だ。 一年の間、台所から出たゴミや庭の雑草や切り枝、そして鉢の使い古した用土を2つのコンポストに投げ入れてきたが、毎年この時期には新たな園芸用土をつくり、初夏の草花の鉢植えをつくる準備をするのだ。土を目の粗いフルイにかけて、ゴミや虫を取り除いてビニールシートに広げるのは、なかなかの重労働だが、土いじりって気持ちがよいものだ。コンポストの土をふるうと、貝殻やマグロのカマ、チキンやラムチョップの骨なんかが出てきて、懐かしく面白い。 家庭ゴミが減る! 自己流堆肥の作り方 まず、遡って堆肥作りから紹介しよう。僕は2つの方法で実施している。 一つは台所から出る生ゴミや、雑草や落ち葉などをコンポストに入れる肥料作りだ。ゴミが減るので環境に優しい。毎日ゴミを入れ、その上に土をかぶせておく。この土を植木鉢の再生用の土として使用するために、真冬に天地返しを実施するわけだ。再利用は細菌や病気などが心配になるかもしれないが、きちんと対応・処理をすれば問題はない。使い古しの鉢の土は、夏の暑い日に黒いビニール袋に入れて、直射日光の当たるコンクリートの上で2週間ほど殺菌してから再利用している。 もう一つは、腐葉土と鶏糞や油粕で作る堆肥だ。都会ではなかなか枯れ葉を確保するのは難しいが、幸い近所の公園に落葉樹の林があり、 通路とかグランドに散らかる枯れ葉を「お掃除」がてら、頂いてくる。これを普通の堆肥作りの要領で、落ち葉、鶏糞、落ち葉、油粕と水をかけながらコンポストに重ね、踏み固めて数カ月、時々上下をかき混ぜて空気を入れてやる。そうすれば1年後には、手作りの堆肥ができる。 台所ゴミと使用済みの鉢植え用土、そして落ち葉・鶏糞・油粕の堆肥を、ビニールシートに広げて、2週間くらい霜に当てて寒風に晒し、直射日光で消毒する。2週間ほどの間、2~3日に一回天地返しを繰り返すと、ふっくらとした土ができ上がってくる。 さらに、使用するときは、根腐れ防止の「くんたん」と「牛糞堆肥」などを植物に合わせ調整する。また、アブラムシや害虫が心配なら、土に「オルトランDX」などを混ぜ込んでおけば、その被害が防げる。 土の酸性度をチェック 自家製の台所のゴミや、鉢植え用土の再利用で気になるのが、土壌酸度だ。安全に使用するために土のpHを測り、必要ならば苦度石灰などを混ぜて土壌を調整する。この土は、今年の初夏の鉢物の園芸用土となるので、チェックは欠かせない。消毒を済ませた再利用の土は、堆肥と混ぜ、pHチェックをしてから使用する。 酸性度のチェックの方法は次の通り。土壌酸度のチェックができる「アースチェック液」がホームセンターなどで販売されているので、これを使用した。 チェックする土1に対して2の水道水をコップ(ペットボトルを切って使用)に入れ、よく混ぜ、ゴミを沈殿させる。 上澄みの溶液を付属の試験管に5cc入れ、「アースチェック液」を3滴垂らす。 溶液の色が変わるので、付属の比色表でチェックする。 今までの経験だと、大体5.0~7.0に収まり、一安心。そして育てる植物の適性に応じて、石灰やピートモスで調整する。 再利用の土だけでなく、庭の数カ所の土の酸性度をチェックしてみると面白い。このアースチェックの場合、説明書に「主な植物の適性土壌酸度一覧表」も付いていて、とても参考になる。ちなみに、酸性を好むサツキやブルーベリーがpH4.0~5.0、アルカリ好みのホウレンソウでpH 6.5~7.5など。多くのオージープランツはpH5.5~7.0を好むが、南オーストラリアとパースでは、土壌はアルカリ性だ。僕の庭では、西オーストラリアから来た植物が多いので、酸性には要注意だ。 また、土づくりでは、土の酸性度だけでなく、窒素、リン酸、カリの比率も重要。一般に、窒素は葉をつくり、リン酸は花や実付きを良くし、カリは根をつくるといわれているが、ガーデニングの際にはこのような知識も押さえておくとよい。特に、オーストラリアの植物の多くは、一般的にリン酸の含まれる肥料を多く与えてはいけなかったりする。オージープランツは根から出る酸性の排出物によってリン酸を分解する方法で、微量なリン酸を土壌から抽出する方法を発達させてきた。 それゆえ、肥料から余分なリン酸を摂取すると枯れてしまうことになるのだ。まあ、土づくりは、なかなか奥深いからこそ面白い。 こうしてできたオリジナル園芸用土を早速使用して、デルフィニウムやジキタリスなどの初夏の花苗を鉢に移植。初夏の開花を待つのだ。 オススメの土づくり資材 今回、土づくりに触れてきたので、使いやすい、主な市販の土壌改良関連資材を説明しておこう。ガーデニングの際には、以下のような資材を常備しておくと便利だ。 赤玉土 一般的に、大玉、中玉、小玉の3種があり、粒状で、鉢物に頻繁に使用する水はけの良い基本の土の一つ。一年草の鉢底石代わりにも使われる。 鹿沼土 弱酸性でサツキなどに使用。水はけ、保水性ともに良いので、園芸用土に混ぜることもある。また、清潔なので挿し木などにも使用される。 ピートモス 酸性を示すため、ブルーベリーの植えつけに使用。また、軽いので、酸度を調整すればハンギングの鉢植えにも向く。 腐葉土 腐葉土は、クヌギ・コナラ・ケヤキなどの落葉広葉樹の落ち葉を腐らせてつくった土。通気性、保水性、保肥性に優れ、肥料分は殆どないため、赤玉土などと混ぜて、園芸用土に利用する。 堆肥 動物のフンや野菜ゴミ、樹皮などを発酵させたものなどいろいろな種類があり、肥料分を含む。使用時には成分をチェックする。 発酵油粕 油粕だけだと窒素分が多いため、骨粉などを加えて成分を調整し発酵させた有機肥料。置き肥や元肥に使用。 化成肥料 顆粒状のものから水溶液のものまで、さまざまなタイプがある。必ず成分表が記載されているので、窒素・リン酸・カリの比率と濃度をチェックして使用する。鉢植えには、液肥やマグアンプKなどが使いやすい。 苦土石灰 お馴染みの酸度調整に使用。苦土とはマグネシウムで、消石灰にマグネシウムが入っており、消石灰に比べて根を傷めたりすることが少ないため、扱いやすい。 今回は、冬の園芸作業の土づくりに触れてきたが、「育てるガーデニングの基礎」は何といっても土づくりだ。初夏に立派な花を咲かせたいならば、春が来る前に仕込みをすることが必要なのだ。土づくりの段階から、愛情を込めて手作りするのがいい。冬にどれだけ仕込むかによって一年の庭は変わるのだ。 花が咲き乱れ、豊かなフルーツが実るガーデンを目指すのならば、努力を惜しんではいけない。植物は必ず努力に応えてくれる。さあ、初夏の花が咲き乱れる庭を目指して、寒さに負けずに土づくりをスタートしよう! 併せて読みたい ・チューリップが咲き乱れる庭を目指して! 独りだけのチューリップ・プロジェクト【栽培編】 ・初心者必見!!ガーデニングの基本 良い土ってどんな土? ・土づくりは植物を育てるための大事なプロセス。良い土の秘密「団粒構造」とは?
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宿根草・多年草

アガベ(リュウゼツラン)奇跡の開花! ニュースでも話題になった貴重な2種の花を公開
珍しいアガベ・ベネズエラが開花するまで アガベ・ベネズエラ(学名:Agave desmettiana Smooth Agave、Dwarf Century Plant)を数年前に知人から2株いただいて鉢で育ててきたが、その内の一株が2018年11月に奇跡の開花を遂げた。このアガベは、知人宅で既に10年以上は経っていたという。 アガベ・ベネズエラは、テキーラの原料としても有名なリューゼツランの仲間だ。日本でよく見られるアオノリュウゼツランの開花は、全国で比較的多く報告されてきたが、このアガベ・ベネズエラの開花例は、国内ではネットで検索する限り過去数件の報告で、極めて珍しいと思われる。 家庭でも育てやすい小型のアガベ リュウゼツランは、1世紀に一度咲く花として、“センチュリー・フラワー”とか“センチュリー・プランツ”とも呼ばれるが、このアガベ・ベネズエラは、“ドアフ・センチュリー・プランツ”と呼ばれている。ドアフ(Dwarf)とは、小人という意味だ。アオノリュウゼツランの花茎は5mにも達するが、アガベ・ベネズエラの花茎は2m程度と小型。それだけに、近くで観察できるので面白い。 3年前には同じ大きさの株だったが、一方の株はその後変化を遂げることになる。 その一鉢は2018年の冬に屋外に出しっ放しにしてしまい、寒さで傷んでしまった。3月20日の写真だ。なんとも痛々しい惨めな姿だ。その後、この株は夏になっても緑の葉を出すことはなかった。もう枯れたものと諦めかけていて処分しようかと思ったほどだ。 ところが9月に入って、葉の中心から長い葉が出てきたと思ったら、さらにニョキニョキ伸びてきた。それはつぼみだった。 花茎が長〜く伸びるリュウゼツランの開花まで 約10日が過ぎ、さらに伸びた。まさかの奇跡の開花が見られるのか⁉︎ 冬に凍って枯れそうになり、春にも夏にも新しい葉を見せなかったアガベだが、自分の運命を知り、子孫を残そうと命がけの開花をしようとしているのだ。リュウゼツランの仲間は、開花後には枯れる。 我が家で奇跡的につぼみを持ったアガベ・ベネズエラを、ただ家に置いておいても夫婦で見るだけだろう。それではもったいないので、緑化相談員として勤務している「川崎市緑化センター」の温室に寄付するために運ぶことにした。さて、まずは車に収まるのか? 車内にぎりぎり収まった。 植物園なら、開花した時に大勢の人々に楽しんでもらえることだろう。その後、温室で花茎はすくすく育った。2mほどに伸び、花らしき姿も見られるようになった。 このアガベのように花茎が高く伸びるのは、花や実が動物などに食べられるのを防ぎ、種子を遠くに飛ばすためともいわれている。ツンツンの放物線状の葉は、砂漠の少ない雨や夜露を中心に集めるためだ。また、四方八方に広がる尖った葉は、動物から身を守るためといわれる。 そして、2018年11月25日にとうとう花が開いた。写真は11月29日。 せっかくの開花なので、12月2日に市役所を経由してメディアにニュースリリースを配信した。さあ、これからが大変! 予想以上の反響があったのだ。 メディアに続々紹介されて多くの人を驚かせた 12月8日には、このアガベ・ベネズエラの開花が読売新聞と地域紙に掲載され、問い合わせの電話がジャンジャン鳴った。同時に毎日、緑化センターへ大勢の人が見学に来られて、その対応に追われた。来園者には時間が許す限り自ら説明をしていたら、「珍しいものを見せていただき、ありがとう!」と言ってくださったのだ。我が家で咲いても誰も見ないが、こうして大勢の方々を笑顔にしたのだから、家から運んで本当によかったとつくづく思った。 12月11日の夕方には、神奈川テレビとCATVイッツコムテレビの2社が取り上げてくださり、一日で3社ものメディア取材対応に追われた。そして、12月12日には神奈川新聞と東京新聞にも掲載された。 そして、とうとう16日には全国区のTBSテレビのサンデーモーニングでも取り上げられることになった。メディアは連鎖反応を起こす。これで、報道は7社。この各社の報道のお陰で、来園者は増えるばかりで、嬉しい悲鳴! 大変な人出だった。 これらの報道がきっかけで緑化センターへ足を運んでくださった方々は、100年に一度の花を見るという貴重な機会に恵まれて、喜んでいただけた。これは植物園勤務の者にとっても最高の喜びだ。また、来園者の方々への説明の中に交えた「100年に一度の花に巡り合えたことは、とても幸せな瞬間です。もしかすると、花の前で願いを唱えると叶うかもしれませんよ」という冗談に、多くの方がアガベの前で手を合わせ、拝んでいた姿も印象的だった。 我が家のアガベ‘滝の白糸’も奇跡の開花! さて我が家には、もう一株のアガベがあるが、その株にも奇跡の開花ストーリーがある。それは、同じアガベの‘滝の白糸’(Agave schidigera)だ。 20年ほど前、父の日にカミサンから贈られた苗だ。僕がツンツンした剣葉の植物が好きなことを知っていて、ちょっと高価だったけれどと買ってきてくれたのだ。そして、あれから20年ほど経過して、長年かけて夫婦の愛が開花(?)したのか、3年前に花をつけたのだ。 その変異は、2015年6月末に突然起きた。なんとアガベ‘滝の白糸’から突然、ニョキニョキとまっすぐ生えてきたのはつぼみだった。朝には1m近くになっていた。 生まれてこのかた、見たことのない花である。「どんな花だろうか?」「リュウゼツランみたいに咲くのだろうか?」と気になってしまった。今どきならwebで画像検索すれば一発で花の写真が見つかるかもしれないが、それでは毎朝の楽しみが減ってしまう。現物が咲くまで、じっと我慢をしたのだ。 そして、ついにアガベ‘滝の白糸’=Agave schidigeraの開花の時がやって来た! それは7月15日。変異から待ちに待って1カ月半が過ぎていた。最初、花弁かと思った黄色いものは雄しべだった。 花そのものは地味だが、長年育てて、生まれて初めて見る花に感動! 開花したので、Googleで「アガベ 滝の白糸 花」で画像検索したが、何故かヒットしない。「Agave schidigera flower」でもヒットしなかった。もしかすると、これはとても珍しい開花かもしれない。 花後がどうなるのかも関心事だが、2週間後には上写真のように、長い花穂の先端だけ花が咲いた状態になった。 ところで、この「滝の白糸」と呼ばれる所以は、葉の縁に現れるクリクリとした「白糸」だ。これがなんとも可愛い。 感動の開花から3年が経過した。その後、成長は止まり、枯れかけてはいるが、まだ青い葉が残っている。 この3年間で、我が家の庭は、数十年に一度しか咲かないアガベが2種類もつぼみを持ち開花したのだ。我が家の庭には、アガベを咲かせる魔法のパワーがあるのかもしれない。いや、単にアガベが仲間を早く咲かせて子孫を残そうとさせてしまうような過酷な環境なだけかもしれない。 アガベなどリュウゼツランの増やし方 ところで、開花後に枯れてしまうリュウゼツランの仲間は、どうやって子孫を残すかという質問が多い。アガベ・ベネズエラも‘滝の白糸’も、株の周りに子株がたくさん生えてくるのだ。その株を切り取って植え付ければ、どんどん増える。 耐寒性があるアガベ‘滝の白糸’ また、耐寒性に関して、アガベ・ベネズエラは氷点下で凍ると葉が霜げてしまうが、‘滝の白糸’は耐寒性がある。幾度も雪を被ったが、傷むことなく元気だ。 最近、人気が出てきているアガベだが、一生に一度しかお目にかかれないアガベの花が、我が家で2種類も咲いたことは驚きだ。まぁ長年、園芸にのめり込んだお陰だったのかもしれない。そう、継続は力なり! このアガベの開花をきっかけに、神奈川新聞の記者さんが、僕の経歴に興味を持ってくれた。2018年の年末、12月29日には「人」覧で僕を紹介。社会貢献と言ってもらえたのが嬉しく、励みになった。これからも引き続き、ガーデニングで社会貢献を頑張っていこうと新しい年に思いを強くしている。 併せて読みたい ・チューリップが咲き乱れる庭を目指して! 独りだけのチューリップ・プロジェクト【栽培編】 ・オージーガーデニングのすすめ スタイリッシュな庭づくりに欠かせない「コルディリネ・オーストラリス」 ・2018年度、最高の花が決定! ガーデニングに役立てたい、最優秀賞3種&注目の受賞品種10種をご紹介 Credit 写真&文/遠藤 昭 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー。 30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。 ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/
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クラフト

手作りで迎える新年! 縁起物「ミニ門松」の作り方
お正月飾り「門松」を飾る理由 正月になると、日本の言い伝えでは、家々に「歳神」という神様が訪れます。この歳神様が訪れる時の目印となり、身を寄せる所が門松といわれています。松は「祀る」につながる樹木であり、古くから中国でも生命力、不老長寿、繁栄の象徴とされ、日本でも松をおめでたい樹木として、正月に門松を飾る習慣ができました。 Photo/marigold-y/Shutterstock.com 3本の竹が連なったものを飾る以前は、松の枝を門柱などにくくりつけていた質素なものでした。現在は、略式の門松として松の枝を半紙で包み、水引などをかけて左右対称に飾るのが一般的になっています。 門松を飾る期間は? 12月10日や13日は「正月事始め」また「松迎えの日」にあたり、門松や鏡餅は13〜28日の間に飾るとよいとされています。なお、29日は「二重苦・苦松(苦待つ)」につながり、さらには、31日は歳神様が降臨する正月の前日で、ぎりぎりに神様を迎えるのは「一夜飾り」と呼ばれ、失礼にあたるとされます。また、12月13日(12月10日の説もあり)は、お正月飾りに使う松を山へ取りに行く「松迎えの日」の習慣があり、正月の準備を始めるのによい日となっています。今でも卸売市場ではその頃から松市が開かれ、町の花屋に松が出回るようになります。 門松を外す日は? さまざまな説がありますが、歳神様を祀る期間が終わる、1月7日に外すのが一般的です。地域によっては、15日の小正月に外すようです。 門松の種類 Photo/左:yoshi0511/ 右:Tony Ray/Shutterstock.com まずは、地域によって飾りつけに多少の違いがあります。上写真は、左が関東、右が関西です。関東では、3本の竹を配した周囲を若松で覆い、藁を巻いたシンプルな飾りが多いようです。関西では、3本の竹の周囲には、若松のほか、クマザサやナンテンを添えたり、紅白の葉牡丹を添えている飾りも見かけます。 Photo/yoshi0511/Shutterstock.com また竹の形も今と昔では違いがあり、写真左のように昔は真横に切られていました。現代にも多く見られる、小口が斜めに切られるようになったのは、徳川家康が敗北した『三方ヶ原の戦い』の後。武田信玄に対して『次は斬る』という念を込めたのが始まりといわれています。 Photo/yoshi0511/Shutterstock.com 竹の切り口に節が入っていることで、笑うときの口に似ていることから、「笑う門には福来たる」を表しているそうです。 日本の伝統、門松作りを職人に学ぶ 8年前、植物素材を多く使う門松を自らも手作りしてみたいと思い、基本を学ぼうとインターネットで知り合った名門の「庭匠霧島」代表取締役社長である霧島宏海氏にお願いして、現場での「門松制作」をご教示いただきました。そうして実際に体験してみると、竹の洗い方、切り方、藁の端のまとめ方、縄の結び方(梅結び・海老結び等)等々、全てに伝統の技があり、作業というよりも、芸術作品を作るような奥深さを感じました。そして師匠からは、日本の造園の精神面を含めた厳格・崇高な世界を学び、正直、自分にはガーデニングはできても、日本の造園は無理だと悟ったのです。 その後、ご教示いただいた門松は毎年、自宅や職場で作り続けています。 ここまで本格的なものを用意するのは、もちろん難しく、備える場所もなければいけません。しかし、庭匠霧島さんで学んだ基本的な作業をもとに、本格的な材料を使いながら簡易にできる手作りのミニ門松が作れるのではと考案した「ミニ門松作り」は、講習会でも好評を得ました。以下では、家庭でもできる「ミニ門松作り」の制作プロセスをご紹介しましょう。 門松づくりの職人伝授「ミニ門松」の作り方 材料の準備からスタート まずは竹の表面を磨きます。正式にはお湯でしめた、もみ殻で行いますが、簡単な方法は細かい金タワシで擦るとよいでしょう。写真上は、磨く前。下は磨いた後。緑色が美しくきれいになりました。 青竹(真竹)を竹斜めに切ります。タケノコ(竹用のノコギリ)で切りますが、ササクレを防ぐために、ガムテープを貼ってから切るときれいに仕上がります。あらかじめガムテープの上に鉛筆などでラインを引いてガイドにすると正確に切れます。 なお、青竹(真竹)は3本一組で2セット必要なため、37cm、32cm、30cmの長さで各2本切り出します。それぞれ、サイズに余裕をもたせ、節目を避けて準備するとよいでしょう。 高さ約40cmの門松作り。材料は9つ 青竹(真竹)6本(37cm、32cm、30cmを各2本) 松の枝(黒松) コモ(ムシロ) 34×18cm 缶 直径10.4×高さ10cm 飾り用 ナンテン、センリョウ、クマザサなど シュロ縄(ナイロン製が扱いやすい)1m 4本 砂 透明のガムテープ 針金 適宜 作業プロセスは15工程 写真のように、コモの片面にガムテープを貼り、缶も用意します(缶は雑貨店や百均で近いサイズを見つけましょう。固めのプラスチック容器でもOK)。 缶を逆さにし、テープが貼ってある方を下にしてコモを巻きます。 缶の中央の位置あたりに針金を巻いて、仮止めをします。 続けて、缶の上端あたりにシュロ縄を巻きます。コモの継ぎ目が後ろになるように二重に巻いて、手前で縛ります。この結び目が門松の正面になります。 滑って緩まないように、一度下を通して(殺しを入れる)、かた結びをします(できれば男結び)。 しっかりかた結び(できれば男結び)をします。 4〜6の要領でもう1カ所、シュロ縄でとめます。2本目は缶の底の位置で、後にコモを外側に折る位置になります。 スカートのようにコモを外側へ折り曲げるため、2本目のシュロ縄の付近、表・裏両面に水を霧吹きします。コモを折り曲げやすくする作業です。 仮折りとして、コモを缶の底のラインに合わせて、いったん内側へ折ります。次に、外側へ折り曲げてスカート状にします。 缶を立て、コモが外側に広がるように折り目をつけます。 次に竹を使います。まずは、長さが3種ある竹の斜めの切り口が写真のように平面になるように揃えます。 11の形を保ったまま、3本をガムテープでとめます。このとき、竹の下端側の切り口は、多少凸凹で揃っていなくても構いません。 斜めの切り口を上にして、切り口がシュロ縄の結び目と同じ方向(正面)に向くように3本の竹を缶の中に入れます。缶の中に砂を入れて、竹をまっすぐに固定します。この後、缶の中に水を注ぐので、縁いっぱいまで砂を入れる必要はありません。 竹がまっすぐに固定された正面の様子。 缶と竹の隙間にバランスよく松を差し込んで、ナンテンなどの飾りも加え、最後に缶の中に水を注いで1つ完成です。水を入れることで、竹や松の緑が保たれます。 2個目は1個目と左右対称になるように竹を束ね(長い竹と短い竹が内側になるようにする)、飾りも左右対称になるようにしましょう。 本物志向のミニ門松を作れば、お正月明けまでフレッシュな状態で飾ることができます。手作りで本格的な門松を用意して、新しい年を気持ちよくお迎えください。
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オリジナルのお正月飾り! 素敵な「スワッグ」の作り方
魔除けの意味もある 海外で伝統的な飾り「スワッグ」とは 日本でも最近、リースとともに人気のスワッグですが、海外では伝統的なクリスマス飾りとしてスワッグが古くから存在しました。16世紀にスカンジナビアからイギリスに伝わったとされるスワッグは、ドイツ語で「壁飾り」や「揺れるもの」を意味します。好きな花やフレッシュな木の枝を束ねて、壁やドアにかけて飾るのが一般的ですが、ヨーロッパでは魔除けの意味もあるそうです。 スワッグは、材料を束ねて結ぶだけという手軽さで、日本でもこの数年、リースに代わる勢いで人気急上昇中です。 日本の縁起がよい植物とその由来 これまではクリスマス飾りのスワッグが中心でしたが、近年、お正月用にもスワッグが人気です。日本の正月を飾る松飾りは、正月の神を迎える依代 (よりしろ) の一種とされています。松は冬でも葉が落ちない常緑樹なので、古くは中国で生命力や長寿などの象徴で神が宿る木とされていました。また、松は「祀る(まつる)」ともいわれている木であることから、門松などには松が使われています。一方、南天が正月飾りに使用されるのは、「難を転じる」に通じるので、日本では古くから縁起のよい木とされてきたことから。南天を植えると家が栄える、お金持ちになれる、災難から逃れられる、などの意味があるのです。 パパでも作れる! クロスカルチュラルな オリジナルのスワッグ そんな背景を踏まえて、ここでは、細く長い葉が迫力のある大王松(ダイオウマツ)を中心に、南天、ヒノキ、そしてオーストラリアのユーカリ、メラレウカ、ミモザなどの植物を使用して、クロスカルチュラルな、お正月スワッグの作り方をご紹介します。 庭の植物も使ってみよう! 使用する材料と道具 【材料】 大王松、南天、ヒノキ、スギ、ユーカリ、ユーカリの花つき枝、メラレウカ、ミモザ、ユズ、稲穂、実つきの南天など。結束用にラフィア、麻布、麻ひも、麻テープ、針金なども用意。道具は剪定バサミなどを使います。 上記はオススメの花材ですが、庭の木を利用したり、花屋の店頭で選ぶとよいでしょう。材料が揃ったら、葉のボリュームや枝ぶりを見て、完成イメージを想像しましょう。 お正月飾りスワッグの作り方 あらかじめ材料をだいたいの長さに切り揃えます。 一番下には、材料の中でも長く大きくて平らな安定する葉を選んで敷きます。写真は稲穂の上にヒノキを載せたところ。 さらに、スギを載せて、上に銀葉のユーカリ、ミモザ、黄葉のメラレウカなどを重ねていきます。 色や葉の形を考えてバランスよく、手前に枝の根元を集合させながら並べます。この時に、余計な枝は切り落として、バランスを取ります。 バランスよく置いて束ねます。見せたいもの、小さなものは上に置きます。ここでは、大きく葉が広がる大王松がアクセントになるように一番上に載せました。 さらに実つきの南天とユズの黄色い実を引き締め役に載せ、針金で材料の根元を束ね、かたく結びます。 鉢金の上から根元を麻布で包み、麻ひもでしっかり縛ったら、壁に吊るすためのひもや針金を取りつけて完成! 結び方や使う素材で毎年変わるお正月スワッグ ラフィアや麻ひも、水引など、結ぶ素材を変えて、毎年雰囲気を変えて楽しんでみるのもオススメです。 今回は、ユーカリやミモザなど、僕の好きなオーストラリアの植物をプラスしましたが、自分の好きな植物を加えて、個性的なお正月のスワッグを作ると楽しいですね。簡単なので、お正月のスワッグを家族やお友だちと作ってみませんか? 家の入り口に飾りたい、「ミニ門松」の作り方を紹介した『手作りで迎える新年! 玄関に備えたい縁起物「ミニ門松」の作り方』も併せてどうぞ。 併せて読みたい ・美しい松でお正月を。華道家が生み出した唯一無二の「根引松」 ・お正月に飾りたい 一年のスタートを彩る清々しくて縁起のよい植物8種 ・きれいをロングキープ! 冬こそ楽しみたいミニバラが主役の寄せ植え




















