スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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家庭菜園

初心者でも上手にできる家庭菜園! 始め方は? おすすめの野菜は?
これなら簡単!初心者でもできる家庭菜園の始め方 Joshua Resnick/Shutterstock.com 寒い冬に美味しい鍋料理や、うどんやそばといった麺料理の薬味の一つとして重宝されるのが「小ねぎ」です。この小ねぎ、じつはとても簡単に育てることができます。 家庭菜園初心者の方は、まずは小ねぎで自宅での野菜づくりを始めましょう。 やり方は、以下にご紹介するように、とっても簡単! 小ねぎのプランター栽培 (1)長さ35cm、奥行き13cm、深さ15cmぐらいの小ぶりのプランターを用意します。 (2)プランターに野菜用の培養土を8分目ほどまで入れます。 (3)小ねぎは根の付いた状態で売られていますので、根の5cmほど上で青い部分を切り離し、下部を苗として、上部を鍋料理の薬味として利用します。 (4)小ねぎの根をプランターの中の培養土に植え付け、水やりをします。 その後、培養土の表面が乾いたのを確認して水やりを続けます。すると、2週間後くらいに新しい小ねぎが生えてきますので、それを収穫! このようにして、繰り返し小ねぎの栽培と収穫を続けることができます。 小ねぎのプランター栽培をして、自宅で野菜を育てる楽しさを知ったら、他のいろいろな野菜にもぜひ挑戦してみましょう。 手軽に始められる家庭菜園 Franz Peter Rudolf/Shutterstock.com 家庭菜園というと、広い庭や畑が必要というイメージがありますが、じつは狭いベランダでも野菜の栽培は可能。先にご紹介した小ねぎのプランター栽培などは、日当たりのいい窓辺でも十分できます。 初心者でも簡単に育てられる野菜もいろいろとありますから、気軽に家庭菜園を始めてみましょう。 家庭菜園に必要なもの ベランダなどで家庭菜園を始めるときは、ひとまず次のようなものを用意しましょう。 プランターいろいろなサイズがあります。栽培する野菜に合わせて選びましょう。野菜用の培養土野菜の生育に必要な肥料分を含み、酸性度を適切に調整した用土です。野菜の多くは弱酸性の土を好みます。鉢底石プランターの底から用土が洩れるのを防ぎます。また水はけをよくする効果もあります。肥料苗を植付けたり種まきする時に予め土に混ぜ込む「元肥」と生育に合わせて追加する「追肥」があります。プランターなどでは元肥に粒状肥料、追肥には液体肥料などを使います。病害虫対策資材殺虫殺菌スプレーなど、病害虫の被害を抑えるために使います。移植ゴテ用土をすくったり、植え穴をあけたりする作業に使います。 ポリポット種を播いて育苗するのに使います。一番小さいサイズは直径3cm。これを1号ポットといいます。鉢底ネットポットの底穴から用土が洩れ出るのを防ぎます。ジョウロ水やりに必要。園芸用ハサミ収穫や生育途中の管理作業に必要。紐園芸用の麻ひもがおすすめ!支柱野菜の中には生育に合わせて支えが必要となるものがあります。例えばトマト、ミニトマト、ソラマメなど。 プランターの選び方は? Mark S Addy/Shutterstock.com 広い畑がなくても、プランターがあれば庭先やベランダで手軽に家庭菜園を始めることができます。 【大きさ】 プランターにはいろいろなサイズのものがありますので、栽培する野菜に合わせて大きさを選びましょう。 先にご紹介した小ねぎなら、幅35cm、奥行き13cm、深さ15cmぐらいの小ぶりのプランターで十分。ラディッシュ(ハツカダイコン)や小カブもこのサイズでOKです。 ホウレンソウや小松菜はもう少し大きいサイズ。 ソラマメ、トマト、ミニトマトなどは根が十分に張れるよう、深さ35cm以上の大型のプランターが必要となります。 十分な深さがあり、立って作業できるイギリス生まれの「ベジトラグ」という製品も便利です。高さが80cmあり、ダイニングテーブルのように4隅に脚がついており、テーブル部分が土を入れられるプランターになっています。プランターは中央に向かって三角形になる形状で、深さが最大40cmになります。この深さがあれば、じゃがいもや人参などの根菜類も十分栽培できます。 【材質】 プランターは材質もいろいろですが、軽くて持ち運びがしやすいプラスチック製がおすすめです。 虫がついたりしない? 植物を育てると病害虫の発生はつきものです。でも、病害虫を理由に家庭菜園を諦めるのはもったいない! そこで病害虫対策資材を上手に活用することで、ストレスなく美味しい野菜を育てることができます。家庭用の病害虫対策資材にはたくさんの種類があります。「せっかくの家庭菜園だから、なるべくナチュラルに育てたい」と思っている方も、オーガニックな資材を効率よく活用して家庭菜園を楽しみましょう。 どんな用土がいいの? (1)野菜用の培養土 野菜に適した配合になっている市販の野菜用の培養土であれば、そのまますぐにプランターで使えて手軽です。 (2)自家製培養土 赤玉土、腐葉土、堆肥などをブレンドして、自分で培養土をつくることもできます。 【自家製培養土のつくり方】 赤玉土(小粒)と腐葉土を7対3の割合でブレンドする。堆肥(牛糞堆肥、馬糞堆肥など)を両手で2すくい加える。もみ殻燻炭(排水性をよくする働きがある)を両手でひとすくい加える。苦土石灰(土壌の酸性を中和する働きがある)を片手でひとつかみ加える。以上をよく混ぜ合わせる。元肥として野菜用の粒状肥料(マイガーデン粒状肥料など)を適量加えて混ぜ込んで完成! 家庭菜園におすすめの野菜は? 家庭菜園を始めるときは、以下の2つの方法があります。 (1)自分で種を播いて、苗から育てる。 (2)ホームセンターなどで売っている野菜の苗を購入して植え付ける。 Agenturfotografin/Shutterstock.com 春先にはトマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウなどの夏野菜、晩夏にはブロッコリーやイチゴなど、園芸店では植え付け適期を迎えたさまざまな野菜苗が出回りますので、それを購入して植え付けることができます。 しかし、ラディッシュ(ハツカダイコン)、小カブ、ホウレンソウ、シュンギクなどは苗が市販されることはありません。 なので、自分で種を播いて苗からつくって育てる必要があります。 【種を播いて育てるのにおすすめの野菜】 自分で種を播いて、苗から野菜を育てるときは、発芽率のよいものを選ぶようにすることがポイントです。 種の発芽率がよく、育てやすい野菜を以下に挙げてみましょう。 koodesnica71/Shutterstock.com レタス、ラディッシュ、小カブ、ミニ人参、ミニ白菜、ホウレンソウ、小松菜、青唐辛子、青ジソ、ビーツ、ブロッコリー、シュンギク、ソラマメ、パクチー(コリアンダー)、バジル 上手な種まきの方法は? 失敗しない種まきの方法を、ぜひ覚えておきましょう。 【種まきの適期】 野菜の種には、播くのに最も適している季節、「適期」があります。 種の袋に適期や発芽までの日数などが書いてありますので、播く前にその説明をよく読むようにしましょう。 【春まき、秋まき】 野菜の多くは春まきです。しかし、秋まきもできるものや、秋にしか種まきができないものもあります。 【秋まきもできる野菜】 Dionisvera/Shutterstock.com 小カブ、ホウレンソウ、小松菜、シュンギク、ビーツ 【秋にしか種まきができない野菜】 Brent Hofacker/Shutterstock.com ソラマメ 【種まき専用土】 市販の種まき専用土を使うのが手軽です。 【種まきと育苗】 3号ポットに用土を入れ、3〜4粒ずつ播いて水やりをします。発芽したら水やりをしながら育苗を続け、本葉2〜3枚の頃に間引いて1本立ちにします。本葉5〜6枚になったら、プランターの中の用土に定植します。 【直まき】 以下に挙げる野菜は、プランターの培養土に種を直接まいて育てます。 レタス、ラディッシュ、小カブ、ホウレンソウ、小松菜、ビーツ、パクチー、シュンギク 【苗が市販される野菜】 トマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、パセリなど ただし、トマトやミニトマトはプランターの培養土に種を直まきして育てることもできます。 【それ以外の野菜】 ineta udre/Shutterstock.com ジャガイモ春と秋に出回る種イモを購入して植え付けます。ラッキョウ、ニンニク8月下旬から10月初めにかけて市販される種球を購入して植え付けます。 家庭菜園はどんな場所がいいの? 庭先やベランダなど、日当たりがよくて風通しのいい場所を選びましょう。 特に風通しが悪いと、病害虫が発生するリスクが高まります。あまり日の当たらない庭もおすすめできません。 南向きで日当たりのいい窓辺は、小ぶりのプランターでの小ねぎやラディッシュの栽培に利用できます。 家庭菜園についてよくある質問 家庭菜園でトマトを育てています。甘くするにはどうしたらよいでしょうか? 太陽の光をたっぷり浴び、ガーデンで育ったトマトはとても美味しいもの。そんな家庭菜園のトマトを、さらに甘く濃厚な味にするコツが水分です。水分を多く与えられたトマトは、成長が早い反面やや味が薄くなってしまう傾向にあります。トマトを育てる時には、水を控えめにしてゆっくり成長させることで味が濃く甘いトマトを楽しむことができます。完熟するまでしっかり育ててから収穫するのもポイントです。実が柔らかく、濃厚で甘いトマトを楽しめます。また、実の表面がひび割れてしまう「裂果」という現象は、水分を一気に吸収するとなりやすいので、水分を控えめに一定量与えることでこれを防ぐという効果もあります。 家庭菜園を狭い場所で手軽に始める方法はありますか? 敷居が高いと思われがちの家庭菜園ですが、じつは、市販されているプラスチックのカップや野菜を入れて売られている容器、牛乳パックなどを鉢がわりに育てることができます。まず、プラスチックカップなどの底に、キリや千枚通しを使って水抜き用の穴をいくつかあけます。これで、小さな鉢が完成です。ここに土を入れ、タネをまいていきます。鉢の縁の2cm下くらいまでタネまき用の土を入れたら、水抜き穴から水が出るまでたっぷりと水をやり、タネをまきます。そこに軽く土をかぶせ、もう一度、水をやります。土の表面が乾いたら、水やりをしてください。日当たりのよい窓辺やベランダなどで育ててくださいね。 育てる野菜は、バジルやルッコラやミズナなど小さな葉物の野菜がおすすめ。数週間でタネまき、もしくは、苗植えから収穫まで楽しむことができますよ。大きな野菜を育てたい場合は、ある程度の大きさになったら、大きな鉢に植え替えてください。 日当たりが悪い庭でも家庭菜園で野菜を育てられますか? 家庭菜園でよく育てられるトマトやナスなどの果菜類の多くは、基本的に日当たりがよい場所を好むため、日当たりの悪い場所での栽培には向きません。でも、日当たりの悪い庭で栽培できる野菜にも、たくさんの種類がありますよ。比較的日当たりが悪い場所でも良く育つ野菜には、セリやミツバ、フキ、ニラ、ミョウガなどがあります。これらの野菜は、乾燥や高温に弱いものが多く、日当たりのよい庭ではうまく育てることが難しい植物で、半日陰から日陰を好み、少ない日照時間でも育てることができます。また、一日中日陰ではなく、午前中は日が当たるなどの半日陰の場所なら、ホウレンソウやコマツナ、レタスなどの葉菜類や、サトイモ、カブなどの栽培もできます。果菜類の中でもサヤインゲンは比較的光量の少ない場所でも栽培できます。 日当たりの悪い庭だからといって諦めてしまわず、環境に合った植物で家庭菜園を楽しんでくださいね。 プランターで初心者でも育てられるカラフルな野菜はありますか? スーパーなどでは買えない珍しい野菜を育てるのは、家庭菜園の醍醐味ですね。育てやすくカラフルな野菜といえば、スイスチャードがおすすめです。フダンソウ属の葉野菜で、茎の色がピンクや黄色、白色などで庭を彩ります。丈夫で育てやすいので初心者にも向いています。もちろんプランター栽培もOK。さらに暑さ寒さ両方に強いので、5~11月頃までの長期間収穫できるのもうれしいところです。スイスチャードのタネは皮が固いので、一晩水につけて水分を含ませると、発芽率が上がります。草丈が4~5cmになったら「ベビーリーフ」としても楽しめるので、間引き菜もサラダとして楽しめますよ。本葉が大きく育ち、収穫するときは外側の葉から収穫していくと、長く収穫を楽しめます。おひたしや炒め物など、さまざまな料理で楽しんでみてください。
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宿根草・多年草

色鮮やかな花が春から秋まで楽しめる! ゼラニウムの特徴や育て方を解説
ゼラニウムってどんな植物? ヨーロッパの街並みを鮮やかに彩る花といえば、まず思い浮かべるのがゼラニウムではないでしょうか。南アフリカ原産のゼラニウムは、乾燥に強く丈夫な植物。夏場でも高温多湿になりにくいヨーロッパでは栽培しやすく、プランターや吊り鉢、ウィンドウボックスなどあらゆる場所で活用されています。 ゼラニウムはフウロソウ科ペラルゴニウム属(Pelargonium、和名はテンジクアオイ属)の植物を交配してつくられた園芸植物の総称。かつてゼラニウムはゲラニウム属(Geranium、和名はフウロソウ属)に分類されていました。当時の属名を英語読みした「ゼラニウム」が、現在も呼称(園芸名)として残っています。 ペラルゴニウム属は南アフリカのケープ地方を中心に多くの野生種があります。それらが17世紀末から18世紀にかけてヨーロッパに渡り、19世紀に入ると本格的に品種改良が進み、園芸植物化されました。 園芸植物として普及しているペラルゴニウム属の植物は、大きく4つのグループに分けられます。①ゼラニウム、②アイビーゼラニウム、③センテッドゼラニウム、④ペラルゴニウムです。以下にそれぞれの特徴をまとめました。 ①ゼラニウム 南アフリカ・ケープ地方原産のペラルゴニウム・ゾナレ(P. zonale)とペラルゴニウム・インクイナンス(P. inquinans)との交配をもとに改良が進められた系統。18世紀初頭にイギリスで品種改良されて以降、ドイツやアメリカで多くの品種が作出されてきました。P. zonaleは和名が「モンテンジクアオイ」というように、葉に輪紋があるのが特徴。園芸品種の中にも輪紋葉を持つものが多いのは、この血を受け継いでいるからでしょう。一方、P. inquinans譲りの特徴は、「ゼラニウム・レッド」と呼ばれる独特な鮮紅色。欧米では、この鮮やかな色が、ゼラニウムを象徴する花色として愛されています。 ゼラニウムは四季咲き性のため、温度さえ保てれば一年中美しい花が楽しめます。茎は多肉質で太く、高性種では半低木状になります。花色が豊富で、鮮紅色、暗赤、ピンク、サーモン、白、赤紫、淡黄色などがあります。花形も一重咲きのほか、半八重咲き、八重咲き、花心まで花びらが重なる千重咲きとバラエティ豊富です。 当初は挿し木で増やす栄養系品種が主流でしたが、1960年代から種子から育てても早期に開花する品種が開発されて、現在では花壇やプランターに適した実生系品種が主流となっています。 ②アイビーゼラニウム 南アフリカのケープ地方原産のペルターツム(P. peltatum)を中心に改良された品種グループ。西洋ヅタのように光沢のある葉を持ち、枝が下垂することから「アイビーゼラニウム」「ツタバゼラニウム」と呼ばれています。茎は細く多肉質にならず、横に這う性質があるので、地植えには向きませんが、ウォールバスケットやハンギングバスケット、脚付きのコンテナなどに植えると、あふれるように花を咲かせて見栄えがします。 ③センテッドゼラニウム 葉に芳香を持つ品種群で、「ハーブゼラニウム」「ニオイゼラニウム」とも呼ばれています。開花期は主に春から初夏ですが、花はおおむね地味で、“ハーブ”の名にふさわしく野趣あふれる姿が特徴です。改良種の中にはやや大輪の花も見られますが、そうすると葉の香りが弱く、「芳香を楽しむ」とはいかなくなるようです。欧米では、庭や玄関先などにセンテッドゼラニウムを植えて、通るときに葉をなでて香りを漂わせて楽しむ風習があります。香りの成分によって、ローズ、ミント、レモン、アップル、パイン(松ヤニ)などに分けられ、エッセンシャルオイルやお菓子の材料などに利用されています。 ④ペラルゴニウム 南アフリカ・ケープ地方原産のククラーツム(P. cucullatum)とグランディフロールム(P. grandiflorum)を主な親とし、これにほか数種を交雑して作り出された品種群。多くが春から夏にかけて咲く一季咲きで「ナツザキテンジクアオイ」の和名を持ちます。アザレアのような大輪の花を房状に咲かせ、弁の縁がフリルのように波打つものが多くゴージャスな印象を与えます。深紅色や藤色など他のゼラニウムにはない花色、花弁の中心に黒や赤色の斑紋や線状の模様が入る花、ビオラに似た小輪花、センテッド系との交配種など種類が豊富です。 ゼラニウムを管理するポイントは? 日当たりを好む半面、高温多湿を嫌うという性質はあるものの、ほとんどの種類は丈夫で育てやすいゼラニウム。美しくきれいな花を咲かせるための栽培方法のコツをご紹介します。 置き場所 園芸品種として出回っているゼラニウムの仲間は、南アフリカのケープ地方原産の品種が親となっているため、乾燥した気候を好みます。亜熱帯性植物なので、凍結すると枯死しますが、凍らなければ冬でも枯れることはありません。寒冷地では霜が降りる前に室内に取り込む必要がありますが、温暖地では「軒下に入れる」など、ちょっとした防寒対策をすれば、戸外での越冬も可能です。 生育に十分な日光を必要とする陽性植物なので、できれば半日以上は日が当たる場所が理想。屋外に植え付けるなら、3~4時間程度は日が当たる場所に。室内なら、十分に日が差し込む窓際などに置きましょう。 高温多湿を嫌うので、一年を通して風通しがよい場所に。特に弱りやすい真夏は、西日が当たらない場所に移動するなど注意が必要です。 植え付け・植え替え 多湿を嫌うので、通気・水はけのよい土が適しています。酸性に傾いた土壌では生育が悪くなるので、鹿沼土ではなく弱酸性の赤玉土を使用するとよいでしょう。赤玉土6に、腐葉土またはpH調整済みのピートモス3、水はけをよくするバーミキュライトなどを少々混ぜます。用土1リットルにつきスプーン2杯程度の苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。市販の草花用培養土を使用することもできます。 真夏と真冬を避ければ、いつでも植え付け・植え替えができますが、多くの品種が出揃い、コンディションがよい株が入手しやすいのは、春から初夏にかけて。枝葉が硬くしっかりと締まり、つぼみが多くついた株を選ぶのがポイントです。 1年以上植え替えをしていない株は、3月に入ったら植え替えを行います。「下葉が黄色くなった」「すぐに鉢土が乾く」「株を持っても鉢から抜けない」といった状態が見られたら根詰まりを起こしている合図。鉢から抜いて根鉢を崩したら、根を1/3程度切って一回り大きな鉢(大きくしたくない場合は同じ鉢)に、新しい培養土で植え付けます。植え付け後は水をたっぷりと与え、1~2週間程度は強い日差しや強風を避けて養生させましょう。一方、一季咲きのペラルゴニウムの植え替えは、花後の6月頃が適期。春には根詰まりがひどい株のみ、根鉢を崩さないように注意して鉢増しするとよいでしょう。 水やり 過湿を嫌うものの、生育が旺盛になる春から秋に水が不足すると成長が悪くなるため、この期間は、鉢土の表面が乾き始めたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。とはいえ梅雨から真夏にかけては過湿になると根腐れを起こすので、やりすぎは厳禁。また、花に水がかかると、灰色カビ病を誘発しやすくなるので、株全体にかけるのではなく、根元に注ぎ込むように与えるのがコツです。成長が鈍る冬は、寒くなるにつれ水やりの回数を徐々に減らして、乾燥気味に管理します。鉢土の表面全体が乾いてから、温度が上がってくる午前中に与えましょう。 剪定 成長しながら枝の先端に花芽をつけるゼラニウムは、植え付けて半年以上経過すると草姿が乱れてくるため、剪定を行います。枝の下のほうに新芽が出ていたら、新芽を残すように切り詰めればOK。新芽が見えないときは、葉を数枚残すように切り詰めておくと、やがて新芽が出てきます。とはいえ花芽が付く4月以降に強い剪定をしてしまうと、見頃に花を楽しめなくなるので、伸びすぎた枝を揃える程度にしましょう。センテッドゼラニウムやペラルゴニウムなど一季咲きのものは花が終わった後に剪定しておくと、新芽がよく伸びます。 また、咲き終わった花をそのままにしておくと、見た目が悪いだけでなく、灰色カビ病の原因にもなるため、花がらは適宜摘み取ります。花房の一部をピンセットなどで取り除くか、ほとんど咲き終わった花房は、花茎の付け根を押さえながらもぎ取ると簡単に取り除けます。 肥料 植え付けのときに、リン酸を多く含む緩効性化成肥料を用土に混ぜておくとよいでしょう。油かすのように窒素分の多い肥料は、葉や茎ばかりが茂って、花付きが悪くなるので与えません。花付きをよくするためには、リン酸分の含有量が高い草花向けの液体肥料を1,000倍に薄め、月に数回与えます。真夏や冬越し前の秋には、カリ分の多い液体肥料に切り替えます。また、三要素等量の錠剤型緩効性肥料を施しておくのもよいでしょう。こちらは3カ月程度効果が持続します。成長が緩やかになる冬期は、温室などで管理する以外、肥料を施す必要はありません。 ゼラニウムの病害虫対策は? 真夏の高温期に、葉が斑入り葉のように黄白色になることがありますが、これは高温による障害で病気ではなく、秋になって涼しくなると自然に戻ります。 病気 ゼラニウムでしばしば見られるのが、株元の茎が黒変してつぶれたようになり、やがて上部まで枯れてしまう「茎腐病(ブラックレッグ)」です。症状がある茎を付け根で切り落として処分します。過湿状態や窒素分の多い肥料を与えると発生しやすくなるので、水はけのよい土を使い窒素肥料を控えます。 芽先が委縮して本来の花が咲かなくなるのは「モザイク病」の可能性があります。ウイルス性の病気のため、治療法はなく処分するしかありません。発病した株を切ったハサミで、他の健康な株を切ると伝染するので、ハサミを使うときにはその都度消毒するようにしましょう。 害虫 害虫の被害を最小限にするためには、虫が幼齢のうちに退治することが大切。その姿を探すより、葉や鉢の周りに残った糞や、食害を見つけるほうが簡単なので、日頃からよく観察する習慣をつけましょう。 春から夏にかけて葉の一部が巻いたり、引きつったりする症状が見られるのはハマキムシが原因。また、葉にかじられた痕があるのはヨトウムシによるもので、春から初冬にかけて発生しやすくなります。幼虫は見つけ次第捕殺して、オルトラン水和剤などの殺虫剤を散布します。またアブラムシやワタカイガラムシもつくので、こちらは粒剤タイプの浸透移行性殺虫剤を鉢土の表面に撒いておくと予防になります。 気を付けるべきは、冬の寒さよりも、夏の高温多湿 からりと乾燥した気候を好むゼラニウムは、高温多湿の日本の夏が苦手。梅雨の時期は湿度が高く鉢土も乾きにくくなるため、水やりは控えめに。盛夏に水を切らすと株が弱るので、1日1回はたっぷりと水やりを。ただし土が乾いていないのに与えると根腐れの原因になるので、こまめなチェックを心がけましょう。 秋になっても元気がないようであれば「夏バテ」を起こしていることも。「新芽が伸びない」「鉢土が湿っているのに葉がしおれ気味」「葉の色が悪くなってきた」といった症状があれば、根腐れを起こしている可能性が大。古土と傷んだ根を落として、新しい培養土でやや小さめの鉢に植え替えましょう。蒸散を抑えるために地上部を軽く切り戻すことも忘れずに。切り取った枝から挿し穂を取り、挿し木をしておけば、「もしもの時の保険」にもなって一石二鳥です。 ゼラニウムの増やし方は? ゼラニウムの繁殖は挿し芽が一般的ですが、花後に種子が付いていたら、採って播くこともできます。一代交雑種の種子からは、親とは異なる性質の株が生まれるので、我が家だけのオリジナルの花を楽しむことができます。ここでは、種まきと挿し芽の手順をご説明します。 種子から育てる ゼラニウムの仲間の種子は、なかなかユニークな形をしています。以前の属名Geraniumはギリシャ語で鳥の「ツル」の意味、一方、現在の属名Pelargoniumは「コウノトリ」を意味します。これは、両属の植物ともに、実の先端に長い針状の突起があることから、ツルやコウノトリの長いくちばしを連想してつけられたといわれています。熟すと傘のように広がり、羽毛状の毛がついた種子を飛ばします。種子にはらせん状の突起があり、着地するとネジのようにくるくると回りながら土中に潜ります。 播種するときは、毛と突起は取り除いておくと発芽が揃います。採取したての鮮度のよいものを播くときには、つけたままでも発芽率は悪くないようです。小粒の赤玉土にバーミキュライトを等分で混ぜたもの、または市販の種まき用土に、その種子が重ならないように置き、種子が隠れるように薄く土をかけます。発芽するまで2水を切らさないように。鉢皿に水を張り、鉢底をつけておく底面灌水がおすすめです。2週間程度で発芽するので、本葉が出揃ったら培養土を用いて3号程度のポリポットに鉢上げします。 播種の適期は4~5月、または9月下旬~10月にかけて。高温期の夏は適さないので、秋播きするときには採種後に冷暗所などで保管します。また、年内に播かない場合は、冷蔵庫に保管しておきましょう。 挿し木で育てる 丈夫な品種では、切り花のように水に挿しておくだけでも発根するゼラニウム。お気に入りの花を増やしたいのであれば、挿し木がおすすめです。挿し木の適期は春と秋。八重桜が咲く頃から5月が最も活着しやすく、梅雨の前まで可能です。一方秋挿しの適期は9月下旬~10月下旬にかけて。センテッドゼラニウムやペラルゴニウムは、春ではなくこの時期のみが適期となります。 挿し穂を取るのは、硬くしっかりと育った枝から。開いた葉が3~4枚ついた長さで茎頂部を切り取り、切り口を鋭利な刃物で切り戻しておきます。種まきと同様の土に、下の1節が埋まり挿し穂が倒れない程度に浅く挿します。 2~3週間程度で発根が始まりますが、この期間は日が当たらない場所に置き、水を切らさないように。根が出揃うまでは、種まきと同様の底面灌水がいいでしょう。ピートモスを原料に作られた圧縮ピートでもよくつきますが、その場合、発根後鉢上げするときには培養土にピートモスを混ぜないと新根の活着が悪くなることがあります。 芽先が伸び始めたら、根が生え揃ってきた合図。培養土を用いて4号程度の鉢に鉢上げします。作業の2日前から水やりを止め、鉢土を乾き気味にしておくと根切れを防ぐことができます。植え終わったら水をたっぷりと与え、頭頂部を切る摘心をしておくと、脇芽が伸びてボリュームのある株に仕上がります。 大事に育てれば長く咲く! ゼラニウムの花を楽しもう 夏越しに失敗しなければ、丈夫で育てやすいゼラニウム。数年かけて育て上れば、たくさんの花をつけて見応えも十分な株に仕立てられます。近年人気のある低木性やアイビー系の品種は、寄せ植えやハンギングバスケットなど、季節の草花と組み合わせて植えても素敵です。お気に入りの品種を見つけてみてはいかがでしょうか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1) David Franklin 2) MaCross-Photography 3) OksanaBgn 4) Florence Zamsky 5) Ariene Studio 6右) Sulla Mino 6左) simona pavan 7) MaCross-Photography 8) alybaba 9) aniana 10) aniana 11) Derek Harris Photography 12) Jose Juan Nogueron 13) Tony_Traveler85 14) Tibanna79 15) Okrasiuk 16) Whiteaster 17) Toru Arioka 18) Sarah2 19) ChiccoDodiFC 20) Natalia van D 21) Nataliamarc 22) Zanete 23) iva 24) Ratda 25) Taiga /Shutterstock.com 参考文献:『NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 ゼラニューム』(柳宋民著・NHK出版刊)
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宿根草・多年草

【重宝する植物】丈夫で日陰でもよく育つハラン! 特徴や育て方を一挙公開
丈夫で品種も豊富! ハランについて Alex maschtakov/Shutterstock.com ハランは、キジカクシ科(クサスギカズラ科)ハラン属の多年草です。以前はユリ科に分類されていましたが、近年キジカクシ科に変更されました。また漢字では「葉蘭」と書くので、ランと関連するようにも思えますが、ランの仲間ではありません。 ハランの原産地は日本、主に中国・九州地方で、昔から日本の野山に自生してきた植物なので、環境に馴染みやすく、放任しても旺盛に育つ特性があります。暑さには強いほうですが、主に中国・九州地方が原産地であることから分かるように、寒さにはやや弱い傾向。寒冷地では寒さ対策が必要です。また、半日陰の環境でもよく育つので、北側の庭や日が差し込みにくい樹木の足元などにも植栽でき、シェードガーデンで活躍する一面もあります。 地際に咲くハランの花。 ハランの開花期は、3月下旬〜5月上旬。地際に花径4cmほどの紫色の花が咲きますが、葉に隠れてしまうのでほとんど目立ちません。そのため、ハランは主に葉姿の美しさを楽しむ植物とされています。草丈は20〜100cmで、幅広の長い葉を地際から放射状に広げます。常緑性で、一年中みずみずしい葉を保つので、冬の庭も寂しくなることがありません。 ハランは古典園芸の時代から愛されてきた植物で、古くから品種改良が行われてきたため、品種が豊富なのも魅力です。葉脈の方向にストライプ状に白い斑が入るものや、葉の先端のみ白い斑が入るもの、蛍が飛んでいるかのような幻想的な斑が入るものなどバラエティーに富み、選ぶ楽しみがあります。個性的なカラーリーフや、観葉植物として利用可能です。 ハランは昔から日本で親しまれてきた yuri-ss/Shutterstock.com お弁当に、おかず同士がくっつかないようにする仕切りとして入っているグリーンのシート「バラン」は、もともとはハランに由来するものです。ハランには殺菌作用があるため、昔は実際にハランの葉をお弁当などに使用していました。現在も料亭や寿司店ではハランの葉を細工し、盛り付けの飾りとして登場しています。江戸時代から流行した古典園芸の世界では、ハランの斑入り種が多数作出され、葉を愛でる植物として親しまれてきた歴史を持っています。ちなみに、ハランの花言葉は、「平癒」「強い心」「強い意志」などです。 置き場所や水やりはどうする? ハランの育て方 ここまで、ハランの基本情報や特徴、名前の由来、花言葉などについてご紹介してきました。では、ここからはガーデニングの実践編として、適した栽培環境や植え付け、水やりや施肥、気をつけたい病害虫、増やし方など、育て方について詳しく解説します。 ハランは日差しの強い場所が苦手 Peter Turner Photography/Shutterstock.com ハランは、強い日差しに当たると葉焼けしやすくなるので、午前のみ日が差す東側か、一日中チラチラと木漏れ日が差すような半日陰の場所を選んで栽培しましょう。ただし、あまりに暗い場所では、間のびした草姿になるので注意。観葉植物として室内で育てるなら、明るい窓辺などで管理します。 ハランは本来湿り気のある土壌を好みますが、乾燥に耐える性質もあります。土壌を選ばずよく育ちますが、水はけ・水もちのよい有機質に富んだ土づくりをしておきましょう。ハランは暑さには強いのですが、寒さをやや苦手とする性質。暖地なら戸外で越冬できますが、凍結の心配がある場合はバークチップや敷きワラなどでマルチングをし、寒さ対策をしておきましょう。寒冷地では鉢に植え替えて凍結しない場所へ移動して管理するのが無難です。 土は水はけのよいものを funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 植え付け・植え替えのポイント AlenKadr/Shutterstock.com ハランの植え付け・植え替えの適期は、3月下旬〜6月中旬か、9月下旬〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後に、たっぷり水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、40〜60cmの間隔を取ってください。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年経って株が込み合ってきたら、掘り上げて株分けをしてください。改めて植え直し、株の若返りはかりましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。ハランの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 水やりはたっぷり! 季節によってメリハリを topseller/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、ハランは湿り気のある土壌を好むので、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は土が乾燥しづらくなるので、与える頻度を控えめにしつつ、適宜水やりを続けてください。 枯れた葉・傷んだ葉を手入れしよう Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com ハランの葉は、茶色く枯れこんだり、傷んだりしても自然に落ちることはないので、見栄えのよさを保つためにも、随時取り除くようにしましょう。枯れた葉がいつまでも残っていると、病害虫が発生しやすくなるので、株周りはいつも清潔に保つようにしてください。 また、葉がたくさんついて込み合っているようなら、適宜間引くように切り取って、風通しをよくします。あまり葉を取りすぎると株の勢いが弱るので、バランスよく調整しましょう。 肥料は冬の間に寒肥を vladdon/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 強健な性質なので、植え付け時に元肥として緩効性肥料を施します。その後は、毎年12〜2月に緩効性肥料を株の周囲にまき、スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。斑入り種は、肥料が多すぎると斑の出方が悪くなるので、与えすぎに注意します。 鉢植えの場合、水やりとともに肥料成分が流亡しやすくなるので、株に勢いがないようであれば、液肥を与えて様子を見てください。 ハランがかかりやすい病気と対策 Happy_Nati/Shutterstock.com ハランが発症しやすい病気は、円星病、褐色斑点病、炭疽病などです。 円星病は、20〜30℃前後の時期に発生しやすくなります。カビが原因で、葉に5〜10mm程度の円形の斑点が現れます。大きくなると斑点同士が融合して、大きく不規則な形の斑点が多発。斑点の縁は褐色で、中央は灰色をしているのが特徴です。病気が進行すると、やがて株は枯れてしまいます。発症した株があれば、周囲に病気が蔓延しないように、土ごと処分してください。予防としては、水はけのよい土づくりをし、密植や繁茂のしすぎを避けて風通しよく管理します。また、窒素成分の多い肥料を過度に与えないようにしましょう。土壌から感染しやすいので、水やりの際に泥はねして土が茎葉につかないように注意します。 褐色斑点病は、20℃前後の雨が多い時期に発生しやすくなります。カビが原因で、葉に5mm前後の褐色の斑点が現れ、やがて大きくなって不揃いの円形の斑点が多発。病気が進行すると、株は枯れてしまいます。予防としては、水はけのよい土づくりをし、窒素成分の多い肥料を過度に与えないようにしましょう。土壌から感染しやすいので、水やりの際に泥はねして土が茎葉につかないように注意します。 炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生やすくなります。カビが原因で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて枯れ込んでいくので早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しておきましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 ハランにつきやすい害虫と対策 Decha Thapanya/Shutterstock.com ハランに発生しやすい害虫は、カイガラムシです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 ハランの増やし方は株分けと種まき Kunlanan Yarist/Shutterstock.com ハランは、株分けと種まきで増やすことができます。 【株分け】 ハランの株分けの適期は、3月下旬〜4月上旬か9月中旬〜10月下旬です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜6芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【種まき】 種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 ハランの種は市販されていませんが、植え付けたハランが開花した後につけた種を採取し、種まきして増やすことができます。開花した後、株元に丸い実ができるので、熟したら中から種を取り出し、そのまま播きます。 3号鉢に市販の草花用培養土を入れ、指で穴を数カ所あけ、種まきをします。土をかぶせて最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽までは風通しのよい半日陰に置き、乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついて込み合ってきたら、適宜間引いて生育のよい苗を残しましょう。本葉が数枚ついてしっかりした苗に育ったら、植えたい場所に定植します。 ※園芸品種の場合、親と同じ草姿になるとは限りません。 初心者向けのハラン! 豊富な品種を楽しもう mizy/Shutterstock.com ハランは、古くから日本で親しまれてきた植物で、環境に馴染みやすく手をかけずとも旺盛に育つので、ビギナーさんにもおすすめ。品種も豊富に揃い、斑の入り方がさまざまなので、美しいカラーリーフプランツとしても活躍します。ぜひ庭に取り入れて、美しい葉姿を楽しんではいかがでしょうか。
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宿根草・多年草

一度植えれば数十年毎春咲き続ける宿根草「オダマキ」
春と夏をつなぐ花 繊細ながら強く育ちます 自然がどれほど精巧で美しく、不思議に満ちているかを教えてくれるのが、このオダマキという花。花弁の底がクルリと巻いたり、シューっと流れ星のように伸びたり、個性的な花姿はなんと2,000種あまり。日本にもミヤマオダマキなどの自生種が古くから知られていますが、バリエーション豊かなこれらの花は西洋オダマキです。色もとても豊富で、ブルーのグラデーションや赤ちゃんのほっぺのような優しいピンク色、あたたかな陽だまり色まで選ぶのが悩ましいほどです。繊細な造形とは裏腹に、性質は格別と言えるほどに丈夫です。 見とれてしまう複雑精緻なオダマキの花姿。つぼみはまるでアクセサリーのよう。Valor, Warren Price Photography, Zheltyshev/shutterstock.com 繊細な花姿は群生させると、より美しい。右/Crystal Schumacher-Cox/shutterstock.com 球根花との組み合わせも人気 オダマキは宿根草の中でもとても長生きする植物で、一度植えると20年以上変わらず美しい姿で咲き続けるものも珍しくありません。さまざまな環境に適応して育ち、日向でもそうでないところでも育ちます(完全な日陰は除きます)。ですから、栽培に苦労することはほとんどなく、ガーデニングの初心者にもおすすめ。もちろん、鉢植えでも育ちます。 花の美しさはもちろん、ベテランガーデナーの間では少しブルーがかった葉の魅力もよく話題になります。オダマキの花は春と夏の間にかけて、ちょうど春の球根花が咲き終わる頃にバトンタッチするように花を咲かせます。春の球根花はよく年も花を咲かせるために葉が枯れるまで庭においておく必要がありますが、その枯れゆく姿を隠すのに、オダマキの少しブルーがかった美しい葉が活躍してくれます。そのため、春の球根花と組み合わせる方法もおすすめです。 一輪でもアクセントになる花。オルレアの白い花の中で咲くオダマキ‘ブラックバロー’。 初夏の花を集めて。オダマキは切り花としてほとんど流通していませんが、ベル型の愛らしい花はアレンジに素朴な美しさを添えてくれます。ぜひお庭で育てて使いたいですね。rina Rosina/Shutterstock.com
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果樹

ヤマモモは桃とは違う? 特徴や育て方のコツは? 主な品種もご紹介
主な特徴 forest pictures/Shutterstock.com ヤマモモは日本にも自生していることで、古くから食用はもちろん、さまざまな用途に利用されてきました。一見すると似た植物も多いため、違いを理解することも大切です。ここでは、そんなヤマモモの主な特徴について解説します。 基本情報 tamu1500/Shutterstock.com ヤマモモは学名をMorella rubraといい、ヤマモモ科ヤマモモ属の常緑性高木で、樹高は5~10m、ときには20mを超えることもあります。原産地は中国~インド、日本にも自生しています。その地の環境に馴染みやすく、大気汚染にも強いため、道路沿いの街路樹や都市の緑化植物として、さまざまなところに植栽されています。温暖地の山に自生する樹木で、寒さにはやや弱い特徴がありますが、耐暑性に優れていて、関東地方以西では問題なく育てることができるでしょう。 花や葉の特徴 Picmin/Shutterstock.com ヤマモモの花期は3~4月で、枝の先端に穂状の細かい花を多数付けますが、あまり目立ちません。果実は6~7月に実りますが、雄花と雌花がある雌雄異株のため、果実は雌株にのみ付きます。果実は球形で、直径1〜2cm。多数の小さな突起があり、6月頃に暗い紅紫色に熟します。甘酸っぱく、独特の風味があり、生食できますが、日もちしないため、ジャムや果実酒などの加工品として流通することが多いです。葉は5~10cmの楕円形で、艶のある深緑色。密に互生し、枝先に束生します。 桃とヤマモモの関係 Pukao/Shutterstock.com モモもヤマモモも日本に自生しており、遠目に見るとモモの果実に似ていたことから、「山に生えるモモ」ということでヤマモモという名前が付けられました。しかしながらモモはバラ科であり、ヤマモモ科のヤマモモとは関係がなく、全くの別種です。 育て方の基本 amenic181/Shutterstock.com さまざまなところで植栽されるヤマモモは、大きくなることと、果実が収穫できるまでに時間がかかることに留意すれば、一般の家庭でも簡単に育てることができます。ここでは育て方の基本について解説したいと思います。 栽培環境・用土 G-Stock Studio/Shutterstock.com ヤマモモは日当たりがよく、肥沃な土壌を好みます。耐陰性もある程度あるため、スペースさえあれば植える場所はそれほど慎重になる必要はないでしょう。また、用土は通気性と保湿性に優れたものがベストです。ヤマモモは根に共生菌をすまわせ、大気中の窒素を共生菌経由で利用することができるため、痩せた土地でも生育します。 水やり・肥料 Maysee/Shutterstock.com 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。地植えの場合は、しっかり根が張ったあとであれば自然の降雨で問題ありません。夏場の乾燥がひどいときは水やりしてください。肥料はそれほど必要としません。生育が遅いなど、気になる場合は、有機肥料を果実の収穫後と寒い時期に施しておきましょう。 植え付け・植え替え A3pfamily/Shutterstock.com ヤマモモの植え付けは3~4月が適期です。日当たりと高木になることを想定し、スペースのある場所に植え付けましょう。植え付け後、根付くまではしっかりと水やりし、風で倒れないよう支柱を立てておきましょう。鉢植えで栽培する場合は2年に1度、あるいは鉢内に根が回り、根詰まりを起こしていたら植え替えを行います。枯れた古い根を整理し、一回り大きな鉢に植えるようにしましょう。 剪定・摘果 Marcel Paschertz/Shutterstock.com ヤマモモは、放っておくと樹高が高くなりすぎ、とても大きくなって管理しにくくなります。また葉が密に付くことで風通しや実付きが悪くなるため、毎年の剪定を行うようにしましょう。剪定方法としては、枝が密集しないよう不要な枝を切り取る、透かし剪定が一般的です。春に全体の枝を減らすことで風通しと実付きの調整ができ、毎年安定した果実を収穫することができます。 また、ヤマモモは隔年結果といって、実が多く付いた年の翌年は実付きが悪くなるという性質があります。安定した収量の果実を毎年確保したい場合は、摘果(摘花)が必要になります。房状の花や花後の未成熟な果実を間引き、1枝に2果程度の実付きにしておくとよいでしょう。 収穫 zhang sheng/Shutterstock.com 収穫時期は6~7月、果実の赤みが増し、黒っぽくなってくる頃が収穫のタイミングです。前述のように、放っておくと隔年結果といって実付きのよい年とそうでない年を繰り返します。凶作時には全く実が付かないこともあるので注意しましょう。また雌雄異株のため、実を付けさせるためには雄株と雌株を近くに植える必要があります。基本的には風媒花といって風に花粉が運ばれて受粉する性質のため、開花期が重なれば自然と実が付くようになります。ただし、苗木で購入し、植え付けた場合は、実がなるまで最低10年は必要です。 増やし方 Akira Shimizu/Shutterstock.com ヤマモモは挿し木や接ぎ木で増やすこともできますが、成功しにくいため、種まきで増殖するのがよいでしょう。6月に落ちた果実を拾って、よく水洗いしたあと冷暗所や冷蔵庫など低温の場所に保存しておきます。翌春、3~4月に種まき用の用土とポットを用意して播きましょう。種まき後は用土が乾かないように水やりを続けます。発芽までに時間を要する場合もあるため、数週間様子を見ましょう。 病害虫 Rajkumar Thorat/Shutterstock.com 菌が幹や枝に入り込み、こぶ状の病変となる、こぶ病に注意しましょう。多湿環境で発生しやすいことから、定期的な不要枝の剪定を行い、風通しよく管理することで予防できます。もしこぶができてしまったら、早めに切り取りましょう。またハマキムシにも注意が必要です。このハマキムシは蛾の幼虫で、吐き出す糸で葉を丸めたり、2枚をくっつけるなどし、中に棲みつきながら葉を食害します。見つけ次第、葉ごと取り去るなどして取り除きましょう。 主な品種 kariphoto/Shutterstock.com ヤマモモには、収量の多い種や食味のよい種など、いろいろな品種があります。ここではそれらについて解説します。 シロモモ(シロヤマモモ) Traveller Baba/Shutterstock.com 大きな実と酸味のない甘い実が特徴です。ヤマモモほど赤くならず、ピンク色で熟します。4月から開花を始め、6月中旬から下旬にかけて実を収穫することができます。 ヒメヤマモモ Lartos_82/Shutterstock.com 中国原産の品種です。ヤマモモよりコンパクトに育ち、樹高30cm程度から実を付け始めるため、鉢植えなどでも栽培可能です。 食べて楽しむ Traveller Baba/Shutterstock.com ヤマモモは爽やかな酸味と甘みがあり、生食はもちろん、ジャムや果実酒などいろいろな利用方法があります。ここではヤマモモの活用方法について解説します。 ジャムの作り方 AlenKadr/Shutterstock.com ヤマモモ(250g)をよく水洗いします。水気を切って鍋に入れ、ヤマモモがひたひたになるくらいの水を加えて中火で煮ます。沸騰して5分ほど経ち、ヤマモモが柔らかくなったら火から下ろして湯切りをし、ザルで漉しながら種子を取り除きます。その後鍋に移して、グラニュー糖(100g)、レモン汁(大さじ1)を加え、木べらを使って弱火で焦げ付かないように混ぜながら煮ます。20分ほどして、分量が元の2/3ほどになったら、火から下ろします。煮沸消毒した瓶に入れて粗熱を取れば完成です。 果実酒の作り方 Parkova/Shutterstock.com ヤマモモ(1.6kg)を水洗いし、熱湯消毒した広口のビンに入れます。氷砂糖(1kg)を加え、焼酎(1.8L)を注ぎ、2カ月ほど保存します。焼酎にヤマモモの赤みが移ったら実を取り出し、濾過して別のビンに詰めればヤマモモ酒の完成です。 自宅で栽培してヤマモモを味わおう 4045/Shutterstock.com ヤマモモは苗木から果実を収穫できるまで時間はかかりますが、栽培は比較的簡単で、たくさん収穫できる果樹です。日もちしないヤマモモの実をそのまま味わえるのは、自宅で育てている人の特権。ぜひお庭に植えて、生食はもちろん、ジャムや果実酒などいろいろな楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。
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樹木

ミニバラを育ててみよう!栽培スタートは一年中OK
ミニバラの魅力 樹形や花の形、大きさなど多種多様なバラの中でも、小型の株で小さな花が咲くグループを「ミニバラ(ミニチュア・ローズ)」と呼びます。正確にミニバラとは、中国の園芸品種「ミニマ」の小型の性質を引き継いでいる品種を指しますが、一般的には小さく育って、小〜中輪の花を咲かせるバラがミニバラとして販売されています。近年は、母の日のギフト用やインテリア飾りとしても見かけるようになりました。 ブッシュローズ(木立性)やシュラブローズ(半つる性)などの四季咲き性のバラは、品種によって約40〜60日の周期で一番花、二番花、三番花と繰り返し咲きます。ミニバラの場合、多くは四季咲き性で、開花の周期は30〜40日。花がらを摘んでから短期間で次の花が咲くのも魅力です。 ミニバラの品種バリエーションを紹介 ‘スイート・チャリオット’ 花径:約3cm 小輪ながら多くの花びらでポンポンのようになる濃いパープルローズの花。しなやかな細い枝が伸び、株が充実すると枝垂れて房咲きになる。花には芳香がある。 ‘八女津姫(ヤメツヒメ)’(別名:‘レンゲ・ローズ’) 花径:約2cm 日本作出のレンゲソウに似た素朴な半八重花。細い枝と小ぶりな葉が茂り、花つきがよく、花もちもよい。近縁に、白花の‘白れんげ’やつる性の‘つる八女津姫’もある。 ‘ミス・ピーチ姫’ 花径:約2〜3cm 花びらの先端が一部尖った、バラらしい花形で華麗。優しいパウダーピンクの花は、もちがよく、長く楽しめる。 ‘テディベア’ 花径:約4cm 花びらの先端が反り返り、ふっくらした花は茶色がかったアンティークカラー。花もちがよいが次第に退色する。 ‘モカフェローズ’ 花径:3〜4cm 落ち着いたアンティークカラーのオレンジ系の花は他のミニバラと比べて少し大きめ。しっかりした葉が茂る。 ミニバラを購入して最初の1週間の育て方 花が咲いた状態の小さな鉢植えを手に入れたら、まず数日はテーブルや窓辺に飾って楽しむこともできますが、植物は日光に当てないと弱ってしまうので、購入してから3〜4日したらベランダの軒下など屋外へ移動し、少しずつ外の気候に慣らしていきます。特に真夏の日差しが強い時期は、室内から急に炎天下に置くとダメージを受けるので注意しましょう。 ミニバラを植え替える手順 栽培スペースが限られているベランダでも、ミニバラのブッシュ(木立性、低木)タイプなら数種類を鉢に寄せ植えて育てることができます。購入後1週間もすると株の成長が進んで、鉢の中の根も伸び始めるため、水切れも早くなります。特に、株の下方の葉が黄色くなっていたら、水切れをしたサイン。一回り大きな鉢に植え替えて、株を育てましょう。 1.土を用意して鉢や器に少し入れる 有機質の肥料を混ぜた用土を用意します。あらかじめ肥料や堆肥がブレンドされたバラ専用の用土の場合は、何も混ぜなくてもOK。植え込む鉢は、底に穴があるものを用意しましょう。用土がこぼれ出るほど大きな穴の場合は、鉢底網を敷いてから用土を入れます。 ミニバラの根鉢(根っことそれが抱えた土)を入れて、鉢の縁から数㎝表土が下がる程度をイメージして鉢底に用土を入れます。深い鉢ならば鉢底石を敷いてから用土を入れます。 2.鉢から根鉢を抜き出して落ち葉は除去 鉢から根鉢を引き抜いてみると、白い根が表面に張って広がり、根が底までよく回っています。これは順調に成長中の証。植え替えは通年可能ですが、生育中の春から秋は、表土を少し崩す程度で、根をなるべく切らないほうがよいでしょう。 根鉢を抜くと、植わっている時よりも株元に手が届きやすく見やすいので、枯れた枝や落ち葉があったら取り除いておきます。 3.鉢に根鉢をすえて隙間に土を入れる 鉢の中央に根鉢を入れて、周囲の隙間にブレンドした土やバラ専用の土を流し入れます。このとき、株が傾かないように注意。 ある程度土が入ったら、根の中に隙間なく土が入り込むように鉢の外を叩いたり割り箸などで土を突くとよいでしょう。 4.仕上げに水やり 株元付近を目がけてジョウロで水をたっぷり与えます。水を注ぐことで、細かな土が鉢底穴から流れ出て、根の隙間に用土がしっかり入ります。 水の量は、鉢底から流れ出るまでたっぷり。初夏から秋の間本は、表土が乾いたらたっぷりと…が水やりの基本です。 ベランダにオススメのバスケットの寄せ植え ひと鉢に1品種を単独で植えたものは管理がしやすく、育てやすいですが、持ち手がついたバスケットに2〜3種植えるのも、オススメです。飾って可愛い見た目も素敵ですが、日が当たる場所が時間帯や季節によって変化するベランダでは、移動も簡単で便利です。 バスケットに植えるときは、用土がこぼれ出ないように内側に麻布やビニールシートを敷き、先が尖ったものでいくつか穴をあけてから植え付けましょう。 植え付ける鉢や器の種類は、『いくつ知ってる? 押さえておきたい基本の植木鉢の種類とその特徴』も参考に。 ミニバラを植え付けた後、開花後や病気発生のトラブルなどを対処するお手入れについては、『ベランダや小さな花壇で育つミニバラのトラブルと対処法』をご覧ください。 併せて読みたい ・バラを育てたい! 初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類を分かりやすく解説 ・バラの専門家が教える! 鉢植えで育てるバラの剪定方法 ・バラの専門家が教える! 生育不良の鉢植えバラの剪定方法 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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ガーデンデザイン

小さな庭のガーデニングテクニック「寄せ鉢」アイデア
地植えができない小さな庭こそ「寄せ鉢」ガーデニングを 砂利敷きの空き地を利用して、大中小の鉢を並べたコーナー。竹を組んだ行灯仕立てがアクセントになっています。 土を掘り起こして植物を植える場所がある人も、そうでない人も、誰でも始めることができるのが鉢植えです。例えば、タイルなどで覆われたテラスやベランダ、玄関周り、舗装された場所、芝生を張っている場所など、どんな場所でも、鉢植えならば置くだけで植物が育つスペースになります。どこに花壇をつくるとしっくりくるかが分からず、庭づくりが進まないという人にも、まずは鉢植えを集合させて様子を見るなど、寄せ鉢ガーデニングは役立ちます。 大中小とサイズがバラバラな多肉植物も、コレクションが増えていけば見応えのあるコーナーになります。切り株を台にして、高低差をつけるのもアイデア。 鉢の数も1つからスタートして、2つ、3つと増やしながら組み合わせを楽しみ、置き方をいつでも自由に変更できるのも鉢植えの利点です。写真のように、切り株やレンガなどを下に置いて、高低差を出すと立体感のあるコーナーになります。旬が過ぎてしまった花や調子がよくない株は移動して、次の季節までバックヤード(植物を養生させておく控え室のような場所)で養生しておくこともできます。 季節によって日当たりが変わる環境なら、日が当たる場所に移動したり、暑さを避けるために夏だけは日陰に移動するなど、臨機応変に対応できるのも鉢植えの魅力です。 このほかにも寄せ鉢の利点はいろいろあります。『一鉢の鉢植えから始める「寄せ鉢」ガーデニング』もご覧ください。 寄せ鉢ガーデニングを一鉢からスタート 何も育てていなかった角地に、シンプルに一鉢置くだけで、風を感じる場所になります。大きな鉢に植えておけば、真夏以外は水やりの頻度は少なくてすみ、手間もさほどかかりません。地植えにすると思いがけない場所に根がはびこってしまう竹も、鉢植えで育てればコンパクトに育ち、高さやボリューム、奥行き感が出て、モダンな空間になります。和風の庭にも似合いますね。 ひと鉢の竹を上手に育てられる自信がついてきたら、モミジ、シダ、フウチソウ、ヒマラヤユキノシタ、ヒューケラ、ティアレラなどを少しずつコレクションしていけば、こんな高低差のあるダイナミックな植物空間が完成します。夏場の水切れにだけは気をつけて、葉のバリエーションを眺めて楽しい空間に。 隣家との境に立っているグレーのブロック塀も、明るい色にペイントして、大小の鉢植えを集めたら、瑞々しいコーナーになります。寄せ鉢なら、樹木も宿根草も一年草も、生育環境が多少ばらばらでも1カ所で育てられるのも「寄せ鉢」ガーデニングのよいところ。敷地内に物置になっているだけのデッドスペースがあったら、真似してみたい好例です。 店先に緑をプラスして小さな庭のトレンド感アップ 寄せ鉢ガーデニングは、自宅の庭だけでなく、お店のイメージアップにも役立ちます。イギリスで見つけた、この寄せ鉢ガーデニングの例では、円錐形に整えたツゲのトピアリーを2種ブリキ缶に植え、その間に緑のシダ類や銅葉の西洋ニワトコ、グラス類を配置して、シックなグリーンを演出。白枠の窓に映えて、今っぽさを感じます。 寄せ鉢空間を引いて見ると、軒先につる植物が茂り、重厚な建物に瑞々しさがプラスされていました。どんなお店なのか、植物につられて中に入ってみたくなる効果があります。 アルミ製の大きな缶に、籐で編まれたオベリスクを入れ、クレマチスやトケイソウ、ブーゲンビリアやマンデビラなどのつる植物を育てたら、テラスのアクセントになります。花が咲いていない時期でも、緑が茂るオベリスクがあるのとないのとでは、景色が一変。 蜂蜜色の外壁にマッチするパステルカラーの寄せ鉢 ほぼ同じサイズのテラコッタ鉢をいくつも並べた、可愛い雰囲気の寄せ鉢ガーデニングの例です。 公道に面して、家と道との間に地植えの花壇がつくれない場所でも、花台を置いて、ずらりと鉢植えを並べれば、可愛い花咲くスペースになります。大小の鉢をランダムにレイアウトした場合、統一感がでず上手にできないこともありますが、花台に乗せれば、まとまった印象になります。 2段、3段と段差がある花台なら立体感が出て、風通しもよく、各鉢にしっかり日が当たります。寄せ鉢なのにまとまって見えるポイントは、鉢の素材を揃えて、花色を2色に絞っていること。紫花のキャットミントやサルビア・ネモローサ、ピンク花のバーバスカムやレースフラワーが混ざり咲いて、鉢植えだけでつくったとは思えないナチュラルな春のコーナーです。 いつもの風景に、鉢植えを置いて小さな庭をイメージチェンジ すでにガーデニングを楽しんでいる人も、ちょっとマンネリ気味の景色を変えるのに、寄せ鉢は活躍します。既存の樹木の株元など、特に日々の変化が少なくて見飽きてしまった場所に、寄せ植えや花咲く鉢植えを添えてみるだけで、小さな庭園が生まれて印象が変わりますよ。1鉢、2鉢と置いてみたら、もしかしてこの場所にはこんな色が似合うかも? など、新しいコーナーづくりのアイデアを思いついたり、新しい一歩が見えてくるかも。 鉢植えを活用することで、ガーデニングの腕が上がったり、景色が変わったり…。寄せ鉢のよる植栽法は、暮らしを豊かにするお手伝いをしてくれますよ。
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宿根草・多年草

春の妖精 スプリング・エフェメラル「カタクリ」を咲かせよう
カタクリとは。日本全国で春を知らせる身近なかわいい花 早春の落葉樹林にいち早く花を咲かせるカタクリ。落ち葉の間からそっと芽を出し、やわらかな日差しのもとで透き通るようなピンクの花びらをくるりと反り返らせて揺れている姿は可憐そのものです。カタクリのことを、もう少し詳しくご紹介しましょう。 カタクリとは? カタクリは、ユリ科カタクリ属の多年草。 北東アジア(朝鮮半島、千島列島、ロシア沿海州)と日本に広く分布しています。 学名は、Erythronium japonicum Decne、英名は和名と同じく「Katakuri」です。また、「Dogtooth violet」とも呼ばれています。古語では「堅香子(かたかご)」。花の様子が傾いた籠に似ていることからといわれています。 カタクリの生育環境 カタクリは冬に日光がよく差し込むブナ、ミズナラ、イタヤカエデなどの落葉広葉樹林の林床に群生します。 カタクリが芽を出し花を咲かせ、葉を茂らせて根(鱗茎)に栄養を蓄えることができるのは春先の2カ月という短い期間。この短さが「スプリング・エフェメラル=春のはかない命(妖精)」と称せられ、愛惜されるゆえんです。 カタクリのライフサイクル カタクリは夏に葉を枯らし、翌年の春まで休眠します。光合成ができる期間が短いため栄養を蓄えるのに長い時間を要し、種子から花を咲かせるまでに8、9年もかかります。そのため、カタクリを育てる場合は種子からではなく、球根を手に入れて9〜10月頃植え付けます。通販で芽出しポット苗を購入することもできます。 なお、料理で使う片栗粉の原料はジャガイモやサツマイモのデンプンです。かつてはカタクリの鱗茎から抽出していましたが、製造量がごくわずかであるため、現在はほとんど見られません。本物の片栗粉は、薬局などで漢方薬として扱われています。本物は消化がよく、病後の滋養に用いられています。 カタクリの種類・初心者におすすめの品種も! 前にも述べましたが、カタクリはユリ科カタクリ属の植物。 カタクリ属は北半球に約20種類が分布しており、その大部分は北アメリカに生育しています。また、ヨーロッパアルプスや日本を含む北東アジアに分布している種類があります。 日本でカタクリといえば、ピンクの花を思い浮かべますが、海外では白や黄色の花が多く、早春のガーデンの彩りとしても活躍しています。では、カタクリの代表的な種類をご紹介しましょう。 エリスロニウム・ヤポニカム 日本の自生種。「エリスロニウム」はカタクリ属を表します。「ヤポニカム」は日本産という意味です。夏は日陰になる涼しい場所を好みます。 エリスロニウム・パゴタ 性質強健で暖地でも育てやすい種類です。花は明るい黄色。カタクリを初めて育てる人におすすめです。 エリスロニウム・アメリカヌム 生育環境は日本のカタクリによく似ていますが、花は黄色。 エリスロニウム・ヘンダーソニー 白から薄いピンクで、濃い赤紫の斑紋が入ります。アメリカのカリフォルニア州に分布しています。 エリスロニウム・デンスカニス 日本のカタクリに似たヨーロッパ産の種類。日本のカタクリより花は赤みが強く、また増えやすくて多くの園芸種があります。 カタクリの育て方・落葉樹の下がポイント カタクリの基本的な植え方についてご紹介しましょう。 植え付け時期 カタクリは夏前に休眠に入ります。休眠中の根の出る前が、植え付けの最適期。 7〜10月に球根を入手し、植え付けましょう。植える時期が遅くなると、成長に悪い影響が出る可能性があり、花が咲かないこともあります。 植え付け場所 カタクリは寒さには強いですが、夏の暑さが苦手。枝が粗い落葉樹の東側に植え付けると、適度に木漏れ日や早春の日差しが当たり、夏の地温の上昇を防ぐことができます。自生地に似た環境を用意しましょう。腐植質に富んだ、水はけがよく、かつ乾きすぎない場所を選んでください。 植え付け時の注意点 <地植えの場合> 植え付け場所は40cm程度の深さまで耕しておきます。そして土に対し、堆肥、腐葉土、ピートモスを3割程度入れます。さらに根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜます。球根は、5〜6cmくらい土がかかる深さで、10cmくらいの間隔で植え付けます。定植後の乾燥に注意して、適宜水やりをしてください。 ワラや落ち葉をかけてマルチングしておくと、地温が高くなりすぎたり、雨で土が固くなるのを防ぎ、乾きや凍結防止などにも役立ちます。 <鉢植えの場合> 鉢が小さいと乾燥しやすいため、直径15〜18cm、深さ20cm程度の腰高の鉢を使います。腰高鉢を使うことで、根が深く張るようにもなります。用土は腐葉土が3割程度入っている培養土を選び、緩効性の化成肥料を混ぜておきます。 球根は2〜3cmくらい土がかかる深さで、4〜5球植え付けます。植え付け後、軽く水をかけ、2日後くらいにたっぷり水をやります。土が乾くと根張りが悪くなるので、常に湿り気を保つようにします。 冬季、鉢が凍る恐れがある時は、南向きの軒下に埋めておくと、乾きすぎと鉢土の凍結を防げます。 発芽後から開花期の管理 3月、暖かくなってくるとカタクリの2枚ある本葉のうち1枚が開き、霜の恐れがなくなる頃にもう1枚の葉と蕾が出て、短期間のうちに花が咲きます。花は2週間ほど楽しめます。この時期、葉を大きく広げて光合成を行い根に栄養を送るため、しっかり太陽に当てます。葉を1日でも長くもたせるのがポイントです。芽出しから葉が緑色になっている間に、月2回程度の頻度で液肥を水の代わりに与えると効果的です。 また、土は常に湿り気を保つように管理します。鉢植えは特に注意して鉢土を乾かさないようにします。 病害虫 気温が低い時期に成長し開花するため、病気が発生したり、害虫がつくことはほとんどありません。ただし、近くに黄色いパンジーなどを植えている場合、そちらからアブラムシが移動してくる可能性があるので注意しましょう。 2〜3月は、葉に赤茶色の粉がついているように見える「さび病」に注意。さび病になると、葉に異変が起きるだけでなく、花が咲かなくなる恐れがあります。さび病に感染したら、その部分の葉を切り取って焼却してください。 開花後の管理 カタクリが地上で活動するのは2〜3月。短い期間なので、葉をできるだけ長くもたせて、光合成を行い栄養分を根に送ることが大事です。そのため、芽出しと同時に置き肥をしたり、液肥をやるなどの肥培が重要です。 生育中は水を切らさないように、また休眠中も表土が乾かないように管理します。 自生地に近い環境を意識し、開花後の鉢は木漏れ日の当たる場所に置きましょう。 カタクリの寿命は40〜50年と意外に長いです。特に洋種のカタクリは丈夫なため、きちんと環境を整えてやれば、何年も花を咲かせてくれます。 カタクリの自生地に行ってみよう 桜の開花情報が聞かれると同時に、日本全国のカタクリの自生地からカタクリ開花のニュースが流れてきます。木々のこずえが、うっすらと芽吹き始める直前の里山。うらうらと暖かな陽光の差す落葉樹林の足元を一面ピンク色に染めてカタクリは咲き出します。花の寿命は2週間ほど。はかなくも美しい命を輝かせて咲くカタクリとの一年に一度の出会いです。 さっそくカタクリの自生地を調べてカタクリを見に行きましょう。 カタクリの自生地は全国各地にあります。有名な自生地の一例として 北海道 旭川市 男山自然公園 秋田県 仙北市 鎌足カタクリ群生地 千葉県 千葉市 泉自然公園 栃木県 三毳山、佐野市万葉自然公園 神奈川県 相模原市 城山かたくりの里 埼玉県 新座市 牛沢地区 東京都 練馬区清水山の森 / 清瀬市清瀬中里緑地保全地域 などがあります。 これらの自生地では、カタクリだけでなく、早春の山野草のイチリンソウ、ヒトリシズカ、アマナなども見ることができます。なお、カタクリは絶滅危惧種Ⅱ類として保護されている植物ですから、十分注意して観察しましょう。 自生地の環境をじっくり観察すれば、カタクリの育て方のヒントをもらえるはずです。 万葉の昔、大伴家持が 「もののふの八十乙女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花」 (注)堅香子(かたかご)はカタクリの古名 と詠んだ短歌で知られるように、カタクリは古くから美しい春の花として親しまれてきました。植え方、環境に配慮すれば、毎年花を楽しむことができます。 「スプリング・エフェメラル=春の妖精」との再会を期して、まず球根を手に入れて植えてみませんか。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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寄せ植え・花壇

【春の寄せ植え】何年も楽しめるクリスマスローズの寄せ植え
何年も楽しめるクリスマスローズの寄せ植え クリスマスローズは早春、まだ空気に冷たさが残る2月から咲き出し、いち早く春を告げてくれる宿根草です。宿根草とは、何年も繰り返し花を咲かせてくれる植物のこと。寄せ植えは主に一年草を組み合わせ、季節ごとに花を植え替えることが多いですが、クリスマスローズの寄せ植えは、何年も続けて楽しめるのが魅力です。宿根草の多くは冬に地上部がなくなりますが、クリスマスローズは常緑でいつも大きな美しい葉を展開しています。ですから、葉の組み合わせも意識して植物をセレクトすると、花後の初夏以降も美しい鉢が楽しめます。 寄せ植えにできるクリスマスローズは? 寄せ植えにする場合、どんなクリスマスローズを選んだらよいかといえば、ポイントは茎の長さです。クリスマスローズの株元に他の草花を配置したいので、ゴールドネクタリーなど、元来茎の短い品種は寄せ植えには向きません。また、クリスマスローズの草丈が鉢の高さと1対1以上で、少し高くなるほうがグッドバランス。品種によって草丈は異なりますが、多くは30〜40cm程度あるので、寄せ植えにできます。花の咲き始めは茎が短いこともありますが、暖かくなるにつれスッと花茎が伸びてきます。本来は茎が伸びる品種なのになかなか伸びない場合は、葉に栄養を取られていると考えられるので、葉っぱを切って花茎に栄養を集中させるといいでしょう。葉っぱは花後に必ず展開してきますので、切っても大丈夫です。 クリスマスローズに組み合わせる植物は? クリスマスローズの株元で咲くプリムラ。 組み合わせる植物は、自生地の植物が参考になります。クリスマスローズはヨーロッパ全域から地中海沿岸、バルカン半島、黒海沿岸に自生しています。私が訪れた場所では、野生のクリスマスローズがクロッカスなどの小球根とともに咲いていたり、プリムラの花とも一緒によく咲いていました。小さな花々とお喋りをするように、うつむいて咲く姿のなんと愛らしかったことでしょう。自生地で一緒に育つものは、鉢の中でも仲よく育ちます。また、クリスマスローズは半日陰を好むので、夏は特に直射日光を避けて管理する必要があります。同じ半日陰の環境で育つヒューケラやティアレラなどを合わせると、クリスマスローズの花後は次の花が楽しめます。 クリスマスローズの花後に咲き出すティアレラの花。 クリスマスローズと小球根の寄せ植え 優しいピンク色のクリスマスローズに、淡いブルーのムスカリを合わせました。ムスカリは植えっぱなしで何年も繰り返し花が咲いてくれる春の小球根で、来年も同じようにクリスマスローズと一緒に咲いてくれます。今年の春に植えるなら開花している小球根を買いますが、来年からは植えっぱなしで咲いてくれます。秋以降、クリスマスローズの鉢に球根を植え込んでもいいでしょう。 初夏以降に咲くヒューケラの花。 鉢の縁には、赤紫色の葉のヒューケラを入れました。クリスマスローズには赤紫色の模様が入る花が多く、同じ葉色をもつヒューケラも好相性です。5〜7月にかけて、赤いプチプチとした可愛い花を咲かせます。表土を覆うように育つライムグリーンの葉はセダム。クリスマスローズの花とバトンタッチで、4月以降、黄色の小さな花を咲かせます。表土を覆うように這って広がるので、夏に鉢の乾きを防いでくれる役目も果たしてくれます。ヒューケラもセダムも宿根草ですから、植えっぱなしで来年も咲いてくれます。 クリスマスローズとプリムラの寄せ植え グリーンの爽やかなクリスマスローズに合わせて、ホワイト&グリーンの原種チューリップと、小型のスイセン、ブルーのプリムラ・ジュリアンを合わせました。プリムラ・ジュリアンは品種数が豊富で、華やかなものからアンティークカラーまで幅広く揃うので、花の個性が豊かなクリスマスローズとの組み合わせで楽しみは無限大に広がります。プリムラは暑さに弱く夏越しが難しいので、一年草扱いになることが多いですが、春先には園芸店に多くの品種が並びます。 花ばかりでなく、葉の組み合わせも大事です。クリスマスローズの葉は常緑なので、葉の組み合わせも考えて選ぶと花後の楽しみが長くなります。シュッと細長い葉はミスカンサス。ミスカンサスのようなフォルムの違いが際立つものやシルバーリーフ、ブロンズカラーなど色の美しい葉も名脇役として寄せ植えで活躍してくれます。 左/草丈10cm程度の原種チューリップ・ポリクロマとシルバーリーフのサントリナ。右/斑入りの細長い葉が美しいミスカンサスとアッツザクラの小さな花。 ピンク系のクリスマスローズに合わせて同系色のプリムラを。 クリスマスローズの寄せ植えの花後の管理 クリスマスローズは3月には花盛りを迎えます。花と呼んでいる部分は本来ガクなので、4月になっても散ることなくついたままです。しかし、ずっと茎についたままの状態にしておくとタネができ体力を消耗してしまうので、4月から遅くとも5月には花茎をカットしましょう。タネをつけるのに体力を使ってしまうと、夏越しが難しくなります。花後は葉が展開してきて、光合成をして株に栄養を送ります。西日の当たらない場所に置いて、涼しく過ごさせてあげましょう。水は、表土が乾いてからたっぷり与えます。夏は基本的に休眠期になるので、施肥はせずに秋以降、固形肥料を与えましょう。 植え替えは2〜3年に1度でOK 株が生育して太ってくると、根が詰まって花数が少なくなってくることがあります。根張りの状態を見て、秋に植え替えをしますが、目安は2〜3年に1度くらいの頻度です。同じ鉢に植え替える場合は株分けをし、リサイズしてから植え付けます。大きく育てたい場合は、それまでよりも1回り大きな鉢に植え替えましょう。
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宿根草・多年草

バラに似合う草花選び4つのポイント&おすすめ28種
バラに似合う草花選びの大切なポイントは4つ バラが咲くナチュラルな庭を目指す場合、一緒に咲かせる草花を選ぶときの基本的なポイントは4つあるとバラの専門家、河合伸志さんが解説してくれました。では、大切な4つのポイントをご紹介しましょう。 バラの草花選びポイント1 1つめは、バラと合わせるのであれば、バラの好む環境で生育できる植物を選ぶこと(これは絶対にはずしてはいけないポイントです)。肥料分の少ない土地や日陰地、湿地などを好む植物は、バラが栽培できない場所で上手に活用しましょう。 バラの草花選びポイント2 2つめは、バラと喧嘩しない花を選ぶこと。例えば開花期が重なる大輪のシャクヤクや大輪のダリアなどは、バラと主役を奪い合ってしまうのでNGです(小輪など控えめなバラと組み合わせるのであればこれらもOKです)。 バラの草花選びポイント3 3つめは、草花をバラの脇役としたいのならば、バラと開花期が重なるものを選びます。例えば、アグロステンマやヤグルマギクなどの一年草やサルビア・ネモローサ‘カラドンナ’などの宿根草がオススメです。主張のあまり強くない小花や線の細い穂状花はバラに違和感なく合わせられます。 バラの草花選びポイント4 4つめは、可能であればバラの花が終わっても長期間楽しめるカラーリーフや長期咲きの宿根草を選ぶことです。例えば、アメリカテマリシモツケ‘ディアボロ’は晩秋まで銅葉が茂り、背景となって華やかなバラの色を引き立て、さらに最後に紅葉で楽しませてくれます。日本の野草、アラリア(ウド)‘サン・キング’やシュキンハギの明るいライムグリーンの葉も株元を明るくしてくれてオススメです。長期咲きの植物としては、バラの足元で4月中旬から11月まで咲き続けるエリゲロン・カルビンスキアヌスや宿根バーベナ、バラの開花期から11月まで咲くゲラニウム‘アズール・ラッシュ’などは、バラに彩りを添えるだけでなく、バラの開花期の合間も埋めてくれて大変に重宝します。 派手になりがちな赤系のバラと優しいパステルカラーのバラが混ざり咲き、庭全体が調和して見えるのは、カラーリーフや小花が咲く下草が間をつないでいるおかげです。写真右側のシックな銅葉は、スモーク・ツリー(ケムリノキ)。その奥にある明るい黄緑色の葉を茂らせているのは、シュキンハギ。手前右側のグラスの穂(ラグラス・オバタス)は庭に優しさをプラスしています。 暖色系の花が咲く下草 左から、シレネ‘ピンクピルエット’(宿根草/草丈30〜50㎝)、アグロステンマ(一年草/草丈80〜100㎝)、シレネ・ディオイカ(宿根草/草丈約30〜50㎝)、カレンジュラ‘ブロンズ・ビューティ’(一年草/草丈約30㎝)、シレネ・ディオイカ(宿根草/草丈約30〜50㎝) 寒色系の花が咲く草花 左から、サルビア・ファリナセア(一年草扱い(暖地では宿根する)/草丈約30〜40㎝)、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’ (宿根草/草丈約30〜50㎝)、リナム(ペレニアル・フラックス)‘ブルー・ドレス’(宿根草(暖地では一年草扱い)/草丈約30〜50㎝)、ヤグルマギク‘ダブル・ブルー’(一年草/草丈約60〜80㎝)、ラベンダー‘エイボンビュー’ (低木/樹高約20〜50㎝)、カンパニュラ・メジウム‘チャイム・パープル’(一年草/草丈約60〜80㎝)、リナリア・プルプレア(宿根リナリア)(宿根草/草丈約50㎝) ダークなトーンの草花 左から、セリンセ・マヨール(一年草/草丈約30〜50㎝)、ヤグルマギク‘ブラック・ボール’ (一年草/草丈約60〜80㎝)、アメリカテマリシモツケ‘ディアボロ’ (中低木/樹高約100〜200㎝)、ペンステモン‘ハスカー・レッド・ストレイン’ (宿根草/草丈40〜50㎝)、ニシキシダ‘アースラズ・レッド’(宿根草/草丈約20~30㎝)、セイヨウニワトコ‘ブラック・レース’ (中木/樹高約150〜300㎝) 明るいトーンの下草 左から、エリゲロン・カルビンスキアヌス(宿根草/草丈約15㎝)、アグロステンマ・ギダゴ‘オーシャン・パール’ (一年草/草丈約80〜100㎝)、シロタエギク(ダスティー・ミラー)(宿根草/草丈約20~40cm)、ミヤコワスレ(白花)(宿根草/草丈約20〜30㎝)、ニゲラ(一年草/草丈約20〜40㎝)、ツリー・ジャーマンダー(低木/樹高約30〜80㎝)、ラグラス・オバタス(一年草/草丈70㎝)、ヒナゲシ‘ブライダル・シルク’(一年草/草丈約70〜100㎝)、ギボウシ‘ハルシオン’(宿根草/草丈約30〜40㎝)、右上はアラリア(ウド)‘サン・キング’ (宿根草/草丈約30〜60㎝)























