小さな庭のガーデニングテクニック「寄せ鉢」アイデア

気に入った植物を1鉢、2鉢と集めながら鉢植えコレクションを増やしていくうちに、いつの間にかガーデニングにはまってしまう! ガーデニング初心者さんにもオススメの一鉢から育てる「寄せ鉢」ガーデニングの楽しみ方をご紹介。ガーデニングの本場、イギリスで見つけた、鉢植えだけのおしゃれなガーデニング・シーンを参考に、さあ、ガーデニングにチャレンジしよう!
目次
地植えができない小さな庭こそ「寄せ鉢」ガーデニングを

土を掘り起こして植物を植える場所がある人も、そうでない人も、誰でも始めることができるのが鉢植えです。例えば、タイルなどで覆われたテラスやベランダ、玄関周り、舗装された場所、芝生を張っている場所など、どんな場所でも、鉢植えならば置くだけで植物が育つスペースになります。どこに花壇をつくるとしっくりくるかが分からず、庭づくりが進まないという人にも、まずは鉢植えを集合させて様子を見るなど、寄せ鉢ガーデニングは役立ちます。

鉢の数も1つからスタートして、2つ、3つと増やしながら組み合わせを楽しみ、置き方をいつでも自由に変更できるのも鉢植えの利点です。写真のように、切り株やレンガなどを下に置いて、高低差を出すと立体感のあるコーナーになります。旬が過ぎてしまった花や調子がよくない株は移動して、次の季節までバックヤード(植物を養生させておく控え室のような場所)で養生しておくこともできます。
季節によって日当たりが変わる環境なら、日が当たる場所に移動したり、暑さを避けるために夏だけは日陰に移動するなど、臨機応変に対応できるのも鉢植えの魅力です。
このほかにも寄せ鉢の利点はいろいろあります。『一鉢の鉢植えから始める「寄せ鉢」ガーデニング』もご覧ください。
寄せ鉢ガーデニングを一鉢からスタート

何も育てていなかった角地に、シンプルに一鉢置くだけで、風を感じる場所になります。大きな鉢に植えておけば、真夏以外は水やりの頻度は少なくてすみ、手間もさほどかかりません。地植えにすると思いがけない場所に根がはびこってしまう竹も、鉢植えで育てればコンパクトに育ち、高さやボリューム、奥行き感が出て、モダンな空間になります。和風の庭にも似合いますね。

ひと鉢の竹を上手に育てられる自信がついてきたら、モミジ、シダ、フウチソウ、ヒマラヤユキノシタ、ヒューケラ、ティアレラなどを少しずつコレクションしていけば、こんな高低差のあるダイナミックな植物空間が完成します。夏場の水切れにだけは気をつけて、葉のバリエーションを眺めて楽しい空間に。

隣家との境に立っているグレーのブロック塀も、明るい色にペイントして、大小の鉢植えを集めたら、瑞々しいコーナーになります。寄せ鉢なら、樹木も宿根草も一年草も、生育環境が多少ばらばらでも1カ所で育てられるのも「寄せ鉢」ガーデニングのよいところ。敷地内に物置になっているだけのデッドスペースがあったら、真似してみたい好例です。
店先に緑をプラスして小さな庭のトレンド感アップ

寄せ鉢ガーデニングは、自宅の庭だけでなく、お店のイメージアップにも役立ちます。イギリスで見つけた、この寄せ鉢ガーデニングの例では、円錐形に整えたツゲのトピアリーを2種ブリキ缶に植え、その間に緑のシダ類や銅葉の西洋ニワトコ、グラス類を配置して、シックなグリーンを演出。白枠の窓に映えて、今っぽさを感じます。

寄せ鉢空間を引いて見ると、軒先につる植物が茂り、重厚な建物に瑞々しさがプラスされていました。どんなお店なのか、植物につられて中に入ってみたくなる効果があります。

アルミ製の大きな缶に、籐で編まれたオベリスクを入れ、クレマチスやトケイソウ、ブーゲンビリアやマンデビラなどのつる植物を育てたら、テラスのアクセントになります。花が咲いていない時期でも、緑が茂るオベリスクがあるのとないのとでは、景色が一変。
蜂蜜色の外壁にマッチするパステルカラーの寄せ鉢

ほぼ同じサイズのテラコッタ鉢をいくつも並べた、可愛い雰囲気の寄せ鉢ガーデニングの例です。

公道に面して、家と道との間に地植えの花壇がつくれない場所でも、花台を置いて、ずらりと鉢植えを並べれば、可愛い花咲くスペースになります。大小の鉢をランダムにレイアウトした場合、統一感がでず上手にできないこともありますが、花台に乗せれば、まとまった印象になります。

2段、3段と段差がある花台なら立体感が出て、風通しもよく、各鉢にしっかり日が当たります。寄せ鉢なのにまとまって見えるポイントは、鉢の素材を揃えて、花色を2色に絞っていること。紫花のキャットミントやサルビア・ネモローサ、ピンク花のバーバスカムやレースフラワーが混ざり咲いて、鉢植えだけでつくったとは思えないナチュラルな春のコーナーです。
いつもの風景に、鉢植えを置いて小さな庭をイメージチェンジ

すでにガーデニングを楽しんでいる人も、ちょっとマンネリ気味の景色を変えるのに、寄せ鉢は活躍します。既存の樹木の株元など、特に日々の変化が少なくて見飽きてしまった場所に、寄せ植えや花咲く鉢植えを添えてみるだけで、小さな庭園が生まれて印象が変わりますよ。1鉢、2鉢と置いてみたら、もしかしてこの場所にはこんな色が似合うかも? など、新しいコーナーづくりのアイデアを思いついたり、新しい一歩が見えてくるかも。
鉢植えを活用することで、ガーデニングの腕が上がったり、景色が変わったり…。寄せ鉢のよる植栽法は、暮らしを豊かにするお手伝いをしてくれますよ。
Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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